カプ色あり

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2013年03月16日(土)
髭騎士13
2013年03月04日(月)
豆騎士 初空月編2
2013年02月25日(月)
豆騎士 初空月編
2013年01月27日(日)
髭騎士11
2012年12月07日(金)
金緑石13
2012年12月05日(水)
金緑石12
2012年12月04日(火)
髭騎士10
2012年10月01日(月)
髭騎士 眼鏡の日編
2012年08月13日(月)
髭騎士9
2012年08月08日(水)
髭騎士 髭の日編

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

髭騎士13
CP:ヒュハボ(R18)

「ん……んふ……」
 深く口づけてくるヒューズの首に、ハボックは甘く鼻を鳴らしながら腕を回す。自分から引き寄せ更に深く唇を合わせれば、ヒューズの舌がハボックの口内を思うまま蹂躙した。
「ふ……ぅふ」
 飲みきれない唾液が唇の端から零れてハボックの首筋を濡らす。ヒューズはそれを辿るように白い首筋に舌を這わせた。時折きつく吸い上げれば白い肌に紅い花びらが散る。チクリとした痛みにハボックは眉を顰めた。
「や……痕つけちゃ……っ」
「いいだろ、俺のもんだって印」
「よくねぇ」
 ハボックは言ってヒューズを押しやる。痛みを感じた部分を指でなぞり顔をしかめた。
「こんなとこ……ハイネック確定じゃん」
 嫌いなのに、とブツブツ言うハボックをヒューズは鼻に皺を寄せて睨む。
「一々煩せぇな、気持ちよくさせろとか言ったくせに」
「もっと他にオレが気持ちよくなれるとこ知ってるっしょ?」
 そう言って上目遣いに見つめてくるハボックにヒューズは目をみはる。クッと笑うとつけた花びらを指でこすって言った。
「確かにな」
「やっ、益々目立つっ」
 指を離せば薄紅だった花びらは紅くくっきりと白い肌に浮いている。恨めしげに睨んでくる空色にチュッと口づけてヒューズは胸の頂に唇を寄せた。
「アッ」
 きつく吸いつかれてハボックは首を仰け反らせる。ヒューズは唇に含んだ乳首を舌先で押し潰し前歯で噛んだ。
「んあッ!やんっ、噛むなッ」
 ゆるゆると首を振って髪を掴んでくるハボックに構わず、ヒューズはもう片方の乳首を指できつくこねくり回す。両方の乳首を唇と指先で執拗に愛撫されて、ハボックはビクビクと震えながら喘いだ。
「ヤラシイな、ジャン。胸弄られて感じてんのか?」
 弱いと知っていてヒューズは意地悪く囁く。そうすれば、ハボックが腕で顔を隠して言った。
「アンタがそうしたんじゃん……っ」
 ヒューズに抱かれるようになった当初は、胸など弄られても違和感があるばかりだった。だが、何度も何度も繰り返されるうちいつしかそこは性感帯へと変わり、胸への愛撫でハボックの楔は高々とそそり立ち蜜を垂れ流していた。
「こんなにして」
 ヒューズは楽しそうにハボックの楔を指で弾く。甘い悲鳴を上げたハボックの楔からとろんと零れた蜜が竿を伝わり双丘の狭間へと垂れていった。
「ジャンくんは胸弄られんの大好きだもんなぁ」
「アッ!」
 ヒューズは言って両方の乳首をそれぞれ指で摘む。そのままキュウと抓るように引っ張れば、ハボックが胸を仰け反らせて身悶えた。
「やっ……、馬鹿ァッ」
 ハッハッと息を弾ませてハボックがヒューズを睨む。それに楽しそうに見返して執拗に胸を弄り続ければ、ハボックがポロポロと泣き出した。
「そこばっかり、もうヤダ……ッ」
 ハボックは言ってもどかしげに尻を振りそそり立った楔をヒューズの腰に押し付ける。そうすれば、ヒューズの楔もハボックのそれに負けず劣らず昂っているのが布越しにも感じられて、ハボックは濡れた瞳でヒューズを睨んだ。
「いつまで服着てんのさ。本気でオレの事気持ちよくしてくれる気あんの?」
 挑むように告げられる言葉にヒューズはニヤリと笑う。
「折角手加減してやってたのに、後で泣き言言うなよ?」
「言わねぇし。年寄りには無理ならはっきり言えば?」
 濡れた頬に笑みを浮かべて言い返してくるのが愛しくて可愛くて仕方ない。だが、そのことは口にはせず、ヒューズは体を離すと服を脱ぎ捨てた。
「泣き言言うなよ」
「いいから早く来てよ」
 そう言って伸ばされてくる腕に引き寄せられるようにヒューズはハボックに圧し掛かっていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですv

「髭騎士」です。らぶらぶ?まだもうちょっと?続きます〜(笑)

ところで、今日の更新、ちょっとヤバくなってきました(汗)「セレスタ」は書いたんだが「フレア・ブルー」がまだ途中だ……。あと少しで来客があるし、その後も父が来たりするのでその隙間で何とか。「セレスタ」だけになったらすみません(苦)

でもって、書く時間が限られてくると頭をもたげるのが先日もちょっと呟いた今後の事だったりします。今の感じだとやっぱりハボロイは縮小方向になるかも……。まあ、私が遅筆でリク主さまが熱いうちにお届け出来ないのがいけないのですが、それでも連載を始めても終わっても全く反応がないのを見ると「もううちのハボロイは需要がないかなぁ」と思うのですよね。だったら一人でも二人でも需要のあるロイハボなりハボ受けなりに時間を割いた方がいいんじゃないかと。今頂いているリクを全部消化した上で後は気ままにハボロイを書きたい時にだけ書くのか、更新ペースをハボロイを少なくしてロイハボを増やすのか、それともやっぱり今のままいくのか、まだ若干悩み中ですが最終的に判断したらきちんとご報告したいと思います。
2013年03月16日(土)   No.302 (カプ色あり)

豆騎士 初空月編2
CP:エドハボ(R20)

「んっ、……ちょっ、大しょ……んんッ!」
 最初の内はされるがままキスを受け止めていたハボックだったが、あまりにしつこく繰り返されるそれにいい加減辟易してエドワードを押し返す。それでもまだ唇を寄せてくる少年に、ハボックは顔を背けて言った。
「いい加減にしろよ、大将!もういいだろッ」
 確かに久しぶりの再会でハボックも嬉しいとは思う。とは言え、こんなところでキスを繰り返せる程羞恥心がない訳ではなかった。
「ほら、もうどいて。帰ろう」
 ハボックはそう言うとエドワードを押しのけて体を起こそうとする。だが、起こしかけた体を、エドワードは地面に押し戻した。
「やだ、まだ全然足りねぇ……つか、――シよ?」
 エドワードはそう言って腰を押し付けてくる。布越しに感じる熱い昂りに、ポカンとしたハボックは次の瞬間真っ赤になってエドワードを押し返した。
「なっ、なに考えてんだよッ、大将っ!」
「なにって……ナニの事」
「な……ッ」
 まん丸に見開く空色にエドワードはニンマリと笑う。押さえつけたハボックの股間に手を差し入れ、布地ごとギュッと握り締めた。
「ヒャッ?」
「シようぜ、少尉」
「バカバカバカッ、やめ……ッ」
 股間を弄る手を振り払おうとする前に揉み込むように握られてハボックは息を飲む。何度か握り締めれば忽ち手の中で息づく楔に、エドワードはクスクスと笑った。
「少尉だってその気になってんじゃん」
「弄られたら反応して当たり前だろッ」
 若い男なのだ、直接刺激されたら勃たない方がどうかしている。
「さ、触んなッ」
 これ以上弄られたら堪らないと、ハボックは必死に身を捩る。だが、執拗に絡んでくる手をどうしても振り払う事が出来ず、ハボックは急速に集まってくる熱に息を弾ませた。
「や……っ、ホントにやめろったら!――――大将ッ!」
「あんまりデカい声出すと誰か見にくるかもしれないぜ」
「ッ?!」
 何とかやめさせようと声を張り上げればそう囁かれて、ハボックはギョッとして辺りを見回す。生い茂る草の間に横たわっているとはいえすぐそこは遊歩道になっており、いつ人が通るか判らなかった。
「そう思うならもうやめろよッ」
 人目につく危険があると判っているならどうしてこんな事をするんだとハボックはエドワードを睨む。そうすればエドワードはしれっとして答えた。
「ヤりたいから」
「な……っ」
「それにこの方が少尉、興奮するだろ?」
「するかッ!バカッ!!」
 まるで自分が望んでいるかのように言われて、ハボックは真っ赤になって怒鳴る。その途端、エドワードは顔を上げ辺りを見回しながら言った。
「あれ?今の少尉のデカい声で向こうから誰か来るみたいだ」
「ッッ!!」
 そう言いながら首を伸ばすエドワードを、ハボックは慌てて腕を伸ばして引き寄せる。少年の頭を胸に抱き締めて、ハボックは必死に息を潜めた。
「も、行った……?」
 少ししてハボックは震える声で尋ねる。すると、エドワードがクスクスと笑って答えた。
「デカくなってんぜ?やっぱ興奮してんだ。ヤーラシイ、少尉ってば」
「ひッ」
 揶揄するように言いながら楔を握られてハボックは悲鳴を上げかける。確かにエドワードの言うとおりハボックの楔は嵩を増して熱く息づいていた。
「馬鹿ァ!」
 ハボックは羞恥のあまり真っ赤に染まった顔を腕で隠す。そんなハボックを見下ろしながらエドワードは容赦なく布地ごと楔を揉み込んだ。
「んっ、あ……ッ、やだ、やめて……ッ!」
 腕で顔を隠したまま微かに震えながらそう訴えるハボックの姿に、エドワードはゾクゾクする。懇願を無視して愛撫を続ければ、ハボックがガタガタと体を震わせ足で地面を蹴った。
「ホントにやめて、大将っ、でないと……ッ」
「でないと、なに?」
 ハアハアと息を弾ませて訴えるハボックの腕を無理矢理押さえ込み顔を覗き込んでエドワードは尋ねる。そうすればハボックは空色の瞳に涙を滲ませてエドワードを見た。
「――――出ちゃう」
 震える声でハボックは囁く。だからやめてと訴えたが、返ってきた答えにハボックは目を見開いた。
「いいよ、出して」
「ッ?!いい訳ないだろッ!!」
 下着の中に吐き出せばボトムまで汚してしまうのは目に見えている。そんな状態でアパートまで帰れる筈もなく、ハボックは必死に首を振った。
「いいじゃん、少尉が俺のもんだって街中に知れて」
「よくないッ!離せ……、アアッ!!」
 離してくれるどころか一層キツく揉まれてハボックは身を仰け反らせる。躯を突っ張らせ必死に耐えようとするハボックを見下ろしてエドワードは言った。
「下着の中に出すのが嫌ならこうすれば?」
「――――え?」
 エドワードは言って、射精を耐えて躯を突っ張らせるハボックのボトムに手をかける。抵抗する隙を与えず、下着ごとボトムを剥ぎ取った。
「ッッ!!やだァッッ!!」
「いいのかよ、デカい声出して。今人来たらヤバいんじゃねぇ?」
「ッ!」
 耳元にそう囁かれてハボックは息を飲む。身を強張らせたまま身動き出来ないでいるハボックの楔を右手で握り締めると、エドワードはゆっくりと扱きだした。
「あ」
「もう汚す心配ないだろ?遠慮なくイっていいよ、少尉」
 そう言って覗き込んでくる金目にハボックは目を見開く。絡んでくる鋼の指に、ハボックは瞬く間に追い上げられていった。
「あ……クッ、ぅんッ!大しょ……やめて……ッ」
「なんで?下着汚れないだろ?」
「そういう問題じゃ……ッ」
 不思議そうに言う少年にハボックは必死に首を振る。ハッハッと短く息を吐き出してハボックは言った。
「イく、からっ、やめてッ」
「いいよ」
 涙ながらに懇願されて、エドワードは興奮して楔をなぶる手の動きを速める。ハボックはビクビクと躯を震わせると大きく目を見開いた。
「イくイくイくッ!!も……ッッ!」
「少尉」
「んッ!――――アアアッッ!!」
 ビクンと大きく躯を震わせたと思うと、ハボックが背を仰け反らせる。それと同時に張り詰めた楔が弾けて、鋼の手を濡らした。
「は……ア……ッ」
 ビクビクと震えた体ががっくりと沈み込む。ハアハアと息を弾ませる唇にエドワードはチュッとキスを落とした。
「すげぇ一杯出たな、しかも濃いし。もしかして溜まってた?」
 楽しそうにそう尋ねられてハボックは真っ赤になる。プイと顔を背けて言った。
「も、いいだろッ!服、返せッ」
 こんな人目につくようなところでと思うと消えてしまいたい程恥ずかしい。一刻も早くこの場を立ち去りたくてそう言ったハボックに、エドワードは身を寄せて言った。
「何がいいんだよ、これからが本番だろ?」
 エドワードはそう言って熱に濡れた右手を双丘の狭間に差し入れる。奥まった蕾に触れてくる硬い感触に、ハボックは目を見開いた。
「うそ、だろ……?こんなとこでシないよな……?」
「なんで?」
「ここ何処だと思ってんだよッ?!」
 丈の高い草が茂っているとはいえ、基本的には身を隠す場所もない屋外だ。すぐそこには遊歩道も通っていて、誰か来れば気づかれてしまうのは間違いなかった。
「構わねぇよ、見たい奴には見せればいいじゃん」
「な……ッ」
「俺は少尉が欲しい、今すぐ」
 低く囁いて見つめてくる金目に、ハボックは身動き出来なくなってしまう。息を詰めてエドワードを見つめていれば、蕾に触れていた指がグイと押し入ってきた。
「あッ」
 ビクッと震えてハボックはエドワードを押し返そうとする。だが、それに構わずエドワードは指を一本根元までねじ込んだ。
「く……ッ」
「力抜いて、少尉」
「やだ……やめて、大将」
「やめない」
 きっぱりと告げる言葉にハボックは顔を歪める。ゆるゆると首を振って震える声で懇願した。
「アパートに帰ろ……?アパートでなら、大将の言うこと、な、なんでも聞くから……ッ」
「俺は今ここで少尉が欲しいの」
「んあッ!」
 グチュグチュと鋼の指を動かされてハボックは身を捩る。ハアハアと息を弾ませ涙の滲む瞳を見開くハボックの表情に、エドワードはゴクリと唾を飲み込むともう一本指をねじ込んだ。
「ヒィ……」
 狭い蕾をエドワードは強引に割り開く。ねじ込んだ指を開くようにして、グチョグチョと掻き回した。
「は……大しょ……」
「力抜けって……もう一本挿れるぜ?」
「や……ッ」
 容赦のない宣告にハボックは目を見開いて首を振る。だが、エドワードはそれに構わず更にもう一本指をねじ挿れた。
「アヒィ……ッ、裂けちゃうッ!」
 久しぶりのセックスは快感よりも痛みが勝る。だが、痛いと訴えるハボックの様はエドワードを煽るばかりだった。
「ひゥ、んあッ!や……大将、頼むから……ッ」
 痛みと羞恥でハボックはボロボロと泣きじゃくる。そんな顔を見ればもう堪らなくて、エドワードは蕾を嬲っていた指を乱暴に引き抜いた。
「アアッ!」
「挿れるぜ、少尉……」
 興奮に掠れた声で囁きながらエドワードはボトムを緩める。待ちきれないと言うようにブルンと飛び出た楔を先走りの蜜を絡めるように数度扱くと、ハボックの脚を胸に着くほど押し開いた。
「たいしょ、やだ……ッ」
 押し当てられる熱に、ハボックが目を大きく見開いて首を振る。だがそんな仕草もなんの役にもたたず、エドワードは押し当てた楔をグイと突き入れた。
「あ」
 ズブズブと狭い内壁を強引に押し開いて猛る牡が突き進んでくる。ハボックは腕を伸ばすとエドワードの首に絡めて引き寄せた。
「少――――、んんッ」
 乱暴に合わさった唇から悲鳴がなだれ込んでくる。零れる悲鳴を押さえようと必死に唇を合わせてくるハボックに、エドワードは興奮しきってガツガツと乱暴に突き上げた。
「んんんッ!んっ、ンーーーッッ!!」
 突き上げるたびハボックがくぐもった悲鳴を上げ、熱い内壁が嫌がるように絡みつく。強引に押し込み引き抜けば、まだ若いエドワードは忽ち高ぶってぶちまけたい衝動に駆られた。
「出すぜ、少尉ッ」
「ッ?!ダメッ!!」
 囁く声にギョッとしてハボックはエドワードを押し返そうとする。だが長い脚を胸につくまで押し広げられ猛る凶器で串刺しにされている状況では、身を捩る事も出来なかった。
「ダメッ、大将、出すなッ!!」
 こんな所で中出しされては堪らない。エドワードの肩口を叩いて必死に駄目だと訴えたハボックの制止は、少年には全く届かなかった。
「ッ、クゥ……ッ、少尉……ッ!」
「ッッ!!や、だァッ」
 ドクドクと躯の奥底に大量に注がれる熱に、ハボックは目を見開いて身を強張らせる。エドワードはブルリと躯を震わせると、大きく息を吐いた。
「やっぱ少尉ん中、気持ちイイ……ッ」
 満足そうに呟いたものの、押し包んでくる熟れた内壁の感触に若い牡はすぐに勢いを取り戻す。ムクムクと膨れ上がる楔が狭い肉筒を押し開く感触に、ハボックはギクリと身を震わせた。
「少尉、もう一回」
「バカッ、もう抜けッ!」
「でも、少尉イってないじゃん。俺のでイかせてやるな?」
「いいッ、しなくていいッ!!」
 自分だけ先にイってしまったのがほんの少し恥ずかしく、ハボックを己のモノでイかせてやれなかったのが悔しい。エドワードはハボックの脚を抱え直すとゆっくりと突き上げ始めた。
「は……、やっぱ二発目って堪んねぇ、すげぇイイ」
 己の吐き出した物がグチョグチョと音を立て掻き回される感触が堪らない。潤滑油代わりのそれにエドワードは激しく腰を打ちつけた。
「ヒィッ、くぅッ!」
「今、少尉のイイとこ突いてやるから」
 必死に声を噛むハボックに構わずエドワードは探るように腰をグラインドさせる。そうすればある一点でハボックの躯が大きく跳ね上がった。
「ヒャッ?!」
「ここか」
 エドワードはニヤリと笑って反応があった箇所を執拗に突き上げる。前立腺をガツガツと突かれてハボックはガクガクと躯を震わせた。
「や、やめ…ッ、ヒィンッ!」
 制止しようと口を開けばイヤラシい声が零れてしまう。ハボックは顔を歪めてイヤイヤと首を振った。
「お願……やめ……、ひゃあんッ、アッアッ、んああッッ!」
 声を押さえようにも執拗に前立腺を突かれ押し潰されて、ハボックの唇から絶え間なく嬌声が上がる。イヤラシい自分の声が恥ずかしく堪らないと思えば思うほど零れる声は湿度と温度を上げて、ハボックは消えてしまいたくなった。
「あ……。ダメ、本当に……」
 その上、射精を求める感覚かわ湧き上がってきて、ハボックは目を見開く。必死にエドワードを押し返しながらハボックは訴えた。
「イっちゃうっ、やめて、大将ッ」
「いいじゃん、一緒にイこう」
「駄目だったら!服が……ッ!」
 そう言うハボックの言葉にエドワードは二人の腹の間を見下ろす。成人男性のモノにしては色が薄いハボックの楔が、パンパンに張り詰めて今にも弾けそうに震えていた。確かにここで熱を吐き出せば二人とも服が大変な事になるだろう。エドワードは小首を傾げて考えると、近くに丸めて放り出してあったハボックの下着を掴んだ。
「こうしておけば大丈夫だろ?」
 エドワードはそう言ってそそり立つ楔を下着で包み込む。ふわりと楔を包む感触に、ハボックは何か言う前に再びガツガツと突かれて忽ち追い上げられていった。
「ッ、あ…ッ、くは、ァ……ッ!大しょ……ッ!」
 二つに躯を折り畳むように苦しい体勢で攻め立てられ、快感と苦痛でここがどこか一瞬判らなくなる。ガツンと一際キツく突き上げられて、ハボックは目を見開き喉を仰け反らせた。
「ヒャアアッッ!ッッ!!」
 背筋を突き抜ける快感のまま、ハボックは熱を吐き出す。それと同時に躯の奥底に熱がぶちまけられるのを感じて、ハボックはビクビクと震えた。
「少、い」
 ハボックの中に二度目の熱を吐き出して、エドワードはハボックの躯を抱き締める。苦しい体勢に呻くハボックの唇を強引に塞ぐとその熱い口内を貪った。
「すき」
 そう囁いて間近から大好きな空色を覗き込めば、ハボックが頬を染めて睨んでくる。
「このエロガキ……っ、こんなとこで好き勝手しやがって」
 射精の快感が過ぎれば頭上に広がる青空がやけに広く見えてここが外だと思い知らされた。
「だって好きなんだから、仕方ねぇじゃん」
「エロガキ」
「少尉も俺の事好きだろ?」
 まるで疑う事なく自信満々に尋ねてくる様が憎らしい。それでも、自分がこの十も年下の少年に心惹かれているのは事実だから仕方なかった。
「なぁ、少尉。好きって言って?」
「絶対やだ」
「えーッ!なんでだよッ?」
「オレの下着グチャグチャにした上に中に出しやがって」
「下着グチャグチャにしたのは少――――」
「もう絶対言わねぇッ!さっさと抜けッ!」
 ハボックは真っ赤になってエドワードの躯をグイグイと押す。だが、エドワードは体を離すどころか身を寄せてきた。
「なぁ、もっかいする?――ッてぇッ!」
 言った途端思い切りひっぱたかれてエドワードは顔を歪める。無言のまま睨んでくる空色に流石に拙いと身を引けばハボックは長い脚を引き寄せ身を縮めた。
「あ」
 その途端こぷりと溢れ出る感触にハボックが身を震わせる。そんなハボックに背後からしがみついてエドワードが言った。
「なぁ、少尉。初日の出一緒に見てくれるんだろ?」
 そう言う声に肩越しにチラリと振り返れば金色の瞳が期待に満ちた光をたたえて見つめている。ハボックはハァと大きなため息をついた。
「なんでこんなのがいいんだろ」
 ぼそりと呟けばエドワードがハボックの首にしがみついてくる。
「好きだぜ、少尉」
「知らん」
「少尉もオレが好きだよな」
「知るか」
「なあなあ、少尉」
 プイとそっぽを向く真っ赤に染まった首筋に、エドワードは嬉しそうに口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、元気の素です、嬉しいです〜v

「豆騎士」の続きです。絶対でばかめされてるかと(爆)しかし、やたら長くなってしまったと言うか、どんだけガッツリエロ書いてんだか……。いつも日記は携帯のメールで空いてる時間にポチポチ打ってるんですが、文字数制限越えてメール二通になったっていう(爆)しかもこれ、書こうと思えばまだ続き書けるよねぇ。この後帰る前に一悶着あって、アパート帰ったらまたスるんだろうなぁ。「なんでも言う事聞く」とか言っちゃったし(苦笑)

ところで、今月ですがちょっと家の都合で色々と忙しく、更新の方が滞るかと思われますー(苦)早速明日の更新が微妙だ……。土日の度に人が泊まりにくるわ、平日も来客があるわで落ち着かない。私、ホストの才能がないので人が来るの苦手なんだよ(苦)はああ……。
と、そんなわけで三月は更新微妙ですが、時間の合間で日記くらい書ければいいなと思ってます。あ、勿論更新も多少は(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

お返事遅くなりました(汗)えへへ、リクありがとうございますv勿論エロありでお受けしますよッvvうふふ、なおさまからリク頂けて嬉しいですv「久遠」満開の桜の笑みですか、落ちましたかね、やはり(笑)この先どうなるか、楽しんで頂けるよう張り切ってまいりますよv「セレスタ」いやだって、ハボが嫌がってたらそれこそパッチンかと思いますが、悦んでるとしか思えなかったでしょうからねぇ(ニヤリ)どうぞいっぱい妄想してやって下さいv「セレスタ」は書いてて楽しくて仕方ないので妄想聞かせて下さると益々頑張っちゃいますので(笑)

おぎわらはぎりさま

豆きましたよ。エドの場合既に右手が玩具……げほげほ(殴)おお、なかなか楽しそうなネタですねvロイの周りがかなり迷惑しそうですが(笑)って、一部ですか?うわー、なんかコワイというか、キリバンの度ドキドキしそうです(笑)

diceさま

どわーッ!diceさまだ〜ッ!!ああ、すいません、つい興奮して……。いやだって、お気に入りに貼りつけてあります、いつもこそっとお邪魔させて頂いております/// うわー、どうしよう、恥ずかしい……。こちらこそ同じように感じていらっしゃる方がいらして嬉しかったのですv改めましてコメントありがとうございましたvそちらへもまたお邪魔させて頂きますね。これからもどうぞよろしくお願いいたしますv
2013年03月04日(月)   No.299 (カプ色あり)

豆騎士 初空月編
エドハボ風味

「や、やっと着いた……ッ」
 イーストシティの駅に降り立った少年の口から疲れきった呟きが零れる。彼は両腕を空に向かって突き上げると大きく口を開いた。
「やっと着いたぞーッ!!」
「兄さん、みんな見てるよ……」
 大声で叫ぶエドワードにアルフォンスが大きな体を精一杯縮こまらせて恥ずかしそうに言う。だが、エドワードはギュッと両の拳を握り締めると感動に涙しながら言った。
「なに言ってんだ、アル。ここまで来るのに何日かかったと思う?二週間だぞ、普通なら三日で着く道のりを二週間ッ!その間どれだけ苦労したことか……ッ!」
 落石事故で不通になった路線を避けて、遠回りした町では洪水被害。ボートで何とか脱出した先で逃げ出した牛の群れに押し潰されそうになったり、渡ろうとした吊り橋が落ちたりと、今ここに無事立っているのが不思議なくらいだ。エドワードは手の甲で滲む涙を乱暴に拭って言った。
「何はともあれやっと着いた!アル、俺は少尉んとこ行くから荷物頼むぜッ」
「あっ、兄さん!」
 言うなり返事も待たずにエドワードはコートを翻して走り去ってしまう。そんな兄にアルフォンスはやれやれとため息をついた。
「まぁ、仕方ないか」
 ここ数ヶ月、二人は体を元に戻す方法を探し求めてイーストシティに帰ってこられなかった。せめて新年をエドワードが年上の恋人と迎えたいと思っていたのも知っていたがそれも叶わなかった。
「今夜は帰ってこないかな」
 アルフォンスは呟きながらエドワードが置き去りにした荷物を持ち上げた。
「ゆっくり話が出来るといいね、兄さん」
 エドワードが走り去った方へそう笑いかけて、アルフォンスはイーストシティの駅を後にした。

「しょういいい〜〜ッ!!」
 ダダダと地響きを立ててエドワードは司令部の廊下を走り抜ける。バンッと司令室の扉を開ければ、中で仕事をしていた面々が驚いて顔を上げた。
「エドワードくん、お帰り。久しぶりだね」
 エドワードの姿を認めてフュリーが笑みを浮かべて言う。それに手を上げて答えると、エドワードは司令室の中をキョロキョロと見回した。
「少尉は?」
「ハボなら今日は午後から休みだぜ」
「えっ?マジ?!」
「ついさっき詰め所寄ってから帰るって出ていったからまだその辺にいるんじゃねぇ?」
 ブレダの言葉にエドワードは金色の目を見開く。慌てて飛び出そうとすれば、いきなり背後から襟首を掴まれてグエッと潰れた蛙のような声を上げた。
「挨拶もなしに帰る気か?鋼の」
「大佐!」
 背後から聞こえた声にエドワードは肩越しに振り向く。襟首を掴む手を振り解くとロイを睨んだ。
「なんだよッ、別に大佐に会いに来た訳じゃねぇし!」
 しゃあなと再び飛び出そうとするエドワードの襟首をロイは素早く掴む。グイと持ち上げればエドワードが手足をジタバタさせてもがいた。
「大佐ッ、てめぇ、このッ!」
 肩越しに睨んでくる金目をロイはジロリと見た。
「上官に対する礼儀と言うものを知らんのか。私の一言で明日のハボックの休みは取り消しになるんだぞ」
「ッ?!きたねぇぞッ、大佐!」
「なんとでも」
 罵る言葉にもまるで動じた様子もないロイをエドワードは睨む。それでも下に下ろされれば襟を正してピッと敬礼して言った。
「ご無沙汰してます、マスタング大佐。相変わらずの嫌みっぷり、ご健在を確認出来てなによりです」
「……鋼の」
「わりぃ、大佐!これ以上付き合ってらんないわ。俺、マジ少尉探さねぇと、」
 最低限の事はやったと、エドワードは悪びれもせずそう言うと、今度こそ司令室を飛び出していく。その背に向かってため息をつくロイにブレダが苦笑した。
「今何を言っても無駄ですよ。ハボックに会いたい一心で帰ってきてるんですから」
「明後日が思いやられる」
 示し合わせたわけではないだろうが、ハボックは今日の午後から一日半の休暇だ。そうとなればヤりたい盛りの少年が年上の恋人を放っておくはずがなく、休暇明けのハボックはさぞかしぐでんぐでんで色気がダダ漏れになっていることだろう。
「ハボック隊の軍曹に明後日の演習はなしにしろと言っておいてくれ」
「判りました」
 げんなりとしたロイに苦笑して答えて、ブレダは司令室を後にした。

「いねぇじゃん」
 ハボック隊の詰め所に行けば「隊長はロッカールームにいった」と言われたエドワードは、開け放った扉からロッカールームの中を見回して呟く。偶々中にいたハボックの部下がエドワードを見て言った。
「隊長ならたった今帰ったけど」
「マジかよ!もう少し引き留めておいてくれよ!」
 エドワードは勝手な事を言ってロッカールームを飛び出す。廊下を走り抜け司令部の玄関から飛び出し通りに出ると、キョロキョロと辺りを見回した。
「どっちだ?」
 そう呟くとエドワードは商店が立ち並ぶ方へと走り出す。ハボックがよく行く食料品店や雑貨屋、本屋から煙草屋まで覗いたがハボックの姿は見当たらなかった。それならもう帰ったのだろうかとアパートに行ってみる。だが、ドアを叩いても応える声はなく、ハボックはアパートにも戻っていなかった。
「くそっ、どこに行ったんだよ……」
 ハボックが行きそうな所は粗方当たってみたがどこにもその長身を見つけられないのが悔しい。何だかハボックが遠くなってしまったようで、エドワードはギュッと拳を握り締めた。
「ちきしょう、絶対見つけてやるッ」
 エドワードは結わいた髪を後ろに跳ね上げて呟く。アパートの階段を駆け下りると当てもなく走っていった。キョロキョロと見回しながらただ本能に導かれるまま走る。そうすればイーストシティを流れる河を渡る橋に出て、エドワードは足を止めた。
『ここから初日の出が見えるんだぜ、大将』
 橋から河を見やったエドワードは不意に頭に蘇った声に目を見張る。いつの事だったろう、川沿いの遊歩道を歩いていた時、ハボックが言ったのだ。
『あの高い塔の間から昇ってくるのが見えるんだ。いつか一緒に見られたらいいな』
 そう言って笑った空色の瞳。目の前に浮かぶ空色に、エドワードは川沿いに降りる階段を二段抜かしで駆け下りた。川沿いに伸びる遊歩道をエドワードは駆けていく。視線を巡らせれば道から外れた河近くの草の中、金色の頭が見えた。
「少尉ッ!」
 大声で呼びながら伸びた草を掻き分けて走る。そうすれば振り向いた空色が驚いたように見開かれた。
「大将?」
「少尉ッ」
 立ち上がろうと腰を上げかけたハボックにエドワードは思い切り飛びつく。受け止めきれず地面に倒れ込んだハボックに圧し掛かるようにして、エドワードは噛みつくようにハボックに口づけた。
「大――――、んんッ!」
 突然のキスにハボックは驚いて目を見張る。押し返そうとするハボックを押さえつけて、エドワードは更に深く口づけた。
「ンッ!んふ……、ぅん」
 半ば強引に舌をねじ込みハボックのそれを絡め取る。キツく絡めて口内をなぶればハボックの躯からゆっくりと力が抜けていった。
「すげぇ熱烈な再会だな」
 長いキスを終えて唇を離せば、ハボックが苦笑して言う。見下ろしてくる金目に手を伸ばして、ハボックは言った。
「いつ帰ってきたんだ?」
「さっき。すげぇ探したんだぞ」
 そう言って睨んでくるエドワードにハボックがクスクスと笑う。ムッとするエドワードの頬を撫でてハボックは言った。
「おかえり。元気そうだな」
 よかったと目を細めるハボックにエドワードは顔を歪める。なんだか涙が出そうになって、エドワードはハボックの首元に顔を埋めた。
「大将?」
「こんなとこで何してたんだ?」
「ん?大将の事考えてた。元気にしてるかなぁって」
 背に腕を回してそう言うのを聞けば、エドワードは顔を歪める。首筋に顔を埋めたままくぐもった声で言った。
「ごめん、初日の出見らんなかった」
「来年見ればいいだろ」
 耳元で聞こえた声にエドワードは顔を上げる。そうすればハボックがエドワードを見上げて言った。
「来年がダメならまたその来年。それでも見られなかったらまたその次。初日の出は毎年来るんだからさ。それとももう一緒にいてくんないの?」
「――んな訳ねぇだろっ!」
 悪戯っぽく言う空色をエドワードは睨む。
「離さねぇよ、ずっと」
「うん」
 にっこりと笑うハボックにエドワードは堪らず噛みつくように口づけた。
「絶対離さないからな。だから一緒に初日の出見よう」
「うん」
「約束だからな」
「うん」
 笑って頷くハボックにエドワードは何度も何度も口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですv

お久しぶりの「豆騎士」です。年明けに間に合うように帰ってこられなかった豆の話。本当は1月早々にアップしたかったのですが間に合わず、松の内も終わっちゃったしお蔵入りかなと途中まで書いて放ってあったのですが、「萌えに季節は関係ない!」ってコメント頂いたので今更ながらアップしてみました(苦笑)でもって、続きあります。エロです。つか、本当はエロを書きたかったんですが例によって枝葉が多くて長くなってしまったので(苦笑)エロ編もアップしていいかなぁ(笑)ちなみに「初空月」というのは陰暦の正月の事で、今年は2月10日あたりだそうな。結構いいタイミング?(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

ふふふ、「222」火花を散らすロイsとあわあわするジャンsって構図ですよね、きっと(笑)たまにはこんな初々しいのも書かないとエロばっかりになりそうなので(爆)ロイハボ、やっぱり熱くなりますよね、どうしてだろう。同じハボなのに(笑)「セレスタ」わはははは!いやあ、私も今回で絶対ご対面だと思ってたのですが、ロイってば思ったより足が遅くて(笑)ブラッドレイは衰え知らずなので多少ロイが来るのが遅くても大丈夫ですから(違っ)ああ、キリバン、1つ違い!確かに5と6は見分け付きづらいかも〜(汗)5並び、面白いのでキリバン設定しましたが、申請ないのでいつもコメント沢山頂くお礼にリク如何ですか?お届け出来るのはちょっと先になると思われますが(苦笑)

セレスタの涙〜、毎回ドキドキそわそわ悶えながらしながら の方

いつも遊びに来て下さってありがとうございます!「セレスタ」次回こそご対面……の筈です(笑)「髭騎士」もなるべく早めにお届けしますね。どちらも合わせてお楽しみにお待ち頂ければ嬉しいですvそれから、ありがとうございますっ!頂いたコメントを読んで「そうなの、まさしくそうなのよ!」と、思わず手を握り締めたくなってしまいました(涙)同じ書き手の側の方で同じように考えていらっしゃる方がいると判って、なんだかとっても心強かったです。結局は書きたいものを書くしかないと判っていても本当に悩ましい……。まだまだ悩みそうです(苦笑)コメント、本当にありがとうございます!……ところで、どちらのサイトさまなのか気になります〜ッ!えーっ、ちょっと待って、ロイハボ/ヒュハボって、ご迷惑でなければ遊びに伺いたいですッ!!どうか、私に愛の手をッ!!

555555打おめでとうございます♪  の方

いつもありがとうございます!5並びなんだかめでたい気がしてましたが、無事達成出来てこそばゆく嬉しいです(笑)また次も目指して頑張りますv
2013年02月25日(月)   No.298 (カプ色あり)

髭騎士11
ヒュハボ風味

「うわッ」
 ドンッと部屋の中に突き飛ばされてハボックはたたらを踏む。玄関の扉を締め、カチリと鍵をかける男を肩越しに振り向いてハボックは言った。
「何考えてんスかっ!ダガーで脅した上あんな思い切り殴るなんて……ッ!」
「あの野郎の頬が腫れてたのはお前が殴ったからじゃねぇのか?」
 低い声でそう問われてハボックは押し黙る。答える代わりに目を逸らすハボックの腕をヒューズはガシッと掴んだ。
「中佐っ?」
 そのままハボックの体を引きずるようにして奥へと入っていく。寝室の扉を開き、ハボックをドンッと突き飛ばした。
「ッ!」
 ベッドの上に倒れ込んだハボックは慌てて身を起こす。パチンと寝室の灯りを点けてゆっくりと中に入ってくる男を微かに震えながら見上げた。
「今までどこで誰と何をしてた?」
「アンタに関係ねぇっしょ」
 部屋の外でしたのと同じ会話を繰り返して二人は睨み合う。
「オレがどこで誰となにしてようがオレの勝手っしょ!ほっといてくれよ」
「それ本気で言ってんのか?ジャン」
 そう言われてハボックは唇を噛み締めて目を逸らす。その横顔を睨んでヒューズは続けた。
「大嫌いって言われて放っておけるか?ロイが妙な事言ってやがったけど、まさかお前、本当に誰か他に……?」
 疑うつもりはなかったが、不意に込み上げた疑念にヒューズが目を細めて尋ねる。低く囁くその声にハボックは一瞬目を見開いて、それから吐き捨てるように言った。
「そう思うならそうかもしれないっスね。でも、だったらなんだって言うんです?」
「ジャン、お前……」
「もうなんだっていいっしょ、ほっといてくれよっ!とっとと出てけッ!」
 こんなのはただの八つ当たりだ、そんな事はよく判っている。だが、ヒューズを前にしてまであんな事を言われて、ハボックは情けないやら悔しいやらでどうしていいか判らなくなっていた。
「出ていけって言ってるのが判んないのかよッ」
 ハボックはヒューズを見ずに怒鳴る。その時影が差してハボックはハッとして顔を上げた。
「ここで“はい、そうですか”って言って引き下がる程お人好しじゃないんでな」
 そう囁くヒューズの顔は影になって表情が見えない。だがその顔の中で瞳だけが怒りをたたえて異様な光を放っているのが判った。
「口で説明出来ないって言うならその躯に聞いてやる。電話の意味も今までどこにいたのかもな」
 ヒューズの言葉が終わらないうちにハボックがベッドから飛び降りようとする。だが一瞬早くヒューズの手が伸びてハボックの腕を掴んだ。
「離せよッ!」
 ハボックはヒューズの手を振り払おうとするが男の手はハボックの腕をガッチリ掴んで離れない。振り払うどころかベッドに押さえ込まれて、ハボックは身を捩って暴れた。
「離せっつってんだよッ!」
「ジャン」
「離せよッ!ふざけやがって、ちきしょうッ!あんな……、あんな事よくもッ、アイツ……ッ!!」
「ジャン?」
 ボロボロと涙を流しながら叫ぶハボックの罵る相手がどうも自分ではないことにヒューズは気づく。押さえつける手を少し緩めて覆い被さるようにハボックを覗き込めば、ハボックは身を丸めるようにして手足を縮こまらせた。
「なんで……なんであんな事言われなきゃなんないんだよ……、好きな人に触られて……その声、ヤラシイだの下半身にクるだの、知らねぇよ、そんな事ッ!」
「ジャン」
 押さえつけていた手を完全に離せば、ハボックは小さな子供のように手足を丸めて枕に顔を擦り付ける。
「ウッ……うーっ、うッうっ」
 涙に濡れた顔を枕に埋めて泣きじゃくるハボックを見下ろしていたヒューズは、笑みを浮かべて言った。
「ジャン、お前、俺んとこに来ねぇか?」
 そう言えばハボックがチラリとヒューズを見る。枕を抱き締めているハボックの目尻に溜まった涙を指先で拭ってやりながらヒューズが言った。
「前から考えてたんだ。ジャン、セントラルに来いよ。中央司令部に転属願い出してさ、俺んとこ来い」
 なにも好き好んで遠距離恋愛を続ける事もない。軍人であるならば東方司令部だろうが中央司令部だろうが、別にどちらだって構わない筈だった。
「なあ、ジャン。そうしろって。セントラルに来て俺と一緒に住んで――――」
「やだ」
 一番の解決策だと、すっかりいい気分になって話していたヒューズは、不意に短い言葉で遮られて口を噤む。無表情のままじっと見つめればハボックが繰り返した。
「やだ、行かないっス」
「――――なんでだよっ?」
 キッパリと拒絶されてヒューズはハボックの肩を乱暴に掴む。グイと引いてハボックの顔を正面から見つめて言った。
「なんでだ?別にセントラルで働こうがイーストシティで働こうが変わんないだろッ?俺んとこ来れば今回みたいな嫌な思いせずに済むだろうが!なんで行かないなんて――――」
「大佐が」
「え?ロイ?」
 唐突に出てきた名にヒューズは言いかけていた言葉を飲み込む。
「大佐がいないとこには行かないっス」
「ジャン」
「オレは大佐の狗だもん」
 そう言うハボックをヒューズは食い入るように見つめる。己がロイを上に押し上げる為には何事も厭わないのと同じように、ハボックもまたロイの為に何もかも捨ててついて行く覚悟なのはよく知っていた。
「――――クソッ!」
「中佐」
「俺は今、初めてロイに殺意を抱いたぞ」
 ハボックから顔を背けてそう言葉を吐き捨てると、ヒューズはハボックを見下ろす。相変わらず枕を抱き締めたまま見上げてくる空色はどこか幼くて、それだけに純粋に己の主人と決めた男にどこまでも付き従う狗である事を感じさせた。
「中――――、ッ?!」
 ヒューズは不意に身の内に湧き上がった嫉妬の焔に煽られて、ハボックに噛みつくように口づける。抱えた枕を奪って放り投げると、ハボックのシャツに手をかけた。
「中佐っ?――――やっ!」
 ビリビリとシャツを裂かれてハボックが悲鳴を上げる。逃れようとする躯に圧し掛かって、ヒューズはハボックの唇を乱暴に塞いだ。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に励みになりますv嬉しいですーv

「髭騎士」です。12をアップしようとして確認してみたらどうも11をアップしてないみたいだったので(苦笑)してないよね……?もしもダブってたらすみません(こら)でもこれ、12月に書いてたからてっきりアップしたと思ってたんだけどなぁ。二回アップしてそうで心配(苦笑)

以下、拍手お返事です。

阿修羅さま

インフルエンザ大変でしたね。ほぼ完治とのことよかったです!インフルもですがノロも流行っているようなので、どうぞお気をつけ下さいね!では「狼男ハボ」承りました!シリアスとコメディ…上手く書けるかな(苦笑)頑張りますので今少しお待ちください。リク、ありがとうございましたv

「セレスタの涙」が好きすぎて1週間が長すぎます の方

うわあ、ありがとうございます!そんな風に言って頂けてメチャクチャ嬉しいです〜っv これからも楽しんで頂けるよう頑張ります!お付き合いよろしくお願いしますv

なおさま

もうセクハラオヤジばかり楽しい話みたいで……趣味丸出しですね、すみません(苦笑)マドラス登場はいつになるかなぁ。まあ、もう少しブラッドレイが(と言うより私が)楽しむ気がします(笑)
2013年01月27日(日)   No.290 (カプ色あり)

金緑石13
CP:ヒュハボ(R15)

 警備兵が運転する車で駅に着くとヒューズはハボックを連れて足早に改札を通り抜ける。まもなく発車する列車に乗り込み、中程の車両の一番前のボックスにヒューズは腰を下ろした。後から付いてきたハボックが手にしたボストンを網棚に上げヒューズの向かいに座る。ヒューズの視線を避けるように窓に身を寄せ顔を外へと向ける様が、ヒューズの癇に障った。
 やがて発車を告げるベルが鳴ると列車はゆっくりと動き出す。列車がホームを離れる時、身を乗り出すようにゆっくりと遠ざかっていく駅を見つめるハボックの瞳が不安に揺れるのを見て、ヒューズは唇を歪めた。
「もう帰りたくなったか?」
 窓枠にしがみつくようにして外を見つめる横顔にそう囁けば、ハボックがハッとしてヒューズを見る。否定も肯定もせずに見つめてくる空色に苛立たしさを感じて、ヒューズは立ち上がるとハボックの横に並んで腰掛けた。
「中佐っ?」
「なんだよ、隣に来られるのは嫌ってか?」
「そういう訳じゃ……」
 そう答えながらも窓に擦り寄り少しでも間を開けようとするハボックに、ヒューズは唇を歪めると長い脚の間に手を伸ばした。
「なっ?やだっ」
「うるせぇよ。騒ぐと注目浴びるぜ」
 ヒューズは低く囁いてハボックのボトムのを緩める。下着の間から目当ての物を引き出すとゆっくりと扱きだした。
「や、やめて……っ」
 逃げ出す事も出来ずにハボックが消え入りそうな声で訴える。それに構わず扱き続ければ、ヒューズの手の中でそれは熱く息づき、形を変えていった。
「ちゅう、さ……っ」
 熱い吐息と共にハボックが縋るように呼ぶのを聞けば、ヒューズの中に昏い悦びが湧き上がる。今ではすっかりと立ち上がった楔は先走りの蜜でヒューズの手を濡らすまでになっていた。
「イヤラシい奴だな、こんな所で弄られてグチョグチョにしやがって」
「……ッ、ん……ふぅ……」
 そう言われてハボックは何か言いたげに視線を寄越したが、口を開けばイヤラシい声が漏れてしまうと思ったのか何も言おうとはしなかった。
「ん……ッ、んんッ!」
 グチュグチュとイヤラシい水音を立てて楔を扱きながら、ヒューズはハボックの顔を食い入るように見つめる。ハボックは両手で口元を押さえて小刻みに震えていたが、涙の滲む瞳でヒューズを見た。
「出ちゃう……っ」
 小さく首を振ってハボックが訴える。縋る瞳にゾクゾクしながらヒューズは昏く笑った。
「いいぜ?イけよ」
「ッ!」
 ヒューズの言葉を聞いてハボックが信じられないと言うように目を見開く。ふるふると首を振って囁いた。
「お願いっス……」
「もっとキツく扱いて欲しいってか?」
「違……っ」
 お願いの意味が判っていながらヒューズが言えば、ハボックの顔が泣きそうに歪む。ガクガクと震えながら浅い呼吸を繰り返して必死に堪えようとするハボックの顔をヒューズは食い入るように見つめる。
「中、さ……ッ」
 ブルブルと震えたハボックが今正に熱を吐き出そうとした、その寸前、ヒューズはハボックの楔から手を離した。
「――――ッッ?!」
 絶頂の寸前で放り出され、ハボックが切なく鼻を鳴らす。ハアハアと息を弾ませたハボックが信じられないといった視線を寄越すのを見て、ヒューズはククッと笑った。
「そのままイったら向かいの座席がグチョグチョだ。汚す訳にいかないだろ?」
「……ちゅうさっ」
「ほら、しまっとけ。そんな顔すんなよ、向こうについたらたっぷりシてやる。それまで我慢してろ」
 ヒューズはそう言うと蜜で濡れた手をハボックの軍服になすりつける。クスクスと笑うと呆然とするハボックをそのままに席を離れた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても嬉しいですv

今日はロイハボを書きかけていたのですが、往復の電車で書き終らなかったもので「金緑石」で(苦笑)しかし、今週は日記を頑張ろうと決めたものの、やはり毎日はキツイなー(汗)とりあえず明日までは何とか頑張ろうと思います。

以下、拍手お返事です。

おぎわらはぎりさま

ジンクスも色々あるのですね。自分とこに嬉しいジンクスだけ信じるのがいいのかなぁ(笑)髭とロイだと同じ苛めっ子でも感じが違いますよね。何故だろう(笑)ふふふ、きゅんきゅんして貰えるように髭には頑張って苛めて貰おうと思います(笑)
2012年12月07日(金)   No.279 (カプ色あり)

金緑石12
ヒュハボ風味

「じゃあ、セントラルに戻るわ」
「なるべく早く返せよ」
 小さなボストンに替えの軍服と当座必要なものを詰めたハボックが用意が出来たと告げに戻れば、ロイの執務室で待っていたヒューズがニヤリと笑って言う。それに笑みの欠片も見せずに答えるロイに、ヒューズは目を細めて言った。
「気が向いたらな」
「おい」
 ヒューズの言葉にロイは乱暴な仕草で立ち上がる。だが、常盤色の瞳で見つめられて、それ以上は言わずにロイはため息をついてハボックを見た。
「お前が不在の間はブレダ少尉にお前の小隊も兼務して貰う。実質は軍曹が見ることになるだろう。それと、私の護衛は中尉に頼んだ」
「大佐……」
「さっさと済ませて帰ってこい」
「はい、大佐」
 明らかにどれもハボックがいない間の暫定的な措置と判る。そう聞いてホッとしたように笑うハボックの横顔をヒューズは昏い瞳で見つめた。
「中尉を困らせないで下さいね」
「どういう意味だ、それは」
 ハボックの言葉にロイは顔をしかめる。ハボックの側に歩み寄ると金色の頭に手を伸ばした。
「心配ならさっさと済ませてこい。ある程度見通しがついたら戻ってきていいから」
 ロイはそう言ってハボックの金髪をくしゃりと掻き混ぜる。そうされたハボックが嬉しそうに目を細めるのを見て、ヒューズはギリと歯を食いしばった。
「そいつは聞き捨てならないな、ロイ。来るからにはしっかり働いて貰わんと」
「こっちの仕事を中断して手伝いに行かせるんだ、目途がついたら返すのが筋だろう?事件が起きたら即刻戻らせるからな」
「焔の錬金術師さまだろ?部下の手なんていらないんじゃないか?燃やすと脅せばテロリスト共だってすぐに降参するさ」
「ヒューズ」
 肩を竦めて言うヒューズをロイが睨む。ほんの一瞬互いに相手を射殺しかねない目つきで睨みあったが、すぐにヒューズがいつもの笑みを浮かべて言った。
「冗談だよ、ロイ。そんな怖い顔しなさんなって」
 ヒューズはそう言ってハボックを見る。
「行くぞ、少尉」
「……はい」
 小さな声で答えたハボックが一瞬縋るような視線をロイに向けるのを見れば、ヒューズはハボックの二の腕を乱暴に掴んだ。
「急げ、列車に遅れる」
「ちょ……っ、中佐!」
「ハボック」
 半ば引きずられるようにして執務室から連れ出されるハボックにロイの声が飛ぶ。肩越しに振り向いたハボックの視線を遮るように、ヒューズはロイとの間の扉を閉めた。
「大――――」
「さっさとしろ、列車に遅れると言ってんだろうが」
 グイグイとハボックの腕を引いてヒューズは言う。いつまでも執務室の扉から視線を戻そうとしないハボックを見れば、ヒューズの胸に嫉妬の焔が燃え上がった。
(そんなにロイと離れるのが嫌か?)
(そんなに)
 昏い焔に煽られるようにハボックの腕を掴む手に力が入る。力任せに腕を掴まれたまま引きずられるように歩かされて、ハボックが顔を歪めた。
「痛いっス!急ぎますから、手、離してっ」
「やっぱり行かないとか言われたら困るんでな」
「そんな事言わないっス!」
 低い声で言えば即座に返る答えにヒューズはハボックを見る。見開いた空色の瞳で見つめられて、ヒューズは漸く手を離した。
「急げ」
「……イェッサー」
 答えてついてくるハボックの気配を感じながら、ヒューズは一刻も早くイーストシティを離れようと逃げるように司令部を後にした。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいです〜v

「金緑石」です。ヒュハボ続きですみません(汗)実は「金緑石」の存在をすっかり忘れておりました(爆)日記連載何にしようかなとつらつらと見ていたら「金緑石」の文字が。「あ……、ああ!」って感じでしたよー(苦笑)放置どころじゃないですね(汗)「おお、書かねば!」と書いていたら日記にしては長くなりすぎたので二つに分けて今日は前半部分をアップです。「髭騎士」もあるし、ヒュハボばかり溜まってるなぁ(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

あはは、本当チンピラですよねぇ(笑)うん、きっと傷ついていると思いますよ。まあ、たまにはいい薬……その代わり報復が怖いですが(苦笑)鬼畜俺様髭眼鏡!(爆)今後もお楽しみ頂けるよう頑張りますv

おぎわらはぎりさま

お待たせしました、髭、お届けしますvええもう、すっかり発酵食品ですよ(苦笑)うわ、パスタ、ふやけて出てくるんだ……どんな味がするんだろう(爆)そのほこたて、すっごい楽しいんですが(笑)でも、本当にシーズン開始直後は当たりたくないですよね〜。ハボの代理で髭が小隊の演習に出たりしたら、日頃ハボにちょっかい出そうとしている部下たちに演習に託けてお仕置きしそうですよ(笑)
2012年12月05日(水)   No.277 (カプ色あり)

髭騎士10
ヒュハボ風味

「なにやってんだろう、オレ……」
 夜の道を当てもなく歩きながらハボックは思う。立ち止まって何とはなしに見上げれば白く輝く月がぽつねんと空にかかっているのが淋しくて、ハボックはため息をついた。
 アパートの隣人を殴り、恋人に八つ当たりし、仕事を放り出してしまった。その上仕事を放棄した謝罪をしにいけば上司に気を遣わせてしまってさえいる。
「ホント、なにやってんだろ……」
 このままいつまでもうろついていては明日もまともに仕事にならないのは目に見えている。ハボックは肩を落として足元を見つめた。
「アパート、帰んなきゃ」
 帰ればまたあの男に何か言われるかもしれないが、その時は無視するしかないだろう。
 ハボックはため息をつくと重い足をアパートに向ける。俯いたまま通りを歩き辿り着いたアパートの階段をのろのろと一段ずつ上がったハボックは、自分の部屋の前にうずくまる影にギクリとして足を止めた。
「……中、さ?」
 呟くように言った言葉に答えるようにうずくまっていた影がゆらりと立ち上がる。そうすれば弱い廊下の灯りに照らし出された顔を見て、ハボックは目を見開いた。
「どこに行ってた?」
「なんでここにいんの……?」
 低い声で囁かれた問いかけに答えず呆然とハボックは呟く。その瞬間ヒューズの手が伸びてハボックの胸倉を掴んだ。
「こんな時間まで誰とどこにいた?」
 グイと胸倉を掴み上げて尋ねてくる物騒な常盤色にハボックは息を飲む。グイグイと締め付けるように迫られて、ハボックはヒューズの手を乱暴に振り払った。
「アンタに関係ないっしょ」
 短くそう言い捨ててハボックはポケットから鍵を取り出す。鍵を鍵穴に差し込もうとするハボックの肩をヒューズがグッと掴んだ。
「関係ない?そんな訳ないだろうッ」
 ヒューズは掴んだ肩を引き寄せるようにしてハボックを振り向かせる。
「様子がおかしいと聞かされて、いきなり電話で大嫌いと言われて!関係ない訳ねぇだろう?俺達付き合ってんだぞッ!」
「ッ、そんな事デカい声で言うなよッ!誰かに聞かれたら……ッ」
 ギョッとして辺りを見回すハボックの様子に、ヒューズはムッと眉を顰める。ハボックの顔を覗き込むようにして間近から囁いた。
「俺と付き合ってんのを知られるのはそんなに嫌か?俺と付き合うのは隠さなきゃならないほどみっともない事かよッ!」
 ダンッとハボックの肩越しにヒューズが部屋の扉を思い切り殴りつけた時。
「なんだよ、痴話喧嘩?」
 突然聞こえた声にハボックの体がギクリと凍りつく。キュッと唇を噛み締め俯くハボックの様子に、僅かに目を見開いたヒューズは声のした方を見た。
「どうも」
 そうすれば右の頬を赤黒く腫らした男が下卑た笑みを浮かべて立っている。胡散臭そうに男を見てヒューズは言った。
「誰だ、お前?」
「アンタのカノジョの隣のもんだけど」
 男はそう言ってハボックを見る。
「いやぁ、カノジョのあん時の声、ホントイヤラシイよなぁ。一体アンタ、カノジョに何してんの?男ってそんなにイイもんな訳?」
 男はニヤニヤとして言いながら二人のすぐ側まで来た。ヒューズとハボックの顔を順繰りに覗き込むようにして続ける。
「さっきカノジョにも言ったけどさ、イヤラシイ声聞かされてすんげぇ迷惑してる訳よ。んでさ、迷惑料で一度カノジョとヤらせてくんない?男同士なんてどうせ貞操観念なんてありゃしないだろうし、男とスんのがすげぇイイって判れば俺もあんな声だしても仕方ないって思えるじゃん?」
 ベラベラと男が勝手な事を言っているのを聞きながらヒューズはハボックの顔を見る。羞恥にうっすらと涙を浮かべて唇を噛み締める様を見た瞬間、ヒューズの手にダガーが握られていた。
「それ以上くだらねぇ事言ってるとその口削ぎ落とすぞ」
「ヒ……ッ」
 目にも留まらぬ速さで喉元に突きつけられたダガーに、男は目を剥く。ヒューズはダガーの刃を男の首筋に押し付けて低く囁いた。
「言っとくがな、コイツに余計なちょっかい出してみろ。ただじゃおかねぇ」
 常盤色の瞳に浮かぶ本気を見て取って男がガクガクと頷く。逃げるように自室に戻ろうとした男をヒューズが引き止めた。
「待て。どうも既にちょっかい出したみたいだよな」
「な、何もしてねぇって!ホントだっ!」
 慌てて否定する男にヒューズはニッコリと笑う。
「そうか?」
「そうだよッ、手なんて出してねぇっ」
「ふぅん、だが生憎だったな。コイツを泣かせただけで十分罪に値すんだよッ!」
 そう怒鳴ると同時にヒューズの拳が炸裂する。左頬を思い切り殴られた男はアパートの廊下をゴロゴロとぶっ飛んでいった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですv

今日は「暗獣」あたりにしようと思っていたのですが、ちょいと時間がないので携帯に保存しっぱなしだったのを引っ張り出してきましたー。ええと、四ヶ月ほど発酵してたっていう(苦笑)これ、てっきりアップしてると思ってたらまだだったみたいです(殴)しかも探したら続きもあるでよ(爆)なんか他にも書くだけ書いて携帯メールに保存したままのが幾つか……とっととアップしろって話ですね(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

「妖」うふふ、色々イメージして下さると嬉しいですーvハボわんに懐かれたら嬉しいですよね〜。自分がハボにして欲しい事とかしたい事とか、そういう欲望を文章にしてるのがうちのサイトな気がします(笑)まあ、確かにロイハボのロイは最初の内は特に変態極まってたしなぁ(笑)ヒュハボも鬼畜デフォとか言われたし……。そういや「髭騎士」の元のタイトルは「デフォでない」でしたっけね、でもこの先ちょっと鬼畜入るかも……って、やっぱりカッコいいを上回る鬼畜っぷりですね(爆)
2012年12月04日(火)   No.276 (カプ色あり)

髭騎士 眼鏡の日編
ヒュハボ風味

「知ってます?少尉。今日は眼鏡の日なんですよ」
「へぇ、そうなの?」
 朝の挨拶もそこそこにフュリーが言う。知らなかったと言いながら自席に腰を下ろすハボックの方に身を乗り出してフュリーは続けた。
「それでね、今夜ブラッスリー・バルバラで眼鏡コンテストがあるんです」
「眼鏡コンテスト?」
 聞き慣れないコンテストにハボックが首を傾げれば頭上から声が降ってくる。
「知ってるぜ、それ。眼鏡が一番似合う人を決めるんだろ?」
「ブレダ、ファルマン」
「あ、おはようございます」
 肩越しに見上げればブレダとファルマンが立っていた。おう、と短く朝の挨拶を返してブレダはハボックの机に寄りかかり、ファルマンは自席に座る。懐から取り出した煙草に火をつけてブレダは言った。
「なに?フュリー、それに出るのか?」
「ええまあ、折角だし出てみようかなって」
「アンドリュー少尉も出るって言ってましたよ」
「ええ?本当ですかっ?」
 ワイワイとコンテストの話で盛り上がる同僚達の会話を何とはなしに聞きながら、ハボックは今ここにはいない男の顔を思い浮かべる。
(眼鏡かぁ……、まぁ、似合ってるっちゃ似合ってるよな)
 そう思えば脳裏に浮かんだヒューズがニヤリと笑うのを見て、ハボックは僅かに眉を顰めた。
(絶対言ってやらねぇけど)
 言えばすぐ調子に乗るのが目に見えている。鬱陶しく“もっと言って”と言われるのは嫌だと思ったハボックは、ふと“似合う”と言えばずっと眼鏡を掛けさせられるかもと考えた。と言うのも。
(眼鏡越しでないと凶悪なんだもん、あの人の目)
 ベッドの中、眼鏡を外したヒューズに見つめられると何もかも暴かれるような気がする。あの常盤色には何も隠し事が出来ず、ハボックはヒューズのあの常盤色の瞳が大の苦手だった。
(嫌いって訳じゃない、寧ろ好きだけどさ……でも)
 と、ハボックが思えば頭の中のヒューズがニッと笑って眼鏡を外す。
(わわ……外すなよっ)
 自分の想像のヒューズにすら狼狽えていると、訝しげな声が聞こえた。
「――――ック、それでいいか?」
「えっ?」
 顔を覗き込むようにして聞かれてハボックは目を丸くする。どうやらハボックが話を聞いていなかったらしいと察して、ブレダは眉を寄せて言った。
「なんだ、聞いてなかったのか?」
「ごめん、ちょっとボーっとしてた」
 ヒューズの事を考えてましたとは言えず、アハハと笑って誤魔化すハボックにブレダはしょうがねぇなぁと言いつつ繰り返してくれる。
「だから、今夜みんなでフュリーの応援に行こうって。仕事終わったらそのまま行くんでいいだろ?」
「あ、ああ」
「じゃあ今日は残業しないように頑張ろうぜ」
 ハボックが頷けばブレダがみんなに向かって言い、ハボック達はそれぞれに仕事にかかった。

「フュリー、凄いじゃん」
「やあ、皆さんのおかげです」
 コンテストを終えて仲間達がいるテーブルに戻ってきたフュリーを、ハボック達は拍手で迎える。特別賞の賞品のワインをさっそく開けて飲み始めれば、めでたい雰囲気と相まって忽ち場が盛り上がった。ハボックも一緒になってグラス片手に話していたが、ふと視線を感じて店の入口に目をやる。そうすればそこに佇む人影を見て、ハボックはガタンと椅子を蹴立てるようにして立ち上がった。
「ハボック?」
「ごめん、ちょっと」
 不思議そうに見上げてくるブレダに短く答えてハボックは入口に向かう。扉を押して外に出たハボックがキョロキョロと辺りを見回していると、不意に伸びてきた手がハボックを路地裏に引っ張り込んだ。
「中佐っ」
「よお」
 驚いて声を張り上げるハボックにヒューズがニヤリと笑ってみせる。引き寄せられるままヒューズの腕の中に囲われて、ハボックは言った。
「なんでここに?」
「んー、眼鏡コンテストって聞いて、いても立ってもいらんなくなって」
「……もう少しマシな嘘言ったらどうっスか?」
 眉を寄せるハボックの頬に音を立ててキスをして、ヒューズはクスクスと笑う。相変わらず本音を見せないヒューズにハボックがため息をつけば、ヒューズは愛しげに金髪をかき上げて言った。
「なあ、俺とアイツらだったらどっちが眼鏡似合う?」
「そんなの知りませんよ」
 ツンとつれないハボックにヒューズは苦笑する。ヒューズはハボックの顎を掴んで正面から見つめて言った。
「そんな事言わずに教えろよ」
(近いってば!)
 こんなに近くから見つめられては眼鏡のフィルターも役にたたない。目を逸らしたものの視界の隅に入る常盤色の光にハボックはゾクリと震えて唇を噛んだ。
「やっぱ可愛いな、ジャン」
「はあっ?いきなりなに言って――――」
 クスクスと耳元に囁かれて、ハボックは思わずパッと振り向いてヒューズを見る。その途端、眼鏡越しの常盤色に捕らえられてハボックは身動きが出来なくなった。
「なあ、俺とアイツらとどっちが似合う?」
「――――ア、アンタに決まってるっしょ」
「ホント?」
 ボソボソと言えば途端に嬉しそうな顔をするヒューズにハボックは視線をさまよわせる。ヒューズはハボックの顎を掴んで薄色の唇に舌を這わせながら言った。
「じゃあ、ずっとお前の前では眼鏡かけとくかな――ベッドの中でもさ」
「ホント?よかった」
 もしそうなら助かるとハボックが思わず安堵の表情を浮かべれば、途端にヒューズの眉間に皺が寄る。そんなヒューズにハボックは慌てて己を囲う腕から抜け出そうとしながら言った。
「そ、そろそろ戻んないとッ!みんなが心配するしっ」
「ジャン」
 だが、ヒューズは抜け出そうとするハボックを店の壁に押し付けて押さえ込んでしまう。ズイと顔を寄せてヒューズは囁いた。
「よかったってなんだよ」
「いや、だからオレ、アンタの眼鏡顔好きだしっ」
「違うな、今の“よかった”は違う」
 ヒューズはそう言うと眼鏡を外す。
「正直に言え、ジャン」
「ッッ、やっぱ凶悪……っ」
「は?」
「いや、なんでもな――」
「ジャン」
 間近から覗き込む眼鏡(フィルター)なしの常盤色に、ハボックが白状させられるのにさして時間はかからなかった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですーvv

昨日は「暗獣」の続きをアップしようと携帯でポチポチしてたんですが、もー眠くて眠くて……釣り、終わんなかったよ(苦)そうこうしているうちに10月だし、ああもう、バカンスシーズンじゃないよ!
と言いつつ、今日は「髭騎士」です。だって今日は眼鏡の日だっていうから〜(笑)ヒューズの眼鏡はフィルターだっていう。多分この後ハボックは面白がったヒューズにいいようにされた事と思いますー(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

おお、なおさま、釣りなさってたんですね!「ザー」ってなに?って思わず調べてみました(笑)どうやら「ゴカイ」の別称のようで、写真見たら……ハボック、これ見たらミミズよりもっと大騒ぎしそうですー。なおさま、強いーッ(笑)セレスタ、やっとハボが帰れますよ〜(笑)エリゼの嫉妬にマドラスと、些細なようで実は書きたかったポイントを押さえて下さっていて嬉しいですv頂く拍手やコメントはいつでも嬉しいですが、やはり更新に頂くコメントは本当にありがたく嬉しいですvモチベーション上がります。いつも本当にありがとうございますvv

「ろ」と「い」だけで の方

やーん、そんな手腕だなんて、ありがとうございます!二文字+「ッ」やら「!」やらで何とかハボの気持ちを伝えられたらと思いつつ書いておりますが、感じとって頂けているのでしたら嬉しいですvでも、半分は皆様の想像力のおかげな気もしなくはないですが(笑)これからも暗獣ハボをよろしくお願いしますv
2012年10月01日(月)   No.256 (カプ色あり)

髭騎士9
ヒュハボ風味

「やっと終わった……」
 バタリと机に突っ伏してロイは呟く。昼間サボりまくったせいで溜まりに溜まった書類の今日中の決済を鬼より怖い副官に命じられたロイは、日にちが変わる寸前どうにかこうにか最後の一枚にサインをし終えたところだった。
「まったく……どうして私がこんな目に」
 と呟いてロイはため息をつく。どうしてもなにも全て自分がサボっていたからなのだが、ロイの頭にはそんな考えなど欠片もなく、書類を大量に回した部署にブツブツと悪態をつきながら身を起こした。
「帰るとするか」
 とにかくも言われたことを終えたのだ、これ以上ここにいる事もない。
「明日は今日働いた分休ませて貰わんと」
 結局懲りても反省もしていない言葉を吐いてロイが帰ろうと立ち上がった時、ドカドカと廊下を走る音がしたと思うと少しして執務室の扉が乱暴に開いた。
「ヒューズ」
 本来ならここにいる筈がない男の姿にロイが目を丸くする。
「お前、どうしてここに」
 と、当然の質問を口にするロイにズカズカと歩み寄ったヒューズは、ダンッと机に手をついてロイの顔を睨みつけた。
「少尉はどこだ?」
「少尉って……お前もしかしてあの電話の後セントラルから来たのか?よく来られたな」
「緊急の捜査だと言って列車を止めて、車で追いかけて乗った」
 驚くロイにヒューズは低い声で説明する。
「おい、それは職権乱用じゃ――――」
「少尉はどこだっ?」
 呆れて言いかけたロイの言葉を遮ったヒューズがズイと顔を近づけて言えば、ムッと口を噤んだロイが言った。
「やはりお前がハボックを苛めたのか、よくも私の大事な部下を泣かせたな」
「泣いてた?おい、少尉はどこにいるんだっ?」
 ハボックが泣いていたと聞いてヒューズが目を吊り上げてロイの襟首を掴む。いつもは飄々とした友人の思いがけない姿に、毒気を抜かれてロイはまじまじと間近に迫るヒューズの顔を見た。
「ハボックならとっくに帰ったぞ。私があげたチョコを持って」
 と言ってからロイはハタと思い出す。
「そうだ、ヒューズ、あのチョコ買って返せ。折角の限定品、最後の一箱だったのをハボックにやったんだ」
「とっくに帰った?でもアパートにはいなかったぞ」
 言った言葉を綺麗にスルーされてロイはムッとしたものの未だに襟首を掴んでいるヒューズの手を振り払って言った。
「知るか。苛めっこのお前に女性を紹介して貰うより自分で探した方がいいって思ったんじゃないのか。今頃アイツ好みのボインで可愛い子とよろしくやってるんだろう」
 ロイが乱れた襟元を直しながらそう言えば、ヒューズが常盤色の目を見開く。そのまま何も言わずに執務室を飛び出していくヒューズの背にロイは慌てて声を上げた。
「おいっ、ヒューズ!これ以上私の部下を苛めたらただでは――――」
 だが言い終わらぬうちにドカドカと走り去ってしまったのを見て、ロイはため息をつく。
「まったく一体なんだっていう――――、あ」
 やれやれと言いかけた言葉を飲み込んでロイはハッと顔を上げた。
「チョコ……っ!くそっ、後で請求書送ってやるッ!」
 ロイはもう誰もいない扉の向こうに向かってそう怒鳴ったのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいですv

「髭騎士」です〜。髭、手段選びません(笑)そしてロイは相変わらず(笑)

以下、拍手お返事です。

阿修羅さま

あらら、リク下さるつもりだったのですね〜。今年のハボロイの日は週始めだからみなさんお忙しかったですよね(苦笑)と、とりあえずキリバン近いのでそっちでお受け出来たらいいなぁ、と(汗)

なおさま

えへへへへへv尻尾ぎゅうっなハボックをセロリさん絵で妄想すると、更に癒されると思います(笑)暑い毎日少しでも暗獣ハボが気晴らしになったら嬉しいですv
2012年08月13日(月)   No.227 (カプ色あり)

髭騎士 髭の日編
ヒュハボ風味

「大佐、この書類にサイン ────」
 ノックもそこそこに執務室の扉を開けたハボックは、サインを貰おうと書類を差し出した格好のまま凍り付く。ハボックの声に顔を上げたロイの鼻の下をまじまじと見つめた。
「──── なんスか、それ」
 漸くそれだけ絞り出すようにハボックは言う。そんなハボックにロイはにんまりと笑った。
「どうだ、カッコいいだろう?」
 そう言うロイの鼻の下にはチョロッと髭が生えている。八の字に左右に伸びたそれはカッコいいというよりナマズの髭のようだった。
「ただのエロ親父に見えるっス」
 ハボックが素直にそう感想を口にすれば、ロイがムッと眉間に皺を寄せる。
「失礼な奴だな、私のどこがエロ親父だ」
 口髭を扱いてそう言うロイにハボックが首を傾げた。
「いきなりどうしたんスか?朝はなかったっスよね?」
 確か朝ロイと顔を合わせた時、こんな髭はなかった筈だ。顔のほぼ中央にあるそれを見落とす訳はなく、ハボックがそう尋ねればロイが答えた。
「今日は髭の日だそうだよ。だから錬成術で生やしてみた」
「髭の日?なんで?」
「さあな、この髭が八の字に似てるからじゃないか?」
 そう言ってロイが指で上向きに捻り上げた髭は確かに八の字と言えなくはない。
「髭の日だからって髭生やします?フツー」
「いいじゃないか、一度生やしてみたかったんだ」
 今日は一日これで行くと、妙に上機嫌なロイにハボックは呆れたため息をつく。
「なんでもいいっス、サイン下さい」
「なんだ、その言い方は。お前にも髭を生やしてやろうか?」
「謹んでお断りします」
 いらねぇよ、そんな髭と思い切り嫌そうな顔をすれば、サインしないと言い出すロイを宥め賺してサインを貰うとハボックは執務室を出た。
「なんなんだか、一体」
 ハボックがそう呟いてため息をついた時、ブレダが司令室に戻ってくる。「おう、ハボ」と声をかけられて視線を向けたハボックは、ブレダの鼻の下に張り付くちょび髭を見て目を見開いた。
「ブッ、ブレダっ?なに、それッ!」
「おう、似合うだろ?大佐に生やして貰った」
 カッコいいだろとニッと笑って言うブレダにハボックはげんなりと肩を落とす。妙なところでノリがいい友人に何か言おうとしたハボックは、連れだって入ってきたフュリーとファルマンの顔にも髭が生えているのを見て開いた口をあんぐりとさせた。
「あ、ハボック少尉、どうですか?僕の髭!カッコいいでしょう!」
「偶には髭もいいものですな」
「お前もどうよ、ハボック」
 ニコニコと笑う三つの髭面に、ハボックはげっそりする。
「いい、遠慮しとく」
 ハボックはそう呟くように言うと、三人を押しやるようにして司令室を出た。そのまま廊下を歩き階段を上って屋上に出る。広い屋上を横切って手すりに寄りかかると、ハアとため息をついた。
「何が髭の日だよ、まったく暇なんだから」
 事件がないのはいいことだが、わるふざけにもほどがある。煙草の煙を吐き出して、ハボックは短くなった煙草を携帯灰皿に放り込んだ。
「髭、かぁ……」
 そう呟けば遠距離恋愛中の恋人の顔が思い浮かぶ。悪戯っぽく笑う眼鏡の奥の常盤色の瞳が頭に浮かんで、ハボックはため息をついた。
「中佐……」
 会いたい、と胸の内で呟いたハボックの耳に。
「呼んだか?」
 たった今思い浮かべた人物の声が響いて、ハボックはギョッとして振り返った。
「な……なんでここにいんのッ?!」
「お前が呼んだから」
 驚くハボックにヒューズがサラリと答える。そうすればハボックが眉を顰めてヒューズを睨んだ。
「嘘ばっか」
「なんだよ、実際呼んでたじゃねぇか」
「空耳っしょ」
 ツンと顔を背けて言うハボックの耳が真っ赤になっている事に気づいて、ヒューズは薄く笑う。ゆっくりとハボックに近づくと、ハボックの体を囲い込むように手すりに手をついた。
「俺に会いたくなかったのか?ジャン」
 意地悪くそう囁く男をハボックは睨み上げる。それでも、そんな風に睨んでいたのはほんの僅かな間で、ハボックは腕を伸ばすとヒューズの体を掻き抱いた。
「アンタの髭が一番カッコいい」
「ん?なんだって?」
 肩口に顔を埋めて言った言葉を聞き取れず不思議そうな顔をするヒューズに。
「何でもねぇっス」
 ハボックは笑うと自分から口づけていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいですv

今日は「髭の日」だそうで。そんなわけで「髭騎士」です。連載中の話からちょっと外れて髭の日話なぞ書いてみました(笑)ロイの髭は絶対エロオヤジだと思うの(苦笑)やっぱりハボにとってカッコいい髭はヒューズってことでv

以下、拍手お返事です。

JOEさま

いいですよね、薔薇の香りvふふふ、確かに吸血鬼話ばかりで混乱しますよね〜(苦笑)ハボロイでもロイハボでもヒュハボでもカプなしでも書きたいという欲望のままに書き散らかしたらこんなになりました。まあ、その時々で楽しんで頂けたらいいなと思いますv

なおさま

わー、気になってらっしゃいましたか!五年も放置してましたものね(苦笑)昔の作品で正直恥ずかしくて仕方ないのですが、楽しんで頂けたら嬉しいですv
2012年08月08日(水)   No.222 (カプ色あり)

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  Photo by 空色地図

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