babble babble


2012年10月の日記

2012年10月31日(水)
新・暗獣33
2012年10月28日(日)
新・暗獣32
2012年10月26日(金)
新・暗獣31
2012年10月25日(木)
妖4
2012年10月21日(日)
妖3
2012年10月15日(月)
新・暗獣30
2012年10月11日(木)
妖2
2012年10月09日(火)
新・暗獣29
2012年10月06日(土)
(あやかし)
2012年10月04日(木)
新・暗獣28
2012年10月01日(月)
髭騎士 眼鏡の日編

新・暗獣33
「さあ、どうぞ」
 ヒューズは玄関のベルを鳴らして帰った事を中に知らせると、二人の前で玄関の扉を開ける。ハボックが入っていいのか?と言うようにロイを見上げた時、中からパタパタと足音がして小さな女の子が駆け寄ってきた。
「ハボちゃあん!」
 エリシアは大声で呼んでハボックに抱きつく。小さな手でギュウッと抱き締められて、ハボックは目をパチクリとさせた。
「ハボちゃん、待ってたよ!来てくれて嬉しいっ」
「ろーいっ」
 エリシアがハボックの手を握って言えばハボックも嬉しそうに笑う。握りあった手をブンブンと上下させて喜ぶ子供達に、クスクスと笑みを含んだ声が降ってきた。
「いらっしゃい、ハボックちゃん、マスタングさん」
「やあ、グレイシア、久しぶり。お言葉に甘えて来てしまったよ」
 そう言うロイにグレイシアは笑みを深める。
「来てくださって嬉しいわ。どうぞゆっくりなさって下さいね」
「ありがとう。ハボック、こちらはヒューズの奥方でエリシアのお母さんのグレイシアだ」
 そう紹介されてハボックはグレイシアを見上げる。恥ずかしそうにモジモジとするハボックの前に膝をついて、グレイシアは言った。
「はじめまして、ハボックちゃん。あなたのことはマースから聞いてるわ。今日は来てくれてありがとう」
「ろーい……」
 優しく笑いかけられて、ハボックはロイのコートをギュッと握って答える。恥ずかしそうに見つめてくる空色を受け止めて、グレイシアは子供の頬を優しく撫でた。
「さあ、コートを脱いで中にどうぞ」
 立ち上がって促すグレイシアにコートを渡して、ロイとハボックは中へと入る。通されたリビングは部屋のあちこちにハロウィンの飾りがしてあって、それを見たハボックが目をキラキラと輝かせた。
「ろーい〜っ!」
 興奮に頬を紅潮させてピョンピョンと飛び跳ねるハボックにロイとヒューズは顔を見合わせてクスリと笑う。エリシアがハボックの手を取って飾りのひとつひとつを説明して歩くのを一頻り眺めてからヒューズが言った。
「今夜のハロウィンの為に用意した物があるんだよ、ハボックちゃん」
 そう言われてハボックが不思議そうにヒューズを見上げる。傍らでエリシアが顔を輝かせて言った。
「パパ、あれね!エリシアが持ってきてあげるっ」
「うん、頼むよ、エリシアちゃん」
 ヒューズが頷けばエリシアがリビングを飛び出していく。少ししてエリシアは大きな包みを抱えて戻ってきた。
「パパぁ、持ってきたぁ」
「ありがとう、エリシアちゃん」
 ヒューズはエリシアから包みを受け取るとハボックに向き直る。ハボックの前に膝をついて包みを差し出した。
「はい、どうぞ」
 包みを差し出されてハボックはおずおずと受け取る。横からエリシアに「開けてあけて」と急かされてハボックはリボンを解いて包みを開けた。
「ハロウィンの衣装だよ。今夜はそれを着てエリシアちゃんと一緒にお菓子を貰いに行ってごらん」
「ろーい……」
 そう言われてハボックが包みの中から出てきた物を広げる。淡い金色がかったフカフカしたものを広げてみれば、それは可愛い犬の着ぐるみだった。
「これなら犬耳と尻尾を出してても仮装だと思われるだろう?」
「ろーいっ」
 言われた途端ポポンと犬耳と尻尾が現れる。フカフカの尻尾を見て、エリシアが言った。
「エリシア、ハボちゃんの尻尾大好き!可愛くて気持ちいいんだもんっ」
 エリシアはハボックの尻尾をそっとすくい上げスリスリと頬を擦り付ける。擽ったそうにしながらも、ハボックはにっこりと笑って着ぐるみを抱き締めるとヒューズを見上げた。
「ろーいっ!」
「気に入ってくれた?よかった」
 ヒューズは笑ってハボックの金髪を撫でる。立ち上がると微妙な表情を浮かべているロイに言った。
「興奮していきなり尻尾が出るよりこの方がずっと安全だって」
「まあな」
 ロイは言ってため息をつく。
「帰ってからも着たいと騒ぎそうだがな」
「その時はその時だろ」
 ハハハと笑うヒューズにロイが顔をしかめた時グレイシアがお茶を運んできて、文句を言い損ねたロイはため息と共にお茶を飲み干した。

「さあ、気をつけて行っておいで」
「うん!お菓子いっぱい貰ってくるっ」
 夜になれば可愛らしい仮装に身を包んだ子供たちにヒューズが言う。絵本に出てくる妖精のお姫さまのドレスを着たエリシアは、すっぽりと首まで着ぐるみを着込んだハボックの手をしっかりと握った。
「ハボちゃん、頑張ろうね」
「ろぉいっ」
 言われて尻尾をフサフサと揺らして答えるハボックに、ロイが心配そうに眉を顰める。そんなロイの背をヒューズが苦笑して叩いた。
「過保護はよくないぜ、ロイ」
 そう言う友人の髭面をロイは睨む。
「大丈夫だって。なあ、ハボックちゃん」
「ろいっ」
 コクンと頷くとハボックは、エリシアと二人出かけていった。
「よし、じゃあ俺たちは一杯飲みながら他の子供が来るのを待とうぜ」
 そう言ってヒューズは奥へと戻ろうとする。だが、閉まった扉を睨んでいたロイが、コートをひっつかんで外へと飛び出して行くのを見て常盤色の目を丸くした。
「おいっ、ロイっ?」
「やっぱり心配だ、後をつける!」
「な……っ?ちょっと、待て、ロイっ」
 ロイはヒューズが引き止めるのに構わず走ると子供たちの姿を探す。同じように衣装に身を包んだ大勢の子供が行き交う中、一際可愛らしい二人連れを見つけて急いで近づいていった。
「大丈夫か?ハボック……」
 ロイは街路樹の陰から二人の様子を伺う。そんな事には露ほども気づかず、エリシアはハボックの手を引いて一軒の家に近づいていった。
「ハボちゃん、エリシアがトリックオアトリートって言うから、ハボちゃんは籠を出してね」
「ろーいっ」
 ハボックが頷くのを見て、エリシアは家の扉を叩く。そうすればノックに答えて女性が出てきた。
「トリックオアトリートっ!」
 エリシアがニッコリ笑って言うのを聞いて、ハボックが緊張した面持ちで手にした小さな籠を差し出す。それを見て女性はニコニコと笑った。
「まあ、可愛らしいワンちゃんと妖精のお姫さまね。はい、お菓子をどうぞ」
 女性は言ってハボックが差し出した籠にお菓子の袋を入れてくれる。それを見てハボックはパアッと顔を輝かせて尻尾を振った。
「あらっ、よく出来た尻尾ね」
 女性にそう言われてハボックは恥ずかしそうに尻尾を抱えるとエリシアの後ろに隠れる。女性はエリシアとハボックの頭を撫でると手を振って家の中に入ってしまった。
「やったね!ハボちゃんっ」
「ろーいっ」
 二人は籠の中のお菓子を見てにっこりと笑いあう。再び手を繋いで次の家に向かうのをこっそり見守っていたロイはホッと息を吐いた。
「よかった、何とか貰えたな」
 ロイはそう呟くと更に二人の後を追う。
「トリックオアトリートっ」
「ろーいっ」
 そうしてハボックとエリシアがあちこちの家で可愛らしい衣装を褒められながら楽しくお菓子を貰って歩くのを、ずっと陰から見守って歩いたロイは翌朝腰痛で目が覚める事になるのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですvv

「暗獣」です。なんかもう、前振りの枝葉が多過ぎて肝心の書きたいシーンに来たところではすっかり力尽きた感ありありです……(苦)本当はロイと二人のハロウィンも考えないではなかったのですが、ハボック一人じゃトリックorトリート出来ないので、セントラルでエリシアちゃんにご同行頂きました(笑)ハボが着ている着ぐるみは頭の部分はありません。尻尾は本物が出せるよう小さな穴があいてます。赤い首輪のところまで着ぐるみで頭はそのまま、本物の犬耳で(笑)過保護なロイは中腰で物陰に隠れてついて歩いてたので、翌日はきっと腰痛(笑)

以下、拍手お返事です。

「深淵に偲ぶ恋」のハボのかっこよさに の方

うわぁ、本当ですかっ?SPってもっとカッコいいものじゃ?と若干思い始めていたのでそう言って頂けて嬉しいです〜vそしてチェン(笑)すっかりハボの部下で定着してきました(笑)成長していると嬉しいなぁと思いますv

阿修羅さま

わあ、大丈夫ですか?色々やらねばならない事、やりたい事もおありでしょうがくれぐれもお体大切になさってくださいね。大ファンだなんて……(照れ)ご自身でも素敵なお話を書かれる阿修羅さまに書いて欲しいものがあるなどと言われると、緊張するというかなんというか(苦笑)ともあれ、ではニアピン3つでキリリク一つ……なんて言ってるとキリバン踏み抜けそうな気もします(笑)

なおさま

偽名じゃないですよ〜。人魚姫ですから別人、別人(笑)あ、そうか。確かにシンデレラ!(笑)しかし、人魚姫でシンデレラって、どれだけお姫様なんだ、ハボック(爆)
2012年10月31日(水)   No.266 (カプなし)

新・暗獣32
「ハボック、そろそろ行くぞ!」
 ロイは階段の下から二階に向かって声をかける。そうすればハボックが階段の上から顔を覗かせた。
「ろーいー」
 困ったように眉を寄せるハボックを見て、ロイは階段を上がる。寝室に消えたハボックの後を追って中に入れば、ハボックが床に並べた宝物を前に床に座り込んでいた。
「ろーいー」
「ハボック、全部持って行きたい気持ちは判らないでもないが、一つにしなさい」
 そう言えばハボックがムゥと唇を突き出す。それでもそれ以上何も言わずに見つめていると、ハボックは一つため息をついて並べた宝物の中からオレンジ色のウキを取り上げた。
「ろい」
「それにするのか?」
 手にしたウキを見せるハボックにロイが尋ねればハボックがコクンと頷く。それから名残惜しそうに床の宝物に目をやり、中から小さな貝殻を一つ取り上げてロイに見せた。
「……ろーい?」
 甘えるように小首を傾げるハボックにロイは苦笑する。
「仕方ないな、それだけだぞ」
 そう答えればハボックが嬉しそうに笑った。
「決まったら早く支度しなさい。列車に遅れるぞ」
 ロイの言葉にハボックはわたわたと宝物を箱にしまう。その間にロイは下に降りると、ウキと貝殻を鞄にしまった。
「ハボック!」
 鞄を手に持ち玄関に行きながらハボックを呼ぶ。コートに腕を通しているとハボックがパタパタと駆けてきた。
「ほら、お前もこれを着て」
 そう言いながらロイはハボックに小さな上着を着せてやる。ちょっぴり着膨れした姿にクスリと笑って、ロイはハボックの金髪をクシャリと掻き混ぜた。
「よし、行くぞ」
 ロイはそう言ってハボックの手を引く。二人は手を繋いで駅へと歩いていった。

 列車の中では上機嫌で窓に貼り付いて外を眺めていたハボックだったが、目的地についた途端ロイにべったりとしがみつく。どうやら人の多さに驚いたようで、ハボックはその空色の瞳をまん丸にして当たりを見回していた。
「大丈夫だよ、ハボック。相変わらず騒々しい街だが、もうすぐ迎えにくる男には似つかわしい街だろう」
「ろーい……」
 呟くように呼んでハボックはロイを見上げる。その顔が嫌そうにしかめられるのを見て、ロイは苦笑した。
「似合わないか?」
「……ろーい」
 ハボックが不満そうに頷いて見つめるロイはサングラスをかけている。特徴的な黒曜石を色硝子の奥に隠したロイは苛々と辺りを見回した。
「遅いな、なにやってるんだ、あの馬鹿者は」
 チッと思い切り舌打ちしてロイが呟いた時、すぐ目の前に車が滑るように停まった。
「待たせたな」
「遅いぞ、ヒューズ」
 窓からニヤリと覗く常盤色をロイは睨んだがそれ以上は何も言わずに後部座席の扉を開ける。鞄を放り入れハボックを押し込むと、乗り込みながら扉を閉めた。
「早く出せ」
「大丈夫だって、ロイ。幾ら軍の連中だってまさかあのロイ・マスタングがセントラルにいるとは思わないさ」
 ヒューズは普段はかけないサングラスをしている友人に苦笑して言う。それでも用心してか座席に潜るように座るロイに僅かに眉を寄せると、殊更明るくハボックに話しかけた。
「ハボックちゃん、よく来たね!エリシアちゃんもハボックちゃんが来るの待ってるよ」
「ろーいっ」
 ハンドルを握るヒューズの座席に後ろからしがみついてハボックが答える。元気な声にヒューズは笑みを浮かべて言った。
「窓から外を見てごらん。ハロウィンの飾り付けが凄いだろ?」
 そう言われて窓から外を見れば、店先やショーウィンドウが黒とオレンジのハロウィンカラーで飾られていて、ハボックは魔女やカボチャの飾りを目をまん丸にして見つめた。
「我が家にもでっかいカボチャがあるから楽しみにしててね、ハボックちゃん」
「ろーいっ!」
 キラキラと目を輝かせて頷いたハボックが嬉しそうにロイを見る。ロイはそんなハボックの頭を撫でると、窓の外を流れるセントラルの街並みをじっと見つめた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになってます、嬉しいです〜v

「暗獣」です。気がつけば10月ももう終わりで「季節ネターッ!」と慌ててます(苦笑)今回はハロウィンでヒューズんちにお呼ばれってことで。

以下、拍手お返事です。

いつも小説をとても楽しみにして読ませてもらっています の方

いつも読んで下さってありがとうございますvわあ、拙作を大好きだなんて言って頂けて、恥ずかしい〜、でも嬉しいvvそんな風に言って頂けるとやる気がモリモリ湧いてきます。「セレスタ」頑張っちゃいました(笑)これからも是非お付き合いお願い致しますv

なおさま

「セレスタ」ふふふ、まだ当分ハボックには悩んで頂こうと思ってますvだってハボック泣かせると楽し……(殴)ロイが真実を知ったらどう反応するか、私もとっても楽しみです(笑)「暗獣」飴とムチ、ハボとしては全然無意識だと思うんですが、無意識だけにその効果は絶大かと(笑)「ひげー」とかいきなり呼ばれたら、ヒューズとしてはかなりフクザツな気持ちでしょうねぇ(笑)
2012年10月28日(日)   No.265 (カプなし)

新・暗獣31
「酷いよ、ハボックちゃん、あんまりだ……」
 ガックリとソファーに座り込んでヒューズがぐじぐじとボヤく。慰めるように寄り添ってハボックが俯いた顔を覗き込んだ。
「ろーいー」
 相変わらず自分以外の名で呼びかけられてヒューズは恨めしそうにハボックをチラリと見る。はああ、と大きなため息をついて、ヒューズは言った。
「せめて“まーす”とか言ってくれればなぁ」
 ろーいじゃねぇ、と肩を落とすヒューズにハボックが困り切ったように眉を寄せる。暫くの間ヒューズの横顔を見ていたが、トンとソファーから飛び降りるとリビングから出て行ってしまった。
「あっ、ハボックちゃんっ?」
 慌ててヒューズが呼んだがハボックは戻ってこない。益々ガックリとソファーにへたり込むヒューズの前にコーヒーのカップを置いてロイが言った。
「あんまりグズグズ言うから愛想つかされたんじゃないか?」
「お前にゃ俺の気持ちは判らん。ハボックちゃんを独り占めしやがって」
 俺だって名前呼ばれてすりすりされたい!と喚く友人にロイはやれやれとため息をつく。コーヒーのカップを手に取り口をつければ、ハボックがシャツの裾を持ち上げた中に何やら入れて戻ってきた。
「何を持ってきたんだ?ハボック」
 ロイがそう尋ねれば、ハボックがシャツの中身をテーブルの上に空ける。コロコロとテーブルから転がり落ちそうになった綺麗な小石を受け止めて、ロイは言った。
「ああ、今回の旅で見つけた宝物か」
 受け止めた小石は湖の畔で拾ったものだ。光に翳して見るロイの手の中の小石を、ヒューズは不思議そうに見た。
「なんだ?旅の宝物って」
「ハボックが旅行中に集めてきた物だよ」
 そう言うロイの手からハボックは縁が虹色に透ける小石を取り返す。それを小さな手のひらに載せてヒューズに差し出した。
「ろーい」
「えっ?なに?ハボックちゃん」
 ヒューズはよく判らないとハボックと小石を見比べる。そうすればハボックがヒューズの手を取って小石を押し付けた。
「やると言ってるんだ」
「へ?そうなの?」
 ロイにそう言われてヒューズはハボックを見る。ハボックはニコッと笑ってヒューズの手の上に小石を落とした。
「いいのか?ハボック。それは集めた小石の中でも一番のお気に入りだろう?」
「ろーい!」
「いいらしいぞ。凄いお土産だな」
 そう言うロイとにこにこと笑みを浮かべるハボックとをヒューズは見つめる。手の中の小石をギュッと握り締めてヒューズはウルウルと目を潤ませた。
「ありがとうっ、ハボックちゃん!大事にするよ!」
「ろーい」
 嬉しそうなヒューズの前で、ハボックは他の宝物を並べて見せる。
「ろーいっ」
 ハボックはそう言ってオレンジ色のウキを指差す。見上げてくる空色とウキを見て、ヒューズは言った。
「そうか、釣りをしたんだな。デカい魚が釣れたかい?」
「ろーい!」
「湖でボートに乗って釣りをしたんだ。ハボックが釣った魚が一番デカかった」
「へぇ、凄いじゃないか、ハボックちゃん」
「ろいっ」
 褒められてハボックがエヘンと胸を反らせる。
「これは……パラシュート?」
 ヒューズがそう言って小さなパラシュートを摘めば、ハボックがそれを受け取ってポンと放り投げた。
「ろーいっ、ろーい!」
「噴水の花火をしたら最後にこれが飛び出たんだ」
「そうか、綺麗だったかい?」
「ろーい〜〜っ!」
 身振り手振りでハボックが話すのにロイが説明を付け足す。そうやって二人が説明するのをヒューズは楽しんで聞いたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みです〜、嬉しいですv

「暗獣」です。これでやっとバカンス絡みは一区切りかなぁ。十月も終わりだし、季節ネタ書くぞ!(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

わーい、ハボの色気〜v(笑)ロイは多分ハボに一目惚れ(笑)名前が出ない話なのであまり登場人物を出すと判り辛いと思いつつ、ジャク出しちゃいましたよ(苦笑)楽しんで頂けるように頑張りますっv

菜ノ花さま

えへへ、調子のって続き書いてますが嬉しいと言って頂いてこちらこそ嬉しいですーvまったりペースですが勿論続きありますよ!是非是非お付き合い下さいねv切ないお話は私も好きですが、書くとなるとなかなか上手くいかないのですが、キュウっとなって下さって嬉しいですーvそして54万打もありがとうございますvこれからも楽しんで頂けるように頑張りますので、どうぞよろしくお願い致しますvv

はたかぜさま

もー、お待たせしてしまってすみませんッ!やっとお届け出来るところまで着ました〜!嬉しいと言って頂いて私も嬉しい半面、ちゃんとご期待に添えるかどうか正直ドキドキです(苦笑)はらはらいらいらもやもやして貰えるように精一杯頑張りますね!ご家族から見ても楽しそうに見えるほど楽しんで頂けてるなんて、本当に本当に嬉しいですッvvでも、背後にはくれぐれもご注意くださいね(笑)腰、ありがとうございます。ボチボチ無理しないで書いていこうと思います。「久遠の空」頑張りますねvv
2012年10月26日(金)   No.264 (カプなし)

妖4
 書斎で本を探していた私は聞こえた物音に本棚に伸ばしかけた手を止める。なんだろうと書斎を出て、物音が聞こえたリビングの扉を開ければ、淡く輝く毛をした犬が立っていた。
「珍しいな、そんな格好で」
 彼はいつも私の前では人の姿をとっているのが常だ。犬の姿で現れるなど珍しいと、彼に近づこうとした私は感じた違和感に足を止めた。
「誰だ、お前は」
 てっきり彼だと思ったがどうもそうではないらしい。彼の他にもこんな美しい犬がいるのかと思いながら尋ねれば犬が答えた。
「名前を返してもらおう、人間」
 突然そんな事を言われて私は眉を顰める。この犬と会うのはこれが初めてで、勿論名前など知るはずもなかった。
「悪いが覚えがないな」
 いきなり他人の家に上がり込んで言いがかりのような事を言う犬を私は睨みつける。そうすれば犬はズイと一歩踏み出して睨み返してきた。
「ふざけるな、盗っ人猛々しいとはこの事だな!奪ったろう、あの男がアイツから奪って隠しておいた名をッ!」
「……え?」
 犬の言葉に私は目を見開く。咄嗟に返す言葉を口に出来ずにいれば、犬の蒼い瞳が物騒な光を帯びた。
「返さないと言うなら力付くで奪うまでだ」
 そう言った次の瞬間淡い銀色に光る犬が飛びかかってくる。発火布を取り出す間もなく、その鋭い牙と爪から少しでも身を守ろうと体を捩った私の前に金色の光が立ちはだかった。
「やめろッ」
 顔を庇って上げた腕を下ろせば、彼が私を守るようにして銀色の犬との間に割って入っている。銀色の犬は驚いたように彼を見つめていたが、やがて振り絞るような声で言った。
「何故だ、何故庇い立てする?なぜ名を奪い返さないッ?」
 詰る響きを載せた問いに彼は俯いて答えない。そうすれば銀色の犬は蒼い瞳に怒りを燃え上がらせた。
「そうやってまたお前は泣くのかっ?人間を真似た姿をしてっ、人間なんかに肩入れするからそんな目にあうんだぞッ」
「でも、オレは……」
「俺は認めない、そんな事赦さない」
 低い声に彼はハッとしたように顔を上げる。何か言おうと唇を震わせた彼を睨んだ銀色の犬は私を見て言った。
「名は必ず返してもらう。覚えておけ、人間」
「待って!オレの話――――」
 引き止める彼の言葉に答える事なく、尻尾を一振りして銀色の犬は姿を消してしまう。宙に向かって伸ばした手をダラリと下ろして彼は私を振り向いた。
「怪我、ないっスか?」
「ああ、大丈夫だ」
 そう答える私が本当に怪我がないか確かめるように、彼は私の体を隈無く見つめる。漸く納得したのか、彼はホッと息を吐き出した。
「コーヒー淹れますね」
 そう言って彼はキッチンへと消える。ソファーに座って待っていると、彼がトレイにコーヒーを淹れたカップを載せて戻ってきた。
「どうぞ」
「ありがとう」
 目の前に置かれたいい香りのするカップを手に取り口をつける。向かいのソファーに腰を下ろして、彼は包み込むようにして持ったカップに顔を寄せた。
「驚かせてすんませんでした」
 小さく身を縮めるようにして彼が言う。
「あの犬は?」
「兄弟……みたいなもんかな」
 彼は少し考えてから答えた。
「いつも一緒にいた、もうずっと長いこと。でもオレが名を奪われて、オレ達は離れ離れになった」
 彼はコーヒーを一口飲んで言葉を続ける。
「騙されて奪われはしたけど辛くはなかった。あの人は優しかったしオレは人が好きだったから。楽しかったんスよ、あの頃は。楽しくて――――幸せだった」
 そう言って懐かしそうに目を細めて宙を見上げる彼を見れば、私の中にザワザワと昏い感情が音を立てる。そんな事にはこれっぽっちも気づかず、彼は言った。
「でもアイツはそれが赦せなかった。アイツは人が嫌いなんです。だからオレ達は会わずにいたけど、あの人が死んだと知ってアイツはオレを迎えにきた」
 言って目を伏せる彼を私はじっと見つめる。
「名を返して欲しいか?」
 そう尋ねれば、ハッとしたように彼は私を見た。何も答えないまま彼は綺麗な空色の瞳で私を見る。私はその瞳を真っ直ぐに見返して言った。
「悪いが返すつもりはない。返して欲しいと言うなら奴がしたようにするしかない」
「ッ!!」
 弾かれたように腰を浮かせて彼が私を見つめる。泣き出しそうに揺れる空色に手を伸ばして、私はそっとその目元を撫でた。
「方法はそれだけだ」
 私はそう言うとカップをテーブルに置き立ち上がる。彼をそのままにリビングを出ようとしてチラリと振り向けば、閉じる扉の隙間からソファーに座り込んで俯く彼の横顔が見えた。
 彼に名を返そうとは思わない。あの銀色の犬なら尚更だ。例え死んでも返したくないと思う私は、かつて彼から名を奪い軒下に名を刻んだ札を隠した男と同じだろう。それはきっとあの銀色の犬も同じに違いないと、窓の向こうの綺麗な空を見上げて私は思った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。そして54万打もありがとうございます!こうやってコツコツと積み重ねていくやる気と励みを下さる皆様に感謝の気持ちでいっぱいですvこれからもどうぞよろしくお付き合いのほど、お願い致しますvvハボック、好きだーッ!!これからも叫ぶぜッ!!(笑)

と叫んだところで「妖」です(笑)もう一匹出てきた銀色のワンコは言わずと知れた?ジャクでございます(苦笑)相変わらず名前が出ない話、判りづらくて申し訳ない〜、でもなんだかそう言う風に書いていきたい(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

いやいや、「また」なんてことないですよ!むしろコメント頂くのを楽しみにしてますvv妖ハボ、色気ありますか?ふふふ、ありがとうございますvでも、きっとそれは「妖」がロイの一人称のせいかな、と。ロイ視点でハボを見てるからそう言う風に感じるんじゃないかと思います。そう感じて頂けたならこの話としては大成功なんだろうなぁ(笑)腰痛、ありがとうございますー。とりあえず騙しだましポメラしてます。そうか、掛け声かけるのはいい事なんですね!じゃあ、恥ずかしがらずに「よいしょ」と言おう!(笑)「久遠の空」ふふふ、人魚姫ですよ!まあ、あくまでモチーフなので人魚ではないと思いますが(笑)そう、本家人魚姫は泡になって消えちゃうんですよねー。王子様を殺してその血を脚にかければ人魚に戻れたけれどそう出来なかった……。泡になった人魚姫のように消えてしまうのかどうするのか、実はまだ決めてないのですが、どうぞお付き合いお願いしますv

阿修羅さま

おお、風邪ひきですか?最近急に冷え込んできましたものね。色々お忙しいでしょうが、どうぞご無理なさいませんよう。キリバン〜、再挑戦ありがとうございますーッ!なかなか思うようにいかないものですね…(汗)三度目でもダメならニアピン賞三つでキリバン一つとかにしましょうかね?(笑)

キリリクに「久遠の空」がありません の方

ええと、一応携帯でも確認しましたし、他の方からコメントも頂いているのでアップ出来ている筈なのですが……うーん、どうしてだろう。一応もう一度アップし直してみました。無事お読み頂けるとよいのですが……。
2012年10月25日(木)   No.263 (カプなし)

妖3
 読んでいた本からふと顔を上げて窓の外に目をやると、庭に佇む彼の姿が見える。空を仰ぎ見る彼が何を見ているのか気になって、私は本を机に置いて立ち上がると庭へと出た。
「何を見ているんだ?」
 そう尋ねれば彼が空に向けていた目を私に向ける。まるで空を見つめすぎてその色が写ってしまったとでもいうような、綺麗な空色の瞳で私を見て答えた。
「随分空が高くなったなぁと思って」
 と言って彼はまた空を見上げる。
「あ、鳥」
 そう言って指差すのにつられるように空を見れば、空の随分と高い所に鳥が飛んでいるのが小さく見えた。
「いい天気だな」
 雲一つない空を悠々と飛ぶ鳥を見つめて私が言う。そうすれば頷いた彼が私を見て言った。
「こんなに晴れてたら夜はさぞかし月が綺麗でしょうね。今夜は十六夜だし」
「十六夜か。人によっては十五夜より綺麗だと言うな」
「どうっスか?月を見ながら一杯いくっていうのは」
 思いもしなかった彼からの誘いに私の心臓がドキンと大きな音を立てる。私はその音が彼に聞かれなかった事を願いながら、精一杯平気な顔で答えた。
「それはいい考えだ。じゃあ酒は私が用意しよう」
「なら摘みはオレが」
 彼が笑って答えるのを聞けば、臆病な心臓がもっと大きな音を立てて跳ね上がった。

 夜になれば二人して庭に椅子と小さなテーブルを出す。テーブルの上に彼が用意した摘みと私のとっておきの酒から選んだボトルを並べれば、小さな月見の宴が始まった。雲一つない夜空には、満月に僅かばかり欠けた月がぽっかりと浮かんでいる。煌々とした輝きは庭を明るく照らして、私と彼は互いに注しつ注されつしながら酒を酌み交わした。
「結構イケる口なんだな」
「妖は酒が好きなんスよ。いや、酒を飲み交わすのが好き、かな」
 彼のグラスに酒を注ぎながら言えば彼がそう答える。彼は月を見上げながら続けた。
「昔は花見だ、月見だって何かにつけて飲んでましたね」
「最近は飲まないのか?」
「一人で飲んでもつまんないっしょ?」
 ほんの少し淋しげに笑う彼の記憶にあるのは誰なのだろう。そう思えば俄かに湧き上がる妬心を押し隠して私は言った。
「私で良ければいつでも付き合うぞ」
 私の言葉に彼は月を見ていた視線を私に向ける。月明かりの中、灰色がかった瞳でじっと私を見た彼が、ふんわりと笑った。
「なら、付き合って貰おうかな――――実は棚の中のコレクション、狙ってたんスよ」
 胸の内を隠すように悪戯っぽく付け足した彼の金髪が月の光に淡く光る。
「まあ、一回飲んだら名前を返すのが一年は延びるがな」
「はあっ?なんスか、それっ!」
「等価交換だろ?」
「うわぁ……目一杯飲まなきゃ割に合わねぇ」
「余計に旨く感じていいんじゃないか?」
 ニヤリと笑って言えばベェと舌を突き出す彼が飲み飽きてしまわないように、旨い酒を探してコレクションに加えておこうとこっそり思った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みです、嬉しいですvv

「妖」です。暗獣ハボじゃ書けない月見で一杯(笑)「夏目友人帳」見ていると、妖ってよく集まっては酒を飲んでる感じがします。ニャンコ先生お酒、好きだし(笑)そういや、昨日ビックカメラに行った時にニャンコ先生のガチャガチャがあったのでやってみたら出てきたのは「捕まったニャンコ先生」だった……。えーっ、他に幾らでもあるのにどうしてコレ??どうせなら「お酒とニャンコ先生」とか「友人帳とニャンコ先生」がよかったなー(苦)また今度行ったらやってみよう……またコレだったりして(苦笑)

ところで、最近腰痛です……。前から時々痛い事は痛かったんですが、最近痛みが酷いよ(苦)昨日はダンナと「天地明察」を観に行って、終わって席を立とうとしたら一瞬痛くて立てないかと思いました。流石にそこで「腰が痛い」とは言わないだけの見栄とプライドは残ってたので意地で立ちましたけど、暫くは何かに縋らないと歩けなかったですよ(苦笑)とにかく座ってる方がキツイ、って要するにポメラが辛いんだorz そんなわけで更新遅れたらすみません(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

コメント一杯頂いてたのにお返事遅くなってすみません(汗)ふふふ、いいなぁ、一家に妖ハボと暗獣ハボが一匹ずつ!暗獣ハボを抱っこしながら妖ハボの手料理など食べたら毎日幸せだろうと思います(笑)ヒューズの立ち位置「可愛いものをくれるけど、うるさい人」!!(爆)ヒューズ、可哀想っ(笑)ハボがロイにこっそりそう囁いたらロイがニヤニヤしながら喜びそうです(笑)「親友疑惑」随分長い事温めていましたが、少しでも楽しんで頂けたでしょうか〜。指輪はあまりに露骨だし、ハボとしてはやっぱりあの「ロイ・マスタング大佐」からの指輪は受け取れないと思うんですよね。なのでイヤーカフ。とりあえずマーキングさえ出来ればロイも満足かなーと(笑)いや、しっかり毎日躯にマーキングしてますけどね(爆)「セレスタ」あはは、マドラス、気に入ってますか?思わぬところに応援が(笑)確かに今のところ真相を知っているのはマドラスだけですしね。ふふふ、続き頑張りますvv
2012年10月21日(日)   No.262 (カプなし)

新・暗獣30
「向こうに行っている間にこちらも大分涼しくなったな」
 ロイは開け放った窓に手をつき、体を乗り出すようにして空を見上げながら言う。コテージにいる間は朝、部屋が徐々に明るくなる事に慣れていたハボックは、いきなり鎧戸が開いて朝の光が射し込んできた室内に、苦情の声を上げた。
「ろーい〜」
「ああ、すまん。うっかりしていた」
 いつもは声掛けしてから開けていたのを久しぶりの我が家ですっかり忘れていた。クッションに潜り込むハボックにロイは窓の外を見ながら言った。
「ハボック、上から見ると庭の木も色づいてきたぞ。見てみろ」
 だが、ロイが誘ってもハボックは出てこない。ロイはやれやれとため息をつくと、ハボックをそのままに寝室を出た。キッチンでコーヒーをセットしてから旅行中にたまった洗濯物を洗濯機に放り込む。それから手早く一人分の朝食を用意し新聞片手に食べていると、漸くハボックが起きてきた。
「おはよう、ハボック」
「ろーい……」
 ハボックは眠そうに目をこするとトテトテとロイに歩み寄り、ロイの膝にぽすんとぶつかるように縋りつく。そのまま目を閉じてしまうハボックにクスリと笑ったロイが何か言おうとする前に、玄関からドンドンと扉を叩く音がした。
「なんだ?」
 驚いて犬耳をピンと立てたハボックが不安そうにロイにしがみつく。ロイは安心させるようにハボックの髪を撫でて立ち上がった。
「ここにいろ、ハボック。それから耳と尻尾はしまっておけよ」
 短く指示だけ与えてロイはドンドンと叩く音が響く玄関に向かう。蘇ってくる記憶を追い出し乱暴に扉を開けた。
「煩いぞ、一体何の用――――ヒューズ」
 開けた扉の向こう側に立つのが見慣れた友人の姿と気づいてロイは目を瞠る。
「一体どうしたんだ、ヒューズ。朝っぱらから随分と騒がしい登場だな」
 いつでも賑やかなヒューズではあるが、それにしても今朝のこれはいただけない。ロイは不快感も露わに尋ねたが、ヒューズはそれを上回る不機嫌なオーラを纏ってロイを睨んだ。
「よくも俺を仲間外れにしたなっ、ロイ!」
「は?」
 唐突にそんな事を言われてロイが訳が判らないといった顔をする。ヒューズはそんなロイにズイと顔を寄せて言った。
「仕事を終わらせるからと言ったのに俺をおいて出かけた上に、旅行先も告げないなんて……ッ」
「ああ、なんだ、そんな事か」
 一体何事かと思えばヒューズが言うことを聞いて、ロイは肩を竦める。怒りの理由を“そんな事”の一言で片づけられてヒューズはすわと目を吊り上げた。
「そんな事だとぅッ!ハボックちゃんの初めてのバカンスだったんだぞッ、俺だって、俺だって一緒に行きたかったのにーッ!」
 襟首を掴んで喚き立てる髭面にロイはうんざりとため息をつく。その時、リビングの扉が開いて、不安げなハボックの顔が覗いた。
「ろーい……?」
「ハボック、大丈夫だ。何も心配ない、――――ヒューズ、いい加減にしろ、ハボックが不安がってるだろうがッ」
 ゴンッと拳固でヒューズの頭を殴れば襟首を掴んでいた手が緩む。ヒューズは殴られた頭をさすりながらハボックの方を見た。
「ハボックちゃぁんッ」
 ヒューズはロイを突き飛ばして家の中に駆け込む。その勢いにビックリしながらも、ハボックはやってきたのがヒューズだと判ると扉の陰に隠れるようにしてニコッと笑った。
「ろーい」
「ハボックちゃんっ」
 ヒューズはハボックの前にしゃがみ込むと小さな手を握り締めて言った。
「酷いよなっ、ハボックちゃんもそう思うだろ?俺を置いていくなんてロイの奴、俺とハボックちゃんが仲良しだからヤキモチ妬いてんだぜ」
「誰がヤキモチなんて妬くか。馬鹿者」
 玄関を閉めて中に戻ってきたロイがヒューズを睨んで言う。そんなロイを見上げてヒューズは言った。
「ヤキモチじゃなければ俺に旅行先を教えていったろ?なぁ、ハボックちゃ――――あれっ?ちょっと、ハボックちゃんっ?」
「ろーいっ」
 ハボックは戻ってきたロイに手を伸ばすとギュッとしがみつく。
「すまんな、ヒューズ。どうやらハボックも私と二人で出かけたかったらしいぞ」
 しがみついて頬を擦り寄せてくるハボックの髪を撫でながらロイが勝ち誇ったように言えば。
「そんなぁッ、ハボックちゃあんッ!」
 ヒューズが情けない声を上げた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に励みになってます、嬉しいですv

「暗獣」です。ヒューズ、やってきました。でも、ハボックはやっぱり二人きりのバカンスがよかったらしいです(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

ふふふ、便利ですよ、妖ハボックv料理も出来て部屋も綺麗に整えてくれて探しものまでしてくれる上、更に萌えと癒しまでくれるっていう…。一家に一匹妖ハボック欲しいです(笑)「セレスタ」諸悪の根源はやっぱり変態スケベエロオヤジのせいですかね(笑)しかし、変態スケベエロオヤジって(爆)「またお前かよっ」なんて思いませんよ!本当にいつも励まされてますvv

風汰さま

まど☆マギ、いいですよねぇ!まだ第七話までしか見てないんでどうなるのかドキドキです。やっとキュウべぇが黒くなってきましたよー(笑)今のところ誰が一番というのはなくて誰もみな好きですが、まみさんの銃がカッコよくて好きですvおお、ソウルジェムのストラップ、いいなぁ!映画の大画面でみたらまた凄そうです!

ハボロイ版ローマの休日が の方

わーいvもういい気になってローマの休日してましたが、キュートと言って頂けてとっても嬉しいですvありがとうございますvvべスパに二人乗りして走るシーンは私が絵師だったら凄く描きたいシーンなので、写真に撮れるものなら本当に撮りたいですし、飾っておきたいなんて言って頂けて本当に嬉しいですv
2012年10月15日(月)   No.261 (カプなし)

妖2
「ない」
 私はそう呟いて顔を上げる。ハアとため息をついて散らかった書斎を見回した。
 いつも持ち歩いている手帳が見当たらない。ちょっとした事から大事な事まで、何でも書き留めている手帳だ。正直なくなりなどしたら、これまで積み上げてきたものの半分以上を失ってしまうと言えるほどの一大事だった。
「参ったな」
 私は本の山があちこちに積み上げられ書きかけのメモやら服やらが散らかった書斎を見てため息をつく。書斎のどこかにあるはずだが、この中から探し物をするのは考えただけで気が遠くなりそうだった。
「うーっ」
 腰に手を当て唸ったところで出てくる筈もない。仕方ないと探し始めようとした時、扉のところからクスクスと笑う声がした。
「なに唸ってるんスか?」
 そう言う声に振り向けば、彼が扉に寄りかかるようにして立っている。
「手帳が見つからないんだ」
 と言うと、彼が考えるように首を傾げた。
「手帳っていつも持ってる黒い革のやつ?」
「ああ。この部屋のどこかにある筈なんだが」
 うんざりしたような響きをのせた私の言葉に彼が書斎を見回す。
「普段から片付けておかないからっスよ」
「ちゃんと何がどこにあるか判ってるからいいんだ」
「でも手帳の在処は判らないんでしょ?」
 苦しい言い訳を一言の下に切り捨てられて私はウッと口ごもった。
「仕方ないっスね」
 クスリと笑って言った彼が書斎の中に入ってきたと思うと私に向かって手を伸ばす。私の首にスルリと腕を絡めた彼が私の襟元に顔を埋めた。
「おいっ?!」
 驚いて肩を掴んで引き剥がせば、にっこりと笑って彼が言った。
「アンタの匂いは覚えてるっスけど、ここはアンタの匂いだらけだから」
 しっかり鼻に焼き付けておかないと、と言ったと思うと掴んだ肩がスルリと手から抜けて、人だった姿が金色の犬になる。彼はクンと鼻を鳴らして書斎の中を歩き回った。
「どっかにしまい込んだりはしてないっスよね?」
「ああ。どこかにポンと置いた筈だ」
 歩きながら尋ねてくる彼に私は答える。彼は積み上がった本の山に軽々と飛び乗り、書斎の中を見回した。
「アンタの匂いがついた革の匂いは幾つかあるんスけど……」
 彼は考えるように本の山の上で首を傾げる。傾げた首を伸ばして空気中の匂いをクンと嗅いだと思うと、ピョンと山から飛び降りた。そのままピョンピョンと山を飛び越え本棚のすぐ側の山の間に顔を突っ込む。見えなくなった顔が再び現れた時、彼の口には黒い革の手帳が咥えられていた。
「はい、これっしょ?」
 本の山を飛び越えて私の側までくると、彼は咥えていた手帳を床に置く。体を屈め手帳を拾い上げて顔を上げれば、人の姿になった彼が笑みを浮かべて立っていた。
「そうか、棚から本を取るのに近くの本の上に置いたらそこから落ちたのか。よく見つけられたな」
 ホッと息を吐いて礼を言えば彼が答える。
「アンタの匂いがする革でアンタが使ってるペンのインクの匂いが一番強いやつを探したんスよ。一応匂いを辿るのは得意なんで」
「助かったよ、本当にありがとう」
 ニコッと笑って言う彼に心の底から礼を言えば、彼は私の瞳を覗き込むようにして言った。
「お礼に名前を返してくれるとかありません?」
 悪戯っぽい表情を浮かべる彼に私は答える。
「それは等価交換じゃないな」
「えーっ、オレの名前ってアンタの手帳以下?」
 ひでぇとボヤく彼に笑って返せば彼はやれやれとため息をついた。
「まあ、これに懲りたらもう少し片付けるんですね」
「なくしたらまた探してくれるだろう?」
「またタダ働きさせる気っスか?」
「好きだろう?」
 ニヤリと笑って言えば彼が私の顔を見る。私を見つめる空色の瞳が瞼に隠れたと思うと彼は笑って言った。
「そうっスね」
 隠された瞳にどんな感情を隠したのだろう。私は襟元に微かに残る彼の香りを吸い込んでそう考えた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですーv

「妖」です。ふー、結局これもシリーズ化しそうな気が……これ以上増やしてどうするんだ(苦笑)相変わらず名前が出てきませんが、これでロイとハボと言えるのかどうか(笑)どこまで名前出さずに行けるかなぁ(おい)
昨日の「夏目友人帳」は「子狐の帽子」(あれ?“と”だったかな)だったんですが、あーっ、やっぱこの手の尻尾は可愛すぎて死ねるッ(爆)いやあ、子狐、可愛かった!もう、あんな子に懐かれたら妖でも狐でもいいよ!夏目、ちゃんと追いかけてくれてありがとう(笑)やっぱりこの手の話好きだーv
最近もう一つ気に入って再放送見てるのが「魔法少女まどか☆マギカ」だったりします。これ、以前息子が友達に「面白いから見てみろ」と言われ、タイトルから「どうせ萌えだけのろくでもない話だろう」と高をくくって見たら全然違って「バカにしてごめんなさいっ」と叫んでいたので、どういう話だろうと思って見てみたんですが…。いやあ、あの可愛らしい絵からは想像がつかない重たい話!好みですが(笑)アニメなのに色鉛筆見たいな淡い色合いも好きだし、あの魔女の結界?迷路?の絵も凄い好みだったり。OP、EDもいいしなぁ。男の子が出てこないアニメでこれだけ気に入ったのは久しぶりかもーvただ、放送時間が丁度ダンナが帰ってくる頃で見てると邪魔が入るのが難点。結局翌日の再々放送見てたりします。だってちゃんと見たいんだもん(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

うお、バイオハザード!確かに心臓ドキドキバクバクしそうです(笑)どうぞゲームの合間に暗獣で癒しを(笑)そうそう、やっぱり締めは花火ですよね!次回は拗ねるヒューズの話かしら(笑)「親友疑惑」やっとラブラブですvブレダ、本人はお兄ちゃんしたい訳じゃないと思うんですが、ハボ見てるとお兄ちゃんになっちゃうんだろうなぁと思います(笑)いつもコメントありがとうございます。とっても励みになりますv……ってあんまり書くとかえって重荷になるかなぁと思いつつ、本当にいつも感謝しておりますv
2012年10月11日(木)   No.260 (カプなし)

新・暗獣29
「んーっ」
 と、ロイはうっすらと明るくなった巣の中で伸びをする。隣を見ればハボックが小さく丸まってぴすぴすと寝息をたてていた。
「朝だぞ、ハボック」
 ロイはそう言いながら金色の髪に埋もれる犬耳をつんつんと引っ張る。そうすればハボックがむずかるようにフサフサの尻尾でロイの腕を叩いた。
「……癖になってるな」
 ロイはそう呟いてため息をつく。家に戻ったらちゃんとしまっておくようにさせなくてはと思いつつ、ロイは起きようとしないハボックの上にドサッと覆い被さった。
「さっさと起きないと潰すぞ」
「ろー、いっ」
 眠っていたところを小さな体の上に圧し掛かられてハボックが悲鳴を上げる。ロイの体とシーツの間でジタバタともがいたハボックは次の瞬間ポンッと黒い毛糸玉に姿を変えた。
「あっ」
 驚いたロイが体を浮かした隙間から毛糸玉がスススと滑って抜け出す。ロイの手が届かないところまで逃げると毛糸玉は再びポンッと跳ねて男の子の姿になった。
「ろーいッ」
「ははは、おはよう、ハボック」
 プクーッと頬を膨らませるハボックにロイは笑って答える。床に座り込んで恨めしげに見上げてくるハボックの金髪をポンポンと叩くと、ロイは顔を洗って着替えた。
「下りるぞ」
 肩越しにそう言いながら部屋を出ればハボックが慌てて追いかけてくる。急な階段を下りれば夕べ食べた魚のグリルの匂いが微かに残っていて、ロイは昨日の夕食を思い出して笑みを浮かべた。
「昨日の魚は旨かったな。お前にも食べさせてやりたかったよ、ハボック」
 冷蔵庫から取り出したウィンナーとジャガイモを切りながらロイが言えば、ハボックが小首を傾げる。フライパンでサッと炒める間に、ハボックがコップに牛乳を注ぎ、パンとリンゴをテーブルに運んでくれた。
「働き者だな、ハボック」
 ありがとうと言うロイにハボックが嬉しそうに笑う。ロイは炒めたものを皿にあけるとそれを手にリビングのソファーに腰を下ろした。
「お前の水は?」
 ロイが聞いたがハボックはソファーによじ登ると小さく丸まってしまう。いらないと言うように尻尾を振るハボックにロイはパンをかじりながら言った。
「嫌いと言わずに少しは飲まないと、体に良くないんじゃないか?」
 正直生き物としてのハボックがどういう存在なのか判らない為、唯一の食料である水をどの程度取らずにすむのか判らない。ロイはため息混じりにハボックの髪をクシャクシャと掻き混ぜた。
「頼むからいきなり倒れたりするなよ?」
 ロイがそう言えばハボックがロイの手に頭を擦り付ける。にっこりと笑って見せるハボックの頭をポンポンと叩くと、ロイは食事に集中した。
 ロイが食事を済ませると二人は外へと出かけていく。綺麗な花を摘んだり木登りしたり、爽やかな風の中チョロチョロと走り回るハボックについてまわれば結構な運動になって、ロイはやれやれと足を止めて道端の切り株に腰を下ろした。
「ろーい」
 それを見たハボックが戻ってくるとロイの手を引っ張る。そんなハボックにロイが待て待てと苦笑して訴えれば、ハボックはロイの膝によじ登った。ロイに寄りかかるようにしてハボックが歌い出した調子っぱずれの鼻歌が、懐かしい天使の時計の曲だと気がついてロイは笑みを浮かべる。懐かしい歌が吸い込まれていく空を見上げて、二人はのんびりと風に吹かれた。

 夕飯を済ませるとロイはソファーの上でボート小屋の係の男に貰ったオレンジ色のウキを眺めているハボックに声をかける。ハボックはウキを大切にカバンの中にしまうとロイの後を追って外に出た。
「ろーい?」
「こっちだ、ハボック」
 キョロキョロとしているハボックにロイが声をかける。パタパタと走り寄ってきたハボックにロイは言った。
「ハボック、花火をしよう」
 そう言われてハボックは尋ねるように首を傾げる。ロイはロウソクに火をつけると袋の中から花火を取り出してハボックに見せた。
「これにロウソクで火をつけるんだ。見てろ」
 ロイは言って花火の先をロウソクに近づける。少し待てば花火の先端からシュッと火花が散って、パチパチと色鮮やかな焔が噴き出した。
「どうだ、綺麗だろう?」
「ろーいっ、ろーい!」
 パチパチと弾ける焔にハボックが目を輝かせる。その身の半分程を燃やして花火が消えると、ロイは用意したバケツに燃えかすを突っ込んだ。
「ろーい〜っ」
「判った、判った、やらせてやるから」
 腕にぶら下がってやりたいと主張するハボックにロイは笑って新しい花火を取り出す。ハボックに持たせると小さな手を上から握り、ロウソクに花火を近づけた。
「先っぽにつけるんだ。焔に押しつけすぎるとロウソクが消えてしまうからな」
「ろいっ」
 コクンと頷いてハボックは花火を見つめる。シュッと火花を散らした花火がパッと燃え上がれば、ハボックは歓声を上げた。
「ろーいっ」
「上手いぞ、ハボック」
 手を離してロイが言えばハボックが嬉しそうに笑う。手にした花火でクルリと円を描けば闇の中に焔が輪を描くのを見て、ハボックは喜んで尻尾をパタパタと振った。焔が小さくなって消えてしまうとハボックはロイがしたようにバケツに燃えかすを入れる。強請るように見上げてくる空色にロイが新しい花火を渡せば、ハボックはいそいそと花火をロウソクに近づけた。
「よし、一緒にやるぞ」
 ロイは言って花火を手にするとハボックと一緒にロウソクに近づける。ハボックの花火が燃えだしたのに一瞬遅れてロイの花火にも火がつき、二人は一緒になって闇の中に花火を翳した。
「ろーいッ」
「ハボック、顔が赤や緑になってるぞ」
「ろぉいー」
 焔の色を映して顔の色が変わるのを見てロイが言うと、ロイも同じだとハボックが言う。次々と花火に火をつけては闇に焔の花を咲かせて、二人は大声で笑いあった。
「さて、ハボック。最後の締めはコイツだ」
 手持ちタイプの花火を全て終えると、ロイは最後に袋に残っていた筒を取り出す。ハボックを少し下がらせると、倒れないように筒を地面に立てた。
「危ないから離れて見てるんだぞ」
 ロイは一言言ってからロウソクを手に取る。導火線に火をつけるとハボックの側まで下がった。
「見てろ、ハボック」
 ロイの言葉にハボックは息を詰めて筒を見つめる。ジジジと導火線を伝った火が筒に辿り着いたと思うと、シューッと音が聞こえてきた。最初は小さかった音が大きくなるのに合わせるように筒の先端から火花が出てくる。やがて火花は焔の噴水になって筒から高く上がった。
「ろーいッ!」
 シュワーッと音を立てて焔の噴水が夜闇に浮かび上がる。高く噴き上がる噴水をハボックはまん丸に見開いた目を輝かせて見上げた。
「ろーい!」
「うん、綺麗だな」
 ロイの袖口を引っ張って言うハボックにロイが頷く。高く上がっていた焔が徐々に小さくなっていくのを見てハボックが残念そうな顔をした時、筒の先端からなにかがシュッと飛び出した。
「ろーいっ?」
 空に向かって飛び出したそれが一番高く上がったところでポンと開く。フワフワと揺れながら落ちてきた落下傘をハボックは手を出して受け止めた。
「ろーい!」
「よかったな、ハボック」
 手にした落下傘を嬉しそうに見せるハボックの頭をロイはポンポンと叩く。ハボックはその手に柔らかい頬を擦り寄せた。
「ろーい」
 ありがとうと言う代わりに名を呼ぶハボックに、ロイは嬉しそうに笑った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになってます。ありがとうございますv

「暗獣」です。今回でバカンス編はおしまいです。本当はもう少し書きたい話もあったのですが、流石にこう周りが秋だとバカンス書けない(苦笑)もう少し早くから書き始めればよかったなぁ(苦笑)書きたい話はまた機会がある時に……ええと、来年?(爆)そんなわけで次からは季節を追っかけて行きたいと思います(笑)

以下、拍手お返事です。

おぎわらはぎりさま

うわあ、携帯頭真っ白ですか!それは確かに泣きそうですね……(苦)久しぶりに髭帰ってきました。ははは、確かにグラサンならどこ見ててもバレなさそうですね(笑)もっとも髭なら平気で見てそうな気もしますが(苦笑)色々大変そうですが、お体お気をつけて。気分転換にお立ちより頂けたら嬉しいですv

菜ノ花さま

わあ、大当たりでしたか!「夏目友人帳」いいですねv明日は子狐の話のようなのですが、予告見てあまりの可愛さに「録画しなきゃーッ」と叫んでおりました(笑)火曜日にアニメシリーズの3をやっていた事に今更ながら気づいたのでそっちも見ようと思っているところです。また「妖」書きたくなってきました(笑)書いたら是非読んでやって下さいねv

なおさま

うふふ、ハボックにぴったりですか?嬉しいですv妖のハボックならやっぱりシェパードタイプですよね。続きを書いたら多分まったりな話になると思いますが、個人的にはそんな話も好物なのでお付き合い頂けたらと思いますv
2012年10月09日(火)   No.259 (カプなし)

(あやかし)
 最近私は妖を一匹飼っている。偶然一枚の札を手にした事で、一匹の妖を手に入れたのだ。

 彼と初めて会ったのはほんのひと月程前のこと。その日偶々雨宿りに立ち寄った古い屋敷の軒下に、私は隠すように押し込まれている擦り切れた小さな札を見つけた。それがかつて彼を捕らえていた男が彼の名前を記した札であることを、私はその札を手にして記された文字を口にし再び彼から名前を奪ってしまってから知ったのだった。
「そんなところに隠してあったなんて」
 私が口にした名に答えるように姿を現したのは、金色の毛をしたそれはそれは美しい一匹の犬だった。犬が喋るなど普通の人間から見れば信じられない事かもしれないが、幼い頃から不思議な現象を目の当たりにする機会が度々あった私には別段驚く事ではなかった。それよりも私は彼の美しさに驚き、目を奪われた。淡く金色に輝く毛並みと空を切り取ったような澄んだ空色の瞳をした犬は、困ったように首を傾げて言った。
「名前を返してもらえませんかね。アンタには必要のないものでしょう?」
 そう言われて私は手にした札を見る。なにも答えずにいれば彼は重ねて言った。
「昔、その家に住んでた男に騙されて、名前を奪われちまったんス。アンタがそれを手にしたのは偶然っしょ?」
 妖にとって名前はとても大事なものだ。奪われてしまえば己の名前を奪った相手に従うしかない。私をじっと見つめてくる空色は秋の空のように澄んで美しく、それを見れば私は手にした札をポケットにしまった。
「マジっスか?」
 妖とは思えない口調で彼は言う。ハアとため息をついた彼が尻尾を一振りすると、目の前にいるのは犬ではなく一人の青年になった。
「あの男がいなくなって、ずっと探してたのに……。ねぇ、やっぱり返してくれる気ないっスか?」
「返して欲しければ家に来い――――まぁ、返すかどうかは別問題だがな」
 金髪に空色の瞳をした青年に私はそう言って微笑むと、軒下から出ていつの間にか雨がやんだ通りを家に向かって歩いていった。

 そんなことがあって以来、彼は私の家に通ってくるようになった。
「名前、返してくれませんか?」
 最初のうちは挨拶代わりに言っていた言葉を、一週間も過ぎる頃には口にしなくなった。その代わり家に来ると甲斐甲斐しく私の世話を焼いていく。ある時その理由を尋ねれば、彼は笑って言った。
「だってアンタ、生活能力ないんスもん。メシはワインとパンだし、部屋ん中は散らかってるし……。なんか放っておけないっつうか」
「随分お人好しだな。そんなだから騙されて名前を奪われたりするんじゃないのか?」
「そうかもしれないっスね」
 彼は私の言葉に苦笑する。それでも変わらず私の為に食事を作り洗濯をし、部屋を快適に整えた。彼と過ごす空間はとても居心地がよく、益々彼に名前を返す気持ちを遠ざけた。
「ねぇ、名前返してくれません?」
 彼は時折思い出したようにそう言う。だが、私が笑みを浮かべるだけで答えずにいれば、彼はやれやれと苦笑して私が座る椅子の足元に座り込みのんびりと時を過ごすのだ。

 彼の名を刻んだ札を私は誰の目にもつかない場所にしまい込む。あの優しく美しい妖をいつまでも縛り付けておくために。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですv

今日の更新ですが、ちょっと間にあいそうにありません〜(苦)昨日書ける予定が人がきて狂っちゃった……。そんなわけで今日の更新は日記だけです、すみません(汗)

と、そんな事を言いつつ、よく判らない日記ですね。以前から読みたいと思っていた「夏目友人帳」のアニメシリーズの第一期を今月からアニマックスで再放送やっているので見てるんですよ。友人帳って、こういうものだったのねー。やっと納得(笑)この手の話は好きですが、あの名前を返すやり方がまたいいなーvニャンコ先生もいいけれど、やはり斑は本当の姿になった時がカッコいいです。そんなわけで犬の妖、ハボックの話だったり。

以下、拍手お返事です。

なおさま

ふふふ、ハボック、無事魚釣れましたv体重軽いから、ついうっかり魚に釣られそうですよね(苦笑)定番はロイ釣りかハボ釣りかで悩みましたがロイに釣られて貰いました(笑)その代わり、晩御飯はハボが釣った魚でロイもご馳走だったと思います。
2012年10月06日(土)   No.258 (カプなし)

新・暗獣28
「いいか、ハボック。針にこのイクラをつけて湖に垂らすんだ」
 ロイはそう言ってイクラを二粒針につける。真剣な眼差しで見つめてくるハボックをチラリと見て竿を構えた。
「こうやって」
 と、ロイは軽く竿を振る。そうすればヒュッと糸が空を切ってエサをつけた針先が少し離れた湖面にポチャリと落ちた。
「こんな感じ。まあ、お前だったら振らないで垂らせばいいよ」
「ろーいっ」
 ロイは言ったが、やはりああやって竿を振るのは格好よく目に映ったのだろう。ハボックは目をキラキラと輝かせる。そんなハボックにロイは笑みを浮かべて言った。
「あのオレンジ色の、浮いてるだろう?ウキって言うんだが魚がかかるとあれがグッと水の中に引き込まれるから、そうしたら竿を引く」
「ろーい……」
 ロイの説明にハボックが首を傾げるのを見て、ロイは金色の頭をポンポンと叩いた。
「聞くよりやった方が判るよ」
 ロイは言って手にした竿を渡そうとする。だがハボックはふるふると首を振るとボートの底に寝かせてあるもう一本の竿に手を伸ばした。
「ろーいっ」
「そうだな、最初からやりたいよな」
「ろいっ」
 ハボックはコクンと頷くとエサ箱に手を伸ばす。恐る恐るイクラを摘むと針に近づけ、じっと針先を見つめて慎重にイクラをつけた。ふーっと息を吐いてハボックは釣竿を構える。
「ろーい!」
 ハボックはかけ声と共に竿を振った。
「うわッ」
 すぐ横で上がった悲鳴にハボックが見れば、ハボックが振った針がロイのシャツの襟に掛かっていた。
「ハボック、私を釣らんでくれ」
「……ろーい」
 申し訳なさそうに首を竦めるハボックに、ロイは苦笑して襟から針を外す。ハボックは今度はそっと小さく竿を振った。針先がポチャンと水面に落ちればハボックがロイを見る。
「上手いぞ。そうしたら後は魚がかかるのを静かに待つだけだ」
 そう言われてハボックは神妙な顔で竿を構えて水面を見つめた。そのまま待つこと数分、ロイが持つ竿のウキがピクリと動く。次の瞬間オレンジのウキが水に潜るのを見て、ロイは竿を引いた。沈んでいた針先が水を撒き散らして出てくる。そこに食いついた魚が銀色の鱗に太陽の光を弾いて尾を振るのを見て、ハボックが目を輝かせた。
「ろーいっ!」
「よしっ」
 ロイは糸を手元に引き寄せて持つと釣った魚をハボックの目の前に翳す。
「どうだ、大物だぞ」
「ろーいっ、ろーいっ」
 魚が釣れたのを見てすっかり興奮したハボックが、いつの間にやら出した尻尾をパタパタと振った。
「尻尾出てるぞ」
 ロイが苦笑して言えばハボックが「あれ?」という風に背後を見る。チラッと見る空色の瞳にロイはため息をついて言った。
「甘やかすとクセになるんだがな」
 そう言いながらも引っ込めろとは言わないロイにハボックがニコッと笑って竿を構え直す。ロイも魚を針から外し魚籠に入れるとエサをつけて糸を垂らした。
「次はお前の番だな」
「ろいっ」
 言われてハボックはむんと竿を握り直す。当たりがくるのを今か今かと待っていたのだが。
「お」
 クンと竿を引かれるのに合わせてロイが竿を上げれば魚がピチピチと尾を振って上がってくる。五匹目の魚を魚籠に入れながらロイはハボックをチラリと見た。最初のうちはワクワクした様子で糸を垂れていたハボックだったが、今ではすっかり難しい表情だ。眉間に皺を寄せ口をへの字にしているハボックを見てロイは言った。
「ハボック、場所を変わろうか?」
 さっきから一度も当たりの来ないハボックにロイが言う。
「数十センチ場所が違うだけで当たりが来たり来なかったりするから」
 だがハボックはロイの言葉を遮るようにふるふると首を振った。
「ろーい」
「そうか、判った。頑張れ」
 もう少しここで頑張ると主張するハボックにロイは頷く。ハボックはギュッと竿を握るとじっと水面を見つめた。
 静かに釣り糸を垂れていれば湖の上を風が吹き抜け湖面に漣がたつ。それに合わせてウキも揺れて水中に沈んだ針も揺れているだろうと思えた。そうして二人は無言のまま時折吹き抜ける風に髪を揺らして竿を構え続ける。ロイの竿にも当たりがこなくなって、ロイが少しボートを動かそうかと思った時。
 ハボックの犬耳がピクンと動く。それとほぼ同時にピクリと動いたウキがグッと水面に引き込まれた。
「ろいッ」
「来たか、ハボックっ」
 掛け声を掛けて竿を引くハボックに、ロイが自分の竿を放り出して身を乗り出す。ハボックは背後に体重を掛けるようにして全身で竿を引いた。
「頑張れっ、魚が見えてきたぞ!」
「ろぉいーーッ!」
 ハボックが渾身の力で竿を引いた次の瞬間。
 パアッと水を撒き散らして大きな魚が姿を現した。
「ろーいっ」
 勢い余って背後に倒れ込むハボックの竿を、ロイが飛びつくようにして支える。竿の先から垂れる糸にぶら下がった魚を見て、ロイが声を張り上げた。
「やったぞ、ハボック!今日一番の大物だ!」
「ろーいッ!」
 ボートの中でひっくり返っていたハボックが体を起こして釣った魚を見上げる。ピチピチと尾を振ってキラキラと太陽の光に輝く銀色の魚に、ハボックが空色の瞳を大きく見開いた。
「ろーいッ、ろーいーッッ!」
 ピョンピョンと狭いボートの中を飛び回ってハボックが大喜びする。
「やったな、ハボック、凄いぞ!」
「ろーいっ」
 笑って差し出すロイの手にハボックがハイタッチして尻尾を振った。
「ろーい!ろーい!」
「ハボック」
 バンザーイとばかりに両手を上げて大喜びするハボックと凄いと褒めるロイの笑い声が、風に乗って湖の上を流れていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります〜っ、嬉しいですvv

「暗獣」です。ハボック、無事釣れました(笑)念の為、釣りの描写はいい加減ですんで釣りガールな方、突っ込まないで下さいね(苦笑)ハボック、体重が軽いのでボートの上で跳ねてもオッケです。うっかり魚に引きずり込まれなくてよかった(笑)さて、やっと釣りが終わりましたよ。あと二つほど書きたい事があるんだけど、東京も秋の気配が濃くなってきましたー。今日は27度くらいにはなるらしいですが、そろそろ気分が秋なのでヤバいです。日記は特に季節に内容が引きずられるんですよね(苦笑)早く秋話が書きたい……。バカンス、急がなきゃーッ(苦)

以下、拍手のお返事です。

なおさま

うふふ、そうそう、ヒューズの裸眼は凶悪ですvあの目でじっと見つめられたら腰砕けの上、なんでも言う事聞いちゃいそう(笑)ハボの眼鏡も可愛いでしょうねv「親友疑惑」この話、実は5年ほど前に書いたのを今頃アップしてるんですが、この誤解を解くシーンは全面的に書き直してあんまり嫉妬してる感じじゃなかったのをこっちに変えたんですよ。なので「いい」と言って頂けてとっても嬉しいですvv躯って漢字、やっぱり妙にエロくさいですよね!!「暗獣」では絶対使わない漢字(笑)「暗獣」では「体」、「セレスタ」では「躯」を使うようにしてます(爆)
2012年10月04日(木)   No.257 (カプなし)

髭騎士 眼鏡の日編
ヒュハボ風味

「知ってます?少尉。今日は眼鏡の日なんですよ」
「へぇ、そうなの?」
 朝の挨拶もそこそこにフュリーが言う。知らなかったと言いながら自席に腰を下ろすハボックの方に身を乗り出してフュリーは続けた。
「それでね、今夜ブラッスリー・バルバラで眼鏡コンテストがあるんです」
「眼鏡コンテスト?」
 聞き慣れないコンテストにハボックが首を傾げれば頭上から声が降ってくる。
「知ってるぜ、それ。眼鏡が一番似合う人を決めるんだろ?」
「ブレダ、ファルマン」
「あ、おはようございます」
 肩越しに見上げればブレダとファルマンが立っていた。おう、と短く朝の挨拶を返してブレダはハボックの机に寄りかかり、ファルマンは自席に座る。懐から取り出した煙草に火をつけてブレダは言った。
「なに?フュリー、それに出るのか?」
「ええまあ、折角だし出てみようかなって」
「アンドリュー少尉も出るって言ってましたよ」
「ええ?本当ですかっ?」
 ワイワイとコンテストの話で盛り上がる同僚達の会話を何とはなしに聞きながら、ハボックは今ここにはいない男の顔を思い浮かべる。
(眼鏡かぁ……、まぁ、似合ってるっちゃ似合ってるよな)
 そう思えば脳裏に浮かんだヒューズがニヤリと笑うのを見て、ハボックは僅かに眉を顰めた。
(絶対言ってやらねぇけど)
 言えばすぐ調子に乗るのが目に見えている。鬱陶しく“もっと言って”と言われるのは嫌だと思ったハボックは、ふと“似合う”と言えばずっと眼鏡を掛けさせられるかもと考えた。と言うのも。
(眼鏡越しでないと凶悪なんだもん、あの人の目)
 ベッドの中、眼鏡を外したヒューズに見つめられると何もかも暴かれるような気がする。あの常盤色には何も隠し事が出来ず、ハボックはヒューズのあの常盤色の瞳が大の苦手だった。
(嫌いって訳じゃない、寧ろ好きだけどさ……でも)
 と、ハボックが思えば頭の中のヒューズがニッと笑って眼鏡を外す。
(わわ……外すなよっ)
 自分の想像のヒューズにすら狼狽えていると、訝しげな声が聞こえた。
「――――ック、それでいいか?」
「えっ?」
 顔を覗き込むようにして聞かれてハボックは目を丸くする。どうやらハボックが話を聞いていなかったらしいと察して、ブレダは眉を寄せて言った。
「なんだ、聞いてなかったのか?」
「ごめん、ちょっとボーっとしてた」
 ヒューズの事を考えてましたとは言えず、アハハと笑って誤魔化すハボックにブレダはしょうがねぇなぁと言いつつ繰り返してくれる。
「だから、今夜みんなでフュリーの応援に行こうって。仕事終わったらそのまま行くんでいいだろ?」
「あ、ああ」
「じゃあ今日は残業しないように頑張ろうぜ」
 ハボックが頷けばブレダがみんなに向かって言い、ハボック達はそれぞれに仕事にかかった。

「フュリー、凄いじゃん」
「やあ、皆さんのおかげです」
 コンテストを終えて仲間達がいるテーブルに戻ってきたフュリーを、ハボック達は拍手で迎える。特別賞の賞品のワインをさっそく開けて飲み始めれば、めでたい雰囲気と相まって忽ち場が盛り上がった。ハボックも一緒になってグラス片手に話していたが、ふと視線を感じて店の入口に目をやる。そうすればそこに佇む人影を見て、ハボックはガタンと椅子を蹴立てるようにして立ち上がった。
「ハボック?」
「ごめん、ちょっと」
 不思議そうに見上げてくるブレダに短く答えてハボックは入口に向かう。扉を押して外に出たハボックがキョロキョロと辺りを見回していると、不意に伸びてきた手がハボックを路地裏に引っ張り込んだ。
「中佐っ」
「よお」
 驚いて声を張り上げるハボックにヒューズがニヤリと笑ってみせる。引き寄せられるままヒューズの腕の中に囲われて、ハボックは言った。
「なんでここに?」
「んー、眼鏡コンテストって聞いて、いても立ってもいらんなくなって」
「……もう少しマシな嘘言ったらどうっスか?」
 眉を寄せるハボックの頬に音を立ててキスをして、ヒューズはクスクスと笑う。相変わらず本音を見せないヒューズにハボックがため息をつけば、ヒューズは愛しげに金髪をかき上げて言った。
「なあ、俺とアイツらだったらどっちが眼鏡似合う?」
「そんなの知りませんよ」
 ツンとつれないハボックにヒューズは苦笑する。ヒューズはハボックの顎を掴んで正面から見つめて言った。
「そんな事言わずに教えろよ」
(近いってば!)
 こんなに近くから見つめられては眼鏡のフィルターも役にたたない。目を逸らしたものの視界の隅に入る常盤色の光にハボックはゾクリと震えて唇を噛んだ。
「やっぱ可愛いな、ジャン」
「はあっ?いきなりなに言って――――」
 クスクスと耳元に囁かれて、ハボックは思わずパッと振り向いてヒューズを見る。その途端、眼鏡越しの常盤色に捕らえられてハボックは身動きが出来なくなった。
「なあ、俺とアイツらとどっちが似合う?」
「――――ア、アンタに決まってるっしょ」
「ホント?」
 ボソボソと言えば途端に嬉しそうな顔をするヒューズにハボックは視線をさまよわせる。ヒューズはハボックの顎を掴んで薄色の唇に舌を這わせながら言った。
「じゃあ、ずっとお前の前では眼鏡かけとくかな――ベッドの中でもさ」
「ホント?よかった」
 もしそうなら助かるとハボックが思わず安堵の表情を浮かべれば、途端にヒューズの眉間に皺が寄る。そんなヒューズにハボックは慌てて己を囲う腕から抜け出そうとしながら言った。
「そ、そろそろ戻んないとッ!みんなが心配するしっ」
「ジャン」
 だが、ヒューズは抜け出そうとするハボックを店の壁に押し付けて押さえ込んでしまう。ズイと顔を寄せてヒューズは囁いた。
「よかったってなんだよ」
「いや、だからオレ、アンタの眼鏡顔好きだしっ」
「違うな、今の“よかった”は違う」
 ヒューズはそう言うと眼鏡を外す。
「正直に言え、ジャン」
「ッッ、やっぱ凶悪……っ」
「は?」
「いや、なんでもな――」
「ジャン」
 間近から覗き込む眼鏡(フィルター)なしの常盤色に、ハボックが白状させられるのにさして時間はかからなかった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですーvv

昨日は「暗獣」の続きをアップしようと携帯でポチポチしてたんですが、もー眠くて眠くて……釣り、終わんなかったよ(苦)そうこうしているうちに10月だし、ああもう、バカンスシーズンじゃないよ!
と言いつつ、今日は「髭騎士」です。だって今日は眼鏡の日だっていうから〜(笑)ヒューズの眼鏡はフィルターだっていう。多分この後ハボックは面白がったヒューズにいいようにされた事と思いますー(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

おお、なおさま、釣りなさってたんですね!「ザー」ってなに?って思わず調べてみました(笑)どうやら「ゴカイ」の別称のようで、写真見たら……ハボック、これ見たらミミズよりもっと大騒ぎしそうですー。なおさま、強いーッ(笑)セレスタ、やっとハボが帰れますよ〜(笑)エリゼの嫉妬にマドラスと、些細なようで実は書きたかったポイントを押さえて下さっていて嬉しいですv頂く拍手やコメントはいつでも嬉しいですが、やはり更新に頂くコメントは本当にありがたく嬉しいですvモチベーション上がります。いつも本当にありがとうございますvv

「ろ」と「い」だけで の方

やーん、そんな手腕だなんて、ありがとうございます!二文字+「ッ」やら「!」やらで何とかハボの気持ちを伝えられたらと思いつつ書いておりますが、感じとって頂けているのでしたら嬉しいですvでも、半分は皆様の想像力のおかげな気もしなくはないですが(笑)これからも暗獣ハボをよろしくお願いしますv
2012年10月01日(月)   No.256 (カプ色あり)

No. PASS
 OR AND
スペースで区切って複数指定可能
  Photo by 空色地図

[Admin] [TOP]
shiromuku(fs4)DIARY version 3.50