ハボロイ

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

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いつか
ハボロイ風味

「えっと、後は……」
 毎度ありがとうございますという声を背中に聞きながら古書店から出てきたロイは、この後の予定を考えながら空を仰ぐ。晴れ渡った夏の空を見れば、その空と同じ色の瞳を持つ男の事が頭に浮かんだ。
(そういえばハボックがいつも買ってくるコーヒーの店、この辺りにあるんだったな)
 毎度自分が終わりのない書類仕事に嫌気がさして全部ぶん投げて逃亡してやろうかと本気で思い始めるその矢先、まるでロイの心の動きを察しているかのようにコーヒーを差し出してくるハボック。
『そろそろ飽きた頃だと思って』
 面白がるように笑いながら出されるミルクと砂糖がたっぷりと入ったコーヒーとハボックの他愛のない軽口は、疲れたロイの心と体にじんわりと広がって気がつけばまたうんざりとするような日々の仕事に向き合う気力が戻っているのだった。そうしてそんな風に毎日を過ごしていれば、いつしかハボックという存在がロイにとって欠かすことのできない存在へとゆっくりと変化していったのも不思議はなかった。
(コーヒー、買って帰るか)
 休みの日には飲めないハボックのコーヒーが不意に飲みたくなって、ロイはずっしりと重い本が詰まった袋を揺すり上げて歩き出す。久しぶりの休みについつい買いすぎてしまった本は大きな袋二つ分にもなって、ロイは肩にかかる重みを感じながらゆっくりと歩を進めた。
(確かこの辺りだったはずだが)
 ロイはうろ覚えの記憶を頼りにコーヒーショップを探して辺りを見回す。そうすればビルの二階へ続く階段の手前に店の看板が立ててあることに気づいた。
「あそこか」
 呟いてロイは階段の入口に立つ。二階だという記憶はなくて、この荷物を抱えて階段を上がることに一瞬悩んだものの、ロイは軽く口を引き結んで段差に足をかけ階段を登り始めた。が、その途端。
「お、重い……っ」
 ズシッと肩にかけた袋の重さが増して足が階段にめり込む気がする。これが重力というものかなどとくだらない考えが頭を掠めたものの、一歩、また一歩と階段を登った。
「重……っ、だが今更降りるのも……」
 折角登った分を降りるのがなんだか悔しくて、ロイはずっしりと重い本の袋を肩に食い込ませながら階段を上る。一段上がるごとに本の重みが増しているんじゃないかと思い始めたその時。
「なにやってるんスか、アンタ」
 不意に声が聞こえたと思うと肩にかかっていた重みがなくなる。振り向けばロイが担いでいた本の袋を手にしたハボックが呆れた顔をして立っていた。
「ハボック」
「こんな重い袋抱えて階段上ることないでしょうに」
 そう言いながらハボックは袋をまとめて片手に持つとひょいと肩に担ぐ。突然のことに黒曜石の瞳を丸くして見上げるロイにハボックが言った。
「コーヒー、買うんスか?」
「あ、ああ、急に飲みたくなったんで」
 もごもごと答えるロイに頷いて、ハボックは先に立って階段を上がっていく。慌ててその後を追えばさっさと店の中に入ったハボックがロイを振り向いて言った。
「いつものやつでいいっスか?」
 そう言うのにコクコクと頷くロイに笑って、ハボックは店員に豆を注文する。金を払って豆の袋を受け取るとロイに差し出した。
「はい、豆」
「すまん、今金を────」
「いいっスよ、オレのおごり」
 ニッと笑うハボックにドキドキと心臓が鳴り出すのを押さえながらロイは袋を受け取る。「ありがとう」と呟くロイに頷いて、ハボックは扉を押して店の外へと出た。そのまま階段を降りていくハボックを急いで追ったロイは、店の看板の前で立ち止まったハボックを見上げて言った。
「助かったよ、ハボック。本の重みで階段にめり込むんじゃないかと思ったから」
「はは、なに言ってんスか」
 ロイの言葉に楽しそうに笑うハボックにドキリとしながら、ロイは手を差し出した。
「本、ありがとう」
 言って袋を受け取ろうとするロイに構わず、ハボックは片手で袋を肩にしょいながら歩き出す。
「送りますよ」
「いや、でも、なにか用事があるんじゃないのか?」
 なかなか休みがとれないのはハボックとて同じだ。貴重な休日、何かやることがあるんだろうとロイが言えば、ハボックが肩を竦めて答えた。
「まぁ今は大佐の荷物持ちっスかね」
 言ってプカリと煙を吐き出す煙草を咥えた口元を、ロイは僅かに目を見開いて見つめる。開いた瞳を嬉しそうに細めて、ロイはクスリと笑った。
「ありがとう」
 言えば優しく笑う空色に、ドキドキと高鳴る胸を隠して、ロイはハボックと並んで家への道を歩きだした。

「これで全部済んだかな」
 ハボックは今日中にすべき事を書き込んだメモに目を落として呟く。あまり上手いとは言えない自分の字を見れば、不意に流麗な上司の字が思い浮かんだ。
「あの人、書くの早いくせに字が綺麗だよな」
 そう呟けばふとロイとのやりとりが頭に蘇る。一時期、ブレダに電話のメモが読めないからもっと綺麗に、せめて丁寧に書けと言われて、自分の書いたものを人に見せるのが嫌になった事があった、そんな時。
『報告書に名前がなかったぞ、ハボック。字を見てお前だと判ったが』
 そう言ってロイが差し出した自分の報告書。慌てて受け取り名前を認めながら、字が汚くてすみませんねと半ば自嘲気味に言ったハボックにロイが目を丸くして答えた。
『汚い?確かに上手くはないが丁寧に読みやすく書いてあるじゃないか。それにお前の字は汚いんじゃなくて味があると言うんだ』
 ただの気休め、その場しのぎの言葉だろうと思いながら見上げたロイの表情から、それが本心からの言葉だと察せられてハボックは口を噤む。無言のまま差し出した書類を受け取ったロイの笑顔にドキリとしたのは押し隠して、サッと確認のサインをした書類をハボックに返して司令室を出ていくロイの背中を見送った。
「いつだってそうだよな……、あの人、否定しないんだ」
 自分ではそんなつもりはないものの、どうにも自分の緩い性格がついた上司の不興を買うのが常だった。ロイの護衛官になったもののどうせすぐ追い出されるだろうと思っていたハボックを、だがロイは決して否定しなかった。
『助かる、ハボック』
 ほんの些細なことにもそう言って返されれば、もっともっとロイの助けになりたくて。その凛とした姿を追いかける気持ちが恋へと代わっていくのに時間はかからなかった。
「今日は大佐も休日だから、家で本でも読んでるのかな」
 忙しすぎて本を読む暇がないと嘆いていたロイの言葉を思い出す。せめて少しでも疲れがとれればと、ロイにコーヒーを淹れてあげたいなどと思えば知らずコーヒーショップへと足が向いていた。
「あれ?大佐?」
 数メートル先、コーヒーショップの看板の前に立つロイの姿に気づいてハボックは足を止める。二階へと続く階段を睨むように見上げていたロイが、両肩に重そうな袋を下げたまま階段を登っていくのを見て、ハボックは慌ててロイを追った。上がり口に立ち先を行くロイを見上げる。一歩一歩階段を踏みしめるように登っていくロイの姿に、思わず吹き出しそうになるのをこらえて荷物に手を伸ばし声をかけた。
「なにやってるんスか、アンタ」
「ハボック」
 驚いたように振り向いたロイの色素の薄い唇が自分の名を形作るのを見てドキリとする。その動揺を押し隠してハボックは荷物を手にロイを追い越して店の扉を押し開いた。
「いつものやつでいいっスか?」
 という問いかけにコクコクと子供のように頷くロイに代わって豆を注文する。いつもの、と、自分が選んで淹れているコーヒーを買いにきてくれたと思えば知らず知らず顔が弛むのを押さえて、店員から豆の袋を受け取るとロイに差し出した。
「はい、豆」
「すまん、今金を────」
「いいっスよ、オレのおごり」
 いつもロイの為に心を込めて淹れている豆を選んでくれたことが嬉しくてそう言えば、ロイが礼の言葉と共に豆を受け取る。それだけのことで心が弾む自分をおかしく思いながらハボックは店を出ると階段を降りロイが来るのを待った。
「助かったよ、ハボック。本の重みで階段にめり込むんじゃないかと思ったから」
「はは、なに言ってんスか」
 科学者らしからぬ事を言うロイが可愛くて思わず笑ってしまう。「ありがとう」と本の袋を受け取ろうとする手をさりげなくかわして、ハボックは片手で本の袋をしょって歩き出した。
「送りますよ」
「いや、でも、なにか用事があるんじゃないのか?」
 送ると言えば遠慮の言葉を口にするロイにほんの少し寂しさが沸く。少しでも一緒にいたいと思うのは自分だけかもしれないと思いながらも、ことさら軽い調子で言った。
「まぁ今は大佐の荷物持ちっスかね」
 そう言ってロイの反応を伺う。これで拒絶されたらちょっぴりへこむと思いつつロイを見れば、黒曜石の瞳が軽くみひらかれ、そうして。
「ありがとう」
 嬉しそうに笑みに細められる瞳にハボックの胸がドキリと高鳴った。

 いつか。
 いつの日か。
 この想いを伝える時がくるだろうか。
 ────ハボックに。
 ────ロイに。
 いつか。
 いつかきっと。
 その時が来たら伝えるから。

「ねぇ、大佐」
「なんだ、ハボック?」

 今はまだ、並んで道を歩く小さな幸せを噛みしめながら。

「コーヒー……、淹れましょうか?」
「ッ、────ああ、頼むよ」

 交わす言葉に微笑みあって歩いていくハボックとロイだった。


いつも遊びにきてくださってありがとうございます。ボチボチ拍手も、本当にありがたいです〜、嬉しいですv

ハボロイの日ですね!なんかこう、一話にまとめようとすると説明っぽくなっちゃうなぁと思いつつ、こんな話になりました。これ、最初はフツーにただのハボロイネタにするつもりだったんですが、ハボロイの日ネタが思い浮かばなかったので流用しました(笑)いやね、買い物行ったとき、重い荷物を肩に背負って階段上ったらマジで地面にめり込むんじゃないかと思ったんですよ。重力感じるって(笑)日々、しょうもないことにネタをみつけている次第です、ふふ。

ところで、ハガモバ!ついに配信始まりましたね!早速インストールしてやってみてます。実はゲームの内容、全く見てなかったですが、これタクティクスRPGだったんですね〜。……嫌いなんだよね、タクティクスRPG(苦)いやまぁ、やるけどさ、ハガレンだし!と始めたハガモバ。同じく始めた息子にやり方聞きながらやってます(笑)チュートリアルガチャ、SRハボック確定なんだ!わーいv と喜んでいたら、息子が「なんでハボック?微妙じゃね?」とか言うので「さすがに最初から大佐出すわけにはいかないんじゃない?」と言ったら「SRなんだから大佐でもいいじゃん。まぁブレダよりましか」……って、アンタね!ハボックとブレダに謝んなさい!たく、もう!
でも、その後引いた初心者ガチャでもハボック二枚来ました。あとRのファルマンとフュリーが来た。ブレダはでなかったな〜。早くマスタン組でパーティ組めるといいなっ。そうそう、SSRはラストでした。うーん、オリビエ欲しかったっス〜。普段私も息子も無課金派ですが、リンかランファン来たら考えるわと言っていた息子、早速SSRランファン来てたので課金してました(笑)私もランファンなら欲しいかも……なんか微妙に課金しやすい金額設定なんですよね(苦笑)
まぁ、そんなこんなでハガモバ、ボチボチやってます。まじめにストーリー読んでると結構時間かかりますね、これ。まだストーリー2ー4までしかやってないよ。早く進めないと出来ないことが多すぎる。がんばろう(笑)
2022年08月06日(土)   No.530 (ハボロイ)

続・春爛漫
CP:ハボロイ(R18)

「ああ、疲れた……」
 玄関の扉をくぐるなりそう言ってため息をつくロイにハボックはクスリと笑う。足を止めれば体が汗ばんでいることに気づいて、ハボックが言った。
「思ったよりも暑かったっスね。結構汗かきましたよ」
「……まったくだ」
 ハボックの言葉に不本意そうにロイが頷く。黒髪をかき上げれば額に汗が浮かんでいるのを感じて、ロイは眉間の皺を深めた。
「シャワー浴びましょうか、その方がさっぱりするっしょ」
「そうだな」
 夏の汗とは違うもののそれでも不快なことに変わりはない。シャワーを浴びようと浴室へ向かえば背後からついてくる足音がして、ロイは浴室の扉を開けながら振り向いた。
「なんでついてくるんだ?」
「オレもシャワー浴びようと思って」
「寝室のを使えばいいだろう?」
「行くのメンドクサイし」
 たかだが二階に上がるのをめんどくさがる男にロイの眉間に皺が寄る。だが、ハボックはまるで気にした風もなく、ロイの背を大きな手で押しながら浴室へと入った。
「ほらほら、さっさとシャワー浴びちゃいましょう、ね?」
「自分で脱げるっ」
 言いながらシャツを脱がせようとする手をロイは払いのける。汗でまとわりつく服を脱ぎ捨ててもう一つ奥の扉を開けて浴室へと入ったロイは、同じように服を脱ぎ捨てて入ってきたハボックを、ギョッとして見上げた。
「なんでお前も入ってくるんだッ!」
「だってオレも汗かいたし」
「私の後で入ればいいだろうッ!」
「一緒に入った方が早いっスよ。ほら、洗ってあげるっスから」
「いいッ!自分で洗うッ!」
 スポンジを手に取るハボックからロイは慌ててスポンジを奪い取ろうとする。だが、背の高いハボックにスポンジを高く掲げられて、ロイはキッとハボックを睨むと浴室の外へ出ようとした。
「後で入るッ」
「ああ、ほらほら、いいから座って」
 だが、背後から腕を掴んだ手でロイはいとも簡単に椅子に座らされてしまう。立ち上がろうとした肩を押さえ込まれたと思うと、ボディソープを泡立てたスポンジが背中を撫でた。
「後でオレのことも洗ってくださいね」
「ちょ……っ、おいッ!」
「背中流しっこしましょ」
 肩越しに睨めばにっこりと笑われて、ロイは仕方なしに顔を正面に戻す。よく泡立てたスポンジで優しく洗われるのは存外に気持ちよく、ロイはホッとため息をついてハボックが体を洗うのに任せた。だが。
「ッ?!おいッ、こらッ、な、なにをッッ!!」
「なにって、こっちも洗わんとでしょ?」
 何食わぬ顔でそう言って手を股間に伸ばしてくるハボックに、ロイは慌てて身を捩る。ボディソープを塗った大きな手で楔をやわやわとこすられて、ロイはヒュッと息を飲んだ。
「────堅くなってきたっスよ、大佐」
「さ、触るなッ!」
 ロイは顔を真っ赤にして、ハボックの手から逃れようとする。だが、今では明らかに意図をもって揉みしだいてくる手に、ロイはビクビクと躯を震わせた。
「感じてきちゃいました?」
「……ッ、バカッ!」
 クスクスと笑いながら耳元に囁いてくるハボックをロイは真っ赤な顔で睨み上げる。その間近に迫る情欲に染まった空色に、ロイはビクリと震えて目を閉じた。
「たいさ……」
「あ……ッ」
 吹き込まれる熱い吐息にロイは震える息を吐き出す。払いのけようとしていた筈の手でハボックの手首を握り締めれば、楔を弄る手の動きが激しさを増した。
「あ……アッ、やめ……ッ、もう────ッ」
 瞬く間に追い上げられて、ロイは喉を仰け反らせる。必死に堪えようとしたものの、次の瞬間ハボックの手の中に白濁を迸らせた。
「ア……アア────ッッ!」
 浴室の中に声を響かせてロイは仰け反らせた躯をビクビクと震わせる。嬌声を上げた唇をその声ごと塞がれて、ロイはハボックの体に縋りついた。
「ハァッ、ハ……ッ」
「たいさ、かわいい……」
 ハアハアと息を弾ませるロイをハボックは抱き締める。ロイの熱とボディソープで濡れた指をロイの双丘の狭間へとそっと忍び込ませた。
「あ……ッ」
 そのままつぷりと指を潜り込ませればロイの躯がビクリと震える。宥めるように顔にキスを落として、ハボックは蕾の中へと指をねじ込んだ。
「あ、ああ……ッ」
 ねじ込んだ指でまだ堅い蕾をグチグチとかき回す。指の数を二本三本と増やすとロイが震えながらしがみついてきた。
「や……もうッ」
 震えながら嫌々と首を振るロイにハボックは笑ってキスを落とす。かき回していた指を乱暴に引き抜くと震えるロイの躯を抱き上げて、浴槽へ足を入れた。
「たいさ……」
 しがみついてくるロイの脚を開かせ湯の中に腰を下ろす。既に猛々しくそそりたった己の上に、ロイの細い腰を引き下ろした。
「アアアッッ!!」
 ズブズブと逞しい牡で貫かれて、ロイの唇から嬌声が上がる。逃げるように仰け反る躯を引き戻して、ハボックはガツガツと突き上げた。
「ヒャアアッ!ひゃうんッッ!!」
「たいさ……たいさッ!」
 ザブザブと湯を波立て激しく突き上げればロイが甘く啼いて身悶える。ハボックはロイの頭を引き寄せると熱い息を零す唇を噛みつくように塞いだ。それと同時にガツンと一際激しく突き入れる。ロイの最奥へ熱い飛沫を叩きつければ、ビクビクと震えたロイも一瞬遅れて熱を吐き出した。

 気がつけば朝早い小鳥の囀りが聞こえて、ロイはうっすらと目を開けて天井を見上げる。ベッドの隣ではハボックが逞しい腕をロイの躯に回してスウスウと寝息をたてていた。
「おかしい……」
 と、ロイは散々嬌声を上げさせられて掠れた声で呟く。確か自分は小腹を空かせて食べるクレープシュゼットを楽しみに、菜の花を見に行くのにつき合った筈だ。それなのに楽しみにしていたクレープシュゼットを食べるどころか、ハボックにいいようにされた挙げ句こうしてベッドで疲れ切った躯を横たえて朝を迎えている。
「……この馬鹿犬ッッ!!」
 隣でスウスウと気持ち良さげな寝息をたてているのを聞けば、俄にムカムカとしてきてロイはハボックの頭を拳固で殴る。寝ているところを殴られて、ハボックがもぞもぞと動いて目を開けた。
「あ……大佐……おはよーございます……」
 ふわぁと欠伸混じりの声を聞けばますます腹が立ってくる。
「もう二度とお前と花見になど行かん……ッ」
「────えっ、なんで?たいさっ?」
 聞こえた言葉が寝ぼけた脳味噌に届けば眠気も吹っ飛んで、ハボックは慌てて飛び起きた。
「知るかッ」
 プイと背中を向けてしまうロイの肩を引いてハボックはロイの顔を覗き込む。
「次は桜見に行きましょうよ!あ、ほら、お花見弁当作るっスから!」
「その手にはもう乗らん」
「えー、じゃあ桜餅も作るからッ」
「絶対行かない」
「そんなぁ、大佐ッ」
 フンッと鼻を鳴らしてブランケットに潜り込めば、必死に宥めてくるハボックの情けない声を聞いて、ほんの少し溜飲が下がるロイだった。


覗きにきてくださった皆さまにはありがとうございますv ぽちぽち日記更新続いております(笑)
前回の「春爛漫」の続きです。いやぁ「思いの外暑くて汗かいてシャワー浴びて」って楽しいコメントを頂いたもので、ついv コメント頂いて続き書くのも久しぶりで楽しかったです。この楽しい気持ちを皆さまにもお届け出来ていたらいいのですが(笑)
ところで先日、三回目のワクチン接種を受けてきました。最初は電車に乗って大規模会場に行くつもりだったんですが、家から徒歩1分のところにある会社の職域接種が受けられると聞いてそちらに行ってきました。ラッキーv おかげで接種後18分で、もう部屋着に着替えていましたよ(笑)二回目までは腕が痛いくらいで特に何ともなかったのですが、今回はそれに加えて体が痛いし熱が出て頭も痛いし、久しぶりに日中お布団で寝ようって気になりました。熱は下がったけど、偏頭痛みたいのがまだ続いてるし、体が丈夫ってだげが取り柄だったのにここにきて副反応かー、くそう。でもこれで少しでもかかりにくくなったり、かかっても軽くすむならいいかなとは思ってます。四回目は副反応でないといいなぁ……。

以下、拍手お返事ですv

チョロい大佐もかわいい  の方

チョロい大佐!(笑)まさしくチョロいですよね〜。ニヤニヤしながら読んで頂けて嬉しいですv そしてどこいったスイーツ!すみません、思わずネタにさせて頂いちゃいました、てへv 楽しいコメントありがとうございました!ハガレン展、二日目にお出かけでしたか、ホントどこかですれ違っていたかもv そう考えると私も嬉しいです、うふふv
2022年03月22日(火)   No.527 (ハボロイ)

春爛漫
ハボロイ風味

「今帰りに川沿い通って来たんスけど、菜の花がすごく綺麗だったんスよ」
 ガチャリとリビングの扉を開くと同時に入ってきたハボックが言う。買い物の袋を床に下ろして、ソファーで投げ出した足の上に乗せた本を読んでいるロイに言った。
「ねぇ、大佐。今からちょっと見に行きません?すっごい綺麗だったから」
 そう言いながらロイの顔をのぞき込む。本の上に大きな手を翳せば、流石に本から顔を上げたロイがハボックを見た。
「邪魔だ、本が読めん」
「川沿いの菜の花が満開ですごく綺麗なんスよ」
 本に夢中でどうせ聞いていなかったのだろうと、慣れた様子でハボックは繰り返す。にっこりと笑ったハボックは本に翳していた手で本を閉じた。
「見に行きましょうよ、大佐」
「メンドクサいからヤダ」
 本を閉じられ、ムッとしながらロイが言う。なんとか本を開こうとしながら続けた。
「せっかくの休みなのに何故出かけなければならんのだ」
「せっかくのいいお天気になんで家にこもってなきゃいけないんスか。本なら夜でも読めるっしょ」
 言えば途端に返されて、ロイはむぅと唇を突き出してハボックを見る。顔いっぱいに嫌だという文字を浮かべたような表情で見上げてくるロイに、ハボックはフムと少し考えて言った。
「散歩すれば小腹も空くでしょうから帰ったらクレープシュゼットでも作ろうかなぁ」
 そう言えばロイの肩がピクリと震える。それを見ながらハボックは続けた。
「オレンジがあったからオレンジソース作って……フレッシュオレンジのソース美味いっスよね」
「────」
「そうそう、バニラアイスも忘れちゃだめっスよね。あったかいクレープシュゼットにオレンジソースと冷たいバニラアイス。カットしたオレンジも添えて……」
 そこまで言ったとき、ロイがズイと立ち上がった。
「川沿いだな、行くぞ」
 本をテーブルに置いてさっさとリビングを出ていくロイの背に、ハボックは「よしッ」と拳を握り締めた。

「今日は暖かいな」
「散歩日和っしょ」
 川に向かって並んで歩きながらロイが言う。にっこりと笑うハボックをチラリと見上げて、ロイはフンと鼻を鳴らすと辺りを見回した。
 家々の庭には春の花が咲き乱れ、吹く風は柔らかだ。ついこの間までの寒さが嘘のように広がる春の景色に、ロイは気持ちよさそうに目を細めた。そんなロイの様子にハボックは笑みを浮かべてその手を取る。ジロリと寄越してくる視線に笑い返せば、頬を染めながらもそのまま手を預けてくれるロイにハボックは笑みを深めた。
「大佐、ほらこっち」
 そう言って繋いだ手を引くハボックについて角を曲がれば、川沿いへと向かう道に出る。次の瞬間目の前に広がる鮮やかな黄色に、黒曜石の瞳が大きく見開かれた。
「────すごい」
 キラキラと煌めく川面を挟んで、川の両岸に菜の花が満開に咲いている。隙間なく咲いた菜の花はまるで黄色い絨毯のようだった。
「大佐、こっちから降りられるっスよ」
 目をまん丸にして菜の花を見つめるロイに満足したように笑ってハボックが言う。その手に引かれるまま川岸に続く階段を降りて、二人は咲き乱れる菜の花の中へと足を踏み入れた。
「見事だな」
 花の中へと入ればむせかえるような花の香りが二人を包み込む。ゆっくりと歩いて川に寄れば、向こう岸にも広がる黄色い絨毯の中、同じように花の間を歩く人の姿が見えた。
「ね、来てよかったっしょ?」
 広がる景色に嬉しそうに顔を綻ばせるロイにハボックが言う。「まあな」と渋々と頷いて、ロイはハボックを見上げた。
「おい、さっき言ったこと、忘れるなよ」
「へ?さっき?」
「フレッシュオレンジのクレープシュゼット、バニラアイス添え!」
 この景色を見ながらもそんなことを言うロイにハボックはやれやれとため息をつく。
「じゃあ、もう少し歩いて腹空かせないと」
「────仕方ないな、じゃあもう少しだけ」
 肩を竦めて返す言葉にクスリと笑いあって、ハボックとロイは手を繋いで菜の花の間をゆっくりと歩いていった。


いつものぞきに来てくださり、ありがとうございます!なんやかんやと日記更新してます〜。
それにしても最近めっちゃ暖かいですね!今日も東京二十四度ですって。二ヶ月先の陽気じゃん。流石にセーターはやめてロンT引っ張り出しました(苦笑)
んで、今回のネタ元(笑)家の近所に住宅街を流れる小さな川があるんですが、帰ってきたダンナが「菜の花が満開で綺麗だから見に行かない?」っていうのでちょっと見に行ってきました。そうしたら川の片側の陽射しがよく当たるところの菜の花が満開に。あんなに菜の花咲いてるの、久々に見た気がします。流石にソメイヨシノはまだですが、河津桜が咲いているのを見かけたりして、春が来たのね〜って感じです。もう少ししたら目黒川の桜を見に行こうかと思っていますv やっぱり春っていいですねv

拍手お返事ですv うふふv

たねさま

拍手ありがとうございますv 春色しっぽのハボック、絶対可愛いと思うんですよ〜、可愛いと言って頂けて嬉しいです!毛糸玉の方も愛おしんでくださってありがとうございますv 公式、色々やってますね。ハガレン展は二日目に行ってきましたが、久々ドキドキしてきました(笑)ハボロイもロイハボもまた賑わってくれたら!こっち方面でもドキドキ出来たら嬉しいですが(笑)こんな感じでまったりやってますので、お時間ありましたらまた遊びにいらしてくださいね。
2022年03月15日(火)   No.526 (ハボロイ)

オランジュ
CP:ハボロイ(R18)

「おかえりなさい、遅くまでお疲れさまっス」
 車が停まる音に玄関の扉を開ければ、すっかり疲れ切った顔で玄関のステップをあがってくるロイにハボックが声をかける。顔見知りの警備兵に軽く手を上げると、警備兵は頷いて車に乗り込み走り去っていった。
「まったく会食なんてろくなもんじゃない。油っぽい食事もおべっかばかりの会話も胃にもたれるばっかりだ」
 ハボックが開けた扉から中へと入りながら愚痴を零すロイにハボックがクスリと笑う。そんなハボックをギロリと睨んだものの、文句に変えて盛大なため息を吐き出すロイから上着を受け取ってハボックが言った。
「風呂、沸いてますよ。デザートもあるっスけど腹が一杯ならいらないっスかね?」
「デザート?なんだ?」
 デザートと言う言葉にパッと顔を輝かせてロイが聞く。リビングへと入りながらハボックが答えた。
「オレンジのパンナコッタっスよ。パンナコッタにもオレンジの果肉を入れたんで爽やかな感じにできたと思うっス」
「オレンジのパンナコッタ!美味そうだ!」
 さっきまでの不機嫌が嘘のように黒曜石の瞳をキラキラと輝かせてロイが言う。今すぐにも食べたいという体のロイにハボックが言った。
「先に風呂どうぞ。今日は風呂もオススメっスから」
 ニコッと笑ってウィンクするハボックにロイが不思議そうな顔をする。ハボックは手にしていた上着をソファに置くと、ロイの背を押して風呂へと促した。
「さ、どうぞ。疲れもとれますよ」
 洗面所に入ると浴室へ続く扉を開ける。そうすれば甘い香りが鼻孔を擽って、ロイは目を見開いた。
「オレンジの香り……」
「よく乾燥させたオレンジの皮を入れて沸かしたんスよ。いい香りっしょ?」
「ああ、リラックスできそうだ」
 クンと香りを吸い込んでロイが言う。タオルは出しておくからと言ってハボックが出て行くとロイは服を脱ぎ捨て浴室に入った。
「いい香りだ」
 湯気の中に漂うオレンジの香りに顔を綻ばせてロイはシャワーの湯を出す。手早く体と髪を洗うといそいそと浴槽へ足を入れた。
「ふぅ……」
 そのままチャポンと肩まで浸かってロイは大きく息を吐き出す。見れば湯の中にガーゼの包みが浮かんでいて、ロイはそっとそれを引き寄せた。
「この間からなにやら作っていたのはこれか」
 手にしたガーゼを鼻に寄せると強くなるオレンジの香りにロイは呟く。大きく息を吸い込めば体の中から溜まった毒素が抜けるようで、ロイは気持ちよさそうに頭を浴槽の縁に預けた。

「ああ、いいお湯だった」
 いつもの倍近く湯船に浸かってロイは満足げなため息を吐きながらリビングへと向かう。扉が開く音に、ソファーに座っていたハボックが振り向いてホカホカと湯気を上げるロイを見て言った。
「随分しっかり浸かってきたっスね」
「気持ちよくてついのんびり浸かってしまった」
 気持ちよさそうな顔で答えるロイにハボックが笑みを浮かべる。近づいてきたロイの肌から湯気と共に甘い香りが立ち上るのに気づいて空色の瞳を僅かに見開いたハボックの笑みが、剣呑なものに変わったことに気づかずロイが言った。
「それで?デザートはどこだ?」
 風呂上がりのデザートを楽しみにしていたのだと満面の笑みを浮かべるロイをハボックがじっと見つめる。デザートを要求する言葉にも立ち上がらずじっと見つめてくるハボックに、ロイは不思議そうに首を傾げた。
「ハボック?早くデザートを────わッ?!」
 グイといきなり腕を引かれて、ロイはバランスを崩してハボックの胸に倒れ込む。胸に飛び込んできた細い体をソファーに押さえ込んでハボックが言った。
「アンタ、オレンジの甘い香りがする」
「えっ?」
「デザートよりこっちの方が美味そう……」
「ちょ……ッ?!ハボック!」
 ニッと物騒な笑みを浮かべてのし掛かってくるハボックをロイは慌てて押し返す。だが、ハボックはロイの両手首を纏めて頭上に押さえつけると、バスローブの襟から手を滑り込ませた。
「ハボックッ!」
 滑り込んできた大きな手がバスローブの襟を乱し白い肌を露わにする。ハボックは風呂上がりでいつもより更にしっとりとした肌に唇を寄せた。
「いい香り……」
 鼻孔を擽るオレンジの香りに笑みを浮かべてハボックは白い肌にキツく唇を押し当てる。チクリとした痛みにロイは首を振ってもがいた。
「馬鹿ッ、なにするんだッ!」
「ふふ、オレンジの香りがするサクランボっスね」
 はだけたバスローブから覗く胸の飾りを見てハボックが笑う。片方に唇を寄せチュウと吸い上げながらもう片方を指で摘まんで引っ張ったり押し潰したりすれば、ロイが喉を仰け反らせて喘いだ。
「ああッ」
「ん……美味しい……」
 そう囁きながら口に含んだ飾りを吸い上げ甘く噛む。チロチロと這う舌の動きにあわせてロイの躯がビクビクと震えた。
「やぁ……んッ」
「ふふ、熟れちゃった、ヤラシい」
 顔を上げれば薄紅色だった乳首が赤みを増しているのを見て、ハボックがクスクスと笑う。手首を押さえつけられのし掛かられて、身動きを封じられたままロイが楽しそうに笑うハボックを睨んだ。
「ふざけるのもいい加減にしろッ!私はデザートを食べたいんだッ!」
「だから今食べてるじゃないっスか」
「食べてないッ!────って、私はデザートじゃないぞッ!」
 ふざけるなッ、とジタバタともがくロイの胸から顔を上げたハボックがロイを見下ろす。あ!と思いついたように見開いた空色の瞳を楽しそうに細めて言った。
「そっか、オレだけ美味い思いしちゃダメっスよね。そりゃアンタも食いたいっスよねぇ」
 いかにも納得したという顔で笑うハボックにロイはホッと息を吐き出す。
「判ったなら────ヒャッ!!」
 どけ、と言おうとしたロイの唇から短い悲鳴が上がる。グイと押し広げられた脚の付け根、双丘の狭間に顔を埋めたハボックがねっとりと蕾に舌を這わすのを感じて、ロイは慌ててハボックの金髪を掴んだ。
「やッ!なにして……ッッ?!」
「だって食いたいんでしょ?」
 オレの、と視線を上げて笑うハボックにロイは息を飲む。次の瞬間逃れようと暴れ出したロイをいとも簡単に押さえつけて、ハボックは指で割り開いたロイの蕾に舌を潜り込ませた。
「やだッ!そうじゃないッ!そうじゃ……ああッ!」
 ぬめぬめと這い回り潜り込んでくる舌先にロイが悶える。気が付けばそそりたっていた楔から先走りの蜜を零してロイは喘いだ。
「や……ん、ふぁ……ッ」
「ふふ……すげぇ、零れてくる。ヒクヒクしてんの、ビチョビチョにしてめっちゃイヤラシいっスよ」
「馬鹿ァ……ッ」
 クスクスと笑いながら目にした光景を口にするハボックに、ロイは顔を真っ赤にして首を振る。それでもそんな風に嬲られれば愛撫に慣らされた躯はいとも容易く反応して、ロイは熱い吐息を吐き出して悶えた。
「も……ぃやッ」
 気が付けばハボックの太い指が秘所に潜り込んでグチグチとかき回している。もう拒むことも出来ずにハアハアと荒い息を零すロイに、ハボックはかき回していた指を引き抜いた。
「ああッ!」
 指が抜ける衝撃にロイはビクンと大きく躯を震わせる。ボトムを弛めれば待ちかまえたようにブルンッと飛び出す己に苦笑しながら、ハボックはロイの細い脚を抱え上げた。
「お待たせしました────メインディッシュっスよ」
 自分で言った言葉にククッと笑って、ハボックは蜜と唾液でしとどに濡れた蕾に己を押し当てる。グッと腰を突き出せば待ち焦がれていたように花開いていく蕾に、ハボックは一気に押し入っていった。
「ヒャアアアアッッ!!」
 ズブズブと入り込んでくる熱い塊にロイの唇から甘い悲鳴が上がる。無意識に逃げようとする躯を引き戻して、ハボックは一気に押し込んだ楔を乱暴に引き戻し、次の瞬間再びガツンと突き入れた。
「ヒアアッッ!!アアッ!!」
 ガツガツと乱暴に突き上げられて、ロイの唇から切れ切れの悲鳴が上がる。甘く濡れたその声に煽られて、ハボックは更に激しく突き入れこね回し揺さぶった。
「アアッ!ハボックッ!!ハボ……ッ!!」
「大佐ッ!……ああ、すげぇ、イイ……ッ!!」
 まとわりついてくる熱く濡れた襞にハボックが呻くように言う。ガツンと思い切り最奥を突き上げれば、ロイが高い悲鳴を上げて爆ぜた。
「ひゃああんッ!……あ、待って、ハボック、待っ……ッ!ヒャウウッ!!」
 達したばかりの躯を容赦なく責め立てられてロイは身悶える。弱々しく押し返してくる手を押さえつけて、ハボックは激しく突き上げた。
「アヒィ……ッ!!アアッ!やめ……無理ィ……ッッ!!」
 ゴリゴリと前立腺を押し潰され掻き回されて、ロイは続けざまに熱を放つ。ガクガクと震える躯を押さえ込んで、ハボックは最奥を抉ると同時に滾る熱を叩き込んだ。
「く……ッ、たいさ……ッ」
「ヒ……ア……」
 ドクドクと注ぎ込まれる熱い液体にロイが黒曜石の瞳を見開く。熱い吐息を零す唇を塞が呼吸を奪われて、ロイの意識は闇に飲み込まれていった。

「はい、どうぞ」
 結局あの後もう一ラウンドつきあわされた上、オレンジの香りが漂う浴室でもいいようにされて、ロイはニコニコと笑みを浮かべるハボックをジロリと睨み上げた。
「お待ちかねのパンナコッタっスよ。いらないっスか?」
 そう言って差し出されたトレイの上にロイは目をやる。細かいオレンジの果肉を混ぜ込んだパンナコッタが盛りつけられたグラスの上には、カットされたオレンジの果肉とミントの葉が飾り付けられ見た目にも涼しげで美味しそうだった。
「このオレンジって……」
「ん?なんスか?」
 このオレンジの皮の入浴剤のせいで散々なめにあったのではと思うものの、疲れた体は甘いものの誘惑には逆らえず。
「────食べる」
「どうぞ」
 にっこりと笑って差し出されるグラスを受け取って、ロイは複雑な思いを抱えながらスプーンを口に運んだのだった。


ご無沙汰しております〜、毎日溶けちゃいそうな暑さが続いていますが皆さまお元気でお過ごしですか?ポチポチ拍手もいただいて、本当にありがとうございますv
ロイハボの日の続きを書こう書こうと思いつつ、気づいたらハボロイの日だったのでとりあえずハボロイの二人をお届けってことで(笑)ネタもとはいつもお世話になってるMさんです。本当はロイの髪にオレンジオイルをつけて、って話を書こうと思っていたのですが、オレンジオイルのレシピ、生のオレンジは使わないのよね。エチ後に渋々オレンジのデザート食べるロイが書きたかったので、結局お風呂になりました。でもこれ、見つけたのはみかんの皮を使う入浴剤だったんだけどね。まぁオレンジでもいいかって(笑)オレンジ使ったデザートもオレンジジュースを使うレシピが多くって……。じゃなければオレンジの皮のカップにしたゼリーとかね。いや、皮は使いたいから実だけがいいんだが、ってことでパンナコッタになりました。でも、結局レシピのかけらもでてこなかったし、別になんでもよかったんじゃって気がしなくもないですが、なんとなくこう、ちゃんと物がないと書けないんですよねぇ。レシピ調べてた時間の方が書いてた時間より長かったんじゃないかって(苦笑)
しかし、ハボロイエチ、久々に書いたわ〜。楽しんでいただけてたら嬉しいですが。後はロイハボの続きだなー。お清めエッチ頑張らないと(笑)

んで、緊急事態宣言下、どこにも行けないので相変わらずゲームやってます。前回書いてた「ゼルダ無双」は無事残りのメンバーも集め終わり、新たに開いたステージもあったけど、もういいかなってことで次の「天穂のサクナヒメ」へ。ストーリー全部終わって、後は300階ダンジョンとかは残ってましたがこれももういいかなって(笑)というのもですね、実はずーーーっと抽選に申し込んでいたPS5がやっと当たったんですよぅ!もう八ヶ月以上、息子と二人で申し込めるときは二人がかりであっちこっち申し込んでいたのですが全然当たらない……。これ、当たるときが来るのか?と思いつつも見かければ抽選に申し込んでいたのですが、珍しくみかけたビックカメラ.comで申し込んでみたところ当たったよ!しかも同時期に申し込んでいたドンキの抽選にも当たったっていう……。なんだかねぇ、当たるときはそんなもんなんですかね(笑)折角当たったので、ゲームをやる親戚に声をかけてみましたが、一人は仕事が忙しくてゲームどころではなく、もう一人は奥さんに「高い!」って却下されてました(笑)
そんなわけでPS5っス!PS5用ソフトのスパイダーマンをやろうかとも思ったのですが、ずっと積んだままだったPS4のFF7をやってます。なんかこれ、PS5でダウンロード出来るコンテンツがあるらしいので。しかし、PS5って決定が×ボタン、戻るが○ボタンなんですよ。なんで?めっちゃやりづらい……。なのでコントローラーのボタン設定を逆にしてみたところ、今度はゲーム内でも×と○が逆になる。○×△□ボタンを使うミニゲームも逆になっちゃうので結局そう言うときだけ設定を元に戻してやってたりしてます。めんどい……。まぁ、それはともかく当たって嬉しいv なんといってもPS5は2タイトルを除いてPS4のソフトが使えるのがいいなぁと。これまでPS3も4も前の機種のゲームは使えなかったから結構不便だったので。そんなわけでここ数日はクラウドさんでフィールド走り回る日々です。あ、クラウドって金髪に青い瞳じゃん!じゃあソルジャーのハボックネタをって、いやいやいや(笑)
2021年08月06日(金)   No.523 (ハボロイ)

うなじ
ハボロイ風味

「暑くなってきたな」
 ロイはそう言いながらだいぶ伸びてきた髪をかき上げる。最近よくしているように黒髪を一つに纏めて高い位置で括った。
 ハボックはそんなロイの姿を背後から見つめる。髪を括ったロイの揺れる長い髪から白い項が覗いているのが見えて、ハボックは慌てて目を逸らした。
「どうかしたか?」
 ロイは言いながら執務机の上の書類を取り上げる。不思議そうに見上げてくる黒曜石にハボックはぎこちなく咥えた煙草に手をやりながら答えた。
「や、別に……」
「おかしな奴だな」
 言葉とは裏腹のハボックの態度にロイはクスリと笑って執務室の扉を開ける。会議のため部屋を出ていくロイの後に付いていきながら、ハボックは黒髪の間から覗く白い項に目を細めた。
(目のやり場に困るっての)
 ハボックは司令部の廊下を歩きながら胸の内でそっと呟く。今すぐ抱き締めて口づけたくなる衝動を頭を振って追いやったハボックは、その拍子にすれ違う軍人たちがチラチラとロイに視線をやっていることに気づいた。
「────ッ、チッ」
 不埒な視線を送ってくる輩からロイを庇うように間に立ってジロリと鋭い視線を投げれば、相手は慌てて目を逸らして歩き去る。会議室へのさほど長くはない距離の間に、片手の指では足りない不埒者を視線で追いやったハボックはムスッとしながらたどり着いた会議室の扉を開けた。
「すまない、遅くなった」
 すでに着席して後は会議を始めるばかりとなっていた面々にロイはそう言いながら一つ開いていた席に腰を下ろす。軽く首を振ってまとわりつく黒髪を払ったロイが会議の開始を促せば、ロイの事をじっと見つめていた軍人たちが慌てて資料をめくる音が会議室のあちこちから聞こえた。
(見てんじゃねぇよ)
 そんな様子にハボックの眉間の皺が深まり、目つきが険しくなる。ロイの背後に控えるハボックが纏う空気がグッと冷え込んで、近くの軍人たちがビクビクとした様子でハボックをちらりと伺えば、途端に空色の瞳に睨まれて慌てて書類に視線を落とした。
(大佐が髪伸ばしてからこんな奴ばっかだ)
 以前からその端麗な容姿で女性だけでなく男からも注目を浴びるロイではあったが、その艶やかな黒髪を伸ばし始めてからは、その数が五割増しで増えた気がする。おかげでハボックはロイの身近で警護に当たっているときは勿論、訓練や所用で側を離れている時もロイの身辺が気になって仕方ない日々が続いていた。
(大佐はちっとも気づいてねぇし)
 他人から見られる事に慣れているせいか、不埒な視線に晒されていてもとんとお構いなしのロイにハボックは内心穏やかでない。いい加減気づいて何とかして欲しいと思いながら、ハボックは眉間の皺を深めて会議室の中を見回した。

「ああ、疲れた……」
 長い会議や書類と格闘する時間を終えて、漸く帰宅したロイはため息混じりに言葉を吐き出しながらソファにドサリと腰を下ろす。結い上げた髪を縛る紐を解けばはらりと肩に落ちる黒髪をかき上げるロイに、ハボックは冷蔵庫から取り出したハーブティーを注いだグラスをロイに差し出した。
「ありがとう」
 ロイは笑みを浮かべてグラスを受け取ると喉を反らして冷たいハーブティーを一気に飲み干した。
「もう一杯要ります?」
「ああ、頼むよ」
 頷くロイの手からグラスを受け取って、ハボックはハーブティーを注いでロイに返す。今度はゆっくりとハーブティーを飲みながら、ロイは窓辺に立つハボックを見上げて言った。
「最近機嫌が悪いな」
「────別にそんなことないっス」
「本当に?」
 プカリを煙を吐き出しながら答えれば即座に尋ねられて、ハボックは言葉に詰まる。じっと見つめてくる黒曜石に、ひとつため息を零して応えた。
「アンタが髪の毛、結うから」
「は?」
「イヤラシい目で見やがる奴ばっか」
 思いがけない言葉に目を丸くしたロイは、次の瞬間プッと吹き出す。クスクスと笑うロイをムッとして見つめてくるハボックに、ロイはなんとか笑いをこらえて言った。
「何を言うかと思えば」
「嫌なんスよ、アンタがああいう視線に晒されんの」
「別に気にするほどのことでもないだろう?見られたからと言ってどうこうされるわけじゃなし」
「されたら堪りませんよ」
 もしそんな奴がいたら即座にくびり殺しそうな目つきでそういうハボックにロイは笑みを零す。その途端じろりと睨まれて、首を竦めてハーブティーを飲み干したロイはグラスをテーブルに置いて言った。
「で?お前はどうして欲しいんだ?」
「どうして、って」
 唐突にどうしたいのだと尋ねられてハボックは口ごもる。視線を彷徨わせて数秒悩んでからロイに視線を戻して答えた。
「項、晒すのやめてくれませんか?」
「項?要するに髪を上げるなということか?」
「まぁ……そうっスね」
 不貞腐れた様子で頷く年下の恋人に、ロイは笑みを深める。ふむ、と考えて言った。
「じゃあ髪を切ってくれるか?」
「えっ?」
「結わないと暑いんでな」
「いや、でも」
「結って欲しくないんだろう?ほら、さっさと鋏とケープを持ってこい」
 思いがけない展開に躊躇うハボックをせっついて、ロイはダイニングの椅子を引っ張ってくる。腰掛けて待てば鋏とケープを持って戻ってきたハボックの手からケープを取り上げ、自分で首に巻いた。
「ほら、切ってくれ」
 促されてハボックは鋏を手にロイの背後に立つ。艶やかな髪を片手で持ち上げたハボックが、いつまでたっても鋏を入れようとしないことに、ロイは不思議そうにハボックを見上げた。
「どうした?切らないのか?」
 促すように尋ねられてハボックは手にした鋏を握り直す。いざ鋏を入れようとしたハボックが、唸るように声を張り上げた。
「ダメだ、切れない……ッ!」
「は?」
「勿体なくてッ!こんなに綺麗なのにッ!」
 天井を見上げてそんなことを言い出すハボックをポカンとして見つめたロイは次の瞬間プッと吹き出す。クスクスと笑いながらハボックを見た。
「お前なぁ」
「だって仕方ないっしょ!」 
呆れたようなロイの声にハボックは顔を赤らめて言う。睨んでくる空色を見返してロイが言った。
「でも、私が髪を結うのは嫌なんだな?」
「それはまぁ……」
 言われてハボックは不貞腐れたように唇を尖らせる。そんなハボックにやれやれとため息をついてロイは言った。
「判った、暑くても髪を結うのは我慢する」
「えっ?でも」
「暑いのとお前の不機嫌とどっちを我慢出来るかと言ったら暑い方だからな」
 そう言うロイをハボックは目を見開いて見つめる。ロイは手を伸ばして空色の目元に触れながら続けた。
「でも、二人の時は上げるぞ。見てるのがお前だけならいいだろう?────お前だけのトクベツだ」
「大佐……」
 言って笑うロイを驚いたように見つめてくるハボックにロイは笑みを深める。
「不満か?」
「────まさか」
尋ねてくる黒曜石に笑みを返して、ハボックは白い項に唇を寄せていった。


遊びに来てくださる皆さまにはありがとうございます。ポチポチ拍手もとっても嬉しいですv
お久しぶりです。ハボロイの日ですねッv ロイハボの続きを書こう書こうと思いつつ、ついつい「あつ森」やら「ミストオーバー」やらちょっと懐かしい「ルルアのアトリエ」やらゲームに更ける日々を送っております(笑)
いやもう、七月後半からハボロイーッ、ネタネタネタと考えておりました。そのわりにどってことない話ですみません(苦笑)そういや髪の長いロイって書いたことないなぁと思っていたらこんな話に(笑)いいですよね、シーツに広がる長い黒髪v でもエチの続きはないんですが(苦笑)
とりあえずハボロイノルマを達成したので次はロイハボの続き……ガンバロウ。でもルルアもミストオーバーも終わり近いんですよね。ルルアは息子にトロコンしといてと言われたので、なにが出来てないんだろうと調べたら、結構面倒なのが残ってる。いや、面倒だから残ってるのか。つか、ふつうにやってたら出てこないよ、このイベント。一つは鍛冶屋ですべての武器防具を作成するとゲット出来るレシピでシンボルを作る……って、ルルアの最強武器の素材、どこにあるか判らないからやってなかったんだがなぁ。もう一つはカレーイベントを最後まで見る。必要なルルルカレー極のレシピ、ドンケルカレーとぬしカレーと賢者カレーそれぞれ品質999の物を作るとゲット出来る。……めっちゃめんどくさいんだけどッ!と思いつつ、ここまでくるとやらいでかってなるっていうね(笑)そんなわけで、とりあぜずカレーを作る前段階の素材各種を高品質にすべく錬成しまくる毎日です。いや、ロイハボ書けよ、自分(笑)

以下、拍手お返事です

大佐乱入からの  の方

お清めセッ……!ステキ!いいなぁ、お清めv(笑)そうですね、一刻も早く大佐にお清めしてもらわないと!続きがんばりますねv 差し入れもありがとうございましたv 本当イベントでお会いできていたらモリモリもりあがれましたのにねぇ。今やそのイベントすら思うままに開催できない厳しい世の中ではありますが、いっとき楽しい時間を提供出来たらなぁと思っておりますv
2020年08月06日(木)   No.517 (ハボロイ)

ハボロイの日2018
ハボロイ風味

「ローイ!────一緒に学校行こう……って、なんでまだ着替えてないの?!」
 玄関先で呼ぶ声に続いて聞こえた足音と共にバンッと開いた扉からハボックが駆け込んでくる。驚いたように尋ねる声にも、パジャマ姿のままソファーに足を投げ出して本を読んでいたロイは顔を上げもしなかった。
「ロイ!ロイってば!」
 ハボックは大きな声でロイを呼びながら本をグイと引く。呼んでいた本を引っ張られて、ロイはムッと眉を顰めてハボックを睨んだ。
「こら、ハボック!本を引っ張るな!読めないだろう」
「なに言ってんのさ、もう学校行く時間だってば!」
 本から手を離さず睨み返してくる空色に、ロイは壁の時計を見る。漸く今がどういう時間か察したように「ああ」と頷けば、ハボックがホッとしたように言った。
「もうっ、本読むのはおしまい!早く着替えて学校行こう!」
 今年学校にあがったばかりのハボックは大好きなお隣のロイと一緒に学校に行けるようになったのが嬉しくてしょうがない。毎朝ロイを迎えに来るのだが、その時にロイの支度が出来ていることは一度もなかった。
「ほーらー、早く着替えて!ロイ!」
 ハボックがそう言って急かすもののロイは未練たらしく本を離そうとしない。ムゥと頬を膨らませるハボックにロイが言った。
「そんなに急かすなら着替えさせてくれ」
「えーっ、なに言ってるの、ロイ!オレだって一人で着替えられるよ!」
 呆れたように見開く空色にロイは片手で広げた本をめくる。
「もー、ロイってば……」
 促すように本を持っていない方の手をひらひらさせるロイにハボックはため息をつくと、ソファーの端に丸めておいてあった着替えを手に取った。
「ロイってば赤ちゃんなんだからー」
 ブツブツと言いながらハボックはロイのパジャマのボタンを外す。片方ずつ腕を抜かせてパジャマを脱がせれば現れた白い肌に、ハボックは小首を傾げた。
(ロイってば色白いなぁ)
 五つ年上とはいえまだ少年の域を出ていないロイの肌は白く滑らかだ。ほんの少しドキドキしながら、ハボックはロイのパジャマを脱がせ服を着せていった。

 そうして。
「ロイ、アンタねぇ……」
 例によってパジャマのまま本を読んでいるロイにハボックはため息をつく。一度着替えを手伝ってやってからと言うもの、少しでも長く本を読んでいたいロイが毎朝ハボックに自分の着替えを手伝わせるようになってもう十年が過ぎようとしていた。
(ほんっとにいい加減にして欲しい……)
 ハボックは慣れた手つきでロイを着替えさせながら心の中で大きなため息をつく。ただ一緒に学校に行くことが楽しいだけだった幼い頃と違い、いつの間にか目の前の相手に恋心を抱くようになっていた身にとって、毎朝の着替えは苦行以外の何者でもなくなっていた。
(なんだって好きな相手のパジャマを脱がせて服を着せなきゃなんないんだよ……どんな拷問だよ)
 すっかり大人になった今でもロイの肌は白く肌理細やかだ。薄色の胸の頂を見れば抱き締めてしまいそうになる己を押さえ込むのが、今ではもう限界に近くなっていた。
(オレの気も知らないで)
 ハボックは素知らぬ顔で本を読むロイの顔を上目遣いに見つめる。こうして側にいても本ばかり見ているロイを見るうち、ハボックは自分の気持ちにこれっぽっちも気づいていないらしいその態度にムカムカとしてきた。
「────もう我慢出来ないっス」
 ボソリと呟いてハボックは立ち上がる。ロイの手から乱暴に本を取り上げれば、驚いたように見上げてくるロイにハボックは言った。
「もう限界っス。毎朝毎朝こんな拷問」
「ハボック?」
 なにを突然言い出すのかと見上げてくる黒曜石を見返したハボックは、グイとロイの肩を掴んでソファーの背に押しつけた。
「オレ……ッ、アンタの事、ずっと好きなんスよ!なのにこんな風に着替えの手伝いさせるなんて……いい加減襲ったって文句言わせないっスからねッ!」
 人の気も知らないでと責める言葉を口にするハボックをロイの黒曜石がじっと見上げる。次の瞬間ニッと笑って言った。
「やっと言ったか」
「ホントにどんだけオレが自分の気持ち抑えてきたか────って、……はい?」
 並べ立てていた文句を思いがけない言葉で遮られてハボックがキョトンとする。そんなハボックに手を伸ばすと、ロイはハボックの襟元をグイと引いた。
「好きでもない相手にこんな事させると思ってたのか?いつになったら押し倒してくるのかとずっと待ってたのに」
 口元に笑みを浮かべてそんなことを言うロイにハボックは目を見開く。見開いた目を二度三度瞬かせてハボックは言った。
「えっと……それってつまり……」
「はっきり言わないと判らんのか?随分なニブチンだな」
 ロイは苦笑するとハボックに顔を近づける。
「つまりこう言うことだ」
 間近で囁いた唇がゆっくりと重なってくるのを、ハボックは目を見開いて受け止めたのだった。


遊びに来てくださった方にはありがとうございますv
ハボロイの日ですねッ!というわけで、誘い受けのロイでございましたー。親はおらんのか?とちょっと思わないでもなかったですが、まぁその辺はあれで(笑)
次は8月8日のヒュハボの日と8月9日のハボックの日?……何かネタありませんかーッ?(笑)って、もうネタを囁いてくださる方もおらんかなぁ(苦笑)ちょっと寂しさを感じつつ、ネタ……考えてみるかなー。
2018年08月06日(月)   No.506 (ハボロイ)

八月六日
ハボロイ風味

「ふぅ……」
 手にしたビールの缶を呷ったハボックは一つ大きく息を吐き出す。自宅のアパート、ダイニングの椅子にだらしなく腰掛けて、テーブルの上のフライドチキンを摘むと口に放り込んだ。
 今日は八月六日。カレンダー上何の意味もない日ではあるが、ハボックにとってはとても大事な日だった。と言うのもこの日は初めてロイと想いを通じ合わせた日だからだ。恋人同士となった今も一年の中で八月六日はハボックとロイにとって特別な日で、どんなに忙しかろうとも毎年必ず二人で過ごすのが暗黙の了解事となっていた。だが。
『すまん、帰れそうにない』
 一週間ほど前からホークアイと共にセントラルに出張に行っていたロイから電話があったのは夕べのことだ。大雨が続いていた山間部で土砂崩れが発生して、セントラルからイーストシティへと繋がる列車の路線が寸断されてしまったらしい。天候は回復したものの土砂の撤去作業に時間がかかり、予定していた帰りの列車の運行は見込めないという事だった。
「仕方ねぇよなぁ……自然にゃ勝てないもん」
 そう自分に言い聞かせてはみるものの、やはりなにも今日この日でなくてもいいのにと思わずにはいられない。ハボックはため息をついて缶に残ったビールを飲み干すと立ち上がった。
「もう寝ちまおう」
 起きていたところでロイと過ごせる訳ではないのだ。むしろ起きていればいるだけロイに会いたい気持ちが増すばかりで、ハボックは食い散らかしたテーブルもそのままにシャワーを浴びると早々にベッドに潜り込んでしまった。

 ドンドンと遠くで何かを叩く音に、ハボックは眠りの淵から引き戻される。引き上げたブランケットに潜り込んで、ハボックは眉を顰めた。
「なんなんだよ、一体……」
 まだ半分眠ったままの脳味噌では聞こえる音がなんなのか判らない。煩い、静かにしろ、この野郎と寝ぼけた頭の中唱えていたハボックは、次の瞬間ガバリと起きあがった。
「え?玄関?」
 どうやらドンドンと叩く音はハボックのアパートの扉から響いているようだ。枕元の時計を見れば針は後少しで日付を跨ごうとしているところで、ハボックは時間をわきまえない訪問者など無視してしまおうと再びブランケットに潜り込んだ。だが。
「いい加減あきらめろよ……オレはもう寝てんだよ」
 不機嫌なハボックの呟きなど聞こえる筈もなく、扉を叩く音は響き続ける。放っておいたら諦めるのではないかというハボックの期待も空しく夜のアパートに響き続ける騒音に、流石にこれ以上無視を決め込む訳に行かず、ハボックは渋々ベッドから起きあがった。
「何処のどいつだ、この野郎。苦情がきちまうだろうが」
 絶対一発ブン殴ってやると思いつつハボックは玄関まで来ると騒音を響かせ続ける扉を乱暴に開けた。
「煩いッ!今何時だと思って────」
 怒りに任せて大声を張り上げたハボックは目の前に立つすらりとした姿に言いかけた言葉を飲み込む。開いた扉の向こう、今日を一緒に過ごしたかった人をみつけて、ハボックは目を見開いた。
「大佐……?え?幻?」
 あんまり会いたくて幻が見えているのだろうか。ゴシゴシと目をこするハボックの耳に自分を呼ぶ声が聞こえた。
「ハボック」
 その声にハボックは目をこすっていた手を伸ばす。おそるおそるその頬に触れて、滑らかなその感触に目をパチパチと瞬いた。
「本物だ……でもどうして?」
 囁くように尋ねるハボックを押しやるようにしてロイはアパートの中に入る。リビング兼ダイニングまで来るとついてきたハボックを振り返った。
「車で不通になってた区間の先の駅まで行って、そこから列車に乗ってきた」
「でも、道路だって通れなかったんじゃないんスか?」
「邪魔なものは焔でぶっ飛ばした」
「ぶっ飛ば……ッ──て、アンタ」
 綺麗な顔でとんでもない事を口にするロイをハボックは呆れたように見る。だが、ロイはそんな空色を睨むように見返して言った。
「だって、八月六日だぞ。一緒に過ごしたかったんだ。焔で邪魔なものをぶっ飛ばして折り返し運転になってた列車に飛び乗った。イーストシティの駅からは全速力で走ってきた────まだ六日だろう?」
 ほんの少し不安そうに震える声にハボックは時計を見る。その二本の針がまだ僅かに重なっていないのを見てロイに視線を戻した。
「ギリギリセーフっス」
 そう言ってハボックはロイに手を伸ばす。細い体を腕の中に抱き締めて艶やかな黒髪に顔を埋めた。
「すっげぇ嬉しいっス……会いたい、一緒に過ごしたいって思ってたから」
「そんなの……私だって同じだ」
 言えば答えるロイの顔を覗き込めば睨むように見つめ返してくる黒曜石の目元が薄紅に染まっている。そんなロイを見れば俄に熱い想いが沸き上がって、ハボックはロイを抱く腕に力を込めた。
「好き……大好きっス。今日までもこれからもずっと……」
「────私もだ」
 小さく返る答えに、ハボックは幸せそうに笑ってロイの唇に己のそれを重ねていった。


遊びに来て下さっている皆さまには本当にありがとうございますv拍手もポチポチ押して下さってとっても嬉しいですv

ハボロイの日ですねvロイハボの日ネタも終わってないし、いいネタも浮かばなかったのでどうしようかと思ったのですが、やっぱりハボロイの日だしッということで短いのをひとつ(苦笑)どうも私的にはロイハボはエロエロしいのが好きなのですが、ハボロイはどっちかというとエロのないさらっとした話が好きみたいです、えへへ。ともあれビバ、ハボロイ!いつまでたってもやっぱり好きだよ〜とラブを新たにする一日。皆さまにとっても素敵な一日でありますようにv
でもって、間空いちゃいましたが、ロイハボの日ネタも続き頑張ります(笑)

以下、拍手お返事です。

苺さま

こんにちは、はじめまして!拙宅にようこそおいで下さいましたvvうわぁ、うちのハボロイ、すごく好きだなんて嬉しいですー、ありがとうございますvv「霧屋」と「見毛相犬」は私もとても気に入っている話なので大好きといって頂けてとっても幸せです。ハボックに煙草は切っても切れないものなので、錬金術でも使いたくて霧屋ハボックとなりました。見毛相犬、どうやって村人たちと脱出したのか……今度ハボック大佐に聞いてみたいと思いますが、きっと笑って誤魔化されてしまう気が(笑)いつか機会があれば続きを書ければいいなと思っています。うちのハボックに惚れてしまいそうですか?惚れてくれたら嬉しいなぁ〜vこれからも是非遊びにいらしてくださいねv
2017年08月06日(日)   No.501 (ハボロイ)

霧屋の猫の日
ハボロイ風味

「たーいさっ」
「ハボ────?うわッ!」
 本を読んでいたロイは聞こえた声に顔を上げようとして、突然ズボッと頭に何かを被せられて反射的に目を瞑る。ゆっくりと閉じた目を開けて、ロイはそっと頭に手を伸ばした。
「────なんだ?」
 指先に当たるのは柔らかい毛のようなものだ。髪の毛とは違う、だが触り心地のよいそれを撫でながらロイは首を傾げた。
「なんだ、これ?」
 ロイは頭にある正体不明の物体を撫でながらそれを被せた男を見上げる。そうすればハボックがにっこりと笑った。
「猫耳〜〜ッ!やっぱ思った通り似合うっスねッ!」
「────」
 満面の笑みを浮かべて言うハボックの言葉が理解出来ず、ロイはポカンとしてハボックを見つめる。
「かーわいい〜〜!やっぱりアンタには猫耳っスねッ」
 うふふ、ふわふわ〜とハボックの指に頭の上の物体を擽られた次の瞬間、ロイはソファーから飛び上がるように立ち上がるとハボックを突き飛ばして洗面所に駆け込んだ。
「な、な、な……なんだ、これはッッ!!!」
 ロイは鏡に映る自分の姿に目を剥く。さっきハボックが被せたのは猫耳がついたカチューシャで、カチューシャの輪の部分が黒髪に隠れているせいでまるで頭から猫耳が生えているように見えた。
「ふざけるなッ!こんなもの……ッ!────あ、あれ……?」
 目を吊り上げたロイはカチューシャを外そうとして引っ張る。だが、どんなに引っ張ってもカチューシャは外れないどころか、カチューシャと一緒に頭の皮まで引っ張られてロイは痛みに耐えかねて引っ張るのをやめた。
「〜〜〜〜ッッ!!」
 ロイは洗面所を飛び出すと足音も荒くリビングに戻る。ソファーでのんびりと煙草をふかしているハボックをもの凄い形相で睨みつけた。
「貴様ッ!これは一体なんなんだッッ!!」
「なにって……猫耳っスよ。オレが錬金術で作ったんス」
「────は?」
 ごく限られた者にしか知らされていないが、ハボックは錬金術師だ。煙草から立ち上る霧を使う錬金術は国家錬金術師並のレベルであるが、ハボックは己の錬金術はロイの為のものだと言い切って、その力は公にはされていなかった。
「錬金術って……お前、物質錬成なんて出来たのかっ?」
「そりゃオレだって錬金術師の端くれっスからね。普段やらないだけで物質錬成くらい出来るっスよ」
 自らを霧屋と名乗るハボックの錬金術は専ら大気中に生み出した霧を使って攻撃や防御を行う類のものだ。
「普段物質錬成なんてしてないだろうッ?」
「だって、普段は必要ないし」
 目を剥いて声を張り上げるロイにハボックは肩を竦める。ロイの猫耳を見上げてにっこりと笑った。
「よく出来てるっしょ?結構苦労したんスよ。いやあ、似合ってる、よかったよかった」
「よくないッッ!!」
 嬉しそうに言うハボックにロイがキーッと牙を剥く。
「とれないぞッ!一体どうなってるんだッ!」
「ああ、だって今それ、根っこが生えてるみたいなもんスから」
「は?根っこ?」
「要するに今はアンタの頭と一体になってるって事っス」
「一体……?」
 言われてロイは頭上の耳に意識を向ける。そうすれば猫耳がロイの不安に答えるようにピクピクと動いた。
「ね?かわいいっしょ?」
 それを見たハボックがニコニコと笑みを浮かべながら言う。その顔をじっと見ていたロイは懐から発火布を取り出しスッと手にはめた。
「今すぐ外せ。でなければ燃やす」
「えーッ!折角かわいいのにッ!」
「ハボック」
 抗議の声を上げるハボックにロイは発火布をはめた手を突き出す。指をすり合わせようとするのを見て、ハボックが慌てて両手を振った。
「待って待って!それ、外すには方法があるんですってば!」
「方法だと?今すぐ言え!」
「でも今はまだ真っ昼間だし」
「はあッ?昼間だと何だと言うんだッ!」
 訳の判らん事をッ!とロイが突き出した指を鳴らそうとするのに、ハボックは慌ててその手を掴んだ。
「えっとね、それを外すには……」
「なんだ、さっさと言えッ」
「────イきまくると外れるっス」
「────は?」
「だからね、ものすごーく感じると外れるんスよ、それ」
 エヘへと笑って言うハボックの顔をロイは凝視する。食い入るように見つめてくるロイにハボックはポケットの中から黒い尻尾を取り出して見せた。
「今ならこんなものもご用意してるっスよ。これ使えば一発で外れるかも。使います?」
 そう言うハボックが手にした黒い猫の尻尾の先端にはどう見ても大人の玩具としか見えないものがついている。
「まあ、真っ昼間だけどどうせいるのはオレとアンタだけだからいいっスね」
 じゃあ早速、と手を伸ばしてくるハボックに。
「────貴……様ァッッ!!」
 ドーンッ!!と特大の火の玉が命中した。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、元気貰ってます、本当にありがとうございますvv

猫の日ですね。実は全然気づいてなかったのですが、ねこあつめの今日の合言葉が「にゃにゃん」だったので(笑)最初は暗獣はぼっくかなーと思っていたのですが、たまにはハボロイってことで。しょうもない話でスミマセン(苦笑)きっとこの後どうしても猫耳外せなくて結局事に及んだと思われますが続きはありません。霧屋と犬毛相見はエッチのない話なので、ふふふ。

以下拍手お返事です。

なおさま

おお、退院おめでとうございます!どうなさったかと心配しておりましたがよかったですー!バレンタインネタ、ニヨニヨしながら読んで下さってありがとうございます(笑)えっ、ホワイトデーネタでそれを書いてもいいんですか??って、勝手にネタにしますよ、いやホントに(笑)拍手、不具合ですみません(汗)でもコメントは一回しか届いてなかったので大丈夫ですv

はたかぜさま

……ですよね?お名前なかったけど(笑)えへへ、お菓子屋さんハボック、可愛いと言って下さってありがとうございますvvあー、その呑気なハボック、今度書くーvv(すぐ飛びつくヤツ(苦笑)お菓子、美味しそうですか?よかったーv写真載せたいと思いつつ書いたので(笑)マシュマロ、明治屋のマシュマロが美味しいですよー。季節限定で今は桜のマシュマロなんかが出てます。冬季限定のあまおう苺&ミルクのマシュマロは絶品でしたvvそしてホワイトデーリクありがとうございます!めちゃくちゃ楽しそう!是非とも書かせて頂きますよvいつも本当にありがとうございますv
2016年02月22日(月)   No.477 (ハボロイ)

キミはカワイイ僕の黒猫
ハボロイ風味

「寒いと思ったら雪が降ってきたっスよ」
 リビングで本を読んでいたロイはハボックの声に本から顔を上げる。声のした方を見れば両手にコーヒーのカップを手に窓辺に立って、ハボックが窓の外を眺めていた。
「この間降った雪がやっと溶けたところなのに」
 本を置いたロイが嫌そうに呟いて立ち上がる。そのうんざりとした口調にクスリと笑うハボックを睨んで、ロイは窓辺に寄った。
「また積もるんじゃないだろうな」
「どうっスかね。一晩中降ったら明日の朝はまた銀世界かもしれないっスね」
 ハボックの言葉にロイが不満げに鼻を鳴らす。ハボックの手からミルクと砂糖がたっぷり入った方のカップを取り上げて口にした。
「別に積もったところでアンタ、雪かきするわけじゃなし、別にいいじゃないっスか」
「家が雪で埋もれると底冷えする。寒い」
「文句多いなぁ」
 やれやれとため息をついてハボックはカップを持っていない方の腕でロイを背後から抱き締める。黒髪に顔を寄せて言った。
「積もったら寒くないようにあっためてあげるっスよ」
 そう言うハボックの己を包み込む温もりにロイは僅かに目を細める。そのままハボックの腕の中でコーヒーを啜りながら夜の闇から降ってくる雪を眺めていれば、頭上からクスクスと笑う声が聞こえた。
「機嫌がいい猫みてぇ」
「────離せ」
 楽しそうな声にロイは思い切り顔をしかめてハボックの腕から抜け出してしまう。ソファーへ行ってしまうロイを残念そうに見つめたハボックは、肩を竦めてロイが座ったソファーとテーブルを挟んで反対側のソファーに腰を下ろした。
「雪積もったらどうします?散歩でも行くっスか?」
「雪の中を散歩なんて、どうしてそんな考えが浮かぶんだ?凍えるだろうが」
「手ぇつないで歩いたらあったかいっスよ」
「却下」
 折角の考えをにべもなく否定されて、ハボックが眉を下げる。
「雪より冷たいんだから」
 ケチ、とハボックはブツブツと呟いてソファーに脚を上げる。ゴロリと横たわり自分の胸をポンポンと叩いた。
「じゃあ、あったかいところでここに来ません?ほらここ、あったかいっスよ?」
 ニコニコと笑ってハボックがロイを誘う。だがロイはフンと鼻を鳴らすと置いてあった本を手に取った。そのまま本を読み始めるロイにハボックはやれやれとため息をついて目を閉じた。
 コチコチと時を刻む時計の音とロイが本をめくる微かな音だけの部屋に、やがてハボックの規則正しい寝息が加わる。ロイはゆっくりと本から顔を上げると向かいのソファーに横たわるハボックを見た。スウスウと気持ちよさそうに眠るハボックの胸が鼓動に合わせてゆっくりと上下している。その厚い胸板をじっと見つめていたロイは本を置くとそっと立ち上がった。足音を忍ばせてテーブルを回りハボックの側に近づく。ソファーに片膝を乗せ軽く座面が沈んでもハボックが目を覚まさないのを確かめると、ゆっくりとハボックの体に身を寄せた。そうして逞しい胸に顔を寄せる。ゆっくりと上下する厚い胸板は思った以上に寝心地がよくて、ロイは目を細めた。
「あったかい……」
 ホッと息を吐き、ハボックの胸に頬をすり付ける。ソファーの上に投げ出された逞しい腕を引き寄せ落ちてしまわないよう自分の腰に回させると目を閉じた。少しするとロイの唇からも規則正しい寝息が零れる。そうすれば、ハボックがゆっくりと目を開けた。
「ホント猫みたいな人っスねぇ」
 半ば呆れたようにハボックは呟く。自分の胸に頬を寄せて気持ちよさそうに眠るロイの寝顔を見つめてクスリと笑った。
「まあ、そういうとこ好きなんスけどね」
 ハボックは愛しそうに目を細めてロイの額にかかる髪を指先で払いのける。チュッと白い額にキスを落とすと目を閉じた。そうして互いに温もりを分け合いながら静かに雪が降り積もる夜を過ごした。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、本当に嬉しいです、ありがとうございます〜!

このタイトルの続きを歌える方がいるんだろうかと思いつつ、またコメントネタで日記書かせていただきました。「雪景色を窓から見てるロイを後ろから暖めるハボック」と「ソファーで仰向けに寝てるハボの上で寝るロイ(おいでと言われても行かないけど寝てるハボには近づきたい)」っていうのですー。ものすご〜く久しぶりにハボロイ書いた気がします(笑)ネタ、ありがとうございますっ!

それからこっそり募集したバレンタインネタに投下いただきました。うう、ありがたやありがたや……!ヒュハボひとつとロイハボふたつ。頑張ります!!……あ、でも遅刻したらスミマセン(オイ)

以下、拍手お返事です。

阿修羅さま

インフル、流行ってるみたいですね。おかげさまで私は元気しております。それよりも!肋骨にヒビですか?!肋骨って痛いんですよねぇ。昔うちの父がやはりいつの間にかヒビが入ってた事がありました。その当時女性は胸があるので包帯で締められないから大変だと聞いたことがありましたが今はどうなんでしょう……。ともあれお大事になさってくださいね。バレンタインネタ、ありがとうございます!ロイハボ、頑張ります〜!

なおさま

うわ、入院されてるんですか??大丈夫ですか??入院中なのにバレンタインネタありがとうございますーッ!最近脳内ヒュハボ(正しくはヒュ子ハボ)なので嬉しいです(笑)できればエロありで頑張りたい……!どうぞお体お大事に。早く退院されますよう祈っております!

はたかぜさま

姫ハボ、うふふ、先輩も恋する男の子!若いですよね(笑)姫ハボの脚はすらりスベスベで出したりしたら大変なことになると思われます。バレンタインネタ、ありがとうございます!確かにホワイトデーでもいけないことはなさそうですが……うーん。どっちでもいけそうだなぁ……。ともあれ頑張ります!いつもありがとうございますvv
2016年02月01日(月)   No.474 (ハボロイ)

綿アメ
ハボロイ風味

「やっぱ寒いっスねぇ」
 ハボックが長身の背を丸めてポケットに手を突っ込んで歩きながら言う。
「お前が早くに行かないと混んで大変だっていうから早く出てきたんだろう?」
 お前に文句を言う権利はないと、白い息と共に言葉を吐き出すロイにハボックが苦笑した。今朝ハボックとロイは朝早く自宅を出て、毎年大勢の参拝客で賑わう神社へと初詣に来ていた。少しでも混雑を避けるため渋るロイを急かして早くに出てきた甲斐あってもみくちゃにならずに参拝を済ませ、屋台で賑わう参道をのんびり歩いているところだった。
「冷えるなぁ……、あ、甘酒が出てる。飲みます?」
 温かいものでも飲めば少しは温まるのではないかと、甘酒の屋台を見つけたハボックが言う。だが、ロイの視線はその先にあるものへと向いていた。
「────綿アメ?」
 ロイの視線を追ってハボックが言う。「食いたいんスか?」と聞かれてハッと顔を赤らめたロイが否定する間もなく、ハボックは人混みを抜けてさっさと屋台まで走ると綿アメの袋を手に戻ってきた。
「はい、どうぞ」
「────ありがとう」
 買ってきてくれたものを「いらない」と意地を張るのも大人げないと、ロイは照れくさそうにしながらも綿アメの袋を受け取る。かわいいキャラクターが描かれた袋から一つ取り出して、ロイは残った一つをハボックに差し出した。
「いや、オレはいいっスよ」
「嫌いか?」
「いや、そんなことはないっスけど」
「だったら、ほら。私は一つでいいぞ」
 幾ら好きでも二つはいらんと差し出されてハボックは頭をボリボリと掻いた。
「好きとか嫌いとかじゃなくて……。なんか綿アメってカワイイ子が食べないといけない気がしません?絵的に」
「は?」
 唐突にそんな事を言われてロイがキョトンとする。訳が判らんと見つめてくる黒曜石に、ハボックが答えた。
「オレみたいなデカくてごついのが綿アメ舐めてても可愛くないっスよ。やっぱ大佐みたいにカワイイ子じゃないと」
「なんだ、それは。別に誰が食べようが構わんだろう?」
「いや、そこはやっぱり大事っスから」
 そう言って腕を組むハボックをロイは呆れたように見る。馬鹿じゃないのか、と手にした綿アメを齧り伸びた綿を舌先で掬うようにして口に入れるロイを見てハボックが言った。
「ね?ほらやっぱりそう言う食べ方してグッとくるのはカワイ子ちゃんなんスよ〜」
「馬鹿か、お前は」
 ニコニコと顔を弛めるハボックに、ロイはうんざりと言う。それでも大好きな甘い綿アメを啄むように食べれば、じっと見つめてくるハボックの顔をロイは恥ずかしそうに手で押しやった。
「まあいい。食わんのならもう一つも私が──」
「あっ、待って待って」
 食べると言いかけたロイの手からハボックが綿アメの袋を取り上げた。
「なんだ、食わないんじゃないのか?」
 大男は食べられないんだろう?とロイが言えば。
「えっとね、誰も見てない家でならオッケってことで。やっぱ食いたいし」
 エヘヘとハボックが笑う。
「食いたいなら素直にここで食べればいいだろう」
「いやいや、絵面は大事っス」
「ぐずぐずしてるとしぼむぞ」
「うわわ、それじゃあ急いで帰るっスよ」
「あっ、おい!」
 言うなりロイの手を掴んで走り出すハボックに、慌てて駆け出すロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励まされます、嬉しいですvv

ちょっと遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。結局クリスマスもお正月も玄関すら変えないまま過ぎてしまいましたー。日記も気がつけば滅茶苦茶久しぶり……。ネタはあったのですが、脳内妄想で満足しちゃってました。ちゃんと吐き出さなきゃダメですね(苦笑)こんな感じですが、今年もどうぞよろしくお願い致します(ぺこり)

んで、久々日記でハボロイです。先日初詣に行った時「綿アメは美少女が食べてないとダメ」って話が出たもんで。いやそれって物凄い偏見なんじゃ(苦笑)自分も含めてダメと言いつつ、「あ、でも家とか誰も見てないとこならオッケーだから」と言うので笑ってしまいましたがね(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

読書、そうそう、ぐりとぐらです。やっぱり卵焼きっていうイメージですよね。ブラッドレイ爺さんの絵本!いーや〜〜〜ッ(爆)でもシリコンカバー付きハボ板なら3万センズでも買……(爆)風、スコーンと矢がささりましたでしょう?(笑)ロイ、なかなか挽回出来ないですね、自業自得か(笑)セレスタ、やっと「愛してる」って言えました。どんだけかかったんだか(苦笑)じっくりたっぷり愛ある快楽を教え込んで上げて欲しいと思いますvクリスマス、お正月とゆっくりお過ごしになられましたか?私はなんだかいつの間にか過ぎた感じです。大掃除、それなに?って感じだったし(苦笑)今年も相変わらずな感じだと思いますが、どうぞよろしくお願い致しますvv

2015年、明けましておめでとうございます♪  の方

あけましておめでとうございますvこちらこそ、今年もどうぞよろしくお付き合いお願い致しますねvv

阿修羅さま

遅くなりましたがこちらこそ昨年はお世話になりました。今年もどうぞよろしくお願い致しますvお体どうぞ大切になさって、うちのハボが気分転換のお役に立てたら嬉しいですv

本年も毎晩こっそりとお邪魔させていただきます  の方

あけましておめでとうございますvこっそりと言わずこんな風に足跡残して頂けると励みになりますーvこれからものんびり長く続けていけるよう頑張りますので、本年もどうぞよろしくお願い致しますv
2015年01月08日(木)   No.432 (ハボロイ)

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  Photo by 空色地図

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