CP:ロイハボ(R15)
「ありがとうございました」 ハボックはそう言って花束を手に店を出て行く男の背に向かって頭を下げる。体を起こしてホッと息を吐くと、ラッピング用のリボンのロールを引き出しにしまった。 「あ」 そうすれば作業用の机の端に本が置いてあることに気づく。どうやらさっきの客が、支払いの時に置いて忘れていったようだった。 「まだ近くに……、いないか」 慌てて外に飛び出し左右を見回したものの、どこか角で曲がったのか男の姿は見えない。ハボックはため息をつくと店の中に戻った。外から戻れば花の香りが強く感じられる。汚してしまわないよう本を店の棚にしまったハボックは、足をもつれさせて縋るように作業机の端を掴んだ。店の中に漂う花の香りが躯に纏わりつき、ハボックの背をぞわりと震わせる。そんな風に感じる理由に思い至って、ハボックはキュッと唇を噛んだ。 昨夜、呼ばれるままロイの家を訪れ躯を重ねた。それだけなら恋人同士である二人なのだからなんら問題はない。問題なのはその時使われた“道具”だった。 『お前には薔薇の花がよく似合う』 ロイはそう言ってハボックが育てた新種の薔薇をベッドの上にばらまいた。それだけならまだしもあろう事か、薔薇の花びらをハボックの後孔に押し込んだのだ。嫌がるハボックを押さえ込み芳しい香りを放つ花びらを次々と押し込んだ蕾に、ロイは己の剛直を突き入れ滅茶苦茶に掻き回した。激しい動きに押し込まれた花びらが潰れ、ベッドにばらまかれた薔薇以上に強い香りを放つ中、ハボックはその香りに酩酊したように快楽に溺れあられもない声をあげまくってしまった。行為の後は後で、ロイの長い指で花びらを掻き出されればそこでまた悶えさせられることになり――。結果、今ハボックは自分の店に並べられた薔薇の香りで躯が疼いてしまうという、退っ引きならない状態に陥ってしまっていた。 「オレの薔薇であんな事するから……っ」 今はここにいない男を責めるように言っても疼きが収まるわけではない。緩く頭を振って纏いつく香りを追い払おうとしてみたが、所詮無駄な努力でしかなかった。 「ヤバい……」 薔薇の香りを意識しないようにと思えば思うほど、香りは強く甘く漂ってくる。気がつけばボトムの中で楔がキチキチに張り詰め、蕾が物欲しげにヒクついていた。 「くそ……」 ハボックはヨロヨロと店の奥へと入る。扉を開けて普段仕入れた花をより分ける作業に使っている小部屋に入ると、倒れるように椅子に座り込んだ。 「こんなところで……」 駄目だと頭の片隅で思いながらも手はベルトを緩め下着ごとボトムをずり下ろしてしまう。押さえ込む物をなくしてブルンと立ち上がった楔を片手で握ると、ゆっくりと扱きだした。 「あ……ふ……」 ほんの数回扱いただけでトロトロと溢れた蜜が滴り落ちる。楔を辿り双丘の狭間へと流れた蜜が蕾を濡らせば、ハボックは空いた手の指をグッと潜り込ませた。 「アアッ!」 喉を仰け反らせてハボックは喘ぐ。花の香りが満ちる小部屋で、ハボックは夢中になって楔を扱き、蕾を掻き回した。 「んんッ!あっあっ……も、イく……ッ、イ――」 靴の踵で床を蹴り躯を突っ張らせたハボックが今まさに果てようとした時。 「なんかスゴイ事やってんな、アンタ」 「ッ?!」 聞こえた声にハボックはギクリと躯を震わせる。引き瞑っていた目をゆっくりと開ければ、部屋の扉のところに立って面白そうに己を見下ろす男の姿が見えた。 「本を忘れたから戻ってきて、店の中に姿が見えなかったから入ってきたら……まさかこんな面白いものが見られるなんてなぁ」 返す言葉もなく凍りついたまま目を見開くハボックに男はゆっくりと近づいてくる。どうやら途中で本を忘れた事に気付いて戻ってきたものの、本もハボックも見当たらなくて勝手に奥まで入ってきたらしかった。 「ふぅん、アンタってソッチの人だったんだ。なに?男がいなくて躯持て余してんの?」 男は言いながらハボックのすぐ側までくると舌なめずりする。しどけなく開いたハボックの白い内股に手を伸ばしてきた。 「でっ、出てけッ!!」 「そんな事言うなよ、アンタ、俺の彼女より色っぽいな。欲しいんだろ?指よりデカいもの挿れてやるぜ?」 男はそう言ってハボックの腿に触れる。ビクッとハボックが震えるのを見て、男はニヤリと笑うと己のズボンを緩めた。そうしていきり立った楔を取り出す。赤黒く光る男根を軽く扱くと、蕾に指を埋めたままのハボックの手首を掴んだ。 「ほら、こっちの方がいいだろ?」 「や……、アッ!!」 男はそう囁いて強引に蕾から指を抜く。咥える物がなくなって欲しがるように蠢く蕾を目の当たりにして、男は息を荒げてハボックに圧し掛かってきた。 「やだッ、来るなッ」 「遠慮すんなって、欲しいんだろ?」 男は興奮に掠れた声で囁くとハボックの脚を押し上げ腰を突きつける。必死に押し返そうとするハボックに乗り掛かるようにしてグッと楔を押し込んだ。 「――――嫌ッ!」 そそり立った男の剛直がハボックの蕾を押し開き中に押し入ろうとする。ぬめりを帯びた先端がぬぷりと音を立てて入り込んで、ハボックは悲鳴を上げた。 「嫌ッ!イヤだッ!やめろッ!」 「大人しくしろって……欲しかったんだろ?――――くれてやるよ」 男はハアハアと息を弾ませて強引に体を進めようとする。押し入ってくる凶器を拒もうと、ハボックは必死になって身を捩った。 「やだァッ!」 「暴れるなって」 男の手がハボックの腰をがっちりと掴みゆっくりと猛る楔が押し入ってくる。もう駄目だとハボックが目をギュッと閉じた時、不意に圧し掛かってくる重みがなくなった。 「そこまでにして貰おうか」 「うわッ、なにしやがるッ!」 「……え?」 驚いてハボックが目を開ければ、ロイが男の首根っこを掴んでハボックから引き剥がしている。ロイは男の襟首を掴むとその顎を思い切り殴った。 「グハッ!」 殴られて床に倒れ込む男の脚の間にロイはダンッと足を踏み入れる。あと数ミリで股間を踏み潰されそうになって、男は情けない声を上げた。 「次は踏み潰す」 「ヒィィッ!」 低いロイの声に本気を感じ取って、男は這うようにして逃げ出していく。ロイはフンと鼻を鳴らすとハボックを振り向いた。 「……マスタングさん」 「一体どうしてあんな――――薔薇の香りにあてられたか」 ハボックの表情から大方の事情を察したロイにそう言われてビクリと震えたハボックが、涙に濡れた瞳でロイを睨み上げる。その視線に苦笑してロイが空色の瞳に手を伸ばせば、ハボックがその手を払いのけた。 「マスタングさんの馬鹿っ」 「ハボック」 ロイはボロボロと泣き出すハボックの手を掴みその身を抱き締める。罵る言葉を紡ぐ唇を塞いで深く貪れば、ハボックの躯から力が抜けていった。 「……二度と他の奴に触れさせるな」 「ん……ん……マスタングさ……」 縋りついてくる躯を組み敷いて、ロイはゆっくりとハボックの中に己を沈めていった。
いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もありがとうございます。
この間の花屋ハボックの続きです。前回のを書いた時点でこれはもうネタとしてあったので書いてみました〜。
元々自家発電が主体でやってきましたが、最近充電できる萌え補給ポイントが限りなくゼロに近くなって、サイトを続けて行けるだけのテンションを保っていられるのかなんだか自信がなくなってきました……。ハボックの事は大好きだし書きたい話も沢山あるのですが…自家発電するにもガス欠しそう(苦)とりあえず充電努力中。発作的にサイト削除だけはしないよう気をつけたいと思ってますorz
以下、拍手お返事です。
なおさま
前回に続いて今回は微?エロです(笑)やっぱりロイはエロオヤジですか(爆)ええもう、じっくり念入りに掻き出してくれました。おかげですっかりパブロフの犬状態(笑)人気の花屋、ウケちゃいましたよ(笑)「セレスタ」はまだまだハボックには苦労して貰おうと思ってます(苦笑)パワーの中尉がいたら力技で解決してくれそうですよねv
|