ロイハボ

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2022年06月08日(水)
黒スグリ姫〜甘い時間
2021年06月08日(火)
ロイハボの日8
2020年06月08日(月)
六月八日7
2019年06月08日(土)
六月八日
2018年09月02日(日)
黒スグリ姫30
2018年06月08日(金)
六月八日 その6
2017年06月29日(木)
六月八日 その5
2017年06月19日(月)
六月八日 その4
2017年06月15日(木)
六月八日 その3
2017年06月11日(日)
六月八日 その2

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

黒スグリ姫〜甘い時間
ロイハボ風味

「先輩のそれ、カッコいいっスよね」
「えっ?」
 パチンと懐中時計の蓋を閉めたロイは、感嘆したような声に傍らのハボックを見る。そうすればロイの手元を覗き込んでいたハボックが閉めた懐中時計の蓋を指さして言った。
「その蓋の模様もだし、そもそも懐中時計っていうのがカッコいいっス」
「そういうもんか?」
 自分ではカッコいいなどと思ったことは全くないロイとしては、そう言われてもピンとこない。ハボックに手渡せば大事そうに両手で受け取って、蓋に刻まれた火蜥蜴の紋様を指先で撫でた。
「これって……トカゲっスか?」
「火蜥蜴だな、サラマンダーだ。聞いたことないか?」
 そう聞かれてハボックは首を傾げる。
「んー、……ゲームとかでならあるかも?」 
 自信無げにそう言うのを聞いて、ロイはクスリと笑った。
「火蜥蜴は古代ギリシャや錬金術で火の象徴とされてるんだ。苦難に負けずに己の信念を貫き通す、そんな意味合いがあるんだよ」
「へぇ、そうなんスね」
 説明を聞いて、ハボックが感心したように頷く。パチンと蓋を開けて洒落た文字盤を見ながら言った。
「これ、誰かからの……プレゼント?」
 文字盤を見ていた視線をロイにチラリと向けて尋ねてくるハボックの、その空色の瞳に浮かぶ感情にロイは笑みを浮かべる。軽く肩を竦めて答えた。
「確かに貰ったものではあるが、くれたのは私の祖父だよ。学者でね、子供の頃はよく話を聞きにいってた。私が中学生の頃に亡くなってしまったが」
「えっ、じゃあ大事なものなんスね!」
 ロイの言葉にハボックが慌てて懐中時計を返してくる。ごめんなさい、ともごもごと謝罪の言葉を口にするハボックにロイは笑みを浮かべて言った。
「祖父との時間は確かに私に大きな影響を与えたし、この火蜥蜴の紋様もある意味私のしるべになっているのは確かだ。でも、所詮は時計だしな。気に入ったのならやろうか?」
 と、受け取ったばかりの懐中時計をもう一度差し出せば、ハボックが慌てた様子で両手を振った。
「そんな大事なもの貰えないっス!!それに、オレには似合わないっスもん!」
 ブンブンと首を振るハボックにロイは手にした懐中時計を見る。鎖をたぐるようにして持ち替えるロイにハボックが言った。
「やっぱり先輩が持ってた方が似合うっス」
「時計に似合うも似合わないもないだろう?」
「オレが持ったらおもちゃにしか見えないっスもん。それにおじいさんだって先輩に持ってて欲しいと思うっスよ」
 だから、先輩が持ってて、と懐中時計持った手ごと押し返されて、ロイはフムとため息を零すと時計を隠しにしまった。

 数日後。
「ハボック、これ」
「えっ?」
 と、リボンをかけた細長い箱を差し出されてハボックは目を見張る。尋ねるように見つめればロイが笑って言った。
「懐中時計は受け取れないというから」
「えっ、でも、貰う理由がないっス」
 誕生日でもクリスマスでもないこの時期にロイからプレゼントを貰う理由がない。そういって首を振るハボックにロイが苦笑して言った。
「恋人にプレゼントするのに理由がいるのか?」
「こっ、恋人ッ?!」
「違うのか?」
 仰天して声を張り上げればほんの少し寂しげな声が返ってきて、ハボックは顔を紅くして首を振る。差し出された箱をおずおずと受け取れば、ロイがホッとしたように笑った。
「開けてみてもいいっスか?」
「勿論」
 笑って頷くロイにハボックは金色がかったブラウンのリボンを解き、白い箱を開ける。そうすれば現れた腕時計に目を見張った。
「これ……」
 銀色の針が刻を刻む綺麗な空色の文字盤に白い線で火蜥蜴が描かれている。白いカーフレザーのバンドがついたボーイズサイズのそれをハボックは箱からそっと取り出した。
「前に見かけたことがあったんだが、火蜥蜴なんて珍しいと思って覚えてたんだ。形は違うが同じ火蜥蜴、ペアにならないか?」
「ペア……先輩とお揃い……」
 ロイの言葉にハボックは顔を紅くして呟く。手にした時計をそっと胸に抱き締め、ロイを見てにっこりと笑った。
「ありがとうございます!すっげぇ嬉しい……ッ」
 頬を染めて礼を言うハボックにロイはドキリとする。ハボックの手から腕時計を取り上げ左の手首に巻き付けて金具を留めた。
「わ……似合うっスか?」
 留めて貰った腕時計を翳してハボックが言う。嬉しそうに笑うハボックの腕時計を巻いた手首を掴んでそのしなやかな躯を引き寄せた。
「ああ、思った通りとても似合う……これからも一緒の時間を過ごしていこう」
「────ッ、はいッ!」
 言えば真っ赤な顔で頷くハボックを抱き締めて、ロイはその唇に深く口づけた。


遊びにきてくださった皆さまにはどうもありがとうございます!拍手ぽちぽちもとっても嬉しいですv
さて!ロイハボの日でございます。例の続きはどうしたと言われそうですが、やっぱりエロ続きで他のもの書きたいってなっちゃいました(苦笑)そんなわけでお久しぶりの姫ハボでーす!何かプレゼント……でも指輪でもネックレスでもピアスでもないよなぁってことで、こんなんになりました(笑)ちなみにロイがあげた腕時計はアニエスべーのレザールをデザインした時計です。実物は文字盤が空色というよりシルバーがかった水色なんですが、ここはほら、ハボックだから空色ってことで(笑)お値段も発売当初は30,000円位だったので、大学生のロイならプレゼントできるなぁと。厳密には火蜥蜴じゃなくてトカゲなんですが、まぁそこは妄想で修正ってことで(笑)ロイハボの日、幸せな二人でハッピー気分をお裾分けできたら嬉しいですv それにしても、また姫ハボに振り回されるロイを書きたくなってきましたよ(笑)

以下、拍手お返事です。

たねさま

いつもありがとうございますv えへへ、堪能して頂けたご様子、嬉しいですvv どちらの大佐も狡くてハボックに狂ってる……うふふ、やっぱりハボに対する大佐はそうでないとですよね!ふと気づいたのですが、自分がハボにめちゃラブだからうちの大佐どもはハボック激ラブなんだなぁと(←今更、笑)これからもうちのハボックとハボ狂いの大佐をよろしくお願いしますv
2022年06月08日(水)   No.529 (ロイハボ)

ロイハボの日8
「早くしろッ、どこだ、その店はッ!?」
 ロイは前を歩くレニの大柄な体をど突く。突き飛ばされてよたよたと数歩歩いたレニは丁度差し掛かった路地を指さして言った。
「この先です、もうすぐですから殴らんでください……ッ」
 ビクビクと震えながら言うレニを、だがロイは容赦なく殴りつけた。その秀麗な顔に似合わない強烈なパンチによろめいたレニは、半泣きになりながら足を早める。ロイは苛々としながらその大柄な背を追った。
 本当なら全速力でハボックの下へ駆けつけたい。だが、あまり柄のよくないこの界隈に詳しくないロイは怯えて要領を得ない説明を繰り返すレニにキレて、殴り倒したレニの大きな体を引きずり起こしど突きながら漸くここまでやってきたのだった。
「もしハボックの身に何かあってみろ、お前もお前の仲間も消し炭にしてやる……ッ!」
 低い、だがよく通る声でそう告げるロイにレニは震え上がる。レニはもつれる足を必死に動かして路地の奥へと進んだ。
「あ、あの店ですッ!あの店の奥の個室で薬入りの酒飲ませて、み、みんなで……ッ」
「薬、だと?」
「逃げられないように薬入りの酒、飲ますんです────あっ、そんなに変な薬じゃないですよッ、ちょーっと体の力が抜けるっていうか、動けなくなるだけで……ッ」
「十分変な薬だろうッ!」
 ロイは言い訳がましい言葉を連ねるレニの顔を思い切り殴る。体重を乗せたパンチに吹っ飛んで、路地に積まれた木箱に突っ込むレニをそのままに、ロイは教えられた店の扉に向かって走った。
「薬だとッ?!ふざけやがってッ!」
 普段のハボックであればチンピラの五人や十人相手にしたところで何の苦もなくぶちのめせるだろう。だが、薬で体の自由を奪われたのだとしたら。
 ロイは頭に浮かんだ嫌な考えを吹き飛ばすようにたどり着いた扉を開ける。叩きつけられるように開かれた扉にギョッとして振り向いた店員が声を上げるよりも先に、ロイはドカドカと店の中へ駆け込んだ。
「ちょ……ッ、なんなんだ、一体?!」
 慌てて駆け寄ったもののロイの黒曜石にジロリと睨まれて、店員は口を噤む。店員の背後に扉を見つけて、ロイは目を細めた。
「あそこかッ」
 ドンッと店員を突き飛ばしロイは扉に駆け寄りながら隠しに手をやる。取り出した手袋を填める動作の流れのまま手を突き出すと指をすり合わせた。

 ヨアヒムとニコラスに腕を左右から押さえ込まれたハボックは何とか逃れようとしてもがく。それをあざ笑うように脚を抱え込んだキースが、熱く滾った塊をジェルに濡れた蕾に押し当てた。
「もう観念して素直になれって。ぶち込まれたくて堪んねぇんだろ、ホントは。へへ、ピクピク動いてるぜ、アンタのココ」
 下卑た笑いを浮かべた唇を舌で舐めてキースが言う。恐怖に見開く空色を見下ろしてハアハアと荒い息を零すキースに、ニコラスが焦れて言った。
「おい、さっさとしろよッ!後がつかえてんだ、とっとと突っ込まねぇなら代われッ!」
「待てよ、この怯えた顔見ながら突っ込むのがいいんだよ……さぁ、今挿れてやるからなあ……」
 クツクツと笑うキースがグイと腰を突き出す。熱く濡れた凶暴な切っ先がヌチと嫌な音をたてて慎ましやかな蕾を押し開こうとする感触に、ハボックは涙に濡れた瞳を見開いた。
「やだ……ッ!嫌だァッッ!!」
 ハボックの唇から拒絶の言葉が迸った、その瞬間。
 ドオオンッッ!!と轟音と共に部屋の扉が吹き飛ぶ。吹き飛んだ扉がテーブルの上のグラスをなぎ倒すのを見たキースたちは、扉がなくなった入口に立つ男に目をやった。
「な、なんだ、てめぇッ?!」
「お前、どうやってドアを……?!」
「おいっ、どうなってんだ?!ウル!こっちに来させんなッ!」
 口々にわめき立てる男たちをロイはジロリと睨む。その視線の苛烈さに一瞬怯んだ男たちだったが、次の瞬間大声で叫んだ。
「てめぇ、勝手に入ってくんじゃねぇよッ!ここはメンバー限定だッ!」
「そうだぜ、折角仲間で楽しんでんだから邪魔すんじゃねぇ!」
「それともアンタも混ぜて欲しいってか?それでもいいぜ、結構スキモノそうだからよ、コイツ」
 ハボックの脚を抱えたままキースが下卑た笑いを浮かべる。
「俺たちが楽しんだ後だったら回してやっても構わねぇよ?とりあえずはそこで見てな、まずは俺のイチモツで──」
 ヒヒッと笑って押し当てた楔を突き入れようとすれば、押さえ込まれたハボックの唇から掠れた悲鳴が上がる。「たいさ」と助けを求めたハボックの涙混じりの声が聞こえた瞬間、ロイのパンチがキースの頬に炸裂していた。
「グハッッ!!」
 強烈なパンチに壁まで吹き飛んでイチモツを曝け出した情けない格好でのびたキースを目を丸くして見やったヨアヒムに振り向く暇も与えず、ロイはヨアヒムの後頭部に回し蹴りを叩きつける。悲鳴も上げられないまま仲間が昏倒するのを呆然と見ていたニコラスは、ヨアヒムを蹴り倒した勢いのまま迫ってくるロイに、慌てて押さえ込んでいたハボックの腕を引き上げ盾にした。
「待てッ!待ってくれッ!」
 ハボックの体を抱え込んでニコラスは声を張り上げる。ハボックを盾にされて一瞬動きの止まったロイを見上げて、ニコラスはへらりと笑った。
「コイツ、アンタの知り合いだったのか?わ、悪かったよ、俺たちも酒が入ってちょっと悪のりしちまって……。ほら、返す、返すから!まだなんもしてねぇ、キースが突っ込みかけたけど、入口突っついただけだからッ!少なくとも俺はまだなんもしてねぇからッ!なッ?」
 一気にまくし立ててニコラスはハボックの体を押しやる。ドンと押されてふらりと傾ぐ体を受け止めて、ロイはニコラスを睨んだ。
「悪のりして薬の入った酒を飲ますのか?自由を奪って嬲り物にするのを『仲間で楽しむ』──だと?」
「あ、いや、それはそのちょっとした行き違いが──」
 慌てて顔の前で両手を振るニコラスにそれ以上の言い訳を許さず、ロイは発火布を填めた指をすり合わせる。次の瞬間サラリとした黒髪が燃え上がって、ニコラスは悲鳴を上げて燃える髪を必死に叩いた。
「下衆が……ッ」
 短くロイが吐き捨てた時、腕の中のハボックが身じろぐ。ハッとして剥き出しの肩を掴めば、ハボックが弱々しくロイを押し返した。
「や……ッ、ヤダ……ッ!たすけて、たいさ……ッ」
「ハボック、しっかりしろ!私だ、もう大丈夫だ!」
 耳元で聞こえる声に、もがいていたハボックの動きが止まる。目を開ければ目の前にあるロイの顔に、ハボックの瞳が大きく見開いた。
「……たい、さ?」
「ああ、もう大丈夫だ。遅くなってすまなかった」
「たいさ……たいさ──ッッ!!」
 頷けばボロボロと涙を零してしがみついてくるハボックの体を、強く抱き返してロイは漸くホッと息を吐いた。


決して怒らせてはならぬ御方を激怒させてしもうた(byハクロウ)
ってなわけで、いえーい、ロイハボの日ですよ、みなさん!怒れる大佐、漸く姫君奪還ですー!パチパチパチ〜v いやー、長かった〜、何年越し?(笑)とりあえずこれで一息……って、この後大事なお清めエッチですねっ!つか、これが一番大事なところ?(笑)流石に一気に書き上げたい……うん、頑張りまっする〜!
そうそう、今回登場するモブキャラたちの名前はPS2のRPG「シャドウハーツ」から拝借しています。いや〜、めっちゃ好きなんですよ、このゲーム。今でもたま〜にPS2引っ張り出してやってみたり。流石に画質はアレですが、ストーリーもゲームシステムもめっちゃ好きv できることなら新しいハード用に焼き直してほしいけど、これ作ったゲーム会社、解散しちゃってもうないみたいなんですよね〜。どっか権利を買い取って作ってくれないかなぁ。と、書いていたらまたぞろやりたくなってきました(笑)
ゲーム、今はSwitchの「ゼルダ無双」やってます。とりあえずクリアしてクリア後要素をやっているところなんですが、操作可能キャラが増えない……。息子によるとあと三人いるはずなんですが、ちっとも出てこないんだよなぁ。やっぱ全員ちゃんと強化しないとダメなのかしらん。素材もルピーも全然足りないんだが(苦)そろそろ次の「天穂のサクナヒメ」やりたいな〜。これ、キャッチフレーズが「米は力だ!」って、主人公育てるために米作りするんですよ。しかもハンパなく本格的に。ゼルダも楽しいけどそろそろ次のゲームに移りたい。あ、でもその前にロイハボロイハボv 頑張ります(笑)
2021年06月08日(火)   No.522 (ロイハボ)

六月八日7
CP: ロイハボ (R18)(相手はロイじゃないですが(苦笑)

「んっ……ふぅ……ンァ……ッッ!」
 大きく押し広げられた股間に顔を埋めたニコラスが、ハボックの色の薄い楔を唇でジュブジュブと扱く。それと同時に双球をぐりぐりと指で捏ねられてハボックは身悶えた。眉間に皺を寄せ甘ったるい息を零すハボックの様子に、胸を嬲っていたヨアヒムが興奮して肌にぴったりと張り付いたハボックのシャツの襟元に手をかけた。かけた手を力任せに引けば、ビリビリと派手な音を立ててシャツが裂ける。その音に、ハボックの口内を思うまま舌で嬲っていたキースが顔を上げた。
「おいおい、そんな事して、おうちに帰れなくなっちまうだろ?」
「帰るなんて気になんてならねぇさ。こんな色っぽい声あげて、ヤって欲しくて堪んねぇんだからよ」
「待ってる相手がいるとか言ってなかったか?」
「もうそれどころじゃねぇさ────なぁ、ジャン?」
「アアッ!」
 言うなりヨアヒムが剥き出しにした白い胸を飾る二つの果実を思い切り指で摘まんで引っ張る。敏感な胸を乱暴に弄られて、ハボックは痛みと共に沸き上がる快感に甘い悲鳴を上げた。
「やめ……やめて……ッ!────ア……ッ、ヤ、アッッ!!」
「へへ……ほら見ろ、この顔。たまんねぇな」
 ゆるゆると首を振って身悶えるハボックの様に、ヨアヒムが下卑た笑いを零す。キースと顔を見合わせてクククと笑うと、ハボックの股間に顔を埋めているニコラスを見た。
「おい、そろそろ本番といこうぜ?」
「ああ、俺もいい加減我慢の限界だぜ」
 ヨアヒムの言葉に頷いて、キースがボトムをくつろげる。そうすればブルンと勢いよく飛び出した楔に、ヨアヒムが笑って言った。
「相変わらず凶悪なもんつけてやがんな」
「へへ……これがあればどんな相手もよがりまくりよ。お前もやってみたらどうだ?」
 そういうキースの逸物には鬼頭を左右水平に貫通する形でピアスが取り付けられている。自慢げに腰を突き出すキースに、ヨアヒムは肩を竦めて言った。
「俺様のモンはそんなものつけなくても十分啼かせられるからよ」
「フン、そうかよ。だったらどっちの方がコイツをアンアン啼かせられるか、勝負してみるか?」
「おお、いいぜ?────って、ことで、ニコル。さっさと突っ込ませろよ」
 二人で勝手に話を決めてヨアヒムはニコラスを急かす。思うままハボックの楔を嬲っていたニコラスはハボックの股間から顔を上げると、手の甲で口元を拭った。
「仕方ねぇな、お前ら」
 そんなしょうもない勝負しやがってと、ニコラスはニヤニヤと笑いながらボトムの尻ポケットからチューブを取り出す。ハボックの脚を押し広げ、双丘の狭間で息を潜める蕾を指先で撫でた。
「アッ、いやッ!」
 やわやわと蕾を撫で回す指先にハボックが悲鳴を上げる。拒絶の声に構わず、ニコラスは指でハボックの蕾を押し開くとキャップを外したチューブの先端を潜り込ませた。
「ヒ……ッ!」
 グイと潜り込んでくる堅い先端に、ハボックの躯がビクリと震える。ニコラスがチューブを持つ手に力を入れれば、にゅるりと押し出されたゼリーがハボックの中へと入ってきた。
「ッ!や……ヤダぁ……ッッ!!」
 にゅるにゅると躯の中に押し込まれるゼリーの感触に、ハボックは目を見開いて首を振る。何とかチューブを抜こうと力の入らない躯を必死に捩るハボックを見下ろして、男たちが下卑た笑い声を上げた。
「逃げるなよ。痛い思いしたくねぇだろ?」
「そうだぜ、これから俺のコイツをぶち込まれるんだからな」
「いい子にしてな。そうすりゃお前も楽しめるんだからよ」
 口々に勝手なことを言って、男たちがゲラゲラと笑う。ニコラスはチューブを抜いて背後に放り投げると、ゼリーに濡れた蕾に指を突っ込んだ。
「ヒイィッッ!!」
 乱暴に指を突き入れられて、ハボックの唇から悲鳴が上がる。グチュグチュと思うまま蕾を掻き回しながらニコラスはハボックの顔を覗き込んだ。
「クク……ッ、すぐに思い切り味合わせてやるからな。楽しみだろ、ジャン」
「ヤダ……ッ、ヤダぁッッ!!」
 グチュグチュと掻き回す指に、ハボックが激しく首を振る。掻き回される蕾の奥からじわじわと沸き上がってくる熱いものに、ハボックは涙に濡れた瞳を見開いた。
「あ……?い、イヤだ……ッ」 
 沸き上がってくるその熱い塊が快感だと気づいて、ハボックの瞳が更に見開かれる。背筋を這い上がってくる快感に唇を震わせるハボックを見て、ニコラスがニヤニヤと笑った。
「ふふ……効いてきやがったな」
「媚薬入りのゼリーか。そろそろ良さそうだな」
 掻き回す指を二本三本と増やしていくニコラスと、ビクビクを躯を震わせるハボックにキースが唇を舌で舐める。「おい」と急かすように肩を付かれて、ニコラスはやれやれとキースを見上げた。
「ちったぁ我慢できねぇのか、お前」
「もう十分だろ?後は俺様のもんでこじ開けてやるよ」
「おい、無理して血塗れは嫌だぜ?長く楽しめなくなるだろうが」
 女と違い無理をすれば傷つけ下手すれば多量に出血することもあり得る。大事にしてやろうなどという気は微塵もないが、出血で弱らせて楽しむ時間が減るのはごめんだとヨアヒムが眉を寄せた。
「キヅイんだよ、コイツのここ。三本入れてっとキツキツ。入れたら堪んねぇぜ、きっと」
 ハボックの蕾を三本の指で掻き回しながらニコラスが言う。見るからにキュウキュウと指を締め付けているソコに、ゴクリと喉を鳴らしたキースがハボックの楔に手を伸ばした。
「クク……掻き回されて勃ててやがるのかよ。顔に似合わず淫乱だな────クソッ!早く突っ込みてぇッッ!!」
「ヒィィッ!!」
 大声を上げると同時にキーズの手がハボックの楔を力任せに握る。急所を乱暴に掴まれて悲鳴を上げたハボックの蕾がキュンと指を締め付けるのを感じて、ニコラスがニヤリと笑った。
「へぇ、痛くされるのが好きなのか?ジャン」
「……ッ、ち、違う……ッ!」
「違わねぇだろ────おい、キース」
「おう────どれどれ」
 目配せしてくるニコラスに頷いて、キースがハボックの鬼頭に思い切り爪を立てる。柔らかい部分に刺さるほど爪を立てられて、ハボックの唇から悲鳴が迸った。
「ヒィィィッッ!!い……たァッ!!」
 ハボックは悲鳴を上げて背を仰け反らせる。酷い仕打ちにも萎えるどころかそそり立った先端から蜜を滲ませる楔に、キースがニヤニヤと笑った。
「可愛い顔してヘンタイじゃねぇか。俺らで輪姦(まわ)して滅茶苦茶にしてやったらきっと大喜びだな」
「違いねぇ!」
「アヒィッッ!……痛いッ!!やめ、て……ッッ!!やめ……ッ、ヒィッ!!

 ゲラゲラと嘲笑(わら)いながら楔に爪を立て、蕾を乱暴に掻き回す男たちの手に、ハボックの唇から切れ切れの悲鳴が上がる。空色の瞳を涙に濡らし、ビクビクと震えながら悲鳴を上げるハボックの姿を男たちが欲望にギラギラと輝く目で見つめた。
「おい、いい加減そろそろいいだろう?」
「そうだぜ、最初はキツくても一度ぶち込んじまえばなんとかなる」
「────痛いのがお好みらしいしな」
 ヨアヒムとキースの言葉にニコラスが頷く。グリリと内壁を抉るように指を回して乱暴に蕾から引き抜けば、ハボックの躯が大きく仰け反った。
「ヒャウウッッ!!
 空色の瞳を大きく見開いてハボックは息を弾ませる。ギラギラとした瞳で見下ろしてくる男たちを見上げて、ハボックは小さく首を振った。
「いや……嫌だ……ッッ」
 どうしてこんな事になってしまったのだろう。自分はただ楽しみにしていた約束を反故にしたロイをほんの少しだけ困らせたかっただけなのに。
「さぁ、たっぷり楽しもうぜ、ジャン」
「輪姦(まわ)されたくてここまでついてきたんだろ?可愛がってやるからな」
「じゃあ、まずは俺様のをぶち込んでやるよ」
 口々に勝手なことを言って男たちが下卑た笑いを零す。ニコラスを押しのけるようにしてキースがハボックの脚の間に体をねじ込んだ。
「さぁ、たっぷり味わえよ」
 そう言ってキースはハボックの長い脚を掴んで押し上げる。ジェルで濡れた蕾に凶悪な男根が押し当てられるのを感じて、ハボックは恐怖に目を見開いた。
「やめ……ッ、やめてッッ!!嫌だッ!!────たすけて……たいさッッ!!」
 力の入らない躯を捩って何とか逃れようともがきながら、ハボックは恐怖に掠れた声でロイを呼んだ。


遊びに来て下さっているみなさま、いつもありがとうございますv
今年は書けましたよ、ロイハボの日v 本当はロイが乱入してくるところまで書きたかったのですが、思ったより長くなっちゃったのでハボックピーンチのところまでとなりました(笑)いい加減助けてやれと言われそうですが、つい楽しくてうっかり(コラ)
昔、姫騎士、王騎士を書いてた時もめっちゃ途切れ途切れで連載してたなぁと思い出しながら、そろそろ終わらせんとダメだろうと思ってます、一応(笑)で、出来るだけ早く続き、頑張ります〜(汗)

あまりに久々の日記更新だったので、もう読んで下さる方もいないかもと思っておりましたら、ありがたいことにコメントや拍手を頂きました。本当に嬉しいです、ありがとうございます!ボチボチ書いて行けるよう、頑張りたいと思いますー、えへへv 日記だけでなく途中で放置してる連載も、とは思っておりますが、如何せん書くためには最初から読み返さないとっていうね……。プロットないんで何をどこまで書いているのかさっぱり判んない(苦笑)セレスタなんて140話越えてるんじゃなかったっけ?(滝汗)何読みたいですかー?(笑)もういっそ何か新しい物を(オイ)とりあえずリハビリで日記書くかなぁ。なんかネタないですかね?(笑)

以下、拍手お返事です

二人乗り可愛い の方

こちらこそ読んで頂いてありがとうございます!うふふ、平和で和んでいただけて嬉しいv カプなしで書いている物はお好きなカプに変換大歓迎ですよ〜v ハボロイだときっとあんな感じ(と脳内妄想中) これからもボチボチ頑張りますので、お時間ある時にお立ち寄り頂けたら嬉しいですv

ホントお久しぶり の方

ホントご無沙汰しておりました〜!それでも忘れずに来ていただけて本当に嬉しいですv 確かにこの状況下、必要最低限でしか出かけられないですよね(苦)少しでも楽しい時間のお手伝いになれれば嬉しいですv 連載の続き……が、頑張ります!とりあえず読み返すところから〜(汗)ボチボチ頑張りますので、お仕事の気分転換にお立ち寄り頂けたら嬉しいですv
2020年06月08日(月)   No.516 (ロイハボ)

六月八日
何年越しかの六月八日、今年も更新するつもり満々なのですが、ちょっと忙しくて間に合いそうにありません(汗)
そんなわけで今年は遅刻します(苦)なるべく早くハボックを何とかしてかやりたいなッ!
因みに今日は高校の部活の同期女子で鎌倉行ってきました!紫陽花、7分咲きくらいでしたが綺麗でしたーv
2019年06月08日(土)   No.514 (ロイハボ)

黒スグリ姫30
 教室で弁当を広げていればキャーッと女子生徒達が声を上げる。何事かとハボックが視線を向ける先、数人の女子生徒達がキャアキャアと盛り上がっていた。
「なんなの?」
 なにをそんなに盛り上がっているのだろうと小首を傾げるハボックに、一緒に弁当を食べていたルイスが答えた。
「今度の週末花火大会があるじゃん、あれに行って最後のスターマインを一緒に見たカップルは一生幸せになれるんだってさ」
「────マジで?」
 ルイスの言葉に女子生徒達に向けていた視線を戻したハボックが尋ねる。ルイスは卵焼きを頬張りながら言った。
「さあ。女の子達は本当だと思ってるみたいだけど。つか、アイツら、一緒に行く相手なんていんの?」
 いるわけないよなーと同意を求められてハボックは曖昧に頷く。頭の中でロイの姿を思い浮かべていれば、ルイスの声が聞こえた。
「もしかしてそんな相手いたりする?」
「えっ?」
 唐突に尋ねられ、ハボックはギョッとしてルイスを見る。思わず顔を赤らめるハボックにルイスが身を乗り出してきた。
「えっ、なに?ハボック、そんな相手いるのッ?!」
「いないよッ!いるわけないだろッ!」
 物凄い勢いで食いつかれて、ハボックは慌てて手を振る。そうすれば「なぁんだ」と残念そうに言ってルイスは椅子に腰を下ろした。
「でも、好きな相手がいたらちょっとやってみたいかもなー」
「……そうだね」
 言って可笑しそうに笑うルイスに頷きながら、ハボックは小さくため息を零した。

 夕飯を食べた後、テレビを見ながらゴロゴロしていたハボックはポケットから携帯を取り出す。パチンと開いて連絡先の中からロイの名を選んだハボックは、ロイ・マスタングの文字をじっと見つめた。
(花火大会……先輩のこと誘っちゃおうかな)
 最後のスターマインを一緒に見たカップルは幸せになれる。それをそのまま信じる訳ではなかったが、そんなおまじないにも縋りたくなるほどハボックはロイが好きだったし、人気者のロイがいつまで一緒にいてくれるのか、不安でもあった。
(先輩……ずっと一緒にいられたら)
 ハボックがそんなことを考えているとロイが知ったなら馬鹿なことをと一蹴しただろう。だが、そんなことには思いも至らないハボックがため息を零した時、手の中の携帯の着信音が鳴った。
「わっ!!」
 唐突に鳴り出した携帯に、驚いたハボックは携帯を取り落としそうになる。ロイからの着信を知らせるそれを慌てて掴むと耳に押し当てた。
「もっ、もしもしッ?!」
 裏返った声で答えれば携帯からロイの声が聞こえて心臓がドキンと跳ねる。頬を染めて耳を澄ますハボックにロイが言った。
『ハボック、今度の週末空いてるか?』
「今度の週末?」
『ああ、花火大会があるだろう?一緒にどうかと思って』
 ロイの口から花火大会の話が出て、ハボックは息をのむ。すぐに答えられずにいれば訝しげに呼ばれて、ハボックは慌てて答えた。
「あ、空いてるっス!えと……花火大会……っスか?」
『興味ないか?』
「そんなことないっス!花火大好きだしッ!」
『そうか、なら一緒に行こう』
 ハボックの答えにロイが笑って言う。当日の夕方、駅で待ち合わせる約束をして電話を切ると、ハボックは大きく息を吐き出した。
「花火大会……先輩もあの話────知ってるわけないよね」
 中学生の間で盛り上がっている話を大学生のロイが知っているとは思えない。それでも。
「一緒に花火大会行けるんだ」
 ささやかな願い事。叶うといいと思いつつハボックは携帯をそっと握り締めた。

「わー、初めて先輩より早く来たッ!」
 待ち合わせ場所を見回してロイの姿が見えない事を確認して、ハボックは拳を握り締める。ちょっぴり気合いが入りすぎて家で時間まで待っている事が出来ずに出てきたのだが、流石に三十分前ではロイも来ていなかった。
「花火大会かぁ……ふふ」
 ロイと出かけるのはいつでも嬉しいが、今回の花火大会はいつにも増して嬉しくて、ハボックが小さく笑みを零した時。
「ハボック?随分早いな、待ち合わせ時間、間違えたか?」
 驚いたようなロイの声がしてハボックが顔を上げる。そうすれば足早に近づいてくるロイに、手を振ってハボックは駆け寄った。
「先輩ッ」
「六時待ち合わせだったと思ってたが間違ってたか?」
「ううん、六時っスよ。初めて先輩より早く来ちゃった」
 うふふと笑えばロイが軽く目を瞠る。その目を細めて笑うとハボックの金髪をクシャリとかき混ぜた。
「そんなに花火が見たかったのか?」
「うん、先輩と一緒に見られるの、すっごく嬉しかったから」
 素直にそう言えばグイとロイに引き寄せられる。驚いて見上げるハボックにロイが間近で囁いた。
「馬鹿……思わずキスしそうになった」
「ッ、先輩ッ!」
 夕方の駅前は大勢の人でこみあっている。流石にこんなところでキスされたらこの駅を使えなくなりそうで、ハボックが睨めばロイがクスリと笑った。
「じゃあ行こうか」
「はい!」
 行って差し出される手をハボックは頬を赤らめて握る。人々に混じって改札を通り電車に乗ると、十五分ほどで花火大会の最寄り駅に着いた。
「すっごい人!」
 この辺りでは有名な花火大会。近いだけにかえって行ったことがなかったのだが、思った以上の混雑に空色の瞳を丸くするハボックにロイが言った。
「はぐれるなよ、いくらスマホを持っていても探すのは大変そうだ」
「は、はいッ」
 言ってギュッと握られる手をハボックも握り返す。人の流れに乗って会場の中心へと向かって歩いていきながら辺りを見回せば、手をつないだカップルがあちこちにいるのが見えて、ハボックは小首を傾げた。
(みんな、スターマイン見に来たのかな)
 ふとそんなことを思ってロイの横顔を見上げれば心臓がトクンと鳴った。
「先輩、好き……」
 考える間もなく呟きが唇から零れる。その言葉に弾かれたように振り向くロイの黒曜石に見つめられて、ハボックは真っ赤になった。
「え、えっとッ!」
「ハボック」
 じっと見つめられて真っ赤になって俯くハボックの顎をロイの指が掬う。あっと思った瞬間、唇を塞がれて、ハボックは驚きに目を見開いた。
人混みの中仕掛けられたキスにハボックはロイの腕の中でもがく。すぐそこで驚いたような囁きが幾つも聞こえて、ハボックは慌ててロイの胸を突き飛ばした。
「せっ、先輩ってばッ!馬鹿ッ!」
 ロイのことは好きだしキスされれば嬉しい。だが、こんな公衆の面前では流石に羞恥が勝って真っ赤になってロイを睨んでクルリと背を向ける。ロイの呼ぶ声を振り切るように数メートル走ったその時、ドォン!と花火が空で弾けた。
「花火!始まったんだ!」
 夜空に花開く花火を見上げたハボックは慌ててロイを探す。だが、そんなに離れてはいないはずのロイの姿は見当たらなかった。
「先輩ッ?────あッ!」
 ドンッとぶつかった弾みによろけたハボックは、そのまま少しでも近くで花火を見ようとする人の流れに押し流されてしまう。ロイと離れた場所からどんどん遠ざかってしまって、ハボックは歩きながら携帯を取り出した。だが。
「なんでッ、繋がんないッ?!」
 電波状況が悪いのか、上手く繋がらない携帯をハボックは何度もかけ直す。何度めかにかけ直そうとした寸前、着信音が鳴ってハボックは急いで携帯を耳に押し当てた。
「先輩ッ?!」
『今どこだ?ハボック』
 尋ねるロイの声にハボックは慌てて辺りを見回す。だが、パッと目印になるものが見つからず、焦る間にもどんどんと人の流れに流されて、ハボックは泣きそうになった。
「わ、判んない……ッ、人、凄くて……ッ」
『判った、こっちから探す。なるべく道の端に寄っていろ。動くなよ、ハボック』
「う、うん」
 それだけ言って切れた携帯を握り締めて、ハボックは人混みを縫って何とか道の端に寄る。そうこうするうちにもドォンドォンと大きな音を立てて花火が打ち上げられるのを見て、ハボックは顔を歪めた。
「折角一緒に来たのに……」
 最後のスターマインどころか一発の花火も一緒に見られないかもしれない。そう思うと涙がこみ上げてくる。携帯を握り締めたハボックの瞳からポロリと涙が零れた時、すぐ側から声が聞こえてハボックはビクリと震えた。
「どうしたの?なに、カレシとはぐれちゃった?」
「折角の花火、一人で見るんじゃつまんないだろ?俺たちと一緒に見ようぜ」
 顔を上げれば見知らぬ男達が話しかけてくる。ニヤニヤと笑った男に手首を掴まれかけて、ハボックは男の手を振り払うと逃げだそうとした。
「待てよ。なぁ、一緒に見ようぜ、いい場所知ってんだ」
「いいですッ!待ってるからッ!」
「こんなに混んでたら会えないって。それより俺たちと仲良くしようぜ」
 言って手を伸ばしてくる男の顔めがけて、ハボックは咄嗟に手にした携帯を投げつける。「ワッ」と男が怯む隙、ハボックは男達を突き飛ばして逃げ出した。
 投げた携帯は道行く人の足に蹴られて踏まれてどこかへ紛れてしまって、とても探すことなど出来ない。とにかく男達に捕まらないよう、ハボックは人混みを押しのけるようにして必死に走った。
 そうやって走る間にも空の上ではいくつもの花火が開いては消える。ハボックはゆっくりと足を止めると夜空を彩る花火を見上げた。
「先輩……ッ」
 一緒に見たかった花火を一人で見上げてハボックは涙を零す。幾つも幾つも上がっていた花火が不意に途絶えて、辺りが一瞬静寂に包まれた。
「次、スターマインだよ、結構凄いから!」
 そう囁く声が近くで聞こえてハボックは目を見開く。次の瞬間、シュルルと尾を引く音が聞こえたと思うと、一斉にたくさんの花火が夜空に花開いた。
「スターマイン……」
 花火大会の最後を締めくくる花火が次々と花開いては消えていく。ドォンドォンと大きな音を響かせる花火を呆然と見上げていたハボックがくしゃくしゃと顔を歪めた、その時。
「ハボックッッ!!」
「ッ?!」
 グイと腕を引かれてハボックは振り向く。ロイの顔を見たと思った瞬間折れそうなほど抱き締められて、ハボックは目を見開いた。
「よかった、ハボック……ッッ!!」
「せ……んぱい……、────先輩ッッ!!」
 ギュッと抱き締めてくるロイをハボックも思い切り抱き返す。ロイの胸に顔を埋めて甘いコロンの香りを嗅げば涙がボロボロと零れた。
「先輩、先輩ッッ!!」
 何度もロイを呼んでしがみついてくる細い体をロイはしっかりと抱き締める。ハボックの金髪を撫で、頬に零れる涙を指先で拭った。
「お前の金髪に花火の光が弾かれて光ってた。遠くからでもすぐ判った」
「先輩……」
「よかった、最後のスターマイン、一緒に見られた。願いが叶いそうだ」
「……え?」
 笑ってそう言うロイをハボックが驚いて見上げる。そうすればロイが夜空を彩る花火を指さして言った。
「フィナーレのスターマイン。一緒に見ると幸せになれるって、つまらない噂だとは思ったが、聞いたらやっぱりお前と見たくなった。一緒に見られてよかった」
 そんなことを言うロイを見上げるハボックの瞳から新たな涙が零れる。泣きじゃくるハボックの涙を唇で拭って、ロイはハボックを抱き締めて言った。
「ほら、ハボック。一緒に見よう」
「はい……はいッ!」
 笑うロイに頷いてハボックは夜空を見上げる。優しく抱き締めてくるロイに身を預けるようにして花火を見れば、ロイが耳元で囁いた。
「好きだよ、ハボック。ずっとずっと一緒にいよう」
「……先輩ッ」
 チュッと頬に口づけるロイに何度も頷いて、ハボックはロイと一緒に夜空を彩るいくつもの花火を見上げていた。


遊びに来てくださった方にはありがとうございますv ポチポチ拍手も頂いて、とってもとっても嬉しいです〜vv
お久しぶりの黒スグリ姫です。拍手で黒スグリ姫読みたいとコメントくださった方がいたので〜。でも、今回ハボ視点ぽくなったらちょっと感じが違っちゃいました(苦)しかも妙に長いし!やっぱ黒スグリ姫はハボに振り回されるロイが楽しいよなぁ。リベンジしたい(笑)また近々書きたいです。やっぱりコメントやリクエスト頂くと嬉しくて書きたくなりますね、単純っス、ふふふv

以下、拍手お返事です。

いつも楽しみに遊びに来てます  の方

いつも遊びに来てくださってありがとうございますvv さらにこのたびはリクエストまで!とっても嬉しいです〜v そんなわけで黒スグリ姫のお届けです。いつもとちょっと感じが違っちゃいましたが、お楽しみいただけたら嬉しいです。これからもどうぞよろしく遊びにきてやってくださいませv
2018年09月02日(日)   No.510 (ロイハボ)

六月八日 その6
ロイハボ風味

「────灯りがついてない……」
 司令部から乗り付けた車が停車するのを待つのももどかしく、車の扉を自分で開けたロイは家の灯りがついていないことに気づく。車から降り、運転していた警備兵を手を振って帰らせると門扉を開けて玄関に続く短いステップを上がった。鍵を開け中に入りリビングを覗く。薄暗いリビングにはハボックの姿はなく、ロイは不貞腐れて寝ているのかもと二階への階段を上がった。
「ハボック?」
 寝室の扉を開けながら声をかける。だが、薄闇に沈んだ寝室のベッドの上にもハボックはいなかった。
「ハボック!」
 ロイはハボックの名を呼びながら家の中を探して回る。だが、何処にもその姿がないと判ると階段を駆け降り玄関から飛び出した。
「何処に行ったんだ?ハボックのヤツッ!」
 辺りを見回しながらそう呟く。そうすれば出掛けにハボックと交わした会話が頭に浮かんだ。
『浮気してやるッ!』
 何ヶ月も前から一緒に過ごすと決めていた記念の日。望んでそうした訳ではないが結果的に約束を破る形になってしまった。腹立ち紛れにハボックが言った言葉に自分はなんと返したか。
『浮気?お前が?出来もしないことを言うな』
 鼻で笑ってそう言った。ハボックが自分に惚れていると言う自信があったとはいえ、本来ならすぐに帰る、待っていてくれ、自分も本当は行きたくないのだと、優しくハボックを宥めてやるべきだったのだ。
「どこに行った、ハボック」
 異性以上に同性に対してセックスアピールがあることを、ハボックは全く自覚していない。軽い気持ちでついていったハボックが厄介事に巻き込まれているかもしれないと思えば、ロイの足は自然と速まっていく。
「馬鹿な事をするんじゃないぞ、ハボック……ッ」
誰よりも大切なハボックの姿を探して、ロイは夜の街を駆けていった。

「おう、レニ、もう上がりか?」
「ああ、約束があるんでな。じゃ、お先」
 店の同僚にニヤリと笑って手を振って、レニは店の裏口から表へ出る。ポケットに手を突っ込んで歩き出したレニの厳つい顔には下卑た笑みが浮かんでいた。
「ニコルのヤツ、今日はまた旨そうなのを連れてたな。何処で見つけて来やがったんだ?」
 そう呟けば脳裏にニコラスが連れていた金髪の男の姿が浮かぶ。ニコラスが選んだ体にぴったりと張り付くシャツと、かなり派手にダメージ加工されたジーンズから白い肌を覗かせた姿を思い浮かべれば、今夜の楽しみに無意識に笑いが零れた。ククッと顔を歪めて笑うレニに丁度通りかかった店の前で呼び込みをしていた男が声をかけた。
「なんだよ、レニ。今夜はまた随分と楽しそうじゃねぇか」
「ん?ああ、ハリーかよ」
 かけられた声にレニが足を止める。クツクツと喉奥で笑いながら言った。
「ニコルのヤツが旨そうなの連れてきてよ。今からソイツ囲んでパーティって訳だ」
「またヨアヒムの店かよ。そこまで言うなんてよっぽどの美人か?」
 ハリーの言葉に「ああ」と頷くレニの顔がイヤラシく歪む。
「金髪に空色の瞳でよ、いい躯してやがんだ、コレが。ニコルにぴっちぴちのシャツとデカい穴の開いたジーンズ着せられて……あれを今からひんむいて突っ込んでやると思うとうずうずするぜ」
「相変わらずだな、お前ら。あんまりヤりすぎんなよ」
「それは判んねぇなぁ、スキモノそうな躯だったからよ。ジャンとか言ってたな、たっぷり可愛がってやらんと」
 ニコラスが呼んでいた名前を思い出して、レニが下卑た笑いと共に言った時、背後から低い声が聞こえた。

「くそッ、一体何処に……ッ?」
 二人で行った事のある店を片っ端から覗いてみたものの、目指す姿を見つけられずロイは苛々と辺りを見回す。時間が経つにつれ不安と苛立ちが募って、知らず足早になるロイの耳に男の声が飛び込んできた。
「金髪に空色の瞳でよ、いい躯してやがんだ、コレが。ニコルにぴっちぴちのシャツとデカい穴の開いたジーンズ着せられて……あれを今からひんむいて突っ込んでやると思うとうずうずするぜ」
「相変わらずだな、お前ら。あんまりヤりすぎんなよ」
「それは判んねぇなぁ、スキモノそうな躯だったからよ。ジャンとか言ってたな、たっぷり可愛がってやらんと」
 聞こえた名に黒曜石の瞳を見開いたロイはゆっくりと声のした方を振り向く。厳つい顔に下卑た笑みを浮かべる男に近づきながら口を開いた。
「おい、貴様、一体誰の話をしている?」
 そう言えば男が振り向く。胡散臭げにロイを見て、目を眇めた。
「ああ?なんだ、お前。関係ないヤツが話に割り込んでくるんじゃねぇよ」
 フンと鼻を鳴らして男は言うと、ロイを押し退けて行こうとする。だが、ロイに腕を掴まれて、男は顔を歪めてロイを睨んだ。
「離せよ、この野郎、ぶん殴られたいのか?」
 頭一つ低いロイを見下ろして凄んで見せる男を、冷たく見返してロイが口を開いた。
「ソイツを何処に連れていった?答えろ」
「ハア?!何言ってやがる」
「答えろと言っている」
 低く尋ねるロイの整った顔を見返してレニが嘲笑う。押し退けて行こうとすれば掴まれた腕をグイと引かれて、ギッと睨んだレニの顎にロイの拳がヒットした。
「グハッ!」
 思いがけない強烈なパンチにもんどりうって倒れたレニは、ゴリと股間を踏みつけられてギョッとしてロイを見上げた。
「どこへ連れていった?答えなければ二度と使いものにならなくしてやる」
 そう言い終わらぬうちにググッと股間に体重をかけられてレニが悲鳴を上げる。
「判った!教えるッ!教えるからやめてくれッ!」
 両手を振って大声を上げるレニを、ロイは怒りの焔をその黒曜石に燃え上がらせて睨みつけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv
さてさて、一年越しのロイハボの日話、続きでございます〜(笑)ポメラの不調でちょっと間に合わないかと思いましたが、なんとか続き。でもまだジャン君ヤバいまんまです(笑)早く助けてあげて、大佐!(笑)ってなわけで、なるべく間開けずに続きを書きたいと思っておりますので、引き続きお付き合い頂けたら嬉しいですv
ポメラ、早く来い(笑)
2018年06月08日(金)   No.503 (ロイハボ)

六月八日 その5
CP:ロイハボ(R18)(ロイ相手じゃないですが(苦笑)

「ここ?」
「ああ、ほら、入れよ、ジャン」
 雑多な店が立ち並ぶ、あまり品のよくない界隈の一角に立つ店を見上げてハボックが言う。眉を寄せるハボックの肩を抱き半ば強引に押しこむようにしてニコラスは店の中へと入った。
「ヨアヒム!」
「おう、ニコル。来たのか」
 ニコラスが呼ぶ声に他の客と話をしていた男が振り向く。ニコラスに肩を抱かれたハボックを舐めるようにジロジロと見てニヤリと笑った。
「奥の部屋使わせてもらうぜ」
「ああ、すぐ酒持ってくから」
 ヨアヒムの言葉に頷いてニコルはハボックを奥の部屋へと連れていく。大振りなソファーが二つとテーブルが置かれた部屋に通されて、ハボックはニコラスを見た。
「別に個室じゃなくてもいいんじゃね?」
 ちょっと飲んだらすぐ帰るつもりなのだ。正直席を立ちづらいこんな個室より入口近くのテーブルに案内された方がよかった。
「こっちの部屋だけに出す特別な酒があるんだよ。珍しい酒だから限られた客にしか出さないんだ。あっちのホールで出して他の客に出せって言われたら困るだろ」
「珍しい酒?旨いの?」
「ああ、体が蕩けちまうと思うくらいにな」
 珍しい酒と聞いて、ハボックはほんの少し興味が沸いて尋ねる。ニコラスに促されるまま並んでソファーに腰を下ろした。
「まぁとりあえずはこれで乾杯と行こうぜ」
 ニコラスはそう言って店員が運んできたビールの瓶を取り栓を抜く。その内の一本を手渡され、ハボックは泡が溢れるビールの瓶をニコラスのそれと軽く合わせた。
「乾杯!」
「……乾杯」
 グビグビとビールを半分ほど飲んで、ニコラスがハボックに言った。
「今日は楽しかったぜ。次はいつ会う?面白いところに連れていってやるからさ?」
「う……ん、そうだね」
 そんな事を言って顔を覗き込んでくる男にハボックは曖昧に答える。手にしたビールをチビチビと飲んでいると扉が開いてヨアヒムが他にもう一人男を連れて入ってきた。
「ニコル、例の酒、持ってきたぜ」
「おお、待ってたました!なんだ、お前も来たのか。後でレニも来るってよ」
 ニコラスはヨアヒムと一緒に入ってきた男の顔を見てニヤリと笑う。それに笑い返してソファーに腰を下ろす男達を見て、ハボックが言った。
「知り合い?」
「ああ、みんなこの店の常連。いいだろ?一緒に飲んでも」
「それは構わないけど」
 ハボックは答えて隣に腰を下ろしてきた男をチラリと見る。ニコラスと男に挟まれるようにソファーに座る形になって、ハボックは眉を寄せた。
(参ったな、益々立ちづらくなった)
 個室に通されただけでも困ったと思ったのに、こんな風に挟まれて座ったのでは益々席を立ちづらくなってしまう。どのタイミングで帰ろうかと考えるハボックの前に隣に座った男がグラスを置いてボトルの酒をコポコポと注いだ。
「悪いな、折角ニコルと二人で楽しんでるところ邪魔して」
「え?あ、いや、別に構わないよ」
「オレはキース。旨いぜ、この酒。一度飲んだら病みつき」
「ありがとう……えっと──ジャンだよ」
 身を寄せてくる男から出来るだけ体を遠ざけて、ハボックは差し出されたグラスを受け取る。促すように見つめられて、ハボックは手にしたグラスに口をつけた。
「────旨い」
「だろ?ほら、どんどん行けよ」
 正直そこまで期待していなかった酒は存外に喉越しがよく、鼻を抜ける香りがとてもよい。目を丸くするハボックにキースはボトルを手に「飲め飲め」と勧めた。
「おい、キース、俺たちにも回せよ」
「判ってるって、まあ待てよ、ニコル」
 ハボックの向こう側から顔を出して言うニコラスにキースはニヤリと笑って答える。ハボックが飲み干したグラスに酒を注いで「ほら」と促した。
「ありがと、でも、みんなも飲みたいんだろ?アンタたちも────」
「いいからいいから、遠慮するなって。俺たちは飲んだことがあるからな」
 ニコラスたちにも回してくれと言うハボックの言葉を遮ってキースはハボックに酒を勧める。喉こしの良さに思わずクイクイと飲んでしまって、ハボックはグラスを置いた。
「旨い酒をありがとう。悪いけど、オレ、そろそろ帰るよ」
 そう言って立ち上がろうとするハボックの肩に手を置いて、キースはグラスに酒を満たした。
「なに言ってんだよ、まだ飲み始めたばっかりじゃないか。旨いだろ、この酒」
「それはまぁ……でも、家で待ってる人がいるから」
「そぉかぁ?じゃあこの一杯だけ」
 な?と促されてハボックは仕方なしにグラスを手にする。早く帰ろうと一気にグラスを呷って立とうとしたハボックは、脚に力が入らない事に気づいて目を見開いた。
「あ、あれ……?」
「どうしたよ、もう酔っぱらったのか?」
「そう言う訳じゃないけど……」
 ニヤニヤと笑うキースに答えて、ハボックは何とか立ち上がる。キースとテーブルの間をすり抜けて歩こうとした途端、ガクリと膝が頽れた。
「あ……ッ」
「おっと」
 倒れ込むハボックの躯をキースが支える。「ごめん」と呟いたもののキースに身を預けたままのハボックを見てニコラスが言った。
「大丈夫か?ジャン」
「う、うん……どうしたんだろ……」
 確かにたて続けにグラスを空にしたものの、元々アルコールには強い方だ。眉を寄せるハボックをニコラスがグイと引き起こした。
「酔ったんなら少し休んでけよ」
「そうそう。ほら、ここに横になって」
「でも、オレ帰らないと……」
 ソファーの上に横たえられてハボックが呟く。そんなハボックを見下ろしてニコラスとキースはニヤニヤと笑った。
「ソファーの背もたれを倒してやれよ。それ、ベッドになるだろ」
 向かいのソファーに座っていたヨアヒムが言って立ち上がり、テーブルを引っ張る。それに頷いて、キースとニコラスも立ち上がるとソファーの背もたれを倒した。
「あ……」
 バタンと背もたれが倒れて面積が広がったソファーに力なく横たわってハボックは男たちを見上げる。下卑た笑みを浮かべて、ニコラスがハボックのジーンズに手を伸ばした。
「腹を締め付けてると苦しいだろ?弛めてやるよ」
 言いながらニコラスはジーンズのボタンを外しジッパーを下ろす。その手がジーンズのウェストにかかったと思うと、下着ごとグイとジーンズを引き下げた。
「────え?な……ッ?!」
 膝の辺りまで下着を下ろされて、ギョッとしたハボックが慌てて手を伸ばす。下着を引き上げようとするハボックの手を掴んだキースが、ハボックの両腕を頭上に押さえ込んだ。
「なにするんだッ?!離せッッ!!」
 力の入らない躯を捩って声を張り上げるハボックにキースがクスクスと笑った。
「そう喚くなよ、いいカラダしてんな。こんなシャツ着て、誘ってんだろ?」
「違……ッ、これはニコルが────アッ」
 ピチピチのシャツ越し、乳首をキュッと摘まれてハボックは喉を仰け反らせた。
「なに言ってんだよ、喜んで着てただろ。イヤラシい目で見られて、嬉しそうにしてたじゃねぇか」
「そんな事してな──やっ、やだァッ!」
 揶揄するように言いながらニコラスはハボックの脚からジーンズと下着を抜き取ってしまう。慌てて縮めようとしたハボックの足首を掴んで、ニコラスは長い脚をソファーに押さえ込んだ。
「へぇ、あんまり使ってないのか?」
 両腕両脚をベッドに押さえ込まれたハボックの剥き出しにされた下肢を覗き込んでヨアヒムが言う。色の薄い楔に手を伸ばしてキュッと握った。
「アッ!」
「まずはイイ気持ちにさせてやるぜ」
 ビクッと震えるハボックに囁いてヨアヒムがハボックの楔を扱き出す。直接的な刺激に頭を擡げる楔の先端から先走りの蜜が零れてグチュグチュとイヤラシい水音をたてた。
「やめ……ッ、やめろッッ」
 力が入らず押さえ込まれた手足を振り解けないまま、ハボックは楔を嬲る男の手から逃れようとしてもがく。だが、逃れようともがく姿がまるで腰を振っているようで、男たちがゲラゲラと笑った。
「イイのか?腰が揺れてるぜ?」
「ち、違うッ!」
「ヨアヒム、まずは一度イかせてやれよ」
「ああ、そうだな」
 ニコラスの言葉にヨアヒムは頷いて扱く手の動きを速める。忽ち込み上がる射精感にハボックは激しく首を振った。
「やだッ、やめろッ!やめ……ッ、────あ、あ、あ」
 足の指をキュウと丸めてこらえようとするハボックを嘲笑うようにヨアヒムは楔をキツく扱く。蜜が滲む先端を引っかかれて、ゾクゾクッと背筋を駆け抜ける快感にハボックは目を見開いた。
「ア、アア────ッッ!!」
 高い嬌声を上げて背を仰け反らせたハボックがヨアヒムの手の中に熱を吐き出す。ビクビクと震えて大きく仰け反った躯をがっくりとソファーに沈めて、ハボックは荒い息を零した。
「クク……たまんねぇな、色っぽい顔しやがって」
 クツクツと笑ってヨアヒムが掌に吐き出された白濁をハボックの頬に塗り付ける。熱に汚れた指を荒い息を零すハボックの唇にねじ込んだ。
「ンッ、ンンッッ!」
「ほら、しっかり舐めろよ。お前が汚したんだぜ」
 言いながらヨアヒムはねじ込んだ指でハボックの口内を掻き回す。口に広がる青臭い臭いに顔を歪めるハボックに、ニコラスが言った。
「虐めるなよ、可哀想だろ?」
「はぁ?これからもっと可哀想な事するつもりのヤツがなに言ってやがる」
「可哀想な事じゃねぇよ、コイツだって本当はそうされたくて堪んねぇんだからさ」
 呆れたように言うヨアヒムにキースが言ってハボックの乳首をグリグリと潰しては引っ張る。布越しに与えられる乱暴な刺激に、ハボックが嫌々と首を振った。
「堪んねぇな、この表情(かお)……早くぶち込みてぇッ」
「慌てんなよ、ヨアヒム。まずはたっぷり可愛がってやろうぜ」
 ニコラスは楽しそうに言うと掴んでいたハボックの足首をグイと押し上げる。長い脚をM字に開いて、熱に濡れたハボックの楔に口を寄せた。
「可愛いぜ、ジャン」
「ヒャッ?!」
 言うなりジュブと楔を咥え込まれてハボックの躯がビクンと跳ねる。
「ヤッ、やだッ!!アアッ」
 ジュブジュブと唇でこすられてハボックが身悶える。それを見て、ヨアヒムがハボックの乳首にシャツの上から吸いついた。
「やめ……ッ、んんッ!」
 拒絶の言葉を吐き出すハボックの唇をキースが己のそれで塞ぐ。楔を乳首を口内を男たちに嬲られて、ハボックはビクビクと躯を震わせて身悶えた。


遊びにきてくださっているみなさま、ありがとうございますーvポチポチ拍手も嬉しいですvv

ちょっと間があいてしまいましたが、ロイハボの日話続きでございます。CPロイハボと言いつつ相手はロイじゃないっていう……え?お約束?(笑)すみません、こういうの大好きで、テヘv(コラ)「私も大好きですッ」って思って下さる方がいると期待しつつまだまだ続きます、ウフフv

以下、拍手お返事です。

オー!! の方

わーいッ!楽しんでくださって嬉しいですーっvvえへへ、同志〜vハボック、まだまだタイヘンですが、引き続き楽しんでくださると嬉しいですv
2017年06月29日(木)   No.500 (ロイハボ)

六月八日 その4
ロイハボ風味

「ジャン、なあ、待てよ、おい」
 上映が終わると同時に飛び出すように劇場を後にするハボックを追って、ニコラスが呼びかける。ドカドカと靴音も荒く歩くハボックに数歩走って追いつくと、ニコラスはハボックの腕を掴んだ。
「ジャン」
「あんな映画だなんて聞いてなかったッ、あんな恥ずかしい……ッ」
「なんだよ、意外とお子さまだな」
「ッ!」
 揶揄するように言われてハボックはキッとニコラスを睨む。空色の目元を染めて睨んでくるハボックにニコラスはニヤニヤと笑って言った。
「セックスシーンのある映画なんて珍しくないだろ?それとも普段ガキの映画ばっかり観てんのかよ」
「そ、そういう訳じゃないけどッ」
 確かに恋愛物の映画ではセックスシーンは珍しくない。だが、男同士の濃厚なラブシーンはやたらと刺激が強く、思い出すには恥ずかしい自身の夜の生活を思い出させてとてもじゃないが居たたまれなかった。
 だが、流石にそうとは言えずハボックは唇を噛んで俯く。紅く染まったハボックの顔を見つめながらニコラスが言った。
「気ぃ悪くしたなら謝るよ。お詫びに奢るからさ、飲みに行こうぜ。いい店知ってるんだよ。な?ジャン」
 そう言うニコラスをハボックはチラリと見る。正直なところもうこの男につき合う気にはなれず、それにこの時間になれば流石に仕事も済んでいるであろうロイを想うと早く家に帰りたかった。折角の休暇を潰されて、その上出掛けのロイのバカにするような言葉に腹を立てて家を飛び出してきたものの、本気で浮気をするつもりなどないのだから。
「誘ってくれてありがとう。でもオレ、もう帰るよ」
 そう言ってハボックはニコラスをおいて歩きだそうとする。だが、その前にニコラスの手が伸びてハボックの肩を掴んだ。
「そんなこと言うなよ。このままバイバイじゃ後味悪いだろ?折角一緒に遊ぶチャンスに巡り会ったんだ。楽しい気持ちで締めくくりたいじゃないか」
 グイとハボックの肩を引き寄せてニコラスはハボックの顔を覗き込むようにして言う。「頼むよ、ジャン」と強請るように言われて、ハボックは小さくため息をついた。
「判ったよ、ニコル。あとちょっとだけなら」
「そう来なくっちゃ!」
 了承の答えを返すハボックにニコラスが嬉しそうに声を張り上げる。
「いい店なんだ、絶対に後悔させねぇから」
「へぇ、そうなの?」
(いい店なら後で大佐と行けるかな)
 言ってグイと肩を引き寄せる男に連れられるままハボックは暮れ始めた通りを歩いていった。

 長々と続いた会議を終えて執務室に戻ってきたロイは乱暴な仕草で椅子に腰を下ろす。後から執務室に入ってきたホークアイをジロリと見上げて言った。
「冗談じゃないぞ、中尉。もう夕方じゃないか」
「申し訳ありません、大佐」
 休暇の予定をおしてわざわざホークアイが呼び出したのだ、すぐには終わらないだろうと思ってはいた。だが、窓の外がオレンジに染まっているのを見れば、流石に怒らずにはいられなかった。
「休暇の予定、明日まででしたが明後日までに変更しておきますから」
「当然だ」
 ムスッとして答えてロイは立ち上がる。
「帰るぞ、止めても無駄だからな。これ以上はなにがあっても御免だ」
 六月八日はあと数時間しか残っていなかったがせめてその時間をハボックと一緒に過ごしたかった。
「車を回しておきました。少尉に私が謝っていたと伝えてください」
「────ああ」
 こうなったのはホークアイの責任ではない。悪いのは仕事をためた上要領悪いことこの上ない無能どもだ。それでもホークアイの謝意は有り難く受け取って、ロイは執務室を足早に後にした。


遊びに来て下さったみなさま、ありがとうございますvポチポチ拍手も嬉しいですーvv今日も暑いですね……まだ夏前なんだからさー、やめてよ、この暑さ(苦)

と、文句を言いつつロイハボの日の続きです。フフフ、いよいよかな〜ッv……って一人ウキウキしてますが(笑)久々真面目に更新してますよ(日記だけど)楽しんでくれてますかーッ?────オーッ!って返ってくると嬉しいなぁと思いつつ、続きにかかりまーすv
2017年06月19日(月)   No.499 (ロイハボ)

六月八日 その3
ロイハボ風味

「ジャン、チケット買ってきたぜ」
 ちょっと待ってろと言われて映画館の入口で待っていたハボックは聞こえた声に振り向く。そうすればニコラスがチケットを手に歩み寄ってきた。
「映画って、どれ見るの?」
 映画館につれてこられたものの、幾つも上映されている映画の中のどれを見に来たのか教えてくれないニコラスにハボックは尋ねる。促すようにチケットに手を伸ばしたが、ニコラスはハボックにチケットを渡さず係員の男に二人分のチケットを渡してしまった。
「結構評判なんだぜ、この映画」
「だからなんて映画────」
「やべ、始まる!ジャン、こっちこっち」
 結局映画のタイトルが判らないまま、ハボックはニコラスに腕を引かれるままにシートに腰を下ろす。それとほぼ同時に場内が暗くなって始まった映画を観る内、その内容に気づいてハボックは目を丸くした。
(これ……も、もしかして……ッ?)
 スクリーンの中、ベッドに腰掛けた黒髪の男が目の前に立つ金髪の男の腕を引く。抵抗することなく倒れ込んできた男を腕の中に抱き込んだと思うと男の唇に己のそれを重ねた。スクリーンいっぱいに男同士の熱烈なキスシーンが映し出され、二人はもつれ合うようにしてベッドに倒れ込む。互いに毟り合うようにして服をはぎ取った男二人が繰り広げる濃厚なベッドシーンを見ていられず、ハボックは顔を紅く染めて俯いた。
(なんだよ、この映画……ッ、みんな恥ずかしくないのかよッ)
 そう思いながらチラリと辺りを伺えば、さっきは気づかなかった男ばかりの場内は一種異様な雰囲気に包まれていた。
(ここ、そんな映画館だった……?)
 連れられるままあまり考えずに入ってしまったが、正直とても見ていられない。幾ら自分の恋人が男とは言え、男同士のセックスを見て興奮するような趣味は持ち合わせていなかった。
「ニコル、悪いけど、オレ────ヒャッ?!」
 外に出ると隣に座るニコラスに声をかけようとしたハボックは、反対側から伸びてきた手にジーンズの隙間から覗く肌をそっと撫でられて飛び上がる。ギョッとして隣を見れば、薄闇の中熱っぽい視線で見つめてくる男と目があってハボックは大きく目を見開いた。
「あの俳優、アンタに似てるな」
「な……ッ?!」
「アンタもあんな風に色っぽい顔すんの?」
 囁きながら男はハボックの脚を撫でる。そのイヤラシい手の動きにハボックはカアアッと顔を赤らめて、男の手を払いのけた。
「触んなッ、バカッ!!」
 思わず大声を張り上げて立ち上がる。劇場のただ中、怒りと羞恥に震えて立ち竦むハボックの手をニコラスが引いた。
「ジャン、迷惑だろ、座ってろ」
「こんな映画見てらんない、出るからッ」
「ジャン!」
 隣の男を押し退けて出ていこうとするハボックの腕をニコラスが強く引く。ドサリとシートに引き戻されて、ハボックは腕を掴むニコラスを睨んだ。
「こんな映画だなんて聞いてないッ!こんな恥ずかしい映画────ンンッ」
 怒りに任せて声を張り上げようとした口元を手で覆われて、ハボックは首を振る。ニコラスはハボックにのし掛かるようにしてその耳元に囁いた。
「声デカいって。みんな楽しんでるんだからちったぁ考えろよ」
「でもッ」
「見たくなきゃ目ぇ瞑ってればいいだろ。いいオトナなんだからさ」
「────」
 そんな風に言われてハボックは言葉を飲み込んで唇を噛む。きちんと映画の中身を確認しないまま入ってしまったのは確かに自分のミスであって、ハボックはスクリーンを見ないように俯いて自分の脚を睨みつけた。だが。
 そうやってスクリーンから目を逸らしても音は耳から入ってくる。熱を帯びた声と息遣い、湿った水音に続いてパンパンと肉を打つ音が聞こえて、ハボックは顔を真っ赤にして手を握り締めた。
(も、ヤダ……早く出たい……ッ)
 恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。その上決して知らないものではないその音を聞けば、躯の芯が熱くなるようでハボックは爪が刺さるほど手を握り締める。
(色っぽい顔してんじゃねぇか)
 微かに震えながら唇を噛み締めるハボックの薄紅に染まった横顔を、ニコラスがニヤニヤと笑いながら見つめていることに、ハボックは気づいていなかった。


遊びに来て下さってるみなさま、ありがとうございます〜vとっても嬉しいですv
さてさて、ロイハボの日話続きでございます。ハボック、相変わらずぬけてます。大佐、仕事してる場合じゃないっスよ(笑)いやぁ、楽しいなぁ。楽しくて例によってズルズルっと話が伸びて行きそうですがお付き合い頂ければ嬉しいですーv

以下、拍手お返事です。

本当に本当に本当に大好きです…!  の方

嬉しいお言葉ありがとうございます!こちらこそ今でも遊びに来て下さってとっても嬉しいですッ!好きで書いているとはいえ、やはり読んで頂けるのがなにより嬉しいですから。これからものんびりまったり続けて行きたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたしますvv
2017年06月15日(木)   No.498 (ロイハボ)

六月八日 その2
ロイハボ風味

「大佐」
 執務室の扉を開いて入っていけば、書類のチェックをしていたホークアイが振り向く。ロイは一つため息をつくと執務机の大振りな椅子に腰を下ろした。
「ひどいじゃないか、中尉。今日は絶対に休みを取るともう何ヶ月も前から調整してたのに」
 常日頃から多忙な身のロイだ。事件などの火急な案件がなくとも思ったようには休みが取れないのが現状で、そうであれば今日この日と明日の二日、確実に休みを取るため綿密に調整していたのは副官であるホークアイが一番よく知っているはずだった。
「申し訳ありません、大佐。どうしても明後日までおいておく訳にはいかない書類だったものですから」
「どこのどいつだ、書類を留めていた不届き者は」
 日頃の自分のことは棚に上げて、ロイはホークアイが差し出した書類をひったくるようにして取ると目を通す。ガリガリと乱暴にサインしてホークアイに返したロイは促すようにホークアイを見上げた。
「で?まだあるんだろう?」
「申し訳ありません」
 うんざりした様子で尋ねてくる上司を宥めるように笑みを浮かべて、ホークアイは手にしたファイルを開く。ホークアイの声に耳を傾けながら窓から空を見上げれば、ロイの脳裏に怒りの色をたたえる空色の瞳が思い浮かんだ。
(浮気してやるとか言っていたが……まさかな。アイツにそんな大それた事が出来る訳がない)
 ハボックがモテるのはよく知っている。だが、それ以上にハボックが自分に惚れているという自信がロイにはあった。
(折角の休み、私だって楽しみにしていたんだ。とっとと終わらせて帰るぞ)
 ロイは内心そう思うと視線をホークアイへと戻した。

「これなんてどうだ?お前に似合うと思うぜ、ジャン」
 そう言ってニコラスが差し出すシャツをハボックは眉を顰めて見つめる。けばけばしいそのシャツはハボックの好みとは全く違っていて、幾ら買ってくれると言われても欲しいとは思えなかった。
「う、ん……でもオレ、普段そういうの着ねぇし」
「普段着ないならこの機会に是非着てみろよ。絶対似合うから」
 明らかに気に入らない様子のハボックに構わずニコラスはシャツを薦める。ニコラスはラックからクラッシュデニムのジーンズを取って言った。
「このシャツならこのジーンズだな。今買ってくるからちょっと待ってろ」
「えっ?でもオレそう言うのはっ!」
 慌てて引き留めようとするハボックに構わずニコラスはレジに行ってしまう。ため息をついたハボックが店から出ていく訳にも行かず待っていれば、支払いを済ませたニコラスが戻ってきた。
「タグとって貰ったから。そこの試着室借りて着替えて来いよ」
 そう言いながら買ったばかりの服を押しつけられて、ハボックは眉を寄せる。それでもニヤリと笑ったロイの顔が思い浮かべば、ハボックは眉間の皺を深めてニコラスの手から服を引っ手繰ると手近の試着室へと入った。シャッとカーテンを引き、濡れて脱ぎ辛い服を脱ぎ捨てる。一瞬躊躇ったもののシャツを掴むと腕を通し頭から被った。
「って……これ、サイズ小さくね?」
 キツいなと思いつつ頭を通したシャツはピッタリというよりピチピチだ。鏡に映る己の姿を見れば酷く恥ずかしくて、ハボックは鏡を見ないようにしながらジーンズをはき代えた。
「こっちも……なんかこれ、穴開きすぎだろ」
 多少のダメージはお洒落だろうが、幾ら何でもこれは肌が見えすぎではないだろうか。
「し、下着見えてね……?」
 心配で背後を映してみる。流石に下着は見えないもののとてもじゃないが着ていられなくて、やはり元のジーンズにはき代えようとボタンに手をかけた時、外からシャッとカーテンが開いた。
「うわッ?!」
「どうよ、その服────お、似合うじゃん!やっぱ俺の見立てに狂いはなかったな」
 声も掛けずにいきなり試着室のカーテンを開けた男をハボックが睨んだが、ニコラスはそんな視線も気に留めず自分が選んだ服を着たハボックを上から下まで舐めるように見て満足げに頷く。ハボックが脱いだ服を拾って店の袋に放り込みハボックの手を引いた。
「ほら、行こうぜ、ジャン」
「あ、ちょっと……オレ、やっぱりこの服はッ」
「映画始まっちまうぜ!おう、レニ、また後でな」
 店の従業員の大柄な男に片手を上げて、ニコラスはグイグイとハボックの手を引く。結局自分の服に着代える事も出来ないまま、ハボックは店の外へと出た。
「ふふ、ホント似合うぜ、ジャン」
 ニコラスはジロジロとハボックを見つめて言う。その舐めるような視線にハボックは顔を赤らめて言った。
「折角買ってくれたけど、このシャツ絶対サイズ小さいよ。店に言って代えて貰った方が────」
「なに言ってんだよ!お前はスタイルいいんだからそのサイズでなきゃダメだって!」
 言いかけるハボックの言葉を遮ってニコラスが言う。グイとハボックの肩を抱き寄せ、耳元に囁いた。
「ほら、あそこの男、お前の事見てるぜ。あっちのヤツも。ヤらしい目で見やがって」
「えッ?!」
 クックッと笑いながら言うニコラスにハボックはギョッとして言われた方を見る。そうすれば何人もの男が慌てたように目を逸らした。
「な、なあ、やっぱ服着替えるからッ」
「馬鹿言うなよ、見せつけてやれって。な?ジャン。それともそうできない理由でもあるのか?」
 顔を覗き込むようにして尋ねられてハボックは目を瞠る。脳裏に浮かぶロイの顔にハボックはキュッと唇を引き結んだ。
「別にそんな理由なんてないしッ!いいさ、見たいなら見れば」
「そうそう、折角のいいカラダ、見せつけてやれって」
 顔を赤らめながらもツンと顎を突き出すハボックに、ニコラスがニヤニヤと笑って並んで歩くハボックの腰を引き寄せた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますvロイハボの日アップしたらポチポチ拍手も頂いて、読んでくださってる方がいるんだと嬉しくなりましたーvありがとうございますーvv

そんなわけでロイハボの日話の続きです。いやぁ、いかにもな展開できっと「これはアレよね!」という感じに思っていらっしゃる方、ええ、きっとその通りアレですんでッ(笑)最近書くと姫ハボかはぼっくばかりだったので、久しぶりにこういうの書くと楽しいですね。フフフ、続きも頑張りますので読んで頂けましたら嬉しいですーv
2017年06月11日(日)   No.497 (ロイハボ)

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  Photo by 空色地図

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