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2015年02月の日記

2015年02月26日(木)
黒スグリ姫19
2015年02月24日(火)
黒スグリ姫18
2015年02月22日(日)
黒スグリ姫17
2015年02月19日(木)
黒スグリ姫16
2015年02月16日(月)
獣17
2015年02月14日(土)
黒スグリ姫15
2015年02月13日(金)
匂い?臭い?
2015年02月09日(月)

2015年02月05日(木)
獣16

黒スグリ姫19
ロイハボ風味

「マスタング先輩っ!」
「ぎゃあッ!」
 いきなり背後から飛びつかれてロイは飛び上がる。あまりに過剰な反応に飛びついた方のハボックが目をまん丸にしてロイを見た。
「えっと……ごめんなさい。そんなにびっくりすると思わなくて……」
 シュンと項垂れるハボックにロイが慌てて首を振る。
「い、いや、ちょっと考えごとをしてたんでな。別にそんなにびっくりした訳じゃないから」
 顔をひきつらせながらも笑みを浮かべてみせるロイをハボックが小首を傾げて見上げれば、側にいたヒューズが言った。
「ロイは年寄りだからなぁ。ちょっとの事にも心臓がびっくりしちまうのよ」
「は?人を年寄り扱いするなッ」
 とんでもない言葉にロイが目を吊り上げる。
「大体私とお前は同い年だろうッ、私が年寄りならお前だってジジイだろうが」
「俺はロイ君みたいにジジむさく本ばっかり読んでねぇもん」
「なにッッ」
 ロイとヒューズのやりとりにハボックがプッと吹き出す。クスクスと笑うハボックに、ロイが言った。
「そうだ、ハボック。この間のチョコ、美味しかったよ。ありがとう」
「ホントっスか?なんかいつもと勝手が違ったから上手くできたか心配だったんスけど、よかったぁ」
 ホッとした様子で笑みを浮かべるハボックにロイの心臓がトクリと音を立てる。伸ばしかけた手を、だがロイはギュッと握って下ろした。その時、丁度廊下の向こうからハボックを呼ぶ声が聞こえて、ロイは言った。
「ほら、呼んでるぞ。行かなくていいのか?」
「あっ、そうだった。次の授業特別教室だった」
 それじゃあまた、とハボックは手を振って行ってしまう。その背をじっと見つめるロイにヒューズが言った。
「なに?なんか悪さしちまったの?」
「えッ?」
 ギョッとして振り向けばヒューズがじっと見つめている。ロイは慌てて首を振って答えた。
「ななな何言ってるんだ、お前はッ!そんな事私がする訳ないだろうッ」
「ふーん……そっか、妄想しちゃったんだ」
「な……ッ!」
 ボソリと言われてロイは絶句する。口をパクパクさせるロイにヒューズが更に言った。
「やだー、ロイ君ってばケダモノー」
「ヒューズッッ!!おま……ッ、お前……ッッ」
 ロイにしては珍しく二の句が継げずに狼狽える様にヒューズはプッと吹き出す。クックッと笑うヒューズをロイは顔を赤らめて睨んだ。
「まあ、お前の気持ちも判らんでもないけどな。無邪気すぎるもんなぁ、お姫様は」
「ヒューズ」
「ま、どう転ぶにせよ、泣かすなよ」
「そんなことは言われなくても判ってる」
 ハボックの事を大事にしたい気持ちは本当なのだ。
「あ、でも初めてだと泣いちゃうか」
「────本気で燃やされたいらしいな、お前は」
「ヤダっ、俺まで犯さないで!──イテッ」
 半ば本気の一撃を頭に食らって、ヒューズは大袈裟に頭を抱えてみせる。それにフンッと鼻を鳴らして、ロイはもう一度ハボックが立ち去った方角を見た。
「本気で好きか?ロイ」
「ああ。焦るつもりはないけど、いつか全部私のものにしたい」
 目を細めて彼方を見つめながら、そうきっぱりと言うロイにヒューズは目を瞠る。それからクスリと笑って言った。
「大変だねぇ、お姫さまも。とんでもない男に好かれちまったもんだ」
「その代わり絶対幸せにする」
「おお、自信家」
「当たり前だろう?私を誰だと思ってるんだ」
 ニッと笑ってロイは言う。
「誰にも渡さない。いつか全部私のものにして私でいっぱいにして幸せにする」
「はいはい、聞いといてやるよ」
 ロイの本気の宣言にヒューズが肩を竦めて答えた。
「せいぜい頑張りな」
「ああ、そうするさ」
 頷いてロイは眩しそうに目を細めて窓の外に広がる空を見上げた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もありがとうございますvv

最近こればっかりですみませんの「黒スグリ姫」です。とりあえず焦らずゆっくり包囲網を縮めるつもりみたいです(苦笑)まあ、どこまでマスタング先輩(&私)の理性が持つか判りませんが(笑)

それから一応昨日でホワイトデーネタ募集終了致しました。んーと、ロイハボとヒュハボを一つずつ、それから黒スグリ姫ネタを一つ頂きました。投下して下さった方にはありがとうございます!頑張ってホワイトデーに向けて仕込んでいきたいと思います。しかし、結局ハボロイはバレンタインもホワイトデーもネタ投下ありませんでしたね。需要ないなぁ、うちのハボロイ(苦笑)ホワイトデーはネタ浮かんだら書きますが、需要ないのに書くよりも他の書いてた方がいい気もするしな。とりあえずそんな感じです。

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、先輩悶々しております(笑)そう、絶対ヒューズに「ケダモノ」って言われると思いました!うふふ、同じ事思って頂けて嬉しい〜〜vモブ無理矢理、どうにも鬼畜好きで困ります(苦笑)捨てられた子犬のような目…ッ!それはもうタマランですよ、絶対逆効果かと(笑)でもきっと押し倒されても最初はなにしようとしてるのか、全然判らない気がします(苦笑)あはは、ティッシュで作ったこより!滅茶苦茶脆そうですよ!いやいや、もう少し耐えて貰わないと!せめて金魚すくいのポイくらいには(笑)
2015年02月26日(木)   No.444 (ロイハボ)

黒スグリ姫18
ロイハボ風味

「はあ……」
 ロイはリビングのソファーにだらしなく座って大きなため息を零す。テーブルの上には今日、ハボックが遅ればせながら作ってくれた黒スグリのジャム入りのチョコがあった。
「参った……」
 ハボックと一緒にいるというヒューズからの電話を受けて、矢も盾もたまらず飛び出してみればヒューズにからかわれただけと判った。その後チョコを作ってくれるというハボックに誘われて彼の自宅へ行き一緒にチョコを作ったのだが。
『好き……ヤキモチ妬きの先輩、大好き』
 そう言ってほわりと笑う空色が堪らなく愛しくて、気がつくと引き寄せて口づけていた。拙いながらも必死に答えてくる少年に愛しさが募って何度も何度も口づければ、やがてくったりと力の抜けた体を預けてくる。とろんと蕩けた空色で見つめられればもうどうにも体の芯が熱くてどうにかなってしまいそうだった。
 つきあいだして一年。会えば会うだけ好きになって、正直どうしてこんなにハボックの事が好きなのかと自分でも不思議に思う。無邪気に笑うあの空色が愛しくて、最近では欲しくて堪らない気持ちを押さえ込むのが必死だった。気がつけば抱き締めてキスしている自分がいて、ハボックが他の誰かに笑いかけるのを見ると嫉妬で気が変になりそうだった。
「こんなに自分が嫉妬深くて独占欲が強いとは思わなかった……」
 これまでつきあった女の子は何人もいた。つきあい始めた時は確かに好きだと思ったし、一緒にいて楽しいとも思った。だが、つきあうにつれ互いの温度差がはっきりとしてきて、結局長続きせずに別れてしまうのが常で、最近はそういう煩わしさが嫌で特定の誰かを作るのはやめてしまっていたのに。
「ハボック……」
 素直で無邪気で明るくて、つきあい始めた頃はただそれが愛しいばかりだった。一緒にいるとほんわりと胸が暖かくなって、それだけで満たされていたのだ。それが最近はそれだけでは足りなくなっている。もっとハボックが欲しい。もっとハボックで満たされたい。もっとハボックを手に入れたい。そんな気持ちを必死に押さえているのに、ハボックときたらロイのそんな気持ちにはこれっぽっちも気づいてはいないようだった。
「ヒューズなんかに懐いてるし」
 ロイは面白くなさそうに呟く。ロイはずるずるとソファーに沈み込むとゴロリと寝転がった。
『他の誰かにとられないよう気をつけな』
 不意にヒューズがニヤついた顔でそう言うのが頭に浮かんで、ロイは頭の中でヒューズのニヤケた顔を思い切り殴る。クッションをギュッと抱き締め天井を見上げた。
「いっそ最後までシてしまえばいいのか……?」
 そうすればハボックが自分以外の誰かといても嫉妬にかられず済むだろうか。
「何言ってるんだ、相手はまだ中学生だぞ」
 そう呟いてから自分の“初めて”はいつだったろうと考える。ハボックの歳にはもう女性の経験があったと思い出して眉を寄せた。
「私はませてたからな……」
 それに比べてハボックはむしろ幼いと言えるだろう。ロイとのキスが初めてのキスだと言っていた。自惚れでなく自分が初恋だろう。それに、もしハボックを抱いたなら、あの無邪気さを壊してしまいそうな気がして、ロイはそれが怖かった。
「くっそぅ……ッ」
 ロイは悶々と思い悩む。手を伸ばしてテーブルの箱を引き寄せ黒スグリジャム入りのチョコを一つ摘んで口に放り込んだ。噛めば口の中に広がる甘さと酸っぱさがハボックを思い起こさせて、ロイは震える吐息を吐いた。
「ハボック……」
『せんぱぁい……』
 キスに蕩けた瞳で見上げてくるハボックの顔が浮かんで、ロイの手が股間に伸びる。ボトムの前を弛め下着の中に手を差し込むとゆっくりと扱き出した。
『マスタングせんぱい……』
『好き……ヤキモチ妬きの先輩、大好き』
 次々と浮かぶハボックの顔。愛しくて可愛くて、大事にしたいと思うと同時に何もかも自分のものにしてしまいたくて。
「く……ぅッ」
 ドクリ、と。愛しい少年への想いが熱い熱になって掌に溢れる。
「……くっそ……ッ」
 ロイは腕で目を覆って、瞼の裏に浮かぶハボックをそっと抱き締めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、ありがとうございますvv

「黒スグリ姫」です。いつもとちょっと変わって悶々とするマスタング先輩ってことで(笑)そして先輩の悩みは私の悩みだよ!姫ハボ押し倒したーいッ!!(爆)でも、押し倒しちゃうと姫ハボじゃなくなっちゃう気もするし、姫ハボだからこそ色々したいしなぁ。ちょ、ちょっと触るくらいならいいかなッ(笑)……なんて事をあれやこれや考えていたら、色々イケナイブラックネタも考えてしまいました。お前なぁ、と怒られそうなのでちょっと反転(苦笑)
満員電車の中で痴漢にあったハボック、恥ずかしくて嫌と言えないうちにトイレに連れ込まれて大変な事に……。無理矢理されて泣きじゃくりながらロイの事を呼ぶのを聞いた犯人、実は同じアメストリス学園の大学生でロイの事を嫌っており、受け入れさせられているハボックの写メをハボの携帯で撮ってロイに送りつけちゃったり。大事にしていたハボックが酷い目にあっている写メに驚愕しているロイのところへ今度は電話が。出てみるとハボックの泣きながらロイを呼んでいる声が聞こえてきたり、とかとか。
どうしようもないヤツですみません〜〜〜ッッ!(滝汗)妄想溜めまくってイケナイ方向へ行く前にちゃんとマスタング先輩に押し倒して貰った方がいいのか、これまで通り可愛い路線で行くのか……物凄く理性が試されている感じです(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

セレスタ、来ましたよッ、ブラッドレイ!(笑)やはり最後にちゃんと向かい合わないといかんなと言うところでしょうか。頑張れ、ハボックって感じです(笑)黒スグリ、やっぱり教えるのはあれやこれやですよね、ふふふvもー、絶対両親の信頼百パーセントですよ!(笑)やっぱりそろそろ押し倒すかなぁと迷い中です(苦笑)
2015年02月24日(火)   No.443 (ロイハボ)

黒スグリ姫17
ロイハボ風味

「どうぞ、あがってください」
「おじゃまします」
 ハボックに促されるままロイは家に上がる。両親は仕事で不在なのは知っていたがロイは律儀に挨拶の言葉を口にして中へと入った。
「座っててください、ちらかってるっスけど」
 ハボックは言ってロイにソファーを進める。ロイはリビングの中を見回しながらソファーに腰を下ろした。
「ちっとも散らかってなんかないさ。フルタイムで働いてるんだろう?それなのに家の中はきちんと片づいて、凄いな。食事もちゃんと用意されるんだろう?」
「父さんが味に煩いから。出来合いだとすげぇ味に文句つけるんスもん」
 ハボックはそう言いながら湯を沸かし紅茶の用意をする。手早く淹れて黒スグリのジャムと一緒にロイの前にカップを置いた。
「ああ、それはそうだろうな。あのジャムの仕分け方にはビックリした」
 ロイは嬉しそうにジャムを掬って口にしながら言う。ロイの言葉に父親にロイが集めたジャムの仕分けを手伝って貰ったことを思い出して、ハボックは苦笑した。
 去年のバレンタインデー。イニシャルだけを添えて黒スグリのジャム入りのチョコを送ったハボックを探そうと、ロイは学校中から黒スグリのジャムを集めた。おかげでロイの家の冷蔵庫は一口味を見ただけのジャムで埋め尽くされてしまった。流石に食べきれず処分に困っていたロイに、纏めて味を調え直せばいいと提案したのが大量のジャムを持て余して困っているという話を聞いたハボックの父親だったのだ。
「保存料の種類まで食べて判るんだからな、凄いよ」
 持ってきたらやってあげるからと言うハボックの母親の言葉に甘えてハボックの家にロイは大量のジャムを持ち込んだ。そのジャムをハボックの父親が仕分けて母親が味を調え大きな瓶に詰め直してくれた。おかげでロイは大量のジャムを無駄にすることなく美味しく食べることができのだった。
「あの時は本当に助かったよ」
「うちもジャム分けて貰ったっスから、助かりました」
 ハボックはにっこりと笑って言う。
「そう言えば母さんが今度食事にって言ってたっス。母さん、先輩のこと凄く気に入ってたから」
「ふふ、それは嬉しいな」
 あの日ジャムを詰め直しながらすっかり意気投合してしまったハボックの母親の、息子によく似た顔を思い出して笑みを浮かべるロイにハボックは言った。
「先輩、ゆっくりしててください。テレビ見ててもいいっスよ。オレはチョコ作っちゃいますから」
 ハボックはそう言うとキッチンへ行く。チョコを出し、細かく砕くための準備をしていると、ロイがキッチンに入ってくるのを見て小首を傾げた。
「なんスか?なにか足りなかったっスか?」
「いや」
 不思議そうに尋ねるハボックにロイは答える。
「折角だから作るのを見てていいか?」
「いいっスけど……退屈じゃねぇ?」
「そんなことないさ」
 ロイはにっこりと笑ってキッチンの壁に寄りかかる。ハボックはロイに背を向ける形で、チョコを小さく砕き始めた。
「手際がいいな」
「チョコ砕いてるだけっスもん、手際もなにもないっスよ」
 包丁を使ってチョコを細かく砕いていけばそんな声が聞こえてハボックは答える。だが、続いて聞こえた言葉にハボックは眉を寄せた。
「でも、チョコを細かくするのは結構大変だと聞いたよ」
「そう、っスか?」
(聞いたって誰から……彼女、とか?)
 なんでもないように答えながらハボックは思う。去年までは段ボール箱に何箱もチョコを貰っていたロイだ。彼女に手作りして貰ったことなどきっと何度もあるに違いなかった。
「ハボック」
「ひゃあッ」
 そっとため息をついた時、いきなり耳元で名を呼ばれてハボックは飛び上がる。慌てて振り向くとロイがすぐ後ろに立っていた。
「び、びっくりしたッ」
「何故?さっきからいたじゃないか」
 何を今更とロイが笑う。背後から腰に手を回されて、ハボックは言った。
「せんぱぁい、やりづらいっス」
「近くで見たいんだよ」
「近すぎじゃね?」
 こんなにくっつかれては心臓のドキドキが聞かれてしまうと思いながら、ハボックはチョコを細かく砕く。耐熱のボウルに入れてラップをするとレンジに入れた。チョコを溶かす間に棚からシリコン製のハートの型を取り出す。そうする間にもピッタリくっついて離れないロイに、ハボックは肩越しに振り返って言った。
「先輩もやってみます?」
「そこにチョコを入れるのか?」
「そうっス」
 その時レンジがチンと鳴って、ハボックはボウルをレンジから取り出す。まだ少し塊のあるそれを木べらで掻き回すと塊が溶けて滑らかになった。
「スプーンで塗ってください。底をちょっと厚めにすると上手くいくんで」
「判った」
 ハボックにスプーンを渡されて、ロイはチョコを掬って型に塗る。ハートが幾つも連なったトレイ状のシリコン型に顔をつき合わせて塗っていれば、ふと顔を見合わせてクスクスと笑った。
「先輩にあげるチョコなのに先輩にやらせてるって変っスよね」
「いいじゃないか、こう言うのも楽しくて。ん、美味しいな、このチョコ」
「先輩っ、舐めちゃダメっスよ」
 掬ったチョコを型に入れずに舐めてしまうロイにハボックが口を尖らせる。ロイはクスリと笑うと尖らせた口先にチョコを塗り付けた。
「わっ」
「ほら、旨いだろ?」
「もう、先輩ってば!」
 ハボックはムゥと膨れながら唇につけられたチョコを舌で舐める。紅く濡れた舌先がピンク色の唇を何度も行き来するのを見つめて、ロイは言った。
「まだ残ってる」
「え?どこ?」
 言われて舌で舐めとろうとするハボックにロイは顔を近づける。ハッとして目を瞠るハボックの唇を舌で何度も舐め、最後に唇を重ねた。
「んッ」
 逃げようとするハボックをグイと引き寄せ唇の間から舌をねじ込む。クチュと音を立ててキスを交わして、そっと唇を離した。
「とれたぞ」
「も、もうっ、せんぱいってばッ!自分でとれんのにッ」
 ハボックは真っ赤になって手の甲で唇をこすっていたが、ハッとチョコを見て声を上げた。
「わーっ、固まっちゃってる!もうっ、やり直さなきゃじゃんッ!先輩のせいっ」
「はは、ごめんごめん」
 キッと睨まれてロイは苦笑する。もう一度溶かしたチョコを型に塗って冷蔵庫で少し冷やして固めると、ハボックは黒スグリのジャムを取り出した。
「ここにジャムを入れるのか」
「そう。入れすぎないようにするのがコツっスよ」
「沢山入れた方が旨そうなのに」
「チョコで蓋できなくなっちまうっしょ」
 もう、と呆れた調子で言われて、ロイはクスリと笑う。ジャムをスプーンで掬ってチョコの中に入れるハボックの手を取って、スプーンの上のジャムを食べてしまった。
「せんぱぁいッ」
「お前も食べるか?」
「いっ、いいっス!」
 責めるように睨めば平然として顔を寄せてくるロイに、ハボックは慌ててロイを押し返す。ふふ、と笑ってロイは紅く染まったハボックの首筋にキスを落とした。
「うひゃあッ」
 突然のことに飛び上がったハボックのスプーンからジャムが床に落ちる。ハボックはキスされた首筋を手で押さえながら真っ赤な顔でロイを睨んだ。
「もーっ、先輩いるとチョコできないっしょ!もう、あっちで待っててくださいッ!」
「ごめん、悪かったって、ハボック」
 グイグイとキッチンから押し出されてロイが言う。
「ダメッ、あっち行って!」
 だが、結局キッチンから追い出されて、ロイは仕方なしにリビングに戻った。
「もうっ、先輩ってば、先輩ってばッ!」
 ドキドキと高鳴る胸を誤魔化すようにハボックは言って零れたジャムを拭き取る。残ったチョコにジャムを入れてチョコで蓋をするともう一度冷蔵庫に入れた。
「出来たのか?」
 冷蔵庫で固める間、リビングに行けば置いてあった雑誌を読んでいたロイが言う。ハボックはロイの向かいに腰をおろして答えた。
「後は固まったら型から抜いて、ホワイトチョコで飾ったら出来上がりっス。あ、型から抜くときは神経使うんで、ぜーったい邪魔しないでくださいねッ」
 邪魔される前にと釘を刺すハボックにロイはクスリと笑う。雑誌を脇に置くとソファーに座る自分の隣を叩いて言った。
「判った、邪魔しないから、こっちにおいで」
「えっ?」
 そう言われてハボックは迷った末、クッションを手に取り立ち上がる。ゆっくりとロイの側に寄ればロイの手が伸びてきてハボックの腕を引っ張った。
「わっ」
 引っ張られるままにハボックはポスンとソファーに腰を落とす。ギュッとクッションを抱き締めて上目遣いにロイを見れば、黒曜石の瞳がハボックを見つめていた。
「今日はチョコを作ってくれて嬉しいよ。今年はもう貰えないのかと思ったから」
「ご、ごめんなさい」
 言われてハボックは首を竦める。そんなハボックにロイは笑って尋ねた。
「私が好きか?」
「……好きっス」
「こんなヤキモチ妬きの私でも?」
 そう尋ねられてハボックは目を瞠る。それからふわりと笑って答えた。
「好き……ヤキモチ妬きの先輩、大好き」
「ハボック」
 言えばクッションごと抱き締められて降ってくる唇を、ハボックは目を閉じて受け止めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになりますv嬉しいですvv

日記をアップしようとして「あっ、猫の日だっ」って思ったけど、今から書く時間もないので「黒スグリ姫」です(苦笑)チョコ作ってイチャイチャvきっとものすんごい甘いチョコが出来たと思います(笑)
去年のジャムを合わせて煮詰め直すっていうの、頂いたコメントをちゃっかりネタにさせて頂いちゃいましたーッ。いつもながらにすみません(汗)でもってこの後は家庭教師になって親公認(爆)まさか勉強以外の事を教えて貰ってるとは親も思うまい(コラコラ)

以下、拍手お返事です。

香深さま

わーい、お久しぶりです、お元気ですか?姫ハボ、ジャム仕分けネタ、ちゃっかり頂いてしまいましたーッ!だって私もあの大量のジャムはどうしたんだろうとずっと思っていたもので(笑)姫ハボの母は絶対料理が上手だと思います。ふふふ、いいですよね、家庭教師(笑)おお、それじゃあ姫ハボホワイトデーはチューリップの花束を贈って貰いますねvエドの犬種、うわあ、ジャックラッセルテリア!性格が凄いエドっぽい!いいかもーv確かにアルのイメージとはちょっと違うかもですが、その辺は個体差って事にしちゃおうかなぁ。まだ寒い日が続くようですね、香深さまもお体お気をつけてお過ごしくださいv

なおさま

黒スグリ、ヒューズは絶対いい相談相手ですよね!そうそう、でもロイにはそれが納得いかない(笑)あ、やっぱり「待て」を言い渡されると思いました?ですよね〜(笑)そんな訳でイチャイチャのち待てな展開になりました(笑)
2015年02月22日(日)   No.442 (ロイハボ)

黒スグリ姫16
ロイハボ風味

「おう、ハボック」
「あ、ヒューズ先輩」
 本屋で本を探していたヒューズは視界の隅を掠めた金色に顔を上げ、見知った顔に気づいて声をかける。近づいてきたハボックが手にした雑誌を見てヒューズは言った。
「買い物か?」
「うん。これこれ」
 ハボックはそう言って手にした雑誌を見せる。サッカー選手が表紙を飾る月刊誌はヒューズも買っているものだった。
「お、そうか。最新号今日だったか」
「そうっスよ。ヒューズ先輩も買ってるんスか?」
「当然だろ」
 ニヤリと笑って言えば、ハボックが「そうっスよね!」と同意する。ヒューズは本を探すのをやめてハボックがレジに並ぶのについていった。
「そういやお前、バレンタインはロイにチョコあげたんだろ?例のジャム入りの奴」
 去年のバレンタインデー。ロイがチョコを手だてにハボックを探し出すのに手を貸したのはヒューズだ。その後つき合いだした二人、今年も切欠となったチョコを当然あげたのだろうと尋ねれば、顔を曇らせるハボックにヒューズは眉を寄せた。
「えっ?まさかあげなかったのか?」
 レジを済ませて歩き出すハボックと並んで店を出ながらヒューズは尋ねる。そうすればハボックが買った雑誌をギュッと抱き締めるのを見てヒューズは言った。
「もしかして別れた、とか?」
「別れてないっス!」
 そうすれば途端に返ってきた言葉にヒューズは目を丸くする。ハッとしてハボックが慌てて目を逸らすのにヒューズは目を細めた。
「どう言うことだよ」
「それはその……可愛い女の子からずっと美味しいチョコ貰ったらそっちの方がよくなるだろうなって思ったから……」
「は?ロイの奴、今年は誰からもチョコ貰ってないぞ」
「知ってます、先輩にもそう言われたっスから」
「だったらなんで?」
 訳が判らんと言う顔をするヒューズをハボックはチラリと見る。
「ヒューズ先輩、マスタング先輩ってオレのどこがいいのかな?」
「へ?」
「オレのこと可愛くて愛しくてしょうがない。大好きだっていっぱいキスしてくれたけど、オレのどこがいいのかなぁ……」
「お前なぁ……」
 雑誌を抱き締め、紅い顔でそんなことを言うハボックをヒューズはげんなりと見つめる。自分が言っているのがただの惚気だと気づいていないらしい少年に、ヒューズはひとつため息をついて言った。
「仕方ねぇなぁ。そんなに不安ならロイがどんだけお前が好きか教えてやるよ」
「えっ?」
 言えば驚いたように空色の瞳を見開くハボックにヒューズはニヤリと笑ってウィンクする。ポケットからスマートフォンを取り出して操作すると耳に当てた。
「────ああ、ロイ?俺だけどさ、今ハボックと一緒にいるんだけど、この辺りでオススメの喫茶店ってどこ?────いや別にお前は来なくていいよ。えっ?あー、駅前の本屋の前だけど、ここから近い喫茶店教え────って、切れちまったよ」
 ヒューズは苦笑してスマートフォンをポケットに戻す。ポカンとしているハボックに、ヒューズは笑って言った。
「あの調子なら五分……いや四分二十秒で来るぜ」
「えっ?なんで?」
 キョトンとするハボックの質問に答えず、ヒューズはポケットに手を突っ込んで通りの向こうに目をやる。少し待てば、遠くから駆けてくる人影が見えた。
「来た来た」
「うそ、マスタング先輩っ?」
 もの凄い勢いで近づいてくるロイを目を丸くして見つめるハボックにヒューズは言った。
「なあ、今からでもいいからチョコ作ってやれよ」
「えっ?」
「喜ぶぜ、アイツ」
 言ってヒューズがニッと笑った時、ロイが側までやってきた。
「ヒューズ〜〜ぅッ、きっ、きさまッ」
 ゼイゼイと肩で息をする合間にロイは唸るように言ってヒューズを睨む。目を丸くしているハボックを引き寄せ、ギュッと抱き締めた。
「ほんっとに油断も隙もない奴だなッ!何度言ったら判るッ、ハボックに手を出すなッッ!!」
 もの凄い剣幕でロイに怒鳴られてもヒューズはどこ吹く風だ。煙草を取り出し火をつけながら言った。
「可愛いよなぁ、ジャンって。なあ、今度また一緒にサッカー見ようぜ」
「えっ、あ、はい!」
「なにッ!!」
 馴れ馴れしくファーストネームを呼んだ上サッカーに誘うヒューズにロイは目を吊り上げる。
「お前もッ、なんで返事するんだッ」
「えっと、マスタング先輩も一緒にどうっスか?前に行きたいって言ってたっしょ?」
「ッ」
 思いがけずそんな答えが返ってきて、ロイはウッと答えに詰まる。そんな二人を見て、ヒューズがクックッと笑った。
「ま、他の誰かにとられないよう気をつけな。じゃあな」
「お前が一番危ないッ!」
 ハッハッハッと笑いながらヒューズは手を振って行ってしまう。その背を睨みつけていたロイはヒューズが角を曲がってしまうとバッとハボックの方を振り返る。
「どうしてヒューズと一緒に?まさかアイツに口説かれてたんじゃ」
「えっ?ヒューズ先輩とは本屋でたまたま会っただけっスよ」
「だが一緒に喫茶店に行こうとしてたろうッ」
「それはヒューズ先輩が勝手に言ってただけで」
 小首を傾げて言うハボックに、ロイは大きく息を吸い込んだ。
「じゃあヒューズとはなにも……?」
「なにもないっスよ」
 ハボックが言うのを聞いてロイは吸い込んだ息を一気に吐き出す。ハアと大きなため息をついて小さく頭を振るロイの様子をじっと見ていたハボックは、クスリと笑って言った。
「ねぇ、先輩。今忙しいっスか?すぐ家に帰らないとダメ?」
「いや、別に急いで帰る必要はないが」
「だったらうちに来ませんか?──チョコ、遅くなっちゃたけど作ろうかなって……もう要らないっスか?」
「ッ!そんなわけないだろうッ」
「ホント?よかったぁ」
 不安げな表情がロイの一言でパアッと変わるのを見たロイの心臓がドキンと音を立てる。
「じゃあ、行きましょう────先輩?」
 先に立って歩きだそうとするハボックの腕を引き留めれば、ハボックが不思議そうにロイを見た。
「ハボック、ちょっと」
「先輩?」
 ロイは胸の鼓動が命じるままにハボックを近くの路地に連れていくとその細い体を腕の中に閉じこめる。
「……先輩?」
「好きだよ、ハボック」
 不思議そうに見つめてくるハボックを引き寄せて、ロイはハボックにそっと口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、頑張る素です、嬉しいですv

「黒スグリ姫」です。マスタング先輩、ホントヤキモチ妬きだなぁ(苦笑)いちゃいちゃさせようと思ったのにする前に終わってしまった(苦笑)次回はチョコ作りながらイチャイチャすると思います(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、おお、エドとアルの犬種ありがとうございますvそうだなぁ、この中ならキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルかパピヨンかなぁ……考え中。あ、ちなみにエドとアルは兄弟犬なので同じ犬種になると思います、ふふふvそしてホワイトデーネタもありがとうございますvvおお、いいっスね!それ!髭め〜(笑)頑張って書かせていただきますねv

阿修羅さま

バレンタインネタ、楽しんで頂けてよかったです。そしてホワイトデーネタもありがとうございます。頑張るロイ……頑張って書かせて頂きますね。季節の上では春ですが、まだまだ寒い日が続くようです。阿修羅さまもお体大切になさってくださいねv
2015年02月19日(木)   No.441 (ロイハボ)

獣17
 お気に入りのラグの上に寝そべってぬくぬくとそのぬくもりを楽しんでいれば乱暴に玄関が開く音がする。何事かと思いつつ、隣でだらしなく眠りこけているハボックを蹴飛ばして起こした。
『おい、玄関を見てこい』
『えー、どうせヒューズさんっスよ。待ってればこっち来ますって』
 そう言ってべちゃあと私の大事なラグの上に伸びるハボックを私はゲシゲシと蹴飛ばす。渋々と起きあがったハボックがフワァと大欠伸をした時、リビングの扉が開いてヒューズが入ってきた。
『ほら、やっぱヒューズさんじゃん」
 ほらみろ、と言う顔をするハボックを睨みつければ、ハボックはそそくさと私から離れてヒューズの足下にまとわりつく。ヒューズはハボックの頭をわしわしと掻き混ぜて言った。
「ロイ、ヒューズ、お前ら悪いけど、今夜から一週間くらいペットホテルに泊まりに行ってくれ」
『なんだとッ』
 突然のことに驚いて私は寝ていたラグから飛び起きる。ペットホテルは私の大嫌いなものの一つだ。冗談じゃないとバウバウと喚く私とヒューズとを見比べて、ハボックが言った。
『ペットホテルってなんスか?お泊まり?お泊まりなの?面白そうッ』
『面白くなんかないッ!あそこは最悪のところだッ!』
 嬉しそうに顔を輝かせるハボックに私はきっぱりと言う。以前ヒューズの仕事の都合でペットホテルに預けられた事があったが、はっきり言ってギャンギャンバウバウやかましくて、正直気が狂いそうになったのだ。
「リザちゃんに泊まりに来て貰うことも考えたんだけど、何せあまりに急だからな。悪いけど、お前らホテルに……って、ロイ、怒るなよ」
 グルグルと低く唸る私にヒューズが眉を下げる。
『冗談じゃない、絶対に行かないからなッ』
『えー、大佐、そんなこと言わずに行きましょうよぅ』
 フンと鼻を鳴らしてラグに寝そべる私にハボックが言う。ねぇねぇと甘えるように鼻面を押しつけてくるハボックとラグに寝そべる私を見てヒューズが言った。
「行きたい行きたくないに関わらず預けるからな。でないとお前ら飢え死にしちまう」
『ええッ!それは絶対嫌っス!大佐、ホテル行きましょう、ホテル!』
『嫌だ、行くならお前一人でいけ。寝てれば腹も空かん、私はここで待つ』
『大佐ァ』
「俺も出張の準備してくるから。用意できたらすぐ行くぞ」
 そう言ってリビングから足早に出ていくヒューズの背に。
『私は絶対に行かんからなッ!!』
 私は大声で怒鳴った。

 そんな私の主張も空しく、今私とハボックはペットホテルのプレイルームにいる。ヒューズは私たちを預けると慌ただしく出張へと出かけてしまった。
『すげぇ面白いとこっスね!他の奴がこんなにいるなんて、ドッグランみてぇ』
 他にも私たちと同じように預けられた犬がいるのを見て、ハボックが興奮して言う。ニカッとハボックが笑顔を向けたもののデカイ図体の私たちに、小型犬達は怯えたように壁際に貼り付いていた。
『やめとけ。怖がられてるだろう』
『えーっ、なんでーっ?一緒に遊びたいのに!』
 ハボックは場の空気など全く気にもとめずに言う。他の犬が寄ってこないならそれに越したことはないと、私が居心地のよい場所を探して辺りを見回した時。
『危ないッ、よけろッ!』
『え?──いてッ!』
 ドカッと、飛んできたボールが私の後頭部を直撃する。弾みで前のめりに突っ伏してしまった私の耳に、呆れたような声が飛び込んできた。
『鈍いなぁ、よけろって言ったじゃん』
『────んだとぅッ』
 その声にムッとして背後を振り向けば小型犬が二匹、私たちを見ていた。
『貴様、他犬(ひと)にボールをぶつけておいてその言い種はなんだッ』
 無礼な物言いにズイと背を伸ばして上から見下ろして言う。そうすれば最初に口をきいた一匹より一回り大きいもう一匹が言った。
『兄さん、失礼だよ。ボールをぶつけたのはこっちなのに────すみません、怪我しませんでしたか?僕はアルフォンスって言います。こっちは兄のエドワード。兄さんが失礼な事言ってごめんなさい』
 そう言って頭を下げつつ兄の頭を前脚でグイグイと押し下げるアルフォンスと、頭を下げまいと脚を突っ張るエドワードを、私はジロリと見た。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気の素です、本当にありがとうございますvv

「獣」です。ペットホテルってどういう風になっているのかよく知らないので、細かいところはどうぞ目を瞑ってやって下さい(苦笑)そして、ワンコのエドとアル出たよ(笑)飼い主はやっぱり師匠でしょうかね。んでもって、エドとアルの犬種、募集しまーす!(爆)小型犬、チワワくらいしか思い浮かばないんだもん(苦笑)小型犬で二人に合いそうなのいたら教えてやって下さいませvちなみにハボックはゴールデンレトリバー、ロイはグレイハウンドです。

でもってもう一つ募集(え?)バレンタインネタに引き続きホワイトデーネタも募集しまーす!一応2月25日まで……。バレンタインはギリギリになってちょっと死にそうだったんで、今回は少し余裕もってみました(苦笑)宜しければネタ投下どうぞよろしくお願いしますv

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、そうですね、ハボにしてみればロイはもう本当に憧れの人なので、そんなロイが自分を選んでくれたというのが未だに信じられなくて、理由が判ってないんだと思います。まだ子供だしね(笑)奪って逃げる!(爆)可愛いなぁvハボもきっとそんな感じな気がします(笑)バレンタインネタ、楽しんで頂けてよかった〜vvあ、確かに部屋の掃除は絶対ロイがやらされてますよね!(笑)

はたかぜさま

バレンタインネタ、楽しんで頂けて良かったですvv私もこっそり親指立てますよ!いいなぁ、それ(笑)ハボロイネタも楽しんで頂けて嬉しいv一生懸命捻り出したので、読んで貰えなかったら悲しいなーと思っていたので、そう言って頂けて嬉しいですvいっぱいネタを頂けた時点でバレンタインの神さまに幸せ貰った気がします。その上楽しんで頂けて、本当に幸せvvこちらこそありがとうございましたv

姫ハボ大好きだよぉ〜〜  の方

うわあ、本当ですか?滅茶苦茶嬉しいですvvえへへ、モチベーション上がりまくりですよvv姫ハボ、もっといちゃいちゃして貰いますねvこれからもどうぞよろしくお願い致しますv
2015年02月16日(月)   No.440 (カプなし)

黒スグリ姫15
ロイハボ風味


 学校からの帰り道、冷たい北風に首を竦めて歩いていたハボックは、店のショーウィンドウを飾る彩りも可愛らしいチョコを目にして立ち止まる。中にジャムが入ったチョコを見つけて、丁度一年前の事を思い出した。
 学園でも知らない人のいない人気者の大学生であるロイと知り合ったのは、飛び出してきた猫をよけた弾みに自転車ごと転んでしまったのが切欠だった。痛みに起き上がれないでいるハボックを助けてくれたのがロイだったのだ。ロイに恋したハボックは、バレンタインに手作りの黒スグリジャム入りのチョコを贈った。決して叶うことのない恋だと思ったからイニシャルだけを添えて。だが綺麗な空色のリボンに惹かれてチョコを食べたロイがハボックを探し出し、そうして二人は恋人同士となったのだった。
(今年のバレンタインどうしようかな……)
 黒スグリジャム入りのチョコはロイの大のお気に入りだ。作るのにちょっぴり手間がかかるのであまり作ってあげられないが、何か特別な時には贈るようにしていた。
(やっぱりあれがいいかな、先輩、大好物だし)
 それに何より二人がつきあうようになった切欠のチョコだ。
(よし、じゃあ今年もあのチョコを)
 作ろう、とハボックが思った時、スイーツショップの前で可愛らしい笑い声が上がる。声がした方を見たハボックの目に、女の子達がチョコの手作りキットを手に楽しそうに話しているのが飛び込んできた。
「私、今年はマスタング先輩に手作りチョコ贈るんだ」
「エマ、お菓子づくり得意だもんね。きっとマスタング先輩も一発だよ!」
(あ)
 ふと。ハボックの頭にある考えが浮かぶ。暫くの間楽しげな女の子達の様子を見ていたハボックだったが、逃げるようにその場を後にした。

「ただいま……」
 ハボックはいつものように自分で鍵を開けて家に入る。両親は仕事に出かけておらず、ハボックは二階の部屋に上がると部屋着に着替えて下りてきた。冷蔵庫を開け黒スグリジャムが入った瓶を取り出す。お気に入りのそのジャムを見つめていれば、さっき見た女の子達の姿が頭に浮かんだ。
(もし今年、誰か女の子が手作りチョコをあげて、それが先輩の好みだったらその子と付き合うのかな……)
 考えてみればロイは自分のどこがよくて付き合ってくれているのだろう。このジャム入りのチョコが気に入っただけなら、他にもっと美味しいチョコを作る女の子が現れたらその子と付き合いたいと思うのではないだろうか。なんと言っても自分は男だ。彼好みのチョコを作る可愛い女の子がいたならばそっちの方がいいに違いない。
「――――ッ」
 ハボックは冷蔵庫を開けるとジャムの瓶を放り込み乱暴に扉を閉めた。

 ロイは読んでいた本を閉じると手帳を広げ、気がついた事を書き留める。スケジュールのページを捲れば目に飛び込んできた日付に目を細めた。
「バレンタインデーか」
 思えば去年の今頃、ハボックからあのチョコを貰ったのだ。こんなに美味しいチョコを作るのは一体どんな相手だろうと探し回って見つけたのがハボックだった。明るい空色の瞳と素直で無邪気な性格と。会えば会うだけ可愛くて愛しくて堪らず、どんどん好きになった。
「今年もあのチョコをくれるのかな、ふふ、楽しみだ」
 甘くてちょっぴり酸っぱくて、ハボックみたいなチョコレート。ロイはバレンタインにあのチョコが貰えるのをウキウキしながら待っていた。

「おう、ロイ」
「おはよう、ヒューズ」
 廊下の向こうからやってきた髭面の友人が手を上げるのにロイは答える。ヒューズは手にした紙袋をロイに差し出して言った。
「ほら、お前宛。預かってきたぜ」
 そう言って差し出された紙袋一杯のチョコにロイは思い切り眉をしかめる。ロイは受け取ろうとはせずに言った。
「どうしてそんなものを持ってくるんだ」
「どうしてって、仕方ないだろ。渡してくれって押しつけられてんだから」
 好きで持ってきた訳じゃないとヒューズは紙袋をロイに渡そうとする。だがロイは手を出さずに言った。
「私にはハボックがいるんだ、受け取れる訳がない」
「だったら彼女達にそう言えよ」
「言えるわけないだろう」
 そう言うロイにヒューズが顔をしかめる。その表情からヒューズが言いたい事を察して、ロイは「違う」と手を振った。
「ハボックが嫌がらせを受けたりしたら困る」
「ああ、そう言うことか。モテる男は辛いね」
 そう言うヒューズをロイが睨む。チョコが詰まった紙袋を見て言った。
「そう言う訳だから受け取れないよ。私が受け取るのはハボックのチョコだけだ」
「まあお前の言い分は判ったけど、どうするよ、これ」
「お前に任せる」
「えっ?おい、ロイ!」
 それだけ言ってスタスタと歩いていってしまうロイをヒューズは慌てて引き留めようとする。だが声が聞こえているだろうに振り返りもせず行ってしまうロイにヒューズはため息をついた。
「ま、確かに仕方ないわな」
 ロイが義理でも他の相手かのチョコを受け取らないのはそれだけハボックに対して本気だと言うことだ。
「とは言えどうするよ、これ……」
 食べるわけにもいかず、といって捨てる訳にもいかない。
「返して回れってか?冗談だろ」
 ヒューズは紙袋一杯のチョコを見下ろしてため息をついた。

 ヒューズが持ってきたチョコを拒絶して、ロイは学園を出ると近くの喫茶店に向かう。夕べ電話でハボックとここで待ち合わせする約束を取り付けたのだが、その時のハボックの様子を思い出してロイは眉を顰めた。
(様子が変だった……何かあったのか?)
 普段のハボックなら賑やかにお喋りするのに夕べは殆ど喋らなかった。それどころかバレンタインのデートにすら気乗りしない様子だったのだ。
(まさか他に誰か……?)
 不意にそんな考えが浮かべばいても立ってもいられなくなる。ロイは苛々しながらハボックが来るのを待ったが、ハボックは約束の時間を三十分過ぎても姿を現さなかった。
「――――ッ」
 ロイはそれ以上待っていられなくなって、乱暴な仕草で立ち上がる。喫茶店を飛び出すとハボックの家へと向かった。何度か訪ねた事のある場所へロイは迷うことなく辿り着くと玄関のチャイムを鳴らした。だが、何度鳴らしても扉が開く気配はない。シンと静まり返った家は留守のようにも見えたが、ロイは愛しい少年が中にいることを確信して門に手をかけるとヒラリと飛び越えた。

 玄関のチャイムが鳴る音にインターホンの画面を見たハボックは、そこに映るロイの姿を見つけて目を瞠る。だが、インターホンには出ずにハボックはソファーに座ったままクッションを抱き締めた。
 夕べロイからの電話で、今日デートする約束をした。だが、約束はしたもののハボックは約束の場所にとても行く気にはなれなかった。
(だって……きっと他の女の子から美味しいチョコを貰ってるもの)
 去年はたまたま自分のチョコを選んでくれただけで、きっと今年は可愛い女の子からもっと美味しいチョコを貰ったに違いない。
(きっとその事を言いに来たんだ。もう……オレのチョコはいらないって)
 そう考えたハボックの瞳に涙が盛り上がる。盛り上がった涙がポロリと頬に零れた時、乱暴に扉を叩く音が聞こえてハボックは飛び上がった。
「ハボック!」
「な、なん……っ」
 ドンドンと扉を叩く音の合間にロイの声が聞こえる。目を見開いて凍り付いていたハボックは、近所の女性の声が聞こえてハッとしてクッションを放り出し玄関に走った。
「ちょっとあなた、何やってるんですかッ?警察呼びますよ!」
 玄関を開ければ女性のキツい声が飛び込んでくる。大声を上げて玄関を叩き続けるロイを怪しんで詰問する女性にハボックは慌てて言った。
「この人、オレの学校の先輩っス!怪しい人じゃないっスから!先輩っ、中入ってください!」
 ハボックは早口に言うとロイを中に引っ張り込む。バタンと勢いよく扉を閉じて背後を振り向いたハボックは、ロイがじっと見つめてきている事に気づいてギクリとした。
「ハボック」
 低く呼ぶ声に大きく震えたハボックはロイの横をすり抜けて奥へ行こうとする。だが、伸びてきたロイの手に腕を掴まれて叶わなかった。
「どうして喫茶店に来なかった?」
 そう尋ねるロイをハボックは真っ直ぐに見ることが出来ず顔を背ける。唇を噛み締めて黙っていると、ロイが絞り出すように言った。
「他に好きな相手が出来たのか?」
「ッ?」
 突然そんな事を言われて、ハボックはびっくりしてロイを見る。そうすればロイが黒曜石の瞳に嫉妬の焔を燃え上がらせて言った。
「一体どこのどいつだッ?私よりソイツの方が好きなのかッ?だから昨日の電話でも――――」
「待って!オレ、他に好きな人なんていないっス!」
「じゃあどうして来なかったッ?」
 そう言ってキツく見つめてくる黒曜石にハボックは唇を震わせる。
「だって……先輩がオレと付き合ってくれてたのはたまたまオレが作ったチョコが気に入ったからっしょ?今日、他の可愛い女の子からもっと美味しいチョコ貰ったんじゃないんスか?だったら絶対そっちの方がいいっスよね!オレのチョコなんてもう要らないってそう思ってるんでしょ!」
「な……っ?」
 唐突にそんな事を言われてロイは目を瞠る。何も言わずに見つめれば、ハボックがクシャクシャと顔を歪めた。
「先輩に手作りチョコあげるんだって言ってる女の子見たっス。お菓子づくり得意だって。すごいカワイイ子だった。きっとオレなんかよりあの子の方がいいに決まって――――」
 ハボックが声を張り上げてそこまで言った時、ハボックの頬が乾いた音を上げる。頬に走る痛みに叩かれたのだと気づいたハボックが驚いて見つめれば、グイと乱暴に引き寄せられた。
「ッ!んんッ!」
 そのまま噛みつくように口づけられて、ハボックは目を見開いた。慌てて逃れようともがいたものの、より深く口づけられる。呼吸さえ奪うような激しい口づけに、くったりと凭れかかるハボックにロイが言った。
「他の誰からもチョコは貰ってない」
「……え?」
「直接私に持ってきた子からもヒューズが預かってきた分も、今年は誰からも貰ってない」
 そう言うのを聞いてハボックは目を見開く。消えそうな声で「なんで?」と尋ねるハボックにロイが言った。
「当たり前だろう?私が好きなのはお前だ。他の誰からのチョコも欲しくない」
 きっぱりとそう言うロイをハボックが信じられないと首を振る。
「なんで?オレ、先輩みたいに格好良くもないし頭だって良くないしっ、全然フツーでなんで先輩、オレとつきあってくれんのッ?」
「ハボック」
 ポロポロと涙を零すハボックにロイは目を瞠る。それからフッと微笑んで言った。
「馬鹿だな。私から見たらお前は可愛くて愛しくて堪らないのに」
「ッ?」
「好きだよ、ハボック」
 ロイは優しく言ってハボックを見つめる。
「私が好きなのはお前だけだ」
「先輩……」
 ロイは大きく見開いた空色を濡らす涙を唇で拭う。
「好きだ、今年も来年もずっと私が欲しいのはあのチョコだけだよ」
「……せんぱいッ」
 言えば泣きじゃくるハボックの体を抱き締めて、ロイはハボックに深く口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に励みになってます、ありがとうございますvv

バレンタインデーですねvそんな訳で黒スグリ姫もバレンタインネタですー。
そして、今年もネタ投下ありがとうございましたvええと、今日の更新はバレンタインデーネタのみとなりましたが、頑張ってハボロイもひねり出して、ハボロイ1つ、ロイハボ2つ、ヒュハボ1つの計4つのお話を上げてみました。後ほど「その他企画」にアップ致しますので、バレンタインデーのひと時、お楽しみ頂ければ嬉しいですv

以下、拍手お返事です。

なおさま

加齢臭、あはは、確かにヒューズの方が臭いそう(爆)ところで頂いたコメントの一部が文字化けってよめませんでしたー(苦)多分カレー臭コメントのところかと……気になる。バレンタインネタ、無理無理タイトルつけてみました。「焔vs眼鏡」の方がよかったかも(苦笑)
2015年02月14日(土)   No.439 (ロイハボ)

匂い?臭い?
「あ、カレイシュウがする」
「えっ?!」
 リビングに入ってくるなりハボックが言った言葉に、ソファーに座って本を読んでいたロイはギョッとして顔を上げる。ハボックが何か言うかとその動きをロイは目で追ったが、ハボックはそれ以上は何も言わず、リビングを抜けるとその奥に続くキッチンへと行ってしまった。
「加齢臭、だと?私が臭うということか……?」
 思いもしなかった言葉にショックを受けながらも、ロイはクンクンと自分の匂いを嗅いでみる。何か変な匂いがするだろうかと鼻をひくつかせて必死に嗅いでみたが、愛用のコロンの匂いしかしなかった。
「自分じゃ判らないって事か?」
 自分の匂いは自分では判らない可能性もある。ロイは立ち上がるとパタパタと服をはたいてもう一度匂いを嗅いでみた。
「────判らん」
 もし本当に臭いとしたら──。そう考えただけでロイはゾッとして体を震わせる。このロイ・マスタング、加齢臭がすると言われるくらいなら死んだ方がましだ。口が臭うだろうかと口元を手で覆ってハーッと息を吐いて嗅いでみたり、脇の下が臭わないかと嗅いでみたり、流石に靴下の臭いまでは確認する気はしなかったものの、ロイは自分が本当に臭っているのかと必死に確認してみた。だが。
「やっぱり判らん。私は本当に臭っているのかッ?」
 確かにハボックは「加齢臭」と言っていた。もしかしてもしかすると聞き間違いかと僅かな希望を抱いてみたが、それも単なる希望的観測としか言えなかった。
「やはりここはもう一度ハボックに確認するか……?」
 言ったのはハボックだ。ハボックに確認するのが一番手っとり早い。それに。
「加齢臭がする男とはつき合いたくないと思われたら」
 同性同士というだけで既にハードルが高いのだ。その上臭いとなったらつき合うのにも益々抵抗が出るに違いない。ロイとしてはハボックを手放す気など毛頭なかったし、それに今ならまだ臭いもなんとか出来て無様な理由での別れも回避出来るかもしれないと思えた。
「く……ッ、恥ずかしいがここは致し方あるまい……ッ」
 恥を忍んでハボックに確認しようとロイが思った時、ハボックがコーヒーのカップを手にリビングに戻ってくる。立ち尽くすロイの前に「どうぞ」とコーヒーを置くと、向かいのソファーに腰を下ろして雑誌を広げた。
(こ、これは私の臭いをコーヒーの香りで誤魔化そうということか……ッ?)
 コーヒーのいい香りがリビングに広がる中、ロイはそう思ってハボックを見つめる。どうにも尋ねる言葉が出てこず、じっと見つめていればハボックが顔を上げた。
「どうかしたんスか?大佐」
 ソファーに座らず立ち尽くしているロイをハボックが不思議そうに見上げる。小首を傾げるハボックに、ロイは恐る恐る尋ねた。
「ハボック、その……私は臭うか?」
「は?」
「いやだからその、……私は臭いかと聞いたんだッ!どうなんだッ!」
「なんスか、突然」
 声を張り上げて尋ねるロイに、ハボックが目を丸くする。そんなハボックにロイは苛々として言った。
「さっきお前が言ったんだろう!加齢臭がするって!それは私が臭いってことじゃないのかッ?もしそうならはっきり言ってくれ!」
「加齢臭……」
 声を張り上げるロイの言葉をハボックが繰り返す。ロイがギクリと震えた時、ハボックがプッと吹き出すとゲラゲラと笑いだした。
「あっはっはっ、かっ、加齢臭って!」
「な、なんだ、なにがおかしいッ?私は真剣に悩んでだなッ!」
 ゲラゲラと腹を抱えて笑うハボックにロイは目を吊り上げる。笑いが収まらないままに「違う違う」と手を振って、ハボックは涙の滲む目元を指でこすった。
「違うっスよ、加齢臭じゃなくてカレー臭。アンタ、どっかでカレー食べて来なかったっスか?」
「……は?カレー臭……?」
 クックッと笑いながら言うハボックにロイは目を丸くする。少し考えてからロイは言った。
「さっき出かけた時、近道で市場を抜けたらカレーの販売やってたから試食してきた……」
「ああ、じゃあそれっスよ。アンタ、カレーの匂いがするの」
 リビングに入った途端カレーの匂いがしたので思わずカレー臭がすると言ったのだと言うハボックの言葉を、ポカンとして聞いていたロイは次の瞬間目をキッと吊り上げた。
「それならちゃんとカレーの匂いがすると言えッ!カレー臭なんて……私が加齢臭がするのかと思ったじゃないかッ!」
「それでアンタ、焦ってたの?あはは、すっげぇおかしい……ッ」
「おかしくないッ!」
 再びクスクスと笑い出すハボックにロイは怒鳴る。「まったくこの紛らわしい事をッ」とブツブツ言いながらロイは乱暴に腰を下ろした。
「心配しなくていいっスよ。もし大佐がヨボヨボのおじいちゃんになってちょっとばかり臭っても、オレ、大佐のことずっと好きっスから」
 ニコニコと笑ってそんなことを言うハボックをロイは睨む。
「ホントっスよ。大佐の匂いはいつだってオレにはいい匂いっスもん」
「────馬鹿っ」
 うっとりと笑ってそんな事を言うハボックに、ロイは紅くなった顔を誤魔化すようにゴクゴクとコーヒーを飲んだ。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、本当に励みになります、嬉しいですーvv

カレーライスとかカレーを使った料理をして部屋の中でカレーの匂いがしていると、息子がすぐ「カレー臭がする」って言うんですよね。カレーのいい匂いがすると言う意味で言ってるんですが、カレー臭って、オイ(苦笑)なんかちっとも美味しそうな感じがしないと思うのは私だけ?(笑)海苔の匂いがすると「のり臭」って言うし、臭ってそもそもいい匂いじゃないですよねぇ。やめてよ、それ(苦笑)

とりあえず昨日までにバレンタインネタ三本、書き終わりました〜!この十日あまりで企画三本書いて、更新二回して、日記も書いて……なんかもの凄い働いた気がする〜(ヘロヘロ)でもまだ週末の更新は手つかずだし「黒スグリ姫」ネタも書いてない……。なによりまだ三本ともタイトルついてないんだよ!(爆)あーもう、ホントタイトル考えるの苦手(苦)そのまま「2015バレンタインRH1」とかだったらすみません(汗)でもって週末更新バレンタインだけだったらすみませんー(オイ)

以下、拍手お返事です。

なおさま

指、なるほど、ロイハボもヒュハボも好きだから薬指が長いんですね!ヒュハボどころか私、エドハボもブラハボも好きだしな!(笑)「えっ?なんで?」と返すと浮気してるのか……。でも意外にそう返してしまいそうですよね(苦笑)

阿修羅さま

そちらでは薬指が長いと「頑固者」なんですか。諸説ありそうですよね(笑)小指かぁ……私は全体的に指が短いです。手袋買うと大抵指先が余ります(笑)

更新、とっても楽しみにしてます(^-^)  の方

わあ、本当ですか?ありがとうございます、嬉しいですーvvやはり更新待っていて頂けると思うとめちゃくちゃモチベーションが上がります!これからも頑張りますのでどうぞ読んでやってくださいねv
2015年02月13日(金)   No.438 (カプなし)

ロイハボ風味

「……?」
 リビングのソファーに腰掛けて本を読んでいたロイは、視線を感じて本から顔を上げる。そうすれば、向かいに座っていたハボックがツイと目を逸らした。
「なんだ?ハボック」
 何か用でもあるのかと、ロイはハボックに尋ねる。だが、ハボックはへらりと笑って首を振った。
「や、別になんでもないっス」
 そう言いながらもハボックはロイを見ない。何かおかしいとは思ったものの、何でもないというのならそれ以上追求する理由もなく、ロイは再び本に目を落とした。だが、少しすればまたハボックの視線を感じる。上目遣いに本から視線を上げてハボックを見れば、ハボックが慌てて視線を逸らした。
「ハボック、言いたいことがあるならはっきり言え」
 無言のままジーッと見つめてくる視線が鬱陶しくて、ロイはハボックをジロリと睨んで言う。だが、「いや別に」とか「特になにも」とモゴモゴ言うだけではっきりしないハボックに、ロイの太くもない堪忍袋の緒は簡単にぶち切れた。
「ハボック!」
「はいっ」
 鋭い声にハボックがソファーの上で飛び上がる。ジロリと睨まれて、ハボックはクッションを抱えて首を竦めた。
「言いたいことがあるならはっきり言え!」
「うー」
「燃やされたいか」
 そう言って発火布を取り出そうとするロイにハボックが慌てて首を振る。うー、と小さく呻いてハボックは言った。
「大佐って指、長いっスよね」
「は?」
 全く想像もしていなかったことをいきなり言われて、ロイはポカンとする。クッションを抱えたままハボックはロイの手をじっと見つめて言った。
「大佐の指、人差し指より薬指の方が長くねぇ?」
「人差し指と薬指?」
 言われてロイは指を揃えて手を見てみる。確かにハボックが言うとおり、ロイの指は人差し指より薬指の方が明らかに長かった。
「意識して見たことがなかったから気づかなかった。言われてみれば確かに薬指の方が長いな」
 だが、一体それが何だと言うんだろう。そう疑問に思ったことをロイが口にするより一瞬早く。
「浮気者」
 ボソリとハボックが言うのが聞こえる。ハッと顔を上げれば、クッションをギュッと抱えたハボックの空色がロイを恨めしそうに見つめていた。
「なんなんだ、いきなり」
「人差し指より薬指の方が長い人は浮気者なんですって。大佐、薬指の方が長いっしょ?」
 そう言うハボックの言葉にロイは思わずもう一度自分の手を見る。薬指の方が長いのは確かだが、だがしかし。
「あのなぁ、そんな訳の判らんいい加減な噂────」
「噂じゃねぇもん。どっかのエライ研究機関の人が発表してたんスもん。男性ホルモンの影響だって言ってたっス」
 ロイの言葉を遮ってハボックが言う。男性ホルモンを理由に出されて一瞬言葉に詰まったロイは、だがすぐ本を脇に置いて言った。
「あのなぁ、ハボック。幾らそんな研究結果があろうがそれが全ての人に当てはまる訳じゃないだろう?私が浮気などするはずないじゃないか」
「でもこの間花屋のオネエチャンと歩いてた」
「あれはほら、この間お前に花を贈ったろう?あの相談に乗ってもらってたんだ」
「カフェの女の子と歩いてたのは?」
「あれは新作ケーキの発売日を教えて貰っていただけだし」
 そう言ってニコニコと笑みを浮かべるロイをハボックが疑わしそうに見る。ロイは急いで立ち上がりハボックの隣に腰を下ろした。
「バカだな、ハボック。私にはお前だけだよ」
「……ホント?」
「ホントだとも」
 ロイは言ってハボックの頬にキスを落とす。
「今日は飲みに出かけようか。サザビィで新作メニューがあるらしいぞ」
「それにあうワイン、選んでくれます?」
「勿論」
 上目遣いに見つめてくる空色にキスを落としながら。
(つまみ食いは暫く自重しよう)
 こっそりそう思うロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですvv

どこぞの研究機関だかの調べで「人差し指より薬指が長い人は浮気をする可能性が高い」んだとか。男性ホルモンが関係しているような事言ってましたが……本当かなぁ(笑)ちなみに私は……薬指の方が長いっス!(爆)えーっ、こんなにハボ一筋で来てるのに浮気するって事はないでしょう(笑)いやはや、妙な研究する人がいるもんですね。

ところで、バレンタインネタ募集、昨日で募集締め切りとなりましたがネタを投下して下さった方にはどうもありがとうございましたvvおかげさまでロイハボ2つ、ヒュハボ1つのネタを頂きました。ありがたやありがたや<(_ _)>残念ながらハボロイネタの投下はありませんでしたので、今年のバレンタインはこの三つと書けたら黒スグリ姫ネタで行こうと思います。しかし、やはりうちのサイトはハボ受けサイトとしての需要が高いってことですかね(笑)現在ヒュハボを書き終えてロイハボのひとつ目に入ったところ……。ちゃんとバレンタインにお届け出来るように頑張りまーすv

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、犬もよじよじ狭い所に潜りこみたがるものなんですね(笑)珍しくハボにしてやられたロイでした(笑)セレスタ、もう今までが今までだったので、逆に平和すぎてちょっぴり心配だったりします(笑)水戸黄門!じゃあハボックの役回りはやっぱりかげろうお銀ですかね!(爆)バレンタイン、ヒュハボネタとりあえず書き終りましたー!後は……タイトルが!タイトル決まらないとお届け出来ない(苦)考えなくちゃ〜(汗)

はたかぜさま

ロイハボで、了解です!今ボチボチ書き始めたところですー。楽しんで頂けるように頑張りますねvうふふ、萌えてるから寒くないvご賛同頂けて嬉しいですvv変態さんとバレないよう、こっそり心の中で萌えて寒さを乗り切りましょう(笑)
2015年02月09日(月)   No.437 (ロイハボ)

獣16
 パチパチと小さな音を立てる暖炉の前、定位置のラグの上に寝そべって目を閉じる。程良い熱を感じながらうつらうつらと夢と現の間をたゆたっていると、カチカチと床に爪が当たる音を立ててハボックが近づいてきた。
「大佐ぁ、外行きましょう、外」
 冬になっても相変わらずの調子でハボックは私を遊びに誘う。私は顎を前脚に乗せたまま片目だけ開けてハボックを見上げた。
「何故こんなクソ寒い時に外に行かねばならんのだ」
「だって凄くいい天気っスよ」
「だからといって寒いのは変わらんだろう」
 幾ら陽射しがあっても、この寒さに対抗し得る筈もない。折角気持ちよく暖まっているのにお断りだと冷たく言えば、ハボックは不服そうに鼻を膨らませた。
「お日さまがポカポカの中、空気が冷たいのがいいんじゃないっスか」
「そんなのがいいなんて変態だな、お前は」
「えーっ、なんスか、それ」
 変態と決めつけられてハボックがバウバウと抗議の声を上げる。それを無視して目を閉じれば、ハボックは前脚を私の体に乗せて揺すった。
「ねぇ、大佐ってばぁ」
「嫌だ、絶対にお断りだ」
 ユサユサと揺すられても私はそう言ってラグの上に寝そべり続ける。どうしても外で遊びたいらしいハボックは私の尻尾を引っ張ったり耳に噛みついたりした。
「ああ鬱陶しいッ!」
 しつこくちょっかいを出されて、流石に無視しきれず私は大声を上げて立ち上がる。期待に空色の瞳を輝かせるハボックにフンと鼻を鳴らして、私はリビングを出た。
「外行くのっ?大佐っ」
 嬉しそうにデカい図体を擦り付けてハボックがついてくる。チラリとハボックを見た私は次の瞬間猛ダッシュで階段を駆け上がった。
「あっ!大佐ッ?」
「私を捕まえられたら遊んでやる!」
 ダダダと駆け上がり二階の部屋を片っ端から開ける。不意を突かれたハボックが上がってくる寸前、ヒューズの部屋に飛び込むとベッドの下に潜り込んだ。
「大佐ァ、どこー?」
 ハボックが二階の部屋をウロウロ探す間に隙を見て今度は一階に下りる。リビングのソファーの下に潜り込み、ソファーカバーを少し引っ張って体を隠した。そのままじっとしているとハボックが二階から降りてくる。普段から自由に歩き回っているせいであちこちに残された匂いに惑わされて、ハボックは私を探しあぐねているようだった。
「どこ行っちゃったのかなぁ……」
 ハボックは呟いてウロウロと歩き回る。リビングをうろつきダイニングをうろついたハボックは、やがて廊下に出て行ってしまった。それでも私は隠れ場所から出ずにじっとしている。耳を澄ましてみたが家の中はシンと静まり返ってハボックの気配は感じられなかった。
「なにしてるんだ、アイツ……」
 私と遊びたいならさっさと見つけに来いと、隠れているのとは裏腹な考えが頭に浮かんで私は鼻に皺を寄せる。だが、ハボックは待てど暮らせど私を探しにこなかった。
「まさかヒューズが帰ってきたとか?」
 帰ってきたヒューズと遊びに出たのだろうか。
「遊びたいとか言ったくせに、ちょっと見つからなければもう諦めるなんて、なんて根性のないヤツなんだっ」
 もしかしてヒューズと遊んでいるのかもと思えば落ち着かなくなっていく。ものの五分もたたないうちに、私は我慢しきれなくなってソファーの下から出た。その時。
「大佐みっーけ!」
「な……っ?!」
 声に振り向けばいつの間にかハボックがソファーの上に立っている。ハボックはにぱぁと満面の笑みを浮かべて言った。
「大佐の事だから絶対我慢しきれなくなって出てくると思ったっスよ」
 うふふと笑うハボックに私はカーッと頭に血が上る。もう一度ソファーの下に潜ろうとすればハボックがドスンと飛び乗ってきて、私は不覚にも情けない声を上げてしまった。
「くそッ!どけッ!デブッ!重いッ!」
「運動不足で太った大佐に言われたくないっス」
 口汚く罵る私にハボックが言う。ジロリと睨んだもののまるで動じた様子のないハボックに、私は大きく息を吐き出して床に伸びた。
「いつ私がここにいると判った?」
「うーん、わりとすぐ?寒がりの大佐なら暖炉から離れないだろうと思ったし、ほっといたら探さなくてもしびれ切らして出てくるだろうなぁって」
 長く一緒に暮らすうちに行動を読まれていたらしい。悔しげに呻く私にハボックが言った。
「勝負はオレの勝ちっスよね。だったら」
 外に出て遊びましょと言うハボックに。
「……仕方ないな」
 私は答えて陽射しが降り注ぐ寒い庭へと出たのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手とっても励みになりますvモチベーション上がります〜、嬉しいですvv

お久しぶりの「獣」です。ロイ、寒いと行動パターンが限られるらしいです(笑)とか言う私も暖房のきいた部屋から出られませんが(苦笑)
東京は雪の予報ですが、ちょっとだけ雪混じりの雨が降ったものの今のところはまだ雨です。でも、夜になって気温が下がってきたら雪になるのかなぁ。夜じゅう積もったら朝になって大変じゃん……。夜になる前にやまないかしら。

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ姫、暑くなるまで動くなんて、やっぱり風の子ですね(笑)確かに猫にマタタビ状態かもvvセレスタ、やっとヒマワリ咲きましたっ!確かにリンチが止めてくれなかったら今頃まだグダグダしてそうですよね(苦笑)大ラスに向けて頑張りますよ!おお、バレンタインネタ、ありがとうございます!大乱闘、上手く書けるか判りませんが頑張りますねvv

阿修羅さま

おおう、お体大丈夫ですか?寒さも厳しい折、どうぞご無理なさらず大事になさってくださいね。バレンタインネタ、ありがとうございますvv可愛いハボック頑張って食って貰いますね!(笑)

FLARE BLUEのハボックがかっこよすぎますv  の方

うわあ、ありがとうございます!!えへへ、照れくさいけど嬉しいですvv続きも楽しんで頂けるよう頑張りますvv

はたかぜさま

わーい、バレンタインネタ、ありがとうございますーv去年に引き続き楽しいネタ、嬉しいですvあ、カプの指定がなかったのですが、勝手にロイハボで脳内妄想繰り広げてしまいました……ロイハボでオッケですか…?(汗)セレスタ、本当に長い長い辛い時期でしたー(苦笑)やっと掴みかけた幸せにずどーん!と爆弾が落ちる事は……うん、多分大丈夫……かな(コラ)こちらこそいつも遊びに来て下さってありがとうございますv妄想燃やして寒さを乗り越えようと思いますので、どうぞお付き合い下さいねv
2015年02月05日(木)   No.436 (カプなし)

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