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2012年06月の日記

2012年06月30日(土)
金緑石10
2012年06月28日(木)
豆騎士 右手編その後のその後
2012年06月26日(火)
人工知能11
2012年06月25日(月)
髭騎士6
2012年06月23日(土)
応急処置
2012年06月22日(金)
デフォでない改め「俺様な皇帝と恥ずかしがり屋の騎士の話5」
2012年06月21日(木)
デフォでない4
2012年06月20日(水)
デフォでない3
2012年06月18日(月)
デフォでない2
2012年06月17日(日)
デフォでない
2012年06月15日(金)

2012年06月11日(月)
金緑石9
2012年06月08日(金)
金剛石 ロイハボ記念日編
2012年06月04日(月)
吸血鬼13

金緑石10
「金緑石」まとめ読みリンクはこちら → 

ヒュハボ風味

 言いかけた言葉を飲み込んだロイがノックに答えると、書類を手にしたフュリーが入ってくる。差し出された書類を受け取ったものの険しい表情で立ち尽くすロイをフュリーが訝しげに見た。
「大佐?どうかされましたか?書類に不備があります?」
「――――いや」
 どこか拙いところがあったろうかと手元を覗き込んでくるフュリーに、ロイがハッとして答える。乱暴な仕草で椅子に腰を下ろし書類の中身を確認してサインを認めるロイを見ながらヒューズが言った。
「フュリー曹長、わりぃけどハボック呼んできてくれるか?」
「あ、はい」
「ロイから話があるんだよ」
「判りました」
 ヒューズの言葉に頷いたフュリーは、視線を向けた先のロイの表情が不機嫌に歪むのを見て慌てて執務室を飛び出す。どこに行ったんだとあちこち探して、トイレを覗いたフュリーはハボックが手を洗っているのを見つけてホッと息をついた。
「ハボック少尉、大佐が呼んでますよ」
 そう声をかけたがゴシゴシと手を洗っているハボックは答えない。無言のまま手の皮が剥けてしまうのではと思えるほど力を入れて手をこするハボックの様子に、フュリーは眉を顰めた。
「あの……ハボック少尉?」
 もう一度声をかけてもハボックは答えないどころか顔も上げない。ザアザアと水を流し力任せに手をこすり続ける姿がどこか異様で、フュリーはゴクリと唾を飲み込んだ。それでも気を取り直し息を吸い込む。さっきよりは大きな声でハボックに呼びかけた。
「ハボック少尉!」
 漸く声が届いたのだろう、その声に今度はハボックの肩が声をかけた方がギョッとするほど大きく跳ね上がる。まん丸に見開いた瞳でハボックが振り向けば、フュリーは顔をひきつらせて笑みを浮かべた。
「あー、えと、驚かせてすみません。何度も呼んだんですけど」
「ご、ごめん……、ちょっと考え事してて……」
 普段の陽気なハボックとはまるで違う酷く取り乱した様子にフュリーは首を傾げる。
「何か拙い事でもあったんですか?顔色悪いですよ?」
 思わず心配してそう言いたくなる程様子がおかしいハボックにフュリーが眉を寄せれば、漸くハボックが笑みを浮かべた。
「別になんともないよ。大佐、なんだって?」
「さあ、話の内容まではちょっと」
 いつもの調子で返事が返ってフュリーはホッとしつつ答える。
「そっか、まあ、行きゃ判るな。サンキュー、フュリー」
 ハボックはそう言って濡れた手をパッパッと振って水気を払うとフュリーの脇をすり抜けてトイレを出る。足早に廊下を歩いて司令室に戻り、大部屋を抜けて執務室の扉を叩いた。
「ハボックっス、大佐、呼んでるってなんの用っスか?」
 いつもの癖でおざなりなノックの後、ハボックは返事も待たずに扉を開く。ロイが座る執務机に歩み寄ろうとして、上官の顔がいつになく不愉快そうに歪められている事に気づいた。
「大佐?」
 一体どうしたんだろうとハボックは大振りな机に手をついてロイの顔を覗き込む。返事がないのを訝しんでもう一度呼ぼうとした時、聞こえた声にギクリと身を強張らせた。
「ロイは言いたくないみたいだから俺から言ってやるよ」
「ヒューズ中佐っ?」
 声がした方を振り向けば、窓に寄りかかるようにして立っていたヒューズがゆっくりと歩み寄ってくる。ハボックが目を見開いて見つめればヒューズが笑みを浮かべた。
「そんなにビックリすることねぇだろう?少尉」
「あ……いや、だって気配がしなかったから」
 ロイが呼んでいると聞いて執務室に入る時からヒューズはいないものだと思い込んでいた。その上気配を消されていてはいくらハボックと言えど気づきようもない。ハボックがもごもごと言い訳めいた事を口にすれば、ヒューズは肩を竦めて言った。
「まあ、いい。でな、少尉。お前さん、セントラルに長期出張だから」
「……は?」
「俺んとこに期限未定で出張。直ぐに出る用意しろ」
 ハボックはそう言うヒューズの顔をポカンとして見つめる。三回頭の中で繰り返してやっとヒューズの言葉の意味を理解したハボックは、振り返るとロイの机をバンッと叩いた。
「長期出張っていきなりなんスかっ?!そんな事突然言われたって困りますッ!」
「ハボック」
 目を吊り上げて喚くハボックをロイが顔を歪めて見上げる。ハボックはそんなロイに顔をズイと近づけて言った。
「なんで?オレなんか大佐の気に障る事しました?護衛外されなきゃなんないような事なんか?それとも小隊任せらんないって事?」
「そうじゃない、ハボック」
「だったらなんでっ?」
 ヒューズのところに行かされると聞いて、すっかりパニックに陥ったハボックは必死の思いで喚き続ける。その時、ゆらりと怒気が空気を震わせた。
「そんなに俺のところに来るのは気に入らねぇか?」
 低い声が背後から聞こえて、ハボックはギクリと身を震わせる。肩越しにヒューズを見たハボックは眼鏡の奥の昏い常盤色に息を飲んだ。
「そういう訳じゃ……」
「ならどういう訳だ?」
 そう尋ねられてハボックは言葉を失う。まさかヒューズへの気持ちを口にするわけにはいかず、ハボックは唇を噛んだ。
(だって……中佐の側にいたらオレ……)
 いつか表に出すべきでない想いを口にしてしまうかもしれない。ヒューズの熱を知って、いけない事だと嫌と言うほど判っていてなお抱いて欲しいと強請ってしまうかもしれない。
「ヒューズのところで例の調査の手が足りんと言うのでな。お前に行って貰おうと思う」
「大佐」
 ロイが言えばハボックが縋るようにロイを見る。だがロイは乱暴な仕草で立ち上がると、それ以上なにも言わずに執務室を出て行ってしまった。
(そんな……)
 ついさっき己がしていたことを思えば、気持ちを隠し続ける自信などまるでない。
「ハボック」
 途方に暮れて立ち尽くしていたハボックは、背後から聞こえた声に大きく身を震わせた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになってます、嬉しいですv

「金緑石」です。ちょっと間が開いたのでリンク貼ってみましたー。一応日記に載せたssの内、シリーズものなど五月分までは「dump renew」もしくは各カプリング部屋のシリーズもののページに移してあります。間が開いたと言えば、今日は久しぶりに「菫2」も更新します。「セレスタ」が今強制ブラハボ真っ只中で「菫2」も無理矢理だしどうしようかなぁとも思ったのですが、せっかく書いた事だし。でも、これこそ読み返さないと訳判らんよね(苦笑)しかし「菫2」、もう五十章も近いというのにまだ全然終わる気配がない……。もう少し過去話が続いて更にロイとラブくなる前には色々と関門が(苦)いい加減もういいよって言われそうだよねぇ……。お付き合い頂ける方、どうぞ読んでやって下さいー(汗)

以下、拍手お返事です。

おぎわらはぎりさま

豆きましたよ、ふふふ、右手、いいでしょう?(笑)「マッキー極太」!!(爆)いやあ、それ使って遊ぶのは結構大変そうです。あれ、軸径29.4ミリですってよ(爆)あ、でもバ○ブより細……(殴)「見毛相犬2」なるほど、セントバーナードですか。確かにあのボヘラッとしたところはイメージかもしれません(笑)「菫青石の恋」お楽しみ頂けていると嬉しいですv

エド、楽しそうですねぇ〜 の方

まったくですよねぇ。あの年であんなであと五年も経ったらどうなるんだろう。ハボック、苦労が絶えなさそうです(笑)
2012年06月30日(土)   No.206 (カプ色あり)

豆騎士 右手編その後のその後
CP:エドハボ(R20)

「あー、疲れたァ」
 旅の途中で立ち寄った宿のベッドにドサリと倒れ込んでエドワードは呟く。そうすればポケットに入れておいたペンがゴリとその存在を主張して、エドワードは手を突っ込んで太字用のマジックペンを出した。
「少尉、元気してっかな」
 くるくると器用に指の間でペンを回して、エドワードは遠くイーストシティにいる恋人の事を思う。そのペンを見ていれば羞恥に震えるハボックの顔が思い浮かんで、エドワードはだらしなく顔を弛めた。

「へぇ……じゃあ、少尉ってばこのペンを尻に突っ込んで善がってたんだ」
「よっ、善がってなんて────」
「違うの?」
「ッッ!!」
 そう聞かれて絶句して目を逸らすハボックの顔をエドワードは覗き込む。キュッと唇を噛み締めて顔を真っ赤に染めるハボックを見れば、自分より十ほども年上にも関わらず可愛くて可愛くて堪らなかった。
「ねぇ……やって見せてよ」
「えっ?!」
 間近から覗き込むようにして囁けばハボックがギョッとしてエドワードを見る。見開く空色を見つめて、エドワードは囁いた。
「このペンを俺の右手だと思って突っ込んだんだろ?どういう風にやったのか、見せてよ、少尉」
「ヤだよッ!!」
 エドワードのオネダリに、当然といえば当然の答えが返ってくる。ふるふると首を振るハボックに圧し掛かって、エドワードは手にしたペンをハボックの目の前に翳した。
「俺がいない間少尉がどうしてんのか、知りたいんだ……ねぇ、このペンでどうやったの?」
「知らないッ!もう忘れたッ!」
 ペンを見るのも恥ずかしいというように、ハボックはギュッと目を瞑って声を張り上げる。エドワードはそんなハボックをじっと見つめていたが、ハボックのボトムに手をかけるとグイと引き下げようとした。
「なっ?!なにすんだよッ?!」
「んー?やって見せてくれないって言うなら俺がやってみようかなって」
「ッ?!冗談言うなッ!!」
「冗談なんかな訳ないだろ」
 エドワードは全体重をかけるようにしてハボックをソファーに押さえ込むと下着ごとボトムを剥ぎ取ってしまう。色の薄い楔をキュッと握れば、ハボックの躯が大きく震えた。
「やっ、やだッ!!」
 直接触れられればろくな抵抗も出来なくなる。零れてくる先走りを塗り込めるようにクチュクチュと扱かれて、ハボックは息を弾ませて力の入らない手でエドワードを押し返した。
「やっ、んっ……んんっ」
「少尉、可愛い……」
 頬を染めて息を弾ませるハボックを見下ろして、エドワードはゴクリと喉を鳴らす。煽られるままに扱く手の動きを早めれば、エドワードの下でハボックの躯がビクビクと震えた。
「……ッ、たいしょ……イくッ、も、イくッ!!」
「いいよ、イって」
 ハアハアと息を弾ませてハボックが縋るようにエドワードを見る。それににんまりと笑って手の動きを早めれば、エドワードの手の中で楔がググッと膨れ上がった。
「やっ……見んなッ、あっ……アアアッッ!!」
 エドワードの視線を感じてハボックは羞恥に顔を歪めながら達してしまう。エドワードの手の中にもったりとした青臭い液体を吐き出して、ハボックはぐったりとソファーに沈み込んだ。
「かぁわいいッ、少尉」
 そう言って紅い頬に派手な音を立ててキスすれば、ハボックが紅い顔で睨んでくる。それにニヤリと笑って、エドワードはハボックの熱で濡れた手でペンを掴んだ。ペンに白濁を塗し、手に残る白濁を蕾に塗りたくる。そうすれば、ハボックがギクリと身を強張らせた。
「大丈夫だって、一度は挿れたんだろ?」
「やだ……大将、やだ……」
「少尉がこれで感じるとこ、見たいんだよ」
「やだッッ!!絶対イヤだッ!!」
 ニッと笑って言ったエドワードは珍しく激しく拒絶されて目を丸くする。一瞬押し黙って、だが、こんな風に拒絶されればかえって挿れてみたいという気持ちが強くなって、エドワードはハボックの脚の間にペンを持った手を差し入れた。
「大将ッ!!」
「挿れるぜ」
 低く囁けばハボックの瞳が大きく見開く。怯えた子供のような瞳で見つめられて、エドワードはゾクゾクしながら蕾に押し当てたペンをグッと押し込んだ。
「ヒ……ッ」
「大丈夫、ゆっくり挿れっから、力抜いてて」
「や、だァ……ッ!!」
 グーッとペンを押し込んでいけばハボックが顔を歪めて喉を仰け反らせる。腕を掴んでくるハボックの指が食い込むほど力が入るのを感じながら、エドワードはペンを奥深く押し込んだ。
「うわ……すげぇヤらしい眺め……ッ」
 ペンを押し込んでしまうと、エドワードはハボックの脚を押し上げ恥部を覗き込む。ヒクヒクとヒクつく蕾がペンをがっぷりと咥えているのを見て、エドワードはゴクリと唾を飲み込んだ。
「ぬ……抜いてッ」
「まだダメ」
 震える声でハボックが懇願するのにあっさりと返して、エドワードはペンの端を掴む。グリグリと容赦なく掻き回せばハボックの唇から悲鳴が零れた。
「ヒィィッ!!やめてッッ!!」
「こうやって遊んだんだろ?少尉」
「違……ッ!アアッ!!」
 ゴリゴリとペンで前立腺を押し潰されてハボックは大きく躯を跳ね上げる。ハアハアと息を弾ませて、ハボックは涙の滲む瞳でエドワードを見上げた。
「お願い、大将ッ、も、抜いてッッ!!こんなの嫌だッ!!」
「そんなこと言って、少尉の、すっげぇ涎垂らしてんじゃん」
「言うなッ、ヒィッ!!」
 言うと同時にグリグリとペンを押し込まれハボックは悲鳴を上げる。ふるふると首を振って縋るようにエドワードを見上げれば、金目の少年はフムと考える仕草をした。
「そうだなぁ、抜いてやってもいいけど、じゃあ、オネダリしてくんない?」
「オ、オネダリ……?」
「そ。俺の右手で犯して欲しいって」
 そう言えばハボックが目を瞠る。シャイなハボックにはこうしてペンで犯されるのも右手で犯してと強請るのも堪らなく恥ずかしく、ハボックは小さく首を振った。
「ふぅん、まあ、俺はいいけど。少尉のヤらしい顔見られればなんでも」
 エドワードは言いながら沈めたペンをゆるゆると動かす。その刺激にハボックがビクビクと躯を震わせた。
「ペンでこのままイっちゃう?」
「やだッ!」
 意地悪く尋ねればすぐさま答えが返ってくる。
「じゃあ言えよ。俺の右手で犯してって」
「大将っ」
 エドワードは言いながらペンを小刻みに揺らした。その上更にそそり立った楔に手を伸ばす。軽く扱けばハボックが逃れようと身を捩った。
「素直じゃねぇなぁ、少尉」
 なかなか強請る言葉を口にしないハボックに、少年はムッと唇を尖らせる。
「いいよ、素直じゃない少尉にはお仕置きすっから」
「えっ?」
 言うなりエドワードは髪を結んでいたゴムを取りハボックの楔の根元に巻き付けてしまう。慌てるハボックを押さえつけ、エドワードはペンを乱暴に動かし始めた。
「ヒィッ!!ヒィィッッ!!やめ……ッ、やめてッッ!!」
「だって、少尉、素直じゃねぇんだもん」
 エドワードは冷たく言い放つとグリグリとペンで前立腺を押し潰す。そうすればハボックの唇から一際高い悲鳴が上がった。
「いた……ァッ!!は、破裂する……ッ!!」
「大丈夫だって、大袈裟だなぁ、少尉は」
「たいしょ……ッ、解いてっ、イかせてッ!!」
「じゃあ、言えって」
 そう言ってエドワードはハボックの顔を覗き込む。息を飲んで口を噤むハボックを見て、ペンをグチョグチョと動かした。
「ヒィ……ッ!!」
「少尉?」
 涙を零しながらハアハアと息を弾ませるハボックをエドワードは低く呼ぶ。そうすれば、ハボックが何度も唾を飲み込んで漸く言葉を口にした。
「大将の右手で犯して……ッ」
「どうやって犯して欲しい?」
「ッ?!」
 必死の思いでそう口にすれば畳みかけるように聞かれて、ハボックは目を見開く。それでも軽くペンを動かされ、ハボックはビクンと震えて言った。
「指で……メチャクチャに掻き回して欲しい……」
「こんな風に?」
「ッッ!!ペン、ヤだァッッ!!指っ、指がいいッ!!」
 言って激しくペンを動かせばハボックが悲鳴を上げる。それを聞いてエドワードは漸く満足すると沈めていたペンをグイと引き抜き、代わりに指をズブズブと埋めた。
「ヒャアアアアッッ!!」
「うわ、すっげぇ、絡みついてくるッ!」
 熱い内壁がキュウキュウと締まって指を包み込むのを感じれば、エドワードは顔を輝かせて言う。グチョグチョと激しく掻き回せばハボックの躯が面白いように跳ねた。
「ヒャウウッッ!!ヒアアアッッ!!」
「少尉、すっげぇヤらしい」
 高い嬌声をあげて身悶えるハボックをエドワードは食い入るように見つめる。手を伸ばして戒めていたゴムを取れば、ハボックが大きく目を見開いた。
「ヒィィィィッッ!!」
 嬌声と共に背を仰け反らせたハボックが熱を吐き出す。キュンキュンと蕾が収縮して鋼の指を締め付けるのを感じて、エドワードは堪らず己のボトムに手を伸ばした。前を弛め乱暴に指を引き抜くとハボックの脚を抱える。そのままヒクつく蕾に己を押し当てると、一気に根元まで突き立てた。
「アアアアアッッ!!」
 ガツガツと興奮のままに突き上げればハボックがガクガクと震える。絡みついてくる熱い肉壁を容赦なく擦り上げ、エドワードは荒い息の合間にハボックに口づけた。
「んんッ」
 強引に口づけられハボックが目を見開く。苦しげにもがく躯を押さえ込んで激しく揺さぶったエドワードは、ブルリと震えて熱を吐き出した。
「ッッ!!」
 ドクドクと白濁を注ぎ込まれてハボックの躯が小刻みに震える。そそり立った楔から漏らすように白濁を垂らしたハボックががっくりとソファーに沈み込んだ。
「少尉……ッ」
 ぼんやりと宙を見つめるハボックにエドワードは何度も口づける。自分に意識を向けさせようと、沈めたままの楔で熟れた中を掻き回せば、ビクリと震えて空色の瞳がエドワードを見た。
「少尉……すっげぇ、可愛かったぜ」
 チュッチュッとキスしながら囁けばハボックが恨めしそうにエドワードを見る。そんな表情すら興奮を煽られて、エドワードは堅さを取り戻しつつある楔でハボックの躯を揺さぶった。
「ひ……ッ、も、無理……ッ」
 弱々しくもがけば中に埋められた楔が嵩を増すのを感じる。怯えたように圧し掛かる少年を見上げれば、エドワードがニンマリと笑った。
「また暫く会えないからさ、たっぷりシてやるからな、少尉」
「大将…ッ、やめ……ッ、ひぃぃんッ!」
 弱々しい懇願も少年を煽るばかり。ハボックはすっかり盛り上がった少年の良いように啼かされ続けるしかなかった。

 そして。
「なんだよ、これ」
 散々自分のことを好きにしていった少年が残していった置き土産を前に、ハボックはふるふると震える。今、ハボックが前にしたテーブルの上にはエドワードが記念にと持っていったマジックペンより更に二周りは太いペンが置いてあった。
「大将のバカ……ッ!!」
 ハボックは真っ赤な顔でそう呻くと、ペンを取り抽斗に放り込む。そのまま寝室に飛び込むとブランケットの中に潜り込み、エドワードをの事を罵り続けた。

 その頃。
「今度は指じゃなくて俺のに合わせたペン、置いてきたしッ!次に会うのが楽しみだぜ、少尉っ」
 エドワードは楽しげにそう言うと、手にしたペンにチュッとキスしたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、書く気モリモリ貰ってます、嬉しいですv

「豆騎士」ですー。先日6周年記念の無配本に合わせて出した改訂版に書き下ろしで載せた「右手編」「右手編その後」の続きになります。まあ、これだけでも読めるかなーと。「その後」で「散々焦らされた挙げ句強請らされた」って書いたんだけど、ちょっと違っちゃったかなぁ……まあ、いいか(←いい加減な)相変わらず豆に押され気味のハボックをお楽しみ頂ければ嬉しいですv
……しかし、今月の日記、今日まででカプなし2、ハボロイ2、ロイハボ1、エドハボ1、そしてヒュハボが7ってね。しかもエロ率高いし……。来月は少し心を入れ替えよう……入れ替えたい……入れ替えられればいいなッ!(目標低すぎ)


以下、拍手お返事です。

水瀬さん

ひひひひvツボって貰えて嬉しいっス!猫耳尻尾付きもいいけど、丸々ニャンコの夜一さんタイプ、いいですよねッvv戻ったらマッパは凄く美味しいと思うんですが、それだと毎回ハボが軍服抱えて走り回って色々大変だと思うので今回はハニーフラッシュ状態で(笑)ナルトはお色気の術するとマッパだけど戻ると服着てるから、そんな感じなのかもしれません(笑)あ、でも夜一さんは猫から人間になった時ってマッパだっけ?ふふふ、アホな妄想万歳!まだまだいっぱい猫になって貰おうと思いますv

おぎわらはぎりさま

そうそう、ハボの筋肉は実用的な美ですね、健康的でハリのある肌vうふふふvv「下着」うわぁ、こんなの書いたなぁ(苦笑)いい気になって書きまくったっていう。ロイだったら人目を気にせず堂々と大量の下着を購入すると思います(笑)“H★LOVE”の刺青、確かに全員つけてそうな…(爆)メールで頂いた分はそちらの方から返信させて頂きますねv日々、ありがとうございますv頑張りますのでよろしくお願いしますv
2012年06月28日(木)   No.205 (カプ色あり)

人工知能11
「人工知能」 まとめ読みリンクはこちら → 

 暑くもなく寒くもなく、人にとって快適とされる室温と湿度に保たれた部屋の中、シュンッと微かに空気が震える音がしたと思うと金髪の青年が姿を現す。よく見れば彼の向こうに部屋の景色が透けて見えて、その青年が生きた人間ではないと判った。
 彼──ハボックはロイが作り出した人工知能だ。その道のスペシャリストであるロイが己の居住の管理システムとして作ったシステムだった。単なる管理システムの筈のHAVOC08に感情というバグが生まれ、ハボックとなったのはいつのことだったのだろう。それはハボック自身にすら判らないことで、己の存在に気づいた時ハボックはロイの事が好きで好きで堪らなかった。もしかして好きという感情そのものがハボックであり、その感情が消えてしまえばハボックという存在も消えてしまうのかもしれなかった。
 ハボックはロイの為に彼が住まう空間を快適に整えてやる。外が茹だるような暑さの時も、凍えるような寒さの時も、雨の日も晴れの日もハボックはロイが快適に過ごせるよう家の中を整えた。ロイが疲れて帰ってくれば、膨大なデータの中から彼の体調に合わせて適切な食事を選んで調理し、快適な睡眠を得るための環境を整えた。ロイがゆったりと風呂に入りたいと思えば一番疲れをとるのに最適な湯温の風呂を用意し、眠りたいと思えばすぐにベッドを用意した。来る日も来る日もハボックはロイの事だけを考え、ロイだけがハボックの世界の全てだった。
「大佐……」
 ハボックは青いガラスに囲まれた部屋の窓から外を見下ろす。ロイは朝から東方司令部に出かけており、帰りは夜遅くなる筈だった。出かけていくロイをハボックはこのガラスの内側から見送るしかなく、ロイの帰りをただただ待つことしか出来なかった。
「こんなガラス、なくなっちまえばいいのに」
 己の中心部であるコンピューターの基部はこのガラスの内側、奥深くに大切に護られている。今、HAVOC08の力が及ぶのはこの狭い家の中に限られているが、もし、このガラスの向こう、イーストシティの、延いてはアメストリスの地下を巡る様々なシステムを支配する事が出来たら、そうしたら。
「アンタをオレだけのもんに出来る……?」
 ハボックはそう呟いて己の手を見つめる。ロイを抱き締める腕を持たない己の体。この国の全てを支配したら、いつかロイを抱き締める事が出来るだろうか。
「大佐……好き」
 そう囁いて苦しげに己の体を抱き締めた青年の姿が、シュンッと空気に溶けるように掻き消えた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになってます、ありがとうございますvv

約十か月ぶりの「人工知能」です。最近一年に一回しか書いてないっていう……。私自身もう最初の方は忘れちゃったのでリンク貼ってみました(苦笑)だって一番最初に書いたの、2008年だよ、誰も覚えてないって……(苦)

以下、拍手お返事です。

また〜?なんて言いませんっ の方

わーい、本当ですか?そう言われるといい気になって書いちゃいますよ(笑)ふふふ、もうハボックの事でヒューズに判らない事はないんじゃないかって感じになってますが(笑)無性にエロいと思って頂けたのならもう大成功って気がしますv嬉しいですv

おぎわらはぎりさま

髭きましたよ(笑)「髭部屋」ってなんかいいなぁ(笑)やると思いましたか?まあ、遠距離恋愛の王道かもしれませんねv豆シリーズ、ありがとうございます。え?お道具ってエドの右手ですか?(爆)「恋闇」ははは、どうもうちのヒュはやはりこれがデフォな気がします。「筋肉」昔の話は死ぬほど恥ずかしいっス(悶死)そうか、ブラはとことん上にずらすだけが王道ですか!勉強になりました(笑)ジャクもの、また機会がありましたらチャレンジしたいと思います。お声聞かせて頂けるのはとっても嬉しいですvありがとうございますv
2012年06月26日(火)   No.204 (カプなし)

髭騎士6
CP:ヒュハボ(R18)

「えっ?帰った?」
「ああ、ついさっきな」
 コーヒーを載せたトレイを手に執務室に入ってきたハボックは、ロイがそう言うのを聞いて目を瞠る。ロイの机にカップの一つを置けば、書類から目を上げてカップを手にしたロイが続けた。
「セントラルの大尉から電話があって、仕事がたまってるんだからとっとと帰ってこいと怒鳴られてたよ」
「そう……っスか」
 どこの副官も怖いなぁと嘆くロイをそのままにハボックは執務室を出る。トレイの上に残ったカップを見つめて、ため息をついた。
「なんだよ、帰るなら帰るって言ってけっての。無駄にコーヒー淹れちゃったじゃん」
 ハボックはそう呟いて司令室の大部屋を出る。給湯室まで行くと飲んでくれる人のないカップの中身を空けようとして手を止めた。
「……ちぇっ」
 がっかりと肩を落としてハボックは捨てようとしたコーヒーを啜る。ハアとため息をついて壁に寄りかかった。
「大体いつも勝手なんだよ、人のこと振り回してばっかで」
 今回だって突然やってきたと思えば散々に自分のことを乱した挙げ句挨拶もなしに帰ってしまった。ハボックはキュッと唇を噛むと残ったコーヒーを捨てて給湯室を出ていった。

 仕事を終えてハボックはアパートに戻ってくる。リビングの灯りをつけると手にしたサンドイッチの袋をテーブルの上に放り投げた。
「あーあ」
 ドサリとソファーに腰を下ろしハボックはだらしなくへたり込む。深くため息をついてアパートの天井を見上げた。
 狭いはずのアパートが何故だかやけに広く感じられる。ずるずるとソファーに沈み込むともう一度ため息をついた。
「なんだよ」
 あんな風に笑うからてっきり今日はアパートに来るのだと思っていた。それなのに。
「……中佐の馬鹿」
 ハボックはため息をついて目を閉じる。暫くそのまま座り込んでいたハボックだったが、やがてそろそろとボトムに手を伸ばした。前を弛めそっと己を取り出すと色の薄い楔を握り締めゆっくりと扱き出した。
「ん……ふ……」
 ハボックの唇から熱い吐息が零れ、切なげに眉が寄せられる。徐々に楔を扱く手の動きが速まり、零れる吐息が温度を上げた。
「はぁ……ッ、んふ……」
 先走りを塗り込めるように扱けばクチュクチュとイヤラシイ水音が部屋に広がっていく。
「あふ……中佐ァ……」
 首を仰け反らせハボックが瞼の裏に浮かぶ姿を呼んだ時。
 ジリリンッ!!
「ッッ!!」
 突然電話のベルが鳴り響き、ハボックはギョッとして目を見開く。驚きのあまりハアハアと息を弾ませて、ハボックは鳴り響く電話を見た。そのまま放っておこうとも思ったが万一急な呼び出しだと拙い。ハボックはそろそろとソファーの端に躙り寄ると楔を握り締める手と反対の手を電話に伸ばした。
「……もしもし」
 なるべく息を整えてからそう言う。司令部の誰かだろうかと待つハボックの耳に飛び込んできたのは、たった今頭に浮かんでいた男のものだった。
『よお』
「中佐っ?ア、アンタねぇ、帰るなら帰るって一言……ッ」
 思わず咄嗟にそう怒鳴れば受話器の向こうで笑う気配がする。今朝聞いたばかりの筈なのにやけに懐かしい気がする声に、ハボックは切なげに息を吐いた。
『どうしたよ、俺が帰っちまって淋しかったか?』
「ッ、そ、そんなわけねぇっしょ!」
『とか言って、それじゃあお前の手の中にあるのはなんだよ』
 そう言われてハボックはギクリとする。
「な……何のことっスか?オレ今サンドイッチ食って────」
『オカズにしてんのはサンドイッチじゃなくて俺じゃねぇのか?』
「ッッ!!」
 見えるはずもないのにズバリと言い当てられてハボックが絶句する。そうすればクスクスと笑う気配がして、ヒューズの声が聞こえた。
『やっぱりな。あんな話した後だし、絶対その気になってんだろうって帰るの凄く心残りだったんだが、大尉が煩くってなぁ。悪かったな、かわいがってやれなくて』
「なっなに言って……ッ」
『ああ、固くなって、だらしなく涎垂らしてんじゃねぇか。ほら、聞いててやるから扱いてみな──ジャン』
「ッ!」
 耳元に吹き込まれるクスクスと笑う低い声にハボックは目を瞠る。ハアハアと浅い呼吸を繰り返していたが、やがてゆっくりと手を動かし始めた。
「ん……んふ……」
『ふふ……イヤラシイ音がきこえるぜ?クチュクチュって……。そんなに気持ちイイのか?』
 囁かれる声にハボックは小さく頷く。促すように『ジャン?』と呼ばれて口を開いた。
「気持ち……イイっス……」
『そうか……今お前の、どんなになってる?教えてくれよ』
「どんなって……」
『いっぱい涎垂らしてんのか?』
 そんな風に言われて、ハボックは恥ずかしそうに首を振る。ハアハアと息を弾ませて蜜を塗すように楔を扱けば、ヒューズの声が聞こえた。
『ジャン、後ろは?どうなってる?』
「うしろ……?」
『そんなイヤラシイ声出して、イヤラシイ音立てて……後ろ、ヒクついてんじゃねぇか?ん?』
「後ろ、は……」
 ハボックは呟くように言って楔を扱いていた手を双丘の狭間に差し入れる。そっと指を伸ばして奥まった箇所に触れると、垂れてきた先走りに濡れてヒクヒクと戦慄く蕾にハボックは一際熱い吐息を吐いた。
「あ……ふ……」
『……指、挿れてみろ、ジャン』
「指……?」
 やわやわと蕾を撫でながらハボックが呟く。そうすれば受話器からヒューズの囁き声が聞こえた。
『そうだ……大丈夫、ちょっと力を入れたらいい。いつも俺がしてやってるだろう?ほら……挿れてみろ、ジャン』
「…………」
 囁く声にハボックはほんの少し躊躇ってからクッと指に力を入れる。そうすれば指先が蕾の中にめり込んで、ハボックは息を弾ませた。
『そうだ、そのまま……ゆっくりと中に挿れるんだ、ゆっくり、ゆっくり……』
「はあッ……んっ、ふ……ぁっ」
 囁く声に導かれるように、ハボックは蕾に埋めた指先をゆっくりと押し込んでいく。
「んっ、んっ」
『上手だ、そのままグーッと根元まで……入ったか?』
「はあ……ッ、は、入った……」
 気がつけば中指が根元まで埋まっている。それを聞いたヒューズが低い声で言った。
『じゃあ今度はその指を動かしてみろ。掻き回すように……ゆっくり……広げて……』
「はあ……ふぁ……っ、中、さ……ッ」
『中佐じゃねぇ……マースだ、ジャン、呼んでみろ……もっと気持ちよくなるぜ……?』
 低く囁かれる声にハボックはゾクリと震える。グチュグチュと指を掻き回していたが、やがて口を開いて言った。
「マース……」
『ジャン……』
「あ……ッ」
 呼べば答えるように声が返ってきて、ハボックはビクリと震える。それと同時に掻き混ぜる蕾が指をキュンと締め付けて、ハボックは切なげにため息をついた。
『ジャン……指、増やしてみな?一本じゃ足りねぇだろ?俺のは、もっと太いだろ?ん?』
「ん……足りない……」
 囁く声に頷いてハボックは指を二本、三本と増やしていく。そうすればハボックの唇から零れる声が甘さを帯び、そそり立った楔から更に密を零した。
「ふあ……マース……ッ」
『凄いな、ぐちょぐちょだぜ?ほら、掻き回してみな。お前ん中のイイトコがあるだろう?突いてやろうか?俺のデカイので、ゴリゴリされると気持ちイイよなぁ……?』
 ハボックはハアハアと息を弾ませ、埋めた指を激しく出し入れする。いつもヒューズが楔で突いてくれる箇所を指先で押し潰せば、背筋を突き抜ける快感に甘く悲鳴を上げた。
「アアッ!!……ああん、マースぅッ!」
『可愛いぜ、ジャン……ほら、ゴリゴリしてやる、ここだろう……?』
 低く囁く声にハボックは指先で前立腺をグリグリと押す。大きく開いた股間を突き上げるようにして一際強く押し潰せば、ハボックの唇から嬌声が迸った。
「ヒャアアアアッッ!!」
 それと同時にそそり立った楔からビュクビュクと白濁が噴き出す。背を仰け反らしてビクビクと震えたハボックが、がっくりとソファーにその身を沈めれば、受話器から低い笑い声が聞こえた。
『いっぱい出たな……可愛いぜ、ジャン』
「中佐ァ……」
『今度はお前ん中にたっぷり出してやる……ほら、もう一度指で掻き混ぜてみな?ジャン……』
「あ……ああ……」
 クスクスと笑い混じりに囁かれる低い声に操られるまま、ハボックは無我夢中で指を動かし続けた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、更新励みになります、嬉しいですv

また〜?って言われそうですが「髭騎士」です。これ、最初はハボの一人エッチの予定だったんですが、気がついたらこんなんなってました(爆)しかし、二回に一回R指定ってどうよ……。それにしても、日記書こうと思うと髭しか出てこない(苦笑)私的には間に更新分のを書いたりしてるので髭ばかり書いてる気はしないんですが、と言いつつ、今日はお葬式で遠方まで出かけたので往復の電車の中、携帯でポチポチ髭の続き打ってました(苦笑)結構座ってたのでポメラ出来ない事はなかったけど、流石に普通の通勤の電車でポメラ広げるのは恥ずかしいからさぁ(笑)まあ、明日一日あるし、更新も間に合うと思いますー。

以下、拍手お返事です。

阿修羅さま

わあ、ワンちゃん元気になられましたか?19歳って凄いですね!それだけ阿修羅さまが大事に可愛がって育ててこられたんでしょうね。元気になって少しでも長生きして欲しいです。「髭騎士」いや〜ん、3度も繰り返しなんて、恥ずかしいー、でも嬉しいvヒュハボスキーな阿修羅さまにそう言って貰えるなんて本当に嬉しいですvvまだまだ頑張りますので、よろしく読んでやって下さいねv

おぎわらはぎりさま

ええ?別部屋作ってガッツリですか?(笑)でも、dump renewにぶち込んであるヒュハボとエドハボをまとめて別部屋に入れといた方が、読んで頂くには親切なのかなぁと思わないでもないです。と言いつつ、そんなもの作ったら本気で溺れかねない自分が怖い、でもどうしよう(苦笑)「声」あんまり昔過ぎて書いた本人が忘れかけてたので思わず読み返してしまいました(苦笑)私的にはお友達協定がいいなぁ!(爆)「応急処置」ふふふ、ハボというよりちょっとジャク入ってる感じでしょうか(笑)最近あんまりジャク入ったハボ書いてない気がします。ワイルドも可愛いのも頑張りますねv
2012年06月25日(月)   No.203 (カプ色あり)

応急処置
ハボロイ風味

 時折遠くで銃声が聞こえる。ライトの灯りを伴ってドカドカと靴音と怒声が行き過ぎたと思うと、辺りは薄闇に支配された。
 扉の陰に身を潜めたハボックは微かに息を吐き出す。そうすれば背後に潜んだ人物もまた同じように息を吐いたのを感じて、ハボックは後ろを振り向いた。
「行ったようだな」
「そうっスね」
 言って見つめてくる黒曜石にハボックは頷く。薄闇の中でも輝きを失わないその瞳が僅かに歪んだのをハボックは見逃さなかった。
「見せて下さい」
「……なんの事だ?」
 ハボックの言葉にロイが答える。空惚けた答えにハボックは無言のままロイの手首を掴んだ。
「……ツゥッ!」
 そうすればロイの唇から苦痛の声が上がる。手首を捻られたくらいでは出ない呻き声にハボックが舌打ちした。
「まったく……ッ、どうしてそう無茶するんスか!」
 低い怒りのこもった声にロイは視線を逸らす。
「かすり傷だ」
 と呟くのを聞いた途端、ハボックはロイの軍服に手をかけた。
「ッ?!」
 ブチブチとボタンが飛ぶのに構わず毟り取るようにして上着を剥ぎ取れば、ロイのシャツの脇腹に血が滲んでいるのが目に入る。ジロリと睨まれて、ロイは強がるようにハボックを睨み返した。
「かすり傷だと言ったろうっ?」
「何度言ったら判るんです?アンタはオレ達の頭なんだからホイホイ前に出てくんなって言ってるんス!」
「煩いな、軍人が怪我したくらいでギャアギャア喚くな」
 ツンと顎を突き出してロイが言えばハボックの瞳が怒りに煌めく。何を言われるかと身構えるロイに反して、ハボックは何も言わずに腰のポーチに手を伸ばした。
「応急処置します」
 尋ねるように見つめてくるロイにハボックが言う。だがロイはハボックの手を振り払って言った。
「必要ない。こんなの唾つけときゃ治る。それよりここから脱出するのが先だ」
 ロイはハボックを押しやるようにして扉の外の様子を伺おうとする。だがグイと腕を引かれて、ハボックを睨み上げた。
「手当てが先っス」
「しつこいぞ、何度も言わせるな」
 大事ないと言い張るロイにハボックが目を吊り上げる。無言のままロイを引き寄せ、血の滲むシャツを捲り上げた。
「おいっ!」
 振り払おうとするロイの腕を易々と押さえつけハボックはロイの体を抱き寄せる。白い肌に走る傷に顔を寄せると、肌を汚す血に舌を這わせた。
「ヒッ!」
 舌先が触れればズキンと走る痛みにロイは身を強張らせる。ハボックの金髪を鷲掴み押しやろうとした。
「何をするッ」
「唾つけりゃ治るんでしょ?」
 そう言ってハボックは上目遣いにロイを見る。驚いて目を見開くロイに見せつけるように舌を這わせれば、ロイがビクリと震えた。
「まともに手当てさせないで唾つけりゃ治るってんなら仕方ないでしょうが」
 ハボックは低く囁くように言って傷に舌を這わせる。ねっとりと何度も肌を行き来する舌先に、ロイはビクビクと震えながら言った。
「それは言葉の綾で……っ」
 ロイは言ってハボックの金髪を掴む。何とか引き剥がそうするロイの努力を嘲笑うようにハボックはロイの体を抱き締め、きつく傷口に吸い付いた。
「ヒィッ!」
 ズキズキとした痛みがハボックが触れた箇所から湧き上がる。それと同時に背筋が痺れるような感覚が走り抜け、ロイの体から力が抜けた。
「あ……クゥ……ッ」
 ハボックの腕の中でロイの体が震え、白い指がハボックの潜入服の袖を掴む。ハボックの舌が這い、唇が強く吸い付けばロイは力なくハボックに縋りつき熱い吐息を零した。ハボックはロイの体から完全に力が抜けたのを確認すると唇を離しポーチから医療キットを取り出す。傷口に軟膏を塗り保護用のテープを貼るとシャツを下ろし上着の前を合わせた。そうして細い体を有無を言わさず抱き上げる。
「ハボック……」
「黙っててください。でないと今度はその口強引に塞ぎますよ?」
「……ッ!」
 言ってみつめてくる硬質な空色にロイは息を飲んだ。
「しっかり掴まってて」
 ハボックが低く囁けばロイが広い胸に顔を寄せて縋りつく。その姿にハボックは笑みを浮かべると安全な場所へとロイを抱いて薄闇の中溶けるように駆け抜けていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってますーvありがとうございますvv

ハボ受けばかり書いてるとハボロイはどうしたと言われそうなので、今日は久しぶりにハボロイですー。どうして二人がこんな状況にいるのかとかのツッコミはなしで。前後の繋がりなく書けるのが日記のよいところだと思っております(笑)

以下、22日拍手のお返事です。

とうとうデフォに正式題名が の方

ふふふ、ついにタイトルついてシリーズ化してしまいました。そうそう、まさしくヒューズの事ですよ!(笑)楽しく読んで下さっているとのこと、嬉しいですv今後ともよろしくお願い致しますv

おぎわらはぎりさま

いやもう、コメント沢山頂けて、本当に嬉しいです!私はとても単純に出来ているので、コメント貰うとそりゃもう張り切っちゃいますよ(笑)うふふ、ハボ受け割合高くなってますか?いいなぁ、ハボが受けならALL OK!素敵ッvv(笑)「金緑石」ありがとうございます〜vなるべく間開けずに続きも書きますねvヒュハボ枠作ってOKですか?でも、作ったらそれこそガッツリ取り掛かっちゃいそうな気がするんですが(苦笑)日参、本当にありがとうございますv頑張りますのでお楽しみ頂けたら最高ですv
2012年06月23日(土)   No.202 (ハボロイ)

デフォでない改め「俺様な皇帝と恥ずかしがり屋の騎士の話5」
ヒュハボ風味

(だりぃ……)
 ハボックは机の上に頬をペッタリと貼り付けて懐く。ハァと湿度の高いため息をついて身じろげば、腰から下にズゥンと重いような痛いような感覚が走って、ハボックは眉根を寄せた。
 夕べはハボックがロイに紹介された女の子とデートした事がヒューズにバレて散々な目にあわされた。事もあろうに玄関先で攻め立てられ上げまくった嬌声は外に筒抜けで、今朝ハボックは隣の男だけでなく同じフロアの学生や老夫婦にまで変な目で見られてしまったのだ。
『躾と仕置きには丁度いいだろ』
 どうしてくれるとハボックに文句を言われた男は、まるで悪びれた様子もなく言い放った。それ以上言っても効果がないどころか、逆に痛くもない腹まで探られかねず、ハボックはサングラスを掛け帽子を目深に被ってコソコソとアパートを出てくるしかなかった。
(引っ越そうかなぁ、金ないけど)
 引っ越したくとも先立つものが なければどうしようもない。家賃も安く通勤にも便利なボロアパートは、過激で俺様な恋人が出来た今となればただ一つの欠点――壁の薄さ――がハボックに取って致命的な欠点になっていた。
「ハアア」
 かったるくて煙草を吸う気にもならない。ハボックがぐったりとして目を閉じた時、頭上から呆れたような声が降ってきた。
「お前、仕事をする気があるのか?ハボック」
「あ、大佐ぁ」
 机に頬を貼り付けたまま横目で見上げれば、ロイが眉間に皺を寄せて見下ろしている。ハボックはため息をつくとやれやれと体を起こした。
「飲み過ぎか?」
「……まぁ、そのようなもんス」
 まさかヤり過ぎとは言えず、ハボックは言葉を濁して答える。珍しいなと言って執務室に入ろうとする背中に、ハボックは言った。
「大佐、この間紹介して貰った子、大佐から断っておいて貰えないっスか?」
 そう言われてロイが驚いたように振り向く。ハボックのところまで戻ってくると不思議そうに尋ねた。
「どうしてだ?上手くいってたんだろう?アンナの反応も良かったぞ」
 直接女性の方から様子を聞いていたロイが言う。ハボックは困ったように視線を泳がせて言った。
「ええと、……性格の不一致っつうか」
「なんだ、そうなのか?」
 折角のボインな美人なのにとロイに言われてハボックは「ははは」と乾いた笑いを漏らす。そんなハボックを見てロイが言った。
「まぁ、そう言うなら仕方ないが……」
 と、少し残念そうにため息をついてロイは続けた。
「今後の参考に聞いておくが、お前はどういう性格の女性が好みなんだ?アンナはいい子だったろう?」
「どんな性格……」
 聞かれてハボックは考える。頭に浮かんだ常盤色が自分に向かってニヤリと笑うのを見て、僅かに眉を寄せた。
「そうっスね……、俺様でちょっと意地悪な年上っつうか……」
「ハボック、お前……もしかしてマゾか?」
 無意識にボソリと呟いた言葉にそう返ってきてハボックはハッとする。
「なんでそうなるんスかッ?!」
「だって女王様に苛められたいんだろう?」
「そんな事言ってな――――」
「女王様がなんだって?」
 とんでもない誤解だとハボックが否定しようとした時、二人の会話に割って入る声がする。ハボックがギクリとして身を強張らせれば、ロイが声の主を見て言った。
「ああ、ヒューズ。今ハボックの好みのタイプを聞いてたんだが」
「へぇ、どんなタイプが好みだって?」
「意地悪な女王様タイプだそうだ」
「そんな事言ってねぇっス!!」
 冗談じゃないとハボックは全力で否定する。だがロイはハボックの主張には耳を貸そうともせずに言った。
「俺様で意地悪な年上と言ったらそうだと思わんか?ヒューズ」
「なるほど、確かにな」
「だから違うって言ってるっしょッ!!」
 必死に否定すればヒューズがチラリとハボックを見る。その常盤色が楽しそうに細められるのを見て、ハボックは今すぐ何処かに逃げ出したいと思うのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいです〜vv

そんなわけでめでたくシリーズ化となりました(爆)いやもう、5回も書いたらねぇ(苦笑)前々からハボロイは「鈍感な騎士と待ちきれない姫君の話」で「騎士姫」、ロイハボは「わがままな王様と純情な騎士の話」で「王騎士」、エドハボは「小さな暴君とお人よしの騎士の話」で「豆騎士」、じゃあヒュハボは何だろうとずっと思ってたんですよね。そんなわけで「髭騎士」、またネタ浮かんだら書こうと思いますので、大丈夫な方、どうぞお付き合い下さいませ。

以下、拍手お返事です。

デフォ4、鬼畜ヒューズの本領発揮ですかね の方

ふふふ、本領発揮ですね、きっと(笑)ヒューズ、むしろ面白がって引越させてくれなさそうな気がします(苦笑)

おぎわらはぎりさま

わーい、いつもコメントありがとうございますvわはは、ドSとドМですか(笑)同じハボ受けでもロイハボ、エドハボ、ヒュハボで何故か雰囲気違ってきますよね。そうか、大佐、確信犯だったんですね!(笑)この先もいっぱいひっかきまわして欲しいと思ってます(笑)
2012年06月22日(金)   No.201 (カプ色あり)

デフォでない4
CP:ヒュハボ(R20)

「どう言うことか説明して貰おうか、少尉」
 にっこりと笑う男の眼鏡の奥の常盤色の瞳が、物騒な光をたたえていることに気づいて、ソファーにヘたり込んだハボックはゴクリと唾を飲み込む。早々に仕事を切り上げさせられたハボックは、奢ってやるという言葉に反してヒューズに引きずられるようにしてアパートに帰ってきていた。
「ロイに紹介して貰った女の子と二人で飲みに行ったって?どういうことなのかなぁ、これは」
 目だけは笑わずにニコニコと過剰なほどの笑みを浮かべるヒューズは冗談抜きで恐ろしい。ハボックは、アパートに戻るなり突き飛ばされたソファーの隅に躙り寄って言った。
「中佐、誤解してるっス」
「誤解?でも二人だけで飲みに行ったんだろう?」
 ハボックが言えばヒューズがすぐにそう返してくる。ハボックはひとつ息を吐き出して言った。
「行きましたけど、それは」
「ジャン、お前っ」
 言いかけたハボックの言葉を遮ってヒューズが顔をズイと寄せてくる。男が纏う怒りのオーラにハボックは顔を引き攣らせて声を張り上げた。
「行ったけどッ、仕事の帰りに喫茶店で一緒にお茶飲んだだけっスから!」
「……は?」
「だから!飲みには行ったけど、喫茶店でコーヒー飲んだだけっス」
 そう言うハボックをヒューズはじっと見つめる。見返してくる空色が決して嘘を言っているのではないと判ると、ボスンとソファーに腰を下ろした。
「コーヒー飲んだだけ?」
「そうっス」
 ハボックはコクコクと頷いて続ける。
「大佐の紹介だったし、会わずに断る訳に行かないから仕事の後で茶ァ飲みに行ったんスよ。それだけ」
「なんだ、飲みに行ったっていうからてっきり」
 どこか雰囲気のいいバーにでも行ったのかと思ったとヒューズはホッと息を吐く。
「ね?誤解だったっしょ?」
「ったく、ロイの奴紛らわしい言い方しやがって」
 ニコニコと笑うハボックをジロリと見て、鼻に皺を寄せてブツブツと言ったヒューズは一応確認といった風に続けた。
「で?ちゃんと断ったんだな?」
「えっ?」
 聞かれてギクリとするハボックとヒューズは暫し顔を見合わせる。次の瞬間、ヒューズがクワッと目を見開いて言った。
「お前っ、断らなかったのかッ?!」
「や、そのっ」
「ジャンッ!!」
 鬼の形相で迫ってくるヒューズに、ハボックがソファーの隅で身を縮こまらせる。ハボックはソファーの袖にしがみつくようにして言った。
「そのっ、断るつもりだったんスけど、ケーキ談義に花が咲いちゃったら断るタイミング逸しちゃって……」
「ケーキ談義?」
 思いがけない言葉が出てきてヒューズがキョトンとする。実はハボックが意外にも料理好きで、自分でケーキを焼いたりするのはヒューズもよく知っていた。
「アンナの親父さんってパティシエなんスよ。だから彼女もケーキ焼くの好きで、その話始めたら盛り上がっちゃって、つい……」
「お前なぁ」
 ヒューズは呆れ半分怒り半分でハボックを見つめる。ガリガリと頭を掻いてため息をついたヒューズが言った。
「まあいい、断らなかったにしても次の約束はしてねぇんだろう?次電話かかってきても絶対行くんじゃ────って、ジャン、まさかお前ッ」
「だって!親父さん、ル・プティシュのパティシエで、秘伝のレシピ教えてくれるっていうからッ」
「おま……っ」
「いいじゃん、レシピ貰うだけだもんッ!それにレシピ貰ったら中佐に焼いてあげられるしっ」
 ソファーの袖にしがみついてそう主張するハボックに、ヒューズは数回息を吐いて気を落ち着ける。見上げてくる空色をじっと見つめてヒューズは尋ねた。
「で?そのレシピ、どこで貰うつもりなんだ?また喫茶店?」
 そう聞かれてハボックが言葉に詰まる。「ジャン」と名を呼ばれて、ハボックは小さな声で答えた。
「……シモンズで」
「バーじゃねぇかよッ!」
「だって、アンナ、ここ暫く仕事忙しくて茶店が開いてる時間じゃ会えないっていうから」
「ジャン、お前な」
 ハボックの説明にヒューズはふるふると震える拳を握り締める。
「それが女の手だってなんで判んないんだッ!そんなんでホイホイ行ってみろ、絶対食われるぞッ!!」
「食われるわけねぇっしょ!相手はオレより小さい女の子なんだしっ」
 あり得ないと首を振るハボックに、ヒューズは頭痛がすると同時に怒りがこみ上げてくる。ギロリとハボックを睨んで、ヒューズは言った。
「もういい、お前には言葉で言うより体に言い聞かせた方がよさそうだ」
「え」
 そう言ってゆらりと立ち上がるヒューズにハボックは目を見開く。次の瞬間ヒューズが伸ばした手を、掻い潜るようにしてハボックはソファーから滑り降りた。
「あっ?」
 伸ばした手が空を掴んでたたらを踏んだヒューズを後目にハボックは部屋を飛び出す。そのまま短い廊下を抜けて玄関から外へ出ようとしたハボックは、ヒュッと空を切って飛んできたダガーが目の前の扉に突き刺さったのを見て息を飲んで足を止めた。
「……フツーこんなもん、投げます?」
「お前が逃げるからだろうが」
「当たったらどうするつもり────うわッ!!」
 流石にムッとして振り向きざま怒鳴ろうとしたハボックは、いつの間にか真後ろに立っていたヒューズに目を瞠る。ヒューズは扉に刺さったダガーを引き抜くと、ハボックを扉に押しつけるようにしてその喉元に刃を突きつけた。
「外に出るか?それでもいいぜ?そこで滅茶苦茶に犯してやる」
「中……っ」
「そうすりゃお前も自分が誰のもんかって嫌でも判るだろ」
 ヒューズはそう言ってハボックの背後の扉に手を伸ばす。カチリと鍵を外すと体重をかけるようにしてハボックを扉ごと外へと押し出した。
「中佐ッ」
「脱げよ、ジャン。下だけでいいぜ?ケツ出してこっち向けろ」
 そう言って見つめてくる常盤色にハボックはふるふると首を振る。アパートの狭い廊下の壁に押しやられて、ハボックはギュッと目を瞑った。そうすれば喉元に押し当てられた刃の感触と共にヒューズの怒りが肌に感じられる。ハボックはゆっくりと目を開けると間近に迫るヒューズの顔を見つめて囁いた。
「ごめんなさい……オレ、アンタにケーキ焼いてあげたかったんだもん。だから……」
 小さな声でそう告げるハボックをヒューズはじっと見つめていたが、噛みつくように口づける。アパートの、いつ誰が来るともしれない場所で口づけられて、ハボックは正直気が気ではなかったがそれでも大人しくヒューズのなすがままに任せた。
「ん……んふ……ぅ」
 キスの間にダガーがゆっくりと肌を滑っていく。そうすれば何故だかゾクゾクとした感覚が沸き上がって、ハボックはヒューズの胸にすがりついた。
「……なんだ、おっ勃ててるじゃねぇか。やっぱり変態だな、ジャン」
「中佐……っ」
「本当はここで犯されたいんじゃねぇのか?」
 そう尋ねられてハボックは必死に首を振る。訴えるように見つめれば、ヒューズがグイとハボックの腕を引いた。
「あっ?」
 そのまま部屋の中に引っ張り込まれバタンと玄関の扉が閉まる。ヒューズはダガーを扉に突き立てるとハボックの顔を扉に押しつけるようにして腕を後ろ手に捻り上げた。
「中佐ッ」
「中佐じゃねぇよ。ちゃんと呼べないから女にフラフラついていくんだろうが」
「フラフラついていってなんか────、やだっ、中佐ッ!」
 背後から抱え込むようにして身を寄せてきたヒューズがボトムに手をかけるのに気づいて、ハボックがもがく。だが、ヒューズはそんなハボックの抵抗などいとも容易く押さえ込むと、下着ごとボトムをずり下げた。
「中佐ッ!!」
「ちゃんとマースって呼べるようになるまで躾てやる」
「や……っ、ヒィッ!」
 まだ堅く閉ざしたままの蕾に指をねじ込まれ、ハボックが悲鳴を上げる。強張る躯に構わず、ヒューズは無理矢理根元まで指をねじ込むと、ぐちぐちと強引に掻き回した。
「いた……ッ、痛いッ、中佐っ、痛いッ!!」
 潤いの足りない秘孔は引き攣れて痛みをもたらす。ハボックは扉に縋りついて、ビクビクと震えた。
「やめ……ッ、痛ァ……ッ」
 痛みのあまり脚からは力が抜け、見開いた瞳からは涙が溢れてくる。泣きながら扉に縋りつくハボックの横顔をじっと見つめながら、ヒューズは容赦なく指を動かした。
「あふ……痛いよ……やめて、お願い」
「痛いばかりじゃねぇだろ?きゅうきゅう締め付けてくるぜ?」
「ああ……そんな……っ」
 耳元に囁かれる言葉にハボックは緩く首を振る。グチグチと蕾を掻き回していた指が乱暴に抜かれたと思うと、次の瞬間押し当てられた熱い塊にハボックはギクリとして目を見開いた。
「やだ……こんなところで……」
「うるせぇよ。躾とお仕置きだからな。これからは俺がいなくても女の尻を追いかけたりしないよう、躯にきっちり教えてやる」
「ッ!!」
 低く囁くヒューズをハボックは肩越しに見遣る。嫉妬と燃えるような情愛とを宿す瞳に、ハボックはゆるゆると首を振った。
「も、しない……しないから、中佐……ッ」
「だから、中佐じゃねぇッ」
 そう言うと同時にヒューズはズッと楔を押し入れる。強張る躯を抱え込み、強引に猛る自身を突き入れた。
「ヒアアアアアッッ!!」
 貫かれる痛みにハボックの唇から悲鳴が迸る。ヒューズはそれに構わずガツガツと乱暴に突き上げた。
「ヒィッ!!ヒィィッッ!!」
 強引に開かれ内壁を抉られて、ハボックが泣き叫ぶ。痛みに震えながら、それでも犯される事に慣らされた躯はいつしか痛みの中にも快感を見いだしていった。
「アアッ、ンアアッ!あんっ、あふ……ッ、ふああッ!!」
「イヤラシイ顔になってるぜ、ジャン」
 扉に押しつけられる涙に濡れた顔が、快楽に蕩け始めている事に気づいてヒューズが言う。ゴリゴリと前立腺を押し潰せばハボックの唇から高い嬌声が上がった。
「ひゃあああんッッ!!」
「そんなデカイ声出して、外に筒抜けだぞ」
 耳元に囁くと同時にヒューズはガツンと思い切り突き上げる。
「ひゃううッ!!」
 そうすればハボックが喉を仰け反らせ、扉に熱をぶちまけた。ハアハアと息を弾ませて扉に身を預けるハボックをヒューズはじっと見つめる。激しい抽送で今ではすっかりと綻んだ蕾は、イヤラシくヒクついてヒューズの楔をキュウキュウと締め付けた。
「ジャン……お前は俺のもんだ、よく覚えておけ」
「中佐……」
 低く囁けば涙に濡れた空色がぼんやりとヒューズを見る。ヒューズは埋め込んだ楔をグリグリと押し込んで言った。
「中佐じゃねぇだろ?」
「ヒィッ、マ……スっ」
 その途端悲鳴混じりに名を呼ばれて、ヒューズは昏く笑う。深々と埋め込んだ楔をそのままに、ヒューズはハボックの躯を強引に反した。
「ヒャウウッ!!」
 グリッと熱く熟れた粘膜を抉られて、ハボックが目を剥いて悲鳴を上げる。ヒューズはハボックの躯を扉に押しつけるようにして長い脚をグイと持ち上げると、そのままガツガツと乱暴に突き入れた。
「ヒィィッ!!嫌ァ、マース!!」
 両脚を持ち上げられ、己を貫く楔と背後の扉だけが支えの体勢で深々と犯されて、ハボックが悲鳴を上げる。それに構わずヒューズはハボックの躯を揺さぶり、激しく突き上げた。
「ヒゥッ!ッ、ヒアアアアアッッ!!」
 衝撃に耐えきれず、ハボックが熱を吐き出す。小刻みに震える躯を容赦なく揺さぶって、ヒューズもまたハボックの中に白濁を迸らせた。
「ヒ……ィッ!!」
 熱く体内を焼く熱にハボックが目を剥く。ビクビクと震えたと思うとガックリと力の抜けた躯を、ヒューズはギュッと抱き締めた。
「いいか、お前は俺のもんだ。忘れるなよ、ジャン」
「マース……」
 ぼんやりと名を呟く唇をヒューズは噛みつくように塞ぐ。ハボックが気を失ってその唇から甘い啼き声が聞こえなくなるまで、その夜ヒューズはハボックを攻め続けた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みです、嬉しいです〜v

しつこく続きです〜。ロイハボ以外のハボ受け苦手な方には申し訳なく(汗)もうデフォだろう、これは!って言われそうですね(苦笑)

以下、拍手お返事です。


デフォでないの続きありがとうございます の方

いえいえ、こちらこそ読んで下さってありがとうございます!いやもう、ヒューズ嫉妬バリバリですよ(笑)ベッドの住人になる前に玄関でガツガツやってしまいました(苦笑)きっとこの後は仕事に行けずにベッドで過ごすことになりそうです(笑)

おぎわらはぎりさま

連日のお越しありがとうございますvハボ、嫌と言うほど愛されてます(笑)白状させられてるんだか言い聞かせられてるんだかよく判りませんが(苦笑)お仕事での疲れを少しでも癒すお役に立てれば嬉しいですv
2012年06月21日(木)   No.199 (カプ色あり)

デフォでない3
ヒュハボ風味

「────ック、ハボック!」
「はっ、はいッ!」
 ペンを手にしたまま机の上の書類をぼーっと眺めていたハボックは、自分を呼んでいる声に気づいて慌てて答える。背筋をピンッと伸ばし目をまん丸に見開いて声のした方を見れば、ロイが眉間に皺を寄せて見下ろしていた。
「目を開けたまま寝てたのか?何度も呼んだんだぞ」
「すっ、すんません」
 呆れたように言われてハボックは首を竦める。ロイはそんなハボックを見てため息を一つついて言った。
「コーヒーをくれないか?怒鳴りすぎて喉が乾いた」
 長ったらしい会議を終えたばかりのロイがうんざりした顔でそう言う。執務室に入っていく背に返事を返して立ち上がろうとしたハボックは、あらぬところから走った痛みに腰を上げかけた体勢で硬直してしまった。
「い……ッ」
(った〜〜〜〜ッッ!!)
 声を出して痛いとも言えず、ハボックは上げかけた悲鳴の続きを心の中で上げる。そろそろと腰を上げてなんとか立ち上がると、ホッと息をついた。給湯室に行きコーヒーをセットする。コポコポとコーヒーが落ちるのを待ちながらやれやれと壁に背を預けた。
「まったくもう、いくら久しぶりだからって」
 セントラルとイーストシティに離れて暮らすヒューズとハボックは、なかなかゆっくり一緒に過ごす時間がとれない。普段会いたい気持ちを押さえていることもあって、会えばついつい濃厚な時間を過ごしてしまうのが常だった。自分も求めているのだから文句ばかりも言えないが、それでも受け入れる身としては翌日の負担が大きいのは否めない。
「今日演習なくてよかった……」
 ハアとため息をつきながら、ハボックは出来上がったコーヒーをカップに注ぐ。ついでに自分の分も用意するとトレイに載せ、ロイが待つ執務室に向かった。
「大佐ぁ、コーヒー持ってきた────あ」
「よっ」
 おざなりなノックをして執務室の扉を開けたハボックは、ヒューズと目が会って言いかけた言葉を飲み込む。いつの間に執務室に来ていたのか、ヒューズの分のコーヒーを淹れてこなかったと思いながらハボックがロイの前にカップを置けば、ヒューズがさっさとトレイに残ったカップを取り上げた。
「それ、オレの」
「いいじゃねぇか、ケチケチすんなよ、少尉」
 思わず眉を寄せて文句を言うハボックに、ヒューズがニヤリと笑ってカップに口をつける。そんなヒューズに、やはりコーヒーのカップに口をつけながらロイが言った。
「まったく、来るなら来ると連絡くらい入れろ、ヒューズ。私にだって都合があるんだ」
「別にいいじゃねぇか。俺が来たら来たでいい言い訳になるだろ?」
「それじゃあまるで私がサボる口実を探しているみたいじゃないか」
 ヒューズの言葉にロイが眉間に皺を寄せる。それでもあながち違うとも言えず、ロイはズズッとコーヒーを啜ってため息を吐いた。
「そうだ、ハボック。アンナとはその後どうだ?」
「えっ?」
 ふと思い出したというようにロイがハボックに言う。コーヒーのカップを両手で包み込んで、ロイは言葉を続けた。
「あの後二人で飲みに出かけたんだってな、アンナから聞いたぞ」
「えっ?や、その話は……ッ」
 楽しげに言うロイにハボックが慌てて答える。ロイの言葉をなんとか遮ろうと、ハボックがトレイを抱き締めてわたわたすれば、背後から低い声が聞こえた。
「アンナって?」
 地を這うような声にハボックが硬直する。振り向くことも出来ずそのまま固まっているハボックに代わって、ロイが答えた。
「この間女友達との食事の席までハボックに送り届けて貰ったんだが、その時ハボックを見たアンナに紹介してくれと言われてね。ハボック好みのボインだったので紹介してやったんだ」
「へぇ?」
 ニコニコと楽しそうに説明するロイにヒューズが相槌を打つ。
「彼女は気立てもいいし美人だし、なによりボインでお前の好みにピッタリだろう?紹介した手前、どうなったかと気になってたんだが、夕べアンナから電話があってね。二人で飲みに出掛けてとても楽しかったと言っていたよ」
 よかったなと笑って、私に感謝したまえなどとロイが言ったが、ハボックは正直それに答えるどころではなかった。背後からヒューズの突き刺さるような視線を感じれば、どっと嫌な汗が噴き出してくる。とりあえずこれ以上なにかロイが言い出す前にここから逃げようと、ハボックが「ちょっと仕事が」などともごもご言い訳をしながら執務室の扉に手を伸ばせば、背後から声が聞こえた。
「なかなか彼女が出来ないと嘆いていた少尉に彼女か、そりゃあ目出度いな」
「ッッ」
 妙に陽気な声にノブに手をかけたまま凍り付いたハボックの側に、ヒューズがゆっくりと近づいてくる。背後からハボックの顔を覗き込むようにして、ヒューズが言った。
「お祝いに奢ってやるからさ、是非話を聞かせてくれよ」
 なあ、少尉、とにっこり笑って囁かれて、ハボックは今すぐどこかに出張したいと本気で思うのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってますv嬉しいですーvv

ええと。「大佐に関係がまだバレてなかったら面白いな」ってコメント貰ったのでー。コメントに弱い女でスミマセン(汗)二人の関係知らずに掻き回す大佐ってことで(笑)楽しいっスv(ってお前だけだと言われそう(苦笑)

以下、拍手お返事です。

続きはないだろうと思っていたヒュハボの続きが の方

えへへ、喜んで頂けて嬉しいですーv「マース」はやっぱり恥ずかしいと思うの(笑)何度も読み返して頂けたなんてありがとうございます!またまた続き書いてしまいましたが、お楽しみ頂けたら嬉しいですv

阿修羅さま

うわ、大変でしたね、大丈夫でしたか?やはり体調がいまひとつだと他の病気も呼んでしまうのかもしれませんね。どうぞ無理なさらずお体大切になさって下さい。「デフォでない」ウハウハ喜んで頂けて嬉しいですvええと、大佐にバレてない話、書いてみましたー。ちょっとでもお楽しみ頂けたら幸せです。

菜ノ花さま

うふふ、ありがとうございます!やっぱりあんな格好みたら誰だってお尻撫でたくなりますよねッ!是非なでなでしてやって下さい(笑)
2012年06月20日(水)   No.198 (カプ色あり)

デフォでない2
CP:ヒュハボ(R18)

「ちょ……っ、中佐っ、まだ拭いてな────うわッ!」
 浴室から引っ張り出されるように連れ出され、まだろくに拭いてもいない体からシャワーの滴をまき散らして、ハボックは腕を引く男に待てと訴える。だが、そんな訴えも虚しく寝室に連れていかれたハボックは、乱暴にベッドに突き飛ばされて悲鳴を上げた。
「中佐っ」
 ベッドに肘をついて上半身を起こしたハボックは、すぐ側に立つ男を見上げる。同じように濡れた髪からポタポタと滴を垂らしたヒューズは、濡れた前髪を掻き上げて言った。
「もう限界だっての。風呂じゃ嫌だって言うならさっさとこっちにくるしかねぇだろ?」
「だからってこんなビチョビチョじゃベッドまで濡れちまうっしょ!」
 身体を拭く時間くらいあるだろうとハボックが言えばヒューズがニヤリと笑う。
「どうせすぐ身体もベッドもビチョビチョになるんだ、構わねぇだろ?」
「な……ッ」
 酷く男臭い顔でそんな事を言うヒューズにハボックは顔を赤らめる。圧し掛かってくるヒューズから身を捩って逃れようとすれば、ヒューズがハボックの肩を掴んで押し留めた。
「中佐っ」
「これ以上焦らすなよ──ジャン」
 そう言って見つめてくる熱をたたえた常盤色にハボックが目を見開く。ヒューズは動きの止まったハボックを簡単にベッドに押し倒してその上に乗り上げた。
「これから演習だだの会議室じゃイヤだだの、十分我儘聞いてやったろ?これからは俺のいうこと聞けよ」
「中佐……っ」
「中佐じゃねぇよ」
 二人きりにも関わらず相変わらず階級で呼ぶハボックにヒューズが顔を顰める。首筋に残ったシャワーの滴をペロリと舐めた舌を耳元にまで這わせて耳朶を舐り、耳の穴に舌を差し入れて「ジャン」と囁けばハボックの躯が大きく跳ねた。
「ちゃんと呼べよ。二人きりだろ?」
「そ、そこで喋んないでっ」
 ヒューズの低い声に背筋がゾクゾクする。這い回る舌から首を振って逃れようとすると、ヒューズの腕に力が入った。
「だったら呼べって」
「アッ」
 ぬるぬると這い回る舌にハボックがビクビクと躯を震わせる。もう一度熱く「ジャン」と囁かれて、ハボックは目元を染めた瞳でヒューズを斜めに見上げた。
「…………ま……す」
「ちゃんと呼べよ」
「だって!…………恥ずかしいんだもん、その……恋人みたいで」
「はあっ?!」
 ハボックの言葉にヒューズはガバッと身を起こす。目を吊り上げてハボックの顔に己の顔をズイと近づけた。
「お前なぁ、この状況で恋人みたいでヤダってなんだよ。恋人どうしだろうが、俺たちはッ!」
「そうだけどっ」
 男同士とはいえお互い独身で誰に憚る必要もない。これまで何度も肌を重ねてきた関係で、ハボックの発言は赦しがたいものがあった。
「だっ、だって、恥ずかしいんだもんッ!初めて会ったときから中佐って呼んでたのに、マ、マ、マ────」
「マース」
 なかなか言おうとしない名前をハボックに代わって口にしてヒューズはため息をつく。真っ赤な顔で見上げてくるハボックの額にかかる髪を掻き上げて言った。
「いい加減慣れろよ。俺に言わせりゃ名前呼ぶよりこういう事の方が恥ずかしいんじゃねぇ?」
「ひゃっ!」
 言いながらハボックの股間に滑らせた手でキュッと楔を握ればハボックが飛び上がる。やわやわと扱くとハボックが切なげに眉を寄せた。
「そんなヤラシイ顔しやがって、こっちの方がよっぽど恥ずかしいだろうが」
 そう言うヒューズをハボックが恨めしげに睨む。そんな表情にすら煽られる自分を感じながら、ヒューズはハボックに身を寄せた。
「好きだぜ、ジャン。なあ」
 甘えるように言いながらゆるゆるとハボックの楔を扱く。刺激に息を弾ませてヒューズを見上げていたハボックは、腕を伸ばしてヒューズの首に絡めた。そのまま腕を引き寄せヒューズの首元に顔を埋める。
「……マース」
 消え入るように囁く声に、ヒューズはグイとハボックの躯を引き剥がし噛みつくように口づけた。
「ンンッ!」
 一瞬目を見開いたものの、ハボックもヒューズの背に腕を回して夢中でキスに答える。暫くの間激しくキスを交わしていたが、やがてゆっくりと唇を離すと互いの顔を見つめあった。
「会いたかったぜ、ジャン」
「オレも……」
 目元を染めて囁くハボックを見れば、ヒューズの中に凶暴な気持ちが沸き上がってくる。ヒューズはハボックの腿に手をかけると、長い脚をグイと大きく開いて押し上げた。
「アッ?やっ」
 もうすっかりと勃ち上がって蜜を垂れ流す楔を晒されてハボックが身を捩ろうとする。それを易々と押さえ込んで、ヒューズは竿を伝う蜜をベロリと舐めた。その舌を更に下へと滑らせる。そうして物欲しげにヒクつく蕾に、尖らせた舌の先端を差し入れた。
「やあっ!」
 ビクッと躯を震わせてハボックがヒューズの髪を掴む。ふるふると首を振って、ハボックは言った。
「それっ、やめてっ、中佐!」
「だから中佐じゃねぇって」
 ヒューズは髪を引っ張られる痛みに顔を顰めながらもハボックの股間に顔を埋める。慎ましやかな蕾を舌でこじ開けるようにしてたっぷりと唾液を塗せば、ハボックがビクビクと震えながらくぐもった声を上げた。
「ジャン?」
 不明瞭な呻き声を訝しんでヒューズが顔を上げる。そうすれば涙を滲ませたハボックが両手で口元を押さえていた。
「なにしてんだ、お前」
 ヒューズは眉を顰めてそう言うと躯をずり上げてハボックを真上から見下ろす。手を外せと手首を掴むとハボックがいやいやと顔を振った。
「声、聞かせろよ、ジャン」
 そう言ってもハボックはしっかりと手のひらで口元を覆ったまま首を振るばかりだ。ムッとしたヒューズはハボックの両手首をそれぞれ掴むと、強引に引き剥がした。
「やだッ」
「なんでだよ、別に感じて声が出るのは恥ずかしい事じゃねぇだろ?」
 むしろそんな声が聞きたいのにとヒューズが文句を言えばハボックが答える。
「だって……隣に聞こえる……っ」
「はあ?」
「この部屋の壁の向こう、隣の部屋なんですってば」
 以前、ヒューズがこのアパートに来た時、乱されるまま声を上げてしまったハボックは、翌日偶然隣の男と顔を合わせてもの凄く気まずい思いをしたのだ。だから絶対に声を聞かれたくないと言うハボックに、ヒューズはニヤリと笑った。
「いいじゃねぇか。思わずマス掻いちまうくらいイヤラシイ声聞かせてやれよ」
「な……ッ?嫌っスよ!」
「お前が俺に愛されて感じまくってるって教えてやれ」
 ヒューズはそう言いながらハボックの腕を片手で頭上に押さえつける。空いた片手でハボックの片脚を思い切り胸に押し上げ、たっぷりと濡らした蕾に楔を押し当てた。
「待っ……、挿れんなら手、離してッ!」
「そしたらまた口塞いじまうだろうが」
「だって声がっ」
「聞かせろよ、俺に」
 そう囁かれてハボックが目を瞠る。ヒューズが押し当てた楔の先端をぬぷりと埋め込めば、ハボックが怯えたような顔でヒューズを見た。
「やだ……マース」
「ッッ!!おま……ッ、そこで呼ぶかッ?!逆効果だっての!」
 泣き出しそうな幼い顔でそんな風に言われたらかえって煽られてしまう。ヒューズはハボックの脚を胸に押しつけるようにして一気に己を突き入れた。それと同時に多い被さるようにしてハボックの唇を己のそれで塞ぐ。深く唇を合わせたままガツガツと突き上げれば、ハボックの悲鳴がヒューズの唇の中になだれ込んだ。
「ンンッ!ぅんっ、んんんッッ!!」
 押さえつけていた腕を離せばハボックがしがみついてくる。ヒューズは長い脚を抱え直しゴリゴリと抉るように突き入れた。
「ん────ッッ!!んくぅぅッッ!!」
 突き入れた楔で前立腺を押し潰すとハボックの悲鳴がヒューズの口内で響く。突き上げた躯が大きく震えたと思うと胸や腹に熱い飛沫が飛び散って、ハボックが果てたのだと判った。
「ジャン」
 ヒューズはハボックの背に手を回すとその長身を引き起こす。そのままベッドに座り込み、ハボックの躯を下から貫いた。
「ヒアアッッ!!や……ッ!」
 離れた唇から悲鳴が零れ、ハボックが慌ててしがみついてくる。そのまま唇を押しつけてくる様が愛しくて、ヒューズは容赦なくガツガツと突き上げた。
「んんッ!!ふぅ…ッ!……ース!」
 一瞬離れた唇の隙間からハボックが呼ぶ声が聞こえる。そうすれば腹の奥にズンと熱が込み上げて、ヒューズはガツンと思い切り楔を打ちつけた。
「ひゃあああんッ!!」
「……くぅぅッ!!」
 衝撃に耐えかねて背を仰け反らせたハボックの中に、ヒューズは熱を叩きつける。そうすれば一瞬遅れてハボックの楔も弾けた。
「あ……ああ……ッ、マース……」
「ジャンっ」
 ヒューズは最奥に楔をねじ込むようにしながらハボックの背を掻き抱く。そのまま噛みつくように口づけて舌をきつく絡めた。
「ん……んふ……」
 甘ったるく鼻を鳴らしてハボックがヒューズにしなだれかかる。くったりと力の抜けた躯を抱き締めて、ヒューズはうっとりと笑った。

「ジャン」
「知らないっス」
 結局その後。散々に攻め立てられたハボックは、抑えることが出来ず嬌声を上げまくってしまった。きっと薄い壁の向こうに筒抜けだったに違いない。すっかり拗ねてしまって背を向けるハボックを背後から抱き締めてヒューズは言った。
「別にいいじゃねぇか。聞かれたって」
「よくないっス!!中佐の馬鹿ッ!!」
 ハボックはそう怒鳴ると振り向きざま掴んだ枕でヒューズの頭をボスッと殴る。大して威力のない攻撃にヒューズはわざとらしく頭をさすると、涙目で睨んでくるハボックを見つめた。
「中佐じゃねぇだろ?」
「知りません!」
 プイと顔を背けて言うハボックをヒューズはベッドに押さえつける。ギクリとして見上げてくる空色を見つめて、ヒューズは囁いた。
「呼べよ、ちゃんと」
 そうすればハボックが困ったように眉を寄せる。うろうろと視線をさまよわせ、再び見上げてきた熱を帯びた瞳にヒューズは期待してハボックの言葉を待った。
「……中佐」
「な……っ、お前なぁッ」
 呼んでツンと顔を背けるハボックにヒューズが素っ頓狂な声を上げる。フンと鼻を鳴らすのを聞けば、ヒューズが目を眇めた。
「いいぜ、それなら呼ぶまでヤってやる」
「えっ?……ちょっ……待っ……アアアッッ!!」
 ズブズブと入り込んでくる楔にハボックの唇から悲鳴が上がる。そのままガツガツと攻められて、ハボックはヒューズの腕の中で悶えた。
「待ってっ、ちゅう……マース!やああんッ!!」
「いいぜ、もっと呼べって」
「アアッ!マースの馬鹿ァッ!」
「……好きだぜ、ジャン」
 甘く啼いて己の名を呼ぶ恋人を抱き締めて、ヒューズは幸せそうに笑った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいですーvv

いい加減ここのサイトはハボとロイのサイトじゃないのかと言われそうですが、でも、昨日アレを書いたらやっぱり続きが書きたくなるのが人情というものかと(苦笑)そんなわけで続きです。一応ラブいけどちょっぴりデフォも入ってるかなぁ(笑)

あ、そうそう。先日携帯から拙宅に遊びに来て下さってる方から「一部切れてしまって読めないのがある」とご連絡頂きましてね。私に技術がないのでうちのサイトはパソ推奨なんですが、一応携帯でも「読める」ようにはしたいと思っておりますので、もし読めないところとかありましたら遠慮なくお知らせ下さい。読みやすいようには出来ませんし、そもそもお知らせ頂いても直せるとは限りませんが出来る限り努力したいと思います。ちなみに今回訂正したのは「曼珠沙華」「八雷神」「幼愛」です。

以下、拍手お返事です。

金緑石とは違う、鬼畜じゃないヒュハボに の方

うふふ、ニヤニヤが止まりませんでしたか?嬉しいですvついうっかり続きも書いてしまいました。またニヤニヤして頂けたら大喜びです(笑)

風汰さま

早速ハボック飾らせて頂きました、うふふふふ、嬉しい〜〜vv紅い目のハボック、やっぱり可愛いですvvありがとうございます!!「商品目録」……すみませんッ!いっぱいお道具も調べてあるんですが(爆)なるべく早く続きお届けしますね!

おぎわらはぎりさま

はじめまして、ようこそいらっしゃいました!おおう、「ハボックLOVEで『ハボなら受でも攻でもどんと来い!』な脇役スキー」って、思いっきり同志じゃないですかッ!!わーい、嬉しい〜〜〜vvその上拙宅のハボを気に入って下さって、惚れたなんて、ギャーッ、恥ずかしい!でも嬉しいvvこれからも頑張りますので、よろしくお付き合い下さいねvv
2012年06月18日(月)   No.197 (カプ色あり)

デフォでない
ヒュハボ風味

「うわッ?!」
 廊下を歩いていたハボックは、丁度通り過ぎようとした扉から伸びてきた手にグイと腕を引かれて声を上げる。そのまま小さな会議室に引きずり込まれて、ハボックは背後から抱き締めてくる影に思い切り肘鉄を食らわせた。
「少────グホッ!」
「えっ?中佐?!」
 物の見事に鳩尾に一発食らってゲホゲホと咳込む男が誰なのかに気づいて、ハボックは慌ててヒューズの背をさする。
「大丈夫っスかっ?」
 イテテと前屈みに胸元を押さえるヒューズの顔を覗き込んで言えば、ヒューズが目を眇めて言った。
「ひでぇな、おい」
「ごめんなさいっ、まさか中佐だと思わなくて……」
 思わず反射的にやってしまったと首を竦めるハボックに、ヒューズはクスリと笑う。ちょっとばかり大袈裟に押さえて見せていた胸から手を離し体を起こすと、ハボックの金髪をわしわしと掻き混ぜた。
「まあ、これなら誰かに襲われる心配はなさそうだな」
「中佐」
 そんなことを言うヒューズをハボックは軽く睨む。それでも、すぐに笑みを浮かべて言った。
「いつ来たんスか?中佐」
「ん?たった今着いたとこ」
「でも、そういう予定じゃなかったっしょ?」
 セントラルにいるヒューズがイーストシティに来る時は大抵事前に連絡が入る。そういう予定は聞いていないはずとハボックが言えば、ヒューズは引き寄せたハボックの髪に鼻を埋めて言った。
「急にお前の顔が見たくなってさ」
「中佐」
 そんな風に言われてハボックは顔を赤らめる。グイとヒューズの胸を押しやり赤くなった顔を背けて言った。
「そんなこと言ってないで大佐んとこ行かなくていいんスか?」
「お前、今俺が言ったこと聞いてなかったのかよ」
 ハボックの言葉にヒューズは不満そうに顔を顰める。ハボックの顎を掴み赤らんだ顔を自分の方へ向かせて言った。
「お前の顔が見たくなったって言ったろ?──ジャン」
「中佐っ」
 二人きりの時だけに使う呼び方で呼ばれて、ハボックは益々顔を赤らめる。何とかヒューズの手を振り払おうとすれば逆にグッと腰を引き寄せられて、ハボックは必死でヒューズの胸を押しやった。
「ちょ……っ、ここどこだと思ってるんスかッ!」
「んー?別にどこだっていい」
「よくないっス!ここはっ、司令部の中────ヒャッ?!」
 ゾロリと尻を撫で上げられてハボックはビクンと震える。ヒューズは撫でた尻の狭間に手を差し入れ、ボトムの上からグイと指を押し込んだ。
「中佐っ!」
「どこだっていいんだよ、お前がいるなら」
 グイグイと指を押し込みながらヒューズが囁く。間近から空色の瞳を覗き込んで続けた。
「会いたかった────お前は違うのか?ジャン」
 そう言って見つめてくる常盤色にハボックは目を見開く。見開いた目を細めてハボックが答えた。
「会いたかったに決まってるっしょ……っ」
「ジャン」
「会いたかった……会いに来てくれて嬉しいっス」
 ハボックはそう囁いてヒューズの背に腕を回す。そっと目を閉じればすぐさまヒューズの唇がハボックのそれを塞いだ。
「ん……んふ……中佐…っ」
 ピチャピチャと舌を絡めあいながらハボックが甘く鼻を鳴らす。そうすればヒューズがきつく舌を吸って囁いた。
「中佐じゃねぇだろ?」
 そう言えばハボックがグイとヒューズの胸を押しやる。恥ずかしそうに俯くハボックのピンクに染まった耳朶をヒューズが軽く噛んだ。
「中佐じゃねぇよ」
 噛むと同時に耳に吹き込まれる言葉にハボックの体が震える。困ったようにキュッと唇を噛んで俯くハボックのボトムを緩めようとすれば、ハボックの手がそれを阻んだ。
「なんだよ」
 手首を掴まれてヒューズが不服そうに言う。そうすればハボックが紅い顔で言った。
「オレっ、これから演習なんスよ」
「だから?」
「だから、って……」
 一体それがなんだというんだと言う口調で返されてハボックが言葉に詰まる。それをいいことにヒューズが先に進めようとすれば、再びハボックの手がそれを阻んだ。
「おい」
「駄目っス」
「ジャン」
「そう呼んでもダメっ」
 流されるかと思いきや意外にも強い拒絶にヒューズが唇を尖らせる。子供じみたその表情にハボックが苦笑して言った。
「演習前にこんなとこで手早く済ませちゃうんスか?久しぶりに会ったのに、それでいいの?」
「ジャン」
 そんな風に言われてヒューズは嬉しそうに笑う。ハボックの頬を撫でて見つめてくる空色を見つめ返して言った。
「そうだったな、こんなところでちょっと抱いてやったくらいじゃ満足出来ねぇもんな、お前は」
「はあっ?なに言ってるんスか」
 まったくもう、とため息をつくハボックの目元にヒューズはキスを落とす。
「判った、後でたっぷり可愛がってやる。────残業になるなよ」
「中佐こそ大佐に捕まんないでくださいね」
 擽ったそうに目を細めて言うハボックに「捕まるかよ」と返してヒューズはハボックの顔を覗き込んだ。
「なあ、今は我慢するからさ────ジャン」
 甘えた声で強請るヒューズにハボックが目を瞠る。瞠った目元を赤らめてハボックは言った。
「────……ース」
「おしっ、後で、なっ」
 殆ど聞き取れるかどうかという程小さな声で囁かれた名にヒューズがニカッと笑う。チュッと派手にハボックの頬にキスをしてヒューズは部屋を出ていった。
「後でね……マース」
 見えなくなった背に向かって、ハボックは嬉しそうに笑って呟いたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みです。

いや、この間M瀬さんと遊んでる時に、「みつきさんのヒュハボは鬼畜がデフォ」って言われたので、じゃあデフォでないのを書いてみようかなぁって書いてみたのですが……。い、い、い……違和感がッッ!!(爆)なんかこう、尻がムズムズすると言うか落ち着かないというか…やっぱデフォでいいや〜(苦笑)そんなわけでうちのヒュハボは鬼畜標準装備ってことで(笑)
2012年06月17日(日)   No.196 (カプ色あり)

ハボロイ風味

「大佐ぁ、そろそろメシ出来ますから起きてくださいね」
 寝室の扉がガチャリと開いたと思うとハボックの声がする。その声に枕を抱きしめたロイがムニャムニャと答える間に、開いた扉はすぐに閉まり足音が遠ざかっていった。
「…………」
 その足音をベッドの中で聞いていたロイは、むくりとベッドの上に起きあがる。正座して暫くの間ぼんやりと壁を見つめていたが、そのままボスンと枕に顔を突っ込んだ。
「……眠い」
 夕べは久しぶりに早く帰ることが出来て、ずっと読めずにいた本を遅くまで読み耽ってしまった。ここ暫く満たすことの出来なかった知識欲を満たしてやっとベッドに入ったのはそろそろ空が白む時間で、正直まだ全然寝足りない。食欲よりも睡眠欲を優先したいとロイがそのままの姿勢でうつらうつらし始めた時、再び寝室の扉が開いた。
「大佐、起きて……って、アンタ、なんて格好で寝てるんスか」
 扉を開けたハボックが呆れたように言う。睡魔に負けて枕に顔を突っ込んだロイは、顔で体を支えるようにして尻だけを高く掲げていた。
「苦しくないんスか?それ」
 ちゃんと息が出来ているんだろうかと、ハボックは部屋の中に入ってくるとベッドの端に腰を下ろす。ロイの顔を覗き込めば一応口元だけは隙間があるようだった。
「メシ、出来ましたよ。起ーきーてー、大佐」
 ハボックはロイの顔を覗き込みながらそう言う。だが、ロイはその格好のまま動こうとしなかった。
「大佐」
「眠い……」
「遅くまで本なんて読んでるからっスよ。起きて、せっかく作ったのに冷めちまう」
「食欲よりも睡眠欲を満たしたい……」
 もごもごとそう呟いてちっとも起きる気配がないロイにハボックはやれやれとため息をつく。ふと、尻を高々と突き出した格好に目をやったハボックは、次の瞬間ニヤリと笑った。
「幾ら言っても起きないし、もしかしてこれ、誘ってます?」
 ハボックはそう言いながら突き出された小振りな尻をスルリと撫でる。さわさわと何度か撫でれば、夢と現の間でぼーっとしていたロイがガバッと飛び起きた。
「なっ、なにをするッ!」
「いや、いつまでも起きようとしないからもしかして誘ってんのかなって」
「そんなわけあるかッ」
 ロイは顔を赤らめてそう怒鳴るとベッドから降りようとする。だが、腕をグイと引かれてロイは降りようとしたベッドの上に押し倒された。
「なにをするッ?!」
「折角誘って貰ったことだしナニをしようかなぁって」
 そう言ってにっこりと笑うハボックにロイは黒曜石の瞳をまん丸にする。ゆっくりとハボックが圧し掛かってくるのに気づいてジタバタと暴れた。
「だから誘ってないと言っただろうッ」
「オレ、夕べは独り寝で寂しかったんスよね」
「メシが出来たんじゃないのかっ?」
「こっちの方が美味しそうだし」
 ハボックはそう言ってにーっこりと笑みを浮かべる。
「いっただきまーす」
「ちょ……っ、待てっ、ハボック……アアッ!!」
 結局。
 食欲よりも睡眠欲よりも性欲を満たす事を強制的に選択させられたロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もとっても励みとネタ元になってます、嬉しいです〜(笑)

久しぶりに日記でハボロイ書いた気がしますー。いや、ロイにコメント頂いたのがなんかとっても新鮮でつい(苦笑)しかし、可愛いロイを書きたかったはずなんだが、どこでどうしてこういう話になったんだか(苦)すみません、妙な話で(汗)

ええと。無配本、本日全て発送致しました。近日中にお手元に届くと思われますのでよろしくお願い致します。しかし、過去の無配本を申し込んで下さった方も結構いらして、発送準備するのにズラッと並べてみたら結構壮観でした(苦笑)よくぞ作ったもんだ、そしてよくぞ貰って下さいました!本当にありがとうございますv

以下、拍手お返事です。

Kさま

本、無事安着のよし安心しましたvいやいや、もう、こちらこそ毎年貰って下さって本当にありがとうございます!!無配の書き下ろしは貰って頂かないと読んで頂けないので、お手に取って頂けて本当に嬉しいです。うふふ、金剛石の二人、ニヤニヤして頂けましたかvこちらこそこれからもどうぞよろしくお願い致しますvv

金緑石、待っておりましたっ♪ の方

お待たせしました!実は嫉妬するヒューズを書くのが楽しくて仕方ありません(笑)続きも余り間を開けずにお届けしたいと思っておりますのでよろしくお願い致しますv

ロイ大好き!!かわいいww  の方

うわあ、ありがとうございます!ロイにこの手のコメントを頂いたのは本当に久しぶりで、恥ずかしくもとっても嬉しいですvvこれからも頑張りますのでよろしくお願い致しますv
2012年06月15日(金)   No.195 (ハボロイ)

金緑石9
ヒュハボ風味

「慌ただしい奴だな」
 バタンと乱暴に閉まった扉を見ながらロイが大袈裟にため息をつく。やれやれと椅子に戻るロイをヒューズは昏い瞳で食い入るように見つめた。
『ハボック、お前、もう少し落ち着いて書類を書け。字が踊ってるぞ』
『そんな事ないっスよ、普通の字っしょ?』
『踊ってるから言ってるんだ』
 先程の二人の楽しげなやり取り。軽口を叩き合う何でもないやり取りにも深い情愛が滲む気がする。ヒューズは書類に伸ばすロイの手をじっと見つめた。
『顔色が悪いぞ。一度ちゃんと見て貰った方がいいんじゃないか?』
 ハボックの髪を掻き分け額に触れたロイの手。何の躊躇いもなく触れる様が普段からそれが当然なのだと伝えているかのように思えて、ヒューズは爪が刺さるほど手を握り締めた。
(あの手でいつもハボックを)
(ハボックはあの手にいつも乱されているのか)
 焔を生み出す指先でハボックの躯にも焔を灯していっているのかと思えば、大声で叫び出しそうになるのをヒューズは必死の思いで押さえ込んだ。
「それで?ヒューズ。今度は何の用事でこっちに来てるんだ?つい先日来たばかりだろう」
 そんなにセントラルを空けていていいのかと尋ねるロイにヒューズは唇を歪めた。
(そんなに俺が)
「邪魔かよ」
「えっ?」
 飲み込みきれずに零れた低い声にロイがキョトンとする。
「なんだって?」
 それでもよく聞こえなかったようで聞き返す言葉にヒューズはいつもの笑みを浮かべた。
「何でもねぇよ、それより」
 と、ヒューズは言いながらロイの机に手をつく。見上げてくる黒曜石を覗き込んで囁いた。
「なぁ、ロイ。ハボックを俺にくれよ」
 そう告げれば目の前の黒曜石が大きく見開かれる。ロイは見開いた瞳でヒューズを見返したが、すぐに笑みを浮かべて答えた。
「何を突然言い出すかと思えば、この間の調査の話か?それならお前のところに幾らでもうってつけなのがいるだろう?」
 ロイはゆっくりと姿勢を正し、机の上に組んだ両手を載せてヒューズを見つめる。その黒曜石に浮かぶのが何か、見極めようとするように真正面から見つめ返してヒューズは言った。
「人手が足りないんだよ、人数はいてもお前んとこみたいに何でもこなせる優秀なのはなかなかいなくてな」
「人手が足りないならこんなところに来てないで早く戻ったらどうだ。そもそもうちよりセントラルの方が人材は豊富なはずだろう?」
「ロイ」
 言葉を重ねていくうち明らかに不快そうな色を強めるロイの瞳を見つめてヒューズは親友である筈の男を低く呼ぶ。
「頼むよ、ロイ。俺みたいなクセのあるやつと上手くやっていける人間ってのは少ないんだよ」
「ウソつけ。お前の方が私なんかより学生時代から余程人当たりも人付き合いも良かったろうが」
 今では笑みを消して明らかに不愉快だという表情を浮かべてロイが言った。
「用件がそれなら悪いが協力出来んな」
 はっきりと断りの言葉を口にするロイをヒューズはじっと見る。
「ロイ、お前忘れてねぇか?あの件はお前んとこにも関係のない話じゃないだろう?それにお前には幾つか貸しがあった筈だぜ?」
 痛いところを突かれてロイが眉を顰めて黙り込んだ。それでもロイは何とか気を取り直して口を開く。
「それならブレダ少尉かファルマン准尉を」
「ハボックがいいんだ」
 他の部下の名前を口にするロイを遮ってヒューズが言った。
「それともハボックだけは出せない理由があるのか?」
 そう言いながらじっと見つめれば黒曜石の瞳が大きく見開かれる。困惑と焦りとそして怒りとを滲ませたそれをフイと逸らして、ロイは吐き捨てるように言った。
「勝手にしろ」
「ああ。――――サンキューな、ロイ」
 とってつけたように礼を言うヒューズをロイが睨みつける。何か言おうとして一度唇を噛むと、恐らくは違う事を口にした。
「用が済んだらさっさと返せよ」
「どうするかな」
「おい」
「意外とハボックの方が帰りたがらないかもしれないぜ?」
 薄く笑みを浮かべて言えば目を見開いたロイがゆっくりと立ち上がる。
「ヒューズ」
 と、ロイが口を開きかけた時、コンコンと扉を叩く音がした。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですv

「金緑石」です。5月に書いてたと思ったら前回は4月だったよー。そうか、5月は「暗獣」ばかり書いてたんだった(苦笑)そんなわけで「金緑石」ですー。すみません、ハボ受け続きで(汗)
「暗獣」といえば、お申込み下さった方には本当にありがとうございます!発送はまだの方もいらっしゃいますが、受付メールは全部返信しておりますので、万一返事がないと言う方がいらっしゃいましたらお知らせください。一応受付は昨日までの予定だったのですが、リンク外す時間がないので火曜の更新までは申込みフォームリンク貼ってあります。もし、今からでもと言う方がいらっしゃいましたらどうぞー。

そうそうそう!!52万打回りましたー!コメント頂いて気づいたって言う(汗)6周年で浮かれてたもんでつい(苦笑)しかし、つい最近50万打でしみじみしてたと思ったのに早いなぁ。本当にいつも遊びに来て下さってありがとうございます!!一歩一歩進んでいくたび喜びも溜まっていきますvこれからもどうぞ引き続きご愛顧よろしくお願い致しますvv

以下、拍手お返事+αです。

「暗獣」お申込みの坂元さま

お返事しましたら戻ってきてしまいましたのでこちらから……って返信しちゃダメだったって送ってから気づきました(苦笑)今年も貰って下さってありがとうございますv近日中に発送致しますので今少しお待ち下さい。

ロイハボの日の金剛石、とっっても楽しかったです! の方

わーい、楽しんで頂けて嬉しいです!うふふ、情欲センサー!(笑)まさしく目は口ほどにですね。ハボは嫌だろうけど(笑)こちらこそ読んで下さってありがとうございましたv

520000打おめでとうございます♪ の方

わあ!すっかり見落としておりました(汗)ありがとうございますvvいつもそうやってお祝を言って頂くのが励みになってますvこれからもどうぞよろしくお願い致しますvv

蒼さん

こっちから来ましたか!(笑)今日送りましたのでよろしくお受け取りお願いしますvおお、もう3年も経つんですね。じっくり隅々まで調べてやって下さいね(爆)携帯は新しいのにしたら益々打ちにくくなりましたよ。反応が遅すぎて無駄に打ち過ぎてしまう(苦)私はやはりキーボードが楽ですーv
2012年06月11日(月)   No.194 (カプ色あり)

金剛石 ロイハボ記念日編
CP:ロイハボ(R20)

「あれからもう一年経つんだ……」
 書類を手に主のいない執務室に入ったハボックは、卓上のカレンダーを見て呟く。たった一年前のことがとてつもなく遠い事のように感じられて、ハボックは小さくため息をついた。

 一年前までハボックの瞳は、今の空色とは違い蒼い色をしていた。彼の周りでは何故か事故や事件が相次ぐことから、彼の瞳をかつて持ち主に不幸をもたらした呪われた宝石になぞらえて、ハボックは「ホープダイヤ」と呼ばれて周りから疎まれてきた。ハボック自身、己の瞳が彼の周りに不幸をもたらすと信じ頑なに人との関わりを避けてきた。ロイの部下として配属され、その人となりを知るうちロイに惹かれていってもその気持ちをひた隠し、むしろロイを嫌うような素振りを見せていたハボックを、だが引き寄せ愛したのはロイその人だった。
『大佐だって死んじまう』
『焔の錬金術師、ロイ・マスタングを見くびるな』
 自分のせいで大切な人達を不幸にしてしまったと、己の気持ちから目を逸らしてロイを拒もうとしたハボックに、ロイは自分は決してそんな呪いなどに負けたりしないと告げた。そうしてロイは、不幸をもたらすホープダイヤとして忌み嫌われたハボックを、その昏い運命の淵から救い出してくれたのだった。

「一緒に過ごしたかったけど……」
 二人が初めて気持ちを通わせた一年前のあの夜を、出来れば一緒に過ごしたいと思う。だが、この一ヶ月、ロイの忙しさは尋常ではなく、とても一緒にいたいなどと言い出せる筈もなかった。
「……」
 ハボックはロイが戻った時にサインをして貰おうと手にした書類を机の上に置き執務室を出る。沈んだ気持ちを振り払う為、顔を洗いにそのまま司令室を出てトイレに行くと冷たい水でザバザバと顔を洗った。髪に跳ねた水を顔を振って払いポケットから取り出したハンカチで顔を拭く。フゥと息を吐いて目の前の鏡を見たハボックは、僅かに顔を顰めた。
「濃くなってる……」
 ロイに愛されるようになって、真っ青だったハボックの瞳はその呪いから解放されたことを示すように生来の空色に戻っていた。普段は空色のその瞳が、ロイに触れてもらえずにいると濃さを増すことに気づいたのはいつだったか。ロイの愛をその身に受ければ元の空色に戻る瞳が、まるでロイに抱いて欲しいと強請っているようで、ハボックは正直恥ずかしくて堪らなかった。
「もう……っ」
 このひと月、多忙を極めるロイとは肌を合わせていない。ロイに愛される以外欲を逃がす術など判らなくて、気がつけばハボックの瞳は空色よりもずっと濃い色合いになっていた。
「大佐、気づいてるだろうな……」
 昨日、休憩所で一服して出ようとしたところでロイとかち合った。そのまま行きすぎると思っていたロイが、ハボックを休憩所に押し戻し濃厚なキスをしてきたことを思い出し、ハボックはゾクリと震える。慌てて首を振って記憶を追い出すと、ハボックはそれ以上濃さを増した瞳を見ていられなくてトイレを飛び出した。

「結構です」
 手にしたファイルに目を通したホークアイがそう言うのを聞いて、ロイは笑みを浮かべる。ゆったりと椅子に背を預け、ロイはホークアイを見上げた。
「それじゃあ構わないね?」
「明日から三日間、二人分の休暇届けを出しておきます」
「ありがとう、中尉」
 にっこりと笑うロイをホークアイはファイルを閉じながらジロリと睨む。
「出来ればご褒美がなくてもこれくらいのペースでこなして頂きたいですわ」
 そう言いながらもホークアイは出来上がった書類と共に休暇届けを出すべく執務室を出ていった。
「さて、と」
 ロイは立ち上がるとホークアイが出ていったばかりの扉を開けて司令室の大部屋を見回す。金色の頭が机にへばりつくようにして書類を書き込んでいるのに目を細めると、その頭の持ち主を呼んだ。
「ハボック、ちょっと」
「あ……はい」
 呼んですぐに執務室に引っ込んでしまったロイに答えて、ハボックは書いていた書類を伏せると執務室に入る。後ろ手で閉めた扉の前から動かず、ハボックは尋ねた。
「なんスか?」
 ロイが執務室にいるなんて久しぶりだ。それでもまたすぐ出ていくのだろうとハボックが思っていると、ロイは机に寄りかかって言った。
「明日から三日休みを取った」
「えっ?そうなんスか?」
「お前も一緒にな」
 そう続けるロイにハボックが目を丸くする。ロイはハボックに近づくとその手を取った。
「もう、一年経つんだな。大切な日だ、一緒に過ごそう」
「大佐……」
 ロイが自分と同じように思っていてくれたのだと知って、ハボックは胸が熱くなる。キュッと唇を噛むハボックを引き寄せ、ロイはその耳元に囁いた。
「ほったらかしにして悪かったな、その分たっぷり可愛がってやる」
「な……ッ、ちょっと大佐ッ!」
 クスクスと笑うロイをハボックはギョッとして押し返す。ロイは濃さを増したハボックの瞳を覗き込んで言った。
「空色もいいが、偶にはその色もいいもんだな」
「……馬鹿ッ!」
 真っ赤になって喚くハボックをロイは抱き締めると深く口づけた。

「おいで、ハボック」
 定時で仕事を終え二人そろってロイの家へ帰ると、シャワーを浴びるのもそこそこにロイがハボックをベッドに誘う。濃さを増した瞳をさまよわせて、寝室の扉に張り付いたままのハボックをロイはグイと引き寄せた。
「大佐っ、まだ外明るいっス!」
 この季節、外は八時を回らなければ暗くならない。幾らカーテンを引いているとはいえまだ明るいのにと言うハボックに、ロイはクスリと笑った。
「でも、シたいんだろう?」
「ッッ!」
 そう言って目元に触れられれば返す言葉がない。身の内に溜まった性欲の強さを表す瞳を隠すようにギュッと閉じるハボックに、ロイはクスクスと笑ってその長身を引き寄せた。
「可愛いよ、ハボック」
「あっ」
 ロイはそう囁いてハボックの耳朶を甘く噛む。ビクンと震える躯を強く抱き締め、そのままベッドに押し倒した。
「うわっ」
 ボスンと大きなベッドに身を沈めて、ハボックは圧し掛かる男を見上げる。ドキドキとしながら見つめれば、ロイが身を寄せて口づけてきた。
「ん……っ」
 深く唇が重なったと思うとすぐさまロイの舌が入り込んでくる。クチュクチュと音を立てて口内を弄られ、ハボックは息を弾ませた。
「う……ふぅ……」
 ロイの背に回した手で、ハボックは白いシャツをクシャクシャに握り締める。キスだけでハボックの躯は熱を帯び、楔にその熱が瞬く間に溜まっていった。
「大、さ……っ」
 漸く唇が離れて、ハボックは荒い息の合間にロイを呼ぶ。それに答えず、ロイはハボックが纏うものを毟りとるようにしてあっと言う間に脱がしてしまった。
「やだ……ッ」
 瞬く間に裸に剥かれて、ハボックは羞恥に駆られて長い手足を縮めようとする。だが、ロイの強い腕に押さえ込まれては叶わなかった。
「やだじゃないだろう?こんなにして……」
 ロイはそう言いながらすっかり立ち上がったハボックの楔を膝で押し上げる。そうすれば立ち上がった楔がトロリと蜜を零して、ロイはニヤリと笑った。
「キスしかしてないのに、すっかりトロトロだな。そんなにシたかったか?」
「ッ!そんなわけねぇっしょ!」
 揶揄するような言葉にハボックは顔を赤らめてロイを押し返す。プイと顔を背けるハボックの瞳を見下ろしてロイは笑みを浮かべた。
 呪いから解放されて生来の空色に戻ったハボックの瞳。その瞳が情欲をため込むと濃さを増すことはとっくに気づいていたし、ハボック自身気づいているようだった。だが。
(これはまだ気づいてないんだろうな)
 そう思いながらロイが見つめるハボックの瞳がうっすらと紅く色づいている。かつて「呪いの印」だとハボックが自嘲したその紅が、ハボックの性的興奮が高まるとその瞳に宿る事にロイが気づいたのはハボックを抱くようになってすぐだった。最初は判らないほどの薄い紅が行為が激しくなるにつれ濃くなっていく。ハボックが上り詰める寸前には真っ赤に染まって、ハボックの快楽の度合いをはっきりとロイに告げて、ロイはその色が見たいばかりにハボックを激しく攻め立てるのが常だった。
「ハボック」
 ロイは顔を背けるハボックの首筋にきつく口づける。痕がつくほど強く吸えばハボックの躯が大きく震え、瞳の紅が少しだけ濃くなった。ロイは押さえつけたハボックの躯を手のひらで撫で回す。鍛えられた躯は程良い弾力を持ってロイの手のひらを押し返し、ロイはその弾力を楽しむようにハボックの躯に手を這わせた。
「ん……っ、ふ……」
 撫でられているだけなのに、ハボックは躯の内側に熱が溜まってくるのを感じる。恥ずかしい声を出してしまわないよう、必死に声を飲み込んでいるとロイが楽しそうに言った。
「気持ちイイんだろう?素直に声を出せ」
「……ッ、別にそんな……ッ」
 まだロイにはキス以外手で軽く触れられているだけだ。それだけで感じているなどと知られたくなくて、ハボックはロイの言葉を否定して漏れそうになる声を押さえ込んだ。
「素直じゃないな」
 ロイは楽しげに言いながらハボックの躯に手を這わせる。ゾロリと脇腹を撫で上げた手を胸へと滑らせ、プクリと立ち上がった突起をキュッと摘んだ。
「アッ!」
 一年かけて快感を得る術を教え込まれた躯は、胸への刺激でビクビクと震える。それと同時に瞳の赤みが増して、ロイは笑みを浮かべて摘んだ乳首をグリグリと捏ね回した。
「やっ、イヤッ!」
 ゾクゾクとした快感が背筋を這い上がる。こんな風に胸で感じていると知られるのが恥ずかしくて、ハボックはロイを押し返した。
「気持ちイイ?」
「違……ッ」
 そうハボックが否定したところで、紅く色を増す瞳がハボックの快感の度合いを知らせてくる。爪を立てるようにして思い切り抓ると、ハボックの唇から嬌声が上がった。
「ひゃあんッ!」
「ふふ……可愛いな、ハボック」
 ハアハアと息を弾ませるハボックにロイは囁く。恨めしげに睨んでくる紅い瞳にキスを落として、ロイはハボックの脚の間に手を差し入れた。
「ッ!」
 ビクッと震えるハボックに構わず、ロイはハボックの双丘の狭間に指を這わせる。しっとりと汗ばむ蕾を指の腹でこすれば、ロイを食い入るように見つめたハボックがゴクリと喉を鳴らした。
「挿れて欲しい?」
 そう聞かれて、ハボックは慌てて目を逸らす。素直に強請るには羞恥が先に立つらしいハボックに、ロイは笑みを浮かべた。
「そうか、挿れて欲しいか」
「ッ、そんなこと言ってないっしょ!」
 羞恥に顔を真っ赤に染めるハボックの瞳が更に紅くなっている。そそり立った楔からトロトロと蜜を垂らし、紅い瞳で見上げてくるハボックに、ロイはゾクゾクして唇を舐めた。
「せっかくの記念日なんだ、素直に強請っていいんだぞ?」
「そんな……っ」
 ロイが好きだし本音を言えば抱いて欲しい。こうして一緒に記念の夜を過ごしたいと思っていたが、だからといって口に出して強請るには羞恥が勝った。
「言えませんっ、そんなこと……ッ」
 そんな風に言うハボックにロイは笑みを浮かべる。蕾をさわさわと触りながらハボックに身を寄せて言った。
「言えなくても私には判るよ、お前が今もの凄く興奮していて私に挿れて欲しくて堪らないのが」
「な……ッ」
「一年たっぷり楽しんだし、いいことを教えてやろうか?」
 ハボックには告げずにこっそり楽しんできた事実を、一年目の節目に教えてやるのもいいだろう。不思議そうに見上げてくるハボックに、チュッと口づけるとロイはハボックから身を離してベッドから降りた。
「大佐?」
 肘をついて上半身を起こすハボックに、待てというように手を振ってロイはクローゼットを開ける。中に入れてあったキャスター付きの大きな姿見をベッドサイドに引っ張ってくれば、ハボックがギョッとしたように飛び起きた。
「なに持ってきてんスかッ!!」
 大きな鏡に全裸の躯を映し出されてハボックが悲鳴のような声を上げる。それに構わずロイはまだ着たままだった服を脱ぎ捨て、ベッドに戻った。
「大佐っ、鏡っ!」
「いいから見てみろ」
「嫌っス!」
 そんな恥ずかしいこと出来るわけがないと首を振るハボックを、ロイは後ろから抱え込むようにして鏡の方を向かせてしまう。もがく躯を押さえ込んで、ロイはハボックの耳元に囁いた。
「ほら、よく見てみろ。お前の瞳、何色だ?」
「……え?」
 そう囁かれてハボックはもがくのをやめて鏡に目を向ける。ロイに抱き込まれた己の瞳が生来の空色でも欲をため込んだ蒼色でもない紅い色をたたえている事に気づいて、ハボックは目を見開いた。
「感じてると紅くなるんだ。その快楽が深くなればなるほど真っ赤になる。綺麗だろう?ルビーみたいだ」
 そう言ってうっとりと笑うロイの顔と並んで映る己の顔をハボックは食い入るように見つめる。
「もしかして、アンタに抱かれてる時、ずっと……?」
「ああ、もっともっと濃い色になる」
 楽しそうに囁かれたハボックの顔が、瞳の色に負けないくらい紅く染まる。感じていると悟られたくなくて、必死に声を押し殺すのが常だったハボックとしては、こんな形でロイに知られていたのかと思うと、恥ずかしくて消えてしまいたいほどだった。
「酷いっス、大佐っ」
 ハボックはそう言ってギュッと目を瞑る。そうすればロイはのほほんとした調子で答えた。
「どうして?私に感じてくれている事が判るんだ、嬉しいじゃないか」
「判って貰わなくていいっス!」
 恥ずかしくて恥ずかしくて堪らない。ギュッと目を瞑ったまま俯くハボックに、ロイはクスリと笑うと背後から抱き込んだ手を這わせ始めた。左手で腹から胸へと何度も撫でさすり、その途中膨らんだ胸の突起を強くこする。右手ではハボックの脚をグイと開かせ、白い内股をさわさわと撫でた。そのたびハボックの躯がピクピクと震える。天を突くようにそそり立った楔がトロトロと蜜を流すのを見て、ロイはハボックの耳元に囁いた。
「ハボック、目を開けて」
「嫌っス」
「折角の記念の夜なのに、お前は私を見てもくれないのか?」
「ッ!」
 ほんの少し淋しげに囁かれて、ハボックがビクリと震える。ロイがそのまま待っていれば、ハボックがおずおずと目を開けた。
「ありがとう」
 ロイは嬉しそうに言って背後から抱え込んだハボックの耳元に口づける。胸を撫でていた手でハボックの顎を押さえると正面を向けて固定してしまった。
「大佐っ」
「後ろから抱いてるんだ。鏡がなければ私の顔が見えんだろう?」
「だったら向き合って────アアッ!」
 キュッと楔を握られてハボックが甘い悲鳴を上げる。クチュクチュと蜜を垂れ流す楔を扱かれて、ハボックはこみ上がる快感に顔を歪めた。
「ふふ……また濃くなった」
「やっ……言うなっ」
 ロイに言われるまでもなく、鏡に映る己の瞳が鮮やかな紅になっているのがハボックにもはっきりと判る。その瞳を見れば何故か興奮が増して、ハボックはロイの肩に頭を預けるようにして喘いだ。
「たいさ……っ」
「ふふ、可愛いよ、ハボック」
 ロイはそう言って楔から手を離し蜜に濡れた指を蕾に這わせる。つぷりと先端を沈めると僅かに強張る躯を宥めるように耳元に舌を這わせて言った。
「愛してるよ……愛してる、ハボック」
「んっ……あっ、大佐っ」
 沈めた指先をクリクリと掻き回されてハボックが喘げば、瞳の色がまた少し濃くなる。とろんと立ち上がった楔から蜜が垂れて、蕾を弄るロイの手を濡らした。
「挿れて欲しい?」
 少しずつ指を奥まで押し込み、慣らすように掻き回しながらロイが囁く。ハッハッと短い呼吸を繰り返していたハボックが、微かに頷くとロイは笑みを浮かべた。
「言って……強請ってごらん」
「そんな……」
「恥ずかしがっても全部映ってるだろう?あんなに真っ赤になって……」
「ッッ!!」
 そう言ってロイが示す鏡の中で、ハボックの瞳は真っ赤に染まっている。ハボックはキュッと唇を噛むと消え入りそうな声で言った。
「……挿れて」
「イイコだ」
 クスリと笑って言うロイにハボックの瞳から羞恥の涙が零れる。紅いルビーが割れて転がるようにハボックの頬を流れる涙を、ロイはハボックを抱え込むようにして舐めた。
「挿れるぞ」
 低く囁けばハボックの躯がピクリと震える。ロイはハボックの脚を大きく開かせ己の腰を跨がせると、そそり立つ楔の上にハボックの躯を引き下ろした。
「あ……アアアアアッッ!!」
 ズブズブと押し入ってくる楔にハボックは喉を仰け反らせて嬌声を上げる。ハボック自身の体重にも助けられて一気に最奥まで貫いた楔を、ロイは軽く腰を引くようにしてガツンと突き上げた。
「ひゃああんッ!!アアッ!!」
 ガツガツと突き上げられてハボックは続けざまに悲鳴を上げる。ロイが突き挿れる度滴るように真っ赤に染まる瞳が、最高の紅をたたえた瞬間。
「ヒアアアアアッッ!!」
 ハボックが一際高い嬌声を上げてビュクビュクと熱を迸らせる。それと同時にキュウウと咥えた楔を締め付ければ、ロイが低い呻き声を上げて一瞬遅れて熱を吐き出した。
「ッッ!!……ヒ……あ……ッ」
 躯の奥底を焼かれてハボックが真っ赤な瞳を見開いてガクガクと震える。大きく仰け反った躯からカクンと力が抜けて、その身を預けてくるハボックをロイはしっかりと抱き締めた。
「ハボック……愛してる」
「オレも……オレも、たいさ……」
「その瞳のセレスタイトもホープダイヤもルビーも、全部私だけのものだ。絶対に、離さない」
 耳元に囁かれる言葉にハボックは目を見開く。
「たいさ……っ」
 くしゃりと顔を歪めたハボックは、躯を捻るようにしてロイの首に手を伸ばすと自分から口づけていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、励みになりますv嬉しいですvv

ロイハボの日ですねvどうしようかなーと思っていたら無配本の「金剛石」をお申込み頂いた香深さまから「ハボの目が赤くなるのはえろてぃっくに興奮した時だけになったら良いなぁ」って素敵な萌えを頂きましてね。そのネタ貰ったーッvvって書かせて頂きました。香深さま、楽しい萌えをありがとうございますvv思わず楽しくてルンルンしながら書いてたらなんか長くなっちゃった(苦笑)ロイハボの日、少しでも楽しんで頂けたら嬉しいですv
そうそう、無配本の配布は10日(日)までとなっておりますので、ご興味おありの方いらっしゃいましたらお早めにお願い致します(ぺこり)

以下、拍手お返事です。

吸血鬼のロイのなんとしてでも帰したくない気持ちが の方

ふふふ、何が何でもハボックを手に入れたいらしいです(笑)ロイハボの日、楽しみにしていると仰って下さったので頑張ってみました〜!お楽しみ頂けましたら嬉しいですv

菜ノ花さま

わーん、ありがとうございますーッ!「毛糸玉の記」は日記では書けなかったちっさいハボが思ってた事とか可愛いとことかを書きたいと思っておりましたので、動きの表現が可愛らしいと言って頂いた上にボロ泣きまでして頂けて本当に嬉しいーッvv他にもいっぱい嬉しいお言葉、もう書き手冥利に尽きます!私の方こそいつも遊びに来て下さって、書いたものを読んで下さって本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからもどうぞよろしくお付き合いお願いしますv
2012年06月08日(金)   No.193 (ロイハボ)

吸血鬼13
Alucard 13

「ここで……ずっと一緒にいて欲しいんだ」
 間近に顔を寄せてロイが囁く。鼻孔を擽る甘い香りが薔薇なのか、それともロイの吐息なのか、ハボックには判らなかった。
「ハボック」
 低く名を囁かれてハボックはビクリと震える。そうすれば凍り付いたように身動き出来なかった躯が漸く動いて、ハボックはロイから身を離した。
「専属のシェフだなんて、ありがとうございます」
 そう礼を言えばロイの顔が期待の色を浮かべる。だが、続くハボックの言葉はロイが望んでいたものとは違っていた。
「嬉しいです。でもオレはまだまだ未熟者っスから」
「ハボック」
「まだいっぱい学ぶことがあるんです。とても専属のシェフなんて出来ません」
 ハボックはそう言って申し訳なさそうに笑う。手にした薔薇をハボックはロイの申し出を受けられないとロイに差し出した。
「学びたいならここででも出来るだろう?講師が必要なら手配しよう」
「それじゃあ駄目なんです。店で、お客さんに少しでも満足して貰えるもの作って、色んな先輩たちに刺激受けて、そうやって学んでいかないと一人前の料理人にはなれないと思うんです」
 ハボックはそこで言葉を一度切ってから続けた。
「とっても嬉しいです。でも、ごめんなさい、マスタングさん」
 差し出した薔薇を受け取ろうとせず食い入るように見つめてくるロイの手を取り、ハボックは薔薇の花をロイに返す。ロイの手をキュッと握ってハボックは言った。
「朝になったら帰ります。ご迷惑おかけしてすんませんでしたっ」
 ぺこりとロイの手を額に当てるようにしてハボックは謝罪の言葉を口にする。それからにっこりと笑って薔薇の海を屋敷に向かって歩きだした。その背を食い入るように見つめるロイの手の中の薔薇が瞬く間に萎れていくのを、ハボックには知る由もなかった。

「うそ、なにこの雨」
 部屋に戻って一寝入りしたハボックは、叩きつける雨の音で目を覚ます。窓を滝のように流れる雨でガラスの向こうが見えないほどで、ハボックが呆然としていれば背後から声が聞こえた。
「この雨では帰るのは無理そうだな」
「マスタングさん」
 部屋の入口に立つロイを振り向いて、ハボックは肩を落とす。多少の雨ならともかくこんな激しい雨では、幾ら何でも車を出してくれとは言えなかった。
「バケツの底が抜けたみたいだ」
 こんな滝のような雨、そうそうお目にかかれるものでもないのにどうしてこのタイミングでと、ハボックは天の神様に文句を言いたくなる。恨めしげに窓を流れる雨を見つめるハボックにロイが言った。
「そこで見ていても雨がやむ訳じゃあるまい。朝食を作ってくれないか?」
「あ、はい。急いで着替えて行きますから」
 まだ起きたまま着替えてもいなかったことに漸く頭がいって、ハボックが言えばロイが頷く。
「ダイニングにいる」
 そう言ってハボックの部屋を後にしたロイの顔にうっすらと笑みが浮かんでいた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます。

「吸血鬼」です。気がつけば6月に入っていてまたロイの日をスルーしてしまいました(苦笑)このままだとロイハボの日も忘れちゃいそう。何故かハボロイの日の方が印象にあるんだよなぁ。ロイハボの日、何かして欲しい事ありますか?いやだって、何か言われたら忘れないかもだしー(コラ)

以下、拍手お返事です。

暗獣ハボック視点、ハボックが可愛くて可愛くて の方

わーい、「毛糸玉の記」楽しんで頂けて嬉しいです!!うん、ハボックはとっても幸せな気持ちで眠りについたんですよぅ。よかった、そう言って頂けてv番外編も豆騎士も楽しんで頂けてよかったですv体格差がね、タマランと思うのですよ、ハボは辛いだろうけど(笑)うわ、「エワードド」!完ぺき誤字ですねorz どうして見直した時に気がつかないんだろう(苦)あはは、ハボの焦りが出ているようでと、優しいお言葉をありがとうございます。おかげさまでここまで続けてこられました。これからもどうぞお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!

菜ノ花さま

「暗獣」楽しんで下さってありがとうございます!ふふふ、あんなもふもふが家の隅っこにいたら絶対捕まえちゃいますよね!(笑)わーん、拙作を大好きと言って下さって、本当に嬉しいです!またやる気が湧いてきます!新作共々これからも楽しんで頂けるように頑張りますねv

阿修羅さま

体調戻って来られたよし、本当によかったです!そしてサイト再開おめでとうございます。無理なさらずにお体お気をつけてくださいね。「暗獣」は、うーん、悲しい思いをさせてしまいましたのならごめんなさい。私的には悲しいばかりではないと思うのですが、それは人それぞれとらえ方が違いますものね。とりあえず、また他の話でよろしくお付き合いお願いします。
2012年06月04日(月)   No.192 (カプなし)

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