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2011年06月の日記

2011年06月27日(月)
暗獣10
2011年06月23日(木)
暗獣9
2011年06月21日(火)
暗獣8
2011年06月19日(日)
暗獣7
2011年06月17日(金)
暗獣6
2011年06月16日(木)
暗獣5
2011年06月13日(月)
暗獣4
2011年06月11日(土)
暗獣3
2011年06月08日(水)
六月八日
2011年06月06日(月)
暗獣2
2011年06月03日(金)
暗獣1
2011年06月01日(水)
6月1日

暗獣10
 二階の寝室の隅に置かれたトランクの中で何かがモコモコと動いている。ふぁさりと大きく尻尾が動いたと思うと、ハボックが顔を上げた。
「  」
 ハボックは楽しそうな笑みを浮かべてトランクの隅にしまってあるコレクションを取り出す。大切に手のひらに載せて、鎧戸が閉まった窓辺に運んだ。窓枠の少し出っ張った桟の所に手の上のクッキーを一つずつ並べる。それが済むと、今度はさっき手に入れたばかりのジェリービーンズを一粒ずつ並べた。
「  」
 ハボックは綺麗に並んだそれに満足そうに鼻を鳴らす。窓の桟に手をかけ、コレクションをうっとりと眺めた。
 忘れ去られた古い家でハボックはずっと独りきりで暮らしていた。いつからそこにいたのか、最初は一人ではなかったのか、全く記憶にはない。気がつけばハボックは昏い家の中に独りきりだった。
 時折、家の図面を持った男が一人で、もしくは誰かを連れて家の扉を開けにきたが、大抵あっという間に帰ってしまうのでハボックは話しかける暇もない。独りきりの昏い屋敷は寂しくて、ハボックは暗がりに身を潜めて小さく小さくなって毎日を過ごしていた。そんなある日、やってきたのがロイだった。ロイは家の中に明かりと風を取り入れた。淋しかった昏い家に明るさが満ちて、ハボックは驚くと同時にロイが気になって仕方なくなった。可愛いクッキーをテーブルに置いてくれるのを見れば、嬉しくて益々気になってしまう。それでも話しかけてくれるロイの前に姿を現すのは恥ずかしくて、ちょろちょろと陰からロイを見ていたある日、間違って落ちてしまった洗濯機の洗剤にかぶれて痒くて痒くて泣いていたハボックを、ロイは助けてくれたのだ。優しいロイがハボックは大好きで、ロイを喜ばせたくて姿を変えて、ハボックはずっとロイと一緒にいたいと思った。
 コレクションを眺めるハボックの耳に、時折微かな漣のようにロイが客人と交わす声が聞こえてくる。優しいその音にハボックは耳をピクピクと震わせてうっすらと笑った。その時、棚の上の時計が時報代わりの音楽を奏でて、ハボックは急いで時計に駆け寄る。優しいオルゴールの調べに合わせてくるくると回る天使達を見ながら、ハボックはふんふんと音楽を口ずさんだ。天使達のダンスが終わっても、ハボックは暫くの間ちょっぴり音程のずれた鼻歌を歌っていたが、やがて時計から離れるとベッドによじ登る。ふかふかのベッドに残るロイの香りを嗅いでハボックは尻尾を振った。
「ろーい」
 たった一つ覚えた言葉を口にすればハボックの胸がほわりと暖かくなる。ずっと一人きりで淋しかった心が癒されて幸せそうに笑ったハボックは、体がふわふわと軽くなるように感じた。
 ハボックは目を閉じて優しい漣に耳を澄ます。ロイが大好きだったと言った犬の形を真似た姿が、風もない部屋でほんの少し揺らめいた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もコメントも嬉しいですvラブ注入して貰ってますvv

「暗獣」です。ワンコハボは口をきかないので表現が単調になりがちなのですが、可愛いモコモコ尻尾のちびハボを想像して頂ければと思います。毎度ながら読んで下さる方の想像力が頼りです!(こら)

……って書いたところで一時保存したらその後書いた拍手お返事が全部消えちゃったorz この日記、一時保存するとタイトルが消えちゃってそれに気づかずアップしようとするとエラーが出て、一時保存後に書いたものが全部消えるっていうね……。もう何度も痛い目見てるのにまたやっちまったよ(苦)でもどうして一時保存すると書いたタイトルが消えるんだよぅ!あう〜〜〜!あああ、もーッ!……って、頭掻き毟っても消えたものは返ってこないので気を取り直して……。

以下、拍手お返事です。

はたかぜさま

わーん、なんかもう、勿体ないようなありがたいお言葉、嬉しいやら恥ずかしいやらで身悶えつつ、でもやっぱり嬉しいので何度も読み返してますv「金剛石」ハボロイの方がすんなりいきましたか?続編は展開はほぼ同じながらハボロイとロイハボで微妙に変えて書いているので、両方読んで頂いて「こっち」と言って頂けると、書いた甲斐があります、嬉しいですv大佐がいつハボを気に入ったか……実は全く書いてません(爆)いや、書こうかとも思ったのですがなんとなく蛇足になってしまいそうだったので、すっ飛ばしてしまいました(苦笑)でも、日記ネタで書いても楽しいかもですね、ふふふvハボが痛い目に逢うのが楽しい!同志だ!!(笑)「騎士姫」「王騎士」は長い事抱えて書いていたので楽しんで頂けて嬉しいです。いやでも手のひらの上でなどと言えるほどの大層なものではありませんが(汗)うちのサイト基本ハッピーエンドがお約束なので、その点では安心して読んで頂けると思います。これからもどうぞ遊びにきてくださいますよう!お待ち申し上げておりますv

蒼さま

三か月予報を見るとそれだけで溶けてしまいそうな気がします。まだ六月ですよ?あと三ヶ月は暑いのかと思うとorz 夏コミ、停電になったら人死に出ますよ!冗談抜きでその時だけは停電にならない事を切に祈ります。ゴルかぁ、飼ったら楽しいだろうなぁ。毎日散歩に行けば確実に痩せそうだし(笑)ブルーとブラウンの瞳のハスキーも可愛いですv昔読んだ「動物のお医者さん」を思い出してしまいました。ワンコ、やっぱり可愛いですよね〜、癒されるーvハボわんこ癒しの為にも一家に一匹欲しいですーv

RОRОさま

期待するなと言われても、やっぱりドキドキしながらお待ちしてます、よろしくお願いしますvv「パナケイア」私にしては珍しく最初から大佐はいなくなる予定でした(笑)いつもいなくなるのはハボだからなぁ、たまにはいいかと(苦笑)やっと山を越えたので後は最後まで一気に行こうと思っています。「霧屋」飄々としたハボック〜〜っ!目指しているのはそれなので、そう言って頂けるととっても嬉しいです。たくさん書いているというより、たくさん放置していると言った方が正しい気が……。萌えあがると後先考えず書きだしてしまうというのが敗因かとorz でも、どれもちゃんとエンドマークをつけるつもりでおりますので、引き続きお付き合いお願い致しますv

サラさま

「暗獣」わーん、気に入って頂けてますか?とっても嬉しいですvv絵本にしたくなるような……わぁ、なんだか恥ずかしい///でも嬉しいですvこれからもこんな感じで続いていきますので、どうぞ引き続きお付き合い下さいませv
2011年06月27日(月)   No.70 (カプなし)

暗獣9
「また来たのか、ヒューズ」
 呼び鈴の音に扉を開ければここのところ毎日のように見ている顔があって、ロイはうんざりとため息をつく。ヒューズはそんなロイに手にした荷物を押しつけ、中に入りながら言った。
「呼んで貰えるまで休まず来てやる」
 ヒューズはそう言って小さな姿を探す。リビングの扉の陰からそうっと様子を窺っているハボックを見つけると、ヒューズは満面の笑みを浮かべた。
「ハボックちゃん、マースくんですよぅ」
 ヒューズは言って腰を落とすと、ハボックの目の高さに合わせて四つん這いになってハボックに向かって突進する。それを見たハボックはビクッと飛び上がってリビングの中に引っ込んでしまった。
「あっ、どうして逃げるんだッ、ハボックちゃんッ!!」
 逃げたハボックの後を追ってヒューズは四つん這いでリビングに駆け込む。ロイはドカドカと足音も荒くヒューズに近づくとその頭を拳骨で殴った。
「よさんかッ!!」
「いてぇッ!!……なにするんだ、ロイ」
 ヒューズは殴られた頭を撫でながら恨めしげにロイを見上げる。ロイは殴った拳を握り締めてヒューズを睨んだ。
「いい加減にしろ、ハボックが怯えてるだろうがッ」
 そう言われてヒューズはハボックの方へ視線を向ける。そうすればリビングのテーブルの下に潜り込んだハボックの、尻尾を脚の間に挟み込んだ小さなお尻が見えた。
「目の高さを合わせりゃいいと思ったんだがなぁ……そこまで怯えなくたっていいじゃん」
 ヒューズはがっくりと肩を落としてため息をつく。立ち上がって膝を払うとロイの手から玄関で押しつけた袋を取り返した。
「いい酒を持ってきたんだ」
「泊まっていく気か?」
 時刻は五時を過ぎてそろそろ陽も傾き始めている。迷惑そうな様子を隠さないロイにヒューズは言った。
「部屋なら余ってんだろ?」
 袋の中から酒のボトルを取り出し、ロイに見せる。
「東の国の酒なんだ。米から作る。旨いぜ」
 ニヤリと笑って言えばロイも興味を示してボトルに手を伸ばした。
「酒はいいがつまみも作れよ」
「酒を持ってきたのは俺なんだからつまみを作るのはお前の役目だろう?」
「酒はハボックを怯えさせた罰。つまみはベッド提供の代価だ」
 等価交換だろ?とニッと笑うロイをヒューズは悔しそうに見る。それでも端から作る気があったのか、ヒューズは袋を手にキッチンに入ると材料を広げ始めた。
「久しぶりだな、それ」
「好きだろ?お前」
 言いながらヒューズはタマネギとニンニクをスライスし、タイムと一緒にバットに敷き詰めその上にサケを載せる。ジャガイモの皮を向き一センチ厚さに切り下ゆでした。
「見てないでお前もディップぐらい作れよ」
「ああ」
 言われてロイも材料をボウルに放り込み手早く混ぜた。男二人でキッチンに並び支度をしていればハボックがやってきて不思議そうに見上げてくる。ロイはまあるく見開いた空色に優しく笑った。
「イイコに待っててくれ。あとでクッキーをやるから」
 ロイが言えば、ヒューズが「あっ」と声を上げる。手を洗って水分を拭き取ると、まだ湿った手をシャツで拭いながら言った。
「ハボックにお土産持ってきたんだよ〜。喜びそうな奴!」
 そう言いながら袋の中をガサガサと漁る友人をロイは眉を寄せて見る。
「変なものを与えるなよ?」
「変なものとは失礼な」
 ヒューズはロイを軽く睨んで袋の中から出したものを手にしゃがみ込む。ハボックに向かってにっこりと笑った。
「ほら、お前にやるよ。綺麗だろう」
 そう言ってヒューズは小さな缶の蓋を開けてみせる。中には色とりどりのジェリービーンズが入っていた。
 カラフルなジェリービーンズの輝きにハボックは目を見開く。パタパタと走り寄ってくると、ハボックは缶の中から一粒摘み上げた。高く掲げて光を透かし、ハボックはパアッと顔を輝かせる。紅い小さな粒をロイに見せてハボックは言った。
「ろい」
「気に入ったのか、よかったな、ハボック」
 そう言えばハボックはにっこりと笑ってジェリービーンズを握り締める。その様子にヒューズは涙を拭う真似をして言った。
「よかった、喜んでくれて……ついでに“ありがとう、マース”って言ってくんない?」
 期待して言うヒューズに構わず、ハボックは缶の中から更に何粒かジェリービーンズを摘み出す。大事そうに手に持ったハボックがキッチンから出ていってしまうと、ヒューズはため息をついた。
「ああ、行っちゃった」
「いいじゃないか、喜んでたんだし」
「コレクションに加えてくれるなら、まあいいか」
 ヒューズは言って立ち上がる。缶の蓋を閉めキッチンのカウンターに置くと、再びつまみを作り始めた。
 そうして作ったつまみを肴にロイとヒューズが酒を酌み交わしている間、ハボックは戻ってこなかった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もとっても嬉しいですv頑張れますvv

【ロイハボでGО!更新のご案内】
「デッドエンド3」水瀬さん分更新されてます。うふふふ、やっぱいいわぁ、こういうの(笑)続きが楽しみ……って、書くのは私か、チッ(こら)

「暗獣」です。ご飯作るロイとヒュさま。男の手料理くらいは作れるはず。ヒューズ、少しはハボの心を掴むことが出来たか?(笑)

以下、拍手お返事です。

とろろさま

本、無事お手元に届いて安心しました。お楽しみも頂けたようで、ホッとすると同時にとっても嬉しいですv「暗獣」こんな感じで続いていきます。癒しなどと大きな事は言えませんが、ふさふさハボックを撫でながら少しでものんびりして頂けたら嬉しいです。

蒼さま

私もおっきいワンコ好きですが、やはり飼うとなると大変ですよねー。トイプードルは毛が抜けない品種だと知ってちょっと感動しました。服に毛がつかない。昔近所のお猫さまを抱っこするたび服が毛だらけになってくしゃみが止まらなかったものですが(苦笑)このワンコのお家はお嫁さんがトリマーで犬の事は詳しいから大丈夫ですよ。ちなみに男の子ですvハボ牧場、数字が三桁になりませんよう(笑)ハボの投げたブーケはきっとプレミアがついて凄い事になるかと。嬉々として競り落とす大佐に部下たちの怒りが爆発するかもしれない(笑)公開まであと少しですね。火曜日になったら前売り握り締めて席の予約に行ってきますッ!
2011年06月23日(木)   No.69 (カプなし)

暗獣8
「ろーい」
 ハボックは言ってキュッとしがみついたロイの膝に頬を寄せる。呼ばれたロイは目をまん丸に見開いてしがみつくハボックのふさふさと揺れる尻尾を見つめた。
「お、可愛いじゃないか!ろーいだってさ」
 俺の事も呼んでくれっと自分の顔を指さして「マース」と連呼するヒューズの声もロイの耳には入ってこない。ロイは己の膝に頬をすり寄せるハボックをまじまじと見つめた。
「初めて呼ばれた……」
 そう呟く声にヒューズはロイを見る。呆然と呟くロイの手がポットを傾けたままなのに気づいて、ヒューズは慌てて怒鳴った。
「ロイっ、ポット!!紅茶溢れてるッッ!!」
「え……?うわわ…ッッ!!」
 カップから溢れた紅茶が皿からも溢れかけているのを見て、ロイは慌ててポットを起こす。ガチャンと乱暴にポットをテーブルに置いて、ロイはハボックの頭を撫でた。
「ろい」
 ハボックは嬉しそうに笑いながらロイを呼ぶ。大きく尻尾を振るハボックを見て、ヒューズが言った。
「なんだ、お前。呼ばれたことなかったのか?」
「今まで一言だって喋ったことがないんだ。叫び声や泣き声は聞いたことがあったが。そういえば私の名前を教えてなかった」
「おいおい」
 ロイが言えばヒューズが呆れたようにロイを見る。
「今までお前の名前を呼んだことがないのに、どうして───ああ、俺が呼んだからか」
 どうやら自分が呼ぶのを聞いてハボックがロイを呼んだのだと気づいて、ヒューズはポンと手を打つ。至極真剣な顔でロイを見て、ヒューズは言った。
「俺の事も呼んでくれ、ロイ」
「はあ?」
「俺もコイツに呼ばれたいっ、なあ、俺のこと呼んでっ、ロイ!」
 科を作って言うヒューズにロイは思い切り顔を顰める。
「よさんか、気色悪い」
「ええっ、なんだよ、気色悪いって!」
 ヒューズはロイの言葉に不貞腐れたように唇を尖らせ、ハボックの方に身を乗り出した。まともに取り合ってくれそうにないロイに頼むのはやめて、ヒューズは直接ハボックに言った。
「俺、マース!なぁ、呼んでよ、ハボックちゃんッ!」
 必死に己の名前を連呼しながら訴えるヒューズをハボックはキョトンとして見上げる。何度も自分の名を繰り返したヒューズは、ハボックが呼んでくれるのを期待してハボックの顔をのぞき込んだ。ハボックはそんなヒューズをまん丸に見開いた空色の瞳でじっと見つめる。次の瞬間ロイに視線を移してにっこりと笑った。
「ろい」
「えええッ!なんでッッ?!」
 呼んでもらえるかと目一杯期待していたヒューズはがっくりと肩を落とす。だが、ハボックはそんなヒューズには目もくれずロイの膝によじ登った。
「諦めろ。最初の印象が悪すぎだ」
「そんなぁっ」
 ヒューズは諦めきれずにロイの膝に乗ったハボックに手を伸ばす。一番手近の尻尾にヒューズの手が触れた途端、ハボックがビクッと飛び上がった。スーッと金色だった髪が灰色がかり体が縮まる。膝の上で震えるハボックを見て、ロイは目を吊り上げた。
「ヒューズ!!」
「今度は引っ張ってないぞっ」
「不用意に触るなッ!!」
 キッとヒューズを睨みつけて、ロイはハボックをヒューズの手が届かないように遠ざける。ハボックはそんなロイをグレーになった瞳で見上げた。
「ろい」
「お前ばっかりズルイっっ!!」
 それを聞いたヒューズが喚く。
「煩いぞ、ヒューズ」
 フンと鼻を鳴らしたロイはハボックの頭を撫でながら胸がほわりと暖かくなるのを感じた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいです〜v

「暗獣」です。ヒューズの事は全く目に入らないハボック(笑)
ハボック、毛玉ちゃんの時は手のひらサイズですが、子供になった時は仔犬サイズと思ってます。原寸が毛糸玉だから凄く軽いかと(笑)
サイズ的にはこんな感じ〜↓



先日親戚の家にトイプードルの仔犬が来たので見せて貰いに行ったのですが、滅茶苦茶可愛かったんだ、これが!モコモコしてるから重いかと思いきや、身は殆どなくて凄い軽いの(笑)子ハボもこんなサイズってことで!

さて、日記をアップしたから更新分書かなきゃ〜。昨日は頭がすっかりラブラブモードで「パナケイア」も「霧屋」も全く浮かばず、何を書いていたかと言えば「続・金剛石」のロイハボ版続きをポチポチ書いてました。連載時のハボとは別人のように可愛いハボになってますが(苦笑)まだ書きかけですが、無料配布期間過ぎたらアップするかなぁ……。って、そんなことよりまずは連載だよ、間に合うのか、今からで〜(汗)

以下、拍手お返事です。

蒼さま

あはは、子ハボ牧場!なんか凄い事になりそうです(笑)ええ?モバゲーで鋼出るんですか??うわー、ちょっと、携帯ゲームやらない主義が一瞬揺らぎそうになりました(苦笑)やってみての感想、是非聞かせて下さい!ヌードの結婚写真〜!やっぱりロイハボならハボにベール被せてブーケで隠すんじゃないですか?ブーケトスしたら部下どもが大騒ぎしそうだ、ハボの大事なとこ隠したブーケ(爆)「暗獣」子ハボ、ちっさいから!流石に無体するには小さすぎ(笑)あ、でもバターけ……げふんげふん(殴)
2011年06月21日(火)   No.68 (カプなし)

暗獣7
「ヒューズ、お前、いつ来たんだ?」
「ついさっき。どうせお前、呼び鈴鳴らしたって出てこねぇだろうと思ったからさ。庭の方から入れないかと思って回ったんだよ。そうしたら」
 とヒューズはぶら下げた子供の服を見る。
「なんだ?あれ。お前の隠し子じゃねぇよな。猫耳ならそれも考えられるが、あれ、犬耳だったし」
「馬鹿言ってるんじゃない」
 ロイはヒューズの手からハボックの服を取り上げると、ヒューズを押し退け中庭に出る。さっきハボックが飛び込んだあたりの木陰を覗き込むようにして声をかけた。
「ハボック、驚かせて悪かった。こいつは私の友人でヒューズと言うんだ。顔は怖いが悪い奴じゃない」
「おいおい、それはないだろ?」
 ロイの説明にヒューズが顔を顰めればロイがヒューズを睨む。
「ハボックを驚かせた奴が文句を言える立場か。大体お前、ハボックになにをしたんだ」
「あのちっこいの、ハボックっていうのか」
 ロイの言葉の中の固有名詞を拾い上げてヒューズは言うとロイと並んで木陰を覗き込んだ。
「おーい、ハボックちゃん、出ておいで〜。お兄さんは怖くないよぉ」
「やめろ、ハボックが益々怯える」
 猫なで声で話しかけるヒューズを押し退けてロイは木陰の前にしゃがむ。地面に顔を寄せて下から覗き込めば、葉陰に丸まる黒い毛糸玉が見えた。
「ハボック、おいで」
 ロイは呼んで手を伸ばす。すると葉陰から黒い塊がぴょんとロイの腕の中に飛び込んできた。
「ハボック」
 微かに震える柔らかい毛並みをロイはそっと撫でてやる。ハボックを抱いたまま家に戻るロイについて歩きながら、ヒューズは友人の腕の中の毛糸玉を興味津々覗き込んだ。
「なあ、コイツ、なに?」
 そう言ってヒューズが伸ばしてくる手をロイはピシリと叩く。
「触るな」
「冷てぇな、ロイ。久しぶりに会った親友にそれはないだろ?」
「ハボックを怯えさせるからだ」
 情けなく眉を下げるヒューズにロイはフンと鼻を鳴らした。ヒューズにリビングで待つよう告げると二階に上がりハボックをトランクの中にそっと下ろす。その体を優しく撫でて、ロイはリビングに戻った。
「まったく来るなら玄関から来い、玄関から」
 ロイはリビングのソファーにふんぞり返るヒューズにそう言いながらキッチンに入る。コンロのヤカンに火をつけ湯を沸かし、紅茶を淹れると動物クッキーの缶と一緒にトレイに載せてリビングに戻ってきた。
「どうせ本でも読んでて呼び鈴鳴らしたって気づきゃしないだろ?」
 痛いところを突かれてロイはヒューズを睨む。ヒューズはロイの視線など物ともせずに言った。
「で?」
「私にもよく判らん。私がこの家に住み始めたときにはもういたんだ。最初はなかなか姿を見せてくれなかったんだが、最近懐いてきてな」
 ロイはフウフウと息を吹きかけて紅茶のカップに口をつける。ヒューズは缶の中から犬の形をしたクッキーを摘み上げしげしげと見つめた。
「なんだろうな、この家の主?」
 それにしちゃ可愛すぎるが、と言いつつヒューズはクッキーを口に放り込む。
「動物クッキーなんて懐かしいな。ガキの頃、よく食ったよ」
「ハボックが好きなんだ」
「クッキー食うのか?」
 猫のクッキーを口に放り込みながら尋ねるヒューズにロイが答えた。
「いや、コレクションしてるんだ」
「へ?コレクション?」
 ロイの言葉にヒューズがキョトンとした時、リビングの扉が細く開いて子供の姿をしたハボックが顔を出した。
「おいで、ハボック」
 ロイは優しい笑みを浮かべて子供を手招く。そうすればハボックはヒューズの様子を伺うように見上げながら、ヒューズから一番遠い動線を通ってロイの側にやってきた。
「お前ね、そこまで警戒することないだろう?」
 キュッとロイの膝にしがみつくハボックを見てヒューズががっくりと肩を落とす。ロイはハボックの頭を撫でてやりながら尋ねた。
「お前、ハボックになにをしたんだ」
「なにって、別に大したことしてねぇぞ、ロイ。尻尾をちょっと引っ張ってみただけだ」
「十分大したことだろう、それは」
 シレッとして言うヒューズにロイはチッと舌を鳴らしてヒューズを睨む。
「んなこと言ったって、ロイ。こう、ふさふさの尻尾が揺れているのを見たら誰だって触りたくなるだろう?」
 言いながらロイの向こう側にいるハボックをよく見ようとヒューズが身を乗り出せば、ハボックは怯えたようにロイの陰に隠れた。
「これ以上ハボックを怯えさせるな」
「だって気になるだろ。なぁ、あの毛糸玉とこの子供の格好と、どっちが本来の姿なんだ?」
「毛糸玉だ。昔飼ってた犬と私の写真を見せたらこうなった」
「へぇ」
 ヒューズは出来るだけ怖がらせないようにしながらハボックを見つめる。ハボックに向かってにっこりと笑いかけながら、手はカップをロイに差し出した。
「おかわりくれ、ロイ」
 いつの間に飲み干したのかカップは空になっている。保温用のカバーをポットから外して空のカップに紅茶を注ごうとしたロイを見上げて、ハボックが口を開いた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。パチパチ拍手、やる気貰ってますv

「暗獣」です。ふさふさ尻尾は触りたくなると思うんですが、どうでしょう。興味津津なヒュさま(笑)

以下、17、18日拍手お返事です。

ROROさま

ハボック熱キタッ!とテンションあげて下さって嬉しいですv勿論、いつまでもお待ちします〜vROROさまのステキ絵が頂けるならばッ!しかし、要望があればって……そんな勿体ないお言葉!というか、ROROさまのキリッとカッコいいハボックもロイに啼かされてエロ可愛いハボックもどっちも大好きな私としては要望があり過ぎてとても一つに絞り切れない!(こら)えええ、どうしよう……/// ロイに「お前の瞳が綺麗だと思う」と言われて睨みつけるハボも見たいが、続編のロイに啼かされるハボも見たいですぅ。以前ROROさまがサイトの方でキスブームとキスの絵をあげてらした事がありましたよね?アレとか好きなんですがッ。いやもう、言い始めたらキリがないのでROROさまにお任せします!拍手バナナも気に入って頂けて嬉しいですvやっぱり出逢いっていつになっても萌えますよねv

蒼さま

「賢者タイム」!そんなのあるんだ、いいなぁ(笑)浮かぶのはロイハボネタばかりなのだけどいいんだろうか(苦笑)オカメインコの画像、どこにあるんでしょう……。見てないから判らないけど、雰囲気的に蒼さんの言うハボロイエンドレスな気がします(笑)東京メトロ、冷房停止……。夏場は地下鉄乗らない事にします(苦)「暗獣」は健全ですよ〜、ふふふ、信じられない?(笑)大好きな絵師さんの仔犬イメージとしか書いてないのに、やはり蒼さんにはバレバレですね(苦笑)

葉月さま

うぎゃーーーーーッッ!!ハボック〜〜〜〜ッッvv葉月さまこそなんて太っ腹な!!いいんでしょうか、この間のステキ絵に引き続きこんなカッコいいハボまで!!いや、ダメと言われてももう離しませんがッ!!これも宝部屋に飾らせて下さいね〜vvいやあ、これぞまさしく海老で鯛を釣る(笑)嬉しい〜〜〜vv本当にありがとうございますッ!!
2011年06月19日(日)   No.67 (カプなし)

暗獣6
「ああ、もう朝か……」
 ロイは枕元で鳴り響く目覚まし時計をベッドの中に引き込んで呟く。何とか睡魔に打ち勝って、ロイはゆっくりと体を起こした。
 鎧戸を下ろした室内は朝になってもまだ夜の名残を引きずっている。ロイはベッドから脚を下ろすと、窓辺に置かれた小さなトランクの中で丸くなっている小さな子供に声をかけた。
「ハボック、窓を開けるぞ」
 何度か繰り返せば金色の頭がむくりと起きあがる。ハボックは紗がかかったような空色の瞳でぼんやりとロイを見上げていたが、ロイの手が鎧戸にかかるのを見るとトランクから飛び出しベッドの下に潜り込んだ。
「よさそうだな」
 ロイはおかしそうにそう呟いて鎧戸を開ける。そうすれば朝の明るい陽射しが部屋の中に降り注いできた。
 ロイがこの家に住み始めた当初からちょろちょろとその姿を見せていたハボックと、ロイが初めてしっかり顔を合わせたのは陽も高い日中だったし、その後も昼間の明るい時間に接していたから最初は気づかなかったのだが、ハボックはどちらかと言えば暗い場所の方が好きなようだった。朝もいきなり明るい陽射しに晒されるのは苦手なようで、ロイがそれに気づいたのは、朝起きたロイが鎧戸を開けたところ、朝陽を浴びたハボックが飛び上がって元の毛糸玉の姿に戻ってベッドの下に潜り込んだきり一日出てこない事があったからだった。それ以来ロイは鎧戸を開ける前にハボックを起こし、ハボックが物陰に隠れたのを確認してから部屋に外の光を入れるようにしていた。
「落ち着いたら出ておいで」
 ロイはベッドの下に向かってそう声をかけて部屋を出る。顔を洗い身支度を整えて、ロイはキッチンに降りると朝食の準備を始めた。最初のうちは「一緒に食べないか?」と声をかけていたロイだったが今では声をかけなくなっていた。ハボックは食事をしないと判ったからだ。置いておくといつの間にかなくなっていたクッキーも、実は食べるのではなくコレクションとして綺麗に並べてとってあるのを見た時、ロイは驚くと同時におかしくて笑ってしまったものだった。湿気っておそらく食べては美味しくなくなっているだろうクッキーを、ハボックは大事に大事にとっておいて時折眺めては楽しんでいるようだった。ハボックが口にするのは家の裏にある古い井戸の綺麗な水だけで、そうしてハボックは綺麗なもの、可愛いものが大好きだった。

 ロイはトーストと卵とサラダで簡単に食事を済ませると汚れた食器を手早く片づけ洗濯にかかる。今日は久しぶりに客がくるため、用事はなるべく早めに終わらせておく必要があった。ロイは洗濯用の盥を出して水を張り洗剤を溶かし込む。ハボックがうっかりかぶれてしまわないよう、合成洗剤を使うのをやめて今では天然素材の洗剤を使っていた。
「おはよう、ハボック」
 じゃぶじゃぶと洗濯をしていれば明るさになれたらしいハボックがやってくる。ハボックはロイの顔を見上げて笑うと盥の中のシャボンに手を伸ばした。ぱしゃんと小さな手で水面を叩けばシャボンの泡が宙に舞う。楽しそうにパシャパシャと泡を飛ばす子供にロイは苦笑した。
「ほら、もうおしまいだ。流すぞ」
 ロイは言って洗剤液を流してしまう。残念そうに流れていく泡を見送るハボックに構わず手早く洗濯物を濯いだロイは、きつく絞ったそれを庭の干場に広げた。
「頼むから今日は落とさないでくれよ」
 ひらひらと風に舞う洗濯物に向かってぴょんぴょんと跳ねてじゃれるハボックにそう言って、ロイは家の中に入る。盥を片づけ部屋の中をざっと整理したロイは、すぐに湯を沸かせるよう水を張ったヤカンをコンロに置いた。
「まあ、こんなところだろう」
 これから来る客相手なら特に気取る必要もない。ロイはソファーに腰掛け本を開く。客が来るまでの間の時間潰しのつもりで読み始めた本に、だがロイは瞬く間に没頭してしまった。これから来る客の事も、中庭で遊んでいるハボックの事もすっかり忘れてロイは本の世界に浸りきる。そうしてどれくらい時間がたったのだろう、突然中庭から聞こえた悲鳴にロイはびっくりして本を投げ出した。
「ハボックっ?」
 ヒィと聞こえた悲鳴は確かにハボックのものだ。ロイが中庭に面した窓を開けて身を乗り出せば、黒い毛糸玉の姿になったハボックが木陰に飛び込むのが見えた。
「ハボック、どうしたっ?」
 いったい何にあれほど怯えているのだろう。理由が判らずリビングから飛び出したロイが、廊下を走り中庭に出ようと伸ばした手を扉のノブにかけるより早く、扉が外から開いた。そうして。
「ロイ、お前、なに飼ってるんだ?」
「ヒューズ」
 扉から入ってきたのは、ハボックの服をぶら下げて怪訝そうな顔をするヒューズだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいです〜。更新頑張れますv

「暗獣」です。ヒュさま登場〜(笑)しかし、このロイ、仕事何やってるんだろうと書くたび思ったりします(苦笑)とりあえず話の本筋に今のところ関係ないのでスルーしてるんですが、うーん、研究者か何かだよね、きっと!(←いい加減)

以下、16日拍手のお返事です。

菜ノ花さま

わーいv「暗獣」楽しんで頂けてますか?よかった〜vふふふ、ちびハボv家にいたら物凄く嬉しいですよね。毎日もふもふしてしまいそう(笑)

葉月さま

いやいやもう、あんまり嬉しくてすっかりテンション上がってしまいました(苦笑)テンション上がった勢いであんな作文までつけてしまったのですが、ギャー、いいんでしょうかッ!絵のお礼には到底足りませんがあれでよろしければどうぞお持ち帰り下さいませ〜!なんかかえって気を遣わせてしまったかもと恐縮です(汗)「暗獣」毛玉ちゃん気に入って頂けて嬉しいですーvきっと肌触りバツグン(笑)
2011年06月17日(金)   No.66 (カプなし)

暗獣5
 暫くの間ロイはハボックの背を撫でていたが、やがて小さな体を抱いて立ち上がる。二階に上がり部屋に入ると片隅に置いておいた小さなトランクを窓辺の椅子近くに運び、蓋を開いた。
「起こしてしまったか?」
 バチンと金具を開く音に腕の中の小さな子供が目を開く。まだどこか眠たそうなその体を、ロイは時計が入っていたビロード張りのトランクにそっと下ろした。
「眠いならここで寝ているといい。私はちょっと買い物に行ってくるよ」
 ハボックはトランクの縁に掴まってロイを見上げたが、すぐにビロードのクッションの中で体を丸める。気持ちよさそうにその柔らかい生地に頬をすり寄せているハボックの頭を撫でて、ロイは立ち上がった。
「イイコに待っているんだぞ。洗濯機には近づくな」
 ロイはそう言い置いて部屋を出ていった。

 ロイは小さな子供の服が並ぶ棚を前に低く唸る。ハボックに服を着せようと思い立って買い物に来てはみたものの、正直子供の服など買った事はなく、なにが必要なのかよく判らなかった。
「お子さんの服をお探しですか?」
「えっ?」
 店員からそう声をかけられてロイは目を丸くする。曖昧に笑うロイの笑顔を照れているととったらしい店員はロイにあれこれと勧めた。
(まあいいか。どうせよく判らんし)
 ロイは勧められるままに服を買い込み店を後にする。なんとなくウキウキと心が弾むのを感じて、ロイはそんな自分がおかしくてクスリと笑った。

「ハボック」
 ロイは部屋の扉を開けながら中にいるはずの子供に向かって声をかける。眠っているかとも思ったが、ハボックはビロードの感触を楽しむようにトランクの中でごろごろと転がっていた。
「イイコにしてたか?」
 そう声をかければハボックはトランクの縁に掴まってパタパタと尻尾を振る。金色の頭をクシャリとかき混ぜてロイは言った。
「服を買ってきたぞ、着せてやろう」
 ロイは袋の中からシャツを取り出しハボックの頭から被せる。袖口から腕を出しシャツを着せてボトムをはかせようとしたロイは、ふさふさとした尻尾を見て眉を寄せた。
「そうか、尻尾があったな」
 生憎人間の服には尻尾を通す穴はない。ロイは一瞬迷ったが抽斗から鋏を持ってくるとズボンのお尻に穴を開けてしまった。
「これでいいだろう」
 ロイは満足げに言ってハボックにズボンをはかせてやる。開けた穴から尻尾を外に出してやればハボックがふさふさと尻尾を振った。
「似合ってるぞ、ハボック」
 そう言うとハボックが嬉しそうに腕を伸ばしてくる。抱きついてくる体を抱き上げてロイは窓から庭を見下ろした。
「ああ、ここからスモークツリーが見えるな」
 緑の木々の間にピンク色のふわふわとした塊が見えることに気づいてロイが言う。するとハボックはロイの腕からぴょんと飛び降り、部屋から駆け出していってしまった。
「おい」
 ロイは瞬く間に見えなくなってしまった小さな姿を追って階下に降りる。中庭に続く扉が細く開いているのを押し開けてロイは外に出た。先日の記憶を頼りに上から見えたスモークツリーのところまで行けば、思った通りピンクの雲の間に金色の尻尾が揺れていた。
「ハボック」
 尻尾に向かって声をかけるとハボックがひょこっと顔を出す。枝にしがみついてぶらぶらとしたかと思うと、パッと手を離してピンクの塊に飛びついたハボックが、掴まった塊ごと枝から落ちてきた。
「おっと」
 慌てて伸ばしたロイの腕にピンクの雲を抱いたハボックが落ちてくる。落とさずにキャッチ出来た事にロイがホッと息をつけばハボックが抱きしめた雲をロイに差し出した。
「綺麗だな」
 そう言えばハボックが嬉しそうにほわりと笑う。にっこりと笑い返してロイはハボックの瞳と同じ色の空を見上げた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、嬉しいです〜、励みになりますvv

「暗獣」です。ほのぼの?つか、読む方からしたら退屈かもと思いつつ(苦笑)それにしてもうちのサイトって統一性ないよね、とか思ったり。でもまぁ、好きなものを好きなように書くしかないので仕方ないってことで(苦笑)

そう言えば、拍手コメントを頂いた一部の方がブラックリストに入っちゃってました。どうやら携帯で急いで弄ってる時に変なとこをクリックしちゃったみたいです(苦)今はリスト解除してますが、コメントできないと思われた方がいらっしゃいましたら本当にごめんなさいですorz

以下、拍手お返事です。

柚木さま

おお、和んで頂けてますか?嬉しいですvこんなまったり話ですが、引き続きお付き合いお願い致しますv

蒼さま

スタンプラリーの景品はポストカードですか。しかもハボなし!それならそこでお金使うより、一番くじにつぎ込みますよ!今度こそロイマスをわが手に!!可愛がる=啼かせる……ええ、否定はしませんよ、しませんとも!(爆)アムラックス、ハボいたら行くかなぁ。ハボの度合いに寄るかも?(笑)

ダイエット話面白かったです〜♪ の方

うおう、ありがとうございます!!「また、しょうもないもの書いてるな」って思われているかと思っていたので、そう言って頂けて嬉しいですv駅弁、抱えるロイも大変そうですが、一点集中のハボもかなりのカロリー消費かと……(爆)
2011年06月16日(木)   No.65 (カプなし)

暗獣4
 頭を撫でられてハボックは擽ったそうに首を竦める。少なくともロイが喜んでいるらしいと言うことが判ったのだろう、ハボックは嬉しそうに笑うとロイの膝からピョンと飛び降りくるりと背を向けリビングから走り出ようとした。
「ちょっと待て」
 ロイは剥き出しの小さいお尻か赤くなっていることに気づく。さっきの毛糸玉の時には判らなかったが、どうやらそこが洗剤液でかぶれて痒かったらしいと、立ち上がったロイは不思議そうな顔で見上げてくるハボックに近づきその頭をポンポンと叩いた。
「今薬を塗ってやる。ちょっと待っていろ」
 ロイは言って棚の引き出しを開ける。中から痒み止めの軟膏を取り出しハボックを手招いた。キョトンとしているハボックを後ろに向かせ赤くなった肌に薬を塗ってやる。ほんの少し身を強ばらせていたハボックは塗り終わったと見ると金色の尻尾をふさふさと振った。
「……その姿だと裸と言うわけにいかんか」
 揺れる尻尾を見てロイは呟く。耳と尻尾が生えているとはいえその姿は大まかには人間の男の子だ。幾らこの家には自分しかいないとはいえ、裸のままうろうろさせるのはどうかとロイが悩む間にハボックはロイの手をすり抜け、テーブルに置いた薬のチューブに手を伸ばした。
「ああ、こらこら」
 蓋をしていなかったチューブからにゅるんと薬を押し出したハボックからチューブを取り上げ、ロイはメッと軽く叱る。するとしょんぼりとうなだれたハボックの姿が小さく縮み、元の毛糸玉に戻ったと思うとサササと棚の陰に隠れてしまった。
「おい」
 そんなに強く叱ったつもりはないが怯えさせてしまったろうか。ロイは暫く待ってみたが、出てくる気配のないハボックに一つため息をつき、キッチンに歩いて行きながら言った。
「腹が減ったな、一緒に飯を食わんか?」
 ロイは言いながら冷蔵庫の扉を開ける。ハボックは出てこなかったがロイは構わず材料を取り出しピラフを作る準備を始めた。野菜とベーコンを刻み手早く炒める。皿に盛るとインスタントのスープと一緒にテーブルに運んだ。
「ハボック?」
 椅子に座り棚の陰のハボックに向かって呼びかける。
「ピラフを作ったんだ。食べるか?」
 そう尋ねてもハボックが出てくる気配はなく、せっかく懐き始めたのに惜しいことをしたと、ロイはほんの少しがっかりした。
「別に本気で怒った訳じゃないんだぞ」
 ロイは言い訳のように言いながらピラフを口に運ぶ。すぐそこにさっきまで近くにいた誰かがいると思うと一人で食べているのが酷く味気なく感じて、ロイはため息をついた。すると、棚の陰が伸びたように黒い毛糸玉が顔を覗かせる。それに気づいたロイが嬉しそうに笑えば、毛糸玉は出てきて再び耳と尻尾を生やした男の子の姿になった。
「ハボック」
 ロイが呼べばハボックは駆け寄ってきてロイの膝に登る。興味津々ピラフの皿を覗き込むハボックにロイは尋ねた。
「食うか?」
 そう言ってスプーンで掬ってやるがハボックはいやいやと首を振ってロイの胸元に潜り込むばかりだ。仕方なしに己の口にピラフを運ぶと今度は興味ありげにハボックはロイの動きを見つめる。試しにスプーンを持たせてみれば、ハボックはスプーンでピラフを掬ってロイに食べさせてくれた。
「食べさせたかったのか」
 ハボックはせっせ、せっせとピラフをロイに食べさせる。スープは流石にロイが自分で飲んで食事を済ませると、ハボックは満足した様子でロイの膝の上に丸くなり、そのままぴすぴすと眠ってしまった。
「とりあえずは服だな」
 ロイは楽しそうな笑みを浮かべて呟くと、膝の上で眠るハボックの金色の頭を撫でた。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、更新の励みになりますv嬉しいです〜v

「暗獣」です。すっぽんぽんハボック(笑)これでロイとハボックの立場が逆なら簡単に服を縫っちゃいそうな気もしますが、このロイにそんなスキルはないので(苦笑)とりあえずこんな雰囲気で暫く続きます〜。

以下、拍手お返事です。

はたかぜさま

フルセット無事届いて良かったです。こちらの方こそ読んで頂けると思うとドキドキです。少しでも楽しい時間を過ごして頂けると嬉しいのですが…。迷惑だなんてとんでもない!もしよろしかったら是非是非ご感想聞かせてくださいませ!尻尾振って大喜びしますんで(笑)

蒼さま

大丈夫、ちゃんと携帯で検索してましたから(笑)しかし、だれがそんなネーミング考えるんだろう、ぺら…って(爆)えと、ジャクでしたら携帯にお願いしますv加工品の方が連れて歩ける利点はあるけど飾り物だと見つめ合う幸せがあるかなぁ(笑)加工品なら3Pと言わず6P位で(大所帯(殴)ハチミツレモンはちょっと食べてみたいかもー。ふふふ、ファミマなら歩いて一分ですぜ!息子の部屋でガンガン見ながら「パンダ娘なんていらんからハボック入れろよ、ハボックをッ!」って文句言ってたら息子に「よそ行って読んでくれる?」って冷たく言われました(苦笑)ハボのシーツ、あったら欲しい!シークレットにハボ入ってたら当たるまでクジ引きまくると思います(笑)

葉月さま

葉月さまに読んで頂きたいもので、つい「貰って〜」とお声がけしてしまいます(苦笑)死神コンビ!思わず笑っちゃいました(笑)でも大丈夫、マイナスとマイナスをかけたらプラスだから!(違っ)ブレダは私も好きなので気がつくとブレダ率があがってます(笑)それよりそれより…図々しいオネダリを聞いて頂いてありがとうございますーッ!!うう、まさかあんな素敵絵をいただけるとは…二人の雰囲気も好きなのですが、ハボの瞳のブルーが凄く綺麗で!ありがとうございますッ!早速宝部屋に飾らせて頂きますね!こちらこそ、本当にありがとうございます!!うぇへへへとすっかり萌えあがってます!幸せ〜vv
2011年06月13日(月)   No.64 (カプなし)

暗獣3
「ああ、くそっ、このポンコツめ!」
 ロイは秀麗な顔に似合わず口汚く罵って古い洗濯機を蹴飛ばす。洗濯の途中で止まってしまった洗濯機は、ロイの荒療治に不満げに唸り声を上げたものの、それ以上うんともすんとも言わなくなってしまった。
「手洗いしろって事か?」
 男の一人暮らしだ、正直洗濯物と言っても大した量があるわけではない。だが、積極的に家事が好きと言うわけではないロイとしては、機械がやってくれるものならお願いしたいと言うのが本音だった。
「…………後にしよう」
 裏の物置に洗濯用のタライやらが入っていた気がするが、探しにいくのがめんどくさい。
「本でも読んで気分転換してからにしよう」
ロイはそう呟いて敵前逃亡をはかった。

 二階の窓辺が定位置と決めた椅子に腰掛けて本を開けば瞬く間に時間が過ぎていく。本に没頭していたロイは風にそよいだカーテンがページを隠したのを機に壁の時計を見上げた。
「しまった、もうこんな時間か」
 時計は十二時をまもなく指そうとしており、朝から洗濯液に浸けっぱなしの洗濯物をこれ以上放置し続ける訳にはいかない。渋々本を閉じて階下に降りたロイは、転々と廊下に続く泡の痕に気づいて目を丸くした。
「なんだ?」
 泡はランドリースペースから出て廊下を点々と続きキッチンへと向かっている。ロイは小首を捻って泡の痕を辿りキッチンへと足を向ける。薄く開いたキッチンの扉を開こうとしたロイは、中からヒィヒィと泣く声がするのに気づいて目を見開いた。そっと扉の隙間から中の様子を覗く。そうすれば泡塗れの黒い小さな塊が床にその身を擦りつけるようにして泣いているのだった。
「お前……」
 ロイはそう呟いてキッチンに入る。震える塊にゆっくりと近づくとそっと両手で包んだ。
「石鹸にかぶれたか?」
 どうやら痒くて泣いているらしいことに気づいてロイはそう尋ねる。ロイの問いに答えずただヒィヒィと鳴くそれを、ロイはそっと抱えると風呂場に連れていった。
「泣くな、今洗ってやるから」
 ロイはそう言って黒い塊を洗面器の中に入れる。シャワーを取りぬるい湯を出すと塊にかけてやった。湯がかかってビクンと飛び跳ねるそれを、ロイは宥めるように撫でてやりながら丁寧に泡を落とす。綺麗に洗って石鹸分を全て流すと痒みが少し収まったのか、ヒィヒィと泣く声は聞こえなくなった。
 ロイは濡れて少しだけ重さの増したそれをタオルに包み浴室を出る。リビングのソファーに腰掛けタオルで丁寧に水気を拭き取れば、それはふわふわの毛糸玉のように見えた。
「この間からチョロチョロしてたのはお前か?」
 ロイは言いながらそれの背なのか腹なのか頭なのか判らないままに撫でる。存外に柔らかいその感触にロイは目を細めた。
「昔買っていた犬みたいだ」
 懐かしそうにそう呟けば、膝の上の毛糸玉が尋ねるように震える。ロイはそれをソファーに下ろすとリビングのローボードの上に置かれた写真立ての一つを手に取った。
「こいつだ。ハボックと言ってな、昔飼ってたんだ」
 ロイは懐かしそうに言いながら幼い自分と光の加減で金色の毛並みに見えるレトリバーが一緒に写った写真を見せた。
「大好きだった。可愛がってたんだ」
 ロイの声音に今はもういない犬への愛情が滲む。すると、それを聞いた毛糸玉がふるふると大きく震えだしたと思うと、その輪郭がぼやけだした。
「おい、大丈夫かっ?」
 驚いてロイは手を伸ばしかけたが触れていいものか判らない。どうすべきかと悩むロイの前で、ふるふると震えていたそれが突然パアッと明るい光に包まれた。
「うわっ」
 あまりの眩しさにロイは腕を上げて顔を覆う。徐々に光が収まっていくのを感じて、腕を下ろして目を開けたロイは目の前に立つものに目を丸くした。
「お前……」
 ロイの前に立っていたのは金色の犬耳とふさふさの尻尾を生やした小さな男の子だった。その子はロイの膝によじ登るとロイの手から写真立てを取る。そこに収まったロイと犬の写真を示した子供は、まるで褒めて貰うのを待つように期待にきらきらと輝かせた空色の瞳でロイを見つめた。
「もしかしてこの写真を……犬を真似ようと思ったのか?」
 ロイの声にこもる犬への愛情を感じ取ってその姿を真似ようとしたらしい。だが、ロイと犬と、両方写った写真ではどちらを真似たらいいのか判らなかったようで、目の前の姿は子供の姿に犬の耳と尻尾をつけるという、何ともおかしなことになっていた。
「お前……っ」
 暫くの間子供の姿をじっと見つめていたロイは、次の瞬間クスクスと笑い出す。泡を洗い流してやったお礼なのだろうが、可愛らしい姿にロイは胸がほわりと暖かくなるのを止めることができなかった。
「よし、お前のことは今日からハボックと呼ぼう」
 ロイは楽しそうに言うとキョトンと目を丸くする子供の金色の髪をくしゃくしゃとかき混ぜた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もとっても嬉しいですvv

「暗獣」でーす。やっとハボック出てきました(笑)イメージとしては大好きな某ステキ様の仔犬ハボなんですが(苦笑)脳内妄想だからすみません、勘弁して下さいってことで見逃してやって下さいー。

でもって、更新間に合いません〜(苦)昨日までに「霧屋」と「暗獣」は書いてたんですが「パナケイア」がどうにも間に合わないorz エロなら早く書けるかなと方向転換して書き始めたのですがそれでも間に合わーん!やっぱダンナに話しかけられると妙な事口走りそうで書けん(爆)仕方ないので今日はお休みして火曜日に「霧屋」と書きかけのエロネタアップします。すみません〜(汗)

以下、8、10日拍手お返事です。

蒼さま

PハボックのP……。コメント読んでたらなんか色々妄想が(爆)いつも私の萌え心を刺激してくれてありがとうvハボック雑貨店への志望動機……そんなもの口にしたら瞬く間に大佐に消し炭にされそうです(笑)

ROROさま

お久しぶりです〜〜ッ!お元気でしたか?冊子貰って頂いてありがとうございますv楽しんで頂けたみたいですっごく嬉しいですvそれだけでも嬉しいのに、え?お話をモチーフに絵を描いて頂けるんですか??キャーーーーッ!!迷惑だなんてとんでもないッ!!こちらからお願いして描いて頂きたいですよぅッ!!お時間ある時で構いませんので是非是非お願いしますvわーい、嬉しいv見せて頂ける&宝部屋に飾らせて頂けるのを楽しみに待ってますvv
2011年06月11日(土)   No.63 (カプなし)

六月八日
ロイハボ風味

「ハボック、今年のロイハボの日はなにをしてくれるんだ?」
 執務室にコーヒーを持っていけばそんな事を言い出すロイにハボックは目を丸くする。なにを言ってくれるだろうと期待に瞳を輝かせるロイの様子を見れば、ハボックの肩が知らずがっくりと落ちた。
「なにを期待してるのか知らないっスけど、オレ、六月八日は忙しいっスから」
「忙しい?こんな大切な日になにを忙しいというんだ」
 思い切り不満そうなロイにハボックはため息をつく。
「この間書類回したっしょ?新兵集めて大がかりな演習組むって、アンタ、判子押したじゃないっスか」
「そう言えばそんな書類あったような……」
 日々大量の決裁書類に忙殺されるロイだ。正直時々意識が朦朧としながらサインしているときがないとはいえない。
「朝から晩まで一日がかりで演習。その後は隊長で集まってその日の反省と個々の隊員の検討。忙しいんスよ、マジで」
「なにも六月八日にやらなくてもいいんじゃないか?」
「書類に承認の判子押したの大佐っしょ」
「う」
 押した記憶がないとはいえそう言われてしまえば返す言葉がない。ハボックは忌々しげに眉を顰めるロイを見下ろして言った。
「そんなわけっスから、つまんない期待しないでください。下手すりゃその日は司令部泊まるかもしれないし」
「なんだとっ」
 大事な記念日に一緒に過ごせないどころか家にも帰らないかもと言われてロイは椅子を蹴立てて立ち上がる。そのあまりの勢いに一瞬ギョッとしながらも、ハボックはきっぱりと言った。
「今年のロイハボの日はなんもなし!あ、幾ら何でもそれじゃ可哀想だから前の日にケーキくらい作っておいてあげます。八日はそれでも食べてください」
 せっかくの日に一人淋しくケーキを食えと言うのかとロイは恨みがましくハボックを見つめたが、ふと思いついて言った。
「雨だったら……雨だったらどうするんだ?」
「え?」
「雨でも予定通り演習をやるのか?」
 そう聞かれてハボックは小首を傾げる。書類に記された予定を思い出して答えた。
「いや、今回は新兵の訓練なんで雨天の場合は一週間先に延ばします」
「だったら雨ならお前は逆に暇ということだな?」
「まあ……その日は演習のために他の予定入れてないっスから」
 嘘をつくわけにもいかずハボックは渋々と答える。だが、今朝見た週間天気予報では六月八日は晴れ時々曇りだったのをハボックは思い出した。
「でも、その日は晴れって予報っスから」
 ハボックは言ってロイを見る。
「ケーキは作りますよ、じゃあ」
「……ああ」
 じっと見つめてくる黒曜石から逃げるように、仕事があるからと言ってハボックはそそくさと執務室を後にした。

 そして六月八日。
「うそ……晴れって予報だったじゃん」
 朝起きて窓を開けたハボックは、しとしとと降りしきる雨を見て目を瞠る。次から次へと絶え間なく降ってくる雨を呆然として見つめていたハボックは、背後から聞こえた声にギクリと身を強張らせた。
「どうやら雨のようだな」
「大佐」
「演習は延期だ。そうだろう?」
「はは……まあ、そうっスね……」
 ひきつった笑いを浮かべるハボックにロイは歩み寄る。思わず窓枠から落ちそうなほど後ずさるハボックを、ロイはグイと引き寄せて窓に手を伸ばした。
「せっかくやる気満々だったのに、残念だったな。まぁ、一週間後は今日の分も晴れるだろうさ」
 ロイは窓を閉めて言う。顔をひきつらせるハボックを見つめて続けた。
「昨日作ってくれたケーキは司令部に持っていこう。みんなにお祝いのお裾分けをするのもいいな。ああ、中尉は出張中でいないが」
「そっ、そうっスねッ」
 こんな大事なときに唯一ロイの暴走を止められる人物の不在が思い出されて、ハボックは泣きたい気分になる。
「さて、ハボック。今日はなにをして過ごそうか」
“なに”と言う言葉のアクセントが微妙に違って聞こえたのは気のせいだろうか。
(なんでオレ、この人のこと好きなんだろ……)
 ハボックは自分に激しく問いかけながら、長い一日を前にがっくりと肩を落としたのだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手もとってもとっても嬉しいですvv

ロイの一念岩をも通す……ちょっと違うか?(笑)もしかしたらチョイチョイと気圧くらい弄ってそうな気がしなくもないですが(苦笑)きっと今日はみんなにケーキ分けた後、執務室にこもって生クリームプレイにふけるかと思われ(爆)いや、いい加減ネタがないなぁと、去年はなに書いたっけと思わず確かめたりしてたんですが。
実は今度の日曜は息子の運動会でしてね、今日は晴れたら午前中四時間予行練習だったんですよ。当然授業は潰れるので、月曜の理科の実験結果のレポート「来週の月曜提出だ。ラッキー」なんて言ってた息子だったんですが……。雨だよ(爆)昨日の天気予報、あんまりちゃんと見た記憶がないんですが(週末の天気ばかり気になってたから)昨日のうちから今日は雨だったのかしら。朝起きたら外が濡れてたので五時過ぎに息子を起こし、「雨降ってるけど、レポート書いたの?」と聞いたら「うそ、マジっ?やってねぇよッ!!」って慌てて飛び起きてました。「実験結果書いたの、学校起きっぱなしだ」って、アンタそれ、油断しすぎだろう!「なにやったけなぁ…」って記憶で粗方纏め、「細かい数字は学校で書けばオッケ!」ってもの凄いやっつけ仕事でレポートを書き、英語の予習もやってました(苦笑)日々の平常点大きいからなぁ。まあ、梅雨時に週間予報信じきって油断してるのが自業自得。おかげで母はネタ貰ったけどね(酷い)ありがとう、息子!(爆)

以下、拍手お返事です。

風汰さま

ええと、アドレスの件ですが、以前教えて頂いたメアドにメールしたんですが unknown で戻ってきてしまいます。お手数ですが一度メールフォームからメール頂けますか?そうしたらそのアドレス宛にこちらからご連絡させて頂きますので。よろしくお願いいたします。

柚木さま

ありがとうございます。続きも楽しんでいただけるよう、頑張りますv

蒼さま

あはは、うちのサイトじゃブレダは永遠の親友なので大丈夫です(笑)私もハボは体柔らかい、ロイは堅い派です。アクロバティックな体位……思わず48手、見ちゃいましたよ、ハボにヤらせる気か、自分!(爆)でも、文章じゃ表現仕切れないなぁ(そこか!)ハボック雑貨店で求人!!!もう、ウケてニヤニヤしちゃいました。もし本当に求人があったら、私が給料払ってでも雇って貰うって思いました(笑)セントラル支店、ロイなら作っちゃいそうですよねぇ。ものっ凄い繁盛しそうだけど、ロイが睨みきかせてて客が入れなかったりして(笑)

押川さま

無事、本到着の由、安心しました。お楽しみ頂けましたら嬉しいですv「暗獣」宮崎アニメ!うわ、そんな風にかけたらいいなと思います。まだ暫く続きますのでよろしくおつきあいください。

ゆきのんさま

本、無事に届いて安心しました。ボリューム、二年分だから(笑)胸焼け起こさないで楽しんで頂けたら嬉しいですv

菜ノ花さま

本、無事に届いてよかったです。せっかくお届けするのだから綺麗な状態でときっちり梱包してます。それにほら、包装綺麗だとちょっとは立派に見えるし(爆)お楽しみ頂けたら嬉しいですv

葉月さま

ハボックーーーーーッッ!!もう、絶対公開初日に行かなきゃって決意を新たにいたしました(笑)情報ありがとうございますv本、明日には発送できると思います。発送したらご連絡いたしますねv
2011年06月08日(水)   No.62 (ロイハボ)

暗獣2
「これはどこに置きます?」
「それは一階の書斎に運んでくれ」
 ロイの言葉に男は本がいっぱいに詰まった段ボール箱を抱えて家の中に入っていく。引っ越し業者の男達はロイの指示に従って荷物を次々と運び込んでいった。荷物といっても殆どが本を詰め込んだ箱だ。さほど時間もかからず男達は荷物を運び込んでロイから手間賃を受け取り帰っていった。
「めんどくさいが片づけんわけにいかんな」
 本はともかく生活に必要なものを広げておかないわけにはいかない。ロイは一つため息をつくとキッチンに入り運び込まれた箱を開けた。必要最低限として持っている鍋や皿を取り出しながらふとテーブルに視線を向けたロイが目を細めた。
 今朝、目覚めてキッチンに降りてきたロイは夕べテーブルに置いておいたクッキーがなくなっていることに気づいた。確かに誰かがこの家にいるのだ。不動産屋の男に言えば「出た」と怯えるかもしれないが、ロイはむしろ楽しんでいた。
「毎日クッキーをおいておいたら懐くかな」
 ロイは楽しそうにそう呟きながら荷物を片づけていった。

 あと少しで一段落というところまできて、ロイはやれやれと伸びをする。窓の外へ目をやれば青く晴れ渡った空が見えて、ロイは気分転換に庭へと出た。
「なんだか好きなものを植えていったといった感じだな」
 様々な種類の木が一本ずつ植えられた庭は、売買の為の最低限の手入れしかされていないこともあって雑然としてまとまりがない。それでも青々と茂った葉はそれだけで涼しげでロイは木々の間をゆっくりと歩いていった。
「スモークツリー」
 不意に目に入った木を見上げてロイはそう呟いた。三メートルほどの樹木にはふわふわとしたピンク色の綿飴のような塊がいくつもついている。ロイはちょうど目の前にある塊を指でつついた。
「ふふ、可愛らしいな」
 ピンクに霞む塊は何となく心をうきうきさせる。青い空にふわりと浮かんでいるように見えるピンクの雲を見上げたロイは、楽しい気分で家へと戻って行った。

「さて、あと広げておいた方がいいものは……」
 家に戻り本以外の残りの荷物を広げたところでロイはそう呟く。二階の寝室に上がり一つだけ残っていた小さなトランクを開けた。トランクの中はビロードのクッションが張り付けてあり衝撃を和らげる構造になっている。ロイはその中から小さな時計を取り出した。文字盤の下に天使の飾りがついたそれをそっとベッドサイドのテーブルに置く。時計の針の動きにあわせて天使たちがくるくると動くのを目を細めて見たロイは、時計の針がとっくに昼を過ぎている事に気づいた。
「そういえば腹が減ったな」
 一人きりの気安さでついつい食事の時間をわすれそうになる。ロイはキッチンに降りると、昨日と同じスープの缶詰を引っ張りだした。
「食い物も買いに行かないと……」
 特にこだわりはないものの、いつまでも貰いもののスープとクッキーを食べるわけにもいかない。それでもとりあえず腹を満たそうと夕べと同じようにして温めたスープを鍋のままテーブルに運んだ。そうすれば。
 ササーッと目の前を小さな影がよぎる。目を細めてロイは影が飛び込んだ棚を見つめて楽しそうに言った。
「クッキーは気に入ったか?」
 そう話しかけたが、棚の後ろから何かが姿を現す気配はない。ロイは構わずスープを口に運びながら続けた。
「出てきて一緒に食べないか?」
 そう言って影が出てくるのを待ったが、やはり何かが出てくる様子はなかった。
(まあ、焦る必要はないか)
 この家には住み始めたばかりなのだ。ロイはスープを平らげると夕べと同じように星形のクッキーを二つ、テーブルに置いてキッチンを出た。

 食事を済ませたロイは買い出しに街へ出る。食料品店に入り、野菜や肉、牛乳といった生鮮食品を買い込んだロイは、クッキー缶が積んであることに気づいた。見本を見ればどうやら色んな動物の形をしたクッキーが詰め合わされているらしい。
(気に入るかな)
 ロイはまだ姿を見せてくれない同居人のことを思い浮かべ、レジで支払いを済ませると家に持って帰った。

 次の日も、その次の日も影はロイの様子を伺うようにサササとロイの視界の隅をすり抜けていく。テーブルに置いたクッキーが両手の数では足りなくなった頃、ちょっとした事件が起きた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、意欲貰ってます〜、嬉しいですv

【ロイハボでGО!更新のご案内】
「遠い夏」に「デッドエンド2」みつき分アップしました。オーガスタとの続きを期待した方、ごめんなさい(爆)

「暗獣」ふたつめです。まだハボック出てこないよ(爆)次には出てくるはずー(苦笑)しかし、この「暗獣」といいリレーと言い、書きたいものが多くて困ります。煽られて「金剛石ロイハボ版」の続きなんかも書いてたりするっていう……どこにアップするんだよ、どこに(爆)他に幾つかあるし、徹底的に時間が足りません(苦)なにが最大の敵かっていうと果てしない睡魔ですね。ポメラを前にすると眠くなるこの体質を何とかしたい……。誰か私に一日36時間と眠くならない体を下さい〜(苦笑)

以下、拍手お返事です。

J.A.さま

修正ありがとうございますー、お忙しいのにお願いしちゃってすみません(汗)「金剛石」用意が出来次第発送しますね、今少しお待ち下さい。更新、楽しみにしてますvv

風汰さま

そちらからのメッセージは私しか読めませんので大丈夫です。お返事は公開されちゃいますが(苦笑)のちほど風汰さまのメアドに送って頂きたいメアド送りますね。お手数掛けてごめんなさい。

蒼さま

大型犬はそんな病気があるんですね。ハボック、大型犬……でも痛いのは股関節ではなくて後ろのあn…ゲホゲホ(殴)ハボックの日か…。でもその前にロイハボの日があるじゃん!ネタネタ(笑)まあ、履歴書に書く欄あるからねぇ。いい結果が出ますように!

りょうさま

わぁい、コメントありがとうございますvニコ動!早速行って参りました!そうか、こんなのだったんだ(笑)思わずニヤニヤしながら見ちゃいました。教えて下さってありがとうございますvりょうさま、褒めても何も出ないですよ〜、私が調子に乗るだけです(笑)でも、そんな風に言って頂けると嬉しいですー!これからも頑張りますvv「暗獣」は、うん。多分その大きさだと思います(笑)多分次回はっきりする予定(苦笑)拍手も楽しんで頂けて嬉しいですv

葉月さま

いやもう、お早い対処をありがとうございます!私の方こそ今更ながらのご連絡で(苦)ふふふ、やっぱりバナナネタは落ち着くところに落ち着きますね(笑)自重などなさらず、もしご迷惑でなければ是非申し込んでやって下さいませ。読んで下さる方がいるのが一番嬉しいのでv「教えてロイ教官」は見てなかったのですが、ニコ動でアップされてると聞いて早速行って参りました!ロイの顔が(笑)思わずニヤニヤしながら見てしまいましたv絵チャ、最近体力がないのでどうなるか判りませんが、ちょっとだけでも行けたらと思いますーv
2011年06月06日(月)   No.61 (カプなし)

暗獣1
「本当にここでいいんですかい?」
 と、ロイを案内した不動産屋の男が尋ねる。ロイは大きな古びた屋敷を見上げて頷いた。
「ああ、ここは静かで落ち着けそうだ」
「まあ、静かっちゃ静かだけど……出るって噂もあるんだよ?」
 男はそう言って身を震わせる。それでも屋敷を見上げて満足そうな笑みを浮かべているロイを見て、ため息をついた。
「旦那がいいって言うなら止めませんけどね。鍵はこれです。中見て、やっぱりやめるっていうならそれでも構わないから」
 全く買い手のない物件を押しつけるどころか、見て嫌ならやめてもいいとまで言う良心的な男にロイは笑って言った。
「やめるなんて事はないよ。契約の内容はさっき話したとおりでいいから、書類を作って後で持ってきてくれ」
「判りました」
 男はロイに鍵を渡して肩を竦める。
「まあ、うちとしちゃ大助かりだよ、旦那。それじゃあ」
「ああ」
 そう言って立ち去る男の背を少しの間見送ったロイは、建物を振り返ると古びた門を開いた。そうして短いステップを上がり大きな厳つい扉に不動産屋から受け取った鍵を差し込む。ギィと軋んだ音を立てて開いた扉から、ロイは中へと足を踏み入れた。

 長いこと誰も住むことのなかった家はひんやりと静まり返っている。うっすらと埃の積もる廊下をロイはゆっくりと歩いていった。カーテンのない大きな窓から射し込む光にロイの足下から舞い上がった埃がきらきらと反射してまたゆっくりと床に落ちていく。ロイは古い瀬戸物のバスタブがおかれた浴室を覗き、年代もののオーブンと大きなコンロが並ぶキッチンを覗き、そうして二階へと上がっていった。左右に二部屋ずつ並ぶその一番奥の部屋の扉を開けて中へはいる。大きな窓を開ければ最低限手入れされていると言えるような庭が見下ろせた。
「いいじゃないか」
 ロイは満足げに呟いて窓から身を乗り出すようにして空を見上げる。久しぶりに身の内の空気を入れ換えるのを家が喜んでいるかのように、ロイの脇をすり抜けて初夏の風が家の中を吹き抜けていった。

 午後になって不動産屋の男が持ってきた書類にサインをしロイが正式にこの家の主になりはしたものの、まだ荷物は届いておらずロイはほぼ身一つの状況だった。
「旦那、よかったらこれ。腹の足しくらいにはなるでしょう」
 そんなロイに男は貰いものだといってスープや魚の缶詰とクッキーを差し出す。
「すまんな、助かるよ」
「うちもこんな曰く付きのぼろ屋にあんなに金出して貰ってすごく助かったから。なにかあったら声かけて下さい」
 そう言って帰っていく男を礼の言葉と共に見送ったロイは、二階の部屋の窓際に椅子を引っ張りだして本を広げた。吹き込む風に髪を嬲らせながらロイは瞬く間に本の世界に没頭する。気がつけば辺りはだいぶ薄暗くなり、ロイは腹の虫が訴える声で時間の経過に気づいた。
「そろそろ飯にするか」
 ロイはそう独り言つと立ち上がって伸びをする。階下に降りてキッチンの明かりをつけ、スープの缶詰を手に取った。
「……使えないことはないな」
 ロイはキッチンの戸棚の中に置き去りにされていた鍋を取り出しそう呟く。水を使って気持ちだけ洗うとスープを開けて温めた。コトコトという音と共に部屋の中にいい匂いが漂う。焦げ付かないようこれまた抽斗に残っていたスプーンで鍋をかき混ぜていたロイは、視界の隅を横切った影に気づいて手を止めた。
「…………?」
 どこからか猫でも入り込んだのだろうか。ロイはそう思って鍋の火を止める。影がいた方に歩いていくと戸棚の陰を覗き込んだ。
「……気のせいか?」
 覗いたそこには昏い闇があるばかりで生き物の姿はない。ロイは首を捻ったものの自分の思い違いかとコンロの前に戻った。だが。
「…………」
 やはり同じように視界の隅を掠めるものの気配にロイは後ろを振り向く。どうやらロイが背を向けている間だけ動いているらしいそれに、ロイは腕を組んでため息をついた。
「いるなら出てこい」
 なにがいるのか、いたとして言葉が通じるのか判らないもののロイはそう口にする。だが、少し待っても姿を現さないのを見て、ロイはもう一つため息をついた。
「まあ、いい」
 ロイは呟いてもういい加減温まったスープを鍋ごと持ってテーブルについた。
「いただきます」
 行儀よくそう言ってロイはクッキーをスープにつけて口に運ぶ。スープの熱さにはふはふと息を吐き出しながら三分の二ほども食べたところで、ロイの目の前をササーッと影が横切った。
「…………腹を空かしているのか?出てくれば分けてやるぞ」
 ロイは影が飛び込んだオーブンの向こうに向かってそう声をかける。だが、やはり出てくる気配のないそれにため息をつくと鍋に残ったスープを平らげてしまった。
「出てこないお前が悪いんだぞ」
 誰にともなくそう言ってロイは鍋をシンクに入れる。水を張って二階へ行こうとしたロイは、少し考えてハート型のクッキーを二つテーブルの上においた。
「おやすみ」
 そうして小さく呟くと、ロイはキッチンの明かりを消して出ていった。
 シンと静まり返ったキッチンにこそこそと小さな影が現れる。影は椅子によじ登るとテーブルに置かれたクッキーを掴み、そうしてサササと闇の中に戻っていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですvv

先日水瀬さんとおしゃべりしてたら「可愛くて哀しくて泣けた」といって教えて下さった本がありましてね。あらすじ聞かせてくれたんですが、あらすじだけでちょっと半泣きになりました〜。んで、早速妄想してみた(笑)ロイがくろすけとか、老夫婦がヒューズ夫妻とかいう話もあったんだけど、ここはやっぱり、ねv(笑)一話で終わるつもりだったんですが無理だった(苦笑)そんなわけでちょっぴり連載。いや本当は滞っている他の日記連載をやろうかとも思ったんですが、書くためにはどれも読み返さないと判んないもんで(爆)そんなわけでとりあえず自分の中で今熱いものを書いてみました。念の為、原作は読んでません。あらすじ聞いての妄想なので、その辺はご了承のうえお付き合い下さいませ。

そうそう、明日の更新ですが間に合わないかもですorz なんか色々やってたら時間足りなくなっちゃった(汗)今日もこれから父の手術で横浜まで行かなきゃだし。手術自体は局部麻酔のヘルニア手術なので簡単らしいのですが、やはり母一人立ち会わせるわけにはいかないので。そんなわけでよろしくお願いします。

以下、拍手お返事です。

菜ノ花さま

わーい、引き続きのコメントありがとうございます!いえいえ、私の方こそコメント頂けると物凄く嬉しいのでv「レヴィアタン」楽しんで頂けましたか?嬉しいですーvすれ違い、美味しいですよね!うちではかなりブレダ率が高いと思います。ブレダの立ち位置がすきなもので(笑)「金剛石」のお申込みもありがとうございます。お楽しみ頂けたら嬉しいですv

風汰さま

お久しぶりですーvおお、絵、出来上がったのですか!わーいvそれは一刻も早くうちの宝部屋へ!(笑)以前お知らせしたヤフーのアドレスに送って頂けたらと思います。忘れちゃったよと言うことでしたら改めてご連絡しますので。お宝拝見出来るのを心待ちにしてますv

金剛石届きました の方

おお、無事お手元に到着、安心しました。どう思われるかちょっとドキドキしますが、お楽しみ頂けましたら嬉しいですv
2011年06月03日(金)   No.60 (カプなし)

6月1日
「大佐ッ!この書類に至急サイン───」
「ブッブー!やり直しだ、ハボック」
「へ?」
 バンッとノックもそこそこに執務室の扉を開けると同時にロイに向かって書類を突き出したハボックは、ロイの言葉に目を丸くする。まだ目を通してもいない書類のどこに不備があるというのだと首を傾げるハボックにロイはふんぞり返って言った。
「きちんとノックをして私の返事を待ってから入れ」
「えーっ、いつもそんなこと言わないじゃないっスか!」
 この書類急ぎなんスよ!と喚くハボックにロイはフンと顎を突き出した。
「今日の私は何事もきちんとしたい気分なんだ。何せ今日は私の日だからな!」
 そう言われてハボックは「うー」と唸ったものの仕方なしに執務室の外へ出る。ドンドンッと扉を叩いたがロイの応(いら)えは返ってこず、ハボックは眉を顰めて扉を少し開けた。
「大佐?入ってもいいっスか?」
「ハボック、お前もう少しスマートに扉を叩けんのか?普通ノックは“コンコン”だろう?」
「はあっ?別にノックの音なんてどうでもいいじゃないっスか」
 早くサインと足踏みするハボックをロイはジロリと睨む。
「ハボック」
「……判りましたよッ!」
 ハボックは仕方なしに扉を閉めると出来るだけ優しくノックした。
「入れ」
「……失礼します」
 ハボックは用心して書類をすぐには突き出さずいつになくそろそろと中へ入る。ロイの前に立つと至極丁寧な手つきで書類を出して言った。
「大佐、この書類にサインお願いします」
「うむ」
 ロイは書類を受け取り目を通してサインを認(したた)める。ハボックに書類を返しながら言った。
「やれば出来るじゃないか。いつもこの調子で頼みたいものだな」
「はあ」
 なんで今更と思いつつハボックは曖昧に頷く。途端にジロリと見上げてくる黒曜石にハボックは慌ててピッと敬礼した。
「以後、気をつけます、サー!」
 ハボックは書類を受け取るときびきびとした動作で執務室を出る。扉を閉めると同時にハアアとため息をついた。
「もう、サインくらいさっさとしてくれればいいのに」
 疲れきってがっくりと肩を落とすハボックを見てブレダが言う。
「それくらいならいいじゃねぇか。俺なんて肩凝ってサインが出来なからって肩揉まされたぜ」
「僕はスタミナ切れだってケーキ買いに行かされましたよ!しかもお代は僕持ちで!」
 給料日前なのにとフュリーが嘆けばファルマンが言った。
「ロイの日だかなんだか知りませんが、たまりませんな」
「冗談じゃねぇよ。サイン貰いに行くたびぐちゃぐちゃ言われんの?」
「俺は按摩じゃねぇ」
「ケーキ代返して欲しいです!」
 口々に文句を言うものの流石にそれを直接ロイに言う勇気は誰にもない。誰からともなく一人静かに書類をめくる司令部最強の女性に目をやれば、ホークアイが言った。
「好きにさせたらいいわ」
「えーっ、でも、中尉!」
 ぎゃあぎゃあと苦情を並べ立てる男どもにホークアイが平然として言う。
「どうせ今日一日のことですもの、夢を見させてあげましょう。明日になったら今日の分もみっちり働いて貰えばいいだけのことだし」
 にっこりと最上の笑みを浮かべるホークアイにハボック達がひきつった笑みを浮かべた頃。
「ロイの日とはいい日だなぁ。今日は早めにあがってハボックに旨い飯でも作らせよう。ああ、その前にみんなからお祝いのケーキを一つずつ……」
 明日になればやってくる地獄を知らずに、一人幸せに浸るロイだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、励まされてます、嬉しいですv

「金剛石」30日までにお申し込み頂いた方の分をメール便手配して参りました。近日中にお手元に届くと思われますのでよろしくお受け取りください。お問い合わせ番号をお知りになりたい方はご連絡頂ければお知らせします。31日以降にお申し込み頂いた方の分は、発送いたしましたら個別にメールでご連絡します。

今日はロイの日だったんですねー。某様に言われるまですっかり忘れてました(苦笑)もう5年目にもなるといい加減ネタが浮かばない(苦)しょうもない話ですみません(汗)
しかし、6月だと言うのに東京気温4月並み。寒いですorz

以下、拍手お返事です。

蒼さま

色んな記念日あるんですね。「虫歯予防デー」は知ってましたよ。昔祖母の誕生日をそれで覚えてたんで(笑)12日「恋人の日」?何で?(笑)某様宅の子ハボ。健全すぎてエロと結びつきませんが(笑)あの子はお日様の下が似合うv子ハボク可愛いっスーv一匹欲しい〜〜vv
2011年06月01日(水)   No.59 (カプなし)

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