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2021年06月の日記

2021年06月08日(火)
ロイハボの日8

ロイハボの日8
「早くしろッ、どこだ、その店はッ!?」
 ロイは前を歩くレニの大柄な体をど突く。突き飛ばされてよたよたと数歩歩いたレニは丁度差し掛かった路地を指さして言った。
「この先です、もうすぐですから殴らんでください……ッ」
 ビクビクと震えながら言うレニを、だがロイは容赦なく殴りつけた。その秀麗な顔に似合わない強烈なパンチによろめいたレニは、半泣きになりながら足を早める。ロイは苛々としながらその大柄な背を追った。
 本当なら全速力でハボックの下へ駆けつけたい。だが、あまり柄のよくないこの界隈に詳しくないロイは怯えて要領を得ない説明を繰り返すレニにキレて、殴り倒したレニの大きな体を引きずり起こしど突きながら漸くここまでやってきたのだった。
「もしハボックの身に何かあってみろ、お前もお前の仲間も消し炭にしてやる……ッ!」
 低い、だがよく通る声でそう告げるロイにレニは震え上がる。レニはもつれる足を必死に動かして路地の奥へと進んだ。
「あ、あの店ですッ!あの店の奥の個室で薬入りの酒飲ませて、み、みんなで……ッ」
「薬、だと?」
「逃げられないように薬入りの酒、飲ますんです────あっ、そんなに変な薬じゃないですよッ、ちょーっと体の力が抜けるっていうか、動けなくなるだけで……ッ」
「十分変な薬だろうッ!」
 ロイは言い訳がましい言葉を連ねるレニの顔を思い切り殴る。体重を乗せたパンチに吹っ飛んで、路地に積まれた木箱に突っ込むレニをそのままに、ロイは教えられた店の扉に向かって走った。
「薬だとッ?!ふざけやがってッ!」
 普段のハボックであればチンピラの五人や十人相手にしたところで何の苦もなくぶちのめせるだろう。だが、薬で体の自由を奪われたのだとしたら。
 ロイは頭に浮かんだ嫌な考えを吹き飛ばすようにたどり着いた扉を開ける。叩きつけられるように開かれた扉にギョッとして振り向いた店員が声を上げるよりも先に、ロイはドカドカと店の中へ駆け込んだ。
「ちょ……ッ、なんなんだ、一体?!」
 慌てて駆け寄ったもののロイの黒曜石にジロリと睨まれて、店員は口を噤む。店員の背後に扉を見つけて、ロイは目を細めた。
「あそこかッ」
 ドンッと店員を突き飛ばしロイは扉に駆け寄りながら隠しに手をやる。取り出した手袋を填める動作の流れのまま手を突き出すと指をすり合わせた。

 ヨアヒムとニコラスに腕を左右から押さえ込まれたハボックは何とか逃れようとしてもがく。それをあざ笑うように脚を抱え込んだキースが、熱く滾った塊をジェルに濡れた蕾に押し当てた。
「もう観念して素直になれって。ぶち込まれたくて堪んねぇんだろ、ホントは。へへ、ピクピク動いてるぜ、アンタのココ」
 下卑た笑いを浮かべた唇を舌で舐めてキースが言う。恐怖に見開く空色を見下ろしてハアハアと荒い息を零すキースに、ニコラスが焦れて言った。
「おい、さっさとしろよッ!後がつかえてんだ、とっとと突っ込まねぇなら代われッ!」
「待てよ、この怯えた顔見ながら突っ込むのがいいんだよ……さぁ、今挿れてやるからなあ……」
 クツクツと笑うキースがグイと腰を突き出す。熱く濡れた凶暴な切っ先がヌチと嫌な音をたてて慎ましやかな蕾を押し開こうとする感触に、ハボックは涙に濡れた瞳を見開いた。
「やだ……ッ!嫌だァッッ!!」
 ハボックの唇から拒絶の言葉が迸った、その瞬間。
 ドオオンッッ!!と轟音と共に部屋の扉が吹き飛ぶ。吹き飛んだ扉がテーブルの上のグラスをなぎ倒すのを見たキースたちは、扉がなくなった入口に立つ男に目をやった。
「な、なんだ、てめぇッ?!」
「お前、どうやってドアを……?!」
「おいっ、どうなってんだ?!ウル!こっちに来させんなッ!」
 口々にわめき立てる男たちをロイはジロリと睨む。その視線の苛烈さに一瞬怯んだ男たちだったが、次の瞬間大声で叫んだ。
「てめぇ、勝手に入ってくんじゃねぇよッ!ここはメンバー限定だッ!」
「そうだぜ、折角仲間で楽しんでんだから邪魔すんじゃねぇ!」
「それともアンタも混ぜて欲しいってか?それでもいいぜ、結構スキモノそうだからよ、コイツ」
 ハボックの脚を抱えたままキースが下卑た笑いを浮かべる。
「俺たちが楽しんだ後だったら回してやっても構わねぇよ?とりあえずはそこで見てな、まずは俺のイチモツで──」
 ヒヒッと笑って押し当てた楔を突き入れようとすれば、押さえ込まれたハボックの唇から掠れた悲鳴が上がる。「たいさ」と助けを求めたハボックの涙混じりの声が聞こえた瞬間、ロイのパンチがキースの頬に炸裂していた。
「グハッッ!!」
 強烈なパンチに壁まで吹き飛んでイチモツを曝け出した情けない格好でのびたキースを目を丸くして見やったヨアヒムに振り向く暇も与えず、ロイはヨアヒムの後頭部に回し蹴りを叩きつける。悲鳴も上げられないまま仲間が昏倒するのを呆然と見ていたニコラスは、ヨアヒムを蹴り倒した勢いのまま迫ってくるロイに、慌てて押さえ込んでいたハボックの腕を引き上げ盾にした。
「待てッ!待ってくれッ!」
 ハボックの体を抱え込んでニコラスは声を張り上げる。ハボックを盾にされて一瞬動きの止まったロイを見上げて、ニコラスはへらりと笑った。
「コイツ、アンタの知り合いだったのか?わ、悪かったよ、俺たちも酒が入ってちょっと悪のりしちまって……。ほら、返す、返すから!まだなんもしてねぇ、キースが突っ込みかけたけど、入口突っついただけだからッ!少なくとも俺はまだなんもしてねぇからッ!なッ?」
 一気にまくし立ててニコラスはハボックの体を押しやる。ドンと押されてふらりと傾ぐ体を受け止めて、ロイはニコラスを睨んだ。
「悪のりして薬の入った酒を飲ますのか?自由を奪って嬲り物にするのを『仲間で楽しむ』──だと?」
「あ、いや、それはそのちょっとした行き違いが──」
 慌てて顔の前で両手を振るニコラスにそれ以上の言い訳を許さず、ロイは発火布を填めた指をすり合わせる。次の瞬間サラリとした黒髪が燃え上がって、ニコラスは悲鳴を上げて燃える髪を必死に叩いた。
「下衆が……ッ」
 短くロイが吐き捨てた時、腕の中のハボックが身じろぐ。ハッとして剥き出しの肩を掴めば、ハボックが弱々しくロイを押し返した。
「や……ッ、ヤダ……ッ!たすけて、たいさ……ッ」
「ハボック、しっかりしろ!私だ、もう大丈夫だ!」
 耳元で聞こえる声に、もがいていたハボックの動きが止まる。目を開ければ目の前にあるロイの顔に、ハボックの瞳が大きく見開いた。
「……たい、さ?」
「ああ、もう大丈夫だ。遅くなってすまなかった」
「たいさ……たいさ──ッッ!!」
 頷けばボロボロと涙を零してしがみついてくるハボックの体を、強く抱き返してロイは漸くホッと息を吐いた。


決して怒らせてはならぬ御方を激怒させてしもうた(byハクロウ)
ってなわけで、いえーい、ロイハボの日ですよ、みなさん!怒れる大佐、漸く姫君奪還ですー!パチパチパチ〜v いやー、長かった〜、何年越し?(笑)とりあえずこれで一息……って、この後大事なお清めエッチですねっ!つか、これが一番大事なところ?(笑)流石に一気に書き上げたい……うん、頑張りまっする〜!
そうそう、今回登場するモブキャラたちの名前はPS2のRPG「シャドウハーツ」から拝借しています。いや〜、めっちゃ好きなんですよ、このゲーム。今でもたま〜にPS2引っ張り出してやってみたり。流石に画質はアレですが、ストーリーもゲームシステムもめっちゃ好きv できることなら新しいハード用に焼き直してほしいけど、これ作ったゲーム会社、解散しちゃってもうないみたいなんですよね〜。どっか権利を買い取って作ってくれないかなぁ。と、書いていたらまたぞろやりたくなってきました(笑)
ゲーム、今はSwitchの「ゼルダ無双」やってます。とりあえずクリアしてクリア後要素をやっているところなんですが、操作可能キャラが増えない……。息子によるとあと三人いるはずなんですが、ちっとも出てこないんだよなぁ。やっぱ全員ちゃんと強化しないとダメなのかしらん。素材もルピーも全然足りないんだが(苦)そろそろ次の「天穂のサクナヒメ」やりたいな〜。これ、キャッチフレーズが「米は力だ!」って、主人公育てるために米作りするんですよ。しかもハンパなく本格的に。ゼルダも楽しいけどそろそろ次のゲームに移りたい。あ、でもその前にロイハボロイハボv 頑張ります(笑)
2021年06月08日(火)   No.522 (ロイハボ)

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  Photo by 空色地図

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