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2014年04月の日記

2014年04月30日(水)
黒スグリ姫5
2014年04月26日(土)
黒スグリ姫4
2014年04月19日(土)
桜さくら
2014年04月17日(木)
新・暗獣48
2014年04月11日(金)
黒スグリ姫3
2014年04月07日(月)
黒スグリ姫2
2014年04月05日(土)
祝!60万!
2014年04月02日(水)
やっぱり髭騎士
2014年04月01日(火)
今日からは髭受けサイトです

黒スグリ姫5
ロイハボ風味

「あんのクソ髭ッ!」
 ロイはカッカと頭から湯気を立ち上らせてバンッと乱暴に扉を閉める。ドカドカと足音も荒くリビングに戻ってくれば、ソファーに座るハボックと目があった。
「――――」
 ロイは無言のまま暫くハボックを見つめたが、フイと顔を背けるとなにも言わずに本を拾い上げドサリとソファーに腰を下ろした。そうすれば目を向けずともハボックが身を強張らせたのが判る。それでもロイは無言のまま口を開かなかった。
(くそ……ッ、ヒューズの阿呆のせいだッ)
 賑やかなヒューズが帰ってしまえば二人の間は気まずい空気が支配するばかりだ。普段のロイであれば気の利いた言葉が幾らでも出てくるのにどうしてだか今日に限って一言も出てこない。ムスッと押し黙ったまま全く頭に入ってこない文字の群れを目で辿っていれば、ハボックの声が聞こえた。
「あの……マスタング先輩はなにが好きっスか?スポーツ観るのはあんまり興味ないだろうけど、それ以外。あっ、出来れば読書は抜きで……先輩が読むような本はオレには難しいから」
 へへ、と小さく笑う声にロイはハボックを見る。すると自分を見つめてくる空色と目があった。
「んーと……映画とかはどうっスか?」
 答えないロイの代わりに考えたハボックが小首を傾げて言う。映画と聞いてロイは漸く口を開いた。
「そうだな、映画を観るのは好きだ」
「本当っスか?じゃあ先週から始まったファンタジー、観に行きませんかっ?――――あ、ファンタジーは嫌い?」
 ロイが興味を示したのを見てハボックがパッと顔を明るくする。だが、ファンタジーと口にしてから不安そうに上目遣いに見つめてくるハボックにロイは笑みを浮かべた。
「いや、それなら私も観たいと思っていた。原作が好きでな」
「ホント?!それじゃあ一緒に……?」
「ああ、行こうか」
「やったー!」
 ロイが頷けばハボックがソファーの上で飛び上がる。嬉しそうに笑うハボックを見て、ロイは内心己を罵った。
(まったく、年下のハボックに気を遣わせるなんて、私は!)
 ヒューズに対する嫉妬ばかりに捕らわれていた自分にハボックはすこしでも近づこうとしてくれた。そもそも疎外感を感じていたのはロイの勝手で、詳しく知らずとも一緒にビデオを観るくらいは出来たのに。
「すまなかったな、ハボック。私は自分がこんなに嫉妬深い人間だとは思わなかった」
 そう言えばハボックが驚いたようにロイを見る。見開いた空色がふわりと笑みを浮かべるのを見て、ロイの心臓がドキリと跳ねた。
「ヒューズ先輩は面白いしサッカーの事詳しくて話してて楽しいっスけど……。でも、オレが好きなのはマスタング先輩っスから」
 そう告げるハボックの目元が淡いピンクに染まる。
「マスタング先輩……好き」
 恥ずかしそうに、それでも真っ直ぐにみつめてくる空色にロイの胸に愛しさが込み上がる。ロイは腕を伸ばすとハボックの体を引き寄せた。
「私もお前が好きだ」
「先輩……」
 間近から囁いてロイはハボックに口づける。拙いながらも必死に答えてくるのが可愛くて、ロイは深く唇を合わせ甘い口内を貪った。
「ん……ん……せんばぁい」
 思うまま味わって唇を離せば、とろんとした目をしてハボックが甘くロイを呼ぶ。唇の端から零れる銀色の滴を指先で拭って、ロイは腕の中の少年に言った。
「今度サッカーの試合も一緒に行こう。私にも色々教えてくれ」
「マスタング先輩……はい!」
 ロイの提案にハボックが嬉しそうに笑った。
「あのね、先輩。ヒューズ先輩とオレは応援してるチームが違うんスよ。だから先輩がオレと同じチームを応援してくれたら嬉しいな」
「それはいいな。一緒に応援してヒューズの贔屓のチームを負かしてやろう」
「あはは、ヒューズ先輩、怒りそう」
 ロイがハボックの好きなチームを一緒に応援するのを見た時のヒューズの顔を想像して、二人は額を突き合わせて笑う。
「先輩、大好き」
「ああ、私も好きだよ」
 そう囁きあって、ロイはハボックにもう一度口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、とっても励みです、嬉しいですv

「黒スグリ姫」です。マスタング先輩といちゃいちゃして欲しいってコメント頂いたのでイチャイチャして貰いました(笑)すぐチューしますね、マスタング先輩ってば(苦笑)普段の連載では最近甘いのを書いていないけど、やっぱり甘いのもいいなーって思いますvふふふv

以下、拍手お返事です。

おぎわらはぎりさま

頑張りますー、気長にお待ち下さい(苦笑)サッカー、お好きですよね?私も昔はJリーグ見に行ったりしてましたが、最近は野球観戦が多いですね〜。スポーツはもっぱら「見る派」です(笑)

なおさま

黒スグリ姫、ふふふ、笑って頂けて嬉しいですvどうして筋肉痛になっているのか判らなくて、ハボに「先輩、どうしたんスか?」って聞かれて返答に困るロイを想像すると笑えますvおお、600000打リク、ありがとうございます!承りましたvちょっと時間かかっちゃいますが絶対お届けしますのでお待ち下さいねvセレスタ、リンチ、頑張ってくれました。ロイにも頑張って貰わないと(笑)風、あはは、いやあ、ハボック本当に乙女ですよね!私も自分で書きながら「なんて乙女なんだッ///」と恥ずかしくなりましたから(笑)久しぶりの新連載なので張り切ってますvまたまたお付き合いお願いしますv

香深さま

マスタング先輩と姫ハボのイチャイチャ、頑張ってみましたーvどっちかと言うと頑張ったのは姫ハボな気がしますが(笑)うふふ、はぼっく、うさ耳気に行って頂けて嬉しいですv今度は動物園でフワフワしたいと思ってます。久遠、ありがとうございますーvそうですね、矢印は出ていたかもですが、本人たちも気付く前に離れてしまった感じでしょうか。でも、すーっとした気持ちになって頂けてよかったーvわあ、その続き、メチャクチャ萌えるんですがッ!!まだら記憶障害でロイの事はよく覚えていなかったりしたらいいなぁ。はっきり覚えているのは戦場で焔を操るロイの姿だけとかで、先にロイの方が実は助けてくれたのはハボだったと気付いたりしたら面白いなぁとか、妄想し出したら止まりませんよ!うう、続き書きたーい!(笑)セレスタ、ドキドキハラハラ嬉しいですーv早くハボックが幸せになれるよう頑張りますのでお付き合いよろしくお願いしますねv

阿修羅さま

多少はお役に立てたようでよかったですー。まだお辛いとは思いますが、息子わんちゃんの為にも元気だしてくださいね。そして時々息抜きに遊びにいらしてくださいませv
2014年04月30日(水)   No.388 (ロイハボ)

黒スグリ姫4
ロイハボ風味

「よっ、ロイ。邪魔するぜ」
 しつこく鳴り響くチャイムの音を流石に無視出来ず玄関を開けたロイが「帰れ」と言うより早く、ヒューズはロイを押しやるようにして中に入ってしまう。
「おいっ、ヒュー――――」
「待たせたな、ハボック」
 慌てて追いかけてきたロイに背後から引っ張られながらもリビングの扉を開けて、ヒューズは最近知り合いになった少年の姿を見つけてニヤリと笑った。ソファーに行儀よく座っていたハボックは、聞こえた声に雑誌から目を上げてにっこりと笑う。
「ヒューズ先輩、来たんですね!」
「おうよ、約束のもん持ってきたぜ」
 ヒューズがそう言うのを聞いてパッと顔を輝かせるハボックを見て、ロイは眉をしかめた。
「おい、どういうことだ?」
 二人の会話から察するにヒューズはロイではなくハボックに会いにきたようだ。家主ではなく遊びにきていたその恋人に会いにきたヒューズを睨めば、ヒューズがブルーレイのディスクを取り出して言った。
「コイツがサッカーのヨーロッパ選手権の決勝見損ねたって言うからさ。録画したの貸してやるって話をしたんだけど、今日、お前んちに来るって聞いたから、じゃあここで会おうって事になってな」
「そんな話聞いてないぞ」
 自分の預かり知らぬところで話が進んでいたことを知って、ロイはムッとして言う。不機嫌なロイの声を聞いて、ハボックが申し訳なさそうに首を竦めた。
「ごめんなさい。ヒューズ先輩、来られるか判らないって言ってたから」
「例えそうでもそういう話があるなら前もって言うべきだろう?そもそも私の許可なく私のマンションで会う約束をするなんてどういうことだ?」
「ごめんなさい……っ」
 不機嫌さを全く隠さないロイの言葉に、首を竦めたハボックが泣きそうな顔で謝る。そんなハボックの隣にドサリと腰を下ろしたヒューズが、ハボックの肩を抱き寄せて言った。
「そんな怒る事ないだろう?それともお前、ブルーレイ見せるから俺んち来いってハボックを誘ってもいいのか?」
「な……っ?ダメに決まってるだろうッ!」
「だったらなんも問題ないじゃねぇか」
 なぁ、ハボックとヒューズは笑ってハボックの顔を覗き込む。確かにヒューズの家に呼ばれるよりはこうして自分の目の届く所で会った方がいいに決まっていた。
「よし、ロイのお許しも出た事だし、ビデオ見ようぜ」
 不機嫌ながらもそれ以上は言わないロイを見てヒューズが言う。ロイのことを伺うように見ていたハボックもホッと息を吐いて笑みを浮かべた。
「デッキ借りるぜ」
 ヒューズは言ってロイの返事を待たずにリモコンを手に取る。テレビとデッキの電源を入れブルーレイをセットした。
「見逃しちゃってすっげぇ悔しかったから嬉しいっス」
「お、そうかそうか、カワイイな、お前」
 本当に嬉しそうに言うハボックの金髪をヒューズがわしゃわしゃと乱暴にかき混ぜる。擽ったそうに笑うハボックを見て、ロイはムッと唇を歪めた。
(あんなに嬉しそうな顔しなくたっていいだろうっ)
 試合が始まれば一層楽しそうにヒューズと言葉を交わすハボックにロイは苛々と考える。テレビの正面に座る二人の横、テレビとは九十度の位置に置かれた一人掛けのソファーにロイはドサリと腰を下ろし脚を組んで本を広げた。本に集中するフリをしながらその実全く本の内容など頭に入ってこない。全身耳になったようにロイは本の文字を見つめながら二人の会話を聞き入っていた。
「行けーっ!うわ……っ、すげぇ!今のパス見たっスかっ?後ろに目がついてるみたい!」
「ここからがもっと凄いんだって!ほら、ここ!!」
 身を乗り出すようにして画面を見ていた二人が同時に歓声を上げて飛び上がる。パンッと両手の手のひらを合わせてゴールが決まったのを喜ぶ二人を見れば疎外感が甚だしかった。
 ロイだってサッカーのルールくらい知っている。はっきり言って審判が出来るくらい詳しく知っていると思う。だが、それは単なる知識であって試合を見て楽しむというのとは別の話だった。ハボックやヒューズのように贔屓の選手がいるわけでもチームの勝敗に一喜一憂するわけでもない。ハボックがサッカーをするのも見るのも好きなのは知っていたが、ロイにとってサッカーは楽しむものではなかった。
「わーッ、やばいっ、カウンター!ヒューズ先輩っ、どうしようッ!」
 攻守が一転したらしく、ハボックが悲鳴を上げてヒューズの腕を掴む。ヒューズが励ますようにハボックの腕を掴んで、二人して食い入るように画面を見つめるのを見て、ロイはギリギリと歯を食いしばった。
(どうしてくっついて見るんだッ!離れろッ、このクソ髭ッ!)
 可愛い恋人に必要以上にくっついてサッカーを見るヒューズをロイは心の中で罵る。次の瞬間「よかったァ」とホッと息を吐いたハボックがヒューズの胸に抱きつくのを見て、ロイは思わず本のページをクシャリと握ってしまった。
「……くそッ」
 ハッと気づいてロイはクシャクシャになってしまったページを伸ばす。乱暴な仕草で立ち上がると、キッチンに行き冷蔵庫からミネラルウォーターのボトルを取り出しゴクゴクと飲んだ。
「くそッ、私にだって抱きついてきたりしないのにッ」
 ロイとハボックはつきあってはいるが、まだ中学生のハボックはロイと一緒にいるだけで嬉しくて満足しているようだ。正直物足りないと思う時がないわけではなかったが、ハボックを大事にしたいと思っているロイは焦る気はなかった。とは言え、ハボックが無邪気にヒューズとはしゃいでいるのを見れば心穏やかでいられる筈もない。ロイはキッチンの壁に寄りかかり、気持ちを落ち着かせようと水を飲んだ。時折聞こえる歓声を聞きながらロイは水を飲み続ける。三本目の水を飲み干しいい加減足が疲れてきたので仕方なしにリビングに戻ると、丁度試合が終わったところだった。
「済んだのか?」
「ああ。お前も見ればよかったのに。いい試合だったぜ?なあ、ハボック」
 ヒューズはそう言って傍らに座る少年を見る。ソファーに腰を下ろし本を手に取りながらロイがチラリと視線を向けた先、ハボックが興奮した面持ちで言った。
「すっげぇ面白かった!ヒューズ先輩、ありがとうございました!」
「いやいや、俺も楽しかったぜ」
 ニッと笑って答えるヒューズにハボックが言う。
「最後のオーバーヘッドシュート、凄かったっスね!オレもあんなシュート打ってみたいなぁ」
「練習すりゃいいじゃないか」
「どうやって?」
 憧れをいっぱいに滲ませて言うハボックにヒューズが答える。やり方が判らないと首を傾げるハボックをヒューズは手を伸ばしてソファーに押し倒した。
「オーバーヘッドだろ?やっぱ脚をこうやって……」
 と、ヒューズはハボックの脚に手をかける。初夏の陽気の今日、ハーフパンツのハボックの剥き出しの脚をヒューズがベタベタと触った。
「こっちの脚をこうやってこっちの脚でボールを」
 ソファーに押し倒したハボックの剥き出しの脚を好きなように動かすヒューズに、ロイの中でブチッと切れる音がする。本を投げ捨て立ち上がると、ヒューズの肩をむんずと掴んだ。
「ヒューズ、貴様ッ!ベタベタ触るんじゃないッ!」
「っと……。なぁに怒ってんの、ロイ君ってば」
 睨んでくるロイにヒューズはニヤニヤと笑って言う。
「シュートのやり方教えてるだけだろ、こうやってさ」
 と、わざとらしくハボックの脚に手を這わすヒューズに、ロイの唇がヒクヒクと震えた。
「こ、の……ッ、出て行けーッッ!!」
 目を吊り上げてロイが怒鳴る。投げつけられたディスクを器用に受け止めて、ヒューズが立ち上がった。
「いやーん、ロイ君、ヤキモチ妬きなんだからっ」
 ニヤニヤ笑いながら言うヒューズにロイは手当たり次第物を投げつける。頭を抱えて逃げながらヒューズが言った。
「じゃあな、ハボック!今度は一緒に試合見に行こうぜ!」
「あ、はいっ!」
「なにッ?!」
 自分を挟んでそんな約束を交わすのを聞けばロイの目が更につり上がる。分厚い専門書を掴んで振り上げるロイにヒューズが玄関から飛び出しながら言った。
「悔しかったらサッカー見ろ、楽しいぜっ!じゃあな!」
「クソ髭ッ!二度と来るなッ」
 怒鳴るロイの声に被さるようにゲラゲラと笑うヒューズの声がマンションの廊下に木霊した。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みですー、おかげで更新頑張れますvありがとうございますvv

「黒スグリ姫」ですー。「サッカー談議する髭と姫ハボ」ってコメントに妄想萌えあがって書いてみました。この話、ロイハボなんだけど、髭との絡みが楽しいなぁ(コラ)

さて、そろそろ大型連休開始ですね。今年は特に旅行の予定もありませんが、家人がガッツリいる状況で更新どうなるかなぁ。とりあえず29日の更新は何とかしたいと思いますが、3日は平日にこれ以上予定が入らなければ書けるかな。連休最終日の6日はちょっぴり厳しいかもしれません。
それにしても「FLARE BLUE」、なんか話が当初予定していたのと違う方向へ突っ走っている気が満々と……orz この先どうなるか、書いてる本人が一番気になるところです(爆)しかし、こんなハボロイ、面白いのかなーと不安に思いつつもう三十六章だよ!もう少しコンパクトな話が書きたい今日この頃(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

桜の名所って意外と山奥だったりしますよね〜(苦笑)ふふふ、こんなホークアイとハボック、また機会があったら書きたいと思いますvデリヘルハボックも書きたい!時間が欲しい〜〜!セレスタ、ここはやっぱりリンチ頼みするしかないですよねぇ…と言いつつ、圧し掛かってたりするかもしれませんが(苦笑)久遠、最後までお付き合い頂きありがとうございましたvうう、そういうのもありですね!久遠は人魚姫がモチーフなのでこんな形に落ち着きました。いいお話と言って頂けて嬉しいですvうおッ?なおさま、600000万踏み抜いてたんですか??いやてっきりニアピンかと(苦笑)勿論リクオッケーですよ!是非リクしてやって下さいvvお届けには大分時間がかかっちゃうかもですが、宜しければリクお待ちしてますv

阿修羅さま

読んで下さってありがとうございます。少しはお役に立てましたでしょうか。どうぞお体大切にお過ごし下さい。

はたかぜさま

久遠、こちらこそ素敵なリクをありがとうございました!そうなんです、このお話のハボはそういうハボだったんですよ。タイトル、そういって頂けて嬉しいです。「ロイにはハボが何を思ってここまで生き、何を思って死んでいったのか判らないままで」うう、切ないですー。子猫の中にハボの魂がやってくるの、いいですねv子猫の中に入っちゃうときっと自分がハボだった頃の記憶はなくなって、ただひたすらロイが好きだった記憶だけになっちゃうのかなーとか思いました。今もロイが大好きな子猫だけど、もっともっとロイが好きになる子猫。でもどうしてこんなに好きなのか判らないままゴロゴロ鳴いてるんだと思います。……って、あ、勝手に妄想付け足しちゃった。すみません(汗)久遠ははたかぜさまがリクして下さらなかったら絶対生まれてこなかったお話なので、本当にはたかぜさまの子供だと思います。ここまで育てさせて下さってありがとうございますv黒スグリ姫もすっかり楽しんで書いてますvFLARE BLUEとハイムダールも楽しんで頂けてますか?よかったーvこれからも一緒にハボックをラブラブしてやってくださいね。どうぞよろしくお願いしますv

おぎわらはぎりさま

お誕生日おめでとうございます!!ええと、ご依頼の件ですが……ギャグ、さっぱり自信がありませんが(苦)ものすごーくお待たせしてしまうかもしれませんがそれでも宜しいでしょうか?とりあえずポチポチ頑張ってみますー。
2014年04月26日(土)   No.387 (ロイハボ)

桜さくら
「大佐ぁ、花見に行きません?」
 ノックの音とほぼ同時に扉が開いてハボックの陽気な声がする。書類を書いていた手を止めたロイは、返事も待たずに扉を開けた事を咎めるのと、桜はもう散った後だと指摘するのとどちらをとるか、一瞬考えて口を開いた時にはもう決めていた。
「桜はもう散ってしまっただろう?」
 ノックをしたら返事を待てと言うのはもう何万辺言ったか判らない。今更一回増えたところでハボックの脳みそに留まる事はないだろうと、桜の事を指摘すればハボックは笑みを浮かべて言った。
「山の方は今が満開なんだってニュースで言ってたんスよ」
「山ァ?」
 ニュースなんて普段ろくすっぽ聞かないくせにこういった話だけは耳聡く聞いてくるなと思いながら、ロイは思い切り顔をしかめた。
「山なんてごめんだ」
 どうしてわざわざ休みの日に山登りなんて疲れる事をしなければならないのだ。そんな非生産的な事をするくらいなら本を読んでいたいとロイが言うのを聞いて、ハボックはやれやれとため息を零した。
「アンタってどうしてそう爺クサイんスか」
「なにッ?」
 聞き捨てならない言葉に目を吊り上げるロイを、ハボックはまあまあと宥める。
「山って言っても小学生が遠足に行くようなところっスから。道も整備されてるし、革靴は流石にあれっスけど運動靴で大丈夫っスよ」
「そうは言っても山登りは山登りだろう?」
 幾らハボックの誘いでも今ひとつ気乗りせず「うーん」とロイが唸った時、開けたままだった扉をコンコンと叩いてホークアイが書類を手に入ってきた。
「あっ、中尉!花見に行きません?花見!」
「お花見?あら、いいわね」
 あまり反応の芳しくないロイに早々に見切りをつけてハボックは誘う相手をホークアイに切り替える。誘いににっこりと笑うホークアイを見て、ロイは慌てて立ち上がった。
「ちょっと待て!行かないとは言ってないだろうッ」
「でも大佐、疲れる事はしたくないんしょ?」
「仕方ないわ、大佐はお年ですもの」
「誰が年寄りだッ!」
 人を年寄り扱いした上、勝手に行かないと決めつける部下二人に、ロイは大声で怒鳴る。ハアハアと肩で息するロイに、ハボックが言った。
「仕方ないなぁ、じゃあ一緒に行きます?」
「行くとも!当然だッ!」
 そもそも誘ったのはそっちだろうと思いつつロイは答える。それでも。
「私が一番に頂上について桜をみてやるからなッ」
 フンと鼻を鳴らして、ロイは挑むように二人を見回した。

 二日後。
「どうしてお前らまでいるんだッ!」
 現地集合で山の麓の駅にやってくれば、何故だかちゃっかりといるヒューズとエドワードの姿にロイは目を吊り上げる。ギロリと睨んでくる黒曜石も物ともせず、二人は答えた。
「そりゃあワンコと花見となりゃ行かない訳はないだろう?」
「そうそう。それにジシイばっかじゃ頂上着いた時には少尉が一人ぼっちになっちゃって可哀想だからな」
「お、言うねぇ、エドワードくん。ロイはそうでも俺はまだまだ若いぜ?少尉を一晩中アンアン言わせられるのは俺くらいだろ?」
「またまた無理しちゃって!精魂尽き果てて翌朝干からびてんじゃねえの?」
「ロイと一緒にしないでくれよ〜」
「貴様ら、勝手な事を言ってるんじゃないッ!」
 ギャアギャアと顔を突き合わせてがなりあっていれば、聞こえた足音に三人は振り向く。不思議そうに小首を傾げて、ハボックは三人に向かって言った。
「どうしたんスか?喧嘩?喧嘩はダメっスよ」
「喧嘩な訳ないじゃないかっ」
「そうそう、俺たちゃ仲良し三人組だぜっ」
「久しぶりに会ったから興奮しちゃってさぁ」
 わざとらしくハハハと笑って互いに肩を組む三人の様子にハボックがホッとして笑みを浮かべる。その笑顔がカワイイと三人が鼻の下を伸ばした時、ハボックが聞こえた声にパッと顔を輝かせて振り向いた。
「あら、私が最後?ごめんなさい、お待たせして」
「中尉!おはようございます!」
「おはよう、少尉」
 尻尾があったら千切れんばかりに振っているのが見えたであろう、ハボックは嬉しそうに笑ってホークアイに駆け寄る。ホークアイは優しく微笑んでハボックの金髪を撫でた。
「今日は誘ってくれて嬉しいわ」
「オレも中尉が来てくれて嬉しいっス!」
 にっこりと笑ってハボックが言うのを聞いて、ロイ達が背後から「私はっ?」「「俺はっ?」」と騒ぎ立てる。鳶色の視線を向けただけで三人を黙らせると、ホークアイが言った。
「じゃあ行くわよ、少尉」
「はいっ!」
 言って歩き出す二人を追いかけて、男共も慌てて歩き出した。

 途中、山吹や雪柳など様々な花を楽しみながら一行はのんびりと登っていく。水筒の水をコクコクと飲んで、ハボックが言った。
「あと少しで頂上っスよ」
「よしっ、俺が一番乗りだッ」
「何を言う、私だッ」
「年寄りが無理すんなよ!俺が先だッ」
 ハボックの言葉を聞いて俄然張り切りだした男達が我先にと頂上に向かって走り出す。それを見てハボックが目を丸くして言った。
「ちょっと!走ったら危ないっスよ!」
 そう声をかけたが聞く耳を持たず三人は走っていってしまう。全くもうとため息をつくハボックにホークアイが言った。
「いいのよ、馬鹿はほっときなさい」
「そうっスね」
 ホークアイの言葉にハボックは苦笑する。足元に木の根っこが張り出しているのを跨ぐとホークアイに手を差し出した。
「ありがとう」
「どういたしまして」
 差し出された手を取って木の根を越えるとホークアイはにっこりと笑う。それに笑い返して先へと進んだハボックは、道端の切り株に腰掛けているロイ達を見て目を丸くした。
「どうしたんスか?」
「いや、ちょっとな……あんまり急いでもつまらんと思って……」
「折角の花見、のんびり楽しまないと……」
「遠慮せず先にどーぞ……」
 ゼイゼイと肩で息する三人に、ハボックは呆れたため息をつく。待っていてあげようかと小首を傾げて考えるハボックに、ホークアイが手を差し出した。
「行くわよ、少尉。ほら、桜が見えてきたわ」
「ホントだ!行きましょう、中尉っ」
「えっ?ハボック!」
「ま、待て…っ、ちょっとだけっ」
「ちょっと待ってくれたら一緒にっ」
 慌てて手を伸ばす男共を後目にハボックは最後の坂道を駆け上がる。いきなり開けた視界の先、満開の桜が目に飛び込んできてハボックは顔を輝かせた。
「すげぇッ!早く!早く来てッ!」
 ハボックに続いて頂上に辿り着いたホークアイは鳶色の瞳を見開いた。
「凄いわ」
「ね?凄いっしょ!」
 まるで自分の手柄のように自慢げに言うハボックにホークアイはクスリと笑う。ハボックの隣に立って満開の桜を見上げた。
「綺麗ね、本当に凄いわ」
「桜見てる中尉も綺麗っスよ」
「まあ」
 ニッと悪戯に笑う空色に、ホークアイが呆れた声を上げる。その時になって漸くやってきたロイ達も感嘆の声を上げた。
「見事だな」
「コイツはすげぇな」
「凄い、空が桜色だ」
 それぞれに満開の桜を見上げてため息を零す。そんなみんなを見て、ハボックが言った。
「今日は付き合ってくれて嬉しかったっス」
「何を言うッ、当然だろうッ!」
「お前に誘われたら何処だって行くぜッ!」
「次は二人きりがいいけどなっ!」
 互いを押し合いへし合いしながらハボックに迫りつつロイとヒューズとエドワードが喚く。三人がなだれ込むようにハボックに飛びつこうとする寸前、伸びてきたホークアイの手がハボックの髪に舞い落ちた花びらを摘み上げた。
「また来年も来ましょう、少尉」
「はいっ」
 摘んだ花びらを差し出せば満面の笑みで頷くハボックに、ロイ達が「私も!」「「オレも!」」と叫ぶ声が桜の山に木霊した。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に更新の励みですv嬉しいです〜〜vv

ええと、「黒スグリ姫」を途中まで書いてたのですが、今日は急遽ニギヤカお花見に。東京の桜はもう散ってしまいましたが、高尾山とかは一息遅れて見頃だそうなので山登ってお花見に行って貰いました(笑)きっとこの後はハボックお手製のお弁当でみんなでお花見を楽しんだと思います。

以下、拍手お返事です。

なおさま

暗獣、うふふ、もふもふ子ウサギ抱っこしたもふもふハボック。ギューッってしたくなるでしょう?(笑)デリヘルなハボック!!うう、書きたくなるじゃないですか!(爆)そんなハボックだと相手はロイでなくて髭で浮かぶのは何故だろう(笑)いやもう楽しすぎ!黒スグリ姫、ありがたく使わせて貰いますッ!ふふふ、ありがとうございますvv

阿修羅さま

コメント見て急いで書いてみました。この間面白かったと言って頂いた最凶中尉です。私は犬を飼った事はありませんが、小さな金魚やメダカでも逝ってしまうととっても悲しいので、お父さん犬では一層お辛いとお察しします。私の話が少しでも気が紛れるお役にたてば嬉しいのですが……。満開の桜がお父さん犬にも見えたらいいなと思って書きました。お忙しいとは思いますが、どうぞご無理なさいませんように。ご冥福を心よりお祈りしております。
2014年04月19日(土)   No.386 (カプなし)

新・暗獣48
「ご注文は子犬だ」
 ドンドンとしつこく扉を叩く音に仕方なしに玄関の扉を開ければ、案の定現れた髭面が口にした言葉に、ロイはあからさまに顔をしかめる。
「貴様、呼びもしないのにやってきたと思えばいきなり何なんだ」
 言ってじろりと睨んだもののヒューズは全く気にした風もない。キッと引き締めていた顔を次の瞬間ほにゃとだらしなく緩めて、ヒューズは言った。
「やだなぁ、ハボックちゃんの事に決まってんだろ!ハボックちゃあんっ、マースくんが来たよー」
「あっ、こら!誰が入っていいと言った!」
 ヒューズはロイが引き止めるのも構わずドカドカと中に入っていく。リビングの扉を開けダイニングを覗きキッチンに入ってキョロキョロと見回したヒューズは、目指す姿を見つけられずバッとロイを振り向いて言った。
「ハボックちゃんはッ?!」
「お前が来たから逃げたんじゃないのか」
 ニヤリと笑って言ったものの、ロイもハボックを探して部屋の中を見回す。どこにもいないと見ると廊下に出た。
「中庭か?ハボック?」
 中庭に続く扉を開けて外に出ながらロイは声を張り上げる。ヒューズと二人辺りを見回しながら歩いていくと、ガサガサと音がしてフサフサの尻尾が覗いた。
「ハボック、何をしてるんだ?」
 ロイは眉を顰めてハボックのハーフパンツのウエストを掴む。グイと引っ張ってそのままハボックの小さな体を吊り上げたロイは、ハボックが何かを抱きかかえていることに気づいて目を見開いた。
「えっ?なに、ハボックちゃん、うさぎ?」
 同じタイミングで気づいたヒューズも眼鏡の奥の瞳を丸くして言う。ハボックが抱きかかえているのは白いフカフカのうさぎだった。
「ろーいっ」
 ハボックは自慢げにうさぎを見せる。長い耳に赤い目をしたうさぎはまだ子供で、首に可愛らしいリボンが結んであった。
「ろーい〜」
 下ろせとハーフパンツの尻を揺するハボックに、ロイはハボックを下に下ろしてやる。そうすればしゃがんでうさぎの耳を撫でるハボックを見下ろして、ヒューズが言った。
「迷いうさぎかね?」
「だな。リボンをつけてる」
 首輪代わりのリボンはこの子に飼い主がいる印だ。ロイはハボックの側に片膝をついて尋ねた。
「どこで見つけたんだ?ハボック」
「ろーい」
 聞かれてハボックは植木の奥を指差す。ハボックが指差した辺りの塀には小さな穴が開いていて、子うさぎはどうやらそこから入り込んだらしかった。
「ろーいっ」
 ハボックはうさぎを抱っこするとタタタと小走りに駆けていく。そのまま家に入ろうとするハボックを見て、ヒューズが言った。
「おい、ハボックちゃん、どうやら飼う気らしいぞ。どうするんだ?」
「そういう訳にはいかんだろう、飼い主がいるんだから。――――ハボック!」
 呼び止める声に、ハボックが扉の前で立ち止まる。ロイはハボックの側に歩み寄って言った。
「ハボック、その子は飼えないよ。飼い主がいるんだから」
 見上げてくる空色を見つめてロイは言う。だがハボックは俯くとうさぎをギュウと抱き締めて首を振った。
「ろーい……」
「ハボック」
「ろーいッ」
 宥めるように呼んでロイが伸ばした手をかいくぐって、ハボックは逃げてしまう。うさぎを抱いたまま植え込みの間に潜り込んでしまったハボックに、ロイはため息をついた。
「ご注文はうさぎだったな」
「ヒューズ」
 苦笑して言うヒューズを睨んだロイはハボックが潜り込んだ植え込みに近寄り、中を覗いて呼びかけた。
「ハボック、出てきなさい」
「ろいッ」
「ハボック」
 ハボックが可愛いものが大好きなのはよく知っている。真っ白でフワフワのルビーの瞳をしたうさぎは、ハボックにとって可愛くて堪らないだろう。だが。
「ハボック、その子は迷子なんだ。きっとその子の家の人が探してる。なぁ、ハボック。もしお前が迷子になって、よその家の誰かが凄く可愛がってくれたとしても、お前はその家に住みたいか?もうここへは帰ってきたくない?」
 言ってロイは暫く待つ。すると少ししてガサガサと音がしたと思うと、うさぎが顔を出した。
「ありがとう、ハボック」
 ロイは言ってうさぎを抱き上げる。そのロイの手からうさぎを取り上げて、ヒューズが顎で植え込みを示した。
「すまん、ヒューズ」
 ロイが言うのに頷いて、ヒューズはうさぎを抱いて庭を出て行く。ロイは植え込みの側に腰を下ろして言った。
「お前が見つけてくれたからあの子は無事に家に帰れるよ。よかったな」
 そう言うと少ししてハボックが植え込みから顔を出す。うっすらと涙を浮かべたハボックの金髪から覗いた耳がいつもより長くうさぎの耳のようになっているのを見て、ロイはクスリと笑った。
「それ、ヒューズに見せるなよ。大騒ぎになるぞ」
「……ろーい」
「今度動物園に連れて行ってやろうな。うさぎを抱っこ出来るぞ」
「ろーいっ」
 約束と言うように言ってしがみついてくる小さな体を、ロイは笑って優しく抱き締めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に励みになります、ありがとうございますッvv

お久しぶりの「暗獣」です。いえね、「ご注文はうさぎですか?」っていうマンガが4月からアニメ化されて放送されてるんですが、タイトルを見た瞬間「ご注文は子犬だよ!」って思ったもので。ただ単にヒューズに言わせたかっただけっていう(苦笑)これが「ご注文はワンコだよ」って言うとヒュハボになって「はあ?アンタ、何言ってんスか」って思い切り嫌そうな顔したハボックを押し倒すんだろうなぁとかね。ロイだったら「注文は狗だ」かなぁとか……タイトル一つで幾らでも妄想出来る腐った頭です(苦笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、絶対いいコンビになると思います!サッカーするロイの姿は浮かばないですよねぇ(苦笑)サッカー話で盛り上がるヒューズとハボック!それ、書きたい!(←またか)セレスタ、イケズ、嬉しいです、そう言って頂けて(ニヤリ)リンチ、頑張ってくれるかなぁ、お楽しみに!(笑)久遠、そうですね、ガルシアも切ないんですよ〜。焦らしてガッカリにならないように頑張りますっ!

香深さま

お久しぶりです、コメント沢山ありがとうございますvえへへ、姫、気に入って下さって嬉しいです!そうそう、マスタング先輩が作ったら絶対化学の実験だと思います!味はいいはずなのに何でだろうってなりそう(笑)構内でおはようのキス…それヤバイです、ハボ、勉強手につかなくなっちゃう(笑)セレスタ、本当にいつになったら笑えるようになるんだろう…早くロイと並んで笑うハボックを書けるように頑張りますー!ワンコ、もう書いてて楽しくてたまりません!ササヤイテ頂いてよかった〜(笑)また何かありましたら是非是非囁いて下さいねv今年は本当に春が過ぎるのが早かったというか、桜、咲いたと思ったらあっという間に散ってしまいました…。雪柳、姫ハボにも似合いそうですよね!うう、そんな話も書きたいなぁ。姫ハボ、私も書いててシンセンなのでまだまだ書いちゃうと思います。これからもキューンとしてもらえたら嬉しいですv
2014年04月17日(木)   No.385 (カプなし)

黒スグリ姫3
ロイハボ風味

 講義が終わってヒューズは教室を出る。この後今日は授業がなかったからこのまま帰ってしまってもよかったのだが、ふと思いついた考えにヒューズは足を中等部の校舎へと向けた。
「それにしてもあのロイがねぇ……」
 今年のバレンタイン、ロイに届けられた一箱のチョコレート。そのチョコレートにすっかり心奪われてしまったロイがイニシャルしか判らなかった贈り主を見つけだしてきた。自分も探す手伝いをしていたし、なによりロイが惹かれた黒スグリのお姫様を見てみたくて紹介しろとせっついて、行きつけのバーにロイが連れてきたのはスツールのフットレストに足が届かないような中学生のそれも少年だった。
『コイツが黒スグリ姫ッ?!マジッ?!』
『中坊だろ?ガキじゃん!いやそれ以上にお前男はお断りだって言ってたじゃねぇか!』
 全く想像もしていなかった黒スグリ姫の正体に、思わずポンポンと言葉が口をつけば、すっかり怖じ気付いてしまったハボックにロイが濃厚なキスを仕掛けるのを見せつけられた。あれを見ればロイがどうやら本気らしいというのは判ったが、それにしても驚きは隠せない。
「まあ、でも結構かわいかったけどな」
 怖じ気て涙を浮かべた空色の瞳。とても綺麗でちょっとばかり手を出したくなった。蜂蜜色の金髪とまだ幼さの残る顔にすんなりと伸びた手足と少年特有のしなやかな体つきと。
「おもしれぇ……色々楽しくなりそうじゃん」
 ロイが聞いたら思い切り顔をしかめそうなことを口にして、ヒューズは軽い足取りで歩いていった。

「そろそろ中休みだよな」
 中等部の敷地に入ってヒューズは腕時計で時間を確認して呟く。二時間目と三時間目の間の休みは二十分と少し長めで、この休み時間多くの生徒たちは校庭でサッカーをしたり遊具で遊んだりおしゃべりをしたりと、思い思いに過ごすのが常だった。
「お、出てきた出てきた」
 時間を確かめて少し待てば、昇降口から生徒たちがバラバラと出てくる。その中に数人の友人とじゃれあうように出てきた金髪の少年を見つけて、ヒューズは目を細めた。
「みーっけ」
 ヒューズが見ているのに気づかず、ハボックは友人たちとサッカーを始める。ボールを追って走る子鹿のようなしなやかな体と、時折弾けるように笑う明るい表情をヒューズは暫く眺めていたが、やがて徐に校庭を横切ってサッカーをする少年たちに向かってゆっくりと走り出した。徐々にスピードを上げたヒューズはハボックに向かって出されたパスを途中でカットする。いきなりゲームに飛び込んできた大学生に生徒たちが驚きの声を上げる中、ヒューズだと気づいたハボックが目を見開いて声を上げた。
「ヒューズ先輩っ?」
 呼ぶ声にヒューズはチラリとハボックを見たが、そのままゴールに向けてドリブルで走る。慌てて立ち塞がる生徒たちの間を抜けて走れば、猛スピードで駆けてきたハボックが追いすがってきた。
「ヒューズ先輩!」
 その声にヒューズは足を止めてハボックと向き合う。ニヤリと笑った次の瞬間、ヒューズはハボックの脇をすり抜けて走った。
「あっ!くそッ!」
 背後で悔しそうな声と共に追いかけてくる足音が聞こえる。ヒューズはハボックが追いつくのをわざわざ待ってから、ボールを奪おうとするハボックをかわしてシュートをゴールに叩き込んだ。
「すげぇッ!」
「カッコイイ!」
 その鮮やかなシュートに生徒たちの間から感嘆の声が上がる。その中でただ一人だけ悔しそうに口をへの字に結んで睨んでくるハボックに、ヒューズはニッと笑って見せた。
「よお、ハボック」
 ヒューズがハボックに向かって呼びかければそこここで驚きの声が上がる。いつの間にか集まってきていた生徒たちが見守る中、ヒューズはハボックに近づいてその肩をポンと叩いた。
「いきなり飛び込んでくるなんてズルイっス」
 その言い方に不意をつかれなければ負けたりしなかったのだと言うニュアンスを感じ取って、ヒューズは楽しそうに笑う。「わりぃわりぃ」と全然悪いと思っていない様子で謝ると、ヒューズは言った。
「久しぶりで思わずやりたくなっちまったんだよ。俺も混ぜてくれねぇ?」
「えっ?でも……」
 思いもしない申し出にハボックが躊躇うのに反して、周りで聞いていた生徒たちからワッと歓声が上がる。是非一緒にと一気に盛り上がった仲間にしょうがないとため息をついてゲームを始めるハボックを、ヒューズは他の生徒たちを適当にあしらいながら見つめた。
「よーし、先輩から一点とろうぜッ」
「オーッ!」
 ハボックが言えばチームの仲間たちから声が上がる。
(おお、可愛いねぇ)
 ヒューズが加わったチームに果敢に挑むハボックを眺めながら、ヒューズは目を細めて笑った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいですーvv

懲りずに「黒スグリ姫」です。ロイ出てこないけど(苦笑)多分この先もヒューズはちょくちょくちょっかいを出すと思われます。ロイハボと言いつつヒューズとの絡みも結構多くなるような気がする……。って、まだまだ続く気満々ってどうよ(苦笑)なんでもすぐにシリーズ化するのもいい加減にした方がいいような気がしつつ、どうしてもやめられないです(笑)

そういえばこの四月からTOKYO MXで鋼の一期が再放送されてたんですね。知らなかったよ……ッ!気付いた時にはもう第四話まで終わってた。なんで二話ずつ放送なんだよー。一期は録画してないので再放送あったら録画したいと思いつつ、一時期はケーブルテレビでやらないか結構チェックしてたんですよねぇ。その頃は二期の再放送はやってたんですが一期はやる気配なかったのに、クソーッ、TOKYO MXかあ、盲点だったぜ……orz とりあえず第五話から毎週録画をセットしたけど、あああ、一話から録りたかった(苦)でもこれでまた鋼に興味を持ってくれる人が増えたらいいなーとかちょっぴり思ってます。ビバ!鋼!

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ姫、うふふ、足ぶらぶらさせてるハボック、想像すると可愛いでしょう(笑)ヒューズ、ああそれいいなぁ!(笑)是非言わせてやりたいです(コラ)いやあ、いつも私の妄想を刺激して下さって本当にありがとうございますv久遠、あ、やっぱりロイと同じ事を思われましたか?(笑)うふふ、切り上手って言って貰えると「よっしゃあッ」とテンション上がりますよvやっぱり続きを期待して貰えるのは本当に嬉しいです。頑張りますよッv

ε(*'-')з†.*・゚☆Happy☆Birthday☆゚・*.†ε('-'*)з の方

おお、どうもありがとうございます!年を取るのはアレですが、おめでとうと言って頂けるのは幾つになっても嬉しいものですねvこの一年もハボック塗れで頑張りたいと思いますv
2014年04月11日(金)   No.384 (ロイハボ)

黒スグリ姫2
ロイハボ風味

「えっ?ヒューズ先輩に紹介?!」
「ああ、チョコレートの贈り主を見つけたって言ったら紹介しろって煩くてな」
 放課後、ロイに誘われて喫茶店でカフェオレを飲んでいたハボックは、ロイの言葉に目を瞠る。ロイの親友であるヒューズの姿を思い浮かべれば無意識に顔が強張った。
「ヒューズに会うのは嫌か?」
 そんなハボックの表情の変化を見逃さずロイが尋ねる。大好きな黒曜石にじっと見つめられて、ハボックは慌てて首を振った。
「ううん、そんな事ないっス!」
「まあ、正直言うと私もあまり紹介したくないんだが……。紹介しないといつまでも煩いからな、悪いがちょっとだけ付き合ってくれ」
「……はい」
 言って立ち上がるロイに頷いて、ハボックはカップを置いて席を立つ。店を出て行くロイの背を見つめて、ハボックはため息をついた。
(紹介したくないって言うのは贈り主がオレじゃ恥ずかしいからかな……)
 私立アメストリス学園の中等部に通うハボックはまだ十五歳だ。かたやロイは大学生で年の差は五つもある。その上二人は同性となれば、ロイが自分を紹介したくないと思っても不思議はなかった。
(ヒューズ先輩か……。凄く頭が切れる人だっていう噂だけど)
 同じ学園内とはいえ中等部と大学では接する機会などほぼないに等しい。ハボックがロイと出会ったのは偶然で、その後こうして付き合うようになったのだってハボックがこっそりと贈ったバレンタインチョコが沢山贈られたチョコの中で偶々ロイの目にとまったという本当に偶然の積み重ねでしかないのだ。本来なら大学生のロイやヒューズとハボックに接点など持ちようがない筈だった。
(会ったらなんて言われるだろう。マスタング先輩、オレの事どういう風に紹介するのかな)
 もしかしたらファンだとか言って紹介するのかもしれない。
(これからもチョコ作って欲しいって言われたけど、チューしたけど――――オレ、中学生で……男だし、こっ、恋人なんて紹介できないよな)
 考えても考えてもいいことなど一つも浮かばない。
(会いたくないな……嫌だって言っちゃおうか)
 だがそう言えばロイの顔を潰す事になり、ロイを怒らせてしまうかもと思えば嫌とも言えなかった。
(なるべく悪い印象与えないように頑張ろう)
 ヒューズはロイの親友なのだ。少なくとも悪い印象だけは持たれたくないと、ハボックはギュッと手を握り締めた。

「こっちだ」
 そう言って地下に続く階段をロイは下りていく。漸く暮れ始めた通りに出された店の名前を記した看板をちらり見て、ハボックはロイを追って店に続く階段を下りた。
「ここ、バーっスか?」
「ああ、ヒューズとよく来るんだ。マスターがいい人でな」
 言いながらロイは店の扉を開ける。扉の向こうは趣味のよいバーになっており、微かな酒と煙草の香りが大人の空間であることを知らせて、自然ハボックは俯きがちになった。
「なんだ、まだ来てないじゃないか、ヒューズめ」
 グルリと店内を見回してロイは眉をしかめる。慣れた様子で一番奥のカウンター席に陣取るロイの横、背の高いスツールにハボックはよいしょとよじ登った。
(足届かねぇ……)
 学年の中では背が高い方だがそれでもフットレストに届かず足がブラブラしてしまう。隣に座るロイを盗み見れば、スツールに腰掛けてバーテンと話す仕草が様になっていて、ハボックはギュッと唇を噛み締めて俯いた。
緊張で喉が渇いてロイが頼んでくれたオレンジジュースも直ぐに空になってしまう。ロイに話しかける事も場に馴染む事も出来ずにハボックは泣きたくなった。
(もう帰りたい……)
 ハボックがそう思って涙に滲む瞳をギュッと閉じた時。
「わりぃわりぃ、遅くなった」
「ヒューズ、遅いぞ!」
 賑やかな声がして、ハボックは弾かれたように目を開ける。壁とロイの間で小さく身を縮めれば文句を言うロイの声に続いて興味津々のヒューズの声が聞こえた。
「んで?黒スグリのお姫さまはいずこ?」
 そう言いながら覗き込んできたヒューズとロイの肩越し目があって、ハボックは凍りついてしまう。涙の滲む空色の瞳を見開くハボックをまじまじと見つめたヒューズは「あっ」と声を上げた。
「お前、この間学校で会ったよな?ええと……ハボック、だっけ?」
 そう聞かれてハボックはおずおずと頷く。
「で?なんでコイツがここにいんの?」
「お前が会わせろと騒いだんだろう」
 尋ねるヒューズにロイが嫌そうに答えるのを聞いてキョトンとしたヒューズは次の瞬間ロイの肩をむんずと掴んでハボックの方へ身を乗り出した。
「ええッ?!じゃあコイツが黒スグリ姫ッ?マジッ?!」
「ごっごめんなさいッ!」
 素っ頓狂な声を上げるヒューズに、ハボックは思わず首を竦めて謝罪の声を上げる。ロイは肩を掴む手を払いのけてヒューズを睨んだ。
「ヒューズ」
「いやだって、コイツ、中坊だろ?ガキじゃん!いやそれ以上にお前男はお断りだって言ってたじゃねぇか!」
「ッ!」
 ヒューズが喚き散らす言葉の一つひとつがハボックの胸に突き刺さる。傷つくと同時にやっぱりと納得する自分もいて、ハボックはスツールからトンと下りた。
「あのっ、チョコを贈ったのはオレっスけど、それはマスタング先輩のファンだからで深い意味はないっスから!」
「えっ?」
 そう言えばヒューズでなくロイから声が返ってくる。ペコリとヒューズに頭を下げ出て行こうとするハボックの腕をロイはグッと掴んだ。
「ハボック、今のはどういう事だっ?」
「えっ?だって……」
 怒りをたたえて睨んでくる黒曜石にハボックは目を見開く。ロイの顔を見ていられず唇を噛んで俯けば腕を掴むロイの手に力が入って、ハボックは顔を歪めた。
「痛いっ、痛いっス!」
「ハボック、あのチョコレートはそう言う意味じゃないだろう?」
 言って顔を寄せてくるロイにハボックは首を竦める。視線を逸らしたままハボックは答えた。
「だって……オレはガキで男だし……ごめんなさい、オレ、迷惑だって気づかなくて……」
 キスしてくれたのはきっと自分を哀れと思ってのサービスだったのだ。そうハボックが思った時、グイと引き寄せられてハボックは驚いてロイを見上げた。次の瞬間噛みつくように口づけられてハボックは目を見開く。深く激しい口づけに驚いてハボックはもがいたがそうすれば口づけは一層深くなった。
「ンンッ!ン――――ッ!」
 きつく舌を絡め取られギュッと抱き締められてハボックはクラクラしてくる。フッと気が遠くなってくずおれそうになるハボックをロイはギュッと抱き締めた。
「おいおい、中坊のガキにそのキスはねぇんじゃないの?」
 くったりとロイに身を預けるハボックの耳にヒューズの呆れた声が聞こえる。そうすれば抱き締めるロイの腕に力が入るのをハボックは感じた。
「お前のせいだろうッ!ハボックに妙な事を言うなッ!」
 ギロリと睨んでくる黒曜石も全く気にした風もなくヒューズはロイとハボックを見る。凭れかかるハボックの細い体を引き寄せようとするヒューズに、ロイが慌ててハボックを引き戻した。
「ヒューズ!」
「いいだろう?ちょっとくらい」
 ヒューズは言ってハボックの顎を掬う。うっすらと涙を浮かべるハボックの空色の瞳を見つめて、ヒューズはニヤリと笑った。
「ふぅん、結構イイじゃん」
「え……?」
 言うなり顔を寄せてくるヒューズにハボックは目を瞠る。ヒューズの唇がハボックのそれに触れる寸前、ロイがハボックの頭を己の胸に抱き込んだ。
「貴様ッ!なにをするッ!」
「ちぇッ、ロイくんのケチー!」
「誰がケチだッ!ハボックに妙な事を吹き込むだけでなく悪さまでする気かッ!だからお前にハボックを紹介するのは嫌だったんだッ!」
「えっ?」
 頭上で怒鳴るロイの言葉にハボックは驚いて声を上げる。抱き込まれた胸元からロイを見上げて言った。
「オレの事が恥ずかしいから紹介したくないって言ったんじゃなかったんスか?」
「は?何を言ってるんだ、お前は。そんな筈ないだろう?」
 ロイは言ってハボックを真っ直ぐに見つめる。
「これからもずっと私の為にチョコを作ってくれる約束だろう?言っておくがな、ハボック。ヒューズの言うことは聞かなくていいからな。コイツはろくな事を言わん」
「おいおい、それはないだろう、ロイ」
 ロイが言うのを聞いてヒューズが苦笑するのに、フンと鼻を鳴らしてロイはハボックの髪を撫でた。
「好きだ、ハボック。何度も言うがヒューズには気をつけろ。私だけ見ていればいいからな」
「マスタング先輩……」
「やってらんねぇな、全く好き勝手言いやがって」
 呆れたようにぼやくヒューズの声を聞きながら、ハボックはロイの腕に優しく抱き締められて降ってくる唇を受け止めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みですv嬉しいですーv

ホワイトデー企画の「Black currant Cinderella」の続きの続きです(笑)で、タイトルが長くていちいちめんどくさいので(おい)「黒スグリ姫」で行こうと思いますー(苦笑)前回書いた続きを「黒スグリ姫1」に変えたので今回は「2」で。も〜15歳以下にはエチさせないとか言っていたのはどこへやら……最近は子ハボ書くのが楽しくていけませんね(苦笑)でも、こういうネタ、書いてて楽しいんだものー。よろしければお付き合い下さいませv

でもって、全然関係ないんですが、今日でまた一つ年食いました。15歳なんて一体いつの事だろうと思いつつ書いてましたよー(苦笑)可愛いハボックを書きつつ、受けハボの滴るようなエロが読みたいとか思っている、どうしようもない大人です(笑)あー、でも本当にそういうエロ読みたいなーッ!たまには人さまの書いたエロが読みたいと思いつつ一つ年取る誕生日……どうしようもない(苦笑)

以下、拍手お返事です。

600000打おめでとうございます♪ の方

本当にいつもありがとうございます!パチパチも沢山嬉しいです〜v毎度ハボックへの愛だけで成り立っているサイトではありますが、これからも一緒にハボックラブを叫んで頂けたら嬉しいですvどうぞよろしくお願いいたしますvv

阿修羅さま

日記、楽しんで頂けて嬉しいですーvニアピン2回目でしたか。ええと、じゃあもう一回?(苦笑)なんて、お忙しいのにとんでもないですね(汗)

なおさま

うふふ、最強ホークアイv私も恋愛が絡まないホークアイとハボックの絡みは書いててとっても楽しいですーvそうそう、もう母性擽りまくりですよね!そして誰も絶対に文句言えない。やっぱり最強ホークアイ(笑)
2014年04月07日(月)   No.383 (ロイハボ)

祝!60万!
「「「おめでとう!!」」」
「うわッ?!」
 司令室の扉を開けた途端、おめでとうの声と拍手、 クラッカーに紙吹雪と華やかに出迎えられて、ハボックは驚きの声を上げる。ビックリして入口の所で立ち止まったハボックの手を取って、エドワードが中に引っ張り込んだ。
「大将?いつこっちに来たの?つか、何の騒ぎだよ、これ」
 普段はイーストシティにいない金目の少年の出迎えを受けてハボックは目を丸くする。エドワードは司令室の真ん中にハボックを引っ張ってきて言った。
「なにって、六十万のお祝いだって言うからさ、ぶっ飛んで来たんだぜ?なぁ、中佐」
「おうよ、なんたって六十万だからな!」
「って、中佐まで?!」
 エドワードだけでなくヒューズまで顔を揃えているのを見て、ハボックは更に目を大きく見開く。ニコニコと笑って自分を取り巻く司令部の面々を見回してハボックは言った。
「この騒ぎは一体なんなんスか?大佐」
 小首を傾げて尋ねる空色にロイは最高の笑みを浮かべる。
「何だったかな、とにかくめでたい六十万なんだよ。なぁ、鋼の」
「そうそう、とにかくめでたいんだって」
「なんスか、それ」
 理由はどうあれめでたいのだと言うのを聞いて、ハボックはクスリと笑う。確かに理由は何にせよ、こうしてみんなが揃っているそれだけで、めでたいのは確かだった。
「それでだな、ハボック。めでたい六十万に当たり誰か一人お前を一日借り切ってエスコートする事になった」
 そう言うロイはタキシードに身を包んでいる。見回せばエドワードもヒューズもそれぞれに洒落たスーツを身につけていた。
「さあ、ハボック。誰と一緒に過ごしたい?」
「えッ?!誰とって……折角のお祝いならみんなで過ごせばいいじゃないっスか」
 何も二人で過ごさずともみんなで過ごそうと言うハボックに、ロイ達は互いを見て嫌そうに顔をしかめた。
「なにを言う!折角のお祝いだからこそ二人きりなんだろう!」
「そうそう!みんなで祝うなんてつまんないじゃん!」
「そう言うことで俺と過ごそうぜ、ジャン」
 それぞれに自分と過ごそうと主張する男達の迫力にハボックはたじたじとする。三人はハボックの前に並ぶと手にした一輪の薔薇を差し出した。
「「「是非一緒に!!!」」」
「えっ?!いや、でも……ッ」
 赤、黄色、ピンクと差し出された薔薇を目の前に、ハボックは困り切って眉を下げる。
「どっどうしても選ばないとダメ……?」
「「「駄目!!」」」
「う……ッ」
 じりじりと迫られて、困り切ったハボックは視線をさまよわせた。そうしてその視線の先に見つけたものを見て軽く目を見開いたハボックは笑みを浮かべる。
「判ったっス。選ぶからみんな目を閉じてくれますか?」
 そう言われて顔を見合わせた三人は渋々ながら目を閉じた。
「目、開けちゃ駄目っスよ」
 言ってカツンとハボックが足を踏み出す音に三人の間に緊張が走る。自分が差し出した薔薇を受け取って貰えるのを今か今かと待ち構えていた三人は、すぐ側を通り抜ける気配に思わず目を開けた。
「一緒に……、いいっスか?中尉」
「嬉しいわ、少尉」
 ホークアイは言って手にした白薔薇をハボックに渡す。それを嬉しそうに受け取るハボックに、三人は一斉に大声を上げた。
「えええッ?!」
「なんでッ?なんで中尉なんだよッ?」
「そりゃないだろうッ!」
 ギャーギャーと騒いで三人はハボックに迫る。そんな三人を後目に、ホークアイはハボックの手を取って言った。
「何か不満でも?」
 言って見回す鳶色に、ロイもヒューズもエドワードも返す言葉がない。グゥと黙り込む三人を一瞥したホークアイは、ハボックに視線を戻して言った。
「じゃあ行きましょう、少尉」
「はい、中尉」
「ふふ、折角二人きりなんだもの。リザでいいわ」
「じゃあ、オレの事もジャンって呼んで下さい――リザ、さん」
 ほんの少し緊張した面持ちで恥ずかしそうに呼びかけてくるハボックにホークアイは笑みを深める。
「判ったわ、ジャン」
 言ってホークアイはハボックが手にした薔薇を胸のポケットにさしてやった。
「行くわよ、ジャン」
「はい、リザさん」
 にっこりと笑みを交わすと腕を組んで司令室を出て行くホークアイとハボックを見送って、地団駄を踏んで悔しがるロイとヒューズとエドワードだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に嬉しいです!
そして60万打、ありがとうございます!!鋼も原作が終わって久しいのに、こうして今も遊びに来てくださる方々がいるのは本当にありがたいですv やっぱりハボが好きなのはやめられないし、色々書いていきたい気持ちはまだまだおさまりそうにありませんので、どうぞ引き続きお付き合いよろしくお願い致します!m(_ _)m

以下、拍手お返事です。

阿修羅さま

うわあ、ニアピンもニアピン!ニアピン王の名に恥じないニアピンぶりで…(苦笑)遅い時間までチャレンジしてくださってありがとうございますー!ニアピン、何回目でしたっけ…?(汗)

なおさま

髭、本当ひどい八つ当たり。攻められる側なんて心外だと思っていそうです(苦笑)踏み踏みありがとうございます(笑)そして60万打もありがとうございます!最強中尉、早速出張って貰いましたvこれからも頑張りますよ!楽しいコメント、これからもお待ちしてますのでよろしくお願いしますねv

おぎわらはぎりさま

多忙多売のお忙しい日々の気分転換にお役に立てているのでしたら嬉しいですーv髭んちの地下室、想像すると物凄く怖いですね(笑)ついうっかり入っちゃったハボックの話とか書いたら楽しそうだと思います(ニヤリ)これからの季節、訓練後が色々楽しそうというか、部下たちが落ち着かない季節になりますよね(苦笑)これからも頑張りますのでどうぞよろしくお願いしますv
2014年04月05日(土)   No.382 (カプなし)

やっぱり髭騎士
CP:ヒュハボ(R18)

「うわああああッッ!!」
「え……?なに……?」
 寄り添って眠っていたヒューズが大声と共にいきなり飛び起きて、ハボックはぽやんとして目をこする。ブランケットを握り締めハアハアと肩で息するヒューズを、ハボックは不思議そうに見上げて言った。
「どうしたんスかぁ……?」
 欠伸混じりに尋ねれば、大きく息を吸ったり吐いたりしていたヒューズが最後に大きく息を吐き出して答えた。
「……もの凄い悪夢を見た」
「もの凄い悪夢?どんな?」
 あんな大声を上げて飛び起きるほどの悪夢とは一体どんな悪夢なのだろう。ちょっとばかり興味を覚えて、ハボックは身を起こして尋ねる。するとヒューズは眉間を揉みながら言った。
「俺がお前に突っ込まれる夢」
「は?」
「お前がいきなり今日からはハボヒュだとか言い出してな、俺を押し倒して乳首舐めたりナニを弄ったりしてだな!つか、俺がヒャア!とかヒィ!とかあり得んだろうッ!その上、尻の穴を指で掻き回された挙げ句、お前のナニをつ、突っ込まれ……ッッ!!」
 目を吊り上げワナワナと震えて話すヒューズをハボックはポカンとして見つめる。次の瞬間プッと吹き出したと思うと、ゲラゲラと笑いだした。
「なっ、なにその夢ッ!」
「ジャン、てめぇッ、笑い事じゃねぇッ!俺がどんだけ恐ろしかったと思ってんだッ!」
 肩を震わせて笑うハボックにヒューズがキーッとなれば、益々ハボックの笑いが止まらなくなる。クックッと笑いながら滲む涙を指先で拭って、ハボックは言った。
「そんな夢見るなんて、実はそういう願望があるんじゃねぇの?」
「なにッ?!」
「本当はオレに突っ込まれたいんじゃないんスか?」
 ニヤリと笑って覗き込んでくる空色にヒューズはムッと唇を歪める。ギロリとハボックを睨んで凄んだ。
「ふざけんなッ、そんなこと思ってるわけねぇだろ!」
「とか言って。どうだったっスか?オレに突っ込まれて」
「どうって……」
 聞かれて夢を思い出したヒューズは、そのあまりの恐ろしさにブルリと体を震わせる。青褪めて頬を引き攣らせるヒューズの情けない顔に、ハボックは再び笑い出した。
「ア、アンタ……その顔ッ!!」
「ッッ!!」
 身を折ってゲラゲラと笑うハボックにヒューズはムッとして目を吊り上げる。笑いが止まらずヒーヒーと腹を抱えるハボックに、ヒューズは握り締めた手をブルブルと震わせたが、ヒクヒクと震える唇を開いて言った。
「ジャン、てめぇ……、そんな態度とってただで済むと思ってんじゃねぇだろうな……?」
「……え?」
「そんだけ俺のこと馬鹿にしたんだ。夢でも散々悪さしやがって……キチッと落とし前はつけて貰うぜ?」
 そう言う瞳の剣呑さにハボックは目を見開く。暫し黙ったまま見つめ合った二人だったが、次の瞬間ハボックがブランケットを跳ね上げてベッドから飛び降りようとした。だが、素早いハボックの動きを上回る速さで伸びてきた手がハボックの肩を掴む。グイと引き戻され仰向けにベッドに倒れ込んだハボックは、のしかかってくる男を見上げて言った。
「オレがなにしたって言うんスかッ!ちょっと笑っただけっしょ!」
「ちょっとぉ?ゲラゲラ笑ってたじゃねぇか」
「悪さしたのはオレじゃねぇしッ!」
「お前の願望があんな夢見させたに違いねぇ」
「そんな無茶なッ!」
 笑ったのはともかく夢で悪戯したハボックと自分はこれっぽっちも関係ない筈だ。だがそんなハボックの言い分にヒューズは全く聞く耳を持たなかった。
「全部お前が悪い」
 低くそう囁いたヒューズの指がハボックの双丘の間をまさぐり、蕾にグッと押し入ってくる。夕べの行為の名残を残す秘所をヒューズはグチグチと掻き回した。
「クゥ……ッ」
 乱暴に掻き回す指に、ハボックは目を見開いて身を仰け反らせる。のし掛かるヒューズの胸を弱々しく押し返してハボックは言った。
「……んなの、八つ当たり……ッッ」
 夢の中の出来事にまで責任持てない。必死にそう訴えても蕾を掻き回す指の動きは止まるどころか激しさを増した。
「ちゅうさ……ッ」
 瞬く間に三本まで増やされた指がハボックの蕾を容赦なく掻き混ぜる。喉を反らしビクビクと震えて、ハボックはふるふると首を振った。
「や……ッ、やだぁ、ちゅうさ……ッ」
「うるせぇ」
「アアッ」
 ヒューズは低く囁いて、グリッと抉るようにして指を引き抜く。長い脚をグイと押し上げれば、ハボックが目を見開いてヒューズを見上げた。
「ちゅうさ……」
 涙の滲む瞳でヒューズを見つめて、ハボックは小さく首を振る。その幼い表情をじっと見下ろしたヒューズは、ニヤリと笑って言った。
「俺の事を淫乱だとか言いやがって。お前の方がよっぽど淫乱だってことよっく教えてやる」
「な……っ、そんな夢の事なんて知らな────アアアッッ!!」
 自分の全く与り知らない夢の事を持ち出されて激しく首を振ったハボックは、一気にズブズブと貫かれて高い悲鳴を上げる。根元まで突き挿れた楔を今度はズルリとギリギリまで引き抜くと、ヒューズは再びガツンと突き挿れた。
「ヒィッ!やめ……ッ!!」
 容赦なく最奥をガツガツと突き上げられて、ハボックは目を見開いてもがく。逃げをうつ躯を乱暴に引き戻され、その勢いのまま突き込まれた楔にゴリゴリと感じる部分を潰されて、ハボックがガクガクと躯を震わせた。そそり勃った色の薄い楔をヒューズは握り締めるとその先端を容赦なくこねた。
「や、め……ッ!ヒィィッッ!!」
 こね回す指を押し返すように楔の先端から熱が迸る。喉を仰け反らせビクビクと震えるハボックを見下ろして、ヒューズはクツクツと笑った。
「なんだよ、もうイったのか?やっぱお前の方がイヤラシイ躯してんじゃねぇか」
「そんな……っ、オレ、なんも言ってな……」
 ヒューズが勝手に見た夢の中でのことを責められるという理不尽に、ハボックは泣きじゃくって首を振る。だが、そんな弱々しい様子はかえってヒューズの嗜虐心を煽るばかりで、ヒューズは貫いたままのハボックの躯を強引に返した。
「うああッッ!!」
 張り詰めた楔に内壁をグリリと抉られて、ハボックが悲鳴を上げる。俯せに返したハボックの腰を抱え上げて、ヒューズはガツガツと突き上げた。
「ヒゥゥッッ!!そんな奥……ッ!無理ィッ!!」
 突き破られる恐怖にハボックはシーツを掴んで這い上がろうとする。だが、ヒューズはハボックの躯をいとも簡単に引き戻すと同時に腰を突き挿れた。
「ヒアアアアッッ!!」
 ガンッと突き抜ける痛みにも似た快感に、背を仰け反らせたハボックが再び熱を吐き出す。達したばかりの躯を容赦なく攻め立てられて、ハボックはガクガクと躯を震わせた。
「ヒ、ィ……ッ!も、赦し……」
「うるせぇ、全部お前が悪い」
「ひど……ッ、オレなにもしてないのに……ッ」
 悪夢に魘された鬱憤を晴らそうとするヒューズに容赦なく攻められて、その後ハボックは散々啼かされたのだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、コメント、本当に嬉しいですvv

昨日のハボヒュの続きです。やっぱり夢落ち(笑)勝手に見た夢のことで責められて、ハボックいい迷惑ですよね。この後はボロボロになったハボックに枕でぼすぼす殴られたヒューズが、ブランケットに潜ったまま出てこなくなったハボックを必死に宥めすかすんだろうなぁ(笑)

以下、拍手お返事です。

はたかぜさま

ふふふ、エイプリルフールに乗ってくださってありがとうございますv読みながら思わず声出して笑っちゃいました。暗獣はぼっくにもふもふ攻められたら、ヒューズ喜んじゃう気がします(笑)かえってはぼっくの危機かも?ブラ髭!私も何がなんだかわからなくてコーフン!(笑)来年のエイプリルフールも頑張りますッ!!(笑)

なおさま

ふふふ、ちょびっと焦っちゃいましたか?嬉しいなぁ(ニヤリ)うわあ、ハボヒュ、書いてらっしゃる方いらっしゃるんですね!チャレンジャーだ(笑)確かに喘ぐ髭はあまり想像したくないですが(苦笑)夢落ちネタ書いてみました。やっぱりこうなりますよねぇ(笑)

黎耀さま

おお、ハボヒュ、ドストライクでしたか!いや〜ん、そう言って頂けるとメチャクチャ嬉しいですッ!書いてよかったーvvいつものカプも楽しんでくださってありがとうございます。これからも楽しんでいただけるよう頑張りますねv
2014年04月02日(水)   No.381 (カプ色あり)

今日からは髭受けサイトです
CP:ハボヒュ(R18)

「え?」
 ぼすんとベッドに押し倒されてヒューズは目を見開く。己を押し倒した男を押し返しながらヒューズは言った。
「なにするんだよ、ジャン。ヤりたいんなら体勢が逆だろ?」
 苦笑してヒューズは体を起こそうとする。だが起こそうとした体をすぐさま押し戻されて、ヒューズはムッとしてハボックを見上げた。
「おい、ジャン」
 退けと腕を伸ばせばその手首を掴まれベッドに押さえ込まれる。驚いて見上げるヒューズにハボックがニヤリと笑った。
「ヤりたいっスよ。でもね、下になんのはアンタっスから」
「は?なに言ってんの、お前」
「判んない人っスね。つまり今日からはヒュハボじゃなくてハボヒュ。右側がアンタってこと」
 言って体を寄せてくるハボックにヒューズはギョッとする。慌てて押し返そうとしたものの大柄な体はビクともしなかった。
「おいッ!そう言う冗談は笑えねぇぞッ!」
「だから冗談じゃないって言ってんっしょ」
 判んない人だなと半ば呆れたように言ってハボックはヒューズの耳元に顔を寄せる。カリと耳朶を噛まれて、ヒューズはピクリと躯を震わせた。
「てめぇッ、冗談は大概に……アッ!」
 ぞろりと首筋を舐められてゾクリと背筋を這い上がる快感にヒューズは目を見開く。いつの間にかシャツの裾から入り込んできた手が肌を這い回って、ヒューズはビクビクと躯を震わせた。
「ジャンッ!やめろって言って――――ヒャッ!」
 キュッと乳首を指でこねられて、ヒューズは喉を仰け反らせる。クリクリとこねる動きに合わせるように躯を震わせるヒューズに、ハボックがクスクスと笑った。
「へぇ?意外と敏感じゃないっスか。オレなんて胸で感じるようになるまで時間かかったのに」
 ハボックは言ってヒューズに顔を寄せた。
「アンタの方が淫乱じゃねぇ?」
「ジャン、てめぇ……んァッ!」
 カッとして言い返そうと開いた口から出た言葉が甘ったるい声に取って代わってヒューズはカアアッと顔を赤らめる。そんなヒューズを楽しそうに見下ろしたハボックは、シャツに手をかけ無造作に左右に開いた。
「な……ッ!」
 ブチブチとボタンが弾け飛ぶ音にヒューズは目を見開く。ハボックは露わになった胸に顔を寄せると胸の頂に歯を立てた。
「ヒィッ!」
 乳首を歯でギリギリと噛み潰されて、ヒューズはハボックの金髪を掴んで胸を仰け反らせる。ハボックは噛み付いて赤く立ち上がった乳首をチロチロと舐めた。
「あ……アア……」
「ヤラシー、こんなんされて感じてんの?」
「くゥ……ッ」
 からかうように囁いたハボックに乳首を指で押し潰されて、ヒューズはビクビクと震えながら喘ぐ。
「ふざけんな、この野郎ッ!こんなことしてただで済むと――――アアッ!」
 それでもハボックを睨みつければ途端に乳首を抓られて、ヒューズは悲鳴を上げた。
「全く素直じゃねぇっスね。アンタがどんだけヤラシイ躯してるか、ちゃんと判らせてあげる必要がありそうだ」
 ハボックは肩を竦めて言うとヒューズのボトムに手をかける。ハッとしたヒューズが身を捩るより早く、ハボックは下着ごとボトムを引き剥がした。
「やめろッ!――――ヒャアッ!」
 剥き出しにされた脚を左右に押し開かれ、楔をキュッと握られてヒューズは高い悲鳴を上げる。楔を握り込んだ手が激しく上下に擦り上げ始めて、ヒューズは顔を歪めてもがいた。
「ジャン!やめろって言って……ンアアッ!」
「大人しくしなよ、中佐。アンタいっつもオレに言ってたじゃないっスか、素直になれって」
「ふ、ふざけんな……くはァ……ッ!」
 言い返そうとする言葉も喘ぎ声にかき消される。激しい手の動きに急速に快感を高められて、ヒューズは荒い吐息を零して首を振った。
「この……ッ、やめ、ろ……ッ!」
 ヒューズは楔を擦り上げるハボックの手首を掴み何とか止めようとする。だが快感に手から力が抜けて、ヒューズは顔を歪めてハボックを見上げた。
「駄目だ、もう……ッ」
「いいぜ、イきなよ」
 言うなりハボックはそそり立った楔の先端を容赦なくこねる。突き抜ける快感に、ヒューズは背を仰け反らせて嬌声を上げた。
「ヒャアアアッ!」
 大きく躯を震わせると同時にびゅくりと熱を吐き出す。ビクビクと震えた躯をがっくりとシーツに沈めて、ヒューズは荒い息を零した。
「いっぱい出たっスね」
 クククと笑ってハボックは吐き出された熱に濡れる手をヒューズの目の前に翳す。羞恥に顔を赤らめるヒューズを見つめてハボックは言った。
「アンタのヤラシイ顔見てたら堪んなくなっちまいましたよ」
 そう言ってハボックが押し付けてきた下腹の服越しにもハッキリと判る熱さにヒューズはギクリとする。ハボックはそんなヒューズにニヤリと笑って言った。
「責任、とって貰うっスよ」
 ハボックは言ってヒューズの脚をグイと開いて押し上げる。熱に濡れた指が双丘の狭間に潜り込んできたと思うと、密やかに息づく蕾にグッと押し入ってきた。
「うあッ!」
 逃げる暇もなく押し入ってきた指にグチグチと蕾を掻き回されて、ヒューズは身を強ばらせる。目を大きく見開き浅い呼吸を零して、ヒューズは小さく首を振った。
「やめ……やめろ……」
「なに言ってんの、期待してるくせに」
 ハボックはクツクツと笑いながら容赦なく蕾を掻き回す。もう一本指を増やし蕾を広げながら言った。
「怖がんなくてもいいっスよ?オレのに散々突っ込んだアンタならココに突っ込んでも平気だって判ってるっしょ?こうしてちゃんと解してあげるっスから安心して」
 そう言うハボックの指が乱暴に蕾を掻き回す感触にヒューズが呻く。ハボックはそうして暫くヒューズの表情を楽しむように蕾を掻き回していたが、徐に指を引き抜いた。蕾を掻き回す指が抜けてホッと息を吐いたヒューズは、脚をグイと押し開かれてギクリとする。慌てて見上げれば見下ろしてくる空色に宿る凶悪な光に息を飲んだ。
「アンタが欲しいの、ぶち込んであげますよ。たっぷり味わってくださいね、中佐」
「や……やめ……ッ」
 グッと押し付けられる熱い塊にヒューズの喉がヒクリと震える。ハボックがニィと笑った次の瞬間、巨大な凶器にズブズブと刺し貫かれたヒューズの唇から悲鳴が上がった。



いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、とっても嬉しいですvv

と言うわけで、今日から髭受けサイトに鞍替えしまーす!!いいじゃん、髭受け!次はロイヒュにチャレンジするぜ!少数派だっていいじゃないか!そんなわけでこれからもよろしくお願いします!!







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って、どうせ誰も信じないですよねぇ(苦笑)毎年エイプリールフールにネタを探してますが、毎年やるとかえって誰も信じてくれなくないただの笑い話になるという(笑)今年は一部の方にしか受けないようなカプリングネタですみません(苦笑)しかし、髭受け!書いてて意外と楽しかったです。でもまあ、やっぱりハボ啼かす方が楽しいかなぁ。きっとこの続きは、悪夢から飛び起きたヒューズに訳も判らず攻められて啼かされるハボックの話になると思います(笑)
そんな訳ですので、これからもロイハボ、ヒュハボ、エドハボで参りますのでよろしくお願い致します(笑)あ、勿論ハボロイもね!

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、確かに犬二匹車の後から走らせたら追っかけられてる図にしかならないですよね(笑)おお、なおさまのお家にいたワンコもそんな事していたのですね!ほっこりして頂けて嬉しいv私は犬飼ったことがないのでそう言って頂けると嬉しいと同時に安心します(笑)セレスタ、ハボック、追い詰められてるのかもしれないですね〜(苦笑)うわあ、200話とか怖いんですがッ!でも笑い飛ばせないところがもっと怖い(苦笑)ともあれ引き続きお付き合いお願いしますねv
2014年04月01日(火)   No.380 (カプ色あり)

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