babble babble


2012年04月の日記

2012年04月29日(日)
金緑石8
2012年04月27日(金)
蒼焔11
2012年04月23日(月)
金緑石7
2012年04月20日(金)
金緑石6
2012年04月17日(火)
暗獣49
2012年04月13日(金)
回り道
2012年04月12日(木)
金緑石5
2012年04月09日(月)
金緑石4
2012年04月07日(土)
暗獣48
2012年04月06日(金)
雪柳
2012年04月05日(木)
金緑石3
2012年04月03日(火)
方針転換改め「金緑石2」
2012年04月01日(日)
方針転換

金緑石8
ヒュハボ風味

「なんだってそんなところで立ち話してるんだ、ここは私の執務室だぞ」
 二人の間に割って入るようにしてロイが執務室に入ってくる。部屋の主である自分を入れない気かと文句を言いながら椅子に腰を下ろして、ロイはハボックを見た。
「サインか?ハボック」
「あ、はい。これに」
 ロイに言われてハボックは手にした書類を差し出す。そうすれば背後から突き刺さるような視線を感じて、ハボックはギュッと唇を噛んだ。
「ハボック、お前、もう少し落ち着いて書類を書け。字が踊ってるぞ」
「そんな事ないっスよ、普通の字っしょ?」
「踊ってるから言ってるんだ」
 不満げに唇を突き出すハボックに、苦笑したロイがそう言いながらもサインを認め書類を返してくれる。礼を言って受け取り執務室を出て行こうとして、ハボックはジッとこちらを見ているヒューズと目があってギクリとした。それでも何でもない風を装いながら扉に手をかけた時、背後からロイの声が聞こえた。
「そういえばハボック、お前、体調は大丈夫なのか?」
「え?」
 突然そんな事を言われてハボックは狼狽える。咄嗟に答えられずにいればヒューズが口を開いた。
「珍しいな、体力自慢の少尉が体調不良か?」
「この間、演習の途中でぶっ倒れたんだよ。コイツには有り得ないって部下共が大騒ぎでな」
 低い不穏なヒューズの声に気づいているのかいないのか、ロイが心配そうに眉を寄せて答える。凍りついたように動かないハボックにロイが言った。
「休んでいれば大丈夫と言って、お前、軍医の診察も受けなかったろう?本当に大丈夫だったのか?」
 ロイが心配そうに言う間にも突き刺さるようなヒューズの視線を感じて、ハボックはヒューズの方を見ることが出来ない。ハボックは引きつった笑顔を浮かべてロイに答えた。
「大丈夫っスよ。あん時は疲れがたまってるとこに風邪ひいたりしたから……、心配かけてすんません」
 早口にそう言ってハボックは出て行こうとする。だが再びロイに引き止められて、ハボックはノブを握り締めたまま今すぐ逃げ出したい衝動を必死に堪えた。
「なん――――大佐っ?」
 気配に振り向けば立ち上がったロイがすぐ側まできている事に気づいてハボックは声を上げる。ロイの手が髪を掻き分けるようにして額に触れて、ハボックは目を見開いた。
「顔色が悪いぞ。一度ちゃんと見て貰った方がいいんじゃないか?」
「――――本当に平気っス。オレ、頑丈なのが取り柄だって大佐も知ってるっしょ?」
 急いで書類を出さなきゃだともごもごと言い訳して、ハボックは今度こそ執務室を飛び出す。バタンッと乱暴に扉を閉めヒューズの視線を遮ると、そのまま司令室の大部屋も駆け抜けた。闇雲に廊下を走り抜け角を幾つも曲がる。目に付いた小さな会議室に飛び込み中から鍵を掛けた。
「なんで中佐が……っ」
 あの日、結局なんの話もしないままヒューズはセントラルに帰ってしまった。その事がどれほどヒューズが自分に対して怒りを抱いているかを表しているように感じて、ハボックはどうしていいのか判らなかった。傷ついた躯もそのままに演習に参加したものの、散々に痛めつけられた躯はきつい訓練に耐えきれずハボックは演習の途中で倒れるという醜態を晒してしまった。寝ていれば治ると軍医の診察を頑として拒んだハボックをロイが自ら車を運転してアパートに送ってくれた。心配して留まろうとしたロイを何とか追い返し、這うようにして潜り込んだベッド中で、考えるのはヒューズの事ばかりだった。どういう経緯であれヒューズに抱かれその熱を身の内に感じて、ハボックは自分の気持ちが退っ引きならない所まで来てしまっている事に気づいてしまった。ヒューズが好きですきで堪らない。もう二度と以前のように楽しく語らう事も静かに想いを抱き締める事も出来ないなら、憎まれても蔑まれてもいいからヒューズを感じたいと思う。
「あはは……中佐の言うとおり、オレって淫乱なんだ」
 ハボックはそう呟いて薄暗い会議室の中、閉めた扉に背を預けてズルズルと座り込む。さっきもヒューズに極間近に立たれ、顎を掴まれて躯が粟立つように興奮してしまった。逃げていないと怒鳴り返しながら本当は逃げ出したくて堪らなかった。あのままヒューズの近くにいたら、縋りついて好きだと、抱いて欲しいと告げてしまいそうで、ロイが来てくれた時には心底ホッとしたのだ。
「中佐……」
 そう呼んだだけで躯の奥が熱くなる。ハボックはボトムの前を緩めて己を取り出すとゆっくりと扱き始めた。
「中佐……好き……好きっ」
 目を閉じ瞼に浮かぶ常盤色を見つめれば自然手の動きは早くなった。
「は、ン……ッ、中佐……ちゅうさァ……っ」
 溢れてくる先走りのぬめりを借りて激しく扱く。クチュクチュとイヤラシい音を響かせて己を追い上げたハボックは、やがて喉を仰け反らしビクビクと全身を震わせた。その直後に荒い息と共に青臭い匂いが部屋に広がる。
「……サイテー」
 薄暗い部屋の中、ハボックがすすり泣く声が静かに流れていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですーv

「金緑石」です。ハボ受けばっかりでスミマセン(汗)どうにも書き溜めてるものがハボ受けばっかりで……。「金緑石」はまだあるし「恋闇」と「菫2」と、あと全くの単発でロイハボエロが一本。実はpearlにcoming soonになってるのも一つは多分どっかに書き終えて入ってる筈だし、「愛玩動物」の方も5くらいまで書いてあるんだよなぁ。ハボロイは完全自転車操業状態なもので(苦)「蒼牙」読み返して続き書きたいと思いつつ。ハボロイ派の方、ごめんなさい(汗)

それにしても急に暑くなりましたね。今日はエルミタージュ展を見に出かけてたのですが、途中暑くて死にそうでした(苦)スパコミは3日に行こうと思っているのですが、天気悪そうだなぁ。暑いのもしんどいけど、雨は開場前が辛すぎる……。まあ、まったり一人旅なので早くから行かなくてもいいのかもなのだけど、スケブお願いしたいしなー。というわけで、雨降らないで欲しいですー(切実)
2012年04月29日(日)   No.181 (カプ色あり)

蒼焔11
ロイハボ風味

 ベッドに横たわっていたハボックは目を開けるとゆっくりと起き上がる。ベッドから下りテラスに繋がる大きな窓に歩み寄った。
 窓から見下ろせばちらちらと雪が舞い落ちる先に黒い森が広がっているのが見える。その先にあるはずの街をハボックは空色の瞳でじっと見つめた。
 雪に埋もれるようにして倒れていた少年を、彼の家の玄関先に送り届けたのは三日ほど前の事だ。ハボックが扉を叩いた音で出てきた使用人たちがロイを中に運び込むのを確かめて、これでもう大丈夫とロイの家を後にした。今頃ロイは手厚い看護を受けて、回復しつつあるに違いない。
「ロイ……」
 もう二度と会うことのない少年の名をハボックは口にする。そうすれば愛しさと同時にざわざわと胸がざわめいてハボックは眉を顰めた。
「なにが不安なんだ?オレは……」
 胸をざわつかせるのが不安だと気づいて何故と己に問いかける。あの家ならロイをしっかりとした医者に見せる事も可能なのだから心配する必要など全くない筈だった。
「くそ……っ」
 心配いらないと自分に言い聞かせてみるものの不安は大きくなるばかりで一向に収まる気配がない。湖の(ほとり)で過ごす間、ロイは殆ど家族の事は口にしなかった。僅かに彼が語った事からハボックが知り得たのは、両親を早くに亡くしたロイを引き取った伯母夫婦とはあまり上手くいっていないらしいと言う事だけだった。
「だからって病気の子供を放っておく訳ないんだし、主治医だっているんだし」
 不安を押し殺そうとハボックは口に出して呟く。冷たいガラスにコツンと額を押しつけてギュッと目を瞑っていたが、パッと目を開けると窓を押しあけてテラスに出た。バルコニーの手摺りに手を載せ食い入るように森の向こうを見つめる。夕暮れが近づいて辺りは急速に暗くなり、空と森の境目がはっきりとしなくなってきていた。雪の舞い散る中、黒い森を見つめていれば不安に押し潰されそうになる。もうそれ以上じっとしていることが出来ず、ハボックは身を翻して家の中に戻ると階段を駆け下り外へと飛び出した。雪の舞い散る中、森の中の道を人間には考えられない速さで駆け抜ける。つい先日、躊躇った末に踏み出した坂道を迷わず一気に下りると街の入口まではあっと言う間だった。
「……」
 気は急くものの流石にここからはなるべくゆっくりと歩いていく。ロイの家までやってくると、ハボックは辺りを見回し人目がないことを確認して軽々と門を乗り越え敷地の中に入った。今度は玄関には向かわず建物に沿ってゆっくりと歩く。裏口までやってきたハボックは辺りの様子を伺いながら扉をそっと叩いた。少し待つとガチャガチャと鍵の外れる音がして扉が開く。
「はい────あんた誰?」
 顔を出した使用人の男が訝しげに言うのに答えずハボックは手を伸ばした。その指先を男の首筋に当てれば、男は一言も発することなく昏倒する。ハボックは男の体を扉の陰に押し込むと中に入り扉を閉めた。
 ハボックは見つからないよう注意しながら階段に向かう。丁度その時、トレイに水差しを載せた使用人が出てくるのが見えて、ハボックは柱の陰に隠れた。使用人が階段を上るのを確かめて、足音を忍ばせその後を追う。二階にあがった使用人が一番奥の部屋の扉を軽くノックして入っていくのを見ると、ハボックは陰に隠れて使用人が出ていくのを待った。暫く待てば使用人が部屋から出てくる。すぐ隣の部屋からどうやらリネンの交換をしていたらしい別の使用人が出てきて、トレイを手にした使用人に言った。
「どう?ロイ様のご様子」
「どうもこうも……あのままじゃ死んでしまうわ」
 そう言う声が聞こえてハボックは目を見開く。飛び出していきたいのをグッとこらえて二人の会話に耳を澄ました。
「お医者様にも診せないなんて、そうでなくてもロイ様はお体が弱いのに……奥様たちはロイ様を殺す気なの?」
「……ここだけの話だけど、奥様たちはロイ様が邪魔なのよ。ロイ様がいなくなれば管理するだけで手を着けられない莫大な財産が自分たちのものになる。病死してくれるなら万々歳と思ってるんだわ」
 お可哀想にだの酷いことをするだのこそこそと話しながら使用人の女たちが行ってしまうのを、ハボックは陰に潜んで待つ。女たちが階段を下りるのを見届け、ハボックはロイの部屋に飛び込んだ。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みです、ありがとうございますvv

「蒼焔」です。やっとここまで来たかー。さあ、なるべく間を開けずに行くぞッ!

昨日はヒュハボがあんまり楽しくてガッツリ遊んでしまったので明日の更新ヤバいかもーと例によって思いましたが、とりあえずなんとか自転車操業間に合いました(苦笑)ただ、来週のGW真っ只中は流石に更新難しそうです(苦)今年は旅行にこそ行きませんが、親戚のとこ行ったり、父が旅行中母が泊まりに来たりするので、そうそうポメラばかり開いてはいられなさそう……。「金緑石」と「恋闇」の書き溜めたのがあるのでそれで日記くらいはアップするかなぁ。ってハボ受けばっかりですね、今日も「蒼焔」だし(苦笑)まあ、とりあえず連休中はそんな感じでお願い致します〜。
2012年04月27日(金)   No.180 (ロイハボ)

金緑石7
ヒュハボ風味

「よお、みんな元気かいっ?」
 バンッと勢いよく扉を開けて陽気な声を張り上げれば司令室の面々が苦笑する。
「ロイは?」
「もうすぐ会議から戻られます」
 中に入りながら尋ねるとホークアイが答えた。
「そ、じゃあ待たせて貰うわ」
 ヒューズは言って執務室に足を向ける。さりげなく視線を向けた席に見慣れた金髪は見当たらず、ヒューズは僅かに眉を寄せて執務室に入った。後ろ手に扉を閉め中に入るとソファーに腰を下ろす。背を預け天井を見上げて深いため息をついた。
 押さえきれない激情に流されるまま無理矢理抱いたあの日、ハボックはヒューズを責めはしなかった。
『なに泣いてんだよ』
 そう尋ねてもハボックはヒューズをじっと見つめただけで答えなかった。答えぬままヒューズの胸に泣き濡れた顔を埋めたハボックをヒューズは抱き締めるしかなく――――。
 結局その後は互いに口を開かぬまま二人は別れ、ヒューズはその足でセントラルに戻った。距離と時間をおけばこの胸の内の嵐も収まるかと期待がなかったわけではない。だがハボックの姿が見えなければ、もしかしてロイの腕の中に抱き締められているのではないかと、あの快楽に溺れた表情を見せているのではと、そんな事ばかりが頭に浮かんで矢も立てもたまらずヒューズは再びイーストシティに舞い戻っていた。
「ハボック……」
 眼鏡を外し天井を仰いだ顔を片腕で隠してヒューズは焦がれて止まない相手の名を呼ぶ。そうすればまるで答えるように執務室の扉が開いた。
「大佐、この書類にサイン――――あ」
 ろくにノックもせずに扉を開けたハボックは中にいるのがヒューズと気づいて入りかけた足を止める。「すんません」と呟きながら扉を閉めて出て行こうとするハボックを、外していた眼鏡をかけてその表情を隠したヒューズが引き止めた。
「待てよ、ハボック」
 呼び止められてハボックは半分閉めた扉の陰に立ち竦む。俯き加減に顔を背けたハボックにヒューズは言った。
「ロイならもうすぐ帰ってくるぜ。中で待ってろよ」
「や、他にもやることあるっスから」
「中に入れ、少尉」
 低く囁くように言えばハボックの体がビクリと震える。キュッと唇を噛んだハボックはひとつ瞬くとゆっくりと中に入ってきた。パタンと後ろ手に閉じた扉に背を預けて立ったハボックはヒューズの方を見ようとしない。入口から動こうとしない様子と相まって、ヒューズはハボックに拒まれていると感じた。
「元気だったか?」
(違う、聞きたいのはこんな事じゃねぇ)
 ハボックをじっと見つめたままヒューズは口を開く。そうすればピクリと震えたハボックは視線を逸らしたまま答えた。
「ええ、まあ」
 行為の後ハボックは酷くしんどそうだった。そんなハボックを置き去りにヒューズはホテルを出てしまったが、あれからハボックはどうしたのだろう。その日は平日だったから通常の業務があった筈で、ハボックは体調の悪さをどう説明したのだろうか。
(ロイには言わなかったのか?)
 あの後様子を知りたくてロイにさり気なく電話を入れてみたが変わった様子はなかった。無理矢理犯された事は黙ったまま受けた心の傷を癒やす為にロイに抱かれていたのだろうか。
(ロイに)
(またロイにあの顔を)
 あの夜のハボックの顔を思い出してヒューズは手を握り締める。ロイに抱き締められるハボックの姿が不意に目の奥に浮かんで、ヒューズは弾かれたようにソファーから立ち上がった。
「ッ?!」
 ギクリとするハボックに、ヒューズは立ち上がったままの勢いで歩み寄る。扉に背を預けたまま目を見開いて見つめてくるハボックに手を伸ばし、顎を掴もうとした。
「……ゃ」
「ッ」
 顔を背けて伸ばされた手を拒もうとするハボックに、ヒューズはムッと眉を寄せる。半ば強引に顎を掴みハボックの顔を覗き込んだ。
「なんで逃げんだよ」
 低く呻くように尋ねればハボックが緩く首を振る。
「逃げてなんかねぇっス」
「俺に嘘つくんじゃねぇ」
 顎を掴む指に力を込めてヒューズが言えばハボックがキッとヒューズを見た。
「嘘じゃない、逃げてなんかないっス!」
 睨んでくる空色をヒューズは息を飲んで見つめる。その瞳が己を責めているように思えてヒューズはギリと歯を鳴らした。
「お前……」
 息がかかるほどの距離で二人は見つめ合う。張り詰めた空気がその緊張感に耐えきれず弾けそうになった時、執務室の扉が開いた。
「……っと、なにやってるんだ、そんなところにいたら開かないじゃないか」
「大佐」
 内開きの扉のすぐ側に二人がいたせいで扉を開けられずにロイが文句を言う。入れるように脇にどきながら、ヒューズはホッとしたようにロイを見るハボックを昏い瞳で見つめていた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいですvv

「金緑石」です。また〜?とか言われそうですね、いい加減(苦笑)更新後に頂く拍手はいつも嬉しいものですが、最近作品指定でコメント頂くのがヒュハボなもので、マイブームと相まって書きたくなってしまいます。すみません、人間って正直です(苦笑)でも、いい加減「暗獣」も話進めなきゃだし、忘れないうちに「蒼焔」も書かないとなー。あと「恋闇」だ。いや、その前に明日の更新分が先か(苦)気持ちばかり先走ってなかなか行動が追いついてきません、ふー。

以下、拍手お返事です。

金緑石のヒュハボ。やっぱりいいですねぇ〜 の方

うふふふ、ありがとうございますーーvもうグルグルする二人を書くのが楽しくって堪りません(苦笑)ロイより包容力ありそうな胸vvいいですね(笑)ハボック可愛いと言って頂けて嬉しいですーvこれからも可愛いハボ目指して頑張りますvv
2012年04月23日(月)   No.179 (カプ色あり)

金緑石6
CP:ヒュハボ(R15)

「こ、の……淫乱……ッ」
 怒りと侮蔑のこもった低く囁かれる言葉がハボックの胸を抉る。乱暴に髪を引っ張られて顔を仰向かされ、ハボックは間近に迫る常盤色を見つめた。
(中佐)
「……佐」
 ゆるゆると首を振りながら目の前の男を呼べば、噛みつくように口づけられる。ゴリゴリと前立腺を押し潰され、脳天を突き抜ける快感にハボックは堪らず熱を吐き出した。
(好きっス)
 ぐったりとヒューズの胸にもたれ掛かってハボックは思う。
(ずっとこのまま)
 例え嫌われ軽蔑されていようとも、こうしてヒューズの腕の中でヒューズの体温を感じていられたならどれだけ幸せだろう。
 そんな事を願ってしまう己を嘲笑いながら愛しい男の胸に顔を埋めて、ハボックは意識がゆっくりと闇に飲まれていくのに任せた。

 サーサーと水が流れる音が聞こえる。柔らかい感触が汚れを落としていくのを感じていれば、不意に躯の奥を掻き回されてハボックは僅かに眉を寄せた。それでも散々に無理をさせられた躯は鉛のように重たくて身動く事が出来ない。やがて身の内を蠢く気配がなくなりフワリと躯が浮き上がる感覚がして柔らかい気配がハボックを包む。
(ちゅうさ)
 そっと吐息を吐き出したハボックは再び意識を手放した。

「……」
 ゆっくりと意識が浮上してハボックは目を開ける。そうすれば目の前に男の胸が見えて、ハボックは視線を上へと動かした。
(中佐……?)
 己を抱いて眠っているのがヒューズだと気づいてハボックは内心首を傾げる。まだ意識が夢と現の狭間にあるようで、自分が置かれた状況がすぐには理解できなかった。
(……そうか、そうだった、夕べオレ……)
 下肢に残る鈍痛に気づけば不意に昨夜の事が脳裏に浮かび上がる。力ずくで引き裂かれ最奥を犯された記憶が躯と心に蘇り、ハボックはギュッと唇を噛んだ。
(もう、前みたいにはなれないのかなぁ)
 ヒューズと話すのが楽しかった。酒を飲み交わし笑いあうのが嬉しかった。一緒にいられる一瞬一瞬が愛しくて、傍にいるそれだけで幸せだったのに。
(どこで失敗しちゃったんだろう)
 ヒューズへの気持ちはひたすらに押し隠してきたつもりだった。あくまでもロイの部下として接してきた。多少、上下関係に緩いところがあったかもしれないが、最低限のラインは守っていたし、必要以上に馴れ馴れしくしたつもりもなかったのだが。
『淫乱』
 何度も投げつけられた言葉が不意に浮かんでハボックは顔を歪める。自分では気づかないところでヒューズへの気持ちがバレて、何より妻子を大切にするヒューズに嫌悪と侮蔑の気持ちを引き起こさせたのかもしれないとハボックは思った。
(ただ傍にいたかっただけなんだ)
 こうなってしまってはもう今まで通りヒューズと接する事など出来ないだろう。そう思った途端涙が溢れて白い頬を濡らす。嗚咽を零しそうになった唇を手のひらで押さえた時、グイと後ろ髪を引かれてハボックは目を見開いてヒューズを見た。
「なに泣いてんだよ」
 低く囁く声にハボックは目を見開く。答えられずに涙に濡れた瞳でじっと見つめれば、先に目を逸らしたのはヒューズだった。
(中佐)
(ごめんなさい、でも)
(やっぱり好き)
 ハボックは心の中で呟いてヒューズの胸に頬を寄せる。そうすればビクリと震えたヒューズの腕がハボックの躯を抱き締め――――。
 二人はなにも語らぬままただそうして抱き締めあっていた。


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「金緑石」です。お楽しみ頂ければ。
2012年04月20日(金)   No.178 (カプ色あり)

暗獣49
「あとは……パンか」
 手に抱えた袋の中身を頭の中でチェックして、ロイはパン屋に足を向ける。お気に入りのバケットとデニッシュ素材の甘いパンを買うと、ロイはのんびりと道を歩きだした。
 うらうらと暖かい陽射しが降り注ぐ午後は散歩にはうってつけだ。真っ直ぐ家に帰るのが少しばかり勿体無くて、ロイはいつもは曲がらない角で曲がってみる事にした。
「すごいな、春爛漫だ」
 立ち並ぶ家々の庭を彩る色とりどりの花を見ればロイの顔に自然と笑みが浮かぶ。縁を黄色く染めた赤いチューリップや濃い紫色のパンジー、白い可憐なスズランまでもが咲いていて、その鮮やかさに目を奪われて歩みが遅くなった。
「ハボックが見たら大騒ぎしそうだ」
 綺麗なもの、可愛いものが大好きなハボックは春になってから忙しい。庭に咲く山吹や雪柳の花を少しずつ集めては皿に張った水の上に浮かべて楽しんだり、ライラックの木の枝でよい香りに包まれて調子っ外れの歌を歌ってみたり、とにかく次々と花開く庭の木々の間を走り回ってはその色や香りを楽しんでいるのだ。
「そうか、花屋でチューリップの鉢植えでも買ってくればよかった」
 誰が植えたのか庭には雑多な木々が植わっていたが、草物は殆どない。チューリップやパンジーの鉢植えを置いてやったらハボックが飛び跳ねて喜ぶのは間違いなかった。
「次に買い物するときに買ってやろう」
 ロイはそう思いながら家々の庭を横目に見て歩く。丁度さしかかった角を曲がったロイは、飛び込んできた景色に目を奪われた。
「すごい……」
 白にほんのりピンクの混じった花が満開に咲き乱れ空いっぱいに広がっている。ゴツゴツとした幹に似合わぬ清楚な花が枝いっぱいに咲き誇る様は魂が抜かれてしまうと思えるほどに美しく、ロイは道に立ち尽くしたままポカンとして花を見上げた。
「こんにちは」
 その時不意に声がかかって、ロイはハッとして辺りを見回す。そうすれば道の上に張り出した花いっぱいの枝が繋がる先の木の下に、初老の女性が立っていた。
「こんにちは、見事な花ですね。思わず見とれてしまいました」
 ロイが答えてそう言えば女性が笑みを浮かべる。
「桜の花よ。私がお嫁にくる時に国から苗木を持ってきて植えたの。その時からずっと一緒」
「そうなんですか」
 そう言って桜を見上げる女性の目には花を愛おしむ光が宿っていた。おそらく、苦しいときも楽しいときも悲しいときも、いつもいつもこの花は女性と共にあったのだろう。青く晴れた空をバックに咲く花はそれ自体が輝いているようにすら見える。じっと見上げていれば不意にハボックにも見せてやりたくなって、ロイは花を見上げる女性を見て言った。
「不躾なお願いとは思いますが、桜をひと枝分けては頂けないでしょうか?」
 そう言えば女性が驚いたようにロイを見る。
「見せてやりたい相手がいるんです。でも、家から出られないので」
 ハボックがあの家から離れられるのであれば幾らでも連れて見せてやれる。だが、それが無理であれば花の方を持っていってやるしかなかった。
「駄目、でしょうか。ほんの少しでいいんです」
 答えない女性にロイは繰り返す。だが、じっとロイを見つめたきりなのを見れば、大切な木を切るなど出来るはずもなかったとロイは肩を落とした。
「すみません、無理なお願いをしました。あまりに綺麗なので」
 見せてはやりたいが仕方ない。ロイは女性に軽く頭を下げると家に帰ろうと歩きだした。だが。
「ちょっと待って」
 背後から声がして振り向くと女性が家に駆け込むのが見える。少し迷ったもののロイがそのまま待っていれば、女性が園芸用の鋏を持って出てきた。そうして女性の力でも切れる程度の枝を選んでパチンパチンと切り落とす。持ち易いよう根本を纏めて縛るとロイに差し出した。
「どうぞ。持っていってあげて」
「……ありがとうございます!」
 にっこりと笑う女性から桜の枝を受け取って、ロイは礼を言う。深々と頭を下げるとロイは足早に歩きだした。早歩きがだんだんとスピードを増して駆け足になる。ロイは家への残りの道のりを一気に走るとたどり着いた家に飛び込んだ。
「ハボック!」
 大声でハボックを呼びながらドカドカと中に入る。そうすれば何事かとハボックが顔を出した。
「ろーい?」
「ハボック、ほら」
 きょとんとするハボックの頭上にロイは桜を翳す。薄桃色の花が咲き誇る枝を見上げたハボックの目がまん丸に見開いた。
「綺麗だろう?桜というそうだよ。お前に見せたくて貰ってきたんだ」
 ロイはそう言って軽く枝を揺する。そうすれば花びらがひとひらふたひらと、ハボックの目の前に落ちた。ハボックは小さな手を広げて舞い落ちた花びらを受け止める。その淡く色づいた花びらをじっと見つめて、それからもう一度頭上の枝を見上げた。
「この花が幾重にも幾重にも重なってな、とても綺麗なんだ。本当は連れていってやれればいいんだが」
 そう言うロイの言葉をハボックが小首を傾げて聞く。金色の犬耳がピクピクと動いたと思うと、ハボックが嬉しそうに笑った。
「ろーい」
 そう呼んでロイの脚にギュッと抱きつく。そうしてロイの持つ桜を首を反らして見上げた。
「ろーい」
 見上げるハボックの空色の瞳に桜が映る様がロイがさっき見た桜の光景と重なる。ロイは目を細めてハボックの瞳を覗き込んだ。
「ああ、丁度こんな感じだった」
 そう言えばハボックがロイを見上げて嬉しそうに笑う。
「ろーい」
 ロイの脚に片手でしがみついたままもう片方の手を桜に伸ばすハボックの金髪に、桜の花びらがはらはらと舞い落ちた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もパチパチ、励みになりますv

「暗獣」です。お花見ネタにするつもりだったんですが、なんか違う話になっちゃった(苦)このあと桜の花は押し花になってハボックの宝箱に入る予定です(笑)そういや昔むかし、小学校に入学した時に桜の苗木を貰いました。その頃住んでた家の片隅に植えて社会人になる頃まで植わってたので結構それなりの大きさになっていた記憶があります。雑多な木々か植わってるハボックの家の庭は小さい頃の家の庭のイメージなんですよね。ビワ、ブドウ、梨、夏ミカン、ユスラウメ、柿……小さな庭なのに色んな木が植わってました。勿論桜も。懐かしいなぁ(笑)

昨日今日とさっぱり話を書く気にならず、朝からは「暗獣」書いてたしニコ動も見てたし更新ヤバいかもーと思ってましたが、とりあえず間に合いそうです(苦笑)そういや今日見てる時に「あなたにおススメ」のとこで「デュラララでコンビニ」って言うのがあったので見てみたら結構面白い。コンビニシリーズ沢山あるようなのでチェックしたらありましたよ、「鋼でコンビニ」(笑)しかも「GUNBU MART」だぜ!ハボック、いかにもなところで出てました(笑)いいなぁ、GUNBU MART、あったら毎日行くのになぁ。「さあ、ダンナが寝たからなんでもやりたい放題よ」ってか?(爆)でも、カラシのついた牛乳はいらない(笑)
2012年04月17日(火)   No.177 (カプなし)

回り道
「ねぇ、大佐。今日は向こうから帰りません?」
 家への道すがら、そんな事を言い出すハボックをロイは訝しげに見上げる。今日はポカポカと天気も良く、風は爽やかで散歩にはうってつけのように思えた。だが。
「嫌だ。そっちから帰ったら遠回りじゃないか」
 ハボックの提案をロイは言下に却下した。家に帰るには目の前の道を真っ直ぐにいけばものの五分で着いてしまう。ここで曲がるハボックが示した道は川沿いの道をぐるっと回って行かねばならず、家に着くまで二十分以上かかる筈だった。
「私は早く帰ってこの本を読みたいんだ」
 ロイはそう言ってさっき古書店で見つけたばかりの本を示す。本当は歩きながらだって読みたいのをずっと我慢しているのだ。遠回りして帰るなんて以ての外だった。
「本なら後でいいじゃないっスか。ゆっくり行ったって精々三十分くらいっスよ」
「三十分!」
 ハボックの言葉にロイは思い切り顔を顰める。
「どこが精々だ。三分じゃなくて三十分だぞ。何ページ本が読めると思ってるんだ」
「大佐、本読むの早いじゃん。あ、じゃあ、ご飯食べさせてあげるっス。そしたら食べながら本読めるっしょ?」
 必死に食い下がろうとするハボックにロイは首を振った。
「食事をしながら読書なんて、うっかり本を汚したりしたらどうするんだ」
「……行儀が悪いっていうんじゃないんスね」
 ダメな理由はそこかとハボックが眉を寄せる隙に、ロイは家へと続く道を歩きだしてしまう。
「私はこっちから帰る。行きたいなら一人でいけ」
「……やだ」
 スタスタと歩き出すロイにハボックはムゥと唇を突き出したが、結局ロイについてきた。
「なんだ、向こうに行きたいんだろう?別に構わんぞ、行ってこい」
「やだ」
 鍵なら持っているし行きたいというなら行けばいい。本を読みたくて早く帰るだけなのだから気にすることはないと、ロイが再三行けと言ってもハボックは一緒についてくる。しょんぼりと背中を丸めて下唇を突き出して、トボトボとついてくるハボックにロイはやれやれとため息をついて足を止めた。
「お前な、行っていいと言ってるんだぞ」
「やだ、一人で行っても仕方ねぇもん」
 ポケットに手を突っ込んで爪先で地面を蹴りながらハボックが言う。その様にロイは盛大にため息をついた。
「仕方のない奴だな。……判った、行くぞ」
「えっ、大佐っ?」
 ロイは言うなり踵(きびす)を返して歩き出す。それに慌ててついてくるとハボックが言った。
「いいんスか?大佐っ」
「一緒に来て欲しいんだろう?」
 ロイがそう言えばハボックの顔がパアッと明るくなる。
「こっちの道、今すごく花が綺麗なんスよ!大佐に見せたくて!」
 嬉しそうに言いながらロイの顔を覗き込んでくるハボックにロイは苦笑した。
「まったく、子供だな」
 そう言ってロイは手を伸ばして覗き込んでくるハボックの金髪をわしわしと掻き混ぜる。
「子供じゃねぇっス」
 言われてムゥと突き出した唇をロイは髪を掻き混ぜていた手でピンと弾いた。
「もうッ」
 唇を弾いた手が逃げる前にハボックがギュッと掴む。そのまま手を繋いでロイに言った。
「大佐にね、見せたいんス」
 そう言って笑うハボックに、ロイは笑い返して繋いだ手をギュッと握った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もパチパチ嬉しいです〜v

近所の道を歩いていたら丁度前を親子連れが歩いていたんですが、二歳くらいの男の子が曲がり角の手前で行かなきゃいけない道と違う道を行きたいと言ったみたいなんですね。それを聞いたお父さんが「いいよ、○○ちゃんはあっち行っても。お父さんたちはこっち行くから、向こうに行っておいで」って言ったんですよ。そうしたらその男の子が「ヤダ」って。お父さんが「いいよ〜、行っておいで」って幾ら言っても「ヤダー」ってお母さんにくっついてたのがとっても可愛かったのでした。そんなわけでこんな小話(笑)
それにしても書いていてふと思ったのですが、うちのサイトって本当に節操がないというか統一性がないというか、自分はどんなハボが一番好きなんだろうって思いました。ハボック啼かせるのは勿論思いっきりメチャクチャ大好物なんですがッ(力こぶし)見毛相犬とか霧屋のハボックなんかも実は結構好きなんですよねー。暗獣ハボのようにちっこくて可愛いハボも好きだしなー。アクションは書けないけどアクションハボックも好きだ。まあ、結局はその都度好きなハボックを書いてるわけですが(苦笑)世間さまはどんなハボックが好きなんですかね。

以下、拍手のお返事です。

初回衝撃。ロイに冷たいハボックに萌えます の方

おお、ありがとうございます〜vうちのハボは総じてロイに甘いので、こんなハボックもたまには新鮮かと(笑)ふふふ、ロイの出鼻を挫けるかどうか……頑張ります!(笑)
2012年04月13日(金)   No.176 (カプなし)

金緑石5
CP:ヒュハボ(R20)

「ごめんなさい……」
 荒い息の合間にハボックの唇から零れた言葉にヒューズは目を瞠る。それがロイへの謝罪ととれば、もしかしてというヒューズの疑心が確信へと変わった。
(ロイが)
(ロイがハボックと)
 まだロイ自身ハボックへの気持ちに自覚はなく二人の間には何もない、そう思っていたのは間違いだった。二人は疾うに想いを通じ合わせていたのだ。そう確信した瞬間ヒューズの中に怒りの嵐が吹き荒れる。ヒューズは噛みつくように熱い吐息を零す唇を塞ぐと、その吐息すら奪い尽くそうとするようにキツく舌を絡めた。
「ん……ん……」
 そうすれば甘く鼻を鳴らしたハボックの腕が背中に回されるのを感じる。快楽に溺れるうち、自分を他の誰かと混同しているのではとヒューズは思った。
(俺はロイじゃねぇ)
(お前を抱いているのは)
(俺だ)
(誰にも、ロイにも)
(渡さない、絶対に)
(お前は俺のものだ)
「お前は」
 呻くように告げてヒューズは激しくハボックを揺さぶる。狭い肉筒をこじ開け最奥を抉りキツく締め付けてくる内壁に熱を叩きつけた。
「ヒャアアアンッ!!」
 熱い飛沫に内壁を灼かれたハボックが空色の目を見開き甘く啼く。涙に濡れた空色が快楽に煙るのを見て、ヒューズは嫉妬のあまり気が狂いそうだった。
(こんな顔をロイに)
(ロイに見せているのか)
(赦さない)
(お前のそんな顔を見ていいのは)
(俺だけだ)
 気が狂いそうなほどの独占欲。これほどの昏い欲望が己の中にあることをヒューズは初めて知った。
「アアッ、やあ、ん……ッ」
 息も絶え絶えになってハボックがヒューズにしなだれかかる。半ば意識を飛ばして虚ろに開かれた瞳を、ヒューズは掴んだ金色の髪を後ろに引っ張るようにして覗き込んだ。
「こ、の……淫乱……ッ」
(そんな顔、ロイにも他の誰にも見せたら赦さねぇ)
「……佐っ」
 低く囁けば緩く首を振ってハボックがロイを呼ぶのを聞いてヒューズは唇を歪める。
(ロイを呼ぶのか)
(お前はそんなにもロイの事が)
 親友であるはずの男に対して湧き上がる嫉妬と憎悪。ヒューズは掴んだ髪を引っ張ってハボックの顔を仰向けると、ロイの名を呼ぶ唇を己のそれで塞いだ。
「んんッ、んふゥ」
(呼ぶな、ロイを呼んだりするな)
(俺を見ろ、ハボック)
 ハボックの躯を抱き締め深く口づけながらヒューズはそう思う。そのまま唇を離さずにヒューズは埋めた楔でゴリゴリと前立腺を押し潰した。
「んんんッ、ン――――ッッ!」
 ビクビクと震えたハボックが吐き出した熱が腹を濡らすのを感じれば、ヒューズは昏い喜びを感じた。唇をゆっくりと離すと力の抜けたハボックの躯がしなだれかかってくる。
「……」
 力なくヒューズの胸に顔を寄せたままハボックが呟くように何か言ったが、ヒューズにはよく聞こえなかった。ゆっくりと金色の睫が瞬いて白い頬を涙の滴が流れる。再び何か言おうとして、だが結局唇を震わせただけでハボックの瞳が閉じ、ヒューズの胸にかかる重みが増した。
「ハボック……」
 ヒューズは暫くの間気を失ったハボックの躯を抱き締めていたが、やがてゆっくりと己を引き抜く。サアサアと湯を出したまま放り出されていたシャワーを拾い上げハボックにかけた。抱き締めるようにして背後から回した指を散々に陵辱した蕾に沈める。クチュクチュと掻き回し何度も注ぎ込んだ白濁を掻き出したが、ハボックは微かに震えただけで意識を取り戻しはしなかった。
 自分にも湯をかけて汚れを流したヒューズはハボックを抱いて立ち上がる。バスローブを羽織りハボックの躯をタオルで包み込んで部屋に戻った。綺麗に整えられたベッドにハボックをそっと下ろすと濡れて貼り付く金髪をかき上げる。攻められ続けて泣きじゃくったハボックの目元は薄赤く腫れて酷く幼く見えた。
「ハボック……」
 ヒューズは横たえた躯に圧し掛かるようにして長身を抱き締める。しっとりとした頬に己の頬を擦り寄せた。
「ハボック、俺は……ッ」
 愛しくていとしくて息ができない。誰にも渡したくなくて自分に縛り付けておきたくて、独占欲の昏い奔流にハボックを巻き込まずにはいられない。
「……いしてるッ」
 その想いの激しさ故に言葉にする事もままならない。ヒューズは低く呻くと意識のない躯をキツく抱き締めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv久々更新に拍手もありがとうございますv

あー、先日はなんか久しぶりにポメラ使って更新したって感じですー。火曜日の更新はサボりまくってたので結局「カノン」は全部読みなおし「初回衝撃」は三話ほど前から読みなおしました。あははは、そうだった、こんな展開だったよ(苦笑)さあ、また更新頑張らなくっちゃ!と言いつつ、日記はまた「金緑石」です(笑)多分まだ当分ヒュハボ熱継続と思われ……。だって某方とヒュハボナリチャで遊んで貰ってるもので(苦笑)もー、髭がカッコよすぎてねッ!アンアン言わされてます(爆)世に出る予定はないですが、貰った萌えを「金緑石」に注ぎ込むさッ!!(笑)

以下、10日拍手のお返事です。

ヒュハボ万歳♪\(>∀<)/♪ の方

えへへ、楽しんで頂けて嬉しいです〜vヒュハボ万歳!(笑)一応ハッピーエンドが信条とはいえこの先二人がどうなって行くのか、正直まだ判りませんが(おい)楽しんで書いていきたいと思っていますので、おつきあい下さいねvLED、そう言えば長持ちって言いますもんね!確かにお風呂場とかいいかも〜vいやいや回し者なんてことないですよ!色んな事教えて頂けるのはとっても助かりますvありがとうございますv

いつも、楽しく拝読させてもらってます の方

やったーッ、同志だ!(笑)「セレスタ」楽しみにして頂けて嬉しいですーvうふふ、キングにガリガリ食って貰う予定ですのでご期待ください(笑)「恋闇」わぁ、すっかり放置ですみません(汗)こちらも早めに頑張りますので!ふふふ、板挟み・三つ巴、私も大好物ですv
2012年04月12日(木)   No.175 (カプ色あり)

金緑石4
CP:ヒュハボ(R20)

「も……赦して……っ」
 ガクガクと躯を震わせてハボックは喘ぐ。躯を支配していた苦痛がある一カ所を突かれた瞬間快感に取って代わり、ハボックは初めて知った快楽を受け止めきれずに泣きじゃくった。
「も、やだァ……ッ!ヒィ…ヒィィッ!」
 ガツンと前立腺を抉られてハボックは嬌声を上げて背を仰け反らせる。二人の腹の間で揺れていた色の薄い楔がふるりと震えたと思うとびゅくと白濁を吐き出した。
「イきっぱなしだな、イヤラシイ奴」
 懇願にも全く耳を貸さず攻め続けるヒューズにそう囁かれてハボックは力なく首を振る。快楽に翻弄される躯を自分でもどうすることも出来ず、ハボックは力なくヒューズに縋りついた。
「中……佐」
(オレ……なにをしたんだろう?)
 ヒューズは元々その内心を伺わせないところがあったしハボックの事をからかってばかりいたが、それでもいつも誠実で信頼出来る相手だった。何よりあのロイが親友と認めているのだ。多少クセがあろうと、軍人としても一人の人間としてもハボックは自分自身よりもよほど信じられる男であると思っていた。だから今そのヒューズが自分に牙を剥きこんな事になっている原因は他の誰でもない自分にあると、ハボックには思えてならなかった。
(こんなにアンタを怒らせるような事、なにを)
 快楽に霞む頭でハボックは必死に考える。グリッと前立腺を抉られて高い嬌声を上げればヒューズが低く囁く声が聞こえた。
「淫乱」
 その声にハボックはビクリと震えて目を見開く。不意に頭の中に浮かんだ一つの考えにハボックはヒューズの怒りの原因を見つけたと思った。
(オレが中佐を好きになったから、だから怒ってるんだ)
(気持ち悪いって、きっと)
(中佐はグレイシアさんを愛してるんだから)
(それなのに、オレが)
 浮かんだ考えに空色の瞳からポロポロと涙が零れ出る。ガクガクと力なく揺さぶられながらハボックはヒューズを見上げた。
(ごめんなさい、中佐)
(ごめんなさい)
(でも、オレ)
(アンタが)
(アンタが好き)
 力ずくで引き裂かれ酷い目に会わされながらも、ハボックのヒューズへの気持ちは変わらなかった。心も躯も傷つけられてなお、ハボックは自分の気持ちが変わらないどころか、例え怒りに駆られてでもヒューズが自分に触れこうして熱を注ぎ込んでくれる事を、こんなのは嫌だと思う心のどこかで喜んでいる事に気付く。
(サイテーだ、オレ)
(中佐を怒らせて当然だ)
(でも)
(でも、中佐)
(オレは)
「ひゃうッ、アアッ!」
 ヒューズの楔が奥を抉り熟れた内壁を掻き回すたびハボックは嬌声を上げる。腫れ上がった蕾で激しく出入りする楔を締め付ければ痛みと快楽に一際高くハボックは啼いた。
(好き)
(好き、中佐)
(大好き)
(ごめんなさい)
「あんッ、アアッ!!アッ、アヒィッ!」
「……イヤラシいな、ハボック。キュウキュウ締め付けやがって」
 締め付けに低く呻いたヒューズがそう言うのが聞こえて、ハボックはビクリと震える。涙に濡れた瞳を伏せてハボックは喘いだ。
「お前……実は経験があるんじゃないのか?」
「ッ?!」
 突然そんな事を言われてハボックは弾かれたように目を上げてヒューズを見る。その常盤色に怒りの焔を見つけて、ハボックは首を振った。
「まさか、ロイ、と……?」
 低く囁かれてハボックは首を振る。違うと言おうとした瞬間、いきなりガンッと突き上げられてハボックは悲鳴を上げた。
「ヒャアアッ!!」
 背筋を快感が突き抜けて眩暈がする。否定しなければと思いながら言葉はイヤラシイ喘ぎ声にしかならなかった。
「んあッ、あふ……っ」
「ハボック、お前……ッ!」
 低い怒りの籠もった声が聞こえる。涙の膜の向こうに見えるギラギラと光る常盤色をハボックはぼんやりと見つめた。
(ずっと怒らせておいたら)
(そうしたらこうして)
(いられるのかなぁ)
 そう考えた瞬間、ハボックは激しく後悔する。そうして苦痛と快楽と後悔の螺旋に堕ちていくのだ。
(ごめんなさい)
(好きになって)
「ごめんなさい……」
 そう呟いた瞬間、噛みつくように口づけられる。ハボックはキツく絡んでくる舌に呼吸すら奪われながら、自分を酷い目にあわせる男の背をそっと抱き締めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手も沢山嬉しいです〜vv

「金緑石」です。楽しいなぁ、ヒュハボーv「蒼焔」も書きたいし「暗獣」も「合成獣」も「恋猫」も書きたいし、勿論更新もやりたいですがヒュハボ楽しいんだよなー。ロイハボともエドハボとも違う楽しさが(苦笑)でもって最近日記を使わなくなった前の携帯で打つようにしたら、結構これが便利でしてね。バッテリー気にしなくてもいいし、おかげで外出先でポチポチ日記が打てて楽チン。そんなわけで「金緑石」が進むのでした(笑)

ところで全然関係のない話なのですが、リビングの灯りが壊れてしまいましてね。結局器具を丸ごと変えないといけない事が判って、ああ、余計な出費が……じゃなくてー。リビングのシーリングライトってエコにこだわるならLEDより蛍光灯の方がエコだって言われてビックリしました。つか、殆ど消費電力は変わらんのだそうな。知らなかったよー。器具も高いしね、もう迷わず蛍光灯のにしましたよ。ついでにダイニングの灯りの事も聞きまして、うちのは吊り下げ式の器具に電球がついてるタイプなのですが、現在ついてる60Wの電球をLEDに変えると消費電力は6W、でも蛍光灯タイプの電球でも9W程度なんだそうです。LEDは真下しか明るくならないのでLED電球にした場合テーブルの上しか明るくならない。でもそれだとダイニングでテレビ見たりするのに暗いよねぇ。それなら9Wの蛍光灯かなぁって。結局LEDは真下しか明るくならないので、今現在の部屋の明るさを保つためには数を増やさなきゃダメですよっていう話でした。買い置きの電球がなくなったらLED買うかなぁと思っていたのですが、どうやらまだ暫くは蛍光灯タイプの方が暮らしにあってそうな感じです(苦笑)しかし、新しい器具が来るまで代わりにつけてある蛍光灯が昼白色タイプで夜になると部屋の中が真っ白な感じで目が辛い……。借り物なので文句は言えんのだけど、早く新しいの来て欲しいですー(苦)
2012年04月09日(月)   No.174 (カプ色あり)

暗獣48
「随分暖かくなったなぁ」
 図書館からの帰り道、吹き抜ける穏やかな風にロイは目を細めて呟く。ついこの間までは首を竦めたくなるほど冷たかった風が、気がつけば春の香りをロイの下に届けるようになっていた。
 もう随分前から住んでいるように思える古い屋敷の門扉を開けてロイは中に入る。雑多な木々が植えられた庭もあちこちに花が開き始め、春の訪れを告げていた。
「ハボック?」
 その庭の片隅でハボックがしゃがみ込んでいる事に気づいてロイは玄関に向かおうとしていた足を庭に向ける。小さなハボックの後ろに立てば空色の瞳が肩越しにロイを見上げた。
「ろーい」
 ハボックが指差す先を見ると茶色い筆のようなものが何本も何本も地面から顔を出していた。
「土筆じゃないか」
 ロイはそう言って手を伸ばすとプチンと一本、根元から折り取る。それを差し出せばハボックが目を輝かせて受け取った。
「食べると旨いんだ……って、お前は食えないか」
 ハボックが口にするのは井戸の水だけだ。ちょっぴり残念そうに言うロイを首を傾げて見つめていたハボックは、ロイに背を向けると土筆を一本一本、丁寧に摘み始めた。
「ハボック?」
「ろーい」
 ハボックが摘んだ土筆を手のひらに載せて差し出す。にっこりと笑う顔を見て、ロイも笑みを浮かべた。
「よし、折角だ。春の味を楽しむ事にするか」
 ロイがそう言えばハボックが嬉しそうに肩を窄める。二人は庭にしゃがみ込んで庭のあちこちに生えている土筆を摘み始めた。
「ハボック、そっちの方にもあるぞ。あっちにも」
 ロイに言われてハボックが庭のあちこちから土筆を集めてくる。暫くすればロイの両手にいっぱいの土筆が取れた。
「ろーい!」
 嬉しそうにぴょんぴょんとハボックが飛び跳ねる。
「ありがとう、いっぱい採れたな」
 ロイは笑って言うと土筆を手に家に入る。真っ直ぐダイニングに行くと手の中の土筆をテーブルに置いた。
「ハボック、もう少し手伝ってくれ」
 そう言われてハボックが尋ねるように首を傾げる。ロイは土筆を一本手に取ると袴を毟り取った。
「これを毟って欲しいんだ」
 ロイはそう言ってハボックに土筆を渡す。ハボックは渡された土筆の袴をプチリと毟ってロイを見た。
「ろーい?」
「そうそう、その調子で毟ってくれ」
 にっこり笑って言えばハボックが張り切って毟りだす。二人して無言でプチプチと毟れば、土筆はあっという間に袴を全て毟り取られてすんなりとした姿になった。
「ろーい〜っ」
 袴を毟った自分の手を見たハボックが泣きそうな声を上げる。小さな手の指が黒くなっているのを見て、ロイは苦笑した。
「灰汁があるからな、大丈夫、洗えば落ちるよ」
 そう言って立ち上がるロイにハボックがついてくる。洗面所に行くとロイはハボックが手を洗えるように抱えてやった。
「ろーいっ」
 ブクブクと泡立てた石鹸で汚れを落としてピカピカになった手をハボックが嬉しそうに翳す。タオルで手を拭いたハボックを床に下ろして自分も手を洗うと、ロイはダイニングに戻った。綺麗に袴を取った土筆をキッチンに持って行き、水で洗って汚れを落とす。それをサッと茹でる間にベーコンを切りニンニクを刻んだ。パスタ用の湯を沸かしているとハボックがロイの周りをチョロチョロする。
「ハボック、足下をチョロチョロすると危ない」
 思わずそう言ってしまえば不服そうに頬を膨らませるハボックにロイは苦笑した。
「怒るな、悪かった。そうだな、リビングの棚から白ワインのボトルを持ってきてくれるか?一番下に入ってるやつ」
 手伝いを頼まれてハボックがパッと顔を輝かせる。パタパタと小走りに出て行く姿に笑みを浮かべて、ロイはフライパンにオリーブオイルを敷きニンニクと鷹の爪を入れた。沸騰した湯にパスタを放り込み、ニンニクの香りが出てきたところでベーコン、土筆の順にフライパンで炒める。その時パタパタと音がしてハボックが戻ってきた。
「ろーい」
「いいタイミングだぞ、ハボック。それをこっちに寄越してここからショーユを出してくれ」
 ロイはフライパンを揺すりながら足元の扉を蹴飛ばす。差し出されたボトルを受け取りハボックが取り出しやすいように少しよけた。
「ろーい」
「ん、蓋を開けられるか?」
 ワインをフライパンに振り入れながらロイが言う。そうすればハボックがンーッと蓋を引っ張った。
「ろーいっ」
 パチンと蓋の外れたボトルをハボックが差し出す。ありがとうと受け取ってロイはショーユを回し入れた。
「東の国の調味料なんだ、これが結構土筆にあってな」
 ロイがそう言うのを聞いて、ハボックが落ち着かなげにウロウロとする。キッチンの隅に置いてあった足継ぎ用の台に駆け寄ると「ウーン」と引っ張ろうとするのを見て、ロイは火を止めて台を寄せてやった。
「顔を出すなよ、危ないからな」
 台によじ登るハボックにそう釘をさしておいてからロイはフライパンに火をつける。ハボックが興味津々見つめる中、茹で上がったパスタを加え茹で汁で塩加減を調節した。火を止め最後にオリーブオイルとショーユにブラックペッパーを回し入れればいい匂いがキッチンに立ち込めた。
「ろーい」
「いい香りだろう?」
 クンクンと鼻を鳴らすハボックにロイが言う。ハボックはポンと台から飛び降りると棚に駆け寄り大きな皿を持ってきた。
「気が利くな」
 ロイは皿を受け取り出来上がったパスタをよそう。ハボックの前に差し出しにっこりと笑った。
「どうだ、春の土筆パスタの出来上がりだ。旨そうだろう?」
「ろーいっ」
 皿の上に顔を突き出して、パスタのいい香りをいっぱいに吸い込んでハボックが笑う。皿を手にダイニングに行くロイの周りをチョロチョロと嬉しそうに駆け回った。
「お前に食べさせてやれないのがちょっと残念だな」
 テーブルにつきながらロイが言う。そのロイを首を傾げて見上げたハボックが突然部屋から出て行ってしまい、ロイは驚いて腰を浮かした。
「ハボック?おい!」
 そう声をかけたがハボックは戻ってこない。少し待っても帰ってくる様子がないと判れば、ロイは浮かした腰を椅子に戻した。
「まぁ、食べられる訳じゃないしな」
 仕方ない事とはいえ少し淋しい。ロイが折角作ったパスタをモソモソと食べ始めた時、パタパタと足音がしてハボックが戻ってきた。
「ろーい」
「ハボック」
 ダイニングに戻ってきたハボックが椅子にンションショとよじ登る。手を使わないようにしてよじ登ろうとする襟首を掴んで引っ張り上げてやれば、ホッと息を吐いたハボックが両手を差し出した。
「ろーい」
 握っていた手を開けば小さな手のひらに沈丁花の花が載っている。その花をロイと自分の前に並べてハボックが笑った。
「ハボック……」
 ロイが手を伸ばして金色の頭をわしわしと掻き混ぜればハボックが擽ったそうに首を竦める。
「いい香りだな」
「ろーい」
 言われてハボックが花を手に取り香りをいっぱいに吸い込んだ。
「よし、食うか」
「ろーい!」
 そうして二人は春の香りと味をたっぷりと堪能したのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、沢山嬉しいですーvv

「暗獣」です。今日は更新できないのでカプ色のないものに(笑)やっと春になったと言うのにまだ全然ハボックにお花見させてないやー(汗)早くしないと桜が終わってしまうー(滝汗)
でもって、今日また一つオババになりましたー(苦笑)最近自分の年を忘れてるというか、年齢書く欄があると「ええと、私は○年生まれだからー」と計算している始末(苦笑)だってもー、ここまで来ると幾つだろうが変わんないんだもん!(爆)

以下、6日拍手お返事です。

阿修羅さま

えへへ、ヒュハボ喜んで頂けて嬉しいですーvヒュハボはやっぱりS心に火をつけなくちゃって思って書いてます(笑)確かに既婚臭ぷんぷんなヒュは嫌かなぁ(苦笑)一応ロイハボ・ハボロイサイトです、と言いつつ、ヒュハボも好物なのでご一緒に萌え萌えしてくだされば嬉しいですv

悪い、危険な香りのするヒューズ の方

うふふふ、やっぱりヒューズは悪いのがいいですよねッv楽しくて仕方ないなんて、とってもとっても嬉しいですv続きも楽しんで頂けるよう、頑張ります!
2012年04月07日(土)   No.173 (カプなし)

雪柳
ハボロイ風味

「大佐ぁ、見て見て」
 ガチャリとノックもないままに執務室の扉が開いてロイは眉を顰める。ここは一言言ってやらねばと書類から顔を上げたロイは、目の前に広がった白い花に目を見張った。
「綺麗っしょ?」
 パッとロイの目の前から花が退(の)いたと思うと、ハボックの空色の瞳が覗く。その澄んだ空の色にドキリとしながらロイは尋ねた。
「どうしたんだ、これ」
「近くのおばあちゃんに貰ったんスよ」
 ハボックは雪柳の枝をゆらゆらと揺らしながら言う。
「綺麗だったから思わず足止めたとこにその家のおばあちゃんが出てきて」
 一頻り話し込んでしまったのだとハボックは笑った。
「そこのおばあちゃんって」
 と、ハボックは楽しそうに老婦人との会話を話して聞かせる。煙草を唇に引っ掛けたまま器用に話すハボックの少し掠れた声を、ロイはドキドキしながら聞いていた。
 人懐こいハボックは老若男女を問わず好かれるタイプだ。一緒に街を歩いていても、気がつけば犬を連れた女性やサッカーボールを抱えた学生なんかと話を始めている。そんな時ロイはハボックの明るい性格を好ましく思うと同時に、胸がチリチリと痛むのを感じるのだ。
 嫉妬するのはお門違いだとロイにはよく判っている。ハボックとは気も合うしよく一緒に出かけたりもするが、それ以上どうこうという仲ではないのだ。ロイはハボックに好意を持っていたが、恐らくそれはハボックがロイに抱いているそれとは種類の違うものだろうから。
 ほんの少し淋しさを感じてロイがため息をついた時、ハボックの声が降ってきた。
「大佐、オレの話聞いてます?」
「も、勿論聞いているともっ」
 不満そうなハボックの言葉にロイは慌てて頷く。一瞬疑わしげにロイを見たハボックは気を取り直して続けた。
「でね、別れ際にオレ、この花がよく似合う人を知ってるって言ったんスよ。そうしたら良かったら持って行きなさいって」
「強請ったのか?」
 呆れたようにロイが言えばハボックが心外だという顔をする。
「別にそういうつもりはなかったっスよ?でもくれるって言うから」
 貰ったのだと笑うハボックが言うこの花の似合う人とは誰だろう。聞いてはいないがもしかしたら可愛い彼女がいるのかもしれない。
 そんな考えが浮かんで俯いたロイが唇を噛み締めた時、ハボックが雪柳の花をロイに翳した。
「ああ、やっぱり。すげぇ似合うっスよ、大佐」
「えっ?」
 突然そう言われて、ロイは驚いて弾かれたように顔を上げる。そうすればハボックが笑って言った。
「雪柳、こうすると花嫁さんのベールみたいだ、大佐によく似合うっス」
「なに……何を言って……」
「ねぇ、オレのお嫁さんになってよ、大佐」
 思いもしない言葉にロイはポカンとしてハボックを見上げる。まん丸に見開いた目をパチクリとさせるロイにハボックが言った。
「アンタってば、幾らデートしてもちっとも甘い雰囲気になんないし、もしかして何とも想われてないのかもって通りすがりのオネエサンに話しかけりゃ凄いヤキモチぃな顔するし、それでいてなかなか靡いてこないし」
 そんな事を言われてもロイにはピンとこない。ただただポカンとしているロイに、ハボックは眉を顰めて言った。
「もしかしてオレの気持ち、全然伝わってなかったっスか?」
 そう尋ねてすら呆然としているロイにハボックはガックリと肩を落とす。
「それはそれでショックっつうか、かなりヘコむっていうか」
 ハアとため息をついたハボックはそれでもやれやれと笑った。
「まぁいいか。じゃあ改めて申し込むっスね。オレのお嫁さんになってください、大佐」
 雪柳の花間から覗き込むようにしてハボックが言う。真っ直ぐに見つめてくる空色に、ロイは真っ赤になって俯いた。
「ひ、卑怯だぞっ、こんな不意打ちみたいなっ」
「答えは?はい?イエス?」
 ハボックが示した二択には同じ答えしかないと思いながらロイはハボックを睨む。それでもその綺麗な空色を見ればそれ以上意地を張ることなど出来ず、ロイは小さな声で答えた。
「……エス」
「聞こえないっスよ?」
 意味の同じ選択肢しか示さないくせに意地悪に言う男をロイは恨めしげに見る。それでもキュッと唇を噛むと大きく息を吸い込んだ。
「イエスっ!」
「よく言えました」
 大きな声で答えればハボックがにっこりと笑う。雪柳の花を掻き分けてロイの顎を摘んだ。
「好きっスよ、大佐」
「……私も」
 低く囁く声に呟くように答えながら、ロイは触れてくる唇にうっとりと目を閉じた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手も沢山ありがとうございますッv最近ヒュハボばっかなのに(笑)

近所の雪柳が満開になってたので、ヒュハボの続きも出来てますが、今回はリハビリ兼ねてハボロイ書いてみましたー(笑)しかし、やっぱりハボロイはエロくなりません(苦)ハボ受けだと幾らでもエロ書けるんだがなぁ。ハボロイだとどうしても可愛らしくなっちゃう。何故かしらん(苦笑)

以下、5日拍手のお返事です。

え、ヒュハボ!?ヒュハボですか!? の方

わーん、ハボロイ本命なのに優しいお言葉をありがとうございます!(涙)新地開拓と同時にハボロイもやって行きますので、これからもよろしくお願いしますv



2012年04月06日(金)   No.172 (ハボロイ)

金緑石3
CP:ヒュハボ(R20)

 気を失ったハボックの躯からヒューズはずるりと楔を引き抜く。まだ十分に硬さの残るそれに己の欲の深さを感じて、ヒューズは苦く笑った。白い頬を濡らす涙をヒューズは指先でそっと拭う。僅かに眉間を寄せた顔は苦しげでヒューズは胸が痛むのを感じた。
 ずっと抑え込んでいた気持ちをハボックにぶつけてしまった。嫌がる躯を押さえつけ強引に己をねじ込めばその熱さに眩暈がした。愛しくていとしくて全てを己の物にしたくて貪り尽くさずにはいられなかった。
『なんで?』
 何度も理由を尋ねてきたハボック。彼にしてみれば今夜の事は青天の霹靂とも言え、全く予想だにしていなかったに違いない。
『そんなにオレの事、キライ?』
 想う気持ちのあまりの激しさに答えられずにいればハボックがそう言った事を思い出して、ヒューズは顔を歪めた。
「嫌いだったらこんな事するかよ……ッ」
 ヒューズは低く呻いてハボックの躯を抱き締める。吐き気がするほど愛しくてハボックの全てを喰らい尽くさずにはいられなくて、ヒューズはグレイシアにもエリシアにも、今まで好きになったどんな相手にも抱いた事のない昏く激しい想いをどうしたらいいのか判らなかった。
 そのまま暫くハボックを抱き締めていたヒューズはやがてゆっくりと体を起こす。改めてハボックの躯を見下ろせば強引に抱いた躯はかなり酷い有り様だった。
「はは、ひでぇな……」
 ベルトで拘束していたせいで手首が擦れて薄く血が滲んでいる。抵抗され力任せに叩いた頬は赤く指の痕が残り、強引に絶頂に導いた下肢は白濁に汚れていた。なにより無理矢理犯した蕾は裂けこそしなかったものの、赤く腫れ上がり注ぎ込んだ白濁が溢れ出て酷く痛々しかった。それでもそんな姿を目の前に晒すハボックを見れば再びヒューズの身の内に激しい嵐が吹き荒れてくる。
「クソッ」
 ヒューズはギュッと目を瞑って首を振るとベッドから降り浴室に向かった。湯船のカランを捻り湯を出す。ドボドボと湯が溜まっていくのを確認してヒューズは部屋に戻った。受話器を取りフロントの番号を回す。夜中にもかかわらず仕事に忠実なホテルマンが出るとヒューズはベッドメイクをしてくれるよう頼んだ。ベッドサイドのテーブルにチップを置き部屋の扉にストッパーを挟みすかしておいてからハボックの躯を抱き上げる。湯の音が響き湯気の立ち込める浴室にハボックを抱いて入り、その躯をそっと下ろした。服を脱ぎ捨てシャワーを捻り湯温を調節する。椅子に腰掛けハボックの体を抱きかかえて緩く出したシャワーをかけた。
「ん……」
 肌に当たる湯の感触にハボックの睫が震える。閉じられていた瞼がゆっくりと開いてヒューズが何より惹かれた空色が覗いた。
「中佐……」
 ヒューズの姿を認めてハボックがふわりと笑む。昨日と変わらぬヒューズを信じ切った笑顔は、だが次の瞬間苦痛と怯えに歪んだ。
「やだッ」
 自分を抱くヒューズの胸を押しやってその腕から逃れようとハボックがもがく。その途端ハボックの躯が大きく震えて唇から呻き声が零れた。
「い……ッ」
 振り解こうとしたヒューズの腕にしがみついたハボックの指が痛みに震える。辛そうなその表情に胸が痛むのを感じながら、それを押し隠してヒューズは言った。
「暴れんじゃねぇよ。大人しくしてろ」
「中佐」
 チラリとヒューズを見上げたもののハボックは怯えきったように顔を伏せる。微かに震える躯に湯をかけて汗と汚れを流していたヒューズが、汚れの酷い下肢に手を伸ばせば大人しく腕に抱かれていたハボックがビクリと震えた。
「嫌ッ!触んなッ!」
 双丘の狭間に潜り込もうとする指を嫌がってハボックが暴れる。ヒューズは片腕でハボックの長身を押さえ込み、脚を絡めて抵抗を封じ込めるとハアハアと荒い息を零すハボックを見下ろした。
「大人しくしてろって言ったろうが」
「やだ、もう触んないでッ!」
 ヒューズに押さえ込まれてなお、ハボックは首を激しく振って暴れようとする。そんな風に全身で拒絶されれば抑え込んでいた嵐が再びヒューズの中で暴れ出した。
「この……ッ」
 ヒューズは横抱きに抱えていたハボックの躯をグイと引き起こし己の脚を跨がせるように向かい合わせに座らせる。双丘を引き寄せ猛る楔の上に引き下ろした。
「ヒィィッ!」
 腫れ上がった蕾にズブズブと押し入られてハボックが悲鳴を上げる。仰け反るように背後に倒れそうになった躯を引き寄せ、ヒューズはガツガツと乱暴に突き上げた。
「痛いッ、アアッ!」
 激しい抽挿にハボックが涙を流してもがく。その躯を抱え込み容赦なくガツンと突き上げた時、ハボックの躯が大きく震えた。
「ヒャアッ?!」
 明らかに今までと違う甘さの滲む悲鳴にヒューズの目が僅かに見開く。たった今反応を見せた箇所を狙って突き上げればハボックの躯がビクビクと震えた。
「や……ッ、そこ嫌ッ、アアアッ!!」
 戸惑ったように目を見開き首を振るハボックの唇から零れるのは明らかに嬌声だ。ヒューズは薄く笑って小刻みに前立腺を突き上げた。
「イイのか?ハボック……ここを突かれると堪んないだな?」
「違……ひぅんッ!」
「違わねぇだろ?イヤラシイ声出しやがって」
 ヒューズは低く笑いながら執拗に突き上げる。そのたびにハボックの躯が跳ね、唇から甘い悲鳴が零れた。
「やあっ、やめてッ!」
「もっとの間違いだろう?この淫乱め」
 低く囁けばハボックが目を見開く。空色の瞳に涙が盛り上がり、ハボックの瞬きに合わせて頬を一筋零れて落ちた。
「嫌だッ、やめてよ、もう――――アアンッッ!!」
 逃れようともがく躯をヒューズは激しく攻め立てる。
「ヒャア、ンッ!アアッ!!」
 ハボックが一際高い嬌声を上げた時、遠慮がちに浴室の扉を叩く音が聞こえた。
「ヒ……ッ?!」
 揺さぶられるままに声を上げていたハボックの躯がギクリと強張る。ニヤリと笑ったヒューズがハボックを引き寄せその耳元に囁いた。
「ベッドメイクを頼んだんだ。あんなグチャグチャじゃ休めないからな。どうやら終わったらしい」
「ず、ずっと人がっ?!」
「お前のイヤラシイ声、筒抜けだったろうさ」
 そう囁かれてハボックの体が今までとは違う震えを見せる。ヒューズはハボックの顎を掴んでその瞳を正面から覗き込んだ。
「今更だろう?あんなグチャグチャのベッドのシーツを取り替えさせたんだ。多少声を聞かれたところでなにも変わらねぇよ」
 そう囁くヒューズを空色の瞳が見つめる。震える唇が何か言おうとする寸前、ヒューズはハボックの躯を思い切り突き上げた。
「ヒャアアッ!」
 ガツガツと突き上げる度ハボックの躯が跳ね唇から嬌声が上がる。なす術もなくヒューズに躯を揺さぶられながら身悶えるハボックをヒューズはうっとりと見つめていた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も沢山、嬉しいです〜vv

ええと、ヒュハボ続きでスミマセン(滝汗)しかもずっとエロだし。どうにも続きが書きたくて、時間があるとポチポチ携帯で書いてました。布団の中でもポチポチポチポチ……5まで書いたよ(爆)しかし、このままではエイプリールフールが冗談でなくなってしまうー。いい加減ロイハボ、ハボロイに気持ちを切り替えないとッ!冗談抜きでヤバいっス(汗)
でもって、今日実家から戻ってきました。駅前の桜が五分咲きくらいになってましたよ、行く前はまだ蕾だったのに。週末はお花見日和ですね。更新の方はやっぱりポメラ出来ませんでしたー。携帯打ってる間にやれよと言われそうですが(苦)せめて週末「暗獣」くらいは上げたい。学校に行かなきゃなんだが最悪往復の電車で何とか!って思ってます。来週火曜日から平常運転の予定ですー、すみません(汗)

以下、拍手お返事です。

まさかのヒュハボの続きに の方

わーい、テンション上がって頂けて嬉しいですv久しぶりにヒュハボ書いて私もちょっとテンション上がってます(笑)こんな話ですが、引き続きよろしくお付き合い下さいませv
2012年04月05日(木)   No.171 (カプ色あり)

方針転換改め「金緑石2」
CP:ヒュハボ(R20)

「ヒ……ィッ!!」
 ズブズブと一気に貫かれてハボックは目を剥いて身を強張らせる。激痛のあまり悲鳴すら上げる事が出来ず、ガクガクと体を震わせた。
(なんで?)
 強引に体の奥をこじ開けられながらハボックは痛みに霞む頭で考える。ヒューズがこんな事をする理由がハボックには全く判らなかった。
 ハボックはヒューズの事がずっと好きだった。ロイの執務室で初めて紹介されたあの日、眼鏡の奥で悪戯っぽく輝く常盤色の瞳に魅せられてしまった。握手した手をグイと引き寄せられ、その瞳に間近から見つめられて心臓が跳ね上がったのを今でも覚えている。ロイと楽しそうに話す横顔を見つめながら、ハボックは引き寄せられ手をそっと握り締めていたのだ。
 それでもハボックはヒューズに自分の気持ちを打ち明ける気は全くなかった。ヒューズには妻子があったし彼が妻や子をとても大切にしている事を知っていたからだ。それに、妻を愛し、親バカ丸出しで娘を愛おしむヒューズが何より好きだったのだ。時折イーストシティを訪れるヒューズと言葉を交わし極稀に酒を酌み交わす、それだけでハボックは十分に幸せだった。
 それなのに。
(なんで?なんでこんな事になってんの?オレ、アンタを怒らせるような事、なんかした?)
 ぐるぐると頭の中で問い掛けながらハボックは圧し掛かる男を見上げる。己を見つめる常盤色からはその答えを見つけられずハボックが口を開こうとした時、ガツンと奥を突き上げられ尋ねる言葉が悲鳴に変わった。
「ヒィッ!痛ぁッ!」
 狭い肉筒を乱暴に押し広げられ、信じられない程の奥を犯されハボックは激痛に喘ぐ。ガクガクと身を震わせハボックは涙に霞む瞳でヒューズを見つめた。
「中、佐っ」
 下肢から真っ二つに裂かれていくように錯覚するほどの痛みがハボックの心も引き裂く。ガツガツと乱暴に突き上げられ掻き回されて、ハボックはボロボロと涙を零した。
「やめ、て……っ、中佐、やめて……ッ」
 気に入らない事があるならはっきり言ってくれればいい。こんなのはあんまりだ。
「なん、で?なん――――ヒアアッ!!」
 問い掛けようとすれば抽挿が激しさを増す。ベルトで拘束された手首が擦れ、強引に開かれ初めて男を迎え入れた蕾が今にも裂けてしまいそうでハボックは髪を振り乱して悲鳴を上げた。
「痛いッ、アアアッ!」
 激痛のあまり考えることもままならない。ただただ悲鳴を上げ続け、ヒューズの突き上げのまま体を揺さぶられていたハボックは己の奥底を犯す楔がググッと膨れ上がるのを感じた。
「や……っ」
 それが意味する事を察してハボックは怯えた目でヒューズを見上げる。見返してくる常盤色が苦しげに歪められたと思うと、噛みつくように口づけられた。
「ッッ!!」
 それと同時に最奥を抉った楔が弾けて内壁に熱を叩きつける。
「――――ッ!ッッ!!」
 最奥を熱く焼かれてハボックは目を剥いた。悲鳴すら封じられてハボックは見開いた瞳からボロボロと涙を零した。
(嫌だ)
(こんなの、イヤだ)
(こんな風にオレん中にアンタの痕を残すなんて)
(ひどい)
(酷いよ、中佐)
(中佐)
(ちゅうさ)
 ブルリと体を震わせたヒューズが唇を離す。ハアハアと息を弾ませながら二人は何も言わずに見つめ合った。
「…………」
 ヒューズが黙ったまま汗で額に貼りついたハボックの金髪を指先で払う。そうして唇で涙を拭うとさっきまでの荒々しさが嘘のように優しく口づけてきた。
「ッ!」
 ビクッと震えてハボックは涙に濡れた瞳で間近に迫るヒューズを見つめる。今なら答えを得られるかと、僅かに唇が離れればヒューズに問い掛けた。
「なんで……?そんなにオレの事」
 キライ?と問われてヒューズが目を見開く。
「中佐……答えて」
 囁いて見つめるハボックをヒューズが食い入るように見つめたと思うと、不意に手を伸ばして拘束していたハボックの腕を解いた。長く拘束されて痛む腕をハボックはヒューズに向かって伸ばした。
「中佐」
 縋るように伸ばされた手を、だがヒューズは振り払う。
「アッ?!」
 そうしてまだ繋がったままだったハボックの躯を強引に俯せに返した。
「ヒィィッ!」
 みっちりと埋め尽くす楔に内壁を抉られてハボックが悲鳴を上げる。俯せにされた腰をグイと引き上げられ、ハボックは肩越しにヒューズを振り返った。
「中佐っ?!ヒャアッ!!」
 その途端ガンッと突き上げられ、ハボックは悲鳴を上げる。奥を突いた楔が入口ぎりぎりまで引き抜かれ再び最奥まで突き入れるを繰り返される度、注がれた白濁がグチュグチュと音を立て、泡立って零れた。
「アアッ!やだっ、やだァッ!」
 熱い内壁の肉襞を引きずり出すような激しい抽挿にハボックは息を弾ませて泣きじゃくる。好きな相手と一番近くにありながらその心が全く見えない事が、ハボックを深く傷つけた。
「中佐っ、ちゅうさァッ!!ヒィッ、ヒ――――ッッ!!」
 突き破られるのではと思うほど奥を突かれて、ハボックが悲鳴を上げて背を仰け反らせる。その背にヒューズの唇が触れるのを感じたのと同時に再び体の奥を灼かれて、ハボックは目を見開いた。
「あ……ああ……」
 ビクビクと震えながらハボックはキュンとくわえた楔を締め付けてしまう。そうすれば背筋を突き抜けた激痛にハボックの躯が一際大きく震えた。
「中――――」
(なんで?)
 最後まで答えを得られないまま、ハボックの意識は闇に飲まれていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もたくさん、嬉しいです〜v

51万打、回りました〜。毎度本当にありがとうございます!こうして変わらずお付き合いくださる方がいる幸せを、いつも噛み締めています。これからも頑張るぜ!どうぞどうぞ引き続きお付き合い頂き、遊んでやってくださいませ<(_ _)>

さて。
ここはハボロイ、ロイハボサイトだったんじゃないのかと言われそうですが(苦笑)いやあ、なんか前回中途で終わりにしたら続きが書きたくなってしまったもので。もともとこの話、二年くらい前に「千年樹」の日記ネタにしようと携帯でポチポチ打ってた書きかけのがずーっと未送信メールで残ってたやつなんですよね。そんなわけでいつもヒュハボで書くときはヒューズ独身設定で書くのですが今回は妻子持ち。そんな書きづらい設定でシリーズ化出来るのかと思いつつ、どうも今ヒュハボがマイブームになりそうな感じです、ヤバす(苦笑)まあ、気が向いたらぼちぼち書いていくくらいのつもりなので、ハボ受けオッケーな方、よろしければお付き合いください。ちなみに「金緑石」はアレキサンドライトの和名です。緑色の石が光によって赤に変色するってアレです。さて、あとまだ携帯に「暗獣」の続きが残ってるんだが続き書けるかなー。更新の方はポメラがちっとも弄れないのでさっぱりです。実家だと合間にポチポチ携帯で打つのは出来るんですが、ポメラはなかなか(苦笑)

以下、拍手お返事です。


騙されましたぁー(笑)の方

わあ、騙されて頂けましたか!ヒュハボ本命ということでちょっと申し訳なかったかしらと思いつつ、楽しかったと言って頂けて嬉しいですv私もヒュハボも好物ですよvロイハボよりなんかこう、危険な匂いでいいですよね(笑)またぼちぼち書いていきますので、どうぞお付き合いくださいませv

はたかぜさま

グハーッ!やられた!いやあ、一瞬ドキッとしましたよ(笑)エイプリールフール一緒に遊んでくださってありがとうございますvはたかぜさまのノリの良さが大好きだッ!!vv玄関の桜、素敵でしょう?桜はたくさん素材があるのでとっても迷ったのですが、結局大好きな柘榴石さんのをお借りしてきましたv金髪碧眼でもハボックには桜とっても似合うと思いますvv

510000打おめでとうございます♪ の方

いつもありがとうございます!!えへへ、そう言って頂けるのがいつもとっても楽しみで、色々と書き散らかしてます。これからも引き続きお付き合いお願いしますvv
2012年04月03日(火)   No.170 (カプ色あり)

方針転換
CP:ヒュハボ(R18)

「まったくもう……こんなになるまで飲むなんて、なんかあったんスか?」
 乾いたシーツに体が沈み込むのを感じると同時に、苦笑混じりの声が聞こえる。そっと開けたヒューズの目に上着を持ったハボックがハンガーに手を伸ばそうとするのが映った。
 ヒューズはもう長いことこの尉官が好きだった。初めてロイの執務室で紹介されたあの瞬間、彼の綺麗な空色の瞳が目に焼き付いてしまった。もっと近くで見たくて、握手した手をグイと引けば驚いたように見開かれた空色を手に入れたくて堪らなくて。それでも自分には誰よりも大切にしている妻子がいたから、その気持ちを必死に押さえ込み、蓋をしてきた。だが。
 ロイとハボックの上司と部下と呼ぶにはかなり親密なやり取りの中に、ヒューズはまだ当のロイですら気づいていない情愛の芽に気づいてしまった。
(このままロイに渡してしまうのか?)
(この暖かい金色を)
(この優しい空色を)
(ロイが、俺以外の誰かが手に入れるなんて)
 そう思った瞬間身の内に吹き荒れる嵐。
(イヤダ)
(誰にも渡したくない)
(コイツは俺のもんだ)
(俺だけの)
 ほんの数秒の間に吹き荒れた嵐はヒューズの理性も良識も、全て吹き飛ばしてしまう。気づいた時にはヒューズはハボックの長身をベッドに押さえ込んでいた。
「な……?!中佐?」
 恐らくは今ヒューズが何を考えているかなど想像もつかないのだろう。その空色の瞳が単なる驚きだけに見開かれているのを見て、ヒューズは苦く笑う。まだろくに抵抗も見せずにポカンとしているハボックのシャツに手をかけると、ヒューズはそれを力任せに引き裂いた。
「…ッ?!なん…ッ?中――」
 拒絶の言葉か、それとも侮蔑の言葉か、ハボックが口にしようとした言葉を何か判らないままにヒューズは己の唇で飲み込んでしまう。逃れようと本気で暴れるハボックの舌を絡め取りキツく吸い上げればヒューズの口の中にくぐもった悲鳴がなだれ込んできた。
「ん―――ッ!ンン―――ッッ!!」
 ハボックがヒューズの腕を押し返し、力任せに胸を叩く。だがそうやって抵抗されればされるほど、ヒューズはハボックを離す事が出来なかった。ヒューズはシャツの裂け目から手を差し入れると手のひらでハボックの体を撫で回す。綺麗に筋肉のついた体を撫でれば手のひらに当たるプチリとした小さな突起を、指で思い切り捻り潰した。
「痛いッ」
 頭を振ってヒューズのキスから逃れた唇が悲鳴を上げる。それに構わず更に爪を食い込ませれば悲鳴に涙が混じった。
「い……ッ!離せッ!」
「ぐ……ッ」
 叫んだハボックが滅茶苦茶に暴れた拍子に、蹴り上げた膝がヒューズの腹にめり込む。押さえつけるヒューズの手が弛んだ一瞬を逃さず、ハボックはヒューズを振り払い逃げようとした。身を捩り這うようにしてベッドから飛び降りようとする。だが、その寸前ヒューズの手がハボックの脚を掴み引きずり戻した。
「ウワッ!」
 信じられないような強い力にハボックが目を見開く。ベッドの中央に引き戻し肩を掴んでハボックの長身を仰向けに押さえつけると、ヒューズは目を見開くハボックの頬を思い切り張った。
「ッッ!!」
 パンッパンッと二度三度高い音が響きハボックの抵抗が鈍くなる。ヒューズはハボックの両手を束ねると腰から引き抜いたベルトで頭上に拘束した。
「中、佐ッ」
 ベッドに腕を括り付けられたハボックと、そのハボックに跨って押さえつけるヒューズがハアハアと息を弾ませて睨み合う。暫くそうして睨み合っていたが、先に口を開いたのはハボックだった。
「……なんで?」
 訳が判らないと言う顔でハボックがヒューズに問う。確かにハボックにしてみれば想像だにしない展開で、怒りよりも驚きよりも疑問が大きいに違いなかった。だが、ヒューズはそれには答えずハボックのボトムに手をかける。ギクリと身を強張らせたハボックが信じられないと言うようにヒューズを見つめた。
「中佐っ!」
 ボトムにかけたヒューズの手にグイと力が入るのを押しとどめるようにハボックが叫ぶ。下着ごとボトムが引きずり下ろされ剥ぎ取られればその声が悲鳴に変わった。
「やだッ!」
 明るい部屋の中、下肢を晒されてハボックがカッと顔を赤らめる。ヒューズはハボックの腿に手をかけ、胸に押し付けるようにして長い脚をM字に開いた。
「やッッ!!」
 髪より幾分色の濃い茂みの中、色の薄い楔が覗く。ヒューズは顔をハボックの股間に寄せ、楔の先端をくわえた。
「やだァッ!」
 チュウと先端を吸われてハボックが悲鳴を上げる。もがこうにもM字に開いた脚を圧し掛かるヒューズに胸に強く押し付けられてどうする事も出来なかった。
「やめろッ、やめろったら――――アアッ!」
 楔をズッポリとくわえられ唇と舌で攻められてハボックが喘ぐ。直接的な刺激に楔が嵩を増し、徐々に立ち上がり始めた。
「嫌だッ、嫌ッ!」
 ふるふると首を振って拒絶の言葉を吐き出すハボックに構わず、ヒューズは舌と唇を使って攻め立てる。いつしか拒絶の言葉は甘い喘ぎ声に変わり、ヒューズは手で楔を扱きながら体をずり上げ、ハボックの顔を覗き込んだ。
「ハッ……んっ、……あふ……」
 頬を染めゆるゆると首を振りながら喘ぐハボックの顔をヒューズはうっとりと見つめる。甘い息を吐き出す唇を己の唇で塞いだ。
「ンッ!んんッ、んふぅ……ッ」
 クチュクチュと下肢をなぶるイヤラシイ水音とハボックの喘ぎ声が部屋を満たす。ヒューズはその声を心地よく聞きながら扱く手の動きを速めた。
「あっ、あっ、嫌ッ!やめてっ、もうッ!」
 追い上げられてハボックの体がビクビクと震え出す。必死に耐えようとしているのか、押し上げられた脚に力が入り足の指がキュッと丸まった。
「出ちゃうッ、中佐ッ、やめ――――」
「いいぜ、イけよ、ハボック」
 哀願する声を遮るようにヒューズが低く囁く。空色の瞳が見開くと同時に、ハボックの体が大きく震えた。
「あ……アアアッッ!!」
 ビュクビュクとヒューズの手の中にハボックが熱を吐き出す。シーツに頭を押しつけるように体を仰け反らせたハボックがガックリとベッドに沈み込んだ。
「あ……ああ……」
 熱いため息を零してハボックが宙を見つめる。うっすらと涙を浮かべる空色にキスを落とすヒューズをハボックがぼんやりと見上げた。
「中、佐……」
 その瞳を見つめたままヒューズは熱に濡れた手を双丘の狭間に伸ばす。指先が奥まった蕾に触れればハボックの体がピクンと震え、定まっていなかった目の焦点がヒューズに定まった。
「やだ」
 ヒューズの意図を察してハボックが小さく呟く。怯えたように見上げてくる顔が妙に幼く見えて、ヒューズは胸がチクリと痛むのを感じた。
(悪いな)
 可哀想と思うものの、ここでやめられるくらいなら端から手を出したりしない。ヒューズはハボックの瞳を見つめたまま押し当てた指をグイと押し込んだ。
「い……ッ!」
 途端に強張るハボックの体を押さえつけてヒューズは指を根元まで押し込む。グチグチと指を動かせばハボックの顔が歪んだ。
「痛いッ、中佐っ、痛いッ!!」
 涙を滲ませて痛いと訴えるのに構わずヒューズは蕾を掻き回し、無理矢理指で押し広げる。三本目の指を押し込んだ時にはハボックは痛みに体をヒクつかせ、少しでも苦痛を和らげようとするように浅い呼吸を繰り返していた。
「も……やめて……」
 囁くように哀願する声すら甘く聞こえてヒューズは笑みを浮かべて指を掻き回す。最後にグリッと抉ればハボックの唇から悲鳴が上がるのを聞きながらヒューズは乱暴に指を引き抜いた。ハアハアと痛みに喘ぐハボックの脚をヒューズは抱え直す。グイと押し上げ取り出した己を押し当てるヒューズをハボックが目を見開いて見つめた。
「ちゅうさ、やだ……」
 ふるふると首を振ってハボックが囁く。
「こんなの……嘘っしょ?」
 まるで縋るように囁かれる言葉に、ヒューズは低く笑った。
「嘘じゃねぇよ」
 欲しくて欲しくて堪らない気持ち。それを嘘に出来るならこれほど苦しまずに済むのに。
「全部ホントだ」
 ハボックが愛しくて何もかも全部手に入れたい。
 ヒューズは噛みつくようにハボックの唇を塞ぐと、押し当てた楔を一気に突き入れた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。入れ替えた拍手、読んでくだって嬉しいですー。

突然ですが。
今日からヒュハボメインのハボ受けサイトに衣替えしようかと思いますー。ハボック激ラブは変わりませんので、ロイハボ派の方にもハボロイ派の方にも引き続きお付き合い頂ければ嬉しいですッ!

……

…………

………………

……………………

…………………………

って、書いても誰も信じないですよね〜。いや、今日はエイプリール・フールなので書いてみました(苦笑)一回サイトを全面的に弄ってエイプリール・フールで遊んでみたいと思っているのですが、この時期はいつも帰省してるもんで出来た試しがありません(笑)まあ、そんなわけでちょっぴり遊んでみました。これからもハボロイ、ロイハボサイトで頑張りますので宜しくお願いします(笑)
2012年04月01日(日)   No.169 (カプ色あり)

No. PASS
 OR AND
スペースで区切って複数指定可能
  Photo by 空色地図

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