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2013年09月の日記

2013年09月21日(土)
妖11
2013年09月19日(木)
獣8
2013年09月12日(木)
獣7
2013年09月08日(日)
舐める
2013年09月05日(木)
新・暗獣 雷雨編

妖11
「綺麗な月っスね」
 そう呟く声が聞こえて本から顔を上げれば、窓辺に佇む彼の姿が目に入る。その寂しげな横顔に胸がチクリと痛んで、私は立ち上がると殊更明るく言った。
「一杯やるか?今夜は十六夜だろう?」
 そう言って近づいていく私を彼は意外そうに見る。
「あれ?覚えてたんスか?」
 そういうの、興味ないくせにと彼は目を細めてからかうように言った。私は軽く彼を睨むと戸棚の中からグラスと酒の瓶を取り出す。つまみと言えばチーズとナッツくらいしかないと言えば彼がそれで構わないというので、トレイに載せて外へ出た。
「ああ、夜は随分涼しくなったっスね」
「そうだな」
 晴れれば昼はまだ陽射しも強く汗ばむ陽気だが、日が落ちれば夏とは違いいつまでもその熱気が残ることもない。彼が運んできた小さなテーブルにトレイを置くと、私と彼は直接芝生に腰を下ろした。
「本当に綺麗だな」
「でしょう?」
 空を見上げて言えば彼が自慢げに言う。
「オレは十五夜より十六夜の方が好きだな……」
 月明かりの下黙ったまま酒を酌み交わしていると、そう呟いた彼の瞳がここにはいない誰かの面影を追っているように思えて、私は乱暴に彼の腕を引いた。
「うわっ」
 グラスを持っていた手をいきなり引っ張られて、大きく揺れたグラスから酒が零れる。責めるように見つめてくる空色を見返して、私は言った。
「誰のことを考えている?」
「えっ?」
 そう尋ねられて彼は目を見開く。答えられずに見開く空色を睨むように見つめて私は言った。
「今ここにいるのは私だ。他の奴のことを考えるのは────」
 やめろと言いかけて、私は言葉を飲み込む。そんな私をじっと見つめて彼は言った。
「どうしてやめるんスか?言えばいいじゃないっスか。他の奴のことを考えるな、私の事を考えろって。アンタはオレの名前を持ってるんスから」
 そう言う彼を私は思いきり睨みつける。名前で縛って意に添わせる事など私は望んでなどいない。それは彼にもよく判っているはずで、そんなことを言い出した彼が赦せなかった。
「お前は」
 呻くように言って腕を掴んだ手に力を込めれば、私を見つめていた彼の瞳が揺らぐ。それに構わずグイと腕を引くと、逆らわずに近づいてきた彼に向かって私は身を乗り出した。
「ッ」
 ほんの一瞬唇が掠めて、焦点があわないほど近づいた彼の瞳が大きく見開く。ドンと私を突き放した彼の顔が泣きそうに歪んだと思うと、パアッと庭先を金色の光が包んだ。次の瞬間金色に輝く犬が庭を駆け抜け、最後に大きく跳ねるとその姿が闇に溶け込むように消える。そうして。
 気がついた時には、月明かりが降り注ぐ庭に私は一人取り残されていたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みです、嬉しいですv

久しぶりの「妖」です。昨日が十六夜だったので普通にお月見の話を書くつもりが気がつけばこんな展開に……(苦笑)どうするんだ、この先(爆)

んで、今日の更新、やっぱり「セレスタ」だけになりますー。「フレアブルー」も努力したんですが間に合いませんでした(苦)次の更新こそハボロイも頑張りますッ!

以下、拍手お返事です。

なおさま

きっとロイは耳聡くヒューズの足音を聞きつけて、直前に吠えるのやめるんですよ。でもって夢中で吠えてたハボだけ怒られてる間にロイはのんびりラグでお昼寝。後できっとハボックに文句タラタラ言われると思います(笑)

陽花さま

ラブレターありがとうございます!わあ、ハボロイ、読んで下さってますか!嬉しいですーv凄く久しぶりにハボロイの方からコメント頂いて感激ですvでも、今日はどうにも時間のやりくりが間に合わなくて「フレアブルー」書きあがりませんでした…orz 次回更新はハボロイも頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願い致しますv
2013年09月21日(土)   No.344 (カプなし)

獣8
『大佐っ、すっごい月が綺麗っスよ!ねぇ、こっち来て一緒に見ましょうよ』
 リビングのラグに寝そべっていれば、窓から外を見上げてハボックが言う。普段なら無視するハボックの誘いに腰を上げたのは、今日が何の日か覚えがあったからだった。
『今日は十五夜だからな』
 私は窓辺に歩み寄りながら言う。そうすればハボックが不思議そうな顔をして首を傾げた。
『じゅうごや?』
『月を観るのにいい季節ということだ』
 長々と説明してもどうせ判らないだろうと、私は簡単に答える。するとハボックが至極納得したように頷いた。
『確かに、凄く綺麗っスもんね、今夜の月』
 じゅうごやっていうんだぁとハボックは言いながら空を見上げる。雲一つない空にはまん丸の月がその表面に兎を住まわせて煌々と輝いていた。
『こんなに綺麗な月観てると……』
 と、暫く黙って月をみていたハボックが言う。観てるとなんなんだと思って、月から傍らのハボックに視線を移せばハボックがスゥッと大きく息を吸い込んだ。
『ワオーーーーーンッ!!』
『ッッ?!』
 喉を逸らして突然吠えるハボックを私はギョッとして見る。二度、三度と吠えて更にもう一度吠えようとするハボックの頭を、私は思いきり前足ではたいた。
『いてッ』
『なんなんだ、いきなりっ』
 十五夜の話をしていたのではないのかと睨めばハボックが首を竦める。
『えーっ、だってこんな月見ると吠えたくならないっスか?』
『お前は狼男か』
 ハボックの言葉に昔聞いた話を思い出してため息をつく私に、ハボックがキョトンとして言った。
『狼男?なんスか、それ』
 なになに?と寄ってくるハボックに私はチッと舌打ちした。
『大佐ァ』
『重いっ』
 教えてと興味津々でのし掛かってくるハボックに私はガウと牙を向ける。それでも懲りずにねぇねぇとすり寄ってくるハボックに私はため息をついて答えた。
『狼男というのは普段は人間の姿だが満月を見ると狼に変身する怪物のことだ』
『満月見ると変身するんスか?すっげぇッ!』
 私の言葉にハボックが目を輝かせる。まさか本当にいるとは思った訳じゃないだろうなと不安に思って『おとぎ話だぞ』と付け足す私に、ハボックが答えた。
『でも、変身するんでしょ?凄いなぁ』
 私が言っていることをちゃんと理解しているのか、ハボックは相変わらずニコニコと言う。月を見上げて、それから私を見て言った。
『ねぇ、もしオレたちが人間に変身したらどんなっスかね』
『私たちが人間に?』
 狼男のおとぎ話を聞いた時にすら思いもしなかったことを聞かれて、私は眉を寄せる。リビングの窓際、きちんと前足を揃えて座る大きな金色の犬を見つめて私は答えた。
『そうだな、お前なら金髪の大男だろうよ』
『金髪?ホークアイ中尉みたいな?』
 私の言葉にハボックは自分が知っている範囲で金髪の人間を思い浮かべたらしい。その人物の姿を頭に描いて、私は言った。
『いや、同じ金髪でもお前のはもっと柔らかい金色だろう?瞳の色は空色で』
 中尉の金髪はずっと硬質な色合いだ。目の前の柔らかい毛並みのまま人の姿になったハボックを思い浮かべれば、思わず笑みが零れた。
『人間になってもお前は犬っぽいな』
『はあ?どんな想像してんスか』
 ニヤニヤと笑って言う私にハボックが鼻に皺を寄せる。その空色の瞳が私をじっと見つめて言った。
『大佐は黒髪で黒い瞳っスね。ヒューズさんみたいな感じかな』
『ヒューズぅ?』
 言われて目の前にニカッと笑う髭面が浮かぶ。
『私はあんなだらしない顔で笑わんぞ。人間の私はもっとイイ男だ』
『そっスね。大佐ならきっとすげぇハンサムで女の子にもモテモテっスよね』
 ツンと顔を背けて言えばそんな風に返されて、私は顔を赤らめた。だが、幸いにも自慢の毛並みが赤くなった顔を隠してくれたお陰で、ハボックには気づかれずに済む。月を見上げたハボックは空色の瞳を細めて言った。
『大佐と一緒だったら人間になっても面白いだろうなぁ』
『そうなったらこき使ってやろう。なんと言っても私は大佐だからな』
『えーっ』
 ニヤリと笑って言えばハボックが情けない声を上げる。月を観、私を見てハボックは言った。
『まあ、大佐と一緒ならどっちでもいいや。人間でこき使われても、犬で公園一緒に走っても』
 ね?と笑うとハボックは月を見上げる。月明かりを受けた金色の毛が輝いて、その美しさに目を細める私にハボックが言った。
『ねぇ、一緒に吠えません?』
『はあ?なにを言い出すんだ、お前は』
『とりあえず今は犬だし、折角犬なんだから』
 折角というその論理が判らないまま、私は肩を竦める。
『一回だけならな』
『じゃあ、一緒に!せぇの────』
 ハボックのかけ声と同時に息を吸い込み一緒に月に向かって吠えれば、なんだかこのまま人間に変わっていく気がして。
『大佐っ、もう一回!』
『仕方ないな、もう一度だけだぞ』
 私は人懐こい笑みを浮かべる金髪の男と並んで、月に向かって何度も何度も大声で吠えた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいですv

今日は十五夜だそうで。全国的にお天気がいいようなので、きっと綺麗な満月が見えるんだろうなと思ったら月に吠えるワンコが書きたくなったのでした。

今週はなんだかんだと予定が入っていて、頑張れば書けない事はないのでしょうが……どうかな。気力と根性とやる気があれば、でもそうなると話が進んでて書きやすいところから入るのでまたロイハボばっかりになりそうです(苦笑)まあ、ハボロイはもう読み手もいないんじゃないかという感じだしなー、ゆっくり書こうと思います。

以下、拍手お返事です。

なおさま

「獣」押してダメなら引いてみよう作戦(笑)でも、ハボにはそんな芸当出来なさそうです(苦笑)ロイはね、ママ激ラブで子供とママを取り合うパパだと思います(爆)「菫」あはは、変態ショタコン!いやまさしく(苦笑)早く変態ショタコンの毒牙から救ってあげたいと思いつつ、書き手も変態ショタコンなのでつい(爆)「セレスタ」そうそう、このロイは変態じゃないですよ。これからはロイに頑張って貰わなきゃと思ってます。変態キャッチャー……どっちも嫌だなぁ(苦笑)ともあれ早く幸せになれるよう祈ってあげて下さいねv
2013年09月19日(木)   No.343 (カプなし)

獣7
 ここのところハボックの様子がおかしい。
 ヒューズに連れられてこの家にハボックがやってきた時から、アイツは煩いくらい毎日毎日私にまとわりついてきた。どれだけ邪険にしようともどれだけ冷たくあしらおうとも、ハボックは懲りることなく私のところへやってきて、にこにこと笑いながら私に話しかけ私と遊びたがった。あんまりしつこいので最近は五回に一回くらいは構ってやることにしているが、その残りの構って貰えない四回もハボックは決して諦めることなく私にまとわりついてきていた。ところが。
 最近ハボックは全くと言っていいほど側に寄ってこない。鬱陶しいほどにまとわりついてきていた大きな体が近くにないというだけで、なんだか部屋が広く感じる。いつの間にか私専用でなくなっていたラグの半分は、掃除機をかけたまま金色の毛がつくこともなく寂しくその表面の柄を見せていた。
『使わんのなら返してもらうぞ』
 一緒に寝たいとあんまり煩いから貸してやったのに、そういうつもりならもう貸してやらんと私はラグの中央に移動する。精一杯手足を伸ばして出来るだけラグを占拠したが、ラグを独り占めした満足感は何故だか湧いてはこなかった。
 その時、カチャッと音がしてリビングの扉が少しだけ開く。ラグに寝そべったまま薄目を開けて扉を見ればハボックの鼻面が隙間から覗いた。ハボックは中には入ってこずそのまま行ってしまう。少しして中庭の扉が開く音がするのを聞いて、私はラグの上で体を起こした。急いでリビングを出てハボックの後を追う。扉をそっと押し開けて中庭に出た私は、辺りを見回してハボックの姿を探した。
『いた』
 繁みに顔を突っ込んでいたハボックが何かを咥えて歩き出す。フサフサの尻尾を揺らして歩くハボックが家を回って中庭の向こうに消えるのを確認して、私は足音を忍ばせてハボックの後をつけた。家の角っこから顔を出して様子を伺う。私に後をつけられているとは気づいていないハボックは、中庭の片隅に置いてある物置の陰に近づくと咥えていたものを地面に置いた。
『ほら、メシだぞー』
 ハボックがそう声をかければ物置の扉の隙間からなにやら黒い塊が出てくる。私はそれを見た途端、身を潜めていた場所から飛び出してハボックに駆け寄った。
『あっ、大佐っ』
 足音に振り向いたハボックが私を見て慌てて黒い塊の上に覆い被さる。その様になんだかムッとして、私はハボックの尻尾に噛みついた。
『キャウンッ』
 実はハボックの弱点がここであることを私は知っている。いきなり弱いところに噛みつかれて飛び上がるハボックを押し退ければ、見上げてくる小さな塊と目があった。
『────猫?』
 見上げてきたのは真っ黒な子猫だ。子猫は私を見ると金色の目を細めてニャアと鳴いて、地面に置かれた小さな肉にかぶりつく。はぐはぐと懸命に食べる子猫をじっと見つめた私は、傍らのハボックを見た。
『おい』
『庭の外に捨てられてたんス。腹空かせて可哀想だったから』
 ジロリと睨まれて、ハボックは首を竦めて答える。ハボックが私の側に寄ってこなかったのは、体についた猫の匂いに気づかれるのを恐れたためだった。
『どうするつもりだ?まさかお前が飼うつもりじゃないだろうな』
 どう考えても無理だと告げればハボックが項垂れる。
『でっ、でもっ!また捨てるなんて可哀想っス!』
 こんなに小さいのに、とハボックは夢中で肉を食べている子猫の背を舐めた。
『オレのメシ、半分やれば何とかなるっしょ?だから大佐っ』
 ヒューズさんには黙っててとハボックが訴えるのに答えようとするより早く、後ろからヒューズの声がした。
「お前ら、そんなところでなにをやってるんだ?」
『ヒューズさんッ』
 ギョッと飛び上がってハボックは大きな体の陰に子猫を庇う。だが、ヒューズはそんなハボックを簡単に押し退けると、手を伸ばして子猫をつまみ上げた。
「子猫?」
『ヒューズさんッ!返して!』
 ニャアと鳴く子猫の顔を覗き込むヒューズに、ハボックがバウバウと鳴いてまとわりつく。返せと必死に訴えるハボックを見、私を見てヒューズは言った。
「なに、お前ら二匹で子育てしてたの?」
 面白そうにニヤニヤと笑う髭面を私は睨み、ハボックは大きな体をすり付ける。そんな私たちを見て、ヒューズは苦笑した。
「悪いがこの子は飼えないぞ」
『そんなッ!!』
 それじゃあまた捨ててしまうのかと、ハボックがショックに泣き叫ぶ。ヒューズはやれやれとハボックの金色の頭を撫でると子猫を腕に歩きだした。
『ヒューズさんッ』
 子猫を取り返そうとハボックは慌ててヒューズを追う。私はそんなハボックを追いかけると、飛びかかるようにして金色の体を押さえ込んだ。
『大佐っ』
『落ち着け』
 私はそう言うとヒューズの後を追う。尋ねるように見上げる私に微笑んで家の中に入るヒューズについて扉を潜った。リビングに入り、私の定位置であるラグの上に子猫を下ろす。そうすれば私の後からついてきたハボックが大慌てで子猫を腕に抱き込んだ。
「貰い手を探すから。それまではお前らで面倒みな」
『ヒューズさん……っ!あ、ありがとう!!』
 ヒューズの言葉にハボックがパアッと顔を輝かせる。私を振り向いて、ハボックは嬉しそうに言った。
『オレたちで面倒見ろ、って!』
『面倒見るのはお前だろう』
 私は言ってラグの半分に寝そべる。
『でもヒューズさんが言ったっスもん!』
 ハボックはそう言うとラグの真ん中に子猫を置いてもう半分に寝そべった。
『へへ……いいっスね、こういうの』
『……バカか、お前は』
 嬉しそうなハボックに私はフンと鼻を鳴らして腕に顔をのせて目を閉じる。すると鼻先に濡れた感触を感じて、目を開ければ子猫が私の鼻を舐めていた。
『大佐のこと、好きって言ってるっスよ。オレと一緒っスね』
『バカめ』
 ニコニコと嬉しそうに笑ってハボックは子猫と一緒に身を擦り寄せてくる。その後一週間、ラグの真ん中を占拠した子猫は、近所の少女の家に引き取られていった。そうして。
『大佐ァ、外行きましょうよ、外』
『暑いから嫌だ』
『もう秋っスよ?涼しくなったっス』
『私にとってはまだ夏だ』
『大佐ってばァ』
『煩い』
 再びまとわりついてくるようになったハボックを冷たくあしらいながら、私はこっそりと笑みを浮かべた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、モチベーションあがります、嬉しいですv

お久しぶりの「獣」です。この間ドラマを見ていたら真っ黒の子猫が出てきて、可愛いなぁって思ったもので(笑)何に刺激を受けるか判らない(苦笑)

それから58万打、ありがとうございます!変わらず遊びに来て下さる皆様には本当に感謝感謝ですvやっぱりどんなに好きなハボックでも、読んで下さって一緒に盛り上がって下さる方がいないと、一人でラブ叫ぶのは淋しいと実感する今日この頃です。これからも是非うちのハボックをよろしくお願い致します(ぺこり)

以下、拍手お返事です。

なおさま

「舐める」ええ、本当に無駄に技術がありそうです(笑)うわあ、ガリッって……なんか痛くなってきた(爆)おお、なおさまも噛む派ですか?やっぱり噛みたくなりますよねぇ。あ、そうそう、「すみれの花咲く頃」の「すみれ」です(笑)拙いながらも文章を書いていると読めなくてもいい字を読めるようになりますよ(苦笑)あああ、変態ホイホイ、体質なんて……嫌過ぎる(爆)「久遠」あはは、カルシウム不足(笑)確かにロイにしてみれば物足りないかもしれませんね……。ふふふ、まあまたこれから色々あるでしょうしv「天鵞絨」私もパソが勝手に変換してくれないと自力じゃ書けません(苦笑)「ビロード」でオッケですよvいやもう、1年も放置してました(汗)手が早いのはヒューズならではですが、全部で十話しかないので早く手を出さないと出さないまま終わってしまうから(爆)拙宅にしては珍しくポンポンと話が進む予定です(多分)

阿修羅さま

東京、今日はまた夏の暑さがぶり返してます。折角少し涼しくなってきたと思ったのに〜(苦)おおお、キリリク!ついにゲットですか、ありがとうございます!お忙しいのにチャレンジして下さって嬉しいですvリク、承りました。モテモテハボックv最恐のリザ……うお、どんなだろう……頑張ります!しかし、夜中のトイレ介護は本当にハードですね……それじゃあ全然眠れてないですよ(苦)検査、何事もない事を願っています。阿修羅さまこそお体大事になさってくださいね!わーい、やっぱり飴は齧る派ですね!そうそう、どうしても齧ります!カジカジv

おぎわらはぎりさま

どうも!お元気でお過ごしですか?ふふふ、狗ですからねvでも舐めるのはご主人様限定でv(爆)

580000打おめでとうございます♪ の方

いつもありがとうございます!まったりとですが歩みを進めておりますvこれからも是非是非お付き合い下さいvおめでとうと言って頂けるのが、本当に励みになってますv
2013年09月12日(木)   No.342 (カプなし)

舐める
CP:ロイハボ(R18)

「あー、つっかれたァ……」
 ガチャリとリビングの扉が開くと同時に聞こえた声に、ロイは読んでいた本から顔を上げる。シャワーを浴びた後の濡れた髪をタオルでガシガシと乱暴に拭きながら、大きな欠伸をするハボックにロイは言った。
「お疲れさま、大変だったな」
「あはは、まぁ慣れてるっちゃ慣れてる筈なんスけどね。流石に暑かった……」
 ここ数日秋の気配が漂い始めたイーストシティだったが、今日は真夏を思わせるような暑さだった。まるでイタチの最後っ屁のような今年最後の猛暑は体力自慢のハボックにしてもかなりきつかったに違いない。事故の後の復旧作業から戻ったハボックは、ヘロヘロしながらシャワーを浴びたところだった。
「今日は外に食いに行こう」
 普段食事の支度はハボックに任せきりだが、流石に今日はそれを要求するのは気が引ける。と言って自分が作るとは言わないのがロイらしく、ハボックは笑みを浮かべて答えた。
「いっスね。でもちょっと一息」
 入れさせてとハボックはロイの向かいに腰を下ろす。やれやれとため息を零すハボックに、ロイは手元のキャンティボックスから飴を取り出した。
「ほら、とりあえず糖分でも補給しておけ」
 そう言ってロイは手にした飴を投げる。綺麗な放物線を描いた飴は、差し出したハボックの手のひらの上に落ちた。
「ありがとうございます」
 ハボックはにっこりと笑って包み紙を剥ぐと飴を口に放り込む。それを見たロイが笑みを返して言った。
「疲れた時には甘いものが一番だ」
 ロイはそう言って本に視線を戻す。続きを読み始めたロイは、だが聞こえてきた音に眉をしかめて顔を上げた。
 バリバリと飴を噛み砕く音が正面に座ったハボックの唇から聞こえてくる。目を伏せて髪を拭いていたハボックは、見つめてくる視線を感じて顔を上げた。
「――――もう一つ食うか?」
「あ……はい」
 頷くハボックにロイはもう一つ飴を投げてやる。飛んできた飴をキャッチしたハボックは、空になった口に新しい飴を放り込んだ。その次の瞬間。
 バリガリボリと飴を噛み砕く賑やかな音が響く。本を読もうとしてまたしても音に阻まれたロイはハボックを見て尋ねた。
「舐めないか?普通」
 飴を口に入れた途端噛み砕くというのは、あまりやらないのではないだろうか。
「二個目のはかなり大粒だったぞ」
 小さい飴だと気に入らないのかもと、二つ目はメロン味の大玉キャンディを投げてやったのだ。だが、それですら口に入れた途端噛み砕いてしまうのを見れば呆れるしかなかった。
「オレ、飴って舐めていられないんスよね。どうしても噛んじゃう」
 ロイに呆れられて、ハボックは困ったように頭を掻く。
「ほら、あのCMで三十分もつってやってる飴、あるっしょ?あれも噛んじまうんスよねぇ」
「あの飴を?歯が折れるぞ」
 子供に人気の棒付きキャンディは長いこと舐められるというのがウリだ。それですら噛んでしまうと言うのだから相当なものだと思ったロイは、ふと浮かんだ考えにニヤリと笑みを浮かべた。
「私のモノは上手に舐められたのにな」
「へ?……あっ」
 一瞬言われた意味が判らなかったものの、すぐにロイが言わんとしていることを察してハボックは顔を赤らめた。
「なに言い出すんスかッ!それとこれとは話が違うっしょ!」
「そんな事はない。舐めると言う行為に関して言えば同じだ」
「違いますよッ!」
 絶対違うとムキになって言い返せばゆらりと立ち上がったロイにハボックはギクリとする。ロイの纏うオーラとでも言う雰囲気に飲まれかけて、ハッと気づいたハボックが逃げようとした時にはもう遅かった。
「まさかもう忘れたのか?夕べ私のモノを舐めてくれたろう?」
「知りませんよッ!そんな事ッ!」
 ハボックは真っ赤になって圧し掛かってくるロイを押し返す。
「知らない訳ないだろう?あんなに可愛く震えながら舐めてくれたのに」
「……それ以上言ったら今すぐ噛みちぎるっスよ?」
 ロイの言うとおり忘れた訳でも知らない訳でもない。寧ろこうやって記憶を揺さぶられれば思い出したくない事まで思い出して、ハボックは首まで紅くなって凄んだ。
「そんな事をしたら困るのはお前だろう?私のを突っ込まれて掻き回されるのが好きなクセに」
「なっ……なっ……」
 あからさまな言葉にハボックは絶句する。口をパクパクとさせるハボックの頬を撫でてロイは言った。
「まぁいい。忘れたと言うならレッスンしようか」
 ロイは言うなりハボックのボトムを下着ごとずり下げてしまう。ギョッとしたハボックが脚を閉じられないよう体をねじ込んで、ロイは色の薄い楔に指を絡めた。
「ふふ……いつ見ても可愛らしいな」
「馬鹿言ってんじゃ……ひゃあッ!」
 カアッとなって怒鳴った途端ペロリと先端を舐められて、ハボックは高い悲鳴を上げる。脚を閉じようにも閉じられないまま、ハボックは楔を這い回る舌にビクビクと躯を震わせた。
「こうやって裏筋を辿るようにして舐め上げて……カリの部分をこう……」
「アッ……やっ、んあッ!」
 言いながら囁かれれば熱い吐息が唾液に濡れた楔を刺激して、ハボックは喉を仰け反らせて喘ぐ。好き勝手にそそり立つ楔を舐め回したロイは、顔を上げて言った。
「ほら、お前も真似してごらん……?私がやるように私のモノを可愛がってくれ」
 うっとりとそう囁いて、ロイは体の向きを変えるとハボックの顔を跨ぐ。ボトムを弛めれば張り詰めた楔が勢いよく飛び出した。
「ハボック……舐めてくれ」
「あ……」
 低い囁き声と共に目の前に楔を突きつけられて、ハボックは息を飲む。腹に着くほどそそり立ち蜜を垂れ流す楔にゴクリと唾を飲み込むと、言われるままおずおずと舌を差し出した。
「ん……」
 先端で零れ落ちそうになっていた蜜を舐めとったハボックは、さっきロイにされたように裏筋をねっとりと舌で辿る。カリの部分を擽るように舌先でチロチロとなぞると、ロイが感じ入ったようなため息を零した。
「ああ……上手だ、気持ちいいよ、ハボック……」
 そう囁く声にハボックは夢中でロイの楔に舌を這わせる。その時、それまで止まっていたロイの舌先が再び楔を這い回り始めて、ハボックはロイの股間から顔を上げて喘いだ。
「アッ、やァんッ!」
 ビクビクと震えながらもハボックはもう一度ロイのモノを口にしようとする。だがそのたびロイの這い回る舌が沸き上がらせる快感に、ハボックは翻弄されて身悶えだ。
「大佐っ、それされたら…ッ、でっ、出来な……ッ、アアッ!!」
 言いかけた言葉を愛撫に遮られて、ハボックは嬌声を上げる。ロイはそそり立つ楔を口内に迎え入れると、唇と頬の内側を使ってジュブジュブと扱いた。
「ひゃあんッ!やあ……ッ!アッ、アアッ!!イヤァ……ッ!」
 ハボックはロイの腿にしがみつくようにしながら喉を仰け反らせて喘ぐ。一際強く吸い上げられて、ハボックは目を見開いて一瞬喉をひきつらせた。
「アアアアアッ!!」
 次の瞬間、高い嬌声と共にハボックはロイの口中に熱を迸らせてしまう。背を仰け反らせてビクビクと震えたハボックの躯が弛緩して、ゆっくりとソファーに沈み込んだ。
「あ……ああ……」
 ロイは体をずらすと感じ入った吐息を零すハボックの顔を覗き込んだ。
「まだ口でするのは難しいようだな……だったら下の口でしてもらおうか」
「た、いさ……」
 ロイは上気したハボックの頬を撫でて優しく囁きかけると、長い脚を押し開きハボックの奥まった蕾に楔を押し付けた。
「待っ……まだ無理……ッ」
「無理じゃない、こっちの口でしゃぶるのは得意だろう?」
「大……ッ、ヒアアアアッ!」
 言うと同時にロイは半ば強引に楔をねじ込んでいく。高く甘いハボックの悲鳴を心地よく聞きながら、ロイは熱く絡みついてくる唇の感触を味わった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気の素です!嬉しいです〜v

最近ロイハボと言えば無体ばっかりなので、たまにはラブいのが書きたいなぁと……。ただのエロ親父じゃん!とか言われそうですけど(苦笑)
んで、飴。私、飴舐められません。どーしても噛みたくなってすぐガリガリ噛んじゃうんですよねぇ(苦笑)30分は楽しめるというあのキャンディですら、もー噛みたくて噛みたくて(爆)流石にすぐは歯が立たないので多少は舐めますが、ある程度のとこまで行くとガリガリガリと(苦笑)どうやったら舐められるようになるものやら……。

以下、拍手お返事です。

なおさま

「暗獣」うふふ、可愛いですか?悶絶して下さって嬉しいですー(笑)今年は雨、少なかったですもんね。でも、はぼっくに言わせれば雷はいらないって(笑)あー、あの文字化けはタイトルでしたか!確かに「菫」という字を「すみれ」以外の読み方ではあまり読まないですよねー。私もタイトルに使うまで知りませんでしたし(苦笑)あれはアイオライトという宝石の和名で「きんせいせき」と読みます。今度ルビふっときます(笑)「セレスタ」そりゃあ大総統閣下に後始末なんてさせられませんよ!(爆)ふふふ、「セレスタ」といい「菫2」といいハボック啼かせるのが大好きでいけませんね(苦笑)ここまでカワイソーにしておいてちゃんと最後幸せにしてあげられるのか、ちょっと不あn……(殴)いやいや、いつまでも変態ホイホイのままじゃいないはず!せめて変態佐限定で(爆)
2013年09月08日(日)   No.341 (ロイハボ)

新・暗獣 雷雨編
「うわ、降ってきた!」
 自宅まであと十数メートルというところで大粒の雨がバラバラと降り注いでくる。ロイは大事な本を懐に抱え込んで家までの距離を全速力で走った。黒い門扉は開けっ放しで玄関のポーチに飛び込む。何とか濡れずに済んだといえる程度の濡れ具合で家にたどり着くことが出来て、ロイはホッと息を吐いた。
「よかった、間に合った……」
 用事を済ませて最後に古書店に寄る前から雷がゴロゴロと鳴りだし、どうしようかと迷ったもののどうにも本の虫が収まらず寄ってしまった。それでも不気味に鳴り続ける雷の音に急かされて、普段よりはずっと短い時間で古書店から出たのが幸いしたらしい。ロイは肩に着いた水滴を手で払うと鍵を開け中に入る。その途端ピカッと稲光が煌めいて、バケツの底が抜けたように雨が降り出した。
「いやはや……危なかったな」
 この雨の中帰ってきたら折角の本が台無しになるところだった。ロイは笑みを浮かべて中へと入っていく。明かりの消えたリビングは昼だというのに薄暗く、ロイは手を伸ばして灯りのスイッチを押した。大事に庇ってきた本をテーブルに置き、キッチンに行くと水を飲む。やれやれとため息をついたロイは、コップをシンクに入れキッチンを出た。
「まだ寝てるのか?」
 ロイが家を出るときハボックは寝室の寝床でクッションに埋もれて眠っていた。だから声をかけずに出かけてしまったのだがまだ眠っているのだろうか。
 ロイはリビングを出て二階への階段を上がる。家の中にいても雨が叩きつけるように降る音と雷がゴロゴロと鳴る音が響き渡り、時折ピカッと光る稲光が窓越しに家の中を不気味に照らしていた。
「ハボック?」
 ロイは寝室の扉を開けて中に向かって声をかける。壁際に置かれたハボックの寝床に目をやれば、クッションの山の中からフサフサの尻尾だけが覗いていた。
「ハボック」
 雨の音にかき消されないよう、ロイは少し大きな声でハボックを呼ぶ。そうすれば震えていた尻尾がピンッと立ったと思うと、ハボックがクッションの山の中から顔を出した。
「ろーい〜〜〜ッッ」
 ロイの顔を見た途端、ハボックがボロボロと泣き出す。クッションの中に座り込んでわんわんと泣き出すハボックを、ロイは手を伸ばして抱き上げた。
「ろーいーーーっっ!!」
 その途端、ハボックが小さな手でポカポカとロイを叩く。そんなハボックをギュッと抱き締めて、ロイは苦笑した。
「悪かった、すぐ帰るからわざわざ起こさなくてもいいと思ったんだよ」
 まさかこんな雷雨になるとは思っていなかった。その時、一際大きな雷がガラガラピシャーンと落ちる音がして、ハボックがロイの腕の中で飛び上がった。
「ッッッ!!!」
「ああ、大丈夫だ、ハボック」
 怯えて全身の毛を逆立てるハボックの背をロイは宥めるように撫でる。ブルブルと震えてしがみついてくる小さな体を抱き締めれば、一人置いて出かけてしまったことに罪悪感が込み上げてきた。
「一人にして本当に悪かったな。怖かったろう?」
「ろーいっ」
 屋根に叩きつける雨の音と鳴り響く雷鳴と刺すような稲光は、家の中にいても相当怖いものだったに違いない。
「あったかいミルク……というわけにいかんか。とにかく下に行こう」
 ロイはそう言ってハボックを抱いたまま階下に降りる。冷蔵庫に入れておいた井戸水を出そうとハボックを下に下ろそうとすれば、ハボックが両手両足をロイの体に絡めてしがみついてきた。
「ハボック」
「ろいっ」
 しがみついて離れようとしないハボックにロイは苦笑する。
「判ったよ、下ろさないから少し弛めてくれ」
「ろいっっ」
 だが、ハボックはふるふると首を振ってますますしがみついてくる。思った以上に怖い思いをさせてしまったのだと、ロイはハボックを抱き締めて金色の犬耳に優しくキスを落とした。
「大丈夫。ここにいるから」
「ろーい……」
 涙に濡れた頬をすりすりとすり付けてくるハボックに笑みを浮かべて、ロイはソファーに腰を落とす。そうして小さな体を抱き締めていれば、雨と雷の音も相まって世界に二人きりのような気になったロイはクスリと笑みを零した。
「ろい」
「すまん」
 その途端涙に濡れた空色に睨まれて、苦笑したロイはハボックの小さな体を腕の中に囲い込む。そうすれば漸く安心したように、ハボックは一つ息を吐いて目を閉じた。
 そうして雨と雷の音が小さくなって聞こえなくなるまで、ロイはハボックをずっと優しく抱き締めていたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気の元です、モチベーション違いますv嬉しいですーvv

大気の状態が不安定ですね。東京も昨日の夜から断続的に雷が鳴り響いてて、家の中にいてもすっげー怖いです(苦笑)雨も時々凄い勢いで降ってくるし。最寄りの路線は8時過ぎから暫く落雷で全線止まってましたよ。いやあ、堪らんですね(苦)竜巻被害も凄いみたいだし、皆様のところも大事になっていないといいのですが……。

そんなわけで「暗獣」です。本当は今日はラブいロイハボのつもりだったんですが、朝から雷凄いんだもん!真上で鳴ってるように聞こえる時もあって、家の中でも「怖い怖い」と言ってました(苦笑)思わずサイトのバックアップとったよ(爆)いや、雷落ちたら困るんだけどさー(苦笑)でも多分一年以上バックアップとってなかった、いかんいかん(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

第三の男!いやいや、私ですら半分忘れかけてましたから(苦笑)狛犬ツインズのわふん、ああその脳内妄想、見せて頂きたいですよ!(笑)「セレスタ」ははは、いいでしょう?ブラッドレイの「愛してる」(笑)ロイ、どうも後手後手ですね、これで愛の告白まで先にされたら目も当てられないですがどうなることやら(苦笑)そして恐らく「菫2」…。読めませんでしたの前の部分が思いっきり文字化けしてて(苦)な、何が読めなかったんでしょう……(汗)変態ホイホイなんて、ハボック……カワイソー(爆)そんな格好で歩いていたら一番最初に変態佐がついていきそ……(爆)「久遠」シンプルなのがウルフのいいところであり悪いところでもあり(苦笑)ふふふ、先が読めないですか?嬉しいですv「久遠」といい「菫2」といい、ガツガツ続き書きたい気持ちでいっぱいなので、楽しんで頂けたら益々調子にのって頑張ります(笑)
2013年09月05日(木)   No.340 (カプなし)

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