ロイハボ

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2015年02月22日(日)
黒スグリ姫17
2015年02月19日(木)
黒スグリ姫16
2015年02月14日(土)
黒スグリ姫15
2015年02月09日(月)

2015年01月30日(金)
黒スグリ姫14
2014年10月24日(金)
ナンバープレート
2014年10月17日(金)
黒スグリ姫13
2014年10月02日(木)
黒スグリ姫12
2014年09月11日(木)
黒スグリ姫11
2014年09月05日(金)
黒スグリ姫10

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

黒スグリ姫17
ロイハボ風味

「どうぞ、あがってください」
「おじゃまします」
 ハボックに促されるままロイは家に上がる。両親は仕事で不在なのは知っていたがロイは律儀に挨拶の言葉を口にして中へと入った。
「座っててください、ちらかってるっスけど」
 ハボックは言ってロイにソファーを進める。ロイはリビングの中を見回しながらソファーに腰を下ろした。
「ちっとも散らかってなんかないさ。フルタイムで働いてるんだろう?それなのに家の中はきちんと片づいて、凄いな。食事もちゃんと用意されるんだろう?」
「父さんが味に煩いから。出来合いだとすげぇ味に文句つけるんスもん」
 ハボックはそう言いながら湯を沸かし紅茶の用意をする。手早く淹れて黒スグリのジャムと一緒にロイの前にカップを置いた。
「ああ、それはそうだろうな。あのジャムの仕分け方にはビックリした」
 ロイは嬉しそうにジャムを掬って口にしながら言う。ロイの言葉に父親にロイが集めたジャムの仕分けを手伝って貰ったことを思い出して、ハボックは苦笑した。
 去年のバレンタインデー。イニシャルだけを添えて黒スグリのジャム入りのチョコを送ったハボックを探そうと、ロイは学校中から黒スグリのジャムを集めた。おかげでロイの家の冷蔵庫は一口味を見ただけのジャムで埋め尽くされてしまった。流石に食べきれず処分に困っていたロイに、纏めて味を調え直せばいいと提案したのが大量のジャムを持て余して困っているという話を聞いたハボックの父親だったのだ。
「保存料の種類まで食べて判るんだからな、凄いよ」
 持ってきたらやってあげるからと言うハボックの母親の言葉に甘えてハボックの家にロイは大量のジャムを持ち込んだ。そのジャムをハボックの父親が仕分けて母親が味を調え大きな瓶に詰め直してくれた。おかげでロイは大量のジャムを無駄にすることなく美味しく食べることができのだった。
「あの時は本当に助かったよ」
「うちもジャム分けて貰ったっスから、助かりました」
 ハボックはにっこりと笑って言う。
「そう言えば母さんが今度食事にって言ってたっス。母さん、先輩のこと凄く気に入ってたから」
「ふふ、それは嬉しいな」
 あの日ジャムを詰め直しながらすっかり意気投合してしまったハボックの母親の、息子によく似た顔を思い出して笑みを浮かべるロイにハボックは言った。
「先輩、ゆっくりしててください。テレビ見ててもいいっスよ。オレはチョコ作っちゃいますから」
 ハボックはそう言うとキッチンへ行く。チョコを出し、細かく砕くための準備をしていると、ロイがキッチンに入ってくるのを見て小首を傾げた。
「なんスか?なにか足りなかったっスか?」
「いや」
 不思議そうに尋ねるハボックにロイは答える。
「折角だから作るのを見てていいか?」
「いいっスけど……退屈じゃねぇ?」
「そんなことないさ」
 ロイはにっこりと笑ってキッチンの壁に寄りかかる。ハボックはロイに背を向ける形で、チョコを小さく砕き始めた。
「手際がいいな」
「チョコ砕いてるだけっスもん、手際もなにもないっスよ」
 包丁を使ってチョコを細かく砕いていけばそんな声が聞こえてハボックは答える。だが、続いて聞こえた言葉にハボックは眉を寄せた。
「でも、チョコを細かくするのは結構大変だと聞いたよ」
「そう、っスか?」
(聞いたって誰から……彼女、とか?)
 なんでもないように答えながらハボックは思う。去年までは段ボール箱に何箱もチョコを貰っていたロイだ。彼女に手作りして貰ったことなどきっと何度もあるに違いなかった。
「ハボック」
「ひゃあッ」
 そっとため息をついた時、いきなり耳元で名を呼ばれてハボックは飛び上がる。慌てて振り向くとロイがすぐ後ろに立っていた。
「び、びっくりしたッ」
「何故?さっきからいたじゃないか」
 何を今更とロイが笑う。背後から腰に手を回されて、ハボックは言った。
「せんぱぁい、やりづらいっス」
「近くで見たいんだよ」
「近すぎじゃね?」
 こんなにくっつかれては心臓のドキドキが聞かれてしまうと思いながら、ハボックはチョコを細かく砕く。耐熱のボウルに入れてラップをするとレンジに入れた。チョコを溶かす間に棚からシリコン製のハートの型を取り出す。そうする間にもピッタリくっついて離れないロイに、ハボックは肩越しに振り返って言った。
「先輩もやってみます?」
「そこにチョコを入れるのか?」
「そうっス」
 その時レンジがチンと鳴って、ハボックはボウルをレンジから取り出す。まだ少し塊のあるそれを木べらで掻き回すと塊が溶けて滑らかになった。
「スプーンで塗ってください。底をちょっと厚めにすると上手くいくんで」
「判った」
 ハボックにスプーンを渡されて、ロイはチョコを掬って型に塗る。ハートが幾つも連なったトレイ状のシリコン型に顔をつき合わせて塗っていれば、ふと顔を見合わせてクスクスと笑った。
「先輩にあげるチョコなのに先輩にやらせてるって変っスよね」
「いいじゃないか、こう言うのも楽しくて。ん、美味しいな、このチョコ」
「先輩っ、舐めちゃダメっスよ」
 掬ったチョコを型に入れずに舐めてしまうロイにハボックが口を尖らせる。ロイはクスリと笑うと尖らせた口先にチョコを塗り付けた。
「わっ」
「ほら、旨いだろ?」
「もう、先輩ってば!」
 ハボックはムゥと膨れながら唇につけられたチョコを舌で舐める。紅く濡れた舌先がピンク色の唇を何度も行き来するのを見つめて、ロイは言った。
「まだ残ってる」
「え?どこ?」
 言われて舌で舐めとろうとするハボックにロイは顔を近づける。ハッとして目を瞠るハボックの唇を舌で何度も舐め、最後に唇を重ねた。
「んッ」
 逃げようとするハボックをグイと引き寄せ唇の間から舌をねじ込む。クチュと音を立ててキスを交わして、そっと唇を離した。
「とれたぞ」
「も、もうっ、せんぱいってばッ!自分でとれんのにッ」
 ハボックは真っ赤になって手の甲で唇をこすっていたが、ハッとチョコを見て声を上げた。
「わーっ、固まっちゃってる!もうっ、やり直さなきゃじゃんッ!先輩のせいっ」
「はは、ごめんごめん」
 キッと睨まれてロイは苦笑する。もう一度溶かしたチョコを型に塗って冷蔵庫で少し冷やして固めると、ハボックは黒スグリのジャムを取り出した。
「ここにジャムを入れるのか」
「そう。入れすぎないようにするのがコツっスよ」
「沢山入れた方が旨そうなのに」
「チョコで蓋できなくなっちまうっしょ」
 もう、と呆れた調子で言われて、ロイはクスリと笑う。ジャムをスプーンで掬ってチョコの中に入れるハボックの手を取って、スプーンの上のジャムを食べてしまった。
「せんぱぁいッ」
「お前も食べるか?」
「いっ、いいっス!」
 責めるように睨めば平然として顔を寄せてくるロイに、ハボックは慌ててロイを押し返す。ふふ、と笑ってロイは紅く染まったハボックの首筋にキスを落とした。
「うひゃあッ」
 突然のことに飛び上がったハボックのスプーンからジャムが床に落ちる。ハボックはキスされた首筋を手で押さえながら真っ赤な顔でロイを睨んだ。
「もーっ、先輩いるとチョコできないっしょ!もう、あっちで待っててくださいッ!」
「ごめん、悪かったって、ハボック」
 グイグイとキッチンから押し出されてロイが言う。
「ダメッ、あっち行って!」
 だが、結局キッチンから追い出されて、ロイは仕方なしにリビングに戻った。
「もうっ、先輩ってば、先輩ってばッ!」
 ドキドキと高鳴る胸を誤魔化すようにハボックは言って零れたジャムを拭き取る。残ったチョコにジャムを入れてチョコで蓋をするともう一度冷蔵庫に入れた。
「出来たのか?」
 冷蔵庫で固める間、リビングに行けば置いてあった雑誌を読んでいたロイが言う。ハボックはロイの向かいに腰をおろして答えた。
「後は固まったら型から抜いて、ホワイトチョコで飾ったら出来上がりっス。あ、型から抜くときは神経使うんで、ぜーったい邪魔しないでくださいねッ」
 邪魔される前にと釘を刺すハボックにロイはクスリと笑う。雑誌を脇に置くとソファーに座る自分の隣を叩いて言った。
「判った、邪魔しないから、こっちにおいで」
「えっ?」
 そう言われてハボックは迷った末、クッションを手に取り立ち上がる。ゆっくりとロイの側に寄ればロイの手が伸びてきてハボックの腕を引っ張った。
「わっ」
 引っ張られるままにハボックはポスンとソファーに腰を落とす。ギュッとクッションを抱き締めて上目遣いにロイを見れば、黒曜石の瞳がハボックを見つめていた。
「今日はチョコを作ってくれて嬉しいよ。今年はもう貰えないのかと思ったから」
「ご、ごめんなさい」
 言われてハボックは首を竦める。そんなハボックにロイは笑って尋ねた。
「私が好きか?」
「……好きっス」
「こんなヤキモチ妬きの私でも?」
 そう尋ねられてハボックは目を瞠る。それからふわりと笑って答えた。
「好き……ヤキモチ妬きの先輩、大好き」
「ハボック」
 言えばクッションごと抱き締められて降ってくる唇を、ハボックは目を閉じて受け止めた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになりますv嬉しいですvv

日記をアップしようとして「あっ、猫の日だっ」って思ったけど、今から書く時間もないので「黒スグリ姫」です(苦笑)チョコ作ってイチャイチャvきっとものすんごい甘いチョコが出来たと思います(笑)
去年のジャムを合わせて煮詰め直すっていうの、頂いたコメントをちゃっかりネタにさせて頂いちゃいましたーッ。いつもながらにすみません(汗)でもってこの後は家庭教師になって親公認(爆)まさか勉強以外の事を教えて貰ってるとは親も思うまい(コラコラ)

以下、拍手お返事です。

香深さま

わーい、お久しぶりです、お元気ですか?姫ハボ、ジャム仕分けネタ、ちゃっかり頂いてしまいましたーッ!だって私もあの大量のジャムはどうしたんだろうとずっと思っていたもので(笑)姫ハボの母は絶対料理が上手だと思います。ふふふ、いいですよね、家庭教師(笑)おお、それじゃあ姫ハボホワイトデーはチューリップの花束を贈って貰いますねvエドの犬種、うわあ、ジャックラッセルテリア!性格が凄いエドっぽい!いいかもーv確かにアルのイメージとはちょっと違うかもですが、その辺は個体差って事にしちゃおうかなぁ。まだ寒い日が続くようですね、香深さまもお体お気をつけてお過ごしくださいv

なおさま

黒スグリ、ヒューズは絶対いい相談相手ですよね!そうそう、でもロイにはそれが納得いかない(笑)あ、やっぱり「待て」を言い渡されると思いました?ですよね〜(笑)そんな訳でイチャイチャのち待てな展開になりました(笑)
2015年02月22日(日)   No.442 (ロイハボ)

黒スグリ姫16
ロイハボ風味

「おう、ハボック」
「あ、ヒューズ先輩」
 本屋で本を探していたヒューズは視界の隅を掠めた金色に顔を上げ、見知った顔に気づいて声をかける。近づいてきたハボックが手にした雑誌を見てヒューズは言った。
「買い物か?」
「うん。これこれ」
 ハボックはそう言って手にした雑誌を見せる。サッカー選手が表紙を飾る月刊誌はヒューズも買っているものだった。
「お、そうか。最新号今日だったか」
「そうっスよ。ヒューズ先輩も買ってるんスか?」
「当然だろ」
 ニヤリと笑って言えば、ハボックが「そうっスよね!」と同意する。ヒューズは本を探すのをやめてハボックがレジに並ぶのについていった。
「そういやお前、バレンタインはロイにチョコあげたんだろ?例のジャム入りの奴」
 去年のバレンタインデー。ロイがチョコを手だてにハボックを探し出すのに手を貸したのはヒューズだ。その後つき合いだした二人、今年も切欠となったチョコを当然あげたのだろうと尋ねれば、顔を曇らせるハボックにヒューズは眉を寄せた。
「えっ?まさかあげなかったのか?」
 レジを済ませて歩き出すハボックと並んで店を出ながらヒューズは尋ねる。そうすればハボックが買った雑誌をギュッと抱き締めるのを見てヒューズは言った。
「もしかして別れた、とか?」
「別れてないっス!」
 そうすれば途端に返ってきた言葉にヒューズは目を丸くする。ハッとしてハボックが慌てて目を逸らすのにヒューズは目を細めた。
「どう言うことだよ」
「それはその……可愛い女の子からずっと美味しいチョコ貰ったらそっちの方がよくなるだろうなって思ったから……」
「は?ロイの奴、今年は誰からもチョコ貰ってないぞ」
「知ってます、先輩にもそう言われたっスから」
「だったらなんで?」
 訳が判らんと言う顔をするヒューズをハボックはチラリと見る。
「ヒューズ先輩、マスタング先輩ってオレのどこがいいのかな?」
「へ?」
「オレのこと可愛くて愛しくてしょうがない。大好きだっていっぱいキスしてくれたけど、オレのどこがいいのかなぁ……」
「お前なぁ……」
 雑誌を抱き締め、紅い顔でそんなことを言うハボックをヒューズはげんなりと見つめる。自分が言っているのがただの惚気だと気づいていないらしい少年に、ヒューズはひとつため息をついて言った。
「仕方ねぇなぁ。そんなに不安ならロイがどんだけお前が好きか教えてやるよ」
「えっ?」
 言えば驚いたように空色の瞳を見開くハボックにヒューズはニヤリと笑ってウィンクする。ポケットからスマートフォンを取り出して操作すると耳に当てた。
「────ああ、ロイ?俺だけどさ、今ハボックと一緒にいるんだけど、この辺りでオススメの喫茶店ってどこ?────いや別にお前は来なくていいよ。えっ?あー、駅前の本屋の前だけど、ここから近い喫茶店教え────って、切れちまったよ」
 ヒューズは苦笑してスマートフォンをポケットに戻す。ポカンとしているハボックに、ヒューズは笑って言った。
「あの調子なら五分……いや四分二十秒で来るぜ」
「えっ?なんで?」
 キョトンとするハボックの質問に答えず、ヒューズはポケットに手を突っ込んで通りの向こうに目をやる。少し待てば、遠くから駆けてくる人影が見えた。
「来た来た」
「うそ、マスタング先輩っ?」
 もの凄い勢いで近づいてくるロイを目を丸くして見つめるハボックにヒューズは言った。
「なあ、今からでもいいからチョコ作ってやれよ」
「えっ?」
「喜ぶぜ、アイツ」
 言ってヒューズがニッと笑った時、ロイが側までやってきた。
「ヒューズ〜〜ぅッ、きっ、きさまッ」
 ゼイゼイと肩で息をする合間にロイは唸るように言ってヒューズを睨む。目を丸くしているハボックを引き寄せ、ギュッと抱き締めた。
「ほんっとに油断も隙もない奴だなッ!何度言ったら判るッ、ハボックに手を出すなッッ!!」
 もの凄い剣幕でロイに怒鳴られてもヒューズはどこ吹く風だ。煙草を取り出し火をつけながら言った。
「可愛いよなぁ、ジャンって。なあ、今度また一緒にサッカー見ようぜ」
「えっ、あ、はい!」
「なにッ!!」
 馴れ馴れしくファーストネームを呼んだ上サッカーに誘うヒューズにロイは目を吊り上げる。
「お前もッ、なんで返事するんだッ」
「えっと、マスタング先輩も一緒にどうっスか?前に行きたいって言ってたっしょ?」
「ッ」
 思いがけずそんな答えが返ってきて、ロイはウッと答えに詰まる。そんな二人を見て、ヒューズがクックッと笑った。
「ま、他の誰かにとられないよう気をつけな。じゃあな」
「お前が一番危ないッ!」
 ハッハッハッと笑いながらヒューズは手を振って行ってしまう。その背を睨みつけていたロイはヒューズが角を曲がってしまうとバッとハボックの方を振り返る。
「どうしてヒューズと一緒に?まさかアイツに口説かれてたんじゃ」
「えっ?ヒューズ先輩とは本屋でたまたま会っただけっスよ」
「だが一緒に喫茶店に行こうとしてたろうッ」
「それはヒューズ先輩が勝手に言ってただけで」
 小首を傾げて言うハボックに、ロイは大きく息を吸い込んだ。
「じゃあヒューズとはなにも……?」
「なにもないっスよ」
 ハボックが言うのを聞いてロイは吸い込んだ息を一気に吐き出す。ハアと大きなため息をついて小さく頭を振るロイの様子をじっと見ていたハボックは、クスリと笑って言った。
「ねぇ、先輩。今忙しいっスか?すぐ家に帰らないとダメ?」
「いや、別に急いで帰る必要はないが」
「だったらうちに来ませんか?──チョコ、遅くなっちゃたけど作ろうかなって……もう要らないっスか?」
「ッ!そんなわけないだろうッ」
「ホント?よかったぁ」
 不安げな表情がロイの一言でパアッと変わるのを見たロイの心臓がドキンと音を立てる。
「じゃあ、行きましょう────先輩?」
 先に立って歩きだそうとするハボックの腕を引き留めれば、ハボックが不思議そうにロイを見た。
「ハボック、ちょっと」
「先輩?」
 ロイは胸の鼓動が命じるままにハボックを近くの路地に連れていくとその細い体を腕の中に閉じこめる。
「……先輩?」
「好きだよ、ハボック」
 不思議そうに見つめてくるハボックを引き寄せて、ロイはハボックにそっと口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、頑張る素です、嬉しいですv

「黒スグリ姫」です。マスタング先輩、ホントヤキモチ妬きだなぁ(苦笑)いちゃいちゃさせようと思ったのにする前に終わってしまった(苦笑)次回はチョコ作りながらイチャイチャすると思います(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、おお、エドとアルの犬種ありがとうございますvそうだなぁ、この中ならキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルかパピヨンかなぁ……考え中。あ、ちなみにエドとアルは兄弟犬なので同じ犬種になると思います、ふふふvそしてホワイトデーネタもありがとうございますvvおお、いいっスね!それ!髭め〜(笑)頑張って書かせていただきますねv

阿修羅さま

バレンタインネタ、楽しんで頂けてよかったです。そしてホワイトデーネタもありがとうございます。頑張るロイ……頑張って書かせて頂きますね。季節の上では春ですが、まだまだ寒い日が続くようです。阿修羅さまもお体大切になさってくださいねv
2015年02月19日(木)   No.441 (ロイハボ)

黒スグリ姫15
ロイハボ風味


 学校からの帰り道、冷たい北風に首を竦めて歩いていたハボックは、店のショーウィンドウを飾る彩りも可愛らしいチョコを目にして立ち止まる。中にジャムが入ったチョコを見つけて、丁度一年前の事を思い出した。
 学園でも知らない人のいない人気者の大学生であるロイと知り合ったのは、飛び出してきた猫をよけた弾みに自転車ごと転んでしまったのが切欠だった。痛みに起き上がれないでいるハボックを助けてくれたのがロイだったのだ。ロイに恋したハボックは、バレンタインに手作りの黒スグリジャム入りのチョコを贈った。決して叶うことのない恋だと思ったからイニシャルだけを添えて。だが綺麗な空色のリボンに惹かれてチョコを食べたロイがハボックを探し出し、そうして二人は恋人同士となったのだった。
(今年のバレンタインどうしようかな……)
 黒スグリジャム入りのチョコはロイの大のお気に入りだ。作るのにちょっぴり手間がかかるのであまり作ってあげられないが、何か特別な時には贈るようにしていた。
(やっぱりあれがいいかな、先輩、大好物だし)
 それに何より二人がつきあうようになった切欠のチョコだ。
(よし、じゃあ今年もあのチョコを)
 作ろう、とハボックが思った時、スイーツショップの前で可愛らしい笑い声が上がる。声がした方を見たハボックの目に、女の子達がチョコの手作りキットを手に楽しそうに話しているのが飛び込んできた。
「私、今年はマスタング先輩に手作りチョコ贈るんだ」
「エマ、お菓子づくり得意だもんね。きっとマスタング先輩も一発だよ!」
(あ)
 ふと。ハボックの頭にある考えが浮かぶ。暫くの間楽しげな女の子達の様子を見ていたハボックだったが、逃げるようにその場を後にした。

「ただいま……」
 ハボックはいつものように自分で鍵を開けて家に入る。両親は仕事に出かけておらず、ハボックは二階の部屋に上がると部屋着に着替えて下りてきた。冷蔵庫を開け黒スグリジャムが入った瓶を取り出す。お気に入りのそのジャムを見つめていれば、さっき見た女の子達の姿が頭に浮かんだ。
(もし今年、誰か女の子が手作りチョコをあげて、それが先輩の好みだったらその子と付き合うのかな……)
 考えてみればロイは自分のどこがよくて付き合ってくれているのだろう。このジャム入りのチョコが気に入っただけなら、他にもっと美味しいチョコを作る女の子が現れたらその子と付き合いたいと思うのではないだろうか。なんと言っても自分は男だ。彼好みのチョコを作る可愛い女の子がいたならばそっちの方がいいに違いない。
「――――ッ」
 ハボックは冷蔵庫を開けるとジャムの瓶を放り込み乱暴に扉を閉めた。

 ロイは読んでいた本を閉じると手帳を広げ、気がついた事を書き留める。スケジュールのページを捲れば目に飛び込んできた日付に目を細めた。
「バレンタインデーか」
 思えば去年の今頃、ハボックからあのチョコを貰ったのだ。こんなに美味しいチョコを作るのは一体どんな相手だろうと探し回って見つけたのがハボックだった。明るい空色の瞳と素直で無邪気な性格と。会えば会うだけ可愛くて愛しくて堪らず、どんどん好きになった。
「今年もあのチョコをくれるのかな、ふふ、楽しみだ」
 甘くてちょっぴり酸っぱくて、ハボックみたいなチョコレート。ロイはバレンタインにあのチョコが貰えるのをウキウキしながら待っていた。

「おう、ロイ」
「おはよう、ヒューズ」
 廊下の向こうからやってきた髭面の友人が手を上げるのにロイは答える。ヒューズは手にした紙袋をロイに差し出して言った。
「ほら、お前宛。預かってきたぜ」
 そう言って差し出された紙袋一杯のチョコにロイは思い切り眉をしかめる。ロイは受け取ろうとはせずに言った。
「どうしてそんなものを持ってくるんだ」
「どうしてって、仕方ないだろ。渡してくれって押しつけられてんだから」
 好きで持ってきた訳じゃないとヒューズは紙袋をロイに渡そうとする。だがロイは手を出さずに言った。
「私にはハボックがいるんだ、受け取れる訳がない」
「だったら彼女達にそう言えよ」
「言えるわけないだろう」
 そう言うロイにヒューズが顔をしかめる。その表情からヒューズが言いたい事を察して、ロイは「違う」と手を振った。
「ハボックが嫌がらせを受けたりしたら困る」
「ああ、そう言うことか。モテる男は辛いね」
 そう言うヒューズをロイが睨む。チョコが詰まった紙袋を見て言った。
「そう言う訳だから受け取れないよ。私が受け取るのはハボックのチョコだけだ」
「まあお前の言い分は判ったけど、どうするよ、これ」
「お前に任せる」
「えっ?おい、ロイ!」
 それだけ言ってスタスタと歩いていってしまうロイをヒューズは慌てて引き留めようとする。だが声が聞こえているだろうに振り返りもせず行ってしまうロイにヒューズはため息をついた。
「ま、確かに仕方ないわな」
 ロイが義理でも他の相手かのチョコを受け取らないのはそれだけハボックに対して本気だと言うことだ。
「とは言えどうするよ、これ……」
 食べるわけにもいかず、といって捨てる訳にもいかない。
「返して回れってか?冗談だろ」
 ヒューズは紙袋一杯のチョコを見下ろしてため息をついた。

 ヒューズが持ってきたチョコを拒絶して、ロイは学園を出ると近くの喫茶店に向かう。夕べ電話でハボックとここで待ち合わせする約束を取り付けたのだが、その時のハボックの様子を思い出してロイは眉を顰めた。
(様子が変だった……何かあったのか?)
 普段のハボックなら賑やかにお喋りするのに夕べは殆ど喋らなかった。それどころかバレンタインのデートにすら気乗りしない様子だったのだ。
(まさか他に誰か……?)
 不意にそんな考えが浮かべばいても立ってもいられなくなる。ロイは苛々しながらハボックが来るのを待ったが、ハボックは約束の時間を三十分過ぎても姿を現さなかった。
「――――ッ」
 ロイはそれ以上待っていられなくなって、乱暴な仕草で立ち上がる。喫茶店を飛び出すとハボックの家へと向かった。何度か訪ねた事のある場所へロイは迷うことなく辿り着くと玄関のチャイムを鳴らした。だが、何度鳴らしても扉が開く気配はない。シンと静まり返った家は留守のようにも見えたが、ロイは愛しい少年が中にいることを確信して門に手をかけるとヒラリと飛び越えた。

 玄関のチャイムが鳴る音にインターホンの画面を見たハボックは、そこに映るロイの姿を見つけて目を瞠る。だが、インターホンには出ずにハボックはソファーに座ったままクッションを抱き締めた。
 夕べロイからの電話で、今日デートする約束をした。だが、約束はしたもののハボックは約束の場所にとても行く気にはなれなかった。
(だって……きっと他の女の子から美味しいチョコを貰ってるもの)
 去年はたまたま自分のチョコを選んでくれただけで、きっと今年は可愛い女の子からもっと美味しいチョコを貰ったに違いない。
(きっとその事を言いに来たんだ。もう……オレのチョコはいらないって)
 そう考えたハボックの瞳に涙が盛り上がる。盛り上がった涙がポロリと頬に零れた時、乱暴に扉を叩く音が聞こえてハボックは飛び上がった。
「ハボック!」
「な、なん……っ」
 ドンドンと扉を叩く音の合間にロイの声が聞こえる。目を見開いて凍り付いていたハボックは、近所の女性の声が聞こえてハッとしてクッションを放り出し玄関に走った。
「ちょっとあなた、何やってるんですかッ?警察呼びますよ!」
 玄関を開ければ女性のキツい声が飛び込んでくる。大声を上げて玄関を叩き続けるロイを怪しんで詰問する女性にハボックは慌てて言った。
「この人、オレの学校の先輩っス!怪しい人じゃないっスから!先輩っ、中入ってください!」
 ハボックは早口に言うとロイを中に引っ張り込む。バタンと勢いよく扉を閉じて背後を振り向いたハボックは、ロイがじっと見つめてきている事に気づいてギクリとした。
「ハボック」
 低く呼ぶ声に大きく震えたハボックはロイの横をすり抜けて奥へ行こうとする。だが、伸びてきたロイの手に腕を掴まれて叶わなかった。
「どうして喫茶店に来なかった?」
 そう尋ねるロイをハボックは真っ直ぐに見ることが出来ず顔を背ける。唇を噛み締めて黙っていると、ロイが絞り出すように言った。
「他に好きな相手が出来たのか?」
「ッ?」
 突然そんな事を言われて、ハボックはびっくりしてロイを見る。そうすればロイが黒曜石の瞳に嫉妬の焔を燃え上がらせて言った。
「一体どこのどいつだッ?私よりソイツの方が好きなのかッ?だから昨日の電話でも――――」
「待って!オレ、他に好きな人なんていないっス!」
「じゃあどうして来なかったッ?」
 そう言ってキツく見つめてくる黒曜石にハボックは唇を震わせる。
「だって……先輩がオレと付き合ってくれてたのはたまたまオレが作ったチョコが気に入ったからっしょ?今日、他の可愛い女の子からもっと美味しいチョコ貰ったんじゃないんスか?だったら絶対そっちの方がいいっスよね!オレのチョコなんてもう要らないってそう思ってるんでしょ!」
「な……っ?」
 唐突にそんな事を言われてロイは目を瞠る。何も言わずに見つめれば、ハボックがクシャクシャと顔を歪めた。
「先輩に手作りチョコあげるんだって言ってる女の子見たっス。お菓子づくり得意だって。すごいカワイイ子だった。きっとオレなんかよりあの子の方がいいに決まって――――」
 ハボックが声を張り上げてそこまで言った時、ハボックの頬が乾いた音を上げる。頬に走る痛みに叩かれたのだと気づいたハボックが驚いて見つめれば、グイと乱暴に引き寄せられた。
「ッ!んんッ!」
 そのまま噛みつくように口づけられて、ハボックは目を見開いた。慌てて逃れようともがいたものの、より深く口づけられる。呼吸さえ奪うような激しい口づけに、くったりと凭れかかるハボックにロイが言った。
「他の誰からもチョコは貰ってない」
「……え?」
「直接私に持ってきた子からもヒューズが預かってきた分も、今年は誰からも貰ってない」
 そう言うのを聞いてハボックは目を見開く。消えそうな声で「なんで?」と尋ねるハボックにロイが言った。
「当たり前だろう?私が好きなのはお前だ。他の誰からのチョコも欲しくない」
 きっぱりとそう言うロイをハボックが信じられないと首を振る。
「なんで?オレ、先輩みたいに格好良くもないし頭だって良くないしっ、全然フツーでなんで先輩、オレとつきあってくれんのッ?」
「ハボック」
 ポロポロと涙を零すハボックにロイは目を瞠る。それからフッと微笑んで言った。
「馬鹿だな。私から見たらお前は可愛くて愛しくて堪らないのに」
「ッ?」
「好きだよ、ハボック」
 ロイは優しく言ってハボックを見つめる。
「私が好きなのはお前だけだ」
「先輩……」
 ロイは大きく見開いた空色を濡らす涙を唇で拭う。
「好きだ、今年も来年もずっと私が欲しいのはあのチョコだけだよ」
「……せんぱいッ」
 言えば泣きじゃくるハボックの体を抱き締めて、ロイはハボックに深く口づけた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に励みになってます、ありがとうございますvv

バレンタインデーですねvそんな訳で黒スグリ姫もバレンタインネタですー。
そして、今年もネタ投下ありがとうございましたvええと、今日の更新はバレンタインデーネタのみとなりましたが、頑張ってハボロイもひねり出して、ハボロイ1つ、ロイハボ2つ、ヒュハボ1つの計4つのお話を上げてみました。後ほど「その他企画」にアップ致しますので、バレンタインデーのひと時、お楽しみ頂ければ嬉しいですv

以下、拍手お返事です。

なおさま

加齢臭、あはは、確かにヒューズの方が臭いそう(爆)ところで頂いたコメントの一部が文字化けってよめませんでしたー(苦)多分カレー臭コメントのところかと……気になる。バレンタインネタ、無理無理タイトルつけてみました。「焔vs眼鏡」の方がよかったかも(苦笑)
2015年02月14日(土)   No.439 (ロイハボ)

ロイハボ風味

「……?」
 リビングのソファーに腰掛けて本を読んでいたロイは、視線を感じて本から顔を上げる。そうすれば、向かいに座っていたハボックがツイと目を逸らした。
「なんだ?ハボック」
 何か用でもあるのかと、ロイはハボックに尋ねる。だが、ハボックはへらりと笑って首を振った。
「や、別になんでもないっス」
 そう言いながらもハボックはロイを見ない。何かおかしいとは思ったものの、何でもないというのならそれ以上追求する理由もなく、ロイは再び本に目を落とした。だが、少しすればまたハボックの視線を感じる。上目遣いに本から視線を上げてハボックを見れば、ハボックが慌てて視線を逸らした。
「ハボック、言いたいことがあるならはっきり言え」
 無言のままジーッと見つめてくる視線が鬱陶しくて、ロイはハボックをジロリと睨んで言う。だが、「いや別に」とか「特になにも」とモゴモゴ言うだけではっきりしないハボックに、ロイの太くもない堪忍袋の緒は簡単にぶち切れた。
「ハボック!」
「はいっ」
 鋭い声にハボックがソファーの上で飛び上がる。ジロリと睨まれて、ハボックはクッションを抱えて首を竦めた。
「言いたいことがあるならはっきり言え!」
「うー」
「燃やされたいか」
 そう言って発火布を取り出そうとするロイにハボックが慌てて首を振る。うー、と小さく呻いてハボックは言った。
「大佐って指、長いっスよね」
「は?」
 全く想像もしていなかったことをいきなり言われて、ロイはポカンとする。クッションを抱えたままハボックはロイの手をじっと見つめて言った。
「大佐の指、人差し指より薬指の方が長くねぇ?」
「人差し指と薬指?」
 言われてロイは指を揃えて手を見てみる。確かにハボックが言うとおり、ロイの指は人差し指より薬指の方が明らかに長かった。
「意識して見たことがなかったから気づかなかった。言われてみれば確かに薬指の方が長いな」
 だが、一体それが何だと言うんだろう。そう疑問に思ったことをロイが口にするより一瞬早く。
「浮気者」
 ボソリとハボックが言うのが聞こえる。ハッと顔を上げれば、クッションをギュッと抱えたハボックの空色がロイを恨めしそうに見つめていた。
「なんなんだ、いきなり」
「人差し指より薬指の方が長い人は浮気者なんですって。大佐、薬指の方が長いっしょ?」
 そう言うハボックの言葉にロイは思わずもう一度自分の手を見る。薬指の方が長いのは確かだが、だがしかし。
「あのなぁ、そんな訳の判らんいい加減な噂────」
「噂じゃねぇもん。どっかのエライ研究機関の人が発表してたんスもん。男性ホルモンの影響だって言ってたっス」
 ロイの言葉を遮ってハボックが言う。男性ホルモンを理由に出されて一瞬言葉に詰まったロイは、だがすぐ本を脇に置いて言った。
「あのなぁ、ハボック。幾らそんな研究結果があろうがそれが全ての人に当てはまる訳じゃないだろう?私が浮気などするはずないじゃないか」
「でもこの間花屋のオネエチャンと歩いてた」
「あれはほら、この間お前に花を贈ったろう?あの相談に乗ってもらってたんだ」
「カフェの女の子と歩いてたのは?」
「あれは新作ケーキの発売日を教えて貰っていただけだし」
 そう言ってニコニコと笑みを浮かべるロイをハボックが疑わしそうに見る。ロイは急いで立ち上がりハボックの隣に腰を下ろした。
「バカだな、ハボック。私にはお前だけだよ」
「……ホント?」
「ホントだとも」
 ロイは言ってハボックの頬にキスを落とす。
「今日は飲みに出かけようか。サザビィで新作メニューがあるらしいぞ」
「それにあうワイン、選んでくれます?」
「勿論」
 上目遣いに見つめてくる空色にキスを落としながら。
(つまみ食いは暫く自重しよう)
 こっそりそう思うロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってます、嬉しいですvv

どこぞの研究機関だかの調べで「人差し指より薬指が長い人は浮気をする可能性が高い」んだとか。男性ホルモンが関係しているような事言ってましたが……本当かなぁ(笑)ちなみに私は……薬指の方が長いっス!(爆)えーっ、こんなにハボ一筋で来てるのに浮気するって事はないでしょう(笑)いやはや、妙な研究する人がいるもんですね。

ところで、バレンタインネタ募集、昨日で募集締め切りとなりましたがネタを投下して下さった方にはどうもありがとうございましたvvおかげさまでロイハボ2つ、ヒュハボ1つのネタを頂きました。ありがたやありがたや<(_ _)>残念ながらハボロイネタの投下はありませんでしたので、今年のバレンタインはこの三つと書けたら黒スグリ姫ネタで行こうと思います。しかし、やはりうちのサイトはハボ受けサイトとしての需要が高いってことですかね(笑)現在ヒュハボを書き終えてロイハボのひとつ目に入ったところ……。ちゃんとバレンタインにお届け出来るように頑張りまーすv

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、犬もよじよじ狭い所に潜りこみたがるものなんですね(笑)珍しくハボにしてやられたロイでした(笑)セレスタ、もう今までが今までだったので、逆に平和すぎてちょっぴり心配だったりします(笑)水戸黄門!じゃあハボックの役回りはやっぱりかげろうお銀ですかね!(爆)バレンタイン、ヒュハボネタとりあえず書き終りましたー!後は……タイトルが!タイトル決まらないとお届け出来ない(苦)考えなくちゃ〜(汗)

はたかぜさま

ロイハボで、了解です!今ボチボチ書き始めたところですー。楽しんで頂けるように頑張りますねvうふふ、萌えてるから寒くないvご賛同頂けて嬉しいですvv変態さんとバレないよう、こっそり心の中で萌えて寒さを乗り切りましょう(笑)
2015年02月09日(月)   No.437 (ロイハボ)

黒スグリ姫14
ロイハボ風味

「さっむーい!」
 ピュウと吹き付ける北風にハボックは首を竦める。制服の襟元を手でギュッとかき寄せたが、この北風の前では大した役には立たなかった。
 まだ中学生のハボックは冬でも基本薄着だ。流石に母親が煩いので制服の上着の下にベストを着てはいるが、コートどころかマフラーもつけてはいなかった。
「流石に今日は寒いなぁ」
 友達と一緒にワイワイ騒いでいるときは寒さも気にならないが、一人で歩いていると寒風が身にしみる。首を竦めて歩いていたハボックは、ひらりと目の前を過ぎったものに気づいて視線を空へと向けた。
「雪」
 灰色の空から雪がはらはらと降ってくる。寒い筈だと雪が降ってくる空を足を止めて見上げていれば、背後から呆れたような声が聞こえた。
「何をしてるんだ、お前は」
「あっ、先輩」
 声がした方を振り向くと、ロイが傘を手に立っている。雪が降る中傘もささない薄着のハボックにロイは近づくと傘をさしかけた。
「そんな薄着で風邪をひくぞ」
「大丈夫っスよ。クラスのみんな、こんな格好っスもん」
「中学生はみんな鉄人か?」
 自分だったらとても耐えられないとロイはぶるりと震える。そんなロイにクスリと笑ったハボックがクシャンとくしゃみをするのを見て、ロイが言った。
「ほらみろ、やっぱり寒いんじゃないか」
「でもコートとか邪魔だし」
 学校にコートを着ていっても邪魔なばかりだ。そう言うハボックの襟元を見ればやっぱり寒そうで、ロイはやれやれとため息をつくと自分のマフラーを外してハボックの首元に巻いてやった。
「いいっスよ、先輩が寒いっしょ」
「いいから、私がそうしたいんだよ」
「でも」
「コートがあるから大丈夫だ」
 そう言ってロイはコートの襟を立てて笑う。それを見て、ハボックは素直にロイの好意を受けることにした。だが。
(先輩の匂いがする……)
 つい今し方までロイが身につけていたマフラーからはロイの温もりと共に愛用のコロンの香りがする。まるでロイに抱き締められているような気持ちになって、ハボックは胸がドキドキするのを止められなかった。
(ど、どうしよう……)
 自分でも顔が紅くなっているのが判る。なんだか恥ずかしくて、困り切ったハボックは吸い込んだ息を止めた。
「ハボック?」
 紅い顔でマフラーに顔を埋めるハボックをロイが訝しげに呼ぶ。だが返事が返るどころか苦しげに喉を押さえるハボックに、ロイは驚いて顔を覗き込んだ。
「おい、どうした?大丈夫か?ハボ――――」
「プハッ!」
 尋ねかけて、ロイはいきなり大きく息を吐き出したハボックに目を丸くする。ハアハアと息を弾ませるハボックを眉を寄せて見つめた。
「何をしてるんだ?お前は」
「だっ、だって、このマフラー、先輩の匂いがしてっドキドキしちゃうからっ」
 息を止めていたのだと言うハボックに目を丸くしたロイは、次の瞬間プッと吹き出した。
「お前なぁ」
「だって!」
 真っ赤になるハボックを見て、ロイはクスクスと笑う。むくれてプイと顔を背けるハボックが、ロイは可愛くて仕方なかった。
「ふふ……、私に抱き締められてるみたいでドキドキした?」
「ッ、知らないっス!」
 思ったことを言い当てられて、ハボックは益々顔を紅くする。マフラーを外すとロイに突き返した。
「返す!」
 ハボックはロイの胸元にマフラーを押し付けて足早に歩き出す。そんなハボックにロイは笑みを浮かべて追いかけると背後からふわりとマフラーをかけた。
「いらないって言って――――」
「ハボック」
 ムキになって声を張り上げるハボックをロイはマフラーごと引き寄せる。そうして腕の中に閉じ込めたハボックにそっと口づけた。
「好きだよ、ハボック」
「ッ!」
「お前は?」
 間近から尋ねられてハボックは耳まで真っ赤になる。それでもマフラーに顔を埋めるようにして頷いた。
「好きっス……」
 そう答えれば鮮やかに笑うロイがもう一度唇を寄せてくる。マフラーとロイに抱き締められて口づけを交わせば、もう寒さなどまるで感じなくなるハボックだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、本当に嬉しいですvv

「黒スグリ姫」です。うちの息子もそうですが、学生さんってなんでああも薄着何だろう。私服の時はコートなりなんなり来てるのに、学生服の下、ワイシャツぺらりなんて考えただけでも寒いんですが!まあ、本人も「寒い」とはいうんですけど、じゃあマフラーくらいしてけば?と言っても絶対して行かないんだよなぁ。幾ら東京でも冬場に学ランだけは寒いってば(苦笑)

そして気がつけばもう一月も終わりですね。早いなぁ。んで二月となればやはりバレンタインデー。黒スグリ姫ならネタ出そうなんですが、他は浮かばないよ(苦笑)そんなわけで、今年も懲りずにネタ募集しますー(こら)何か楽しいネタお持ちの方、どうぞ投下してやって下さいv一応二月八日まで募集致します。どうぞよろしくお願い致します(ぺこり)

以下、拍手お返事です。

なおさま

セレスタ、やっとここまで山越えてやってきました。きっとこの先はどんな苦労も二人なら幸せって感じかと(笑)暗獣、毛玉はぼっく、ウニ!(爆)確かにそうかも〜(笑)ロイに食べられなくてよかったです(笑)
2015年01月30日(金)   No.435 (ロイハボ)

ナンバープレート
ロイハボ風味……たぶん(笑)

「あれ?お前一人?大佐は?」
 おはようと司令室に入ってくるハボックに朝の挨拶を返したブレダは、てっきり一緒に入ってくると思っていた姿がないことを不思議に思って尋ねる。プカリと煙草の煙を吐き出して自席に腰を下ろしながらハボックが答えた。
「昨日の夕方新車が納車されててさ。仕事終わるまで待ちきれないから取ってくるって」
「へー、お前は行かなかったのか?」
「オレはバイクの走り納め」
「ああ、そう言えば新しいバイク買ったって言ってたっけ」
 そう言われてハボックの顔が弛む。嬉しそうな笑みを満面にたたえて言った。
「うん!やっと新しいの買ったんだよー。明日納車だから今日は今のバイクの走り納め。今のバイクも良かったけど、今度のは色々いいもんつけたからさぁ」
 うふふ、と垂れた目をもっと下げて言うハボックにブレダは「よかったな」と返す。その時、バンッと勢いよく扉が開いてロイが司令室に入ってきた。
「おはよう、諸君」
「あ、おはようございます、大佐」
「結構早かったっスね」
 いつもより早く家を出ていったとはいえ納車なのだ、もっとギリギリに駆け込んでくるかと思ったとハボックが言えば、ロイがニヤリと笑った。
「私の愛車を是非仕事前に諸君に見せたいと思ってな」
 ふふふ、と上機嫌な上司にそう言われれば見に行かないわけにはいかない。丁度司令室に入ってきたホークアイも一緒になって、ハボックたちはロイの後について駐車場へと向かった。
「さあ、諸君!見てくれたまえ!」
 高らかに言ってロイは自慢の新車を指し示す。最新型の車のピカピカのブラックボディは人目を引くに十分だったが、それよりなにより全員の目が引きつけられたのはそのナンバープレートだった。
「な、な、な、なんスかッッ!!これッッ!!」
 唖然としてプレートを見つめる部下たちの中で一番最初に我に返ったハボックが声を張り上げる。ブルブルと震えるハボックの指が指した先のプレートには。
「“I ♥ HAVOC”────こんなプレートいいんですか?」
 プレートにデカデカと書かれた文字を声に出して読んだブレダが言う。そうすればロイが答えるより前にファルマンが言った。
「最近道路交通法が変わったんですよ。八文字以内で他に誰も使っていなければ、五十万センズ払うとナンバープレートとして認められるんです」
「「「五十万センズ?!」」」
 決して高給取りとは言えない部下たちが一斉に声を張り上げる。だが、ロイはなんでもないと言うように肩を竦めて答えた。
「私のハボックへの愛を街中に示せるんだ。安いものだろう?」
「安いって……僕の一ヶ月のお給料より高いですよ」
 あんなプレート一枚に五十万と、ブレダとファルマンも唸る。値段もさることながら、その書かれた文字の恥ずかしさにハボックが顔を真っ赤に染めて言った。
「アンタまさかこのナンバープレートずっとつけて走るつもりじゃないでしょうねッ?!」
「ずっとつけておくに決まってるだろう?この車のナンバーとして登録してあるんだから」
「冗談っしょッッ!!」
 平然として言い放つロイにハボックが悲鳴を上げる。「やめてくれッ」と頭を抱えるハボックを後目にホークアイが言った。
「でもこれ、結構いいかもしれませんわね。私もやってみようかしら」
「えっ?中尉もやるんですか?」
 ホークアイの言葉にブレダが目を丸くする。指を唇に当て考えるようにホークアイが言った。
「“BURAHA”なんてどう?」
「あ、それいいですね」
 ホークアイの提案に犬好きのフュリーも目を輝かせる。少なくとも二人の部下には評判が良さそうなのを見てロイが言った。
「そうだろう?オリジナルのプレート、絶対にオススメだ。だからな、ハボック」
 車の前に座り込んでプレートを何とか出来ないかと思案しているハボックにロイが言う。なんだと恨めしそうな顔で見つめてくる空色にロイはにっこりと笑った。
「お前のバイクのプレート。変えておいてやったぞ」
「────え?」
「新しいバイク、明日納車だって?間に合ってよかったよ」
 そう言うロイの満面の笑顔をハボックはポカンとして見つめる。次の瞬間ガバッと立ち上がってロイに掴みかかった。
「オレのバイクになにしたんスかッッ?!ま、まさか……ッ?」
「ああ、“I ♥ ROY”にしておいた。嬉しいだろう?」
「う、うそ……」
 襟首を掴まれながらも笑みを崩さないロイの答えにハボックがよろよろと後ずさる。
「オ、オレの新しいバイク……」
 待ちに待った新車のバイクのナンバープレートをとんでもないものに変えられて、ハボックはガクッと膝をつく。呆然と宙を見つめるハボックにロイは嬉しそうに言った。
「そんなに喜んで貰えて嬉しいよ。一緒に並んで走ろうな」
「ぜっったいに嫌っスッッ!!」
「またまた、恥ずかしがり屋だな、私のハボックは」
「違うッッ!!戻せっ、オレのプレート!!」
 半泣きになって怒鳴るハボックと浮かれきったロイと。
「ハボックも可哀想になぁ」
「折角の新しいバイク、乗れませんね」
 そんな二人を見ながら気の毒そうに呟くブレダとファルマンだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気の素です、ありがとうございますvv

「♥」はちゃんと皆さんのパソでもハートマークで表示されているのだろうかと不安に思いつつ、ナンバープレート話です(笑)今朝のニュースでベルギーでは八文字以内で他に使っている人がいなければ千ユーロ(約十三万円)支払うと好きな文字で車のナンバープレートが作れるって言う話をやっていましてね。「十三万かぁ、何か一個オプション付けると思えば高くはないってことなのかなぁ。作るなら絶対“HAVOC”よね!!」と思ったものですから(笑)本当は“ROY♥HAVOC”にしたかったんですが、それだと9文字なんですよねぇ、おしい!つか、そもそもハートマークを使っていいのか怪しいですが(笑)しかし、好きな言葉でいいなんて、結構凄いのとかありそう(笑)テレビでは“I AM HAPPY”ってプレートにしたなんて人を紹介してましたが。

以下、拍手お返事です。

なおさま

風、あはは、トイレスリッパでスパーンと叩かれたり後頭部をチョップされたり、大佐、大変です(爆)まあ、そうされても仕方ない男なんですけど(苦笑)ハボックはもう色気だだ漏れで大変な事になってそうです(笑)黒スグリ、うふふ、小悪魔的ですか?タマランですね(笑)本人無意識なのが余計にヤバいです。セレスタ、ロイにはここから頑張って貰いたいです(笑)おお、どの俳優さんだろう。黒人俳優っていうとパッと浮かぶのはデンゼル・ワシントンくらい(苦笑)でもちょっと違うかなぁ……。オリキャラの名前は大体その時見ているMLBかNFLの選手の名前なもんで(爆)ちなみにリンチ君はNFLの選手でロン毛です(爆)でも、軍人だからロン毛は無理(笑)

阿修羅さま

そちらの方はもう随分寒くなってきたようですね。おかげさまで私は今のところ風邪も引かずに元気でやってますv寒くなると体調も崩しやすいでしょうし、阿修羅さまもお母様もお体大切になさってください。オリジナル書かれるのですか?頑張って下さいね!
2014年10月24日(金)   No.417 (ロイハボ)

黒スグリ姫13
ロイハボ風味

「うん……、うん……。えっ?お昼?食べたよ、ちゃんと。……うん、大丈夫だってば。平気!もう切るよ!」
 ハボックは受話器の向こうで細々としたことを言い出す母に辟易して電話を切る。ハァとため息をついてソファーにぽすんと腰を下ろした。
 ロイを誘ってプールに出かけたハボックは一日たっぷり遊んでとても楽しい時間を過ごした。あんまり楽しくて日焼け止めを塗るのもおざなりに一日過ごした結果がもたらしたものは、日に焼けて真っ赤になった背中だった。小さい頃から肌が弱くて、それでも成長するにつれ大分強くはなったもののプールの時の日焼け止めは必須だった。本当なら水から上がるたびこまめに塗り直さなければいけなかったのだが、ロイと過ごす時間があまりに楽しくて日焼け止めの事などすっかり失念してしまっていた。プールから上がって帰り支度をする時には既にまずいと思ってはいたのだが、家に帰る頃にはもう猛烈に痛くてシャツが触れるだけでも泣きそうだった。母にこっぴどく叱られながら薬を塗ってもらったものの翌朝には熱も出て、結局日焼けなどという情けない理由で学校を休む事になったのだった。
「もうやんなっちゃう……母さんはうるさいし」
 フルタイムで働いている母はなかなか急には休みがとれない。それに今回は熱を出したとは言え原因が日焼けだったから、心配しつつも仕事に出かけていった。それでも熱を出した息子を一人家に残しているのは気がかりらしく、昼休みに電話をかけてきて事細かに様子を聞いてきたところだった。
「ヒマだぁ」
 ハボックはシャツ代わりの薄いシフォンのストールを肩の上まで引き上げながらぼやく。熱を出したとは言え病気ではないから暇を持て余して、ハボックはソファーに俯せに倒れ込むとクッションを抱え込んだ。
「この時間大したものやってないんだもん……」
 テレビを見ようにも日中のこの時間、中学生のハボックが面白いと思うような番組はやっていない。流石にゲームをする気にはなれなくて、ハァとため息をついて目を閉じた時、来客を知らせるベルが鳴った。
「誰だろう……」
 荷物でも届いたのかと思ったが出るのが面倒くさい。そのまま無視を決め込もうかとも思ったが、二度三度と鳴るベルに首を伸ばしてインターホンの画面を見た。
「えっ?先輩っ?」
 画面に映るロイの姿にハボックは目を見開く。諦めて帰ろうとするのを見て、ハボックは慌てて立ち上がると通話ボタンを押した。画面のロイに向かって「先輩っ!」と呼び掛ければロイがハッとしたように振り向いた。
「ハボック?」
「すみません、今開けます」
「ありがとう」
 ハボックは急いで玄関に行くと、サンダルを引っ掛けドアに飛びつく。フワリと靡いたシフォンを押さえながらドアを開けた。
「ハボック」
 そうすればロイが門を開けて入って近づいてくる。まだ授業中の筈のロイをハボックは不思議そうに見上げた。
「どうしたんスか?こんな時間に……?あ、あの……中にどうぞ」
 尋ねる言葉にも答えず睨むように見つめてくる黒曜石に、困り切ったハボックはとりあえずロイを中に招き入れる。何も言わずついてきたロイに背後から腕を掴まれ「わっ?!」と声を上げればロイが言った。
「酷い日焼けで熱を出したって聞いた。どうして電話した時何も言わなかったんだっ?」
「あ……えっと、その……大した事なかったし」
「学校を休まなければならないほどなのは大したことないとは言わん!」
 キツい口調にハボックが息を飲む。薄いシフォンを胸元でギュッと握り締めてハボックは俯いた。
「ごっ、ごめんなさいっ……でも先輩に心配かけたくなくてっ」
「後から人伝に聞いた方が心配する。しかも情報源はヒューズだぞ」
 どこか悔しそうに言うロイにクスリと笑えば途端にロイに睨まれて、ハボックは慌てて下を向く。そうすればため息をついたロイの手が伸びて、ハボックの前髪をかき上げた。
「熱いな」
 コツンと額を合わせてロイが言う。間近から見つめられて顔を赤らめてハボックは言った。
「先輩、体温が低いんスよ。大した熱じゃないっス」
「食欲は?」
「さっきサンドイッチ食べたっス。家でダラダラしてんのに腹は減るんだもん」
 なんでー?と眉を寄せるハボックにロイが漸く笑みを浮かべた。
「紅茶入れるっスね。座ってて下さい」
 ハボックは言ってキッチンに行く。茶葉やカップを出していると足音がして座っていてくれと告げた筈のロイがキッチンに来たのを見てハボックは目を丸くした。
「先輩」
「熱があるんだから休んでろ」
「平気っスよ、別に病気じゃない――――んんッ」
 言いかけた唇をキスで塞がれてハボックは目を見開く。反射的に押し返そうとする体を抱き込まれて、更に深く口づけられた。
「せ、せんぱぁい……」
 漸く唇が離れた頃にはキツい口づけにとろんと蕩けた表情でハボックはロイを見る。そうすれば仕掛けたロイの方が困ったように目を逸らして言った。
「シャツが着られなくて仕方ないんだろうが目の毒だな」
「え……?」
 ロイが言っている意味が判らずハボックがキョトンとしてロイの横顔を見つめればロイが苦笑して言った。
「ほら、これ以上悪さされたくなかったら向こうに行ってろ」
「は、はい」
 よく判らないままにコクンと頷いてハボックはリビングに行く。ソファーに腰を下ろしまだロイの唇の感触が残る己の唇をハボックはそっと触れて目を閉じた。
「先輩……」
 口づけに熱が上がったような気がして、ハボックはドキドキする胸を押さえる。聞こえた足音にハッとして目を開ければ紅茶のカップを乗せたトレイを手にロイがリビングに入ってくるところだった。
「ハボック、ジャムはあるかな」
「あ、はい!」
 言われてハボックは慌てて立ち上がるとキッチンへ行き、冷蔵庫から黒スグリのジャムの瓶を持って戻ってきた。
「すんません、やらせてしまって」
「構わないさ」
 ロイは答えてカップをテーブルに置く。
「先輩、ジャム」
 と、瓶を差し出せばロイか嬉しそうに笑った。
「ああ、ありがとう」
 ジャムで紅茶を飲む間、互いに何も言わずにいたが、少ししてカップを置いてロイが口を開いた。
「すまなかったな」
「えっ?」
 唐突に謝られてハボックは目を見開く。なにが?と言う顔をするハボックにロイが言った。
「日焼け止めを塗ってくれと頼まれたのに、私がちゃんと塗らなかったから辛い思いをさせてしまった」
「そんなっ」
 すまないと頭を下げられてハボックは慌てて首を振る。
「塗り直すの忘れてたのはオレっスから!本当は水から上がるたびに塗らなきゃいけなかったのに、すっごく楽しくて日焼け止めの事なんてすっかり忘れちゃって」
「ハボック」
「ごめんなさい、心配かけて」
 ぺこりと頭を下げてハボックが言えば、ロイが一つため息をついた。
「例えそうでも私の方が年上なんだし、もっと気をつけてやるべきだった」
「先輩」
 そんな風に言うロイをハボックが見つめれば伸びてきたロイの手がハボックの頬を撫でた。
「さっきより上がってないか?」
「こっ、これはっ、先輩がキスするからっ」
 カアッと顔を赤らめてハボックが言えばロイが目を丸くする。クスリと笑ったロイが目を細めて言った。
「なんだ、早く熱が下がるようおまじないしてやろうと思ったのに」
「え?」
「かえって熱が上がるならする訳にはいかないな」
 そう言って悪戯な笑みを浮かべるロイをハボックは目を見開いて見る。ムゥと唇を突き出し上目遣いにロイを睨んだ。
「先輩のイジワル」
 言えばクスクスと笑うロイの唇を引き寄せられるように見つめて、ハボックは言った。
「おまじない、して……?早く熱が下がってまた先輩とデートできるように……」
 囁くように強請るハボックにロイが目を見開く。ほんの一瞬困ったような表情を浮かべて、ロイはハボックに手を伸ばした。
「全くもう……これで良くならなかったら承知しないからな」
「先輩のおまじないっスもん。バッチリ効くっしょ?」
 そう答えた唇をロイが噛みつくように塞ぐ。甘く残るジャムの香りを分け合って、ハボックはうっとりと目を閉じた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、ありがとうございますvv

「黒スグリ姫」です。もすっかり秋だと言うのに未だに夏の話を引きずっているっていうね(苦)10日もかけてチマチマ書いてるからいかんのだ……。この間の月蝕は暗獣ネタで書きたかったのに書けなかったしなぁ。日記ももう少し気合入れて書かないと!……と言いつつ、溜まりに溜まったアニメやらドラマやらも見なきゃだし、アメフトはポメラ打ちながら見てるけど見入っちゃうと手が止まるしな(苦笑)秋アニメ、意外と面白かったのが「SHIROBAKO」。「繰繰れ!コックリさん」が面白かったかもしれないと一話の放送を見逃してから思ったり。「MOZU」も「相棒」も新シリーズ始まったのにまだ前のを見てるっていうね(爆)他にも色々……。明日の更新もまだ手つかずだよ!書かなきゃ!

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、もう全然塗ってないのと同じですね(笑)おお、きゅうりのすりおろし!先人の知恵ですね!気持ちよさそうvセレスタ、一家に一人リンチ(笑)ちなみにリンチ君は黒人設定です、ふふふ。スライディング土下座するブラッドレイ、想像つかないなぁ(笑)土下座しててもふんぞり返ってそう…って、それ土下座じゃない(爆)この時点でロイはまだ出張先……そろそろ帰ってくるはずです、のの字書きながら(笑)風、あはは、このロイ、ムカつくヤツですよね!(爆)まあその分、先で苦労して貰いましょうということでv

阿修羅さま

おお、お友達、お元気になられましたか?拙宅の本がお見舞いになったのか、ちょっぴり不安ですが暇潰しのお役に立てたなら幸いです(笑)風邪はよくなられましたか?いつの間にやら秋がやってきた感じで、朝晩大分涼しくなりました。阿修羅さまもお体お気をつけてお過ごしくださいね。「風の行く先」えへへ、ありがとうございますvこの先の展開も楽しみにお待ち頂けたら嬉しいですーv「弟子」その後!考えてなかったなぁ。確かに続きもありですよね。ってまたシリーズ化?いいのか(苦笑)「黒スグリ姫」おお、阿修羅さまも経験者でしたか!いずれハボを頂くつもりですが……高校卒業の時?ロイと私の理性がそれまで持つか疑問です(笑)
2014年10月17日(金)   No.416 (ロイハボ)

黒スグリ姫12
ロイハボ風味

「ロイ」
 聞き慣れた声にも振り返らずロイは大学棟の廊下を歩いていく。そうすれば背後からついてくる足音が早まってヒューズがロイの隣に並んだ。
「もう、ロイ君ってば!なんで無視するのよっ」
「お前の悪趣味に付き合ってる暇はない」
 科を作って言うヒューズを横目にジロリと見てロイが言う。相変わらずな友人の態度に苦笑してヒューズが言った。
「なんだ、折角お姫さま情報教えてやろうと思ったのに」
「ハボックの?なんだ?!」
 それまでヒューズを振り切ろうとするように足早に歩いていたロイがピタリと足を止めて言う。大事な恋人の事だと聞いた途端態度を変えるロイにやれやれと肩を竦めたヒューズは、ロイに顔を寄せた。
「髭面を近づけるな」
 鬱陶しいと顔をしかめて仰け反るロイに構わず、ヒューズは言った。
「ハボックの奴、学校休んでるぜ?」
「なんだとっ?どうしてだっ?」
「――――さあな」
 チラリと横目でロイを見たヒューズのどこか勿体ぶった態度にロイはムッと唇を歪めた。
「教えろ。素直に白状しないと燃やすぞ」
「いや〜ん、ロイ君ってばぁ――コ・ワ・イ」
 隠しに手を入れようとする手首を掴んだヒューズがからかうように言うのをロイはギロリと睨む。普通の人間なら怯んでしまうようなその眼光も全く気にした風もなくヒューズは言った。
「教えてやったんだから理由くらいは自分で調べろよな。可愛い恋人だろ?」
「ッ!――――クソ髭ッ」
 そう言われれば返す言葉がなくロイは精一杯の悪態をつく。手首を掴むヒューズの手を乱暴に振り払って、ロイは中等部の校舎に向かって足早に歩き出した。
「夕べ電話した時には変わった様子はなかったのに」
 日曜日、一緒にプールに出かけた後、会う時間が取れず電話で連絡を取っていた。本音を言えばプールでハボックの可愛らしい所を散々に見せつけられて、少し時間をおかなければ自分を抑えておけるか自信がなかったからと言うのもある。
「どうしたんだ、一体……」
 考えても判らないまま歩いていけば中等部の敷地に入る。昼休みがそろそろ終わる時間、ザワザワとざわめく教室の扉から半身中に入ってロイは近くの少年に声をかけた。
「おい、ちょっと教えて欲しいんだが」
「はっ、はいっ!」
 声をかけられた少年は飛び上がってロイを見る。ふと気がつけば教室中の視線がロイ達に集まっていた。
「な、なんですかっ?」
 教室のあちこちで「うそっ」だの「どうしてここに?!」だのとヒソヒソ囁かれる中、ロイはビックリ顔で己を見つめる少年に尋ねた。
「ハボックに用があるんだがどこにいるかな?」
「ハボックなら今日は休みです」
「どうして?」
 休みという答えが返ってくるのは判っていたからロイは即座に理由を尋ねる。そうすれば尋ねた少年ではなく側にいた少しぽっちゃりとした少年が答えた。
「日焼けが酷くてシャツが着らんない上に熱出したって」
「えっ?日焼け?」
 思いもしなかった理由にロイは目を見開く。見つめてくる黒曜石の強さに少年は困ったようにしながらも目を逸らさずに答えた。
「アイツ、子供の時から肌が弱くて、日焼け止めは必須だってのにプールでそのまま焼いちゃったみたいなんですよ」
『これこれ。塗らないと大変な事になっちゃう』
 少年の言葉にハボックの声がロイの脳裏に蘇る。
『オレ、日焼けすると真っ赤になって大変な事になっちゃうんス』
 そう言ってハボックはロイに日焼け止めを背中に塗って欲しいと言った。日焼け止めのボトルを受け取って、果たして自分は何をしただろう。
「マスタング先輩?」
「――――あ。……そうか、ありがとう。助かったよ」
 不思議そうに呼ばれて、ハッとしたロイは笑みを浮かべて答える。それじゃと手を上げて言ってロイは教室を出た。足早に廊下を歩く足取りが徐々に早くなり、いつしかロイは物凄い勢いで廊下を駆け抜けると学校を飛び出した。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、やる気の素です、嬉しいです〜v

「黒スグリ姫」です。ぐずぐずしてたら10月になっちゃいましたよ(苦)でもまだ終わってないのでプールネタの続き(苦笑)

そういや12日はスパークですね。今年も「大佐とハボックの冒険」があるそうで。行こうかなぁと思っていたのですが、参加リストを見て「ああ、またロイハボサークル減ってるなぁ……」と。去年でも4つだったのに今年は二つ……。いつもスケブをお願いしているサークルさまも不参加っぽいし、ハボロイはなぁ……エロが苦手なんだよー(爆)18禁じゃなければいいんだけどね、やっぱりR指定が多いからなぁ(苦笑)どうしようかなぁ、悩む……。

以下、拍手お返事です。

なおさま

弟子、あはは、確かにダガーの腕の方が上達早そうです(笑)ダンサーハボック!そりゃもう毎日通ってかぶりつきで見ちゃいますよッ!セレスタ、うふふ、ハラハラして下さって嬉しいですーvブラッドレイ一人楽しそうですよね(苦笑)風、エロオヤジーズ!そんなユニット嫌だ〜〜ッ!啼かすの得意はハボ限定ですかね(笑)ふふふ、そんなロイのギャフンを楽しみにお待ち下さい(笑)セレスタ、困った時のリンチ頼み(爆)ロイより周りの人の方が頼りになるのは、多分ロイはハボに近すぎるんだと思います。距離がないロイに対しリンチとかホークアイは適度に離れたところから見てるからちゃんと見るものが見えてるのかなぁと。
2014年10月02日(木)   No.415 (ロイハボ)

黒スグリ姫11
ロイハボ風味

「あっ、そうだった、塗らなきゃ!」
 マットを借りて歩き出せばハボックが言う。なんだと尋ねるロイに、ハボックはバッグから日焼け止めのローションを取り出した。
「これこれ。塗らないと大変な事になっちゃう」
 そんな事を言うのを聞いてロイはクスリと笑う。
「女の子みたいだな」
「オレ、日焼けすると真っ赤になって大変な事になっちゃうんス。先輩は塗らなくても平気なんスか?」
 女の子みたいだと笑われて頬を染めながらもハボックが言う。確かにこの白い肌を夏の強い陽射しで焼いたなら火傷のようになってしまうだろう。女の子のようだなどと言ったことを悪かったなと思いつつロイは答えた。
「私は結構平気だな。いつの間にか何となく日焼けしていつの間にか何となく褪めてる感じだ」
「いいなぁ、先輩!腹筋割れてるしっ」
「それは関係ないだろう?」
 余程ロイの逞しい身体に感動したらしいハボックが言うのを聞いて、ロイがクスクスと笑う。波のプールの近くのロングチェアに場所を確保して、ハボックは早速日焼け止めローションを塗り始めた。手のひらにとっては腕に塗り肩に塗る。ローションを塗るハボックの手の陰から色の白い胸を彩る薄桃色の飾りが見え隠れするのを見ていられなくて、ロイは目を逸らした。
「せんぱぁい、背中塗ってくれませんか?」
「えっ?」
 そうすれば聞こえた声にロイはギョッとして振り向く。
「自分じゃうまく塗れないんス」
 言ってボトルを差し出されてロイは顔をひきつらせた。見ていてさえ目の毒なのに、ローションを塗るためとは言え触れたらどうにもならなくなりそうだ。
(と言うより、ローションを塗るなんてなんだかエロくないかっ?)
 ヌルヌルとしたローションを肌に塗ることを想像してロイは膨らみそうになる鼻を必死に窄める。ロイがよからぬ妄想を描いているなど考えもせずハボックが首を傾げた。
「先輩?」
「えっ?あ、ああ、確かに背中は塗りにくいよなっ」
 フハハと妙な笑い声をあげながらロイはボトルを受け取る。「お願いします」とニコッと笑って背を向けたハボックの白い背中にロイはゴクリと喉を鳴らした。
(落ち着けッ、日焼け止めローションを塗るだけだッ!何もイヤラシイ事をするわけではないんだからッ!)
 勝手にイヤラシイ想像をしているのはロイであってローションを塗る行為自体はイヤラシくも何ともない事にはさっぱり思い至らず、ロイは自分に言い聞かせながらローションを手のひらに取る。ピシャンとローションに濡れた手で背中に触れたロイは、滑らかな肌の感触にゾクリと背を震わせた。
(うわぁ)
 頭の中に湧き上がる妄想達をロイはふるふると頭を振って追い出す。なるべく肌に触れないよう、手に取ったローションを振り飛ばすようにしておざなりに塗ったロイは、ボトルの蓋を閉めて言った。
「こんなもんでいいかっ?」
「ありがとうございます、先輩」
 振り向いてハボックは礼を言うとボトルを受け取りバッグにしまう。借りたマットを手にしてハボックが言った。
「お待たせっ!行きましょ、先輩!」
「あ、ああ。ほら、脚、伸ばしてな」
「はーい」
 ニコッと笑うハボックの笑顔にすっかり調子を狂わされながらもロイは言う。ハボックはマットを手にしたままアキレス腱を伸ばしたり足首を回したりするとチラリとロイを見た。
「よし、行こうか」
「オレが1ばーんッ!」
 ロイが頷くのを見るなりハボックがマットを手にして走り出す。打ち寄せる波をバシャバシャと蹴散らして走ったハボックはマットごと水に身を投げた。
「わあいっ」
 寄せる波にフワリと浮いてハボックが歓声を上げる。遅れてプールに入ったロイが波に合わせてジャンプするのを見てハボックが言った。
「一緒に乗りましょ、先輩!」
「えっ?いやだが狭いだろう?」
「平気っスよ、こうやって横向きにすれば並んで波乗り出来るっス」
 ハボックは言いながらマットの向きを変える。その時大きな波がきて、ハボックがマットごとひっくり返った。
「ハボックっ?」
 水の中に沈んでしまったハボックにロイがギョッとして辺りを見回す。マットだけ浮かぶ水面に、ロイは慌ててハボックの姿を探した。その時ザバッと水を撒き散らして、ハボックがロイの背後から飛びつく。不意をつかれてハボック諸共水に沈んだロイはハボックの姿を探して水の中振り向いた。
「――――ッ」
 陽の光がキラキラと散る水の中、ハボックが金髪を水に泳がせる。大きく見開いた空色にふわりと笑みを浮かべて見つめられて、ロイの心臓が跳ねた。
「先輩ッ!」
 次の瞬間、二人してザバッと水を撒き散らして水面から顔を出す。きゃらきゃらと笑うハボックにロイは跳ね上がる心臓の鼓動を誤魔化そうと眉をしかめた。
「こら!ビックリするだろうッ」
「アハハッ、先輩、ひっくり返ったーッ」
 楽しそうに笑うハボックにロイはため息をつく。ハボックはプカプカと浮かぶマットを引き寄せマットの半分に乗った。
「ほら、先輩!早く乗って、乗って!」
「――――ああ」
 ドキドキとする心臓を持て余すロイの気持ちなどまるで気づかないハボックにロイは答えてマットに掴まる。その途端波が寄せて二人が掴まったマットがフワリと浮いた。
「わあッ」
 マットの上で揺れたハボックの滑らかな肌がロイに触れる。ドキリとするロイにハボックが笑って言った。
「やっぱ波乗り楽しいっスね!」
「ああ、そうだな……」
 果たして今日一日心臓が持つだろうか。無邪気に笑うハボックに答えつつこっそり思うロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、嬉しいですv

「黒スグリ姫」です。9月になろうが挫けずプールです!(苦笑)「日焼けが心配」ってコメント頂いたので塗ってみました。もう、先輩、プールから上がったら股間がヤバい事になってるんじゃないかと心配でなりません(爆)

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、やっぱり下半身が心配ですよね!(笑)でもって日焼けネタ使わせて頂きましたー(コラ)マットで波乗りなんてした日にゃバリバリ焼けそうですが(苦笑)そして、「せんばい」!!教えて下さってありがとうございますッ!慌てて直しておきましたよ〜(汗)基本日記ネタは余程長いのを除けば携帯のメール機能でチマチマと時間の隙間に打っているので、変換する時に「ぱ」まで回さなかったか行きすぎたかって感じだと思われ(苦)いや全く、話の冒頭で「せんばい」はないよね……orz でも、先輩、バイはダメーッ!ハボックが泣いちゃう(笑)セレスタ、ブラッドレイフランクだけは食いたくありません(爆)そうですねぇ、多少強くはなったかもですが、まだまだ山あり谷ありです、きっと(ふふ)風、いやもう変態Sスイッチ回転しまくりですよ!ホントにもうハボックてばどうしてこんな男がいいんだか(苦笑)とか言いつつ、まだもう少し続くかな(爆)

はぎわらおぎりさま

うわ、階段落ちて捻挫って、大丈夫ですか??疲労から貧血とのことですが、くれぐれもお体大切になさってくださいね。怪我した攻めに受けが色々させられるって話は6年くらい前にロイハボを日記で書きましたよ〜。動けないを理由に色々させるのってやっぱり萌えますよね(笑)私なんて一年通して脳味噌発酵してますから(爆)
2014年09月11日(木)   No.413 (ロイハボ)

黒スグリ姫10
ロイハボ風味

「せんぱーい!」
 待ち合わせの駅前の時計台の下に立っていると遠くから声がする。読んでいた本を閉じて顔を上げれば、ハボックが息急ききって走ってきた。
「ハボック」
「す、すんません、待たせちゃって……っ、ちゃんと十五分前にはっ、こ、来ようと思ってたっ、んスけどっ」
 ハアハアと弾む息の合間にハボックが言う。ロイは笑みを浮かべて閉じた本を鞄に入れながら言った。
「そんなに慌てて来なくてもよかったのに」
「でもっ、ヒューズ先輩がマスタング先輩は十五分前には来てるって……っ」
 そう言うハボックの言葉にロイは眉を寄せる。可愛い恋人に余計な情報を与える友人の頭を心の中で一発殴って、ロイは口を開いた。
「毎回そうと言うわけじゃないさ。今日だって少し前に来たばかりだしな」
「ホントっスか?」
「ああ」
 心配そうに言うハボックの金色の頭を撫でてやれば、漸くハボックが安心したように笑った。
「よし、じゃあ行こうか」
「はいっ」
 元気よく答えるハボックの手を取れば、ハボックがカアッと頬を染める。それでも振り解かれはしない事にロイは笑みを浮かべてハボックの手を引いてバス停に向かった。
 プールは駅前からバス停の数にして三つほど乗ったところだ。程なくしてついたプールの入口で券を見せて入ると、更衣室のロッカーに荷物を入れながらハボックが言った。
「早く着替えられるように水着着てきちゃったっス」
「私もだよ。ちゃんと帰りの下着、忘れずに持ってきたか?」
「大丈夫、何度も確認したっスから!忘れたらシャレになんないしっ」
 本当に何度も確認したのだろう。拳を握り締めて言うハボックの言葉を笑って聞きながらロイは着ていたシャツを脱ぐ。そうすればハボックが空色の瞳を丸くして言った。
「先輩ってスゴイ」
「え?なにが?」
 唐突な言葉にロイがキョトンとして聞き返す。そうすればハボックがロイの体を見つめながら答えた。
「オレ、先輩って細身だとばっかり思ってたんスけど、実はすっげぇ鍛えてるんスね!腹筋割れてるしっ」
 ハボックは感動したように言うとロイの腹を撫でる。「いいなぁ」と羨ましそうにいいながら撫でるその擽ったい指の動きから身を捩って逃げると、ロイは脱いだシャツをロッカーにしまった。
「ほら、早くしないとおいていくぞ」
「わあ、待って!」
 不要なものをしまってロッカーに鍵をかけようとするロイに言って、ハボックはTシャツの裾に手をかけ一気に脱いだ。それからハーフパンツを脱いで水着一枚になる。必要な物を残してロッカーに押し込んで鍵をかけてくれと言おうとしたハボックは、ロイが自分をジッと見つめている事に気づいて首を傾げた。
「先輩、どうかしたんスか?」
「――――え?あっ、いや、別にっ」
 ロイにしては珍しく慌てた様子にハボックが不思議そうな顔をする。ロイはコインを放り込んで鍵をかけると早口に言った。
「さ、行くぞっ!泳ぎたくてウズウズしてるんだっ」
「あ、待って、先輩!」
 言ってさっさと歩き出すロイをハボックが慌てて追う。すぐ後ろからついてくるハボックの気配を感じながらロイは思った。
(何をしてるっ、ロイ!ハボックが変に思うだろう!――――いや、だが、しかし)
 と、ロイはチラリとハボックを見やる。水着一枚のハボックの少年特有のスラリと伸びた手足やまだ発達しきらない滑らかな体を視界の隅に捉えて、ロイは胸が高鳴るのを感じた。
(可愛い)
 思わず手を伸ばして抱き締めたくなるのをロイは必死にこらえる。ロッカールームを出ると降り注ぐ陽射しに目を細めて立ち止まれば、ハボックがロイを追い越して走った。
「先輩!オレ、ウォータースライダー行きたいっス!」
 あっちとハボックが指差して言う。ロイは振り向いたハボックの白い肌から無理矢理視線を引き剥がして答えた。
「まあ、待て。まずは水に体を慣らしてからだ。こっちの波のあるプールから入ろう」
「そっか、そうっスね!」
 ロイの言葉にハボックは素直に頷く。プールに向かうと思いきや、手を伸ばしてきたハボックに腕を取られて、ロイはギョッとしてハボックを見た。
「先輩!マット借りて波乗りしたい!いいっしょ?」
「あ、ああ!勿論っ!」
 多少上擦った声で答えて、ロイは遊具の貸し出しコーナーへと向かう。ぶら下がるようにして腕にしがみつくハボックの滑らかな肌に肘が触れて、ロイはムッと唇を引き結んだ。
(落ち着け、ロイ!平常心だッ!)
 自分でも信じられないほどドギマギする自身にロイは必死に言い聞かせる。そんなロイを腕にしがみついたハボックが不思議そうに見上げて言った。
「どうかしたんスか?先輩、変な顔してる」
「えっ?いやっ、気のせいだろうッ!あ、ほら、ハボック、何色のマットにするっ?」
「あっ、オレねっ、青がいいな!あ、でも黄色もいいかな」
 丁度貸し出しコーナーに着いたのをいいことに聞けば、ハボックが手を離してマットを選び始める。
(参った……まさかこんな事になろうとは)
 これまで女の子とデートでプールに来てもやましい気持ちになどなったことはなかったと言うのに、ほんの少し触れられたくらいで興奮してしまうとは。白い背中を見つめてこっそりため息をつけばハボックが振り向いてロイを見た、
「先輩、これがいい!」
 水色のマットを掲げてニッコリ笑うハボックにロイはドキリとする。だが、続けてハボックが言う言葉を聞いて、ロイは目を見開いた。
「今日はいっぱい遊んで下さいね!オレ、昨日からすっげぇ楽しみにしてたんス!」
 無邪気に笑うハボックにロイも笑みを浮かべる。
「――――ああ、そうだな」
 こんな邪な想いは脇に置いて先ずは楽しむことを考えなければ。
「よし、先ずは波乗りして、それからウォータースライダーだ」
「やったぁ!」
「うわっ」
 そう思いながらもハボックに飛びつかれれば、やっぱりドギマギしてしまうロイだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、更新の励みですvv

「黒スグリ姫」です。もう9月に入っちゃったと言うのにプールです。と、とりあえず今日は30度くらいあるらしいしッ!(汗)夏祭りは書けなかったから秋祭りかなぁ……秋祭りに浴衣じゃダメかしらん。ああ全く、なんで夏にチャッチャと書かなかったかなぁ(苦)今年の夏はあっという間だったよ(トホ)

明日は法事なので早めに書かなきゃと思いつつ、まだ半分しか書けてない(汗)ハボロイ間に合わなかったらごめんなさい(滝汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

獣、ハスキーも冬向きですものね!そっかー、飲み水に氷入れるんですね。人間だって氷入れるんだもんなぁ。ワンコにも氷水!ハボック、すぐ氷をガリガリして『ヒューズさん、もっとーッ』とか言いそうです(笑)セレスタ、あはは、きっと「えっ、ここで回想くるかッ?」って思った方は多いだろうなと思いつつ、いつも行きあたりばったりに書く私の脳味噌に浮かんだのが回想シーンだったもので(苦笑)そんなバッチいフランクフルト嫌だーッ(爆)とりあえずブラッドレイフランクがどうなるかお楽しみに!(爆)風、いやもう、ホント変態オヤジ全開ですよ(苦笑)まだもう少し変態をお楽しみください(笑)

阿修羅さま

やはりどうしても年配になると治りも悪くなるのでしょうか。早く治りますように。どうぞお大事になさってくださいね。「風の行く先」ふふふ、S心擽りますか?もう、ハボックをどうやって啼かそうかとワクワクしながら書いているので、そう言って頂けて嬉しいですーvもう少し啼かせてやろうと思っているので、楽しんで下さいねッv
2014年09月05日(金)   No.412 (ロイハボ)

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  Photo by 空色地図

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