カプなし

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2013年12月05日(木)
攻受
2013年11月26日(火)
林檎
2013年11月08日(金)
獣9
2013年10月31日(木)
暗獣 万聖節編
2013年10月29日(火)
カモン3
2013年10月16日(水)
カモン2
2013年10月12日(土)
カモン
2013年09月21日(土)
妖11
2013年09月19日(木)
獣8
2013年09月12日(木)
獣7

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

攻受
(一応カプなし(笑)

「愛してるよ、ハボック……」
「オレも……」
 いろいろあったがそれでも漸く想いを通じ合わせて、ロイとハボックは互いを見つめあう。そうすれば引き寄せられるように自然と唇が重なった。
「ん……」
 忍び込んでくる熱い舌に己のそれを絡め取られて、ハボックは甘く鼻を鳴らす。そんなハボックにクスリと笑って、ロイはハボックを並んで座っていたソファーに体重を預けるようにして押し倒した。
「あ」
 驚いたように空色の瞳を見開いて見上げてくるハボックにロイは優しく笑う。
「大丈夫、優しくするから……」
 耳元に唇を寄せて囁くとハボックの体がピクリと震える。そんな反応も可愛いと、すっかりその気になってハボックのシャツにかけるロイの手をハボックのそれが押さえた。
「ちょっと待って下さい」
「……なんだ」
 折角いい感じなのにとムッと眉をしかめるロイにハボックが言う。
「なんでオレが下なんスか?」
「何故って……それは勿論、私が上だからだ」
 自分が上なら当然相手は下だと判りきったことではあるが、もしかしたら初めての事でパニックになっているのかもと、ロイは怒らずに説明してやった。
「判ったか?じゃあ」
 続きをとシャツに手を伸ばせば再びハボックに邪魔されて、流石にロイが目を吊り上げる。「ハボック」と険しい声で呼ばれて、ハボックが言った。
「だから、なんで大佐が上なの?」
「なんでって……当然だろう?」
 ハボックを好きだと思ってから、いつかきっとハボックを押し倒してやろうと思っていた。ベッドの上で乱れるハボックはさぞ可愛いだろうと、漸くその時がやってきたと言うのにハボックは何を言いたいのだろう。
「何か言いたいことがあるのなら言ってみろ」
 もしかしたらここでは嫌なのかもしれない。
(確かに初めてがソファーではムードに欠けるし、こんな狭いところでするのは不安かもしれんな)
 いかん、気が急いてしまったか、とロイがそう考えた時、ハボックの声が聞こえた。
「オレも上がいいっス」
「────は?」
 己の考えに耽っていたロイはハボックの言葉が理解出来ずキョトンとする。ソファーに押さえ込んだハボックを見下ろせばハボックがもう一度言った。
「オレも上がいいっス」
「────何を言ってるんだ、お前は」
 何を突然言い出すかと思えばよりによって“上になりたい”などとは冗談にも程がある。ある意味可愛らしい要求かもしれないなどと、年上の余裕でロイは苦笑して言った。
「ハボック、馬鹿なことを言うもんじゃない。私とお前だったらどう考えても私が上だろう?」
「どうしてっスか?オレの方が背も高いし体重もあるし、絶対オレが上っスよ」
「む」
 確かにどちらが背が高く重たいかを単純に比べればハボックの方だ。
「背が高いと言っても僅かだし、体重だってそんなに違わんだろう?いいから大人しくヤらせろ」
 そんな事で言い争う暇があるならさっさと事を進めたい。そもそも自分にはハボックに押し倒される気など微塵もないのだからここはやはりハボックが下になるべきだと主張するロイにハボックが言った。
「ヤですよ、そんな言い分納得出来ません。そもそも大佐、オレをベッドに運べないっしょ?オレ、大佐を姫ダッコで運べるっスもん」
「なにっ」
 姫ダッコで好きな相手をベッドに運ぶのは男のロマンだろうと言うハボックに、ロイは目を吊り上げる。
「私だってお前を姫ダッコくらい出来るぞッ!」
 そう言うなりロイは身を起こしてソファーの側に立った。半身を起こして見上げてくるハボックの脇と膝裏に手を差し込みグッと力を入れる。ハボックの体を持ち上げようと、前屈みになった体を起こそうとした、その瞬間。
グキッッ!!
「う゛ッッ!!」
 嫌な音と共に腰に走った激痛に、ロイは前屈みの体勢のまま凍り付く。顔をひきつらせたまま固まってしまったロイを、ハボックは驚いて見上げた。
「大佐?」
 呼んでもロイは身動き一つしない。ハボックはそろそろとロイの腕から抜け出して、ひきつった顔を覗き込んだ。
「大佐、どうしたんスか?」
「────腰が」
「へ?腰?」
「グキッって」
 相当に痛いのだろう。囁くような声でそう言うロイにハボックが目を丸くする。どうやら腰を痛めたらしいロイにハボックはボリボリと頭を掻いた。
「あー、オレ、最近また体重増えたんスよねぇ。ほら、筋肉って重いから」
「く……ッ」
「無理するからっスよ、大丈夫っスか?」
「ちょっと痛かっただけだッ!別に何とも────、ッッッ!!」
 ない、と体を起こそうとしたロイはあまりの痛みに声にならない悲鳴を上げる。だらだらと汗を流すロイにハボックが言った。
「ああほら、無理しちゃ駄目ですってば」
 そう言って体を支えようとするハボックをロイは横目で睨む。
「言っておくがなっ、別に姫ダッコ出来ない訳じゃないぞッ!」
「はいはい」
「調子が治ったら私がお前をベッドまで姫ダッコで運んでやるッ、いいなッ!!」
「はいはい」
「はいはいって……判ってるん────、〜〜〜ッッッ!!!」
 カッとして思わず屈み込んだ体を起こしかけて、突き抜けた激痛にロイが身悶える。
「いいからもう、先に腰を治しましょうね。そんなじゃ上とか下とか言う以前にヤれないっしょ」
「う……、し、仕方ない。い、医者にいくぞ……」
「車回しますから」
「待て、ハボック!治ったら私が上になるんだからなッ!それを忘れる、な……、アイタタタ……ッッ!!」
 指を突きつけて主張したものの、ロイは痛みに転げ回る。
「まったくもう……いい加減にしろっての」
 そんなロイにやれやれとため息をついて、ハボックはロイを病院に連れて行くべく車を回しに外へと出ていったのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、コメント、本当に励みになります!嬉しいです〜〜〜vvv

ここ暫く見てなかったNFLをWEEK9あたりから見てます。いやあ、久しぶりに見るとやっぱり面白いっスよ、アメフト!選手とかチームとか殆ど知らないんですけどね。んで、見てると時々選手の紹介で身長、体重なんかが出るんですよ。DEとかDTとかGとか、そう言う選手が193センチ140キロとかあってもそんなにビックリしないですが、細く見えるQBでも193センチ107キロって100キロ越えてるんですよね〜。……で。じゃあハボックはどうなんだろうって、やっぱり考えますよね!ホークアイが170センチあるとしたら(男も女も大きい人が好きと言う願望により)ロイが180センチくらい、体重は80キロくらい……意外とデカイな。ハボックはロイより大きいんだから194センチあるとして、体重は100キロないにしても95キロくらいありそうですよねぇ、実戦部隊だし……。そんな体重の持ち主を姫ダッコするのはさぞ大変だろうなぁって(苦笑)ロイには腕力以外に持ち上げるコツも磨いて貰わないとって思います(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

久遠、いや〜〜ん、ウルフとハボックがおでこゴッツンvv思わず想像して喜んじゃいました(笑)そうそう、ウルフならもう絶対直球だと思います(苦笑)林檎、確かに煮林檎とか焼きリンゴとかは好みが分かれますよね〜。今はスーパーでも甘いの酸っぱいの色んなリンゴが売っていて嬉しいですvセレスタ、漸く辿り着きましたよ(笑)ちゃんと守ってくれる……筈です(おい)正座で叱られて、立てなくなったところをハボに介抱されてそうです(苦笑)

セレスタ、やっとやっと……(ノ_<。) の方

本当にやっと、と言うか、初めてキスしてからちゃんと言葉にして「愛してる」と言うまで八十章以上かかってしまいました。どんだけかかってるんだか!(苦笑)ふふふ、やっぱりそう思われましたか(笑)でも、ここまでかかってすんなりいっちゃったら呆気ないかなぁって…いや呆気なくていいと言われそうですが(苦笑)ともあれ、もう少しもだもだをお楽しみに、どうぞお付き合い下さいませv
2013年12月05日(木)   No.354 (カプなし)

林檎
「……いい香りがする」
 ベッドの上でゆっくりと目を開けてロイは呟く。傍らを見れば働き者の男はもうとっくに起き出しているようで、シーツにも温もりは残っていなかった。
「んー……」
 思い切り伸びをしてロイはベッドに身を起こす。やれやれと首を数度コキコキと鳴らすとベッドから降りた。欠伸をしながら洗面所に向かい冷たい水で顔を洗う。水の冷たさに漸く目が覚めて、ロイは服に着替えると階下に降りた。下に降りれば微かだった匂いがずっと強く感じられる。バターに甘酸っぱい香りが混じるそれに誘われるように、ロイはキッチンに入っていった。
「おはよう、ハボック」
「おはようございます。そろそろお越しにいこうかと思ってたところっスよ」
 キッチンにいるハボックに声をかけたロイはコンロの前に立つ長身に近づく。フライパンでなにやら焼いているその手元を背後から覗き込んで言った。
「いい匂いだな、なにを焼いてるんだ?」
「リンゴっスよ」
 そう答えてハボックはフライパンを揺する。フライパンの中には銀杏に切ったリンゴがバターで焼かれていい色になっていた。
「紅玉貰ったんスけど、アンタ、酸っぱいリンゴ苦手っしょ?だから」
 と言いながらハボックは火を止めて軽くグラニュー糖を振りかける。皿に注ぎ分けそれを手にダイニングに行くハボックの後ろからついていきながら、ロイは言った。
「別に酸っぱいリンゴが苦手な訳じゃないぞ。甘味系のリンゴが好きなだけだ」
「はいはい」
 なんだか子供扱いされたように感じてそう言えば、なんとも気のない返事が返ってくる。なんだ、その態度はと後ろから耳を引っ張ると、痛い痛いと顔を顰めながらハボックがテーブルに皿を置いた。
「火が通ると甘くなるっスよ。きっと大佐も食べられます」
「だから別に苦手じゃないと言うのに」
 あくまでそう言い張って、ロイはハボックの向かいに腰を下ろす。温めたパンを千切って口に放り込み、サラダをワシャワシャと食べ、とろとろのオムレツに舌鼓を打って、ロイはリンゴの皿を引き寄せた。フォークでつつけば甘い香りが広がる。フウフウと息をかけてから口に入れれば広がる爽やかな甘みにロイは目を瞠った。
「旨い」
「そっスか?ならよかった」
 率直な賛辞にハボックは嬉しそうに笑う。ロイは突き刺したリンゴを見つめて言った。
「子供の頃、母が作ってくれた焼きリンゴを思い出したよ」
 あの頃、酸っぱいリンゴが苦手なロイの為、芯をくり貫いたリンゴにバターやレーズンを詰めて作ってくれたのだ。
「懐かしいな」
「今朝は時間がなかったからフライパンで簡単に焼いちまいましたけど、おやつに作りましょうか?焼きリンゴ」
「いいのか?」
 そう言えば途端にパッと顔を輝かせるロイにハボックはクスリと笑う。
「いいっスよ、沢山貰ったし。そうだ、折角だから一緒に作りましょうよ」
「ふむ」
 誘われてロイは頷くと勢いよく立ち上がった。
「よし、それなら早速作ろう。善は急げだ」
「えーっ、先に洗濯したいんスけど」
「なんだ、出鼻を挫くようなことを言うな」
「じゃあ、オレが洗濯物干してる間にリンゴくり貫いておいてくださいよ」
「仕方ないな、いいだろう。私が完璧にくり貫いておいてやる」
 リンゴの芯をくり貫くのに完璧もなにもないだろうと思いつつ、ハボックはよろしくお願いしますと頭を下げる。
 その後、洗濯を終えて戻ってきたハボックは穴を開けすぎて割れそうになったリンゴや芯が抜け切れていないリンゴに笑いながら、バターやレーズンを詰めて焼きあげてロイと一緒に甘酸っぱいティータイムを楽しんだのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、コメント、本当に励みになります!ありがとうございますvv

いやね、朝からバターで紅玉焼いて食べたら美味しかったってだけの話なんですけど(笑)リンゴはやっぱり甘味系のが好きです〜。シナノスイートとかシナノゴールドとか好き。王林も好きかな〜。酸味系のはやっぱり煮るとかしたくなります。アップルパイとか美味しいですよね。焼きリンゴも久しぶりに作りたいな〜。

以下、拍手お返事です。

なおさま

セレスタ、ふふふ、焦らした後の続きは如何でしたでしょうか。やっと眠り姫が目覚めましたがまだまだハッピーエンドには時間がかかりそうです(苦笑)うわぁ、ダースベイダーブラッドレイ!(笑)うう、益々長くなっちゃうよ(爆)メンテナンス、そんなハボックなら是非出張してきて欲しいです(爆)ムスコをメンテナンス、ドツボにハマって貰えて嬉しい〜(笑)久遠、あはは、悪代官ですもんねぇ。もう確実に後ろ暗い過去がてんこ盛りですよ、きっと(苦笑)

阿修羅さま

メンテナンス、楽しんで頂けて嬉しいですーvなんて言ってついてきて貰ったか……。やっぱり「ブレダ〜。一緒にマスタングさんのムスコのメンテナンスに行ってくんない?」じゃないでしょうか(笑)

相変わらずティワズがかっこいいv の方

うお、ありがとうございますーッvvえへへ、そう言って頂けるとやる気がモリモリ湧いてきますv「若」と呼ばせたくてティワズを出したので、これからも「若」「ティ」と呼び合って貰いますよ!是非そんな二人を見守ってやってくださいねv
2013年11月26日(火)   No.353 (カプなし)

獣9
「判ったから急かすなって」
 納戸の奥でゴソゴソと目当てのものを探しながら、入口から顔を突っ込んでその様子を睨んでいる私にヒューズが言う。グルルと不機嫌に喉を鳴らす私を、ヒューズは振り返って見た。
「仕方ないだろう、ここんとこ忙しかったんだからさ」
 確かに最近ヒューズの帰りが遅いのは判っていたが、だからといってもう暦の上では冬に入り、すっかり秋も深まったこの時分になってもまだラグが夏物という事態は許しがたい。久しぶりに休暇のヒューズの部屋の前で、私は夏物のラグを咥えて出てくるのを待ち構え、朝になって起きてきたヒューズに今日一番の仕事としてラグの交換を命じたのだった。
「ああ、あったあった」
 ヒューズはそう言って納戸の奥から冬用の毛足の長いラグを引っ張り出す。クリーニングして埃が被らぬよう包んであったラグを広げれば、微かな防虫錠の臭いがして私はヒューズを睨んだ。
「臭うか?」
『こんな防虫錠臭いラグに寝られるかっ』
 ラグに鼻を寄せてクンクンと匂いを嗅ぐヒューズに私は低く唸る。やっぱ犬は鼻がいいねぇなどとほざくヒューズに牙を剥けば、ヒューズはラグを持って歩きだした。
「少し風に当てれば臭いも抜けるから、もうちょい待って」
 ヒューズはそう言ってラグを手に中庭に出ていってしまう。私は仕方なしにリビングに戻るとソファーの上に飛び乗った。
『あれ?大佐、ラグは?』
 ソファーの上で何とか寝心地の良いように体を横たえようとしていると、ハボックののんびりとした声が聞こえる。私は前足の上に顎を乗せて答えた。
『ヒューズが外に干してる。防虫錠臭くて寝られん』
『あー、オレも防虫錠の臭いは嫌いっス』
 私の言葉にハボックも顔をしかめる。臭いを嗅いだように前足で鼻をこすったハボックは、ソファーに近づいて言った。
『じゃあ大佐、外行きましょう、外』
『はあっ?なんでそうなる』
『だって暇でしょ?ラグないし』
 そう言うハボックを私はソファーの上からジロリと見る。
『お前、今私がどこでどうしているのか見えているのか?』
『ソファーに寝そべってるっスよ』
『そう言うことだ』
 ラグはないがとりあえず代用品があるのが判ったろうと言葉にせず態度で示す私にハボックが言った。
『ソファーの上はダメってヒューズさんに言われてるっしょ』
『こんなに寒くなるまでラグを出しておかないヒューズが悪い』
 早めに出して風に当てておけばこんな事にはならなかったのだ。文句を言われる筋合いはない筈と私が言った時、足音がしてヒューズの手が私の体をソファーから無理矢理に下ろした。
「ローイ、ソファーは駄目だって言ってるだろ。お前デカいんだからさ」
『元はと言えばお前がさっさと冬物のラグを出しておかないのがいけないんだろうっ』
「あー、はいはい。文句言わないの」
 ガウと凄む私の言葉が判っているのかいないのか、ヒューズは言って私を追い落とした後のソファーにドカリと座り込む。ムッとして睨む私の眼光をものともせず新聞を広げるヒューズの足に噛みついてやろうかと私が思っていると、ハボックが言った。
『ねぇ、外に行きましょうって。葉っぱが紅くなって綺麗っスよ』
 その言葉に私は窓の外に目をやる。そうすれば紅く染まった葉をつけた枝の向こうに綺麗な青空が広がっているのが見えた。
『フン』
『行くのっ?やった!』
 ゆっくりとリビングの扉に向かって歩き出すとハボックがフサフサの尻尾をブンブンと振ってついてくる。中庭への扉を潜ればヒヤリとした風が首筋を撫でたが、その寒さを補って余りある陽射しに後押しされて私は外へと出た。
 木の枝に私のラグが干してあるのが見えて、私はその下に近づく。きちんと干されていることを確認しようと見上げた先、真っ赤に色づいた葉と見事なまでの青空が広がっていた。
『ね?凄い綺麗っしょ?』
『まあな、ラグが邪魔だが』
『じゃあ、どければいいじゃないっスか』
 折角の空をラグ越しに見るのも無粋だと私が場所を変えようとするより早く、そう言ったハボックがラグの端をくわえて引っ張る。あっと思う間もなくラグは地面に落ちてしまった。
『なにするんだッ!折角クリーニングしてあるラグをッ!』
『えー、だって大佐が邪魔だって言うから』
『場所を変えればいい話だろうッ!この』
 馬鹿、阿呆、脳足りんと罵ればハボックがシュンとして項垂れる。
『だって大佐と紅い葉っぱ見たかったんだもん……』
 しょんぼりと項垂れて地面を前足で蹴りながら呟くハボックにため息をついた私は、地面に落ちたラグを見た。ラグは上手い具合に表を上に広がっている。梢の間から陽射しが降り注いでいるのを見て、私はラグの上に寝そべった。
『……大佐?』
『落ちたものは仕方ない。有効活用しよう』
 そう言って私はラグの半分を空けてやる。それを見たハボックがそろそろと片足をラグに乗せて私をチラリと見た。
『その気がないなら私が全部使うぞ』
『その気ある!あるっス!』
 ハボックは言って嬉しそうに私と並んでラグに横たわる。首を反らして空を見上げた。
『綺麗っスね』
『そうだな』
 これからもっと寒くなれば空は益々澄み切るだろう。寒いのは嫌いだが、コイツの瞳と同じ色の空を見られるのは悪くないかもしれない。
『寒くないっスか?もう少しくっついてもいい?』
『好きにしろ』
 素っ気なく答えればいそいそと寄り添ってくる温もりに、私は目を細めて晴れ渡る空を見上げた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、嬉しいですvv

「獣」です。段々朝晩寒くなってきて北海道では雪も降ったし、そろそろロイが嫌いな季節だなぁと(笑)きっとこの後ラグをもう一度クリーニングに出す羽目になり、ロイは馬鹿な事をしたと後悔しまくったと思います(苦笑)

んで。忙しいですー。何とか「セレスタ」は書いたけど明日も出掛ける予定だし、「FLARE BLUE」は多分無理(苦)今日の日記も電車の中でチマチマ携帯で打ってましたし(苦笑)来週はちゃんと更新出来るといいなー(こら)

「セレスタ」と言えば、この先書き進めるにあたりちょっと最初から読みなおしてるんですが……ロイとハボがチューしたのって第四章だった!(爆)えええ、そんな最初の頃だったっけ??今日書いたのが第八十三章……。いつになったらもう一回ちゃんとチュー出来るんだか(苦)が、頑張ります(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

そうそう、頭隠して尻隠さず(笑)尻尾はハボの弱点ですからねぇ(苦笑)おお、ロイネタ使用許可、ありがとうございます!「カモン」の続きも頑張ります〜v「セレスタ」そうですね、ロイは相当昔からああだと思います(笑)ハボ、そろそろ帰ってくるはずー!
2013年11月08日(金)   No.351 (カプなし)

暗獣 万聖節編
「いい天気だ。いかにもハロウィン日和だな」
 開いた窓から体を乗り出したロイは空を振り仰いで言う。見上げた空は雲一つなく、風も穏やかで気持ちがよかった。今日は十月の最終日、ハロウィンだ。今夜はハボックに仮装をさせて近所の家を回る予定をしていた。
「ふふ、すごく喜んでいたな」
 ハボックにトリックオアトリートをしようと衣装を見せて誘った時の事を思い出して、ロイは目を細める。流石に一人で回らせる訳にはいかないが、自分が一緒ならハボックも十分楽しめるだろう。今朝も珍しく早くから起き出して、手作りのジャック・オ・ランタンやハロウィンの飾りを楽しそうに眺めていた。
「ハボック」
 ロイは窓を閉めると階下に下り、ハボックを呼ぶ。だが、小さな姿は見当たらず、ロイは眉を顰めた。
「どこに行ったんだ?────ハボック!」
 ロイは名を呼びながらハボックを探して回る。家の中にはいないようだと外に出たロイは、今朝方ハボックを見かけた庭の方へと足を向けた。
「確か朝、この辺に……ハボ──、ッ?!」
 ハボック、と言いかけたロイは庭の一角を見た瞬間息を飲む。ハボックと一緒に作ったカボチャの飾りの一つからふさふさの尻尾が出ているのを食い入るように見つめたロイは、目をパチパチと瞬かせた。
「……ハボック?」
 どうやら金色のふさふさとしたその尻尾がハボックのものらしいと気づいたロイは、ゆっくりとカボチャに近づく。近くにしゃがみ込んでそろそろと覗いたが、一体どういう状態になっているのかすぐには判らなかった。
「どうやって入ったんだ?」
 カボチャには中身をくり貫く為に開けた穴があいている。だが、幾らハボックが小さいとは言えその穴から中に潜り込むのは無理と思えた。
 ロイは尻尾が生えたカボチャをしげしげと覗き込む。作りもののように全く動く気配のないそれに、俄に心配になった。
「まさか窒息してるんじゃないだろうな……。おい、ハボック!」
 ロイはハボックの名を呼びながら何とか中を覗こうとする。だが、みっちりと身の詰まったカボチャは、目玉や口を象って開けた穴からハボックが着ている服の柄が見えるだけだった。
「ハボック!」
 呼んでも全く返事がない。心配になったロイが唯一出ている尻尾を掴んで引っ張った瞬間。
「ぴゃッ!」
 悲鳴と共にカボチャが十センチほども飛び上がる。ギョッとして身を引いたロイの目の前で尻尾が出ている穴から二本の足が生えて、カボチャのランタンは顔を逆さにした状態で逃げ出した。
「ろーい〜〜〜っ」
「えっ?あ……ハボックっ?おい、走ったら危ないぞッ!」
 続いて聞こえた声にロイは慌てて逃げるカボチャに声をかける。前が見えずによたよたと庭を走ったカボチャは、庭の木にゴンッと当たってひっくり返った。
「ハボック!」
 ロイは急いでカボチャに駆け寄り抱え起こす。だが、抱え起こしたはいいものの、それからどうしたらいいか判らず、ロイは「ええと」と呟きながら腕の中のカボチャを撫でた。
「だ、大丈夫か?っていうか、お前、どうやってここに入ったんだ?」
 一体どうやって引っ張り出せばいいのか、途方に暮れてロイが言う。そうすると、もぞもぞとカボチャの中で動く気配がしたと思うとポンと言う音と共にハボックが黒い毛糸玉に姿を変えた。
「あ」
 毛糸玉はカボチャの穴からポンポンと跳ねて出てくる。ロイの側で一際高くポーンと跳ねると空中でパッとハボックの姿になりクルンと一回転して地面に立った。
「ろーいっ」
「────なるほど。そういう事か」
 焦るあまりハボックの本来の姿が毛糸玉だった事を失念していた。ロイは抱きついてくるハボックの金髪をくしゃくしゃとかき混ぜて、苦笑混じりのため息をついた。
「まったく、心臓に悪いぞ、ハボック」
「ろーい?」
 軽く睨めばハボックが不思議そうに首を傾げる。ロイの手からカボチャを取り上げると、ハボックはそれを金色の頭の上に載せた。
「それは衣装じゃないよ、ハボック」
「ろーい〜〜」
 ハボックはカボチャのランタンを抱えてロイをじっと見つめる。ロイは笑みを浮かべてカボチャごとハボックを抱き上げると家の中に入った。二階に上がるとクローゼットからハロウィンの衣装を取り出す。そうすればハボックがロイの手から衣装を取り上げポンと飛び降りた。
「ろーいっ」
「もう着たいのか?仕方ないな」
 ロイは強請るハボックに笑って、服を脱がせて着替えさせてやる。バルーン型のカボチャのワンピースを着せて貰って、ハボックは嬉しそうにクルンと回った。
「ろーい!」
「うん、夜になったらお菓子を貰いに行こうな」
「ろいっ」
「ふふ、きっとかわいいカボチャのオバケだって、いっぱい貰えるぞ」
「ろぉいっ」
 ロイの言葉にハボックは満面の笑みを浮かべてギュッと抱きついてくる。楽しいハロウィンの夜を思い描いて、二人は夜が来るのを今か今かと待っていたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、とっても励みになります、嬉しいです〜vv

ポメラがおバカなのはよく判ってたけど「めずらしく」と打って「馬頭らしく」と出てきたのにはビックリした……。普通使わんだろう、馬頭って……。

と言う話はさておき。
今日はハロウィンですね!そんなわけでカボチャのはぼっくです。魔女や黒猫も可愛いけど、オレンジ色のカボチャのワンピースも可愛いと思うの(笑)自分じゃ「トリックorトリート」は言えないのでロイと一緒にご近所さんを回る予定です。もし来たら山ほどお菓子あげちゃうよ!!(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

カモン、ふふふ、最強チームで悪魔大佐を攻略出来るか?(笑)いやいや、それ、ありきたりじゃないですよ!アイディア拝借しちゃおうかなッ(笑)久遠、あはは、「そちも悪よのう」状態、やっぱりそう思いましたか?(笑)お代官様と越後屋にはこれからも悪さして貰おうと思います!人間ジャンはどうなるのか、お楽しみに〜v
2013年10月31日(木)   No.350 (カプなし)

カモン3
「うーん、やっと着いたか」
 イーストシティ駅のホームに下り立ってヒューズは思い切り伸びをする。相変わらず田舎だな、とセントラル住まいの男は揶揄するように言うと、傍らに立つ男を見た。
「どうよ?久しぶりのイーストシティは」
 そう聞かれてゆっくりと辺りを見回していたケンはひとつ息を吐いて答える。
「やっと帰ってきたなって感じです」
「そうか」
 ヒューズはニヤリと笑ってケンの背中をバンッと勢いよく叩いた。
「よし、それじゃあ古巣に乗り込むぞ」
「はいっ」
 ケンは頷いてヒューズと並んで東方司令部に向かって歩きだした。

 ケン・グラントはかつて東方司令部の広報室に在籍していた優秀なカメラマンだ。小遣い稼ぎに副業として軍人たちのブロマイド販売をしていたケンが、ロイの写真集に続き東方司令部の影のアイドル、ジャン・ハボック少尉の写真集を出そうと考えたのは写真屋として当然の本能だったろう。ケンは様々な障害や妨害をくぐり抜け、ハボックの寝顔やお着変えシーン、果てはシャワールームでの一糸纏わぬヌード写真までそのカメラに収めた。そして自らも会心の出来と言える一冊の写真集に纏め上げ、後は待ちわびているハボックファンの面々に渡すだけという時になって悲劇は起こった。ケンがハボックの写真集を極秘理に作り上げた事を知ったロイがケンの前に現れ、そして出来上がった写真集を自分用の一冊を除いて全て燃やしてしまったのだ。大きなショックに打ちのめされたものの、そこは写真屋魂、何とか再びハボックの写真集をと願いつつ結局果たせぬままケンはセントラルに異動となり、そして今日。ヒューズの部下としてイーストシティの地に降り立ったのだった。

「ヒューズ中佐、グラント!」
 東方司令部に着いたヒューズとケンはまず最初にケンの古巣でもある広報部に向かう。扉を開けて中に入れば、ケンの同期でもあるケリーが満面の笑みで迎えてくれた。
「グラント、元気だったか?」
 ヒューズに敬礼を寄越し、ケンには手を差し出してケリーが言う。その手を握り返して頷いたケンは言った。
「お前、この間の新人隊員募集のポスター、凄かったな」
「ん?ああ、まあな。思った通りの出来で、思った以上の反応だったよ」
 素直な賞賛の言葉にケリーは少し照れたように笑いながら答える。ヒューズは広報部の女性職員が出してくれたコーヒーを礼を言って受け取って言った。
「ハボック少尉をモデルに使ったんだって?もの凄い応募があったらしいな」
「ええ。でも殆ど前線送りになっちゃって。人手が足りなくて新人回して欲しがってた部に行かなかったんですよね」
 なんでだろう、と首を傾げるケリーにケンはチラリと傍らのヒューズを見る。ヒューズはケンの視線に苦笑して頷いた。
「まあ、多分そんなところだろ」
「相変わらず容赦ないですね」
 ロイの仕業かと無言での問いかけを肯定され、ケンは顔を顰める。ハボックの部隊への入隊を希望していたであろう新人たちには気の毒だが、ケリーが前線送りにならなかっただけでもよかったと言うしかないだろう。
「それにしてもハボック少尉の人気は大したもんだな。そう考えるとお前の写真集は本当に勿体無かったよなぁ」
 しみじみと言われてケンは顔を曇らせる。
「ああ、俺も出来ることならもう一度作りたいよ。ハボック少尉の写真集」
「俺も欲しいな、少尉の写真集。でも」
 と、二人は互いの顔を見た。
「「無理だろうなぁ……」」
 どちらともなくため息混じりの言葉が零れる。ハアとため息をつく二人を見て、ヒューズが面白そうに言った。
「作りゃいいじゃねぇか、少尉の写真集」
「えっ?でも、無理でしょう?マスタング大佐がいる限り少尉の写真なんて然う然う撮れませんよ」
「そうですよ。俺だって大佐の不在中に超特急でポスター作りましたけど、バレた途端残らず回収されましたから」
 あのハボック激ラブの焔の錬金術師、ロイ・マスタング悪魔大佐がいる限り、ハボックの写真を一枚撮るのも至難の業だ。写真集ともなれば大量の写真が必要で、そうであれば写真集制作など夢のまた夢、真理の扉の遙か向こうだと思われた。
「そうか?上手くやりゃ出来んじゃねぇ?」
「「え?」」
 思いがけない言葉にケンもケリーも目を見開く。そんな二人にニヤリと笑ってヒューズは言った。
「手伝ってやってもいいぜ?俺はロイのことなら何でも知ってるからな。それこそ弱点でもなんでも」
 そう言うヒューズにケンとケリーは顔を見合わせる。次の瞬間勢い込んで言った。
「是非お願いしますッ!」
「ハボック少尉の写真集作成は俺たちの悲願ですッ!手伝ってくださいッ!!」
「いいぜ。成功報酬は写真集一冊ってことで」
「一冊でも十冊でも好きなだけ差し上げますよ!」
 ニッと笑って親指を突き立てるヒューズに、ケンとケリーは顔を輝かせて頷く。
「よし!ハボック少尉の写真集、作るぞッ!」
「タイトルは“カモン”だな。おい、ケリー、あのポスターの写真、どっかにデータないのか?表紙は絶対あれにしたいぞ!」
「データはマスタング大佐が持っていっちまったんだ」
「消されてなきゃロイのところから取り返す手だては幾らでもあるさ。俺も今回の写真集の表紙はあれがいいと思うぜ」
「「はいッ!」」
 ヒューズと言う最強の協力者を得てハボックの写真集を絶対作るぞと、リベンジに燃える写真屋二人。そんな二人を眺めつつ。
(面白い事になりそうだ)
 ニヤリと笑ってコーヒーを啜るヒューズだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、コメント、とっても励まされてます、嬉しいです!

くそう、お返事まで全部書いてアップしようとしたら上手くアップ出来ずに消えちまったよ!ss以外は打ち直し……orz 日記のバカヤローッ!

……と、気を取り直して。
もうだいぶ前に書いた「写真屋ケンちゃん」是非リベンジを!と言うコメントを頂きまして「ハボック少尉写真集〜カモン!」制作プロジェクトを立ち上げてみましたー。でも、どうやって写真撮るか、全然考えてない(爆)ここで立ち消えって可能性大かも〜(苦笑)ロイをヘコませる名案お持ちの方いらっしゃいましたら是非v(笑)

日曜日はSPARKに行って参りました。だって久々プチがありましたし。久々だったので今回限り復活のロイハボサークルさんないかなぁとちょっぴり……いや、正直かなり期待していたのですが、結局普段と変わらなかった(苦笑)新刊あったのは1サークルさんだけでしたが、今回はラリーのペーパーがあったからそれでよし!それに今回もセロリさんにロイハボ描いてもらいましたーッ!写メの掲載許可を頂いたので、ふふふ、これだーッ↓





最近すっかり図々しくなりロイハボ二人でお願いしちゃってます。いやだって、どっちも描いて欲しいんだもんっ!えへへ、幸せ〜vvセロリさん、ありがとうございますっ!今回は久しぶりにハボロイ本も買ってきました。まだ時間なくて読めてませんが、最近苦手なロイ受け18禁は横目で流しつつ楽しもうと思いますー(笑)

あー、なんか鼻たれになってきました……。これから更新分書こうと思っているのに下を向くと鼻水が(苦)挫けたらすみません(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

セレスタ、ブラッドレイの呪いの際はご迷惑おかけしました(苦笑)ハボも少しずつ少しずつ毒が抜けてきていると思います。暖かい気持ちで読んで頂けて嬉しいですーv久遠、ハボがあんな風になるためにはそれなりの過去が必要かなと。クリスは他のロイハボで出したお姉さんの名前を流用しました(苦笑)またまた先をお楽しみにして頂ければと思いますv菫、そろそろ話が展開する予定ですー。変態ショタコン男がどうなるかは判りませんが(苦笑)そろそろ過去話から戻ってきたいと思っておりますv

小林さま

セレスタ、読んで下さってありがとうございますv少しずつではありますが、ロイの気持ちはハボに届いている筈です。二人が幸せになるように、心を込めて頑張りたいと思っておりますので、お楽しみに待っていて下さると嬉しいですv

水瀬さん

わーん、ありがとうございます!こういうシーンってまどろっこしいし、正直何章にも渡って書くような話なのか迷うところではあるのですが、でもやっぱりゆっくりしっかり書きたいシーンでもあるので、そう言って頂けるとメチャクチャ嬉しいですvロイの想いがゆっくりとハボの心を溶かしていって、そうして幸せになるまで、この先もお付き合いよろしくお願いしますv
2013年10月29日(火)   No.349 (カプなし)

カモン2
「今日からうちの一員になるジェイ・カーペンターだ。みんな、色々教えてやってくれ。ジェイ、挨拶」
 強面の隊員達がズラリと居並ぶその前に立って紹介されたカーペンターは、バンとハボックに叩かれた背中を更にピンと伸ばす。ガチガチに緊張して押されるように前に一歩踏み出して、声を張り上げた。
「ジェイ・カーペンターですッ!がっ、頑張りますんでよろしくお願いしまっス!」
 怒鳴るように己の名前を口にしてピッと敬礼する。上げた手を何秒で下ろしたらいいのだろうと仕様もないことで悩んでいると、ポンポンと背を叩いてハボックが言った。
「そんな緊張するなって。うちの奴らはみんな気さくで親切だからな。他の隊みたいに上下もそんな煩くないし。顔は怖い奴ばっかだけど優しい奴らだから気軽にいってくれ」
「はっ、はいッ」
 憧れの少尉殿ににっこりと微笑まれて、カーペンターは顔を紅くして頷く。それに頷き返してハボックが合図すると、隊員たちが一斉に着席した。カーペンターも慌てて一番後ろの席に走って腰を下ろすと、ホワイトボードを使ってハボックや副官の軍曹が次の演習で行う作戦についての説明をするのを、背筋を伸ばしてメモを取りながら一生懸命に聞いていたのだった。

「嬉しいなぁ、俺もこれで少尉殿の隊の一員。頑張って役に立てるようにしなくっちゃッ」
「おい、大工」
 休憩に入りあの隊員募集のポスターの少尉殿の隊へ入隊出来た喜びに顔を緩めて、さっき走り書きしたメモのあちこちに忘れないうちに注意書きを書き足していれば、背後から声が聞こえる。そのまま聞き流そうとして、自分が呼ばれたのだと気づいたカーペンターは書く手を止めて背後を振り返った。
「大工じゃないです」
「じゃあカケス野郎」
「カケスでもないです」
 名前のジェイは確かに鳥の名前と同じだが、そんな風に呼ばれるのは嬉しくない。そう言って声をかけてきた茶色の髪を短く刈り上げた大男を見上げれば、男は顔をしかめて言った。
「生意気な野郎だな」
「すみません」
 波風を立てないようとりあえずそう言っておく。すると二人のやりとりを聞いていた他の隊員たちがぞろぞろと寄ってきた。
「なんだ?生意気だって?」
「早々に隊長からファーストネームで呼ばれたからっていい気になってんじゃねぇのか?」
「えっ?別にそんなつもりはっ」
 確かにあのポスターの少尉殿に憧れて入隊を決めたカーペンターだ。ファーストネームで呼ばれて嬉しくないはずはない。だが、だからといっていい気になどなっているつもりはなく、顔の前で違うと手を振るカーペンターに最初に声をかけてきた男が言った。
「まあいい、最初だから大目にみてやる。俺はマイク・ゴンザレスだ。このハボック隊に配属されたのならお前も隊長に一方ならぬ想いがあるんだろうが、ここにいたいなら色々と従って貰う事がある」
「あ、はい」
 幾ら他の隊に比べて気さくで上下関係に煩くないとしても、やはりそれなりに決め事はあるだろう。なにより折角配属されたハボック隊から追い出されるようなことになっては堪らないとカーペンターが居住まいを正して見つめれば、ゴンザレスが口を開いた。
「まず我々はアメストリス軍第二大隊所属第四中隊ハボック小隊となるわけだが、それと同時にハボック親衛隊でもある。軍務優先は建前で一番の目的は隊長を守る事にあるッ!そうだなッ?!」
「「おうッッ!!」」
 ゴンザレスの言葉にいつの間にか周りに増えていた隊員達が拳を突き上げて答える。思わず取り囲む隊員達を見回すカーペンターに、ゴンザレスが眉を寄せて言った。
「何か文句があるのか?」
「いえっ!ありませんッ!俺も隊長殿は憧れですし……隊長殿を守るためでしたらこの命擲つことに何ら躊躇いはありませんッ」
 軍務とハボックなら勿論ハボックの方に天秤が傾くのは自分とて同じだ。ついさっき間近で見たハボックを思い出して顔を赤らめるカーペンターにゴンザレスが尋ねた。
「そう言えばお前はこの間の新人隊員募集で入ってきたんだったな。よく、ここに残れたな」
 あの時の募集で入ってきた新人は、確かあらかた最前線に送られていた筈だった。その人事の裏に焔の錬金術師の影が見え隠れして、ハボック隊の面々はロイへの恐怖を新たにしたものだ。それなのにこうしてここにハボック隊の一員となっている新人隊員がいることに、ゴンザレス達が不思議そうにすればカーペンターが答えた。
「俺、募集締め切りギリギリに飛び込んだんですよね。母親の説得に時間かかっちまって。そういうのが影響してるのかもしれません」
「なるほど。あのマスタング大佐の網の目を逃れた強者というわけか」
 こういう強運を持つ者が入隊すれば心強いかもしれないと、ゴンザレス達はふむふむと頷く。大した運だと隊員達から肩を叩かれて「いやあ」と頭を掻くカーペンターにゴンザレスが言った。
「お前が強運の持ち主なのは判った。ハボック隊への入隊を歓迎しよう。それでだ、この小隊には絶対に守らなければならない決め事が二つある。階級に関係なく全員に課せられた決め事だ」
「はい、なんでしょう」
 これは大事なことだぞと、カーペンターは背筋を伸ばす。それを見てゴンザレスは重々しく口を開いた。
「まずは不可侵条約」
「不可侵条約、ですか?」
「そうだ。たとえ誰であろうと隊長に対して抜け駆けしてはならない。隊長はああいう性格だから俺たち誰に対しても気さくに接してくれる。だが、それを誤解しないことだ。ちょっと声をかけられたからといい気になって必要以上に隊長に接近するような事をすれば────俺たちが黙っちゃいない。いいな?」
 そう言うゴンザレス達の瞳が物騒な光をたたえるのを見て、カーペンターは慌ててコクコクと頷く。それを見てゴンザレスは「よし」と頷いて続けた。
「もう一つは打倒・マスタングだ」
「……へ?」
 思ってもみなかった言葉を聞いて、カーペンターは目を丸くする。そのカーペンターの表情には気づかず、ゴンザレス達は悔しそうに拳を握り締めながら言った。
「俺たちがどれだけマスタング大佐に煮え湯を飲まされたか……ッ!事もあろうに隊長を独り占めした挙げ句、我々がほんの僅かでも隊長に接近しようとすれば容赦なく燃やされる。いつかあのマスタング大佐を倒して、隊長を解放して差し上げるのだッッ!!」
「「おおうッッ!!」」
「「いつの日か絶対に隊長に自由をッ!!」」
「「倒せッ!にっくきロイ・マスタングッッ!!」」
 ゴンザレスの言葉に一斉に声を張り上げる隊員達に、カーペンターが呆気にとられる。その様子にゴンザレス達は苦笑して言った。
「いずれ判るさ、あのマスタングの横暴ぶりが」
「はあ」
「ともかくこれからしっかり頼むぞ────ジェイ」
「は、はいッ」
 ゴンザレスを皮切りに次々と差し出される手にカーペンターは感激して涙ぐむ。
(憧れの少尉殿の隊に配属になったし、仲間はいい人たちばかりだし、ここでなら上手くやっていけそうだッ)
 幾つもの手を握り返しながらカーペンターは嬉しく思った。だが。

「よーし、これから組み手やんぞ!」
 休憩時間を終えて戻ってきたハボックが言う。表に出た隊員達が自然と二人一組になっていく中、誰と組めばいいのかとカーペンターがうろうろと視線をさまよわせていれば、ハボックの声が聞こえた。
「ジェイ。オレと組もう」
「えっ?で、でもっ、俺はまだ隊長殿の相手をするには力不足っすから!」
 突然の事にカーペンターは慌てて答える。だが、ハボックはにっこりと笑って言った。
「んなことねぇって。うちに回されるって事は既にそれだけ実力があるってことなんだから。ほら、ジェイ、来いよ」
 カモンとハボックが笑いながらカーペンターを指先でチョイチョイと招く。ポスターで一目惚れしたハボックに同じようにカモンと呼ばれて、カーペンターはカアアッと頭に血が上ってしまった。
「そっ、それじゃあ、よろしくおねがいシマスッ!!」
「よし、来いっ」
 ひっくり返った声で言えば楽しそうに招くハボックに、カーペンターは嬉々として向かっていく。その背に嫉妬の視線を突き刺していた隊員達にボコられて、カーペンターがハボック小隊の決め事を体で思い知らされる事になるのはほんの数時間後のことだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気貰ってますー、嬉しいですvv

ハボックモテモテアイドル話。もっと読みたいって言って下さった方がいたので(笑)ちょっとコメント貰うとすぐいい気になります(苦笑)こんな「カモン」が読みたいと言われたらシリーズ化するかもしれない(爆)

関係ないけど、オリキャラは毎度名前が浮かばなくて困ります。なので最近はほぼ野球選手。先日のジョー・ケリーもジェイもカーペンターもたまたま見てた大リーグ放送で出てた選手の名だったり。いやあ、助かってます(こら)

以下、拍手お返事です。

なおさま

「カモン」あはは!そんなハボック浮かんじゃいましたか!(笑)ヒューズだったらちゃっかりゲットしてそうですね〜。あ、やっぱり総受けですか、いや私もちょっぴりそう思わないではなかったのですが、「あの少尉殿に○○されたいッ!!」って人もいるかもしれないってことでカプなし(笑)私もポスター欲しい〜v誰か絵師さん、描いて下さらんだろうか(笑)そう言えば昔ハボック写真集を出そうと奮闘する写真屋ケンちゃんなんて話を書いた覚えが……。「セレスタ」切ないって言って頂けるとすっごい嬉しいですーっvとにかくハボが無反応なのでなかなか上手くロイとのやり取りを書けないのですが、ロイのもどかしさとハボを愛する気持ちが伝わったら嬉しいです。早く思いの丈をいっぱい伝えられるようになればいいのですが。「久遠」ふふふ、大火事になってくれないと話が盛り上がらないので(笑)一応「人魚姫」がモチーフですからね、ハボックは不利ですよー、うふふvあまり言ってはと思いつつ、やはり書いたものにコメント頂けるのは本当に嬉しく励みになります。いつも本当にありがとうございます!台風は大丈夫でしたか?こちらはおかげさまで特に何事もなく通過して行きました。本当に急に朝晩冷えるようになりましたね。なおさまもお体お気をつけてお過ごしくださいね。

カモン!良かったです(≧∇≦) の方

おお、ありがとうございますッ!なんか勢いで書いてしまったのですがそう言って頂けて嬉しいですーv嬉しさのあまり続き書いてみました。長編にはならなかったけど、お楽しみ頂けたら嬉しいですv
2013年10月16日(水)   No.347 (カプなし)

カモン
(一応カプなし(笑)

「えっ?隊員募集のポスター?」
 ロッカーの扉をバタンと閉じたハボックは、唐突な申し出を耳にして驚きの声を上げて振り返る。一日の業務を終えて着替えていたハボックに話しかけてきた男は、にっこりと笑って言った。
「はい、そうです。是非ハボック少尉にモデルをお願い出来ないかと思いまして。あっ、私、広報部のジョー・ケリーと言います」
 男はそう言って懐から取り出した名詞をハボックに渡す。写真付きの名詞に目を落とすハボックにケリーは続けた。
「ここのところ軍への入隊希望者が減ってましてね。人事部の方から広報部の怠慢だとクレームを受けたんですよ」
「へぇ、そうなんだ」
 正直ハボックのところへは人員の希望を出せば必要以上の人数が候補にあがってくる為、入隊希望者が減っているという実感はなかった。広報部も大変だな、と労いの言葉を口にするハボックにケリーは言った。
「そう思われるのでしたら、是非我々に協力してもらえませんか?少尉」
「別に構わないけど。つか、オレなんかでいいの?もっと他の……人気俳優とか使った方がいいんじゃねぇ?」
 協力しろというなら特に断る理由はないが、わざわざポスターを新たに作るならそれなりの人選をした方がいいのじゃないだろうか。そう思ってハボックが言えば、ケリーはぶんぶんと首を振った。
「いいえぇっ!人気俳優なんかより実戦を積み重ねてきたハボック少尉の方がずっと新人募集のポスターにぴったりですから!鍛えられた筋肉が醸し出す色気……じゃなかった豪気に若者たちはきっと“俺も一緒にアメストリスのために!”って思います。これは軟弱な俳優なんかじゃだせませんよ」
「そうかな?」
 拳を握り締めてそう力説するケリーに、ハボックは小首を傾げる。それでも「そうですともッ!是非是非ッ!」と繰り返されればそこはハボックのこと、断れる筈もなかった。
「そんなに言ってくれるなら協力するよ」
 はにかみながらもそう言うハボックの手を両手で取って、ケリーは嬉しそうにブンブンと振る。
「ありがとうございますッ!!では、早速これから撮影したいんですが」
「これから?随分急だな。まあ、今夜は大佐も出張中でいないから構わないけど」
「ええ、それを見越して声をかけさせて貰いましたから」
「えっ?」
「ああ、いや。こっちの話です」
 キョトンとするハボックにケリーはそう答えてハボックをロッカールームの外へと促した。廊下に出ると先に立ってハボックを撮影場所へと案内する。たどり着いた扉を開けると、そこには既に広報部のカメラマン達が用意を調えて待っていた。
「あ、軍のポスターなんだから軍服着てなきゃじゃん」
 帰るつもりで私服に着替えてしまっていた。そう言って慌てて着替えに戻ろうとするハボックをケリーが引き留める。
「ああ、少尉。衣装ならこっちで用意してますから。この軍服に着替えてください」
 ケリーはそう言いながらハボックに軍服を一揃え差し出す。ああ、そうなの、と頷いて軍服を受け取ったハボックは、部屋の隅にいくと着ていたシャツをバッと脱ぎ捨てた。
「────なに?」
 男ばかりの気安さからさっさとボクサーパンツ一つになったハボックは、視線を感じて顔を上げる。その途端逸らされる幾つもの視線に首を傾げながら、ハボックは用意された軍服を身につけた。
「なんかやけに光沢のある生地じゃね?」
「撮影用ですから」
 身につけた軍服の前を見、後ろを見て言うハボックにケリーが答える。手を伸ばしてきっちりと留めた軍服の襟元を外すケリーにハボックは首を傾げた。
「隊員募集のポスターなんだからきちんとした方がいいんじゃねぇの?」
「あんまりきっちりしてると取っつきにくいですからね。これくらい乱した方がいいんです」
「そういうもん?」
 何となく疑問に思いながらも自分より専門の広報部の人間が言うのだからそうなのだろう。ハボックは乱された襟元をそのままに指示された通り用意された長椅子に腰を下ろす。キチッと背筋を伸ばして正面を見据えるハボックに、カメラマンの男が言った。
「少尉、もう少し斜めに腰掛けてください」
「えっ?こう?」
「長椅子の袖に体を預ける感じに……ケリー!」
 カメラマンの男は自分の指示がハボックによく伝わらないと見るとケリーを呼ぶ。ケリーはすぐ頷いてハボックに近寄り、その長い手足をカメラマンの要望通りに長椅子に沿わせた。
「こっ、こんなんでいいの?ちょっとだらしなくねぇ?」
「いいんです。こちらに任せてください」
「でも」
「少尉、こっち向いてください。目線、こっちです!」
 本当にいいのかと心配になって思った以上に倒された体を起こそうとすれば、途端に飛んできたカメラマンの声にハボックは慌ててカメラの方を見る。
「はい、そのまま少し笑って……いいですよ!あ、次はこう掌を上にして手を出して……そうそう、それで人差し指でチョイチョイと呼び寄せてみましょうか……はい、そうです!」
 矢継ぎ早に飛んでくる指示にハボックは考える間もなく言われたとおりのポーズを取る。バシャバシャとシャッターを切る音が響く中、小一時間もポーズをとり続けていれば漸くオッケーの声がかかって、ハボックはホッと息を吐いた。
「お疲れさまでした!いやあ、お陰でいいポスターが作れそうです!ありがとうございます、少尉!」
「そ、そう?なら良かった」
 あまりのテンポの良さになにがなんだか判らないまま撮影を終えたが、満足してくれたのなら言うことはない。ありがとうと繰り返すケリー達に笑って返すと、ハボックはその場を後にした。
「よく判んないけどいいって言うならいいんだよな。それにしても」
 疲れた、とハボックは大きなため息をつく。慣れないことはやるもんじゃないと司令部を後にしたハボックは、よろよろとしながらアパートへと帰っていった。そして数日後。

「ハボックッッ!!これはなんだッッ!!」
 ドタドタと廊下を駆ける音が聞こえたと思えば叩きつけられるように開いた司令室の扉に、ハボックは書いていた書類から顔を上げる。そうすれば怒りに目を吊り上げて扉のところに仁王立ちするロイを見て、ハボックは目を丸くした。
「どうしたんスか?大佐」
「どうしただとッ?これは一体なんなんだッ!!」
 ロイは大声で言いながら靴音も荒くハボックに近づき、書類を広げた机の上に手にした大判の紙をバンッと置く。目を丸くしてロイを見たハボックは叩きつけられるように置かれた紙を広げてみた。
「あ」
 アメストリス軍新人隊員募集と大きく書かれた文字の下、長椅子に身を預けて座るハボックが手を差しだし「カモン」と見る者を誘っている。着崩れた軍服から覗く肌と浮かべる笑みとが色気を醸し出すそれをじっと見つめたハボックは、睨んでくるロイをチラリと見上げて言った。
「なんなんだって……隊員募集のポスターっスよ?ここ、書いてあるっしょ?この間広報部の奴にポスターのモデルしてくれって頼まれて撮ったんス」
 ふぅん、こういうのになったんだと感心したように言うハボックにロイは眉を顰める。
「この間っていつだっ?」
「え?えっと……大佐が出張ん時」
 そう聞いてチッと舌打ちするロイにハボックは不思議そうに聞いた。
「で?これが何か問題あるんスか?」
「問題あるのかって……お前はこれを見て何とも思わんのか?」
「何ともって……そうっスね、ちょっとだらしないかなとは思うっスけど、ケリー達がこれでいいって言うから」
「お前な……」
 別にいいんじゃないんスか?とへらりと笑うハボックにロイは歯軋りする。ダンダンと足を踏み鳴らしてロイは怒鳴った。
「このポスターを貼って以来軍への入隊希望者が激増したんだぞッ」
「あ、そうなんスか?良かったァ、役に立ったんだ、オレ」
「貼ったポスターは片っ端から盗まれてるッ」
「へ?そうなの?────なんで?」
 キョトンとするハボックにロイはがっくりと膝をつく。大丈夫っスかぁ?と顔を覗き込んでくる空色を睨んで、ロイは呻くようにブレダを呼んだ。
「ブレダ中尉……っ」
「はいッ!」
 二人のやりとりを息を潜めて聞いていたブレダは、ガタンッと椅子を蹴立てて立ち上がる。恐ろしげなオーラを纏うロイを見ないように視線をさまよわせるブレダに、ロイは言った。
「小隊を率いて市内のポスターを回収しろッ!一枚残らず全部だ、いいなッ!」
「イエッサーッ!」
 泣きそうな顔で叫ぶように答えるとブレダは司令室を飛び出していく。
「くっそーッ!今回入隊してきた奴全部、前線に送ってやるッ!フュリー曹長!このポスターを見て入隊した奴らの名前をまとめろッ!」
「はっ、はいッッ!!」
「なに?一体なんなの?」
 目を吊り上げて喚くロイと右往左往する同僚達の姿に目を丸くして、なにがなにやら判らないと首を傾げるハボックだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。昨日は何故かポチポチいっぱい貰いました、嬉しいーvありがとうございますッvv

最近すっかり日記サボりまくりですみません。前回も「とり急ぎ」だったし、いかん、心を入れ替えねば(汗)あ、更新はちゃんとありますよ!さっき書き終えたので夜にはアップしますーv

んで。
ニコ動で「副長がカモンしてくれる」っていう銀魂の動画がありましてね。通常版と劇場版の二人の土方さんが曲に合わせて踊りながらカモンしてくれる、実にケシカラン素敵な動画なんですよ。近くで食いついて見ると二人いっぺんに目に入らないので少し離れてガン見した方がよく見える……いやいやそうじゃなく!ハボックが「カモン」してくれたらそりゃもうぶっ飛んで行くなぁって思ったもんで(苦笑)そんな新人隊員募集のポスターがあったらアメストリス軍入隊希望者ワンサカで大変だろうなぁって。あ、勿論「あの少尉殿がいる部署への配属希望ですッ!!」ってヤツばっかりかと(笑)ロイは勿論、小隊の部下たちも大騒ぎだろうなぁって思ったら、つい書きたくなっちゃいました(苦笑)広報部が撮った写真のデータ、すぐロイに取り押さえられただろうなぁ。僅かに残された試し撮りの写真とかポスターとか、きっと物凄いプレミアつき(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

「久遠」ふふふ、ヤなヤツに磨きがかかってきたでしょう?マシス(笑)火のないところに火をつけてせっせと空気を送るヤツです。猫はやっぱりジャンでした(笑)まあ、ロイにとっては猫もハボックも「可愛いヤツ」なんだと思います。ホールトンも結局マシスと変わんないと思うんですよね。ずっとマシスと一緒になってハボックを苛めてた訳ですから(苦笑)「セレスタ」ロイには頑張ってブラッドレイ毒を浄化して貰わないとです。いっそ直接白いお薬注入した方が…げふげふ、と思いつつ我慢して書いてます(爆)先を楽しみにして頂けると頑張るぞ!という気持ちが湧いてきますvいつもありがとうございますvv

はたかぜさま

「久遠」28話にして漸く話が動きそうっていう……どんだけ枝葉が多いんだかって感じですが(苦笑)これは本筋に関係ないって言うところを落としていったら五話くらいでここまで来るんじゃないかと思います、いつもダラダラと長い話にお付き合い頂いてありがとうございますvうお、そうか!「金髪の背の高い男」なんて沢山いますよね!ああ、ごめんなさい、ハボック!私とした事が!orz でも、きっと「金髪の背の高い男」と言ったらハボックの事しか思い浮かばないくらいハボックが印象的なんですよ!(苦しい言い訳(苦笑)でも、実際そんな会話がホールトンと花屋の間で交わされたら楽しいだろうなぁ。しかも大真面目な顔で(笑)続きも頑張ります!楽しみと言って頂けるのがなにより励みです。ありがとうございますvv
2013年10月12日(土)   No.346 (カプなし)

妖11
「綺麗な月っスね」
 そう呟く声が聞こえて本から顔を上げれば、窓辺に佇む彼の姿が目に入る。その寂しげな横顔に胸がチクリと痛んで、私は立ち上がると殊更明るく言った。
「一杯やるか?今夜は十六夜だろう?」
 そう言って近づいていく私を彼は意外そうに見る。
「あれ?覚えてたんスか?」
 そういうの、興味ないくせにと彼は目を細めてからかうように言った。私は軽く彼を睨むと戸棚の中からグラスと酒の瓶を取り出す。つまみと言えばチーズとナッツくらいしかないと言えば彼がそれで構わないというので、トレイに載せて外へ出た。
「ああ、夜は随分涼しくなったっスね」
「そうだな」
 晴れれば昼はまだ陽射しも強く汗ばむ陽気だが、日が落ちれば夏とは違いいつまでもその熱気が残ることもない。彼が運んできた小さなテーブルにトレイを置くと、私と彼は直接芝生に腰を下ろした。
「本当に綺麗だな」
「でしょう?」
 空を見上げて言えば彼が自慢げに言う。
「オレは十五夜より十六夜の方が好きだな……」
 月明かりの下黙ったまま酒を酌み交わしていると、そう呟いた彼の瞳がここにはいない誰かの面影を追っているように思えて、私は乱暴に彼の腕を引いた。
「うわっ」
 グラスを持っていた手をいきなり引っ張られて、大きく揺れたグラスから酒が零れる。責めるように見つめてくる空色を見返して、私は言った。
「誰のことを考えている?」
「えっ?」
 そう尋ねられて彼は目を見開く。答えられずに見開く空色を睨むように見つめて私は言った。
「今ここにいるのは私だ。他の奴のことを考えるのは────」
 やめろと言いかけて、私は言葉を飲み込む。そんな私をじっと見つめて彼は言った。
「どうしてやめるんスか?言えばいいじゃないっスか。他の奴のことを考えるな、私の事を考えろって。アンタはオレの名前を持ってるんスから」
 そう言う彼を私は思いきり睨みつける。名前で縛って意に添わせる事など私は望んでなどいない。それは彼にもよく判っているはずで、そんなことを言い出した彼が赦せなかった。
「お前は」
 呻くように言って腕を掴んだ手に力を込めれば、私を見つめていた彼の瞳が揺らぐ。それに構わずグイと腕を引くと、逆らわずに近づいてきた彼に向かって私は身を乗り出した。
「ッ」
 ほんの一瞬唇が掠めて、焦点があわないほど近づいた彼の瞳が大きく見開く。ドンと私を突き放した彼の顔が泣きそうに歪んだと思うと、パアッと庭先を金色の光が包んだ。次の瞬間金色に輝く犬が庭を駆け抜け、最後に大きく跳ねるとその姿が闇に溶け込むように消える。そうして。
 気がついた時には、月明かりが降り注ぐ庭に私は一人取り残されていたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みです、嬉しいですv

久しぶりの「妖」です。昨日が十六夜だったので普通にお月見の話を書くつもりが気がつけばこんな展開に……(苦笑)どうするんだ、この先(爆)

んで、今日の更新、やっぱり「セレスタ」だけになりますー。「フレアブルー」も努力したんですが間に合いませんでした(苦)次の更新こそハボロイも頑張りますッ!

以下、拍手お返事です。

なおさま

きっとロイは耳聡くヒューズの足音を聞きつけて、直前に吠えるのやめるんですよ。でもって夢中で吠えてたハボだけ怒られてる間にロイはのんびりラグでお昼寝。後できっとハボックに文句タラタラ言われると思います(笑)

陽花さま

ラブレターありがとうございます!わあ、ハボロイ、読んで下さってますか!嬉しいですーv凄く久しぶりにハボロイの方からコメント頂いて感激ですvでも、今日はどうにも時間のやりくりが間に合わなくて「フレアブルー」書きあがりませんでした…orz 次回更新はハボロイも頑張りますので、これからもどうぞよろしくお願い致しますv
2013年09月21日(土)   No.344 (カプなし)

獣8
『大佐っ、すっごい月が綺麗っスよ!ねぇ、こっち来て一緒に見ましょうよ』
 リビングのラグに寝そべっていれば、窓から外を見上げてハボックが言う。普段なら無視するハボックの誘いに腰を上げたのは、今日が何の日か覚えがあったからだった。
『今日は十五夜だからな』
 私は窓辺に歩み寄りながら言う。そうすればハボックが不思議そうな顔をして首を傾げた。
『じゅうごや?』
『月を観るのにいい季節ということだ』
 長々と説明してもどうせ判らないだろうと、私は簡単に答える。するとハボックが至極納得したように頷いた。
『確かに、凄く綺麗っスもんね、今夜の月』
 じゅうごやっていうんだぁとハボックは言いながら空を見上げる。雲一つない空にはまん丸の月がその表面に兎を住まわせて煌々と輝いていた。
『こんなに綺麗な月観てると……』
 と、暫く黙って月をみていたハボックが言う。観てるとなんなんだと思って、月から傍らのハボックに視線を移せばハボックがスゥッと大きく息を吸い込んだ。
『ワオーーーーーンッ!!』
『ッッ?!』
 喉を逸らして突然吠えるハボックを私はギョッとして見る。二度、三度と吠えて更にもう一度吠えようとするハボックの頭を、私は思いきり前足ではたいた。
『いてッ』
『なんなんだ、いきなりっ』
 十五夜の話をしていたのではないのかと睨めばハボックが首を竦める。
『えーっ、だってこんな月見ると吠えたくならないっスか?』
『お前は狼男か』
 ハボックの言葉に昔聞いた話を思い出してため息をつく私に、ハボックがキョトンとして言った。
『狼男?なんスか、それ』
 なになに?と寄ってくるハボックに私はチッと舌打ちした。
『大佐ァ』
『重いっ』
 教えてと興味津々でのし掛かってくるハボックに私はガウと牙を向ける。それでも懲りずにねぇねぇとすり寄ってくるハボックに私はため息をついて答えた。
『狼男というのは普段は人間の姿だが満月を見ると狼に変身する怪物のことだ』
『満月見ると変身するんスか?すっげぇッ!』
 私の言葉にハボックが目を輝かせる。まさか本当にいるとは思った訳じゃないだろうなと不安に思って『おとぎ話だぞ』と付け足す私に、ハボックが答えた。
『でも、変身するんでしょ?凄いなぁ』
 私が言っていることをちゃんと理解しているのか、ハボックは相変わらずニコニコと言う。月を見上げて、それから私を見て言った。
『ねぇ、もしオレたちが人間に変身したらどんなっスかね』
『私たちが人間に?』
 狼男のおとぎ話を聞いた時にすら思いもしなかったことを聞かれて、私は眉を寄せる。リビングの窓際、きちんと前足を揃えて座る大きな金色の犬を見つめて私は答えた。
『そうだな、お前なら金髪の大男だろうよ』
『金髪?ホークアイ中尉みたいな?』
 私の言葉にハボックは自分が知っている範囲で金髪の人間を思い浮かべたらしい。その人物の姿を頭に描いて、私は言った。
『いや、同じ金髪でもお前のはもっと柔らかい金色だろう?瞳の色は空色で』
 中尉の金髪はずっと硬質な色合いだ。目の前の柔らかい毛並みのまま人の姿になったハボックを思い浮かべれば、思わず笑みが零れた。
『人間になってもお前は犬っぽいな』
『はあ?どんな想像してんスか』
 ニヤニヤと笑って言う私にハボックが鼻に皺を寄せる。その空色の瞳が私をじっと見つめて言った。
『大佐は黒髪で黒い瞳っスね。ヒューズさんみたいな感じかな』
『ヒューズぅ?』
 言われて目の前にニカッと笑う髭面が浮かぶ。
『私はあんなだらしない顔で笑わんぞ。人間の私はもっとイイ男だ』
『そっスね。大佐ならきっとすげぇハンサムで女の子にもモテモテっスよね』
 ツンと顔を背けて言えばそんな風に返されて、私は顔を赤らめた。だが、幸いにも自慢の毛並みが赤くなった顔を隠してくれたお陰で、ハボックには気づかれずに済む。月を見上げたハボックは空色の瞳を細めて言った。
『大佐と一緒だったら人間になっても面白いだろうなぁ』
『そうなったらこき使ってやろう。なんと言っても私は大佐だからな』
『えーっ』
 ニヤリと笑って言えばハボックが情けない声を上げる。月を観、私を見てハボックは言った。
『まあ、大佐と一緒ならどっちでもいいや。人間でこき使われても、犬で公園一緒に走っても』
 ね?と笑うとハボックは月を見上げる。月明かりを受けた金色の毛が輝いて、その美しさに目を細める私にハボックが言った。
『ねぇ、一緒に吠えません?』
『はあ?なにを言い出すんだ、お前は』
『とりあえず今は犬だし、折角犬なんだから』
 折角というその論理が判らないまま、私は肩を竦める。
『一回だけならな』
『じゃあ、一緒に!せぇの────』
 ハボックのかけ声と同時に息を吸い込み一緒に月に向かって吠えれば、なんだかこのまま人間に変わっていく気がして。
『大佐っ、もう一回!』
『仕方ないな、もう一度だけだぞ』
 私は人懐こい笑みを浮かべる金髪の男と並んで、月に向かって何度も何度も大声で吠えた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいですv

今日は十五夜だそうで。全国的にお天気がいいようなので、きっと綺麗な満月が見えるんだろうなと思ったら月に吠えるワンコが書きたくなったのでした。

今週はなんだかんだと予定が入っていて、頑張れば書けない事はないのでしょうが……どうかな。気力と根性とやる気があれば、でもそうなると話が進んでて書きやすいところから入るのでまたロイハボばっかりになりそうです(苦笑)まあ、ハボロイはもう読み手もいないんじゃないかという感じだしなー、ゆっくり書こうと思います。

以下、拍手お返事です。

なおさま

「獣」押してダメなら引いてみよう作戦(笑)でも、ハボにはそんな芸当出来なさそうです(苦笑)ロイはね、ママ激ラブで子供とママを取り合うパパだと思います(爆)「菫」あはは、変態ショタコン!いやまさしく(苦笑)早く変態ショタコンの毒牙から救ってあげたいと思いつつ、書き手も変態ショタコンなのでつい(爆)「セレスタ」そうそう、このロイは変態じゃないですよ。これからはロイに頑張って貰わなきゃと思ってます。変態キャッチャー……どっちも嫌だなぁ(苦笑)ともあれ早く幸せになれるよう祈ってあげて下さいねv
2013年09月19日(木)   No.343 (カプなし)

獣7
 ここのところハボックの様子がおかしい。
 ヒューズに連れられてこの家にハボックがやってきた時から、アイツは煩いくらい毎日毎日私にまとわりついてきた。どれだけ邪険にしようともどれだけ冷たくあしらおうとも、ハボックは懲りることなく私のところへやってきて、にこにこと笑いながら私に話しかけ私と遊びたがった。あんまりしつこいので最近は五回に一回くらいは構ってやることにしているが、その残りの構って貰えない四回もハボックは決して諦めることなく私にまとわりついてきていた。ところが。
 最近ハボックは全くと言っていいほど側に寄ってこない。鬱陶しいほどにまとわりついてきていた大きな体が近くにないというだけで、なんだか部屋が広く感じる。いつの間にか私専用でなくなっていたラグの半分は、掃除機をかけたまま金色の毛がつくこともなく寂しくその表面の柄を見せていた。
『使わんのなら返してもらうぞ』
 一緒に寝たいとあんまり煩いから貸してやったのに、そういうつもりならもう貸してやらんと私はラグの中央に移動する。精一杯手足を伸ばして出来るだけラグを占拠したが、ラグを独り占めした満足感は何故だか湧いてはこなかった。
 その時、カチャッと音がしてリビングの扉が少しだけ開く。ラグに寝そべったまま薄目を開けて扉を見ればハボックの鼻面が隙間から覗いた。ハボックは中には入ってこずそのまま行ってしまう。少しして中庭の扉が開く音がするのを聞いて、私はラグの上で体を起こした。急いでリビングを出てハボックの後を追う。扉をそっと押し開けて中庭に出た私は、辺りを見回してハボックの姿を探した。
『いた』
 繁みに顔を突っ込んでいたハボックが何かを咥えて歩き出す。フサフサの尻尾を揺らして歩くハボックが家を回って中庭の向こうに消えるのを確認して、私は足音を忍ばせてハボックの後をつけた。家の角っこから顔を出して様子を伺う。私に後をつけられているとは気づいていないハボックは、中庭の片隅に置いてある物置の陰に近づくと咥えていたものを地面に置いた。
『ほら、メシだぞー』
 ハボックがそう声をかければ物置の扉の隙間からなにやら黒い塊が出てくる。私はそれを見た途端、身を潜めていた場所から飛び出してハボックに駆け寄った。
『あっ、大佐っ』
 足音に振り向いたハボックが私を見て慌てて黒い塊の上に覆い被さる。その様になんだかムッとして、私はハボックの尻尾に噛みついた。
『キャウンッ』
 実はハボックの弱点がここであることを私は知っている。いきなり弱いところに噛みつかれて飛び上がるハボックを押し退ければ、見上げてくる小さな塊と目があった。
『────猫?』
 見上げてきたのは真っ黒な子猫だ。子猫は私を見ると金色の目を細めてニャアと鳴いて、地面に置かれた小さな肉にかぶりつく。はぐはぐと懸命に食べる子猫をじっと見つめた私は、傍らのハボックを見た。
『おい』
『庭の外に捨てられてたんス。腹空かせて可哀想だったから』
 ジロリと睨まれて、ハボックは首を竦めて答える。ハボックが私の側に寄ってこなかったのは、体についた猫の匂いに気づかれるのを恐れたためだった。
『どうするつもりだ?まさかお前が飼うつもりじゃないだろうな』
 どう考えても無理だと告げればハボックが項垂れる。
『でっ、でもっ!また捨てるなんて可哀想っス!』
 こんなに小さいのに、とハボックは夢中で肉を食べている子猫の背を舐めた。
『オレのメシ、半分やれば何とかなるっしょ?だから大佐っ』
 ヒューズさんには黙っててとハボックが訴えるのに答えようとするより早く、後ろからヒューズの声がした。
「お前ら、そんなところでなにをやってるんだ?」
『ヒューズさんッ』
 ギョッと飛び上がってハボックは大きな体の陰に子猫を庇う。だが、ヒューズはそんなハボックを簡単に押し退けると、手を伸ばして子猫をつまみ上げた。
「子猫?」
『ヒューズさんッ!返して!』
 ニャアと鳴く子猫の顔を覗き込むヒューズに、ハボックがバウバウと鳴いてまとわりつく。返せと必死に訴えるハボックを見、私を見てヒューズは言った。
「なに、お前ら二匹で子育てしてたの?」
 面白そうにニヤニヤと笑う髭面を私は睨み、ハボックは大きな体をすり付ける。そんな私たちを見て、ヒューズは苦笑した。
「悪いがこの子は飼えないぞ」
『そんなッ!!』
 それじゃあまた捨ててしまうのかと、ハボックがショックに泣き叫ぶ。ヒューズはやれやれとハボックの金色の頭を撫でると子猫を腕に歩きだした。
『ヒューズさんッ』
 子猫を取り返そうとハボックは慌ててヒューズを追う。私はそんなハボックを追いかけると、飛びかかるようにして金色の体を押さえ込んだ。
『大佐っ』
『落ち着け』
 私はそう言うとヒューズの後を追う。尋ねるように見上げる私に微笑んで家の中に入るヒューズについて扉を潜った。リビングに入り、私の定位置であるラグの上に子猫を下ろす。そうすれば私の後からついてきたハボックが大慌てで子猫を腕に抱き込んだ。
「貰い手を探すから。それまではお前らで面倒みな」
『ヒューズさん……っ!あ、ありがとう!!』
 ヒューズの言葉にハボックがパアッと顔を輝かせる。私を振り向いて、ハボックは嬉しそうに言った。
『オレたちで面倒見ろ、って!』
『面倒見るのはお前だろう』
 私は言ってラグの半分に寝そべる。
『でもヒューズさんが言ったっスもん!』
 ハボックはそう言うとラグの真ん中に子猫を置いてもう半分に寝そべった。
『へへ……いいっスね、こういうの』
『……バカか、お前は』
 嬉しそうなハボックに私はフンと鼻を鳴らして腕に顔をのせて目を閉じる。すると鼻先に濡れた感触を感じて、目を開ければ子猫が私の鼻を舐めていた。
『大佐のこと、好きって言ってるっスよ。オレと一緒っスね』
『バカめ』
 ニコニコと嬉しそうに笑ってハボックは子猫と一緒に身を擦り寄せてくる。その後一週間、ラグの真ん中を占拠した子猫は、近所の少女の家に引き取られていった。そうして。
『大佐ァ、外行きましょうよ、外』
『暑いから嫌だ』
『もう秋っスよ?涼しくなったっス』
『私にとってはまだ夏だ』
『大佐ってばァ』
『煩い』
 再びまとわりついてくるようになったハボックを冷たくあしらいながら、私はこっそりと笑みを浮かべた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、モチベーションあがります、嬉しいですv

お久しぶりの「獣」です。この間ドラマを見ていたら真っ黒の子猫が出てきて、可愛いなぁって思ったもので(笑)何に刺激を受けるか判らない(苦笑)

それから58万打、ありがとうございます!変わらず遊びに来て下さる皆様には本当に感謝感謝ですvやっぱりどんなに好きなハボックでも、読んで下さって一緒に盛り上がって下さる方がいないと、一人でラブ叫ぶのは淋しいと実感する今日この頃です。これからも是非うちのハボックをよろしくお願い致します(ぺこり)

以下、拍手お返事です。

なおさま

「舐める」ええ、本当に無駄に技術がありそうです(笑)うわあ、ガリッって……なんか痛くなってきた(爆)おお、なおさまも噛む派ですか?やっぱり噛みたくなりますよねぇ。あ、そうそう、「すみれの花咲く頃」の「すみれ」です(笑)拙いながらも文章を書いていると読めなくてもいい字を読めるようになりますよ(苦笑)あああ、変態ホイホイ、体質なんて……嫌過ぎる(爆)「久遠」あはは、カルシウム不足(笑)確かにロイにしてみれば物足りないかもしれませんね……。ふふふ、まあまたこれから色々あるでしょうしv「天鵞絨」私もパソが勝手に変換してくれないと自力じゃ書けません(苦笑)「ビロード」でオッケですよvいやもう、1年も放置してました(汗)手が早いのはヒューズならではですが、全部で十話しかないので早く手を出さないと出さないまま終わってしまうから(爆)拙宅にしては珍しくポンポンと話が進む予定です(多分)

阿修羅さま

東京、今日はまた夏の暑さがぶり返してます。折角少し涼しくなってきたと思ったのに〜(苦)おおお、キリリク!ついにゲットですか、ありがとうございます!お忙しいのにチャレンジして下さって嬉しいですvリク、承りました。モテモテハボックv最恐のリザ……うお、どんなだろう……頑張ります!しかし、夜中のトイレ介護は本当にハードですね……それじゃあ全然眠れてないですよ(苦)検査、何事もない事を願っています。阿修羅さまこそお体大事になさってくださいね!わーい、やっぱり飴は齧る派ですね!そうそう、どうしても齧ります!カジカジv

おぎわらはぎりさま

どうも!お元気でお過ごしですか?ふふふ、狗ですからねvでも舐めるのはご主人様限定でv(爆)

580000打おめでとうございます♪ の方

いつもありがとうございます!まったりとですが歩みを進めておりますvこれからも是非是非お付き合い下さいvおめでとうと言って頂けるのが、本当に励みになってますv
2013年09月12日(木)   No.342 (カプなし)

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 OR AND
スペースで区切って複数指定可能
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  Photo by 空色地図

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