カプなし

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2011年04月28日(木)
金剛石16
2011年04月22日(金)
金剛石15
2011年04月16日(土)
宅配2
2011年04月11日(月)
宅配
2011年04月09日(土)
金剛石14
2011年04月02日(土)
携帯
2011年03月27日(日)
金剛石13
2011年03月20日(日)
不調
2011年03月14日(月)
小胆マシュマロ
2011年03月06日(日)
金剛石12

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

金剛石16
(……?)
 微かに響いたその音にハボックはギクリと身を震わせて辺りを見回す。だが、ホールの中には特に変わった様子もなく、ハボックは僅かに眉を顰めた。
(空耳?でも……)
 気のせいと思おうとする一方で頭の片隅で何かが警鐘を鳴らす。込み上がる不安を抱えながらハボックが五感を研ぎ澄ませれば、不意にロイの声が壇上から響いた。ハッとしてそちらへ視線をやったハボックの目に進行役からマイクを奪い取ってにこやかに笑うロイの姿が映る。ハボックが見つめているのに気づいたようにロイの視線が客席の上をよぎりハボックへと辿り着いた。

 進行役からマイクを奪い取って口を開いたロイは、強い視線を感じてゆっくりとそちらへと目を向ける。そうすれば自分を見つめる蒼い瞳が見えて、ロイはうっすらと笑みを浮かべた。
(綺麗だな……遠目からでも宝石みたいに輝いて見える)
 あんな綺麗な蒼は今まで一度も見たことがない。
(あの蒼を手に入れられる為ならなにも恐れることなどない。私はあの蒼がどうしても欲しいんだ)
 声に出しては全く関係のない祝辞を口にしながら胸の内でそう強く願ったロイは、パラパラとマイクを持つ手に落ちてきた埃に目を見開いた。
「……?」
 なんだと思った次の瞬間パッと頭上に目を向けたロイは、驚愕に見開いた目を更に大きく開いた。

 壇上のロイに視線をやればまるでそれに気づいたように向けられる黒曜石にハボックは眉を寄せる。その顔に浮かぶ笑みを見て、目を逸らそうとしたハボックの耳にさっきよりずっとはっきりとパキンと言う音が飛び込んできた。
「ッ?!」
 ハッと壇上へ視線を戻せばホールの天井に施された装飾の一つが剥がれるように落ちていくのが見える。ロイの視線が頭上へ向けられるのとハボックがホルスターから抜いた銃の引き金を引くのがほぼ同時だった。
 ガウンガウンとホールに響き渡る銃声と壇上に降り注ぐ石の欠片にホール内が騒然となる。ロイは降ってくる欠片から腕を掲げて頭を守りながら大声で叫んだ。
「ステージから降りろッ!早くッ!!」
 その声に壇上にいた人々が慌ててステージの端へと走り、ステージ近くの招待客達がワッと逃げ出す。続けざまに銃声が響く中、ロイは更に降ってくる大きな塊に手袋を填めた手を翻した。
 パチンという軽い音に一瞬遅れて放たれた焔が落ちてきた塊を打ち砕く。濛々と視界を覆い隠す埃に、ハボックは銃を構えたまま壇上へと突進した。
「大佐ッ!!」
 逃げようとする人々に押し返されそうになりながらハボックはなんとかステージに辿り着くと舞い上がる埃の中にロイの姿を探す。青い軍服が壇上に蹲るのが見えて、ハボックはステージの端に手をかけるとタンと壇上に飛び乗った。
「大佐ッ!!」
 その声にロイが顔を上げてハボックを見る。ハボックの蒼い視線とロイの黒いそれが交わったと思った瞬間、更に大きな音がして塊が落ちてきた。
「ッ!!」
「…っ!!」
 その塊めがけてハボックの銃が火を噴きロイの焔が翻る。ハボックはロイの体に飛びつくと降り注ぐ欠片から守るようにロイを胸に抱き抱えた。
「ハボック!!」
「動かないでッ!!」
 ピシピシと軍服の厚い生地に細かな欠片を弾かせて、ハボックはロイの体を庇い続けた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もお礼申し上げます。

いよいよGWですね。と言ってもうちの場合土曜はガッコなのであんまり連休な感じではないんですが、いることはいるっていう身動きの取れなさ。それでも今年は4日のイベントには行くぜ!!ふふふ、半ば強引にもぎ取りましたさ。ダンナと息子は野球観戦に行くようです。今回はハボロイプチもあるんですね、ラリーしてこようかな。イベント後にオフ会もあるようですが、流石に参加する度胸はないのでとりあえず日中ガッツリ楽しんでこようと思いますvスケブも頼むぞー、ワクワクv雨だけ降らないといいな。もしどなたかにお見受けすることがありましたらその時は構ってやって下さいましv
2011年04月28日(木)   No.42 (カプなし)

金剛石15
「ここにこうして二十周年の祝賀式を執り行う事が出来ますのもご支援ご協力頂きましたみなさまのおかげと───」
 延々と続くスピーチにロイは来賓用の椅子の背にうんざりと体重を預ける。立場上こういった場所に招かれるのはしょっちゅうだったが、この手の式典が大嫌いなロイとしてはもうあと五分も耐えられないと脚の上で組んだ手をギュッと握り締めた。
(大体なんだ、このホールは)
 ロイはそう思いながら視線だけでぐるりとホールの中を見回す。ゴテゴテと装飾が施されたそれは、見た目もさることながら機能の面でも褒められた代物ではなかった。
(よくこれで建築基準法をクリア出来たな)
 無駄な装飾のおかげで出入口が極端に狭く、また人の動線を無視した通路や配置がスムーズな移動を妨げている。有事の際には本来なら起きないですむ混乱を招くのは必至で、ロイはこんな建物の建築申請に許可を出した役人の常識を疑いたくなった。
「次に東方司令部副司令官ロイ・マスタング大佐からスピーチを頂きます。マスタング大佐はご存じの通り焔の錬金術師としてその名を馳せており」
(くだらん事を)
 延々とロイの功績について美辞麗句を並べ立てる進行役の声にロイはあからさまに顔を顰める。これ以上聞いていられるかとロイは立ち上がると、たった今まで不機嫌に顰めていた顔ににこやかな笑みを浮かべて進行役からマイクを奪い取った。

 舞台の上の来賓用の席に座るロイをハボックはホールの片隅から見つめる。式典が進むにつれロイの秀麗な顔に不機嫌な色が浮かぶのを見て、込み上がってくる笑いをグッと飲み込んだ。
(変な奴)
 今までの自分の上官は多少の差はあるものの誰もが己の身分を誇示したがったものだった。こんな式典の場が大好きで少しでも長く壇上にとどまり一言でも多く話そうとしていたが、ロイはそういった上官達とは真逆の考えを持っているようだった。
(その上)
 と、ハボックはロイの事を考えるとついついそちらへ向いてしまいそうになる気持ちを慌てて引き戻す。軽く首を振ってハボックは鋭い視線をホールの中へと投げかけた。
(早く終われっての)
 ハボックはホールに響きわたる実のないスピーチに眉を顰める。昨日の最終チェックでも不審物は見あたらなかったし、不審者が入ってこられないよう出入口で厳重なチェックもしている。これ以上ないほどにロイの周りには気をつけたつもりではあるが、それでもハボックはこみ上げてくる不安を打ち消すことが出来なかった。
 勝手にすればいいと何度も思った。あれだけ忠告しても自分を側に置くことをやめないと言うなら、ロイがどうなろうが自分には関係ないと思おうとした。だが。
 士官学校に入ったばかりの頃初めて目にしたロイ・マスタングという若い士官。こんな軍人がいるのかと淡い憧れと共に将来の目標になった人物の事を、ハボックは長くは胸に留めてはおけなかった。運命という名を借りた暴風雨がハボックから最後の夢も希望も根こそぎ奪い取ってしまったからだ。ハボックはただ真っ青なその瞳に皮肉な光をたたえて自分を取り巻く世界を見つめるようになった。そんな中ロイの元への異動は最高の皮肉だと思っていたのに。
 何度も繰り返されるロイの言葉に、向けられる強い視線に、戸惑いながらもとっくに捨てたはずの希望が蒼く深い水底から淡いきらきらとした泡を纏って浮かび上がってこようとする。何度も押し込め沈めようとして、それでも叶わず浮かび上がってくるそれが水面に顔を出した時、纏つくきらきらとした泡の正体がロイへの恋慕だと気づいたハボックは、もう一度その泡を小箱に閉じこめ自分の中の蒼い水底に沈めた。誰にも、ロイにすら気付かせぬままロイを守るという決意と共に。
(早く終われ)
 ハボックがそれだけを念じながら蒼い瞳をロイに向けた時、パキンという音が頭上から響いた。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手も嬉しいです。

そろそろGWですね。休みになると更新が滞るのはいつもの事でして……orz 明日はなんとか更新したいと思いますが、その後は休み明けになるかもー(苦)せめて「金剛石」くらい進めたいなぁ。いい加減進めないと書きたいと思ってたこと忘れそう(←鳥頭)

ってなわけで「金剛石」でっす。色々細かい過去設定とかあるんですが、ちゃんと話に載せられるか不安だなぁ。勢いで書いてると後になって「ああ?!挿れ忘れた…ッ」ってことがよく、ね(苦)とりあえず書き進める!

それから「金剛石」を14までまとめて「dump renew」ページにあげておきました。読み返したいという方がもしいらっしゃいましたらどうぞv

以下、拍手お返事です。

了さま

お返事ありがとうございますv本当に自分が年をとった分親も年を取るんですよね。当たり前のことなのについ忘れがちというか、考えないようにしているというか……。でも、去年一年で私の両親ももの凄く年をとったと感じます。了さまのお気持ちはご両親にもお姉さんにもきっと届いていると思います。それにしても地震…少し収まってきたかなと思ったら夕べまた結構デカいのありましたね(苦)ホントもういいよって感じです。えー、可愛いハボックの話とかとかしに伺ってもいいんですか?うわぁ、どうしよう(笑)ぽちのロイとハボを気に入ってくださってありがとうございますv

蒼さま

苦行の成果はいかがでしたか?私は結構美容院って好きですが(笑)頭洗って貰うの凄い好きーvお使いはオッケーですよv

柚木さま

ご連絡ありがとうございますvただ申し訳ないのですが、私の方がちょっとバタついている感じなので当初の予定通り6月からでもいいでしょうか。やるとなればしっかり打ち合わせも必要でしょうし、慌てて始めるよりその方がいいかなと。打ち合わせ方法も考えなきゃですね。何かお考えありましたらお知らせくださいv
2011年04月22日(金)   No.41 (カプなし)

宅配2
「少尉、ちょっと相談したいことがあるんだが」
 サインを貰おうと執務室に入れば、突然そんなことを言われてブレダは目を丸くする。この上司が自分に相談事なんて珍しいこともあるもんだと思いながらブレダは頷いた。
「なんです?俺に判る事であれば」
 そう答えればすぐに何か言うかと思えばなかなか口を開こうとしないロイにブレダは首を傾げる。それでも辛抱強く待っているとロイが漸く口を開いた。
「知っていたら教えて欲しいんだが」
 らしくもなく歯切れの悪いロイを見ればなんだか聞かない方が身のためのような気がしてくる。急用を思い出したとブレダが言うより一瞬早くロイが言った。
「例のキャロットボーイだが、少尉は知り合いが勤めていると言っていたな?その知り合いとやらにハボックがどこに住んでいるのか聞いて貰えんだろうか」
「えっ?ハ、ハボックの住所をですかっ?な、なんでです?」
 突然の事に思わず狼狽えて声が裏返ってしまう。
(なに慌ててんだ、俺!そ知らぬフリだ、そ知らぬフリ…ッ)
 変に思われなかったかと内心焦りながらブレダは頬を引きつらせて言い直した。
「ハボックって大佐のところに来てる配達員ですよね?住所なら直接本人に聞けばいいんじゃないですか?」
 とはいえ聞いた住所に訪ねられてきても困るのだがとハボックの同居人であるところの男は思う。ロイはそんなブレダの胸の内などまるで気づかない様子で言った。
「まあそうなんだが……いきなり住所なんて聞いたら警戒されるかもしれんだろう?」
 確かに単なる客と配達員の間柄で突然住所を尋ねられたら不審に思うかもしれない。だがそんな風に思うのはそもそもなんぞ下心があるからではないのか。
(ちょっと待てよ、それってもしかして)
 そう考えたブレダはあまり辿り着きたくない結論に達しそうな展開に眉を顰める。聞きたくはないが確かめない訳にも行かず、恐る恐るロイに尋ねた。
「えと……ちとお尋ねしたいんですが……もしかして大佐、そのハボックとかいう配達員に気があったりします……?」
 聞いた途端ブレダは激しく後悔する。何故なら顔を真っ赤にして狼狽えるロイと言う世にも怖ろしいものを目にしてしまったからだ。聞くんじゃなかったと内心自分を罵るブレダにロイは困ったように視線をさまよわせて言った。
「まあその……軽蔑するか?少尉」
「軽蔑なんてしませんが」
(つか、筋金入りの女好きの大佐までオトすなんて……)
 今までにも数多の男や女をハボックがその罪のない笑顔で陥落させるのを見てきたが、まさかその威力がロイにまで及ぶとは。
「結構社員の多い会社ですからね。同じ配達員とはいえ知らないと思いますよ」
「そ、うか……そうだな。いや、悪かった、妙なことを聞いて。忘れてくれ」
 人の恋路の邪魔をするつもりもなければ、男同士の恋愛に意見するつもりもない。だが、どう考えても下手に関われば自分が貧乏くじを引くような予感が止まらなくて。
(絶対に関わらないようにしよう)
 がっかりと肩を落とすロイを前に固く誓うブレダだった。

 暫くぶりの休日、ロイは古書店など巡りながらイーストシティの街をぶらぶらと歩く。晴れ渡る空を見上げれば心を占める綺麗な瞳が思い出されて、ロイはそっとため息をついた。
(まったく、こんな事になるなんて……)
 勧められるまま何の気なしに頼んだ宅配。一度とったら後は適当に断ってしまおうと思っていたのに、届けにきたハボックを見た瞬間そんな考えなど吹き飛んでしまった。毎週彼が商品を届けにくるのが楽しみで、少しでも引き留めようと次々と商品を買いまくり。
(判っている、私の一方的な片想いだと言うことは……。でも、出来るなら少しずつでも彼のことを知って、私のことも知って欲しい)
 住所が判れば偶然を装って会うことも出来るかもしれないと思ったのだが、手掛かりとなりそうなブレダからは無理だろうと言われ増してや本人に聞くことも出来ない。
(自分がここまで臆病とは知らなかった)
 こんな風に思い悩む自分など想像したこともなくて、ロイがハアとため息をついた時。
「あれ?マスタングさん?」
「ッ?!」
 聞こえた声にロイは慌てて振り向く。そうすれば、両腕にいっぱいの荷物を抱えたハボックが立っていた。
「こんにちは、こんなところで会うなんて偶然っスね」
「ハボック?!」
 たった今まで考えていた相手が目の前に現れてロイは内心ワタワタと慌てる。だが、表面上はそんなことは微塵も感じさせず、意外そうに目を瞠って言った。
「珍しいな、こんなところで。今日は久しぶりの非番なんだ。君も?」
「ええ、今日は休みなんで買い出しに」
 そう言ってにっこりと笑う顔にロイはドキドキする。どうしようかと一瞬悩んだものの、意を決してハボックに言った。
「もっ、もしよかったら一緒にお茶でもどうかなッ。ケーキの旨い店を知ってるんだ」
「ケーキっスか?」
(しまった、女性でもないのにケーキで誘ってどうするッ!!)
 首を傾げるハボックに、ロイは内心己を殴り飛ばす。だが、他に巧い誘いの言葉が浮かばずにいれば、ハボックが言った。
「嬉しいんスけど、ちょっとこれが」
 とハボックは抱え込んだ山盛りの荷物を見る。確かにそれを抱えて店に寄るのはどうかと思われた。
「そ、そうか。いや悪かった、いきなり誘ったりして」
 ハハハと引きつった顔で笑えばハボックが少し考える。それからパッと顔を輝かせて言った。
「よかったらオレのアパート来ませんか?すぐそこなんスよ。ケーキはないけどクッキーとコーヒーくらいなら出せますから」
「……え?」
「あ、っと……ご迷惑っスね?すんません、オレ、考えなしで」
「迷惑なんてことあるもんかッ!!是非寄らせてくれたまえッッ!!」
 力こぶしを握り締めて思いっきり大声で答えればハボックが目を丸くするのを見てロイはハッとする。
(しっ、しまった……嬉しくてつい……ッ)
 握ったこぶしをそろそろと下ろしてひきつった笑みを浮かべるロイにハボックはクスリと笑って言った。
「こっちっス、すぐそこっスから」
「ああ」
 ハボックに促されるままロイは並んで歩き出す。頭半分背の高いハボックをチラリと見上げて、ロイは内心ガッツポーズをした。
(自宅にお誘いなんて……もしかしてもしかするとッ)
 都合のいい期待に胸を膨らませてロイは通りを歩いていく。五分ほども歩くとハボックは細い路地へと角を曲がりその奥のアパートを指さした。
「あそこっス」
 ハボックはロイを連れてアパートまでやってくると外階段を上がっていく。三階の一番奥の扉のまえで立ち止まって言った。
「ここっス」
 ハボックは言って荷物を抱えたまま器用に鍵を開ける。
「散らかってますけどどうぞ」
「お邪魔するよ」
 肩越しに振り向いて言うハボックに頷いて中へ入ったロイはワクワクとしながらアパートの中を見回した。
 古いアパートは男の住まいとしては綺麗に片づけられている。ふと不安になったロイはハボックに尋ねた。
「ええと……ここには君一人で住んでるのかい?」
 もしかして彼女の一人や二人いるのではと不安になったロイにハボックが答える。
「シェアしてるんス。お互い安月給なんで少しでも節約しようと思って」
「シェア?」
 そう聞いた途端ロイは眉間に皺を寄せた。
(シェアだとっ?!どこのどいつとだッ?!ま、まさかハボックと……)
 考えたくもないがそんな考えが浮かんでロイはギリと歯を食いしばる。ハボックはそんなロイの様子にまるで気づかず、買ってきたものを冷蔵庫にしまいながら言った。
「ああ、もうすぐ帰ってきますよ。今日は半ドンだって言ってたから。一緒にコーヒー飲みましょう」
「えっ?!」
 突然の事にロイは思わず狼狽える。
(いっ、いきなり直接対決かッ?!)
 そう思いながらもロイは口に出しては別のことを言った。
「迷惑じゃないかな、いきなり私がいては」
「えっ?でも、マスタングさんだって知ってる奴───」
 ロイの言葉にハボックがキョトンとして言いかけた時。
「ただいま」
 そう言う声がしてロイはハッと振り返る。ガチャリと扉が開いて入ってきた男の顔をロイはまじまじと見つめた。
「ブレダ少尉……?」
「えっ?たっ、大佐ッ?!どうしてここにッ?!」
 ギョッとして互いに凍り付く二人の耳にハボックの声が聞こえる。
「そこでばったり会ったんだよ。一緒にお茶しようと思って。いいだろ?ブレダ」
 ニコニコと笑って言うハボックをロイとブレダが呆然とした風に見やる。どうにも様子がおかしい二人にハボックは首を傾げた。
「どうかした?二人とも。オレ、なにか変なこと言った?」
 不思議そうに言うハボックをロイは暫く見つめていたが、やがてゆっくりと視線をブレダに戻す。同じように視線を戻してきたブレダを見て、唇の端をヒクヒクと震わせて言った。
「ブレダ少尉……知り合いというのはハボックの事だったんだな……」
「大佐っ、こ、これには訳が…ッ」
「住所なんて判らないと言っておきながら」
 ロイは低い声で言って懐から発火布を取り出す。それをシュッと手にはめたロイが腕を突き出すのとブレダが回れ右をしてアパートから飛び出すのがほぼ同時だった。
「待てッ!!燃やしてやるッッ!!」
「だからっ、これには訳が〜〜〜〜ッッ!!」
 喚きながらドタバタと階段を駆け降りていく二人を見送ってハボックは目を丸くする。
「どうしたの?二人とも」
 まったく訳が判らず、ひたすら首を捻るハボックだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手も嬉しいです、ありがとうです。

「宅配」の続きです。妄想頂いたので書いてみましたが……このハボでカプ成立するのは相当時間がかかりそうな気がします(苦笑)ちょっとやそっとモーションかけたくらいじゃ絶対気付かなさそう。ハボを正面に見据えて「私はお前が好きだッ、ジャン・ハボック」ぐらいはっきり言わないと判って貰えないと思います。下手すると恋愛要素など全く考えず「オレもマスタングさんの事、好きっスよ」とか返されそう……。不憫だなぁ、ロイ(苦笑)そして無駄にヤキモチ妬かれて八つ当たりされるブレダも(爆)きっと今までも本人自覚なしに笑顔を振りまいて無駄な争いを引き起こしてたかと。たまに積極的な女の子に押し切られて付き合っても、やっぱりあちこちで笑顔を振りまくので勝手に勘違いした彼女にキレられてフラれて、でも本人「なんで??」ってさっぱり判ってなさそう(苦笑)こう書くとちょっと頭足りてなさそうですが……うーん、無駄に罪作りなハボックです(笑)

でもって今日の更新は微妙かもー。これから横浜まで出かけるもんで…。間に合わなかったらごめんなさい……orz

以下、拍手お返事です。

蒼さま

やはり余震がないとつい震災が日々の中に埋もれてしまいそうで、人間ってなんて勝手なんだろうって思っちゃいます。自販機は別になくてもいいですけどね。100メートルも行かないで次の自販機があるのってどうよ、って思いますもん。コンビニは防犯の意味も兼ねて節電で24時間やったらいいと思いますが。映画、ホント少佐はいいからハボックを〜〜〜ッッ!!そういや新連載の「銀の匙」で出てた体育教官、少佐の親戚みたいですよね(笑)いや、絶対そうに違いない!ところで腐の続きの前にコメントあったのかな。そこからしかないのだけども……。天然誑しのハボックでもどんなに散財しても、それで幸せな気分になれるなら宅配人ハボックお願いしたいです!(笑)

阿修羅さま

面白いとありがとうございます。いい気になって続き書いてみました(苦笑)いやいや、妄想大歓迎ですんで!人さまの妄想食って生きてる身ですから(笑)「霧屋」も頑張りますので、どうぞよろしくお付き合い下さいませv
2011年04月16日(土)   No.40 (カプなし)

宅配
「マスタングさん、これ新商品なんスけど試しにどうっスか?」
 ハボックが肩掛けの保冷バッグの中からビニールにパック詰めされた肉を取り出して言う。
「調理済みだからこのまま熱湯で五分温めればすぐ食えるし、味もマスタングさん好みだと思うんスよね」
 どう?と首を傾げて見つめてくる空色の瞳に、ロイは内心高鳴る胸を押さえ込んでにっこりと笑った。
「そうだな、君がそういうなら一つ試しにとってみるかな」
「ありがとうございます!」
 ロイの言葉にハボックが満面の笑みを浮かべる。ハボックは玄関に置いた箱の中に手にしたパックを置いて言った。
「じゃあ来週からこれも一緒にお届けしますね」
「ああ、頼むよ」
 頷くロイに笑顔で答えるとハボックはバッグを肩に掛ける。
「いつもありがとうございます。じゃあまた来週伺います」
「えっ、……ああ、また来週」
 もう帰るのかと思わず引き留めたくなる気持ちをこらえてロイは無理矢理笑みを浮かべる。肩にしたバッグをミニトラックの荷台に放り込んだハボックがもう一度ロイに一礼して運転席に乗り込み走り去るのを見送ったロイは、ハアとため息をついて家の中に戻った。
「また買ってしまった……」
 ロイは玄関先に置かれた配達用の箱を見て呟く。ずっしりと重いそれを持ち上げキッチンに運ぶと冷蔵庫の扉を開けた。
 ハボックはキャロットボーイと言う宅配業者の配達員だ。毎週一度頼んだ食材をトラックに積み込んでロイの元へ届けてくれる。便利だから取ってみてくれと部下のブレダに勧められた事がきっかけでこの宅配業者から定期的に食材を購入するようになったロイだったが、ハボックが届けにくる度届けて貰う食材が増える羽目に陥っていた。
「あの笑顔で勧められるとどうもなぁ……」
 初めてハボックが届けにきた時からあの笑顔にヤられてしまった。彼ににっこり笑って勧められると必要ないと思ってもつい頷いてしまうのだ。
「まあハボックも喜んでくれるしッ」
 貰おうと言うとパッと顔を輝かせるのを見ればこちらも嬉しくて堪らない。
「食べて感想を言ってやらないとな」
そうすればハボックと話す時間も増えるというものだ。ロイはいそいそと箱の中から食材のパックを取り出すと、既にパックがいっぱい詰まった冷蔵庫に押し込んでいった。

「ただいま」
「あ、おかえり、ブレダ」
 仕事を終えてブレダがアパートに帰ってくるとハボックがキッチンから顔を出して答える。奥の部屋で服を着替えて戻ってくると丁度テーブルの上には湯気を立てた夕食の皿が並べられたところだった。
「これ、また新商品か?」
「ん、一度食べてからでないと勧めらんないだろ?」
 ハボックは言って湯気を上げる野菜を口に放り込む。ハフハフと熱そうにしながらもゴクリと飲み込むと笑みを浮かべた。
「結構イケる。これならマスタングさんも気に入ってくれそう。あの人、野菜食わないからなぁ」
「……お前、大佐にやたら買わせてねぇか?」
 誰か客を紹介してくれと言うハボックにブレダは何の気なしに自分の上官を紹介した。適当に幾つか買ったら後は断るなり好きにして貰ったらいいと思っていたブレダの思惑に反して、ロイが次々と買う食材の種類を増やしているという話を聞いてブレダは内心申し訳なく思っていたのだ。
(俺は味見と称して散々タダで食ってんのにな)
 ブレダとハボックは幼馴染みだ。進んだ道は違ったものの成人してからも付き合いは続き、今は安月給を補う為二人で一緒に住んで家賃を折半しているのだった。
「そう?でも無理に勧めちゃいないぜ。一応マスタングさんの好みに合いそうなの選んで勧めてるからいいと思って取ってくれてるんだと思うけど」
「そうかぁ?」
 安月給の自分と違って経済的な負担にはならないと思いながらも何となく気が引けてしまうのは、自分が紹介したという負い目か、はたまた単なる貧乏人根性か。
「一応俺の紹介なんだからさ、無理強いはするなよ」
「判ってるって。……よし、これもまた勧めちゃおう。マスタングさん、オレが勧めると大抵取ってくれるからさ。おかげでがっつりノルマ果たせて助かっちゃう。ブレダ、いい客紹介してくれてありがとうな。よし、来週も目一杯売り込むぞッ」
 もぐもぐと自社製品を試食する友人を見ながらブレダはそっとため息をついた。

「おはようございます、大佐」
 ガチャリと扉が開いて司令室に入ってきた上官にブレダは朝の挨拶を投げる。それに答えたロイは執務室へ向かう足を止めてブレダの方へ向き直った。
「そうだ、あのラディッシュボーイ、なかなかだな、少尉」
「えっ?そうですか?」
 丁度昨日ハボックと話をした矢先のロイの言葉にブレダはほんの少し慌てる。ロイはそんなブレダの心の動きには気づきもせずにニコニコと笑いながら言った。
「なによりあの配達員の青年がいい。爽やかで私の好みや体調を気遣って色々勧めてくれてな」
「はあ……」
「一度ゆっくり会って話をしてみたいものだな。この辺りを担当してるなら近くに住んでたりするんじゃないかと期待してるんだが。そうだ、今日のおやつには彼お勧めのクッキーを持ってきてるんだ、いいだろう?」
 はっはっはと笑いながら執務室に消えるロイを見送ってブレダはげんなりと肩を落とす。
「もしかして大佐、かなりハボックの事気に入ってんじゃね……?」
 そういえばハボックは昔からやたらと男にモテる奴だった。
「……一緒に住んでるなんてとても言えねぇ」
 ハボックとは単なる友人で同居人だが余計な誤解をされかねない。ブレダはブルリと体を震わせるとハボックにも自分の事は絶対に話に出さないよう釘をさしておこうと思うのだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます!更新も思うようにいかない中、拍手もパチパチありがとうございます〜、嬉しいですっv

明日の更新、「霧屋」は書けたんですが「パナケイア」は無理そうなのでとりあえずまたdump renewで誤魔化そうと思っております(苦)今回は前に書いてそのままになっていた「甘くて深い10のお題」から「4.手首」。しかしこれをアップしてしまうと後ロイハボで書きためてるのは「恋闇」だけになってしまう。頑張って「パナケイア」進めなきゃと思うものの時間がなーい!くそう……でも頑張るー!

それにしても今日はやたら揺れましたね。流石にこう多いと落ち着かない……。しかし、震度6の余震ってそれ余震じゃないから!せめて地震だけでもいい加減収まって欲しいなぁ。

というところで今日のネタ。母が「らでぃっしゅぼーやの配達員は売り込みもするんだけど、皆イイ男ぞろいなんですって」っていうもんで、ハボックが配達してくれたら勧められるだけ買っちゃうなぁと(笑)細マッチョで好みの男の子が配達しに来たら毎週楽しいだろうなぁ。って目的が違うって、それ(苦笑)

以下、拍手お返事です。

naoさま

キャーッ、ベビー誕生、おめでとうございます!!ちゃんと2日まで待っててくれるなんていい子だ(笑)予定通りの男の子ですか、うふふ。可愛いでしょう、男の子って。女の子は大人になってからも色々話ができて楽しいし、男の子は小さい頃が可愛くって楽しいし、いいですねvしかし、もの凄い安産!ギリギリまで携帯で連絡なんて(笑)でも、安産だと産後も楽だと思うのでよかったです〜。これから子育てでお忙しいと思いますが、是非気分転換に遊びにいらしてくださいね。ベビーもnaoさんもお体大切に、元気にお過ごしくださいv

蒼さま

家族サービス頑張ってるような頑張っていないような(笑)わんこクッキー、ハボにも食べさせたいなぁ(←違っ)夏の逃避旅行、魅力的〜!確かにWで家にいられると萌え時間激減かも(苦)今年の夏は本当にどうなるんでしょうね。せめて地震だけでも早く落ち着いて欲しいなぁ。
2011年04月11日(月)   No.39 (カプなし)

金剛石14
「隊長、こちらのチェック、全て完了しました」
「ご苦労、ブレダの方どうなったか聞いてきてくれ」
 担当区域の不審物のチェックを済ませたと報告にきた部下に頷いたハボックは、残り半分を受け持つブレダ隊の状況確認をするよう指示する。部下が答えて行動を起こすより先に、のんびりとした声がハボックの耳に届いた。
「こっちもオッケーだぜ、ハボ」
「ブレダ」
 ご苦労さんとハボックの部下に手を挙げて頷けば部下は敬礼して立ち去る。ホールの警備計画用の図面を広げているハボックの側に近づきながらブレダが言った。
「こんだけチェックすりゃ十分だろう?」
「絶対なんてもんはあり得ないって事はブレダだって知ってんだろ」
 ブレダの言葉にハボックはそう答える。無表情に図面にマークされたポイントをチェックするハボックの横顔をブレダはじっと見つめた。
 ロイがハボックを手放す気がないと告げたあの日からハボックは変わった。途中、二人だけの方がいいだろうと気を遣って席を外したブレダには二人が交わした会話の詳しい内容こそ判らなかったが、その後ロイから聞いた言葉から話の内容はおおよそ見当がついた。ハボックの表面だけを見ている者からすればハボックの変化は大きなものではなく気づくほどのものではなかったし、たとえ気づいた者がいたとしてもそれは恐らくハボックが彼につきまとう恐ろしい噂を裏打ちするような冷徹な変化としか捉えられなかっただろう。だが。
「蟻の入る隙間もねぇな」
 ブレダはハボックの横顔を見つめて言う。ハボックは図面から顔を上げるとブレダへと空色の視線を向けた。
「そんなに大佐の身が心配か?」
「護衛対象の安全を守るために最善を尽くすのは護衛官として当然だろう?」
 ブレダの言葉にハボックは相変わらずの無表情で答える。それはまるで隙あらばハボックとハボックを取り巻く人々に怖ろしい死の刃を振り下ろそうと待ちかまえている運命に、自分が少しでもロイの身の上を案じていることを知られまいと恐れているかのようにブレダには思えた。
「先に戻ってくれていいぜ。オレは見落としがないか一回り見てから戻る。オレの部下達にもそう伝えてくれ」
 ハボックは手にした図面を折り畳みながらそう言うとブレダの返事を待たずに部屋を出ていく。ブレダはパタンと扉が閉まる音と同時に深いため息をついた。
 初めて士官学校で出会ったばかりの頃のハボックはなんとか自分を取り巻く運命を変えようとしていた。だが、結局はハボックの笑みが皮肉なものに変わっていくのを自分はただ見ていることしか出来なかったとブレダは思う。彼を取り巻く噂を信じてなどはいなかったがそれを変えてやる手助けも出来なかった。今、初めて噂や運命を恐れないロイという存在に出会ってハボックはどうなるのだろう。
 ブレダは緩く頭を振ると司令部に戻るべくその場を後にした。


いつも遊びにきて下さってありがとうございますvパチパチ拍手も嬉しいです!

今日は更新日ですが間に合いそうにありませんーorz結局実家では一度もポメラ開けませんでしたよ(苦)日記も一回は夜中に携帯で打ったけど、もう一回は打ち終わらなかったし…。そんな訳でなんか久々ハボック書いた気分です(苦笑)
とにかく最近の自粛ムードで近々のマラソン大会が軒並み中止でダンナが週末ガッツリ家にいるのが痛いです。平日日中に書けないと書く時間がない。春休みだと日中息子がいるし、というのでさっぱりだったんですがやっと学校も始まったし自分のペースに戻せるといいなぁ。試験休みも含めると約一ヶ月休みだったんだぜ!勉強しろ、勉強!って感じです(苦笑)

と言うところで「金剛石」です。「パナケイア」といいこれといい、思案のしどころで(苦笑)ハボロイも「霧屋」始めるし、さぁどうしましょう(笑)脳みそ絞らなきゃー!

以下、拍手お返事です。

柚木さま

ホント何から何までって感じですよね。そのくせ「これ以上言われると混乱する」って、キャパ少な過ぎ!説明書がやたら簡単なのしかついてなかったのでサイトからダウンロードしたのをデスクトップに貼って「悩んだらまずはこれを読んで」と父に言いおいてきましたよ(苦笑)

風汰さま

うふふ、「剃刀」楽しんで頂けて嬉しいです!携帯バイブ、妙なところに入れてたらヤバいですよね。散々ヤられた後に尻ポッケに入れてたら響きそうです(爆)剃った張本人が怒って理不尽に、は確かに言えてる!(笑)ハボも色々苦労しそうです。ハボック受け度マックスですか?そう言って頂けると嬉しいです〜!益々啼かせたくなっちゃう(笑)風汰さまの可愛いハボックを見せて頂けるのを楽しみに待ってますね!

蒼さま

一定年齢過ぎるともう年とりませんよね(笑)私も太く短くが理想ですvふふふ、ヒューズさんも感服ですか。当日どうするかは体力とその場の状況と相談ということでv
2011年04月09日(土)   No.38 (カプなし)

携帯
 胸ポケットの中でブーブーと言う振動音を立てて携帯が震えているのを感じてハボックは眉を顰める。ため息と共に書類を書いていた手を止めると、軍服の合わせから手を突っ込み内ポケットの携帯を取り出した。
「……」
 待ち受け画面に表示されたメールの着信を知らせるアイコンを見つめたハボックは、嫌そうにしかめた眉の皺を深めながらアイコンをクリックする。開いたメール画面いっぱいに表示された幼女の写真を見てげんなりとため息をついた。
「……ったく」
 無視したいのは山々だが無視しようものなら数分後にあの執務室の扉から鬱陶しい髭面の親馬鹿オヤジが飛び出てくるのは判りきっている。それだけは避けなければと、ハボックは返信画面を開くと素早く文字を打ち込んだ。
「エリシアちゃん、可愛いっスね……っと」
 口に出して短い文章を打ち込み送信ボタンを押す。送信が完了した事を確認して携帯をポケットに戻した。
「はあ……」
 ハボックは一つため息をついて今見たメールを頭の中から追い出すと書類に向き直る。だがものの数分もしない内に再び震えた携帯に、チッと舌を鳴らして携帯を取り出すとろくに画像を見ずに同じ文章を打ち込んで返した。しかし、その後も二分とおかずに次々と画像が送られてくる。メールが七通目を数えた時、流石にハボックが手にしたペンを投げ出して携帯を乱暴に開けば、今度の送信元はヒューズではなかった。
「あれ?大佐?」
 思わず執務室の扉を見やりながらメールを開けば今度は画像ではなく文字が浮かび上がる。その文字を読んで、ハボックはガックリと机に突っ伏した。
『はぼくなぜわたしにめいるをよこさないのだ ばかひゅうずのあいてをしてたらのどがかわいたコーヒをもってこい』
「…………」
 子供の言葉を文章にしたようなメールにハボックは深いため息をつくと乱暴な仕草で立ち上がる。靴音も荒く司令室を出ると給湯室でコーヒーを淹れて戻ってきた。
「大佐ッ、中佐もッ!!」
 ノックもなしにハボックは乱暴に執務室の扉を開ける。扉が開く音に携帯から顔を上げた上官二人を睨みつけて言った。
「いい加減にして下さいッ!仕事にならないっしょッ!!」
 ガチャンとコーヒーが載ったトレイをロイの机に置き二人の顔を見渡す。そうすればヒューズがシナを作って言った。
「なに言ってるんだ、少尉。殺伐とした空気の中エリシアちゃんは最高の清涼剤だろう?俺は少尉が気持ちよく仕事が出来るよう上官として気遣ってだなぁッ」
「ただ単にエリシアちゃんの着信ボイスが聞きたいだけのクセに」
「ウッ!」
 ボソリと返された言葉にヒューズは一瞬言葉に詰まる。そのすきにハボックはロイの方を見て言った。
「大佐も!くだんないメール送ってこないで下さい。コーヒーが欲しけりゃ直接言えばいいっしょッ!!」
「何を言うっ、お前がヒューズにばかりメールを送って私にはちっとも送ってこないからだろうッ?せっかく携帯買ったのにッ!!」
 真新しいブルーの携帯を握り締めて言うロイにハボックはウンザリとため息をつく。送信履歴を開いてロイに見せると言った。
「アンタがそう言うから昨日散々メールしてあげたっしょ?アンタそれに何回返事寄越しました?」
「う…っ、し、仕方ないじゃないかッ、打つのに時間かかるんだからッ!」
 顔を赤らめてロイが言い訳の言葉を口にすれば、ヒューズが自慢げに言った。
「俺は少尉のメールにはすぐに返信してるぜッ!」
「中佐はエリシアちゃんの画像しか送ってこないじゃないっスか」
「そっ、それはだなぁッ、さっきも言ったように少尉の為を思って―――」
「とにかく!」
 ヒューズの言葉を遮ってハボックが言う。
「仕事中の私事のメールは禁止。さっさと仕事して下さい、いいっスね?」
 ピシリと言うハボックにロイとヒューズは一瞬押し黙る。だが、次の瞬間二人同時に口を開いた。
「ハボック!お前、私とメールのやり取りをするのが嫌なのかッ?恋人なんだから一日50通も100通もメールをするのが普通だろうッ?それを嫌がるような事を言うなんてッ!」
「エリシアちゃんの画像を送るのの何が問題だって言うんだッ、究極の癒やしだろうッ!あ、少尉、お前、エリシアちゃんの画像を削除したりしたら許さんからなッ!ちゃんと保存しておけよッ!」
 ギャイギャイと喚きたてる二人にハボックのこめかみがピクピクと震える。息を吸い込んだハボックが二人を怒鳴りつけるより一瞬早く、三人の携帯が着信を告げた。
「え?誰から?」
 くだらないメールを寄越して仕事の邪魔をする上官二人は目の前にいて携帯を弄っていない。誰だろうとメール画面を開いたハボックは目に飛び込んできた言葉に凍りついた。
『いい加減にしないと射撃の的にしますよ?』
 ゆっくりと顔を上げて上官を見れば二人の所にも同じメールが来たと知れる。ハボックはトレイの上のカップを二人の前に置いて言った。
「とっ、とにかく、コーヒー飲んだら仕事して下さいッ」
「そ、そうだなッ、ありがとう、ハボックっ」
「コーヒー飲んだらちょっとその辺回ってくるわ、俺ッ」
 言うなりカップに手を伸ばしてコーヒーを一気飲みする上官を残してハボックは執務室を出る。カリカリとペンを走らせているホークアイをチラリと見て言った。
「二人ともコーヒー飲んで一息入れたら仕事するようっスよ?」
「そう、それはよかったわ」
 トン、と最後の点を書いてホークアイが顔を上げる。にっこりと笑みを浮かべてハボックを見ると言った。
「そろそろ演習の時間なのではなくて?少尉」
「はいッ、すぐ行きますッ!」
 そこだけはちっとも笑っていない鳶色の瞳にビシッと敬礼を返して、ハボックは一目散に司令室を飛び出していったのだった。


いつも遊びにきて下さってありがとうございます。拍手、やる気頂いてます、嬉しいですv

火曜の更新時は一時dump renewページが表示出来なくなっていて、その時間に覗きにきて下さった方には申し訳ありませんでした。更新しようとしたら何故だかいきなりdump renewだけアップ出来なくなってしまいまして…。アクセス権限やらなにやら見てみたけどさっぱり判らず、仕方ないのでページを新しく作り直して元のページを削除し新規で保存しようとすると保存出来ないんですよー。悩んだ挙げ句dump renew2で保存かけたら出来たのでなんとかアップ出来たんですがやたら時間かかっちゃったorz 結局理由は判らず終いなんですが、なんでなんだろう……。またなったら嫌だなぁ(苦)

両親が携帯を買いました。以前から「春休みになったら買おうね」と言っていたのですが今回の震災でやはり携帯を持っていた方がいいと痛感したらしく(父は釣りで、母は観劇で互いに連絡の取りようがなかったから)結局春休み前に携帯買うのに付き合い、その日は時間がなかったので取りあえず電話のかけ方だけ教えたら二人でテーブル挟んで電話かけたりしてたらしく(苦笑)春休みでこっちに来てメルアド設定してあげたんですが、流石に父の方は日頃パソメールを弄ってる分飲み込みも早く最初に打ったメールもまともだったんですが、母が息子に打った初メールは「はつめいるだぜいいえい」って(苦笑)しかも文頭に息子の名前がひらがなでついてるから益々判りにくく、受け取った息子が暫く悩んでました(笑)伯母のアドレスを教えて貰ったので「打った?」と聞いても「メールまだ打てないから」って。私らが帰るまでに多少は打てるように仕込んでいかないと携帯買った意味がない。暫くは携帯で会話した方がいいかも?(笑)

以下、拍手お返事です。

摩依夢さま

お陰さまで体調回復致しました。ご心配頂いてありがとうございます。「バラード」漸く終わりましたー!何だかもうちっとも切ない感じにならなくて……orz 少しでもお楽しみ頂けていたら嬉しいのですが。また機会がありましたらこれに懲りずリクしてやってください。摩依夢さまもお体お気を付けてお過ごし下さいませ。

naoさま

うふふ、「剃刀2」楽しんで頂けましたか?やっぱりハボが泣いたり恥ずかしがったりするとワクワクしますよねッ(笑)ベビーの方は如何でしょう。小学校の時、同じ年の4月1日生まれの女の子が同じ学年でした。本来上の学年だと思うのですがあの頃は規定が緩やかだったのかなぁ。ちなみに姪っこは3月30日生まれで学年で一番年下、私は4月7日なので大抵学年で一番年上でした(笑)ベビー誕生のお知らせを楽しみにしてますねv
2011年04月02日(土)   No.37 (カプなし)

金剛石13
「本日はご足労いただきありがとうございました、マスタング大佐」
「いや、なかなか有意義な時間でした」
 ロイは差し出された手を握り返してにこやかに微笑む。イーストシティ大学の名誉教授との懇談を終えて、ロイは背後に立つハボックに声をかけた。
「車を回してくれ、ハボック」
「アイ・サー!」
 ハボックはピシリと敬礼すると教授と雑談をしているロイをおいて先に部屋を出る。正面につけた車の脇に立ってロイを待てば暫くしてすらりと背筋の伸びた姿が現れた。ハボックが開けた扉からロイは車の中に躯を滑り込ませる。ロイが乗り込んだのを確認して扉を閉めるとハボックは運転席に回りハンドルを握った。
 ロイがハボックを手放す気がないと告げた日、飛び出したきり帰ってこなかったハボックは、結局その後は変わらずにロイの護衛を務め日々の業務に取り組んでいた。無表情の仮面の下に全ての感情を押し隠して業務をこなすハボックにロイは困惑する。これまでは様々な表情を映し出していた蒼い瞳がガラスのようにロイの姿を映すだけになってしまった事が、ロイには寂しくてたまらなかった。
「三十分の遅刻っス。11時半までの予定だったっしょ?」
「いいじゃないか、下らん会議や会食より余程有意義だ」
 錬金術に深い造詣のある老教授との懇談は、ロイにとって時間を忘れるほど興味深く楽しいものだった。満足げな笑みを浮かべているロイの顔をミラー越しにチラリと見てハボックは言った。
「中尉にどやされると思うっスけどね」
「……嫌な事を言うな」
 淡々と言うハボックの言葉で脳裏に浮かんだ副官の顔に、内心必死に言い訳しながらロイは言う。ハボックは司令部ではなく直接会食場所へ向けて車を運転しながら言った。
「一応中尉に連絡入れたらこのまま向こうに行ってくれと言われたんで」
「そうか」
 とりあえずお小言を貰うのが少し先に延びたらしい事にロイはホッと息をつく。言葉通りそのまま会食予定のレストランの前に車がつくと、ロイは自分で扉を開けて降りようとした。
「降りんでくださいッ!」
「ッ?」
 激しい口調にロイは扉を開けようとしてかけていた手を止める。ハボックは運転席から外へ出ると周囲の安全を確認してから後部座席の扉を開けた。
「失礼しました、サー。どうぞ」
 さっきの激しい口調が嘘のようになんの感情もこもらない声でそう促すハボックを、ロイは目を見開いて見つめる。
「ハボック、お前……」
 ハボックの蒼い瞳をじっと見つめればハボックの視線がほんの僅か反らされた。
「ありがとう、ハボック」
「……いえ」
 ロイは車から降りるとハボックを見て言う。レストランの入口までロイの後についてくるハボックの気配を背後に感じながらロイは思った。
 ハボックの瞳から感情が消えてしまったなどと思った自分はなんと愚かだったのだろう。あの蒼い瞳は以前と変わらず彼が口にしない多くの想いを、その奥深くに湛えているというのに。
「お待ちしておりました、マスタング大佐」
 出迎えに出てきた店の者に頷いて中へと足を進めながら、ロイはうっすらと笑みを浮かべた。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。パチパチ拍手も励みになりますv

体調も戻って参りまして「さあ、書くぞ」と言うところで春休みなんですよねぇ。息子がいるとそれだけで制約があるというのに、それに輪をかけて今は親戚から借りてきた「龍が如く見参!」をやれと煩い……。いや、確かに面白いんですよー、これ。でも、ストーリー進めてると意外とセーブポイントまでが間遠いんで始めちゃうと時間かかるのが難点で(苦)「デュラ読め」とか煩いし、静かにポメラやらせてくれ……。来週は実家に戻る事もあり、火曜日に更新出来たらとは思っておりますがどうだろう。それを逃すと次の更新は4月9日かなー(汗)それから火曜日更新しても「パナケイア」はちょっとお休みしようかと思っております。というのもいつもは一話書き上げてはアップする自転車操業なんですが、ちょっと纏めて書きたいので。でないとアップしてから大幅修正とかになりかねない(苦)実家で書ければいいんだがなー……。日記は出来るだけ書きたいと思っております。4月あたまにかけてそんな感じでお願い致します。

というところで久々の「金剛石」です。いかん、すっかり間が空いてしまった(苦)もう少しペース上げて書いていきたいと思いますー(汗)

以下、拍手お返事です。

柚木さま

「Stay My Blue」読んでくださってありがとうございますーv頂いたご感想へはまた別途お返事させていただきますね。しかし、柚木さまがロイハボもオッケになっていたとは……!嬉しいびっくりです(笑)

蒼さま

ホントなにもかも中止というのはどうなんでしょう。そりゃあ確かに大変な状況なのは判ってますが、これ以上どんどん経済やらなにやらを小さくしてしまっては逆によくないんじゃないかなぁと。煌々と灯りを灯して野球をやるのはどうかと思いますが、要はやり方次第なんじゃ?計画停電はこの先どうなるんでしょうね。ホテルの話は考えると思わずニヤニヤしちゃいますよ(爆)でも、実際停電の影響で店を畳んだという方もいるそうですよ。夏場の停電は冗談抜きで冷蔵庫の中身が怖いなぁと。去年みたいな暑さだったらそれこそ人死にが出そうで怖い(汗)そうか、“同人活動が困難”でイベントキャンセルもあり得るのか。いわれてみれば確かに(苦)更新案内、titleページにも載せてますよ?テロップはやめたけど最新の更新履歴だけメニューアイコンの上のとこに。「バラード」はあと1回か2回かなぁ、50章には届かなさそうです(苦笑)「パナケイア」いつもの発作?もうどうしても長編化から足が洗えません(苦)今回は長く書く必要のないエチなので(笑)「バラード」はほら、締めのエチだから!「鋼」前売り第二弾でたんだ!特典にはハボいるのかなぁ……。スケブ、頑張らなきゃだめかしら(苦笑)例の品、どうぞよろしくお願いしますvvって書くと怪しげ(爆)

naoさま

本当、いつまでも余震が続いていやですね。しかも余震のくせに大きかったりするし!更新、癒されるとのお言葉とっても嬉しいですーvそういって頂けると書く励みになります、ありがとうございます。「パナケイア」も終盤に向けてしっかり書いていこうと思っております。いよいよカウントダウンですね!お体お気をつけてお過ごしください。可愛いベビー誕生のお知らせを頂くのを楽しみにしてますv
2011年03月27日(日)   No.35 (カプなし)

不調
「つ……ッ」
「大丈夫か?」
 膝の上に載った金髪が苦しげに震えるのを感じてロイはハボックの背をそっと撫でる。そうすればホッと息を吐き出すのと同時にハボックの躯から力が抜けた。
 珍しい事にハボックが病欠だと聞いて、心配してアパートにやってきたロイが見たのはソファーの上でブランケットを巻き付けて横たわるハボックの姿だった。てっきりベッドに入っているとばかり思っていたハボックにそんなところで寝ている理由を聞けば「トイレに近いから」というのがその答えだった。ロイが来てからもハボックは何度もトイレに駆け込んでは下痢と嘔吐を繰り返した。医者に行く気力もないと言うので、ロイが自分の主治医を呼んで薬を処方して帰ったのが一時間ほど前の事。
「寒くないか?」
 ロイはハボックの金髪を指で梳いて尋ねる。そうすれば金髪が僅かに打ち振られた。
「平気っス……くっついてるとあったかいし」
 そう言って頬を擦り寄せるハボックにロイは目を細める。そっとハボックの腹に手を当てるとハボックが大きく息を吐いた。
「大佐の手が当たってると痛みが和らぐ気がするっス……」
「手当と言うだろう?あれはこうして手を当てたり翳したりする事で病を治した事から来てるんだ」
 ロイがそう答えるとハボックが微かに笑う気配がする。尋ねるように額にかかる金髪をかき上げればハボックが答えた。
「大佐なら錬金術使って一発で治しちまいそう」
「ばぁか」
 もしそんな事が出来るならさっさと治してハボックを楽にしてやるのに。大きな犬が耳をぺしょんと伏せて尻尾をだらりと垂らしているようなハボックの姿に、ロイは眉を顰めて言った。
「役に立たない錬金術師ですまないな」
そう言えば空色の瞳がロイを見上げる。その目が嬉しそうに笑って言った。
「医者呼んでくれて、こうして側にいてくれてるじゃないっスか……それで十分っス」
「そうか」
 ロイは答えてハボックの躯をそっと撫でる。
「お前は元気すぎるくらいな方がいい。早く元気になれ」
「アイ・サー……」
 優しく囁く声に答えて、ハボックは眠りに落ちていった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手も嬉しいですvv

絶賛絶不調中です。昨日はゲロも加わって能天気な私も流石にしんどくてちょっと死んでました(苦笑)今日は吐き気は治まったけど相変わらずピーだし、五日も続くとやっぱしんどいかもー(苦)でも、いい加減治ってくれないと明日は地震で延びた食事会だし、明後日は両親の携帯買うのに横浜まで行かなきゃならない。治らないとそれこそ途中下車の旅になってしまう(汗)便秘よりは下痢の方がマシとずっと思っておりましたが、考えを改めなきゃだろうか……。ともあれ早く治るよう、鋭意努力中です(苦笑)
2011年03月20日(日)   No.34 (カプなし)

小胆マシュマロ
「やだなぁ、大佐。もしかして本気にしたんスか?ちゃんと義理だって言ったじゃないっスか」
 呆れたような哀れむようなそんな表情を浮かべてハボックが言う。
「これは受け取れないっス」
 手渡した菓子の包みを突き返されて、ロイは立ち去るハボックの背を呆然と見つめていた。

「〜〜ッッ!!」
 ガバッとブランケットを跳ね上げてロイはベッドの上で飛び起きる。そこが東方司令部の執務室などではなく、自宅の寝室だと気づいてハァと息を吐いた。
「またこの夢か……」
 ロイは手のひらに顔を埋めて呟く。ここ数日、ロイはハボックにホワイトデーのマシュマロの包みを渡しては突き返されるという夢に悩まされ続けていた。
 事の発端は今年のバレンタインデーのチョコだ。毎年ハボックはバレンタインデーに「日頃の感謝の気持ち」と称して大量の義理チョコをばらまいている。ロイも毎年ハボックから「これは義理チョコだから」という注釈つきでチョコレートを貰っていた。ハート型をした手作りチョコの詰め合わせのその真ん中に「本命」と書かれたものを。密かにハボックに想いを寄せていたロイとしては、悪趣味な「義理チョコ」を毎年苦い思いと共に受け取っていたのだ。
 そんな事が数年続いた今年、ふとした偶然でハボックが配っているチョコはロイのもの以外「義理」と書かれていると知った。ハボックを昔からよく知るブレダが言った言葉も相まってハボックもまた自分と同じ気持ちを抱いていると確信したロイは、貰ったチョコの箱を握り締めてハボックに気持ちを伝えに行ったのだが。

「はああ……」
 ロイはため息をついてベッドから降りる。のろのろと洗面所に向かい顔を洗ったロイは、キッチンに降りコーヒーメーカーのスイッチを入れた。程なくしていい香りを漂わせ始めたポットからコーヒーを注ぐと、ロイはフウフウと息を吹きかけ熱いそれをちびちびと啜る。
「くそう……どうしたものかな……」
 結局あの日、ロイはハボックの真意を確かめる事が出来なかった。そのまま日が過ぎれば益々確かめ辛くなり、結局今日まで来ている。
「まいった……」
 ヘタリとテーブルに懐いて呟いたロイは、ポケットから取り出した銀時計を見て別の種類のため息をついた。
「いかん、中尉に怒られる」
 ロイはそう呟いて、司令部へ向かうべくよろよろと立ち上がった。

「てっきりあのままデキちまうのかと思ってましたよ」
 執務室でロイに書類を差し出しながらブレダが言う。ロイは眉間に皺を寄せて書類をめくりながら答えた。
「仕方ないだろう、タイミングが悪かったんだから」
 ロイがハボックに真意を問うべくその姿を見つけた時、ハボックは丁度取り込み中だった。司令部でも人気の高い、総務部の事務職員の女性からチョコを渡されている真っ最中だったのだ。

『ずっと好きだったんです』
 女性は頬を染めて言うと手にした包みを差し出す。想いを込めて差し出されたそれをどうするのだろうと、ロイが身動きできずに物陰から見つめていればハボックはすまなそうに笑って言った。
『ありがとう、気持ちは嬉しいんだけどそれは受け取れない』
 ハボックは真っ直ぐに女性を見つめて続ける。
『好きな人がいるんだ』
 ハボックの言葉に女性は大きく目を見開く。女性は差し出した包みを引っ込めずに尋ねた。
『その人からチョコ、貰ったんですか?』
『……いや、貰えないと思う』
『ッ、だったら……ッ』
 望みがないと判っている相手なら自分とつきあって欲しい、女性は言ってハボックに包みを押しつけようとする。その手を振り払う事も出来ず困りきっているハボックを見て、ロイは思わず二人の前に姿を現した。
『ハボック少尉、すまんが……っと、取り込み中だったかな?』
 今気づいたというようにわざとらしく言ってロイがにっこりと笑えば、女性は慌てて手にした包みを隠す。あからさまにホッとした表情を浮かべてハボックはロイの方へ歩み寄ってきた。
『大佐』
 そうすれば女性は逃げるように立ち去ってしまう。その背を見つめてロイは言った。
『いいのか?追わなくて』
『いいんです、どうしようかと思ってたんで助かりました』
 そう言って笑うハボックを、ロイはそれ以上なにも言えずに見つめたのだった。

「お前が好きなのは私か?って聞いちまえばよかったじゃないですか」
「聞けるか。もし違うって言われたらどうするんだ」
 目の前で美人が一人撃沈するのを見たばかりなのだ。流石にその直後、たとえ九割方そうだろうと確信があったとしてもハボックの心を占める相手を聞き出す勇気はロイにはなかった。
「意外と小心者ですね」
「なんだと?」
 肩を竦めて言う部下をロイはじろりと睨みつける。その鋭い眼光をものともせずにブレダは言った。
「それで?どうするつもりなんです?ホワイトデーは今日ですよ」
「判っている。でも夢がな……」
「夢?」
 ハアと肩を落として言うロイにブレダは首を傾げる。ここ数日見続けている夢の話をすれば、ブレダは今度こそ本当に呆れたように言った。
「ほんっと焔の錬金術師が聞いて呆れますね」
「なにッ?!」
「ハボも可哀想に。こんな意気地のない男に惚れちまって」
 ムッとして睨んでくるロイの手元からサイン済みの書類を取り上げてブレダは続けた。
「今ここで伝えなくてどうするんです?また来年に持ち越しですか?そんな事してたら総務の女の子じゃなくても他の奴に取られちまいますよ。アイツ、大佐が思ってる以上にモテるんだから」
 そう言われてロイは目を見開いて絶句する。ブレダは一つため息をついて言った。
「どうするかは大佐次第ですけど、まあ、俺としては鬱陶しいバカップルが生まれないですむなら精神衛生上助かりますけどね」
 それだけ言ってブレダは「じゃあ」と執務室を出ていってしまう。ロイは忌々しげに閉じた扉を睨みつけた。
「言ってくれるじゃないか」
 ハボックがモテることなどとっくに知っている。これまで一体どれほどやきもきしてきたと思っているのだ。うち明ける勇気もないくせに、ハボックが誰か一人のものになるのが許せず彼に近づく男も女も片っ端から陰で追い払ってきたのはロイ自身なのだから。とはいえ、ブレダの言うとおり今打ち明けなければ遅かれ早かれハボックが他の誰かのものになってしまうだろう事は、ロイにもよく判っていた。
「判ってるさ……」
 ロイは呟いて机の抽斗を開ける。そこには綺麗にラッピングされたマシュマロの包みがハボックから貰ったチョコの箱と並んで入っていた。ロイはチョコの箱をそっと開けると中に一つだけ残された“本命”と書かれたチョコをじっと見つめた。
「判ってるとも」
 ロイは残っていたチョコを口に放り込むとマシュマロの包みを手に立ち上がった。

 執務室から出てきたロイは、自席で書類に取り組んでいるハボックをじっと見つめる。悩みながら書いてはペンを止め、また書くを繰り返していたハボックは、視線を感じて顔を上げた。
「大佐」
 ニコッと笑って言うその顔に、ロイの胸がズキンと痛む。なにも言わずに見つめれば、ハボックが首を傾げて言った。
「なんスか?あ、もしかしてコーヒー?」
 普段はロイに言われる前に時間を見計らってコーヒーを差し入れていたが、書類と格闘しているうち時間を逸してしまったか。慌てて立ち上がるハボックにロイは言った。
「ハボック、ちょっといいか?」
「え?……って、コーヒーじゃねぇの?」
 言うだけ言って司令室を出るロイをハボックが慌てて追いかけてくる。ハボックがついてくるのを背中で感じ取りながら、ロイはズンズンと歩くと階段を下った先の扉から出た。
「なんだよ、一体……」
 いつもとどこか様子の違うロイに不安になったらしいハボックの呟きが聞こえる。それでも引き返すことはなく、ハボックはロイに続いて扉から外へと出てきた。
 陽射しはだいぶ暖かくなったものの、風はまだ冷たい中庭の木の下でロイは立ちどまった。均整のとれた躯に端正な横顔、さらさらとした黒髪を風になびかせる姿に、ほんの一瞬辛そうに顔を歪めたかに見えたハボックは、満面の笑顔を浮かべてロイに歩み寄ってきた。
「わざわざこんなところまできて、何の用っスか?」
 妙に明るい口調で言う声にロイはハボックを見る。真っ直ぐにじっとみつめれば、ハボックが困ったように視線を逸らした。
「えと……大佐?」
 一度逸らしてしまった視線を戻せなくなったのかハボックはうろうろと視線をさまよわせる。そんなハボックをロイはじっと見つめて言った。
「お前に渡したいものがある」
「オレに?」
 言われてハボックはキョトンとしてロイを見る。そんなハボックの表情を見てロイの頭に何度も繰り返し見た夢が浮かんだが、ロイは首を振って夢の残像を頭から追い出すと言った。
「これだ」
 ロイは言って手にした包みを差し出す。綺麗にラッピングされたそれを反射的に受け取ったハボックが尋ねた。
「これ、なんスか?」
 聞かれてロイは一瞬押し黙る。再び出てこようとする夢の残骸を頭の中で思い切り殴りつけて言った。
「もし私の思い違いでなければ受け取ってくれ。そうでなければ捨ててくれていい」
「え?」
 ロイの言葉にハボックは目を丸くする。手にした包みをじっと見つめていたが、やがてそっとリボンを引っ張って包みを解いた。そうして中から出てきたものに目を丸くする。ハボックの手の中にあるのはハート型のクリアケースに入った幾つもの淡い色したマシュマロだった。
「これ……」
 ハボックは丸くした目を大きく見開いて呟く。尋ねるように見つめてくる空色に、ロイは困ったように眉を顰めた。
「今日は14日だからな。……あのチョコに書いてあったのは義理でも冗談でもないんだろう?」
 そうは言ったもののもし「冗談に決まってるだろう」と言われたらとロイの背を冷汗が流れる。長い沈黙にロイの方が「やっぱり今のは冗談だ」と叫びそうになった時。
「……ッ?ハボック?!」
 マシュマロを見つめるハボックの瞳からポロポロと涙が零れる。ギョッとしたロイがオロオロと手を伸ばすべきか否か迷っていればハボックが乱暴に手の甲で涙を拭って言った。
「これっ、貰っていいんスか?」
「ハボック?」
「だって!いっつも大佐、ホワイトデーには司令室の連中全員誘って飲み会で、オレの分はチョコのお礼だって奢ってくれるだけでこんな風にお返しくれた事なんてなかったじゃないっスかッ!」
 ほんの少し詰るような響きのこもった言葉に、ロイは僅かに眉間に皺を寄せる。
「お前のチョコだって相当判り辛かったぞ。本命と書いておきながら義理チョコだなんて」
「アンタ相手に真っ向勝負なんて出来ないっスよ」
『大佐みたいにモテる男に告白するにゃ、冗談に紛れさせるしかなかったんでしょう』
 その言葉にブレダが言った言葉が被る。ハボックの事をよく理解している男にほんの少し嫉妬しながらロイは言った。
「それで?受け取ってくれるのか?」
「今更返せって言われても返しません」
 ハボックは言ってハート型の蓋を開ける。薄い紫色のマシュマロを摘んでポンと口に放り込んだ。
「あ、カシス味?……こっちはライチだ!」
 旨い、これ、とたった今まで感激して泣いていたのが嘘のように次々とマシュマロを頬張るハボックをロイは呆れた顔で見る。
「おい、ムードのない奴だな」
「だってこれ、旨いんスもん」
 言ってニコニコと笑うハボックにロイは言った。
「私にも味見させろ」
「大佐、食ったことねぇの?」
「あるけど随分昔だから忘れた」
 そう言うロイにハボックがマシュマロを差し出せばロイが言う。
「こっちだろう?」
「え?」
「こっち」
 ロイは言って腕を伸ばすとハボックの頭を引き寄せる。そうしてそっと唇を合わせれば、微かに甘いマシュマロの味がした。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます!拍手も元気貰ってますーっ、うれしいですっv

ホワイトデー話です。こんな時にこんなもんアップするのもどうかなと思いはしましたが、以前に書いてあったので(苦笑)一応バレンタイン話からの続きになってます。ちょっとハボに乙女が入ってロイハボちっくかも?(汗)相変わらずブレダがキューピットだ。後ですんごい後悔してそうな気がします(笑)ロイがハボにあげたマシュマロは我が家の近くのケーキ屋さんで売っているヤツで、ハート型のケースには入ってませんがプラのカップに白と濃い紫、薄い紫の三種が詰め合わせになっていて見た目も可愛く、味も個人的には好きなもんでちょっと人にあげるのに重宝してます。何かの機会にお渡しすることがあったら「ああ、これが例のマシュマロね!」と思って頂けるかと(笑)そんなところでホワイトデー話でした!少しでもお楽しみ頂ければ嬉しいですv

地震の話。今日から関東地方は輪番停電の予定でした。夕べ遅くに実施の発表があったものの、「各グループ分けと停電時間の詳細はHPをご覧ください」って。……それはないでしょう。全部の人がネット環境にある訳じゃないし、大体そんな事したらアクセスが殺到して見られるわけないじゃない。案の定東京電力のHPにはアクセス出来ず、情報は他のサイトが纏めてたのをみたのが最初で、その後市役所が放送でがなり立ててたのを何とか聞いてと言う感じでした。うちの地域は第二グループで9時半〜13時、18時半〜22時の二回だと思ってたら朝HP見たら第三グループにも入っててそれが12時〜16時。ちょっと待って、それじゃあ一日中停電じゃん!と思っていたらお昼が過ぎた今になってもまだ停電は実施されてません。なんかもう、大変なのは重々承知してるけどホント混乱し過ぎ。なにが正確な情報なのかさっぱり判んないよ。とりあえず夜の停電はあるものとして食事やお風呂をすませるつもりですが、こんな調子で明日から大丈夫なのかと不安になります。電車も運休の嵐で最寄駅はすごかったし、もしこれが来月も継続するなら学校とかどうするんだろう。もっとも被災地の事を考えたらなにも言えませんが、ホントに日本はどうなるんだろうと心配になりますよ。

以下、12日拍手のお返事です。

蒼さま

そうか、こっちは震度5弱だったんですね(苦笑)ハボックの傷はいかがですか?実際どうなるかは判りませんが、今日の状況見てると開催は危ういかと思われます。蒼さんたちも無理しない方がいいかも?……と書いていたらご連絡頂きました(苦笑)当日のメールは本当に混乱してましたね。全然入らないかと思えば一気に入ってくるし……。先が見えないだけに不安要素がいっぱいです(苦)

摩依夢さま

おかげさまで皆無事でおります。摩依夢さまのところもお子さん含めみなさんお元気でよかったです〜。しかし、6キロ歩いてご帰宅とは大変でしたね!お疲れさまでした!それにしても、本当にテレビを見る度被害の大きさに言葉をなくすしかありません。摩依夢さまもお気をつけてお過ごしくださいね。

皆様ご無事で良かったです の方

ありがとうございますー。ホント今回ので両親には携帯持たせなきゃ!って思いましたよ。浅草橋から歩いてのご帰宅!聞いただけでも気が遠くなりそうです。お疲れさまでした。これからどうなるのか先が見えませんが、くれぐれもお気をつけてお過ごしくださいね。
2011年03月14日(月)   No.32 (カプなし)

金剛石12
 ハンドルを握って車を操りながらブレダはミラーをチラリと見やる。ミラーに映るロイの横顔に向かって言った。
「どうするつもりなんです?大佐」
 執務室を飛び出して行った後、ハボックは司令室に戻ってこなかった。結果、図らずもロイの送迎をする事になったブレダがそう尋ねれば、ロイは窓の外へ向けていた視線を正面に向ける。鏡越しにブレダと視線を合わせて答えた。
「どうするつもり?」
 ブレダの質問の意味などよく判っているだろうにそんな事を言うロイにブレダは内心舌打ちする。それでもロイの本心を知りたいと思えば、何度でも問い直すしかなかった。
「ハボックの事ですよ。特務に戻すんですか?」
「聞いてどうするんだ?少尉」
 尋ねる言葉に逆に問い返されてブレダは一瞬押し黙る。相変わらず素直には答えない上司だと思いつつブレダは言った。
「いや、大佐も今までの奴らと変わらないのかなと思ったもんで」
 わざとそんな言い方をすればロイがクスクスと笑う。ブレダが忌々しげに見つめたミラーの中でロイが楽しそうに言った。
「ハボックを特務に戻す気はないよ。たとえハボックがそれを望んでいたとしても」
「大佐」
 ミラー越しに見つめてくるブレダを見返してロイは続ける。
「私はハボックの瞳が好きなんだ。とても綺麗だろう?」
「……そんな風に言うのを聞いたの、大佐が初めてですよ」
「それは良かった。余計な争いをしなくて済む」
 うっとりと夢見るような笑みを浮かべているロイを見てブレダは続ける言葉を見失った。自分自身ハボックを取り巻く噂や戯れ言を信じる気は毛頭ないが、それでもこんなロイを見ればどこからともなく不安が沸き上がってくるのを止めることが出来ない。ロイがハボックの瞳に魅入られる事で二人の上になにかしらの運命を引き寄せてしまう気がしてならない。
(なにも……なにも起こらないでくれよ)
 たとえ案じてみたところでブレダには何一つしてやれる事はない。せめてもと祈ることしか出来ず、ブレダは笑みを浮かべて流れる景色を見つめるロイの横顔を鏡越しにじっと見つめていた。

 屋上の手すりに凭れてハボックは吐き出した煙が立ち上る空を見つめる。頭上に広がる澄んだ空の色を見れば、遠い昔に傍にいた一番近しい人の言葉が思い出された。
『ジャン、貴方が昏い運命の淵に引きずり込まれた時、そこから貴方を救ってくれるのは』
 もうずっと忘れていた言葉を思い出してハボックは苦く笑う。それを教えてくれたその人も結局は昏い淵に飲み込まれてしまったではないか。
(この瞳から逃れる事なんて、誰にも出来やしないんだ)
 空を見上げる己の瞳にハボックはそっと手を這わせて考える。そうすればこの瞳を綺麗だと言った男の姿が浮かんでハボックは唇を歪めた。
「馬鹿な奴……痛い目にあって、後悔すればいいんだ」
 もう十分に忠告してやった。それでもなお踏み込んでこようとするなら、どんな目に遭おうとこちらの知ったことではない。
「どうなろうと……オレには関係ない」
 ハボックは込み上がる胸の痛みから目を背けて、吐き捨てるように呟いた。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます!拍手もポチリと嬉しいですv

「金剛石」です。さあてどうしようかなぁ(苦笑)ここんとこ続けて「恋闇」を書いていたら「金剛石」の展開が頭から抜け落ちそうで(殴)だって脳味噌のキャパ少ないんだもん(爆)「恋闇」29まで書いたから抜け落ちる前にまた「金剛石」に戻ろうっと。

以下、拍手お返事です。

わーい恋闇ありがとうございますぅぅ!! の方

なんかもうどんどんヒューズが阿漕になっていく気がしないでもありませんが(苦笑)とりあえずまだ暫く続きますのでよろしくおつきあいくださいませv

阿修羅さま

リンク切れご報告ありがとうございますー。おかしいなぁ、ちゃんとリンク繋いだまま移動した筈なんですが(汗)取り急ぎ目次の方だけリンク貼り直しておきました。ページ間のリンクは後日…(苦)またなんぞ妙なところがありましたら教えて頂けると嬉しいですぅ(こら)
2011年03月06日(日)   No.27 (カプなし)

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  Photo by 空色地図

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