カプなし

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2011年07月09日(土)
溺愛
2011年07月07日(木)
七夕
2011年07月05日(火)
暗獣12
2011年07月02日(土)
暗獣11
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2011年06月21日(火)
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カプなし(303)
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溺愛
「ブレダ少尉〜ッ!」
 バンッと司令室の扉が開いて髭面の上司が飛び込んでくる。書類を書いていたブレダは思わず力が入った弾みに潰れてしまったペン先を見て、低く呻いた。
「少尉っ、聞いてくれよッ」
 真っ直ぐにブレダの所に向かってきたヒューズは、ブレダの机に思い切り両手をつく。ヒューズの手の下で書類がクシャリと歪むのを見て、ブレダは慌てて書類を助け出した。
「はいはい、今度は何です?可愛いジャンくんになにかありましたか?」
 この上司がこんな顔で聞いてくれと言えば、その話は99パーセント愛息子のジャンの話に決まっている。ヒューズの子煩悩ぶりは司令部でも有名で、その話の熱烈さ故、今ではヒューズの話を聞いてくれるのはブレダくらいなものだった。
「何かあったなんてもんじゃねぇよ!俺は凄いショックで!!」
 どれほどショックを受けたか切々と語る上司の話をこれも給料の内とブレダは耳を傾ける。行儀よく聞いていれば話は漸く本題に入って、ヒューズは涙を拭うフリをした。
「ジャンが幼稚園で好きな子が出来たって話はしただろう?」
「ああ、ロイって子でしたっけ?黒髪黒目の可愛い子」
 ブレダは以前聞いた話を思い出して言う。ロイはジャンの一つ上で、ジャンが入園した直後からなにくれと面倒をやいてくれ、その優しさにジャンはすっかりロイの事が好きになってしまったらしかった。
「そう、あのタラシのガキをジャンが好きだって言い出しただけでもショックだったって言うのに…!」
 自分で話に出しておきながらロイの事を思い浮かべて一通り罵るのを適当に聞き流してブレダは話を促す。そうすればヒューズは眉を顰めて言った。
「それがな、ジャンの奴、他にも好きな奴が出来たらしいんだよ」
「へえ、そりゃ」
 二股ですかと言いかけてブレダは言葉を飲み込む。ヒューズはブレダが言おうとしたことには気づかずに話を続けた。
「年少に入ってきた奴なんだがな、エドワードっていう金髪金目のガキでよ、コイツが利かん気で騒ぎばっかり起こしてて」
 ついほっとけなくて面倒を見ているうちに絆されてしまったらしい。エドワードの方も満更ではないらしく、いまではロイと三角関係のようになってしまったということだった。
「なあ、どうしたらいいと思うっ?!」
「どうと言われても」
 たかだか幼稚園に通う子供の言うことだ。微笑ましいと見守っておけばいいのではとブレダが思っていると、ヒューズが拳を握り締めた。
「しかもしかもジャンってば二人と結婚するって言い出して!その上、その事は俺には内緒にしてねってグレイシアに言ってたんだッ!小さい頃は俺と結婚するって言ってたのにそれなのにッ!!」
 このままじゃ他の男のものになってしまうと嘆き身悶える髭面の上司をブレダはげんなりと見つめる。
(今からこんなで将来どうするんだ)
 ジャンが年頃になったらそれこそ血を見るんじゃなかろうかとブレダが心配になってきた時、司令室の扉が開いて小さな姿が駆け込んできた。
「パパぁ」
「ジャンっ」
 抱きついてくる小さな体をヒューズは両腕を広げて受け止める。頬ずりされて痛いと笑うジャンを見て、ブレダは言った。
「連れてきてたんですか?中佐」
 幾ら家族とは言えこれでは公私混同ではないのだろうか。思わずブレダがそう言えば、ヒューズが口を尖らせて言った。
「だってパパがお仕事してるところが見たいって言うんだもんっ」
 可愛い息子を抱き締めてカワイコぶりっこで言う髭面の男にブレダは脱力してしまう。すると、ヒューズに抱き締められていたジャンが言った。
「違うよ、パパ。パパのお仕事見たいって言ったのはロイだもん」
 ジャンはそう言ってヒューズの腕から抜け出しピョンと飛び降りる。司令室の扉から顔を出すと外に向かって声をかけた。
「ロイ、入っていいって」
 そうすればどうやら外で行儀よく待っていたらしい黒髪の男の子が入ってきた。「俺はいいなんて言ってない」とヒューズがぼそぼそと言うのは聞こえないフリでロイはにっこりと笑った。
「お忙しいのにワガママをきいて頂いてありがとうございます。ロイ・マスタングです。ジャンがいつもパパは凄い仕事をしているんだと自慢するので、是非拝見したくて」
 とても幼稚園に通う子供が言いそうもないことを口にしてロイはヒューズを見る。挑戦的なその視線にヒューズがムッとして睨みつけた時、バタバタと足音がしてもう一人子供が飛び込んできた。
「ジャン!ここにいたのかっ!迷っちまったぜ」
「エド」
 金髪金目の子供は司令室に入って来るなりキョロキョロと辺りを見回す。ヒューズが自分を見ている事に気づいてニッと笑った。
「アンタがジャンの父ちゃん?俺、エドワード・エルリック。将来ジャンのダンナになる男だから」
 ヨロシク、とピッと敬礼もどきの合図を投げてくるエドワードにヒューズのコメカミがヒクつく。それを聞いていたロイがヒューズより早く不愉快そうに言った。
「聞き捨てならんな、ジャンと結婚するのは私だ」
「はあ?なに言ってんだよ。ジャンと結婚すんのは俺に決まってんだろ!」
 ロイの言葉にすぐさまエドワードが言い返す。私だ、俺だと言い争う子供達を震える拳を握り締めて聞いていたヒューズが、カッと目を見開いて言った。
「ふざけるなッ!可愛いジャンをお前らなんかにやれるかッ!ジャンはなぁ、パパのお嫁さんになるって言ってるんだよッッ!!」
「そんなのガキの頃の戯言だろッ!ジャンは俺と結婚するって言ったんだ!」
「なにを言う!私とジャンは一年前から婚約中だッ」
 ギャアギャアと言い争う三人をジャンがオロオロと見つめる。何とか止めようとしていたジャンはスラリとした美人が扉から顔を覗かせたのに気づいて駆け寄った。
「ママ!」
「ジャン、勝手に行っては駄目でしょう」
 グレイシアは駆け寄ってきた息子を抱き上げて言う。なにやら疲れきった表情をしているブレダに気づいてグレイシアはすまなそうな顔をした。
「ごめんなさい、ちょっと目を離した隙に勝手に行ってしまって……。ご迷惑かけませんでしたか?」
 どうやら今日はグレイシアがヒューズの許可の元、ジャン達三人を連れて司令部に来ていたらしい。アンタのダンナが一番迷惑だと言いたいのをこらえて、ブレダは引きつった笑みを浮かべた。
「ママぁ、結婚の事はパパには内緒なのに二人が言っちゃった!」
「あら、それじゃあさぞかし」
 大変な事に、とヒューズの方へ視線を向けたグレイシアは幼稚園児と本気で言い争っている夫の姿にため息をついた。
「いつもご面倒をかけているみたいで」
「いや、これも仕事の内ですから」
 毎度夫がその部下であるブレダに迷惑をかけているらしい事を察してグレイシアが言えばブレダがアハハと笑う。
「ママ、どうしてパパが迷惑なの?」
 不思議そうに首を傾げる無邪気なジャンに、お前のせいだとは流石に言えないグレイシアとブレダだった。



いつも遊びに来て下さってありがとうございますv拍手、励みになります。嬉しいですv

【ハボロイリレー小説部屋更新のご案内】
「volere」第一章出会い編第二話、みつき分更新されています。

拍手で幼稚園のお子さんが二人好きな男の子がいて、選べないので両方と結婚するって言ってるって話を伺ったもので、早速ネタにしちゃいました。気の多いロイとヤキモチハボの話でもよかったんですが、なんかヒューズを出したら話が妙な方向へいってしまった(苦笑)男同士でと言うところは目を瞑って頂けると。罪作りな子ハボの話(笑)しかしタイトル思いつかなかったよ(苦笑)

以下、拍手お返事です。

風汰さま

おおお、今頃の到着ですか??風汰さまのところならそんなに日数かからずに届く筈なのに、ど、どこを彷徨っていたんだろう……(汗)ともあれ、無事お手元に届いてよかったですぅ。お楽しみ頂けたらなお嬉しいです。11.5巻、手に入れ損なう事のないよう、ちゃんと初日に見に行ってきましたよ!(笑)も〜〜〜〜ッ、ハボックーーーーッッ!!って叫びたくなりますよねッッ!!ちなみにうちには11.5巻、今のところ三冊ありますよ(笑)


naoさま

ありがとうございます。おかげさまでなんとかここまでやってこられてます。これからもどうぞよろしくお願いしますねvそれにしても本当に毎日暑いですねー。私も息子が夏生まれなので、抱っこしてると腕に汗かいちゃうのでいつもタオル挟んで抱っこしてました(苦笑)下着で転がしておいても風邪をひく心配はないけど、ホント夏場の人間湯たんぽは辛いですよねぇ。どうぞ、お母さんがバテテしまわないよう、お体お気をつけ下さいね。そして、お子さんのカワイイ話、またまたネタに頂いてしまいましたー!なんかズルッと違う方向に行っちゃった感じなんですが、とりあえずハボがモテモテって事で(苦笑)また何かありましたらお聞かせ下さい〜vv
2011年07月09日(土)   No.74 (カプなし)

七夕
 学校のレポートを纏めていたロイは、ペンを置くとうーんと大きく伸びをする。ずっと近くばかり見ていた目を休めようと窓の外へ視線を向けたロイは、向かいの家の玄関にポツンと座るハボックの姿を見つけて目を瞠った。
「なにをやってるんだ?あんなところで」
 今日は生憎の雨模様。玄関ポーチの中とはいえ雨が吹き込まないわけではない。膝を抱えて蹲る幼なじみが気になって、ロイは部屋を出て階下へ下りた。玄関から外へ出ようとすれば二階から見ていたよりも雨が結構降っている。いくら道を挟んだ反対側とはいえこのまま出ればずぶ濡れだと、ロイは傘をさしてハボックの家に向かった。
「ハボック」
 通りを渡り、ロイは門の外から声をかける。だが、顔を上げようとしないハボックに、ロイは眉を顰めて門を押し開けるとハボックに近づいた。
「ハボック、どうした?」
 そう声をかければ漸くハボックが顔を上げる。今日は厚い雲の向こうに隠れて見えない空の色と同じ色の瞳がうっすらと涙の膜を纏っていることに気づいて、ロイは目を見開いた。
 ロイの幼なじみのハボックは今年小学校にあがったばかりだ。漸く小学校に入ってロイと一緒に通えると喜んだハボックが、実は入れ替わりにロイは卒業してしまうと知って大泣きしたのはついこの間のことだった。
「どうしたんだ、ハボック」
 小さい頃から可愛がっていたハボックの涙がロイは苦手だ。卒業しないでとハボックに泣かれて、本気で留年しようかと考えたのは誰にも内緒だった。
「雨……雨が降ってる……」
「え?」
 言われてロイは頭上を降り仰ぐ。確かに雨が降っているがそれが泣くほどの事だろうかと首を傾げれば、ハボックが言った。
「今日は七夕なのにっっ!!」
「あ」
 大きな声で言ってボロボロと泣き出すハボックを見て、ロイは漸く今日が七夕だったと気づく。この間ハボックと一緒に短冊に願い事を書いたことも思い出して、ロイはハボックの頭を撫でた。
「仕方ないだろう、今は雨の季節だからな。七夕に晴れる方が珍しい」
 七夕の頃、この辺りは雨の季節だ。実際七夕の夜に綺麗に晴れ上がる事など滅多になくて、ロイの意識の中では七夕と星を見ることは全くと言っていいくらい結びついていなかった。
「でも……せっかく願い事書いたのに。織り姫様と彦星様が会えなかったらお願い聞いて貰えないっス」
 あの日、なにを短冊に書いたのか、ハボックはロイに教えてくれなかった。赤い顔で「内緒」と言ったハボックが泣くほど叶えて欲しい願い事とは何だろう。グスグスと鼻を鳴らして涙を拭うハボックの頭をロイは撫でる。自分にその力があればと思いながらロイは言った。
「なぁ、お前の願い、私が叶えてやろうか?」
「えっ?」
 そうすればハボックの泣き顔を見なくて済む、そう思って言うロイにハボックは顔を赤くして首を振った。
「駄目!ロイには内緒だもんっ」
「ハボック」
 絶対教えないと首を振るハボックにロイはほんの少し傷つく。それでもハボックの涙を止めてやりたくて、ロイはため息をついて言った。
「なら、いいことを教えてやろう。雨が降って天の川の水かさが増しても、織り姫と彦星は会えるんだよ」
「えっ?どうしてっ?」
 てっきり今年は会えないのだろうと泣いていたハボックはロイの言葉に目を見開く。ロイは涙に濡れた空色を指先で拭ってやりながら言った。
「七夕に雨が降ると、会えないと泣く二人を気の毒がってどこからかカササギの群が飛んでくるんだ。カササギは広げた翼を繋いで橋を作って、織り姫を彦星のところへ渡してやるんだよ」
 だから大丈夫なんだ、とロイが言えばハボックの顔がパアッと明るくなる。喜んだハボックに飛びつかれて、ロイは傘を取り落としそうになった。
「おい」
「よかった!お願い聞いて貰えるッ!!ロイとずっと一緒にいられるんだッ!!」
「……え?」
 ハボックの言葉にロイは思わず目を瞠る。ギュウとロイにしがみついていたハボックは、次の瞬間ハッとして顔を真っ赤にした。
「お前の願い事っていうのはずっと私と一緒にいられますように……?」
 そう尋ねればハボックが拗ねたように唇を尖らせる。
「だって……ロイ、いっつもどんどん行っちゃうんだもん。オレ、ロイとずっと一緒にいたい。オレ、頑張って早くおっきくなるからっ、だからずっと一緒にいたい!!」
 赤い顔で七夕の願い事を口にするハボックにロイの胸がほんわりと暖かくなる。
「星なんかに願わなくても直接私に言えばいいのに」
「……だって」
 笑って言えばハボックが困ったように俯く。ロイはそんなハボックの頭を撫でて言った。
「判った、お前が大きくなるのをちゃんと待ってる。早く大きくなって、そうしてずっと一緒にいよう」
「ホントっ?」
 ロイの言葉にハボックが空色の目を大きく見開く。
「ホントにホント?絶対っ?!」
 ぴょんぴょんと跳ねて繰り返すハボックにロイはクスリと笑った。
「信じられない?それじゃあ約束の印」
 ロイは言って傘を傾ける。雨の滴が跳ねる傘の陰で、ロイはハボックの唇にそっと己のそれを重ねた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も元気貰ってます、嬉しいですv

今日は七夕ですね。流石にもう短冊に願い事をかく事もなくなりましたが、七夕で晴れたのって殆ど記憶ないですよ。今日も雨こそ降ってないけど雲がかかってるし、たぶん星なんて見えないだろうなぁ。というわけで、今日は「暗獣」お休みして、七夕に雨で泣いてる子ハボの話。ちっさいうちからロイのお手付きだ(苦笑)

以下、拍手お返事です。

蒼さま

宝塚はやっぱりカッコいいですよ!昔見に行った記憶がありますv映画館によって色々サービスデーあるみたいですね。渋谷の某映画館は毎月14日が1000円とかありますもん。シニアや50割はこっちにもありますよ。後高校生3人で3000円とか。屋上駐車場も節電の影響あるんですね。薄暗いのも嫌だけど、オープンが遅いのは気持ち的に焦ります。そういやうちの近くの駐車場「停電の時は入出庫出来ませんのでご了承の上ご利用ください」って張り紙がしてありました(苦笑)そうか、エアコン入ってないと水槽の温度も上がるんですね。そりゃやはり節電とはいえおいそれとエアコン消せない(苦)しかし、梅雨時からこんなに暑くて、梅雨明けたらどうなるんだと思いながら扇風機に煽られてます。ナンジャ、グッズも勿論見てきますよ〜!とりあえず明日は息子連れて二度目の映画に行ってきますーv

葉月さま

こちらこそありがとうございました。明日は二度目の映画なので別の視点で楽しんでこようと思います(笑)そして……QP〜〜〜〜〜ッッ!!いや〜〜〜〜ん、QPジャク!!カワイイッ!!かわいすぎるッッ!!ありがとうございますッッ!!丁度宝部屋をアップした直後に拍手に気づいたので、急いで追加でアップさせて頂きましたvvでへへへへ、嬉しい〜〜〜〜〜vvいっぱい遊んで頂いた上、こんな可愛いハボックまで……。もう葉月さまの為なら何でもしますよッ、私はッ!!なにかあったら遠慮なくお申し付け下さいねッvvQP〜〜〜vvラブラブだぁvv

菜ノ花さま

ありがとうございますvこれもこうして菜ノ花さま始め皆さまが声をかけて下さったりするからですよ。感謝してもしきれません〜。「暗獣」ありがとうございますvえへへ、嬉しいー。またニヤニヤして頂けるように頑張りますーvところで菜ノ花さまのサイトは鋼なのでしょうか、ものすごーく気になります。
2011年07月07日(木)   No.73 (カプなし)

暗獣12
 眠るロイの耳に寝室の扉が開く微かな音が聞こえる。
「………っ」
 ロイは眉を寄せて僅かに身じろぎしたものの目覚めるまでには至らない。そんなロイに気づいているのかいないのか、乱れた足音がベッドに近づいてきた。軽い足音は右に左にと揺れながら、扉から真っ直ぐに入れば大してかからない距離を長い時間かけてたどり着く。そうして漸くたどり着いたベッドに、ぱふんと小さな手をかけてハボックがロイを呼んだ。
「ろーい」
 呼ぶ声はとても小さくてロイを眠りの淵から呼び戻す事が出来ない。ハボックは手を伸ばすとロイの枕カバーの端を掴んだ。んー、と全体重をかけてハボックはカバーにぶら下がる。ふんわりと軽い体に、それでも枕はゆっくりとベッドの端へと引っ張られた。
「……ッ、───なんだ?」
 頭を載せていた枕を引っ張られて流石にロイが目を覚ます。頭を少し持ち上げた拍子に押さえをなくした枕が一気に引っ張られてベッドから落ちた。
「  」
 聞こえた微かな声にロイは慌てて枕が落ちた先を覗き込む。落ちた枕の端を掴んで持ち上げれば、きゅうと伸びたハボックの姿があった。
「ハボックっ?」
 ロイはベッドから飛び降りハボックの体を抱き上げる。腕に軽い体を抱いたまま灯りのスイッチをつけたロイは、ハボックを見て目を丸くした。
「な……っ?どうしたっ?」
 ロイが驚くのも道理で、腕の中のハボックは髪も体も全体的に赤っぽい。くったりとロイの腕に小さな体を預けたハボックは、ハアハアと熱い吐息を小さな唇から吐き出した。
「どうしたんだ?熱でもあるのか?」
 何が何やら判らないままロイは己の額をハボックのそれにコツンと押し当てる。その拍子にふわりと鼻先を掠めた匂いに、ロイはハッとして目を見開いた。
「これは……っ」
 ロイはそう叫ぶなりハボックを抱いたまま階下に駆け降りる。リビングの扉を開いて、食べ散らかしたままのテーブルに近寄ると綺麗なカットが施されたグラスを取り上げた。
「これを飲んだのか」
 グラスに残る透明な酒から香る匂いがハボックの吐き出すそれと同じ事を確かめてロイは唸る。グラスとハボックを手に、ロイはヒューズが寝ている部屋の扉をバンッと開いた。
「ヒューズッ!!」
「うわッ?!……え?ロイ…?」
 ベッドの上に飛び起きたヒューズは枕を抱えて目をしょぼつかせる。
「なに?もしかして夜這い?」
 ヘラッと笑って言ったヒューズは、ロイが纏う怒気に気づいて居住まい正した。
「はい、なんでしょう、ロイさん」
 そう言うヒューズの鼻先にロイはグラスを突きつける。いきなり突きつけられたグラスに、ヒューズは目を丸くしてロイを見た。
「これが?」
「貴様、酒を捨てずにグラスを置きっぱなしにしたなっ?」
「え?だっていつも朝になってから片づけるだろ?」
 ロイの家で飲んだ時はいつも片づけは朝になってからするのが常だ。それなのに今回に限り何故怒られなければならないのかと、キョトンとするヒューズにロイが言った。
「ハボックが酒を飲んだ」
「えっ?」
 言われてヒューズはベッドから降り部屋の灯りをつける。ロイの腕の中のハボックが顔も体もふさふさの尻尾まで赤みを帯びているのを見て、ヒューズは目を丸くした。
「うわ、真っ赤っか!酔っぱらってんのか?……おっ、熱いっ」
 触れた尻尾が熱を持っているのに気づいてヒューズは手を引っ込める。おっかなびっくりといった様子でハボックの様子を見ながらヒューズは言った。
「味見したのかね」
「水と間違えたんだろう。あのグラスでよく井戸の水を飲むんだ」
「でも、匂いがするだろう?」
「ハボックに酒なんて概念があるか」
 ロイはそう言ってヒューズを睨むとクルリと背を向け扉に向かう。
「ハボックに何かあったら燃やしてやるからな」
「ええっ?俺のせいっ?!」
 ビシリと宣言されて情けない声を上げるヒューズを残して、ロイは部屋を出ていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいです〜!励みになります、ありがとうございますv
そして、47万打回りました。いつもながらにありがとうございます。今回は五周年があったり鋼の映画が公開されたり色々あって気がつけばまたひとつ階段登ってました(笑)これからも、少しずつでいいので進んでいけたらいいなぁって思います。今回はキリリクのお申し出も頂きました。ふふふ、まだまだやめられん。ハボック大好きーッ!!ハボックを好きになって本当によかった!!これからもどうか引き続きお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

というところで「暗獣」です。酔っ払いハボック。全身茹でダコ状態っス。もこもこポカポカで冬だったら湯たんぽ状態なんだが(苦笑)

以下、拍手お返事です。

柚木さま

ありがとうございます。ホントキリ番は運が九割方ですね(苦笑)柚木さまだったらどんなリク下さるんだろうと興味ありますが。訪問者、よかったですーvきっかけになったのでしたら嬉しいです。それから御挨拶に伺っておりませんで失礼しました(汗)お帰りの際にもちゃんと御挨拶出来ず(滝汗)こちらこそ楽しい時間をありがとうございました!11.5巻感想やらなにやら色々お話出来て嬉しかったですv

蒼さま

ちゃんと寝過ごさずに行けたんですね(笑)やはりハボックへの愛あらばこそ?朝一は安いんだ!いいなぁ、その設定!気がつけば段々イベントが近づいているんですね。今回行けるかなぁ、真夏のビックサイト!!考えただけで煮えそうだが(苦笑)もう、冬の電力不足の話が出てるんですか……。でも、夏より冬の方がまだいいですよね。家の中で着込む分には耐えられそう。でも、暑いのはなぁ。午前中は扇風機で凌げても午後は流石にきつい……家の中でじっとり汗をかいていると冗談抜きで熱中症ヤバいかもって思います。脱原発を叫ぶ気持ちは判るけど、どう考えても電気足りないですよね(苦)

摩依夢さま

ありがとうございます!本当に蒸し暑いですね。それだけでもシンドイのにお仕事もお忙しいご様子。気分も重くなるの、判る気がします。せめてうちのハボが気分転換のお役に立てればいいのですが…。ハボロイリレー、パラレルなのでどんな感じになるか判りませんが、お楽しみ頂けたら嬉しいです。摩依夢さまもくれぐれもお体にはお気をつけてお過ごしくださいね。

470000打おめでとうございます♪ の方

ありがとうございます!いつも皆様に励まされて続けてこられてます。これからも是非是非お付き合いくださいね。よろしくお願いいたします
2011年07月05日(火)   No.72 (カプなし)

暗獣11
「なぁ、ロイ。お前こんなところで隠居暮らししてねぇでいい加減帰ってくれば?」
 ヒューズはグラスの中の氷をカラカラと鳴らしながら言う。リビングのソファーとテーブルの間の床にだらしなく腰を下ろして、二人はヒューズが持参した酒を飲み交わしていた。
「まあ、そのうちな」
「そのうちって何時だよ」
 気乗りしない様子で答えるロイにヒューズはズイと顔を突き出す。テーブルに圧し掛かるように突き出された髭面を、ロイは嫌そうに押し返した。
「鬱陶しい顔を近づけるな」
「あ、そういうこと言うか?」
 友人の冷たい態度にヒューズは鼻に皺を寄せてロイを睨む。グラスの酒を飲み干したヒューズが何か言おうとする前にロイは言った。
「それ以上くだらんことを言うなら追い出すぞ」
「ああ、はいはい」
 ジロリと睨んでくる黒曜石にヒューズは肩を竦める。新たに酒を注ごうとした拍子にボトルをぶつけてグラスの縁を欠いてしまい、ヒューズは顔を顰めた。
「あーッ、欠けたっ」
「なにやってるんだ、お前は」
「わりぃ」
 頭をボリボリと掻いてヒューズは立ち上がり棚から新しいグラスを取り出す。
「グラス出すぞ」
「もう割るなよ」
 そう言ったロイがヒューズが持ってきたグラスを見て開きかけた口を閉じたのに気づいて、ヒューズは眉を寄せた。
「なに?このグラス、駄目か?」
「いや、ハボックが気に入ってるグラスなんだ」
「あ、そうなのか?」
 言われてグラスを戻すのかと思いきやヒューズはニヤリと笑う。
「うふふ、ハボックちゃんのグラス〜」
「おい」
「いいじゃねぇか、割らないようにするからさ」
 そう言ってグラスに頬ずりするヒューズをロイは不満げに睨んだが、ヒューズは平気な顔で酒をグラスに注いだ。
「可愛いもんや綺麗なもんが好きなんだな」
 ヒューズは言いながら細かなカットが施されたグラスを目の高さに掲げて見る。透明な酒をその身に抱え、キラキラと灯りを反射して輝くグラスを見ながらヒューズは言った。
「なぁ、あの子、何なんだろうな」
「さぁな」
 聞かれてロイは短く答える。まるで気のない友人の返事に、ヒューズは眉を寄せた。
「なに、気にならねぇの?研究者の血が騒がないわけ?」
「ハボックは研究対象じゃない」
 ロイがそう言うのを聞いて、ヒューズはチビリと酒を口にしながらロイを見つめた。
「俺はてっきりハボックを研究するために好きにさせてるのかと思ったよ」
「ヒューズ」
 その途端ロイはヒューズを睨む。
「ハボックはハボックだ。それ以上でもそれ以下でもない。アイツに妙なちょっかい出したら赦さんぞ」
「なぁんだ、本当に研究対象じゃないのか」
 てっきりそうだと思ったとヒューズが言えばロイの視線が険しさを増した。
「怒るなって」
「お前が怒らせたんだろう?」
 ロイは唸るように言ってグラスに残った酒を飲み干す。ダンッと乱暴にテーブルにグラスを置いてロイは立ち上がった。
「寝る」
「えっ、もう?」
 不満そうにヒューズが言えば黒曜石の瞳が睨んでくる。ヒューズは肩を竦めて飲みかけのグラスをテーブルに置き、よっこらせと立ち上がった。
「部屋借りるぞ」
 飲み食いした食器をそのままに、二人は各々寝室へ引き上げた。

 寝室の扉を開けたロイは、トランクの中が空っぽなのに気づき眉を寄せる。窓に目を向ければハボックの大事なコレクションが並べたままになっており、ロイはやれやれとため息をついた。
「まったく……大事なものじゃないのか?出しっぱなしにして」
 ロイは呟くとハボックのコレクションをトランクの隅に丁寧にしまう。そうする間にもハボックは戻ってこず、ロイは寝室の扉を見た。
「好きにさせておくか……夜の方が好きだしな」
 わざわざ探しに行くこともあるまい。ロイはそう考えて手早くシャワーを浴びベッドに入る。アルコールが入っていたこともあり、ロイが瞬く間に眠りに落ちた丁度その時、寝室の扉がゆっくりと開いた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もありがとうございますv
「金剛石」無料配布本はたくさんのお申込みありがとうございました。ありがたいコメントもたくさん添えて頂いて、本当に嬉しかったですvvお申込み頂いた分は昨日までに全て返信、本の発送を済ませております。返信がまだないと言う方がいらっしゃいましたら申込みメールが届いていない可能性がありますので、メルフォよりご連絡お願い致します。

ちょっと間あきましたが「暗獣」です。書きたいシーンが幾つかあるけど、なかなかそこに辿りつかない感じです。もう少しこんな感じでまったり続きます。

でもって、今日の更新ですが色々と間に合いませんー(苦)更新は玄関だけです(苦笑)その代りと言ってはなんですが。

【ロイハボでGO!更新のご案内】
「デッドエンド4」みつき分アップ致しました。色々小出しに展開中。ふふふ、楽しいっスv

そんでもって新企画
【ハボロイリレー小説部屋 更新のご案内】
「volere 第一章1」おうかさん分アップされています。
本日から「想い、重ねて。」のおうかさんとハボロイでリレーを始める事になりました。「リレー、楽しいですよ。おうかさんも機会がありましたら是非やってみてください」とお話したら「それじゃあ」って事になりまして(苦笑)ロイハボの方とは大分違う感じかと思いますが、こちらはこちらでお楽しみ頂ければ。テキストのトップページに入口がリンクしてあります。基本的に土曜日更新。サイトの更新履歴には載せませんが、定期的に更新されるはずですので覗いてみてください。第一回はおうかさんにお任せしました。


以下、拍手お返事です。

菜ノ花さま

ふふふ、アップ後すぐに読んで頂いたみたいで、書いたものに反応頂けるのはとっても嬉しいですvv扉の隙間からうっとり……萌えってそんな感じかも(笑)ロイもハボが可愛くて仕方ないと思います。ワンコハボ、ホントに欲しいですよね!(切実)

蒼さま

大佐、確保出来てよかったですv息子はエドを住まわせてますよ。携帯ゲームは触らない、触らない!一度やったら抜けられなくなりそうだし(苦笑)ハボメダルなんて集め出したら止まりませんよ!(笑)牧場、楽しそうですね。飼ってる動物、レベルアップ出来るんだ!ハボばっかり育てちゃいそう(苦笑)
2011年07月02日(土)   No.71 (カプなし)

暗獣10
 二階の寝室の隅に置かれたトランクの中で何かがモコモコと動いている。ふぁさりと大きく尻尾が動いたと思うと、ハボックが顔を上げた。
「  」
 ハボックは楽しそうな笑みを浮かべてトランクの隅にしまってあるコレクションを取り出す。大切に手のひらに載せて、鎧戸が閉まった窓辺に運んだ。窓枠の少し出っ張った桟の所に手の上のクッキーを一つずつ並べる。それが済むと、今度はさっき手に入れたばかりのジェリービーンズを一粒ずつ並べた。
「  」
 ハボックは綺麗に並んだそれに満足そうに鼻を鳴らす。窓の桟に手をかけ、コレクションをうっとりと眺めた。
 忘れ去られた古い家でハボックはずっと独りきりで暮らしていた。いつからそこにいたのか、最初は一人ではなかったのか、全く記憶にはない。気がつけばハボックは昏い家の中に独りきりだった。
 時折、家の図面を持った男が一人で、もしくは誰かを連れて家の扉を開けにきたが、大抵あっという間に帰ってしまうのでハボックは話しかける暇もない。独りきりの昏い屋敷は寂しくて、ハボックは暗がりに身を潜めて小さく小さくなって毎日を過ごしていた。そんなある日、やってきたのがロイだった。ロイは家の中に明かりと風を取り入れた。淋しかった昏い家に明るさが満ちて、ハボックは驚くと同時にロイが気になって仕方なくなった。可愛いクッキーをテーブルに置いてくれるのを見れば、嬉しくて益々気になってしまう。それでも話しかけてくれるロイの前に姿を現すのは恥ずかしくて、ちょろちょろと陰からロイを見ていたある日、間違って落ちてしまった洗濯機の洗剤にかぶれて痒くて痒くて泣いていたハボックを、ロイは助けてくれたのだ。優しいロイがハボックは大好きで、ロイを喜ばせたくて姿を変えて、ハボックはずっとロイと一緒にいたいと思った。
 コレクションを眺めるハボックの耳に、時折微かな漣のようにロイが客人と交わす声が聞こえてくる。優しいその音にハボックは耳をピクピクと震わせてうっすらと笑った。その時、棚の上の時計が時報代わりの音楽を奏でて、ハボックは急いで時計に駆け寄る。優しいオルゴールの調べに合わせてくるくると回る天使達を見ながら、ハボックはふんふんと音楽を口ずさんだ。天使達のダンスが終わっても、ハボックは暫くの間ちょっぴり音程のずれた鼻歌を歌っていたが、やがて時計から離れるとベッドによじ登る。ふかふかのベッドに残るロイの香りを嗅いでハボックは尻尾を振った。
「ろーい」
 たった一つ覚えた言葉を口にすればハボックの胸がほわりと暖かくなる。ずっと一人きりで淋しかった心が癒されて幸せそうに笑ったハボックは、体がふわふわと軽くなるように感じた。
 ハボックは目を閉じて優しい漣に耳を澄ます。ロイが大好きだったと言った犬の形を真似た姿が、風もない部屋でほんの少し揺らめいた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もコメントも嬉しいですvラブ注入して貰ってますvv

「暗獣」です。ワンコハボは口をきかないので表現が単調になりがちなのですが、可愛いモコモコ尻尾のちびハボを想像して頂ければと思います。毎度ながら読んで下さる方の想像力が頼りです!(こら)

……って書いたところで一時保存したらその後書いた拍手お返事が全部消えちゃったorz この日記、一時保存するとタイトルが消えちゃってそれに気づかずアップしようとするとエラーが出て、一時保存後に書いたものが全部消えるっていうね……。もう何度も痛い目見てるのにまたやっちまったよ(苦)でもどうして一時保存すると書いたタイトルが消えるんだよぅ!あう〜〜〜!あああ、もーッ!……って、頭掻き毟っても消えたものは返ってこないので気を取り直して……。

以下、拍手お返事です。

はたかぜさま

わーん、なんかもう、勿体ないようなありがたいお言葉、嬉しいやら恥ずかしいやらで身悶えつつ、でもやっぱり嬉しいので何度も読み返してますv「金剛石」ハボロイの方がすんなりいきましたか?続編は展開はほぼ同じながらハボロイとロイハボで微妙に変えて書いているので、両方読んで頂いて「こっち」と言って頂けると、書いた甲斐があります、嬉しいですv大佐がいつハボを気に入ったか……実は全く書いてません(爆)いや、書こうかとも思ったのですがなんとなく蛇足になってしまいそうだったので、すっ飛ばしてしまいました(苦笑)でも、日記ネタで書いても楽しいかもですね、ふふふvハボが痛い目に逢うのが楽しい!同志だ!!(笑)「騎士姫」「王騎士」は長い事抱えて書いていたので楽しんで頂けて嬉しいです。いやでも手のひらの上でなどと言えるほどの大層なものではありませんが(汗)うちのサイト基本ハッピーエンドがお約束なので、その点では安心して読んで頂けると思います。これからもどうぞ遊びにきてくださいますよう!お待ち申し上げておりますv

蒼さま

三か月予報を見るとそれだけで溶けてしまいそうな気がします。まだ六月ですよ?あと三ヶ月は暑いのかと思うとorz 夏コミ、停電になったら人死に出ますよ!冗談抜きでその時だけは停電にならない事を切に祈ります。ゴルかぁ、飼ったら楽しいだろうなぁ。毎日散歩に行けば確実に痩せそうだし(笑)ブルーとブラウンの瞳のハスキーも可愛いですv昔読んだ「動物のお医者さん」を思い出してしまいました。ワンコ、やっぱり可愛いですよね〜、癒されるーvハボわんこ癒しの為にも一家に一匹欲しいですーv

RОRОさま

期待するなと言われても、やっぱりドキドキしながらお待ちしてます、よろしくお願いしますvv「パナケイア」私にしては珍しく最初から大佐はいなくなる予定でした(笑)いつもいなくなるのはハボだからなぁ、たまにはいいかと(苦笑)やっと山を越えたので後は最後まで一気に行こうと思っています。「霧屋」飄々としたハボック〜〜っ!目指しているのはそれなので、そう言って頂けるととっても嬉しいです。たくさん書いているというより、たくさん放置していると言った方が正しい気が……。萌えあがると後先考えず書きだしてしまうというのが敗因かとorz でも、どれもちゃんとエンドマークをつけるつもりでおりますので、引き続きお付き合いお願い致しますv

サラさま

「暗獣」わーん、気に入って頂けてますか?とっても嬉しいですvv絵本にしたくなるような……わぁ、なんだか恥ずかしい///でも嬉しいですvこれからもこんな感じで続いていきますので、どうぞ引き続きお付き合い下さいませv
2011年06月27日(月)   No.70 (カプなし)

暗獣9
「また来たのか、ヒューズ」
 呼び鈴の音に扉を開ければここのところ毎日のように見ている顔があって、ロイはうんざりとため息をつく。ヒューズはそんなロイに手にした荷物を押しつけ、中に入りながら言った。
「呼んで貰えるまで休まず来てやる」
 ヒューズはそう言って小さな姿を探す。リビングの扉の陰からそうっと様子を窺っているハボックを見つけると、ヒューズは満面の笑みを浮かべた。
「ハボックちゃん、マースくんですよぅ」
 ヒューズは言って腰を落とすと、ハボックの目の高さに合わせて四つん這いになってハボックに向かって突進する。それを見たハボックはビクッと飛び上がってリビングの中に引っ込んでしまった。
「あっ、どうして逃げるんだッ、ハボックちゃんッ!!」
 逃げたハボックの後を追ってヒューズは四つん這いでリビングに駆け込む。ロイはドカドカと足音も荒くヒューズに近づくとその頭を拳骨で殴った。
「よさんかッ!!」
「いてぇッ!!……なにするんだ、ロイ」
 ヒューズは殴られた頭を撫でながら恨めしげにロイを見上げる。ロイは殴った拳を握り締めてヒューズを睨んだ。
「いい加減にしろ、ハボックが怯えてるだろうがッ」
 そう言われてヒューズはハボックの方へ視線を向ける。そうすればリビングのテーブルの下に潜り込んだハボックの、尻尾を脚の間に挟み込んだ小さなお尻が見えた。
「目の高さを合わせりゃいいと思ったんだがなぁ……そこまで怯えなくたっていいじゃん」
 ヒューズはがっくりと肩を落としてため息をつく。立ち上がって膝を払うとロイの手から玄関で押しつけた袋を取り返した。
「いい酒を持ってきたんだ」
「泊まっていく気か?」
 時刻は五時を過ぎてそろそろ陽も傾き始めている。迷惑そうな様子を隠さないロイにヒューズは言った。
「部屋なら余ってんだろ?」
 袋の中から酒のボトルを取り出し、ロイに見せる。
「東の国の酒なんだ。米から作る。旨いぜ」
 ニヤリと笑って言えばロイも興味を示してボトルに手を伸ばした。
「酒はいいがつまみも作れよ」
「酒を持ってきたのは俺なんだからつまみを作るのはお前の役目だろう?」
「酒はハボックを怯えさせた罰。つまみはベッド提供の代価だ」
 等価交換だろ?とニッと笑うロイをヒューズは悔しそうに見る。それでも端から作る気があったのか、ヒューズは袋を手にキッチンに入ると材料を広げ始めた。
「久しぶりだな、それ」
「好きだろ?お前」
 言いながらヒューズはタマネギとニンニクをスライスし、タイムと一緒にバットに敷き詰めその上にサケを載せる。ジャガイモの皮を向き一センチ厚さに切り下ゆでした。
「見てないでお前もディップぐらい作れよ」
「ああ」
 言われてロイも材料をボウルに放り込み手早く混ぜた。男二人でキッチンに並び支度をしていればハボックがやってきて不思議そうに見上げてくる。ロイはまあるく見開いた空色に優しく笑った。
「イイコに待っててくれ。あとでクッキーをやるから」
 ロイが言えば、ヒューズが「あっ」と声を上げる。手を洗って水分を拭き取ると、まだ湿った手をシャツで拭いながら言った。
「ハボックにお土産持ってきたんだよ〜。喜びそうな奴!」
 そう言いながら袋の中をガサガサと漁る友人をロイは眉を寄せて見る。
「変なものを与えるなよ?」
「変なものとは失礼な」
 ヒューズはロイを軽く睨んで袋の中から出したものを手にしゃがみ込む。ハボックに向かってにっこりと笑った。
「ほら、お前にやるよ。綺麗だろう」
 そう言ってヒューズは小さな缶の蓋を開けてみせる。中には色とりどりのジェリービーンズが入っていた。
 カラフルなジェリービーンズの輝きにハボックは目を見開く。パタパタと走り寄ってくると、ハボックは缶の中から一粒摘み上げた。高く掲げて光を透かし、ハボックはパアッと顔を輝かせる。紅い小さな粒をロイに見せてハボックは言った。
「ろい」
「気に入ったのか、よかったな、ハボック」
 そう言えばハボックはにっこりと笑ってジェリービーンズを握り締める。その様子にヒューズは涙を拭う真似をして言った。
「よかった、喜んでくれて……ついでに“ありがとう、マース”って言ってくんない?」
 期待して言うヒューズに構わず、ハボックは缶の中から更に何粒かジェリービーンズを摘み出す。大事そうに手に持ったハボックがキッチンから出ていってしまうと、ヒューズはため息をついた。
「ああ、行っちゃった」
「いいじゃないか、喜んでたんだし」
「コレクションに加えてくれるなら、まあいいか」
 ヒューズは言って立ち上がる。缶の蓋を閉めキッチンのカウンターに置くと、再びつまみを作り始めた。
 そうして作ったつまみを肴にロイとヒューズが酒を酌み交わしている間、ハボックは戻ってこなかった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手もとっても嬉しいですv頑張れますvv

【ロイハボでGО!更新のご案内】
「デッドエンド3」水瀬さん分更新されてます。うふふふ、やっぱいいわぁ、こういうの(笑)続きが楽しみ……って、書くのは私か、チッ(こら)

「暗獣」です。ご飯作るロイとヒュさま。男の手料理くらいは作れるはず。ヒューズ、少しはハボの心を掴むことが出来たか?(笑)

以下、拍手お返事です。

とろろさま

本、無事お手元に届いて安心しました。お楽しみも頂けたようで、ホッとすると同時にとっても嬉しいですv「暗獣」こんな感じで続いていきます。癒しなどと大きな事は言えませんが、ふさふさハボックを撫でながら少しでものんびりして頂けたら嬉しいです。

蒼さま

私もおっきいワンコ好きですが、やはり飼うとなると大変ですよねー。トイプードルは毛が抜けない品種だと知ってちょっと感動しました。服に毛がつかない。昔近所のお猫さまを抱っこするたび服が毛だらけになってくしゃみが止まらなかったものですが(苦笑)このワンコのお家はお嫁さんがトリマーで犬の事は詳しいから大丈夫ですよ。ちなみに男の子ですvハボ牧場、数字が三桁になりませんよう(笑)ハボの投げたブーケはきっとプレミアがついて凄い事になるかと。嬉々として競り落とす大佐に部下たちの怒りが爆発するかもしれない(笑)公開まであと少しですね。火曜日になったら前売り握り締めて席の予約に行ってきますッ!
2011年06月23日(木)   No.69 (カプなし)

暗獣8
「ろーい」
 ハボックは言ってキュッとしがみついたロイの膝に頬を寄せる。呼ばれたロイは目をまん丸に見開いてしがみつくハボックのふさふさと揺れる尻尾を見つめた。
「お、可愛いじゃないか!ろーいだってさ」
 俺の事も呼んでくれっと自分の顔を指さして「マース」と連呼するヒューズの声もロイの耳には入ってこない。ロイは己の膝に頬をすり寄せるハボックをまじまじと見つめた。
「初めて呼ばれた……」
 そう呟く声にヒューズはロイを見る。呆然と呟くロイの手がポットを傾けたままなのに気づいて、ヒューズは慌てて怒鳴った。
「ロイっ、ポット!!紅茶溢れてるッッ!!」
「え……?うわわ…ッッ!!」
 カップから溢れた紅茶が皿からも溢れかけているのを見て、ロイは慌ててポットを起こす。ガチャンと乱暴にポットをテーブルに置いて、ロイはハボックの頭を撫でた。
「ろい」
 ハボックは嬉しそうに笑いながらロイを呼ぶ。大きく尻尾を振るハボックを見て、ヒューズが言った。
「なんだ、お前。呼ばれたことなかったのか?」
「今まで一言だって喋ったことがないんだ。叫び声や泣き声は聞いたことがあったが。そういえば私の名前を教えてなかった」
「おいおい」
 ロイが言えばヒューズが呆れたようにロイを見る。
「今までお前の名前を呼んだことがないのに、どうして───ああ、俺が呼んだからか」
 どうやら自分が呼ぶのを聞いてハボックがロイを呼んだのだと気づいて、ヒューズはポンと手を打つ。至極真剣な顔でロイを見て、ヒューズは言った。
「俺の事も呼んでくれ、ロイ」
「はあ?」
「俺もコイツに呼ばれたいっ、なあ、俺のこと呼んでっ、ロイ!」
 科を作って言うヒューズにロイは思い切り顔を顰める。
「よさんか、気色悪い」
「ええっ、なんだよ、気色悪いって!」
 ヒューズはロイの言葉に不貞腐れたように唇を尖らせ、ハボックの方に身を乗り出した。まともに取り合ってくれそうにないロイに頼むのはやめて、ヒューズは直接ハボックに言った。
「俺、マース!なぁ、呼んでよ、ハボックちゃんッ!」
 必死に己の名前を連呼しながら訴えるヒューズをハボックはキョトンとして見上げる。何度も自分の名を繰り返したヒューズは、ハボックが呼んでくれるのを期待してハボックの顔をのぞき込んだ。ハボックはそんなヒューズをまん丸に見開いた空色の瞳でじっと見つめる。次の瞬間ロイに視線を移してにっこりと笑った。
「ろい」
「えええッ!なんでッッ?!」
 呼んでもらえるかと目一杯期待していたヒューズはがっくりと肩を落とす。だが、ハボックはそんなヒューズには目もくれずロイの膝によじ登った。
「諦めろ。最初の印象が悪すぎだ」
「そんなぁっ」
 ヒューズは諦めきれずにロイの膝に乗ったハボックに手を伸ばす。一番手近の尻尾にヒューズの手が触れた途端、ハボックがビクッと飛び上がった。スーッと金色だった髪が灰色がかり体が縮まる。膝の上で震えるハボックを見て、ロイは目を吊り上げた。
「ヒューズ!!」
「今度は引っ張ってないぞっ」
「不用意に触るなッ!!」
 キッとヒューズを睨みつけて、ロイはハボックをヒューズの手が届かないように遠ざける。ハボックはそんなロイをグレーになった瞳で見上げた。
「ろい」
「お前ばっかりズルイっっ!!」
 それを聞いたヒューズが喚く。
「煩いぞ、ヒューズ」
 フンと鼻を鳴らしたロイはハボックの頭を撫でながら胸がほわりと暖かくなるのを感じた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいです〜v

「暗獣」です。ヒューズの事は全く目に入らないハボック(笑)
ハボック、毛玉ちゃんの時は手のひらサイズですが、子供になった時は仔犬サイズと思ってます。原寸が毛糸玉だから凄く軽いかと(笑)
サイズ的にはこんな感じ〜↓



先日親戚の家にトイプードルの仔犬が来たので見せて貰いに行ったのですが、滅茶苦茶可愛かったんだ、これが!モコモコしてるから重いかと思いきや、身は殆どなくて凄い軽いの(笑)子ハボもこんなサイズってことで!

さて、日記をアップしたから更新分書かなきゃ〜。昨日は頭がすっかりラブラブモードで「パナケイア」も「霧屋」も全く浮かばず、何を書いていたかと言えば「続・金剛石」のロイハボ版続きをポチポチ書いてました。連載時のハボとは別人のように可愛いハボになってますが(苦笑)まだ書きかけですが、無料配布期間過ぎたらアップするかなぁ……。って、そんなことよりまずは連載だよ、間に合うのか、今からで〜(汗)

以下、拍手お返事です。

蒼さま

あはは、子ハボ牧場!なんか凄い事になりそうです(笑)ええ?モバゲーで鋼出るんですか??うわー、ちょっと、携帯ゲームやらない主義が一瞬揺らぎそうになりました(苦笑)やってみての感想、是非聞かせて下さい!ヌードの結婚写真〜!やっぱりロイハボならハボにベール被せてブーケで隠すんじゃないですか?ブーケトスしたら部下どもが大騒ぎしそうだ、ハボの大事なとこ隠したブーケ(爆)「暗獣」子ハボ、ちっさいから!流石に無体するには小さすぎ(笑)あ、でもバターけ……げふんげふん(殴)
2011年06月21日(火)   No.68 (カプなし)

暗獣7
「ヒューズ、お前、いつ来たんだ?」
「ついさっき。どうせお前、呼び鈴鳴らしたって出てこねぇだろうと思ったからさ。庭の方から入れないかと思って回ったんだよ。そうしたら」
 とヒューズはぶら下げた子供の服を見る。
「なんだ?あれ。お前の隠し子じゃねぇよな。猫耳ならそれも考えられるが、あれ、犬耳だったし」
「馬鹿言ってるんじゃない」
 ロイはヒューズの手からハボックの服を取り上げると、ヒューズを押し退け中庭に出る。さっきハボックが飛び込んだあたりの木陰を覗き込むようにして声をかけた。
「ハボック、驚かせて悪かった。こいつは私の友人でヒューズと言うんだ。顔は怖いが悪い奴じゃない」
「おいおい、それはないだろ?」
 ロイの説明にヒューズが顔を顰めればロイがヒューズを睨む。
「ハボックを驚かせた奴が文句を言える立場か。大体お前、ハボックになにをしたんだ」
「あのちっこいの、ハボックっていうのか」
 ロイの言葉の中の固有名詞を拾い上げてヒューズは言うとロイと並んで木陰を覗き込んだ。
「おーい、ハボックちゃん、出ておいで〜。お兄さんは怖くないよぉ」
「やめろ、ハボックが益々怯える」
 猫なで声で話しかけるヒューズを押し退けてロイは木陰の前にしゃがむ。地面に顔を寄せて下から覗き込めば、葉陰に丸まる黒い毛糸玉が見えた。
「ハボック、おいで」
 ロイは呼んで手を伸ばす。すると葉陰から黒い塊がぴょんとロイの腕の中に飛び込んできた。
「ハボック」
 微かに震える柔らかい毛並みをロイはそっと撫でてやる。ハボックを抱いたまま家に戻るロイについて歩きながら、ヒューズは友人の腕の中の毛糸玉を興味津々覗き込んだ。
「なあ、コイツ、なに?」
 そう言ってヒューズが伸ばしてくる手をロイはピシリと叩く。
「触るな」
「冷てぇな、ロイ。久しぶりに会った親友にそれはないだろ?」
「ハボックを怯えさせるからだ」
 情けなく眉を下げるヒューズにロイはフンと鼻を鳴らした。ヒューズにリビングで待つよう告げると二階に上がりハボックをトランクの中にそっと下ろす。その体を優しく撫でて、ロイはリビングに戻った。
「まったく来るなら玄関から来い、玄関から」
 ロイはリビングのソファーにふんぞり返るヒューズにそう言いながらキッチンに入る。コンロのヤカンに火をつけ湯を沸かし、紅茶を淹れると動物クッキーの缶と一緒にトレイに載せてリビングに戻ってきた。
「どうせ本でも読んでて呼び鈴鳴らしたって気づきゃしないだろ?」
 痛いところを突かれてロイはヒューズを睨む。ヒューズはロイの視線など物ともせずに言った。
「で?」
「私にもよく判らん。私がこの家に住み始めたときにはもういたんだ。最初はなかなか姿を見せてくれなかったんだが、最近懐いてきてな」
 ロイはフウフウと息を吹きかけて紅茶のカップに口をつける。ヒューズは缶の中から犬の形をしたクッキーを摘み上げしげしげと見つめた。
「なんだろうな、この家の主?」
 それにしちゃ可愛すぎるが、と言いつつヒューズはクッキーを口に放り込む。
「動物クッキーなんて懐かしいな。ガキの頃、よく食ったよ」
「ハボックが好きなんだ」
「クッキー食うのか?」
 猫のクッキーを口に放り込みながら尋ねるヒューズにロイが答えた。
「いや、コレクションしてるんだ」
「へ?コレクション?」
 ロイの言葉にヒューズがキョトンとした時、リビングの扉が細く開いて子供の姿をしたハボックが顔を出した。
「おいで、ハボック」
 ロイは優しい笑みを浮かべて子供を手招く。そうすればハボックはヒューズの様子を伺うように見上げながら、ヒューズから一番遠い動線を通ってロイの側にやってきた。
「お前ね、そこまで警戒することないだろう?」
 キュッとロイの膝にしがみつくハボックを見てヒューズががっくりと肩を落とす。ロイはハボックの頭を撫でてやりながら尋ねた。
「お前、ハボックになにをしたんだ」
「なにって、別に大したことしてねぇぞ、ロイ。尻尾をちょっと引っ張ってみただけだ」
「十分大したことだろう、それは」
 シレッとして言うヒューズにロイはチッと舌を鳴らしてヒューズを睨む。
「んなこと言ったって、ロイ。こう、ふさふさの尻尾が揺れているのを見たら誰だって触りたくなるだろう?」
 言いながらロイの向こう側にいるハボックをよく見ようとヒューズが身を乗り出せば、ハボックは怯えたようにロイの陰に隠れた。
「これ以上ハボックを怯えさせるな」
「だって気になるだろ。なぁ、あの毛糸玉とこの子供の格好と、どっちが本来の姿なんだ?」
「毛糸玉だ。昔飼ってた犬と私の写真を見せたらこうなった」
「へぇ」
 ヒューズは出来るだけ怖がらせないようにしながらハボックを見つめる。ハボックに向かってにっこりと笑いかけながら、手はカップをロイに差し出した。
「おかわりくれ、ロイ」
 いつの間に飲み干したのかカップは空になっている。保温用のカバーをポットから外して空のカップに紅茶を注ごうとしたロイを見上げて、ハボックが口を開いた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。パチパチ拍手、やる気貰ってますv

「暗獣」です。ふさふさ尻尾は触りたくなると思うんですが、どうでしょう。興味津津なヒュさま(笑)

以下、17、18日拍手お返事です。

ROROさま

ハボック熱キタッ!とテンションあげて下さって嬉しいですv勿論、いつまでもお待ちします〜vROROさまのステキ絵が頂けるならばッ!しかし、要望があればって……そんな勿体ないお言葉!というか、ROROさまのキリッとカッコいいハボックもロイに啼かされてエロ可愛いハボックもどっちも大好きな私としては要望があり過ぎてとても一つに絞り切れない!(こら)えええ、どうしよう……/// ロイに「お前の瞳が綺麗だと思う」と言われて睨みつけるハボも見たいが、続編のロイに啼かされるハボも見たいですぅ。以前ROROさまがサイトの方でキスブームとキスの絵をあげてらした事がありましたよね?アレとか好きなんですがッ。いやもう、言い始めたらキリがないのでROROさまにお任せします!拍手バナナも気に入って頂けて嬉しいですvやっぱり出逢いっていつになっても萌えますよねv

蒼さま

「賢者タイム」!そんなのあるんだ、いいなぁ(笑)浮かぶのはロイハボネタばかりなのだけどいいんだろうか(苦笑)オカメインコの画像、どこにあるんでしょう……。見てないから判らないけど、雰囲気的に蒼さんの言うハボロイエンドレスな気がします(笑)東京メトロ、冷房停止……。夏場は地下鉄乗らない事にします(苦)「暗獣」は健全ですよ〜、ふふふ、信じられない?(笑)大好きな絵師さんの仔犬イメージとしか書いてないのに、やはり蒼さんにはバレバレですね(苦笑)

葉月さま

うぎゃーーーーーッッ!!ハボック〜〜〜〜ッッvv葉月さまこそなんて太っ腹な!!いいんでしょうか、この間のステキ絵に引き続きこんなカッコいいハボまで!!いや、ダメと言われてももう離しませんがッ!!これも宝部屋に飾らせて下さいね〜vvいやあ、これぞまさしく海老で鯛を釣る(笑)嬉しい〜〜〜vv本当にありがとうございますッ!!
2011年06月19日(日)   No.67 (カプなし)

暗獣6
「ああ、もう朝か……」
 ロイは枕元で鳴り響く目覚まし時計をベッドの中に引き込んで呟く。何とか睡魔に打ち勝って、ロイはゆっくりと体を起こした。
 鎧戸を下ろした室内は朝になってもまだ夜の名残を引きずっている。ロイはベッドから脚を下ろすと、窓辺に置かれた小さなトランクの中で丸くなっている小さな子供に声をかけた。
「ハボック、窓を開けるぞ」
 何度か繰り返せば金色の頭がむくりと起きあがる。ハボックは紗がかかったような空色の瞳でぼんやりとロイを見上げていたが、ロイの手が鎧戸にかかるのを見るとトランクから飛び出しベッドの下に潜り込んだ。
「よさそうだな」
 ロイはおかしそうにそう呟いて鎧戸を開ける。そうすれば朝の明るい陽射しが部屋の中に降り注いできた。
 ロイがこの家に住み始めた当初からちょろちょろとその姿を見せていたハボックと、ロイが初めてしっかり顔を合わせたのは陽も高い日中だったし、その後も昼間の明るい時間に接していたから最初は気づかなかったのだが、ハボックはどちらかと言えば暗い場所の方が好きなようだった。朝もいきなり明るい陽射しに晒されるのは苦手なようで、ロイがそれに気づいたのは、朝起きたロイが鎧戸を開けたところ、朝陽を浴びたハボックが飛び上がって元の毛糸玉の姿に戻ってベッドの下に潜り込んだきり一日出てこない事があったからだった。それ以来ロイは鎧戸を開ける前にハボックを起こし、ハボックが物陰に隠れたのを確認してから部屋に外の光を入れるようにしていた。
「落ち着いたら出ておいで」
 ロイはベッドの下に向かってそう声をかけて部屋を出る。顔を洗い身支度を整えて、ロイはキッチンに降りると朝食の準備を始めた。最初のうちは「一緒に食べないか?」と声をかけていたロイだったが今では声をかけなくなっていた。ハボックは食事をしないと判ったからだ。置いておくといつの間にかなくなっていたクッキーも、実は食べるのではなくコレクションとして綺麗に並べてとってあるのを見た時、ロイは驚くと同時におかしくて笑ってしまったものだった。湿気っておそらく食べては美味しくなくなっているだろうクッキーを、ハボックは大事に大事にとっておいて時折眺めては楽しんでいるようだった。ハボックが口にするのは家の裏にある古い井戸の綺麗な水だけで、そうしてハボックは綺麗なもの、可愛いものが大好きだった。

 ロイはトーストと卵とサラダで簡単に食事を済ませると汚れた食器を手早く片づけ洗濯にかかる。今日は久しぶりに客がくるため、用事はなるべく早めに終わらせておく必要があった。ロイは洗濯用の盥を出して水を張り洗剤を溶かし込む。ハボックがうっかりかぶれてしまわないよう、合成洗剤を使うのをやめて今では天然素材の洗剤を使っていた。
「おはよう、ハボック」
 じゃぶじゃぶと洗濯をしていれば明るさになれたらしいハボックがやってくる。ハボックはロイの顔を見上げて笑うと盥の中のシャボンに手を伸ばした。ぱしゃんと小さな手で水面を叩けばシャボンの泡が宙に舞う。楽しそうにパシャパシャと泡を飛ばす子供にロイは苦笑した。
「ほら、もうおしまいだ。流すぞ」
 ロイは言って洗剤液を流してしまう。残念そうに流れていく泡を見送るハボックに構わず手早く洗濯物を濯いだロイは、きつく絞ったそれを庭の干場に広げた。
「頼むから今日は落とさないでくれよ」
 ひらひらと風に舞う洗濯物に向かってぴょんぴょんと跳ねてじゃれるハボックにそう言って、ロイは家の中に入る。盥を片づけ部屋の中をざっと整理したロイは、すぐに湯を沸かせるよう水を張ったヤカンをコンロに置いた。
「まあ、こんなところだろう」
 これから来る客相手なら特に気取る必要もない。ロイはソファーに腰掛け本を開く。客が来るまでの間の時間潰しのつもりで読み始めた本に、だがロイは瞬く間に没頭してしまった。これから来る客の事も、中庭で遊んでいるハボックの事もすっかり忘れてロイは本の世界に浸りきる。そうしてどれくらい時間がたったのだろう、突然中庭から聞こえた悲鳴にロイはびっくりして本を投げ出した。
「ハボックっ?」
 ヒィと聞こえた悲鳴は確かにハボックのものだ。ロイが中庭に面した窓を開けて身を乗り出せば、黒い毛糸玉の姿になったハボックが木陰に飛び込むのが見えた。
「ハボック、どうしたっ?」
 いったい何にあれほど怯えているのだろう。理由が判らずリビングから飛び出したロイが、廊下を走り中庭に出ようと伸ばした手を扉のノブにかけるより早く、扉が外から開いた。そうして。
「ロイ、お前、なに飼ってるんだ?」
「ヒューズ」
 扉から入ってきたのは、ハボックの服をぶら下げて怪訝そうな顔をするヒューズだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手も嬉しいです〜。更新頑張れますv

「暗獣」です。ヒュさま登場〜(笑)しかし、このロイ、仕事何やってるんだろうと書くたび思ったりします(苦笑)とりあえず話の本筋に今のところ関係ないのでスルーしてるんですが、うーん、研究者か何かだよね、きっと!(←いい加減)

以下、16日拍手のお返事です。

菜ノ花さま

わーいv「暗獣」楽しんで頂けてますか?よかった〜vふふふ、ちびハボv家にいたら物凄く嬉しいですよね。毎日もふもふしてしまいそう(笑)

葉月さま

いやいやもう、あんまり嬉しくてすっかりテンション上がってしまいました(苦笑)テンション上がった勢いであんな作文までつけてしまったのですが、ギャー、いいんでしょうかッ!絵のお礼には到底足りませんがあれでよろしければどうぞお持ち帰り下さいませ〜!なんかかえって気を遣わせてしまったかもと恐縮です(汗)「暗獣」毛玉ちゃん気に入って頂けて嬉しいですーvきっと肌触りバツグン(笑)
2011年06月17日(金)   No.66 (カプなし)

暗獣5
 暫くの間ロイはハボックの背を撫でていたが、やがて小さな体を抱いて立ち上がる。二階に上がり部屋に入ると片隅に置いておいた小さなトランクを窓辺の椅子近くに運び、蓋を開いた。
「起こしてしまったか?」
 バチンと金具を開く音に腕の中の小さな子供が目を開く。まだどこか眠たそうなその体を、ロイは時計が入っていたビロード張りのトランクにそっと下ろした。
「眠いならここで寝ているといい。私はちょっと買い物に行ってくるよ」
 ハボックはトランクの縁に掴まってロイを見上げたが、すぐにビロードのクッションの中で体を丸める。気持ちよさそうにその柔らかい生地に頬をすり寄せているハボックの頭を撫でて、ロイは立ち上がった。
「イイコに待っているんだぞ。洗濯機には近づくな」
 ロイはそう言い置いて部屋を出ていった。

 ロイは小さな子供の服が並ぶ棚を前に低く唸る。ハボックに服を着せようと思い立って買い物に来てはみたものの、正直子供の服など買った事はなく、なにが必要なのかよく判らなかった。
「お子さんの服をお探しですか?」
「えっ?」
 店員からそう声をかけられてロイは目を丸くする。曖昧に笑うロイの笑顔を照れているととったらしい店員はロイにあれこれと勧めた。
(まあいいか。どうせよく判らんし)
 ロイは勧められるままに服を買い込み店を後にする。なんとなくウキウキと心が弾むのを感じて、ロイはそんな自分がおかしくてクスリと笑った。

「ハボック」
 ロイは部屋の扉を開けながら中にいるはずの子供に向かって声をかける。眠っているかとも思ったが、ハボックはビロードの感触を楽しむようにトランクの中でごろごろと転がっていた。
「イイコにしてたか?」
 そう声をかければハボックはトランクの縁に掴まってパタパタと尻尾を振る。金色の頭をクシャリとかき混ぜてロイは言った。
「服を買ってきたぞ、着せてやろう」
 ロイは袋の中からシャツを取り出しハボックの頭から被せる。袖口から腕を出しシャツを着せてボトムをはかせようとしたロイは、ふさふさとした尻尾を見て眉を寄せた。
「そうか、尻尾があったな」
 生憎人間の服には尻尾を通す穴はない。ロイは一瞬迷ったが抽斗から鋏を持ってくるとズボンのお尻に穴を開けてしまった。
「これでいいだろう」
 ロイは満足げに言ってハボックにズボンをはかせてやる。開けた穴から尻尾を外に出してやればハボックがふさふさと尻尾を振った。
「似合ってるぞ、ハボック」
 そう言うとハボックが嬉しそうに腕を伸ばしてくる。抱きついてくる体を抱き上げてロイは窓から庭を見下ろした。
「ああ、ここからスモークツリーが見えるな」
 緑の木々の間にピンク色のふわふわとした塊が見えることに気づいてロイが言う。するとハボックはロイの腕からぴょんと飛び降り、部屋から駆け出していってしまった。
「おい」
 ロイは瞬く間に見えなくなってしまった小さな姿を追って階下に降りる。中庭に続く扉が細く開いているのを押し開けてロイは外に出た。先日の記憶を頼りに上から見えたスモークツリーのところまで行けば、思った通りピンクの雲の間に金色の尻尾が揺れていた。
「ハボック」
 尻尾に向かって声をかけるとハボックがひょこっと顔を出す。枝にしがみついてぶらぶらとしたかと思うと、パッと手を離してピンクの塊に飛びついたハボックが、掴まった塊ごと枝から落ちてきた。
「おっと」
 慌てて伸ばしたロイの腕にピンクの雲を抱いたハボックが落ちてくる。落とさずにキャッチ出来た事にロイがホッと息をつけばハボックが抱きしめた雲をロイに差し出した。
「綺麗だな」
 そう言えばハボックが嬉しそうにほわりと笑う。にっこりと笑い返してロイはハボックの瞳と同じ色の空を見上げた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、嬉しいです〜、励みになりますvv

「暗獣」です。ほのぼの?つか、読む方からしたら退屈かもと思いつつ(苦笑)それにしてもうちのサイトって統一性ないよね、とか思ったり。でもまぁ、好きなものを好きなように書くしかないので仕方ないってことで(苦笑)

そう言えば、拍手コメントを頂いた一部の方がブラックリストに入っちゃってました。どうやら携帯で急いで弄ってる時に変なとこをクリックしちゃったみたいです(苦)今はリスト解除してますが、コメントできないと思われた方がいらっしゃいましたら本当にごめんなさいですorz

以下、拍手お返事です。

柚木さま

おお、和んで頂けてますか?嬉しいですvこんなまったり話ですが、引き続きお付き合いお願い致しますv

蒼さま

スタンプラリーの景品はポストカードですか。しかもハボなし!それならそこでお金使うより、一番くじにつぎ込みますよ!今度こそロイマスをわが手に!!可愛がる=啼かせる……ええ、否定はしませんよ、しませんとも!(爆)アムラックス、ハボいたら行くかなぁ。ハボの度合いに寄るかも?(笑)

ダイエット話面白かったです〜♪ の方

うおう、ありがとうございます!!「また、しょうもないもの書いてるな」って思われているかと思っていたので、そう言って頂けて嬉しいですv駅弁、抱えるロイも大変そうですが、一点集中のハボもかなりのカロリー消費かと……(爆)
2011年06月16日(木)   No.65 (カプなし)

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  Photo by 空色地図

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