カプなし

=ハボロイ  =ロイハボ
=カプ色あり  =カプなし

2015年09月08日(火)
新・暗獣61
2015年08月09日(日)
新・暗獣 はぼっくの日
2015年08月08日(土)
新・暗獣 ひゅとはぼの日
2015年07月07日(火)
新・暗獣60
2015年07月04日(土)
新・暗獣59
2015年06月23日(火)
新・暗獣 はぼっく便
2015年06月08日(月)
新・暗獣 ろいとはぼの日
2015年06月04日(木)
新・暗獣 ろいの日
2015年04月28日(火)
新・暗獣58
2015年04月14日(火)
新・暗獣57

カテゴリー一覧
カプなし(303)
ハボロイ(32)
ロイハボ(101)
カプ色あり(61)
その他(16)

新・暗獣61
「まったくよく降るな」
 ロイはうんざりとしたため息と共に言葉を吐き出す。傘を差して歩く道の先、家のシルエットが見えてきてロイは足を速めた。
「やれやれ」
 玄関の傘立てに濡れた傘を突っ込みロイは玄関を開ける。「ただいま」と中に向かって声をかければ、ぱたぱたと軽い足音がしてハボックが駆け寄ってきた。
「ろーいっ」
 ぱふんと腰にしがみついてくる小さな体を受け止めてロイは金色の髪をくしゃくしゃとかき混ぜる。擽ったそうに空色の瞳を細めたハボックは、クイクイとロイの手を引いた。
「どうした?ハボック」
 何かあったのだろうかとハボックに手を引かれるままリビングへと入ったロイは「あっ」と目を丸くした。
「ろーい」
 ロイの手を離してハボックがリビングの床の真ん中辺りに出来た水たまりに駆け寄る。側にしゃがむと小さな手でパシャパシャと水たまりを叩いた。
「雨漏り!なんてこった!」
 ハボックの頭上の天井を見れば水の滴が滴り落ちてきている。ロイはハアアと大きなため息をつくと、上着の陰でガードしていた本の包みをソファーにおいて雑巾とバケツを持ってきた。
「どいてくれ、ハボック」
「ろぉい?」
 げんなりした声で言うロイにハボックが不思議そうに首を傾げる。雑巾でたまった水を拭いてはバケツに絞るロイの背によじ登り、ロイの肩越し消えていく水たまりを不満げに眺めた。
「ろーい〜」
「これは遊び場じゃないんだ。雨漏りだよ、雨がやんだら修理を頼まなきゃならん。一体どこから雨が入り込んだんだ?」
 遊ぶ場所をとられたと不満そうな声を上げるハボックにロイは言う。たまった水を綺麗に拭き取ると、丁度雨水が垂れてくる真下にバケツを置いた。
「酷くなる前に修理を頼めるといいんだが」
 ロイはため息混じりにそう言って背によじ登っていたハボックを下ろし雑巾を片づける。キッチンでコーヒーを淹れるとソファーに腰を下ろし本の包みを広げたロイは、大事に持って帰ってきた本の端がほんの少し濡れていることに気づいた。
「まったく、雨が続くとろくなことがない」
 忌々しげに呟いてロイはハンカチで本を拭く。見上げてくるハボックの金髪をわしゃわしゃと掻き混ぜた。
「お前も外に出られなくてつまらないだろう?」
「ろーいっ」
 些か乱暴に掻き混ぜる手にハボックが顔をしかめる。身を捩ってロイの手から逃れると床に置かれたバケツの側にしゃがみ込んだ。
 ピチャン。
 と、ハボックが見つめる先天井から落ちた滴がバケツの中で弾ける。しゃがみ込んでその様をじっと見つめるハボックを見遣ったロイは、肩を竦めて本を開いた。
 微かに雨音が響く中、ロイは時折コーヒーを口に運びながら本のページをめくる。そうしてどれくらいたった頃だろう。ロイは聞こえてきた鼻歌に本から顔を上げた。
 床に置かれたバケツの縁に小さな手をかけてハボックが中を覗き込んでいる。ピチャン、と滴が落ちるのにあわせてふさふさの尻尾を振りながらハボックは楽しそうに鼻歌を歌っていた。
 ピチャン。
 ぴっちゃん。
 ピチャピッチャン。
 滴が落ちる音に合わせて金色の尻尾がフサフサと揺れ、ハボックが調子っぱずれの鼻歌を歌いながら頭を揺らす。その楽しそうな様を見ていれば、ロイの顔にも自然と笑みが浮かんだ。
「雨も意外と悪くないか」
 窓越し見上げた空には雲の隙間が出来ている。きっと明日には綺麗な空が広がることだろう。
 秋空の下ハボックと散歩しようと考えながら、ロイは暫し雨音とハボックの楽しげな合唱に耳を傾けた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、本当に嬉しいですvv

ご無沙汰しておりますー(汗)いろいろいろでなかなかポメラに向かえずにいました。はー……(苦笑)とりあえず日記から復帰して、今週末はダンナのマラソンに付き合ってじじばば連れて車で旅行なので来週から平常運転に戻せればいいなーと思っています。ああ、車で旅行……気が重い。何が嫌って寝られないのが一番ツライ。長時間一人で運転する人を横にそんな事は言えませんが、電車の方がラクなんだけどなぁ。ツアーじゃないと日程も考えなきゃだし、若い時は分刻みで日程作って旅行してましたが、もう今はそんなのメンドクサイー(苦笑)旅行行くより家でダラダラしてたい。杏ちゃんの「働いたら負け」ってTシャツが欲しいっス(笑)

そんなところで暗獣です。雨、よく降りますね〜。九月に入っても猛暑だろうとばかり思っていたのに、あの夏の暑さは何処に??ってな天気ですよ。朝、掃除をしていたらふと「雨にうたえば」のメロディが頭に浮かんできたので、はぼっくに歌ってもらいました(笑)明日は台風も来るみたいで歌ってる場合じゃない気もしますが(苦笑)皆様、お気をつけてお過ごしください。

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、物凄い勢いでポップコーンがなくなりそうです(笑)殺気ダダ漏れで周りが遠ざかる分、ゆっくり見られるかも?姫ハボ、先輩の殺気にはぜーんぜん気づかなくて「なんかこの辺空いてるっスね。ラッキー」とか言ってそう(笑)野球観戦、ホームだとやはり応援も熱が入ってますからねぇ、闘志も湧くんでしょうか(笑)台風が過ぎたらなんだかあっという間に秋になっちゃいましたね。息子は宿題はなかったのですが逆に勉強から離れすぎていて「新学期始まる前に少し勉強しろーッ」と言っているところです(苦笑)ハボックの夏休み、絶対最後の三日間くらいはブレダがつきっきりで宿題やってそうです(笑)

JOEさま

こんにちは!お久しぶりですvうふふ、応援ありがとうございます!いつも見に来て下さって嬉しいですvこれからもどうぞよろしくお願いしますvv

市川さま

高校野球、私も見てましたよー。夢の東京東西対決が決勝で見られるかと期待していたのに結局どちらも準決勝で敗退してしまい、ちょっぴり残念でした。すっかり遅くなってしまいましたがお誕生日おめでとうございますーvvハボックの月にお誕生日なんていいですねvうちの息子も八月生まれで、昔某マンガにハマっていた頃は「83の日だ」と内心喜んでいた腐った母です(苦笑)両手いっぱいにヨーヨーやら綿あめやら持った姫ハボ!射的の腕は抜群って、いいな、それ!ネタに貰ってもいいですか??夏祭りじゃなくて秋祭りになっちゃったけど、やっぱり浴衣で祭りネタ書きたいと思ってますv

阿修羅さま

おおう、ついにキリバンゲットですか!いやあ、何度もチャレンジしてくださって、しかも朝のお忙しい合間にありがとうございます!本当にありがたいです。ロイハボで妊娠育児、リク承りました。まだ前に頂いたリクも消化しきれてませんでスミマセン(汗)順番に取りかからせていただきますので暫しお待ちくださいねv
2015年09月08日(火)   No.469 (カプなし)

新・暗獣 はぼっくの日
「じゃあハボック、ちょっと出かけてくるからいい子でお留守番していてくれ」
 そう言って金色の髪をくしゃりとかき混ぜるロイをハボックはほんの少し不服そうに見上げる。本当は一人で留守番するのは大嫌いだったから玄関に向かうロイの後についていき、振り向いたその顔をじっと見つめた。
「ろーい」
「頼むよ、ハボック。いい子だから」
 ロイはそう言ってもう一度ハボックの髪をかき混ぜる。今回はどうしても連れていってくれそうにないと、ハボックは肩を落としてため息をついた。
「ろい」
「すぐ帰ってくるからな」
 それだけ言ってロイは出かけていってしまう。ハボックはパタンと閉じた扉を唇を突き出して見つめていたが、少しするとすごすごとリビングに戻りぽすんとソファーに倒れ込んだ。
「ろーい……」
 以前に比べて随分と一緒に外へ連れていってくれるようになったロイだったが、やはりどこかでハボックを他人とふれあわせる事に警戒する節がある。それがかつての悲しい記憶と結びついていると判っていれば、ちょっぴりは我慢しなくちゃいけないのかなぁと思った。それでも。
「ろーいっ」
 やっぱりロイと一緒に行きたい。一人で留守番なんてつまんないと、ハボックはガバッとソファーから飛び起きる。リビングを出て中庭へ出たハボックは、ハーフパンツのポケットから小さな天使の飾りを取り出した。
「ろーい」
 これはかつてハボックがお気に入りだった天使の時計についていた飾りだ。正時ごとにくるくると回って時を告げていた薄い金属で出来た天使は、今ではハボックの依代となっている。これを持って出ればどこだって行けるのにと、ハボックが金色の天使を空にかざした時。
「カアッ」
 一声鳴き声が聞こえたと思うと、黒い影がサッとハボックの前をよぎる。大きなカラスはハボックの手から天使を奪い取ると、そのまま空に向かって舞い上がった。
「ろーいッッ!!」
 びっくりしたハボックが慌てて手を伸ばしたが、カラスはあっと言う間に空に舞い上がってしまう。それと同時に天使の依代に引っ張られるようにハボックの体が宙に浮かんだ。
「ろいっ、ろぉいッ!」
 ふわりと体が浮いてハボックはじたばたと宙を掻く。カラスが空高く舞い上がるにつれハボックの体もどんどん空に向かって上がっていった。
「ろいっ」
 上空は思いの外風が強い。手足を広げて宙に浮かび上がったハボックは、強い風に金髪を乱されながら尻尾で必死にバランスをとろうとした。
「ろ、ろいっ」
 だが、軽い体は簡単に風に煽られ上手くバランスをとれない。仕方なしにハボックはポンと黒い毛糸玉に姿を変えた。毛糸玉はふよふよと宙を漂って盗人のカラスに追いつく。ハボックはカラスの頭に乗ると高い空から地上を見下ろして形のない目を見開いた。
 空から見た地上はまるで絵本の一ページのようだ。家々の屋根や公園の緑、流れる川が銀色にキラキラと光るのを見て、ハボックは楽しくなってカラスの頭の上で跳ねた。そうすればカラスが「カア」と不満げに鳴いて、地上に向かって降りていく。段々と近づいていく景色の中、毛糸玉は大好きなロイの姿を見つけた。
「ろいッ!」
 その途端、ハボックはカラスの頭の上でポンと子供の姿になる。突然子供に頭の上に乗っかられて、カラスは「カーッ」と驚きの声を上げた。
「ろいッ!ろぉいッ!」
 ハボックはカラスの頭を小さな拳でポカポカと叩く。カラスはカアカアと鳴きながら通りを歩く人々の頭上をくるくると旋回した。
 「なんだ?」と顔を上げて空を見る人々の中にロイの黒曜石を見つけて、ハボックはカラスの羽を引っ張る。バランスを崩して驚いたカラスは、掴んでいた天使の飾りを放り出した。
「ろーいッ!」
「ハボックッ?」
 落ちる天使を追うようにハボックがパッとカラスから飛び降りる。そうして驚きに見開く黒曜石目指して両手を広げて落ちていった。
「ハボック!」
 ふんわりと落ちてきた小さな体をロイがしっかりと受け止める。その足下、カチンと音を立てて天使の飾りが地面に落ちた。
「ハボック、いったいどうしてっ?」
「ろぉいっ」
 しがみついてくるハボックを抱き締めたロイは驚いて頭上を見上げる。そうして逃げていくカラスを見遣り、それから足下に落ちた飾りを拾い上げた。
「カラスの仕業か」
「ろいっ」
 ホッと息を吐くロイにハボックはしがみつく。そして間近からその黒曜石を見つめるとチュッと大好きな瞳にキスをした。
「ハボック……怖くなかったのか?」
 ニコニコと嬉しそうに笑うハボックにロイは呆れて尋ねる。
「ろいっ、ろーいっ、ろぉいい」
 聞かれてハボックが身振り手振りで空からの景色を伝えれば、やがてクスクスと笑い出すロイにハボックはもう一度ギュッと抱きついた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気もらってます、嬉しいですvv

「暗獣」です。今年の語呂合わせの日は全部暗獣だなぁ(苦笑)というか、なんだコレな話ですみません。カラスに乗ってふわふわするはぼっくを書きたかっただけなんですが(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

暗獣、あはは、ぱちぱちの日とかいいかも〜(笑)8月8日がヒュハボの日ってちょっと強引ですものね、ふふ。ヒューズは流石パパだけにはぼっくの好きなものがよく判ってますよね。ロイ、一生懸命勉強しても微妙にはずしそうな気がします(笑)ハボックの日、結局こんな話になっちゃいました(苦笑)セレスタ、もーずっと放置だったから!攻略……ちゃんとできるんだろうか(コラ)暦の上では秋になりましたが、まだまだ暑そうですね……(苦)でも蜂の子の串焼きは無理〜っ(笑)
2015年08月09日(日)   No.467 (カプなし)

新・暗獣 ひゅとはぼの日
 ドンドンドンと、朝っぱらから玄関を叩く音にロイはベッドの中で眉を顰める。無視していればそのうちいなくなるかとブランケットの中に潜り込んだが、玄関を叩く音はやむどころか一層激しくなった。
「ろーい〜っ」
 あまりに煩いその音に、クッションの山の中で寝ていたハボックがロイのベッドに潜り込んでくる。騒音から少しでも逃げようとするようにロイの懐に潜り込むハボックの小さな体を抱き締めていたロイだったが、いい加減耐えきれなくなって、ブランケットをはね除けて飛び起きた。
「あーッ、煩いッ!!こんな朝早くから一体どこのバカ野郎だッ、燃やしてやるッッ!!」
「ろいーっ」
 物騒な言葉を吐き出すロイにハボックがぴっとりと身を寄せる。ロイはハボックの小さな体を抱き上げるとベッドから降り、足音も荒く階段を下りた。
「やかましいッッ!!今何時だと思って────」
「ハボックちゃああんッッ!!」
 怒鳴りながらバンッと扉を開けたロイの大声を、更に上回る大声が遮る。満面の笑みを浮かべた髭面が目の前に迫って、思わず後ずさるロイの腕に抱かれたハボックに向かってヒューズが手を差し伸べた。
「お待たせッ!マースくんが来ましたよっ、ハボックちゃんッ!」
 ヒューズはそう喚きながらハボックを抱き上げようとする。空色の目をまんまるに見開くハボックを、ロイは庇うように抱き締めてヒューズを睨んだ。
「ヒューズ!貴様、朝っぱらから一体何の用だッ!お待たせって、誰もお前のことなど待っておらんッ!」
 黒曜石の目をキッと吊り上げてロイが怒鳴る。そんなロイにヒューズが不満げに唇を突き出した。
「えーっ、そんな事ないだろッ!今日は八月八日だぜ、八月八日!」
「八月八日だからなんだと言うんだ?!」
 今日が八月八日だからといって何だというのだろう。特に何かの記念日でもなければ、今日この日と約束した覚えもない。
「何の事だか判らんな。朝っぱらから人をたたき起こす理由にもなってない。とっとと帰れ!」
 朝早くから叩き起こされた怒りで、ロイは冷たく言うと玄関の扉を閉めようとする。だが、一瞬早く足を挟んだヒューズが声を張り上げた。
「八月八日って言ったらヒュハボの日だろッ!オレとハボックちゃんの日だよッ!」
「────は?」
「六月八日はロイハボの日でお前とハボックちゃんの日だったんだろ?だったら今日八月八日はオレとハボックちゃんの日っ!だからハボックちゃんにプレゼント持ってきたんだよぅ」
 ほらほら、とヒューズは言って手にした紙袋から大きなリボンがかかった包みを取り出す。それを見てパッと顔を輝かせたハボックが、ロイの腕からピョンと飛び降りた。
「あっ、こら、ハボック!」
「ろぉい〜っ」
 ハボックは包みを手にするヒューズの腰にしがみつくと強請るようにロイを見る。いつもハボック好みの可愛い品を持ってくるヒューズのプレゼントにすっかりと興味を引かれてしまったハボックに、ロイはチッと舌打ちした。
「ハボックちゃんも歓迎してくれてる事だしッ、いいよなっ!」
 ハボックを味方につけたヒューズがフフフと笑う。勝ち誇ったような髭面が癪に障ったが、ハボックにキラキラとした瞳で見つめられればどうにも折れるしかなかった。
「────特別だぞっ」
「判ってるって、ヒュハボの日だからなッ!」
 仕方なしに言えば嬉しげなヒューズの声が返って腹が立つ。それでもハボックの嬉しそうな顔を見て、ロイはハアとため息をついた。
「で?なにを持ってきたんだ?」
「ナイショー。俺とハボックちゃんだけの秘密っ!ねーっ、ハボックちゃんっ」
「ろーいっ」
「なんだとッ」
 ねーっ、と顔をつきあわせて笑いあうヒューズとハボックにロイが目を吊り上げる。
「なにが秘密だッ、特別に入れてやったのに!」
「ヒュハボの日だもんッ!さ、ハボックちゃん、行こ行こ!」
「ろいっ」
「あっ、こらッ!」
 言うなりヒョイとハボックを抱き上げて近くの部屋に飛び込んだヒューズに、目と鼻の先で扉を閉められてロイはガチャガチャとノブを回した。
「開けないかッ、ハボック!」
「ろーいッ!ろいッ!」
「うっ」
「そう言うわけだからドアを燃やすなよ、ロイ」
「ううっ」
 中から返ってきた声に無理矢理扉を開けることも出来ず、ロイは二人が部屋から出てくるまでの間、扉越しキャッキャッと笑いあう楽しげな声を聞きながらうろうろと扉の前を歩き回っていたのだった。


いつも遊びに来てくださってありがとうございます。拍手、本当に励みになってます、ありがとうございますv

ハボロイの日をスキップしてひゅはぼの日ってどうよと言われそうですが(苦笑)いや、途中まで書いてたんですが、昼間遊んでたら夜眠くなっちゃって書きあがらなかったんですよねー(汗)まあ、遅れてアップすることもないかなぁとスキップしちゃいました(苦笑)
そんなわけで「暗獣」です。ろいとはぼの日を書いたときからひゅとはぼの日を書きたいと思っておりました(笑)ロイのことが一番大好きだけど、ヒューズが持ってくる可愛いものには目がないはぼっく(笑)

以下、拍手お返事です。

なおさま

蜂蜜、鼻息の荒さを感じ取って頂けましたか?嬉しいです(笑)蜂の子料理!!うわあ、ロイでなくてもちょっと腰が引けるというか、私だったら軽く死ねそうです(笑)でも、下手に食べさせると精力漲って余計ハボが大変な目にあったりして(爆)

サエさま

セレスタ、待っていただいてありがとうございますvそしてブラッドレイに拍手もありがとうございます!(笑)やっぱりロイハボに幸せになってほしいと思いつつ鬼畜最高権力者の所業にウフウフしてしまうのがロイハボラバーの性ですよね!これからもそんなロイハボ目指して頑張りたいと思いますvあ、もちろん最後はハッピーなロイハボを目指しますよ!キチガイのような暑さが続きますが、サエさまもお体お気をつけてお過ごしくださいねv

はたかぜさま

蜂蜜、ロイ、サイコーと仰って下さって笑って下さって嬉しいですーvハボもいい加減被害者ですが、やっぱり最大の被害者はブレダたちですよね(笑)一番どうやって使ったのか気になるのかはけん玉です!!……使ってみたい、使ってもいいかなぁ(爆)FLARE BLUE、楽しみにして下さって嬉しいです。受けのハボも楽しいですが、こんなハボックも書いててとっても楽しいので、そう行って頂けて益々楽しく書けそうです。ありがとうございますvこの暑さがまだ当分続くのかと思うとげっそりしますが、はたかぜさまもお体大切にお過ごしください。
2015年08月08日(土)   No.466 (カプなし)

新・暗獣60
「────?」
 窓辺の椅子に腰掛けて本を読んでいたロイは、どこからか聞こえてきたメロディに目を上げる。どこか調子っぱずれのその曲は、ロイの郷愁を煽り懐かしい気持ちを起こさせた。
「ハボック、か?」
 どうやら歌っているのはハボックらしい。だが、微妙に調子の外れたメロディは一体なんの曲か、思い出せそうで思い出せない苛立たしさをロイに与えた。
「どこで歌ってるんだ?」
 ロイは本をテーブルに置くと開いた窓から乗り出すようにして外を見る。夕暮れの迫る庭を見下ろしてハボックの姿を探したが、ここからではその姿を見つけることが出来なかった。
「まったく」
 仕方なしにロイは部屋を出て階下に降りる。庭へ続く扉を開けて外に出るとハボックの姿を探して辺りを見回した。
「ハボック?」
 呼びかけても聞こえてくるのは調子っぱずれの歌声だけで返事はない。ロイは歌声の出所(でどころ)を探して植木鉢の後ろを覗き庭木の葉の間を探ったが、急速に暮れていく庭の中小さな毛糸玉は見つからなかった。
「気になる……一体何の曲なんだ?」
 絶対に知っている曲だ。ここまで出ているのに思い出せない。ハボックに聞けば判るだろうが、聞こえるメロディは風に吹かれてどこから聞こえているのか判らなかった。
「うーん……」
 ロイは扉の前の段差に腰掛けて腕を組む。何とか思い出そうとして目を瞑ったロイは、メロディが風と一緒にさやさやと木々の葉を揺らしていることに気づいた。
「────まあいいか」
 目を瞑ってさやさやと葉を揺らすメロディを聞いていれば、それが何の曲なのかなんてことはどうでもよくなってくる。地面についた手に体を預けてロイが風とメロディを感じていると、ポンと軽い音を立ててロイの頭に小さな毛糸玉が降ってきた。
「ハボック」
 柔らかい毛を震わせてメロディを奏でていた毛糸玉が、ポンと跳ねて子供の姿になる。段差に腰掛けたロイの脚の間に座ったハボックは空に向かって手を伸ばした。
「ろーい!」
 その小さな手の先に見えるのはキラキラと煌めく天の川。
「あ────七夕」
 ハボックが歌っていたのは子供の頃聞いた七夕の歌だ。星の川に向かって手を伸ばしたハボックの歌に、ロイは今日が七夕だと言うことを思い出した。
「そうか、今日は七夕だったな」
「ろいっ」
 そう言えばハボックがロイを見てにっこりと笑う。
「……そうか、願い事をしそびれてしまったな」
 去年の今頃は一緒に短冊に願い事を書いた。二人そろって書いた願い事を星が聞き入れて、こうして一緒に過ごすことが出来たというのに。
「しまったな」
 ふと、不安になって呟くロイの手をハボックがキュッと握る。そうしてハボックは握ったロイの手ごと空を指さした。
「ろーいっ!」
 ニコニコと笑うハボックを目を見開いて見つめたロイは、フッと笑みを浮かべた。
「そうか、星に願えばいいんだな」
 短冊に言葉を認めなくとも星を見上げて願えばいい。
「ろぉい」
 答えて空を見上げるハボックの視線を追ってロイも空を見上げる。そうしてロイは調子っぱずれのハボックの歌を聞きながら、煌めく星に願いをかけたのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、やる気もらってます、嬉しいですーvv

ここのところ日記と言えば「暗獣」しか書いてない気がしますが(苦笑)七夕の歌を聞いたら庭に座って空を見上げながらはぼっくが調子っぱずれの歌を歌っている姿が浮かんだもので(笑)ちなみにはぼっくが歌う歌に歌詞はありません。調子っぱずれのメロディだけ(笑)

今日は更新日ですね、間に合うかなぁ。まだ何も書けてないんだが(オイ)とりあえずお昼ご飯食べてから頑張ります〜。

以下、拍手お返事です。

なおさま

暗獣、そうなんですよ、自分だっていっつも本に夢中になり過ぎてはぼっくに「むーっ」って思われてるのに、ねぇ!(笑)ホントしょうがない大人です、増田さん(苦笑)おおう、万華鏡の専門店なんてあるんですか?うわぁ、行ってみたいなぁ!はぼっく、そのお店に入ったら絶対出てきませんよ(笑)ヒューズ、子供の扱いはすっごい上手そうですよね。ロイもはぼっくは可愛いけど、扱いは上手くないと思います。絶対悔しがりますよね(笑)
2015年07月07日(火)   No.463 (カプなし)

新・暗獣59
「ただいま、ハボック」
「ろーいっ」
 ガチャリと玄関の鍵を開ければ途端にハボックが飛び出してくる。ぱふんとしがみついてくる小さな体を受け止めてロイは言った。
「遅くなって悪かったな」
 一時間くらいと買い物に出かけたものの、途中蚤の市で古本を出しているのを見つけてついつい長居してしまった。ムゥと唇を突き出して見上げてくる空色に、ロイは「ごめんごめん」と金髪をかき混ぜて言った。
「そのかわりいいものを買ってきたぞ」
「ろい?」
 ロイは持っていた紙袋の中に手を入れる。本の間から細長い筒状のものを取り出してハボックに差し出した。
「万華鏡だよ」
「ろーい?」
 ハボックは不思議そうに筒を眺め振ってみる。首を傾げるハボックにロイはクスリと笑った。
「明るい方へ向けて筒を覗いてごらん」
 そう言われてハボックは窓の方へ筒先を向けて片目を筒に当てる。中を覗き込んだハボックの空色の瞳が大きく見開かれた。
「ろーいッ!」
「こうやってゆっくり回すんだ」
 ロイは言いながら筒を回してやる。中でキラキラと模様が変わったのだろう。ハボックがパアッと顔を輝かせた。
「ろいっ、ろーいっ」
「ふふ、気に入ったか?」
「ろいっ」
 コクコクと頷いたハボックがロイにギュッと抱きついてくる。ポンポンと背を叩くロイににっこりと笑ったハボックが万華鏡を手に家の中へ駆け込んでいく姿をロイは嬉しそうに見送った。

 その日からと言うものハボックは万華鏡を片時も手放さなくなった。窓辺だったり庭の紫陽花の側だったり場所は違ったものの、とにかく朝から晩まで万華鏡を覗いている。ロイが何か話しかけても返事が返ってくる事は殆どなくて、ロイはハボックに万華鏡をあげたことを後悔し始めていた。
「ハボック。朝顔のツルがずいぶん伸びたな。そろそろ花が咲くんじゃないか?」
 窓から庭を眺めながら言ったロイの言葉に、普段なら庭に飛び出していくハボックはまるで聞こえていない様子で万華鏡を眺めている。
「ちょっと手伝ってくれないか?ハボック。書斎の片づけをしたいんだ」
 そんな風に言えば嬉々として手伝ってくれたものなのに、やっぱりハボックは万華鏡から目を離そうとしないのだ。
(絶対気に入るとは思ったが、まさかここまではまるとは)
 喜ぶだろうと思ってはいたものの、幾ら何でもこれはいきすぎだ。なによりその空色が自分を見てくれない日々が続いて、日が経つにつれロイの機嫌は悪くなっていった。

「ハボック、そろそろ起きて――――」
 言いながら寝室の扉を開けて中を覗いたロイは、クッションの山の中、ハボックが万華鏡を抱き締めて眠っている姿を見つけて眉を顰める。足音を立てないように寝室の中に入ったロイは、クッションの山に近づくとスウスウと寝息を立てるハボックを見下ろした。
「なんだってそんなにそんなものがいいんだ」
 ハボックが綺麗な物が大好きなのは知っている。だから万華鏡を買ってきたのだ。だが。
 ロイは手を伸ばすとハボックの腕の中からそっと万華鏡を抜き去る。
「あんまり一つ事にのめり込むのはよくないんだ」
 そう小さく呟いて、ロイは万華鏡を手に寝室を出た。

 リビングのソファーに座って本を読んでいるロイの耳にハボックの悲鳴が聞こえる。二階で何やら引っ掻き回す音がしたと思うと、パタパタと足音がしてハボックがリビングに飛び込んできた。
「ろーいッ」
「どうした、ハボック。階段は駆けちゃいけないと言っているだろう?」
「ろーいッッ」
 本から顔も上げずに言えばハボックがロイの腕を引っ張る。あんまりグイグイ引くので仕方なしに本を置いて立ち上がれば、ハボックがロイを二階へと引っ張っていった。
「ろいッ、ろーいッ!」
 ハボックは必死に訴えてクッションの山をひっくり返し、カーテンを翻し、ベッドの下を覗く。それでも目当てのものを見つけられず、ハボックはロイの腕を掴んで叫んだ。
「ろいーッ、ろいッ!」
「……たっぷり楽しんだじゃないか、万華鏡はもういいだろう?」
 見上げてくる空色を見返す事が出来ず僅かに視線を逸らしてロイは言う。その途端大きく見開いた瞳から空色の涙がポロポロと零れ落ちた。
「ろーい〜っ、ろい〜っ」
 ぺたんと床に座り込んでハボックはポロポロと涙を流し続ける。しゃくりあげては泣き続けるハボックを見れば流石に罪悪感が込み上げて、ため息をついたロイはハボックを抱き上げて寝室を出るとリビングに行き戸棚の引出しから万華鏡を取り出した。
「ハボック」
 手にしたそれを差し出せばハボックが目を見開く。
「お前があんまり万華鏡ばかり見ているんで面白くなくてな……すまん」
 目を逸らして呟くように言うロイをハボックがじっと見つめる。あまりにじっと見つめられて居心地が悪くなり、ロイはハボックを下ろしてソファーに座ると本を手に取った。コチコチと時計の音だけが響く部屋の中、ロイは半ば意地のように本を捲り続ける。内容など全く頭に入ってこない本を睨みつけていると、いきなりハボックがロイと本の間に潜り込んできた。
「ハボックっ?」
「ろーい!」
 驚くロイの頬にハボックはチュッとキスしてにっこりと笑う。そうしてロイの膝の上で万華鏡を頭上に翳した。
「ろーい!!」
 ハボックは翳した万華鏡をクルクルと回して見せる。時折片目を瞑って万華鏡を遠目に覗いてはロイを見てニコニコと笑った。
「ろいっ、ろぉいっ!」
 たったひとつの言葉で一生懸命気持ちを伝えようとしているハボックを目を見開いて見つめたロイは、くしゃりと顔を歪める。
「ありがとう、ハボック」
 ロイは呟くように言って膝の上の小さな体を抱き締めた。
 そうして。その日から代わり番こに万華鏡を覗くのが二人の楽しい日課になった。


いつも遊びにきて下さってありがとうございます。拍手、本当に嬉しいですv

「暗獣」です。自分でお土産買っといて拗ねる大人気ない増田さん(笑)うちのロイはどのロイもこんな感じみたいです(苦笑)

しかし、気がつけば半年過ぎちゃいましたね。速いなぁ、一年なんてあっという間だ(汗)このふた月まともに更新してませんよ。まあ、私的には無配本の原稿書いてたりしてたので、あんまり書いてない気はしてないんですが……。でも、流石に二ヶ月連続で更新なしはマズイので、六月最後にロイハボだけコッソリ更新しております(苦笑)本当は玄関も変えようと思ったのですが、お借りした素材を上手く加工できなかったのでまだ桜のままだよ(苦)でも、折角四行詩は考えたのでギャラリーの方にそっとしまっておこうと思います。相変わらずしょうもないヤツですけどね(苦笑)今日はハボロイを更新予定です。あまりにサボってたのでサクサク書けない、と言うか読み直すとこから始めるもんで(爆)早いとこ通常運転に戻したい。玄関も変えなきゃ〜(汗)


以下、拍手お返事です。

なおさま

ふふふ、はぼっくが届けてくれたら嬉しいですよね。きっとあちこちで綺麗なものを貰いまくって、配ったものより沢山のお宝を持ち帰りそうです(笑)

灰さま

こんにちはv拍手ありがとうございます!こちらこそ本を貰って下さって嬉しいですvうお、十周年!そう聞くとなんか凄い気がしますが、マイペースで達成出来たらいいなと思います。これからも是非お付き合いお願いしますねv


サエさま

わーい、拍手でもありがとうございます!声を聞かせて頂けるのは本当に嬉しいですv暗獣、私自身気に入っているシリーズなので好きと言って頂けて嬉しくてニヤニヤしちゃいます(笑)またお時間ありましたら感想聞かせて頂けたら幸せです。これからもうちのロイとハボをどうぞよろしくお願いしますv


市川さま

ハボック便、無事お手元に届いて安心しました。読んで頂けるのを楽しみに製本しました。お楽しみ頂けたら本当に嬉しいです。これからもお付き合いよろしくお願いしますv


久々の更新、楽しみにしてました の方

更新気づいて下さってありがとうございます!待っていて下さる方がいると思うと、頑張る気持ちが湧いてきます!これからもまったりペースではありますが、続けていきたいと思いますのでよろしくお願いしますv
2015年07月04日(土)   No.462 (カプなし)

新・暗獣 はぼっく便
 コトン、と聞こえた音に庭のアジサイの花の上でウトウトしていた毛糸玉はピクンとその柔らかい毛を揺らす。コロンと花から転げて落ちると、地面に着く前に子供の姿になった。トンと小さな足で地面に着地したハボックは、タタタと門の方へ駆けていく。門の横にとりつけてある郵便受けの口から封筒の端っこが飛び出ているのを見ると、手を伸ばして封筒をうんしょと引っ張った。
「ろ、いっ」
 郵便受けは少しの間封筒を咥えて離さなかったが、力を込めて引っ張るとスポンと封筒を吐き出す。引っ張った勢いでステンと尻もちをついたハボックは、封筒を落とさずに済んでホッと息を吐いた。
「ろい」
 封筒にはハボックには読めない文字で何やら書いてある。読めはしなかったがハボックにはそれがロイの名前だというのが判って、ハボックは立ち上がると封筒を胸に抱えて家に向かって来た道を戻った。
 手を伸ばして玄関のノブを回して重い扉を押しあける。そうしてハボックはリビングへと飛び込んだ。
「ろー……い?」
 庭に出る前はソファーで本を読んでいたロイの姿がない。首を傾げたハボックはリビングを抜けダイニングとキッチンを覗いたが、そこにもロイの姿はなかった。
「ろいー」
 むぅ、と唇を突き出してハボックは廊下に出る。大事に封筒を抱えたまま一段一段階段を上った。
「ろいっ」
 バンッと寝室の扉を開けたがロイの姿はここにもない。どうやら覗き忘れた一階の書斎にいるらしいと、ハボックは金色の頭に生えた犬耳をぺしょんと伏せた。だが、すぐにフンッと顔を上げると封筒を抱えて階段をそろそろと下りる。封筒を落とさずに無事一階まで下りると、封筒を頭に乗せてパタパタと廊下を駆けた。
 書斎の扉の隙間を何とか抜けて中に入ればロイが窓辺で本を積み上げて調べ物をしている姿が目に入る。ハボックは漸くロイを見つけた事にパッと顔を輝かせるとあちこち積まれた本の山を抜けてロイの側へと行った。
「ろーいっ!ろいっ!ろぉいーっ!」
 例の如く本に集中している男を声を張り上げて呼び続ける。そうすればパチパチと瞬いた黒曜石がハボックを見た。
「ああ、ハボックか。どうした?」
「ろいっ」
 ハボックは郵便受けから持ってきた封筒をロイに差し出す。封筒を受け取って差出人を確認したロイはにっこりと笑って言った。
「やっと来たか!届くのを待ってたんだ。持ってきてくれてありがとう、ハボック」
「ろいっ」
 金色の頭をわしわしと撫でられて、ハボックは嬉しそうににっこりと笑った。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、励みになります、ありがとうございますvv

はぼっくが届けに来てくれたら嬉しいなぁと思いつつ(笑)
ええと、大変遅くなりましたが9周年記念無配本を本日発送し、発送しましたメールを送らせて頂きました。もし、申し込んだのにメールが来ていないと言う方がいらっしゃいましたらご連絡お願いします。それから、今年はクロネコメール便が廃止になってしまったので当初はゆうメール・サイト名で送る予定をしておりましたが、クリックポストという郵便局のサービスが安かったのでこちらで送らせて頂きました。ので、個人名で送っております。知らない人から変なものキタ!と思われませんよう(苦笑)どうぞよろしくお受け取り下さい。ただし、一冊だけお申込みの方には普通郵便の方が安いのでそちらを利用させて頂いております。お申込み頂きました方には本当にありがとうございましたv
無配本の申込みへのリンクは今度の更新の時にでも剥がしますので、もしまだ貰ってやるよと言う方がいらっしゃいましたらそれまでによろしくお願い致します。

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、そうそう、まだまだ色気よりサッカーですよ。ロイの下半身への影響は絶大ですが(笑)ハーフパンツをはくロイは想像つきませんもんねー。髭は似合いそうです(笑)腰への伝達、お返事打ちながら前にも言われた気がしながらもなおさまじゃなかったかなぁと思っておりました(笑)次はちゃんと腰に言い聞かせてから立ちますよ!(笑)

阿修羅さま

こんにちは、お加減如何ですか?色々お忙しくて大変でしょうが少しでもストレスをためないよう発散して下さいね。従兄弟かぁ、私も年賀状だけでもう随分会っていませんねぇ。子供の頃は行き来してても大人になるとなかなか機会がないです(苦笑)今月は無配本にかまけててすっかり更新サボってしまいました。いい加減戻らないと何を書くつもりだったのか忘れちゃう(苦笑)阿修羅さまもお体お気をつけてお話作り頑張って下さいv
2015年06月23日(火)   No.460 (カプなし)

新・暗獣 ろいとはぼの日
「ハボック、ちょっと手伝ってくれないか?」
「ろい?」
 これまで集めた大事な宝物を箱から出して一つずつ丁寧に並べて眺めているハボックにロイはそう声をかける。ハボックは不思議そうに首を傾げたものの、広げていた宝物を急いで箱にしまってロイの側にやってきた。
「ろーい?」
「うん、あのな。飾りを作るのを手伝って欲しいんだ」
 ロイはそう言ってごく薄い空色の紙を五枚ほど引き寄せる。重ねて細い蛇腹に折り畳むと真ん中を糸で結んだ。
「こうして真ん中を留めた紙を破かないように注意して広げると」
 言いながらロイは器用に蛇腹に畳んだ紙を広げる。そうすればそれは瞬く間に綺麗な花になった。
「ろーいっ」
「どうだ?結ぶのは私がやるからこうやって花を咲かせてくれるか?」
「ろいッ」
 コクコクと頷くハボックに笑ってロイは紙を蛇腹に折って真ん中を結んだものを作っていく。ハボックはロイが作った紙の花の蕾を小さな手でそっと咲かせていった。
「ろーい〜っ」
「大丈夫、ちょっとくらい破けても花びらを広げてしまえば判らないよ」
 薄い紙は破れやすく口をへの字にして失敗したと訴えるハボックにロイは笑う。ロイが手を伸ばして破れた花びらを他の花びらの間にくしゅくしゅと織り込めば殆ど目立たなくなって、ハボックはホッとしたように笑った。
「ほら、のんびりしてる暇はないぞ。これがすんだら輪飾りを作るからな」
「ろいっ」
 そう言われてハボックはせっせと花を咲かせていく。色とりどりの紙の花を咲かせると、今度は折り紙を細く切って輪を作っては繋げていった。
「ろーいっ」
「はは、すごい長いな。上手いぞ、ハボック」
 長ーく連なる輪っかを自慢げに見せるハボックにロイは笑う。そうしてこれまた色とりどりの輪っかを繋げて輪飾りを作ると、ロイは二人で作った花と輪飾りで部屋を飾った。
「ろーい?」
 いつもはシックな色合いの部屋を赤や青や黄色や白や色とりどりに飾り付けて、ハボックは不思議そうにロイを見る。一体これはなんなんだろうと問いかけてくる空色にロイは笑って言った。
「この間はロイの日のお祝いをしてくれただろう?語呂合わせで言うなら今日六月八日はロイとハボック、私とお前の日なんだよ」
 そう言えばハボックの顔がパアッと明るくなる。綺麗に飾り付けられた部屋をぐるりと見回してハボックはロイを見た。
「ろーいッ!」
「ああ、そうだよ」
「ろいろいッ」
「私とお前の日だ」
「ろいッ!」
 ロイの言葉にピョンピョンと嬉しそうに飛び跳ねたハボックがポーンと黒い毛糸玉になる。ポンポンと紙の花から花へと飛び移り、輪飾りの上をコロコロと転がった。最後にポーンと大きく飛び上がった毛糸玉が空中で子供の姿になる。そうして見上げるロイの腕の中に飛び込んできた。
「ろぉいッ」
「はは、気に入ったか?」
「ろいッ」
 聞かれてハボックは満面の笑みで頷く。キュッと抱きついてきた小さな体を抱き返してロイは言った。
「いつもありがとう、ハボック。これからも一緒にいよう」
「ろい、ろいッ」
 うんうんと頷いてハボックは再び毛糸玉になると色とりどりの花や輪飾りの間を飛び跳ねて遊び回る。ロイはそんなハボックの様子をコーヒーを片手に眺めていた。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになってます、嬉しいですーv

ロイハボの日ですねv暗獣は一応カプなしジャンルなのですが、ロイの日を暗獣にしたのでロイハボの日も暗獣にしてみました(笑)ハボロイの日はどうするんだろうと思いつつ、まあその時はその時で(オイ)

ところで……腰を痛めてしまいましたー(苦)別に重い物を持ったわけでもなんでもないですけど、立とうとしたらいきなりグキッってなったよ……。夕べは横になっていられず結局一晩ソファーに座ってて寝られなかったorz 今日は流石に医者嫌いとも言っていられず整形外科に行って電気当てて貰って湿布薬と痛み止めを貰ってきました。……はー。そんなわけで益々作業が遅れるって言う(苦)とりあえずなるべく頑張りますー(汗)

以下、拍手お返事です。

なおさま

ロイの日、忘れますよねぇ(笑)「野花ティー」もそれはそれで風情があるかもしれません。飲んで美味しいかは判りませんが(笑)搾乳機、天国へ誘う!ある意味確かに天国かもしれません(爆)やっぱりブラッドレイ絡みのネタって楽しいですね(笑)ふんわりかき氷機でかき氷を作ったら、きっとはぼっくが大喜びすると思います(ニヤリ)
2015年06月08日(月)   No.458 (カプなし)

新・暗獣 ろいの日
「うーん……」
 ロイはベッドの上で身を起こし腕を突き上げて思い切り伸びをする。やれやれと腕をおろしてコキコキと首を回したロイは、ベッドから降りてハボックが寝床にしているクッションの山に向かって声をかけた。
「おはよう、ハボック。そろそろ起きて────」
 そこまで言ってからロイは山の中にハボックがいないことに気づく。自分に劣らず朝が苦手なはずのハボックがもう既に起き出している事に少なからず驚きながら、ロイは寝室を出た。
「ハボック、どこに」
 言いながら踏み出した足の下になにかあることに気づいて、ロイはそっと足を上げる。
「────花?」
 踏んでしまった小さな花をつまみ上げてロイは首を傾げた。
「どうしてこんなところに」
 と、視線を動かせば廊下に転々と花が落ちている。ほんの少し目を見開いて、ロイは転々と続く花を拾い上げた。
「ハボックが落としたのか?」
 それにしては綺麗に並べたように花が落ちている。ロイは廊下から階段を下り花を辿るようにリビングへと向かった。
「おい、ハボック、廊下に花が────」
 言いかけてリビングの扉を開ければ。
「ろぉーいッ!」
「わッ」
 頭上からはらはらと色とりどりの花が沢山降り注いできてロイは目を見開いた。
「ろいっ」
「ハボック?一体これは」
 手にした籠を投げ捨てて飛びついてくるハボックを、膝をついて受け止めてロイは尋ねる。すると聞き覚えのある声が頭上から降ってきた。
「よっ、ロイ」
「ヒューズ!どうしてお前がここにいるんだ?」
 驚いて見上げてくる黒曜石を見下ろしてヒューズがニヤリと笑う。
「いや、この間ハボックちゃんに六月一日は語呂合わせでロイの日だよって言ったらさ、お祝いしたいって言うんだよ。だからその手伝い」
 ヒューズはそう言ってリビングの扉の近くに置かれた台を指さす。どうやらその台に乗ったヒューズに肩車して貰ったハボックがロイの頭上めがけて籠に摘んだ花を撒いたらしい。ロイはキュッと抱きついてくるハボックの顔を覗き込んで言った。
「この花、いつの間に摘みに行ったんだ?全然気づかなかった」
「ろーいっ」
 そう言われてハボックがチラリとヒューズを見る。すると途端にヒューズが顔を弛ませて言った。
「昨日お前が図書館に行ってる隙にハボックちゃんと摘みに行ったんだよ〜。楽しかったァ」
 うふうふと髭面を両手で包み込んで体をくねらせるヒューズにロイは眉を寄せる。ハボックがヒューズを頼ったのはちょっとばかり気に入らなかったが、それでもこうして祝おうとしてくれたのがロイは嬉しかった。
「ろぉい?」
「うん、ありがとう、嬉しいよ、ハボック」
「ろいッ」
 どうだったと尋ねるように見つめてくる空色ににっこりと笑って答えれば、ハボックがパッと顔を輝かせて抱きついてくる。そんな二人にヒューズがクスリと笑って言った。
「ほら、ハボックちゃん、まだあるだろう?」
「ろいっ」
 言われてハボックがロイの腕の中でピョンと飛び跳ねる。キッチンにパタパタと走っていったと思うと、トレイにガラス製の急須とグラスを乗せて戻ってきた。
「ろー……い……」
 トレイの上の食器を落とさないよう慎重に慎重に歩いてハボックはロイの前にやってくる。ニコッと笑ってハボックは花が散った床の上にトレイを置いた。小さな手で急須を持ち上げそろそろとグラスに中の液体を注ぐ。そうしてハボックが差し出したグラスをロイは驚いたように目を見開いて受け取った。
「ハーブティー?」
「ハボックちゃんの井戸水で淹れたハーブティーだぜ」
 そう言うヒューズの言葉を聞きながらロイはグラスに口をつける。口の中に広がる甘く爽やかな香りにロイは顔を綻ばせた。
「旨い」
「ろーいっ」
 ロイの言葉にハボックがピョンピョンと飛んで喜ぶ。そんなハボックをロイは笑って引き寄せた。
「ありがとう、ハボック。本当に嬉しいよ」
「ろい」
 ロイの腕の中でハボックが嬉しそうに笑う。ロイはハボックの金髪を優しく撫でて言った。
「ありがとう、こんな素敵なロイの日は初めてだよ」
「ろいっ」
「俺には?俺にお礼は?ロイ」
 ハボックにばかり礼を言うロイにハボックが髭面を指さして言う。ヒューズをチラリと見上げて、それからハボックを見てロイは言った。
「仕方ない、特別大サービスでお前にもハボックが淹れてくれたハーブティーを飲ませてやる」
「お、やったね!」
 そうして花が散る床の上に座り込むと、三人はハボックが淹れたハーブティーを飲みながら楽しく時を過ごした。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手とっても嬉しいですv

すんごい今更なんですけど、六月一日はロイの日だったなぁって……どうも忘れちゃうんですよねぇ(苦笑)でも、はぼっくにお祝して欲しかったので書いてみましたー(笑)はぼっくにお祝して貰えたらもうそれだけですっごく幸せだと思うので。髭付きだけど(笑)

ところで、無配本早速お申込み頂きました方にはありがとうございます!鋭意作業中ではありますが、今週中の発送は無理かもー(苦)とってもありがたい事に過去の無配本のお申込みも結構頂きまして、ちょっとお時間かかってしまいそうです(汗)でもって、この作業が終わらないと更新作業も始まらないっていう……両方いっぺんに進められなくてすみませんー(苦)頑張ってなるべく早くお送りできるようにしますので、今少しお待ち下さいませ。

以下、拍手お返事です。

なおさま

9周年ありがとうございます、そしてただいまです(笑)うう、夢枕にブラッド霊には立って欲しくないなぁ(笑)あ、でもハボック連れてならいいかも!色々無体を見せて欲し……(爆)隠された王子ハボック、確かに不思議な力があるのは涙だけじゃないですよねッ!で、でも搾乳機……痛そう(笑)無配本、そうそう、それですー。もうあまりに放置しすぎでキノコ生えてそうな話ですが、楽しんで頂けたら嬉しいですvこの間お店でレトロなかき氷機が25,000円位で売ってて置く場所もお金もないって思いました(笑)「ふんわりかき氷機」だったら欲しいなぁ、買いましたか?

香深さま

本当に色々ご心配おかけしました。そっか、ハボッCLUBでしたね!ご一緒してくれてとっても嬉しいvv本、まだもう少しかかりそうですので今少しお待ち下さいねv
2015年06月04日(木)   No.457 (カプなし)

新・暗獣58
「ハボック」
 家の中にない小さな姿を探してロイは庭に出る。するとチューリップの鉢植えの側にしゃがみ込むハボックを見つけて、ロイは目を細めた。
「やっぱりここか」
 先日一緒に公園に出かけた時、ハボックは色とりどりに咲き乱れる花の中でも特にチューリップが気に入ったらしく、他の花を見に行ってはチューリップのところへ戻っていた。そんなに気に入ったのならとロイは帰りにチューリップの鉢植えを買ってやった。それ以来ハボックは暇さえあればチューリップを眺めて過ごしているのだ。
「本当にチューリップが好きだな、お前は」
「ろいっ」
 言いながら子供の金髪をかき混ぜればハボックがチラリとロイを見る。だが、すぐその瞳はチューリップへと戻って、ハボックは黄色いチューリップの花をじっと見つめた。
「一体なにをそんなに見てるんだ?」
 公園でもそうだったがハボックは飽きもせずにカップのような花の中を覗いている。なにが見えるのかと尋ねてみても、いつもならなにかしら答えてくれるハボックはなにも言わずに一心に花を覗いているのだった。
「なあ、ハボック」
 あまりに熱心に見つめているのを見ればやはりロイとしても気になる。ハボックが喋る言葉は「ろい」の二文字だけだったが、説明してくれれば理解できる自信がロイにはあった。だが。
「ハボック?」
 漸く花から顔を上げて立ち上がったハボックは呼びかけるロイを振り向いたもののニコッと笑っただけでなにも言わずにタタタと駆けて行ってしまう。その背を見送ったロイは不満げに口を尖らせた。
「意外と意地が悪いぞ」
 ロイはそう呟いて花を覗いてみる。だが黄色い花弁の中には雄しべと雌しべがあるだけで特に変わったものは見つけられなかった。ロイはチューリップの中に何かを見つけるのを諦めて家に戻る。コーヒーを淹れリビングのソファーに腰を下ろし本を読もうと手に取った。一ページ、二ページとページを繰ったもののちっとも頭に入ってこず、ロイはため息をついて本を置いた。
「やっぱり気になる」
 チューリップの中にはなにが隠れているのだろう。物の怪のハボックには見えて人間の自分には見えないものなのだろうか。そんなことを考えながらロイは庭へと続く扉を開けて外に出る。陽射しの中で揺れているチューリップをヒョイと覗き込んだロイは黒い塊が花のカップにみっちりと詰まっているのを見て「ワッ」と驚きの声を上げた。
「────ハボック?」
 よく見ればそれは黒い毛糸玉でロイはまじまじと見つめる。風にそよそよと揺れる毛をロイはそっとつついてみた。
「寝てるのか?」
 どうやらハボックはチューリップのカップの中で眠っているらしい。毛糸玉をじっと見つめていたロイはクスリと笑って黒い毛を撫でた。
「気持ちよさそうだな」
 ほんのちょっぴり羨ましそうに言ってロイはチューリップの植木鉢をそっと持ち上げる。ハボックを起こしてしまわないよう静かに部屋に運び込み窓辺に鉢を置いた。そうして椅子を側に引き寄せると、チューリップのカップで眠る毛糸玉を時折覗きながら本を読んだのだった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、とっても励みになります、ありがとうございますvv

「暗獣」です。姫ハボの続きを書こうと思っていたのですが、チューリップの花って何かヒミツが隠れていそうってコメント頂いて「そう!そうなの!」って思ったもので、つい(笑)ハボックが何を見つけたのかはヒミツですが、ロイがみつけたのはハボックってことで(笑)

それにしてもポメラを前にすると急激に眠くなります〜(汗)いつもソファーの上に足を投げ出して足の上に乗せたクッションにポメラを置いて打ってるんですが、気がつくと寝てる……(苦)今日の更新、ハボロイは書きましたがロイハボは無理かもー。なんでこんなに眠いんだろう……幾らでも寝られそう(オイ)

以下、拍手お返事です。

なおさま

黒スグリ、うふふ、なおさまってばv先輩の気持ちお見通しですねッ!って、バレバレ?(笑)次回はその辺を先輩視点でじっくり書きますんでお楽しみに〜vラプンツェル、おおう、ハボが隠された王子vvものっ凄い妄想吹き荒れまくりですよッvvいや〜んvv

香深さま

リザハボ、ワクワクしますよね、うふふvv散って尚綺麗で楽しめる花って桜以外ない気がします。色んな日本語にもなっていて本当に素敵vはぼっく、そうなの、二人でいたいんですvチューリップの花、ヒミツが隠れてそうですよね!思わずお話書いてしまいました(笑)姫ハボ、そうなんですよー、まじないとのろいって同じ漢字なのです。でも何となく納得しちゃいませんか?先輩、本当に保護者並みかどうかは次回判明しますのでvそういえば最近チューしてないかなぁ。ねこあつめ、香深さまもやってますか?なごみますよねぇvまんぞくさんが来るとあっという間にエサが空になるので補充してあげると怒って帰ってしまうのには「えーっ」って思いました(笑)最近やっと模様替え全種揃えたので、今度はレア猫に来て貰えるようにグッズを買いそろえようと思っています(笑)くろねこさんの名前を一瞬ロイにしようかとも思ったのですが、やっぱりあのまんまなネーミングがツボだなぁって。やっと見分けがつくようになってきましたし(笑)
2015年04月28日(火)   No.452 (カプなし)

新・暗獣57
「ろーいっ」
 図書館に行く支度をすませて玄関に行けばパタパタと足音が聞こえてハボックが飛びついてくる。手を取って行こうと促すハボックにロイは言った。
「今日はこれから図書館で調べものをするんだ。連れていけないよ」
「ろーいーっ」
 ロイの言葉にハボックが不満そうな声を上げてロイの腕を引っ張る。だがロイはハボックの金髪を撫でて言った。
「だめだ、ハボック。今日は連れていけない。いい子に留守番しててくれ」
 物の怪であるハボックがかつて古い屋敷を依代としていた頃は屋敷の外へ出かけることはできなかった。だが、ある事件を切欠に依代を小さな天使の飾りに変えた事で外に出られるようになり、ロイはハボックがお気に入りの尻尾を出さないことを条件に時々外へ連れて行くようになってはいたのだが。
(連れていってはやりたいが、行くのが図書館だからな)
 図書館で本に向かえば忽ち没頭してしまうのは判りきっている。外に連れ出すようになったとは言え、本音を言えばロイはハボックから目を離すのは堪らなく不安で、そうであれば図書館に一緒に連れていくのは考えられなかった。
「今度また一緒に出かけよう。だからハボック、今日はいい子に待っててくれ」
 ロイが言えば、ハボックが思い切り頬を膨らませる。
「ハボック」
 少しきつめに名を呼ぶロイをハボックは空色の瞳に涙を滲ませて睨むと「ろいっ」と、ロイのことを小さな手でドンと一突きするとパタパタと廊下を駆けて行ってしまった。
「ハボック」
 ちょっとばかり可哀想なことをしたとは思うが仕方ない。ロイはひとつため息を零すと、奥に向かって「行ってくるよ」と声をかけ外へ出た。
 通りを図書館に向かってロイは歩いていく。そうすれば春の陽射しの中、そこここに春の花が今を盛りとばかりに咲き乱れ美しさを競いあうのを目にして、ロイはキュッと唇を引き結んだ。
「─────」
 ロイはなるべくわき見せず、真っ直ぐ前を見て足早に図書館への道を急ぐ。漸く見えてきた図書館の入口にホッと息を吐くと小走りに駆け寄り中へと入った。
「ふぅ」
 平日のそれも朝も早い図書館は殆ど利用者がいない。ロイは顔馴染みの司書の女性に軽く頭を下げて挨拶するとひんやりとした空気の中、早速目当ての本を選んで窓際の机に積み上げ腰を下ろす。本をめくり文字を目で追い始めれば、あっと言う間に調べものに没頭した。
 時折ロイがページをめくる音以外物音のしない図書館の中、どれだけ時間が過ぎたのだろう。不意にガタンと大きく椅子を引く音がしてロイはハッとして顔を上げる。そうすればすまなそうに会釈する女性に笑みを返したロイは、視線を本に戻そうとして正面の窓から見える景色に目を吸い寄せられた。
「桜……」
 図書館の中庭に桜が満開に咲いている。大振りな枝に薄桃色の花を零れんばかりにつけた桜をじっと見つめていたロイは、ゆっくりと立ち上がり中庭に続く扉から外へと出た。中庭にはベンチが幾つか置いてある。ロイは桜のすぐ側のベンチに腰掛けると見事な桜を見上げた。
「すごいな」
 無意識に簡単の言葉がため息とともに零れる。見事な桜を見ていれば、ロイの心に押し込めていた後悔の気持ちが沸き上がってきた。
「やっぱり連れてきてやればよかった」
 図書館への道すがら、咲き乱れる花々はそれはそれは綺麗で、目にした瞬間ハボックを連れてきてやればよかったと思ったのだ。綺麗なものが大好きなハボックはきっと大喜びしたに違いない。
「……」
 ロイは満開の桜を見上げてため息をつく。涙ぐんで見上げてくるハボックの顔を思い出して、ロイが戻ろうか、だがきつく言って家を出た手前今更と思った時。
「うわッ?!」
 突然ポケットがモコモコッと動き出してロイはギョッとして声を上げる。するとポケットからピョーンと飛び出した黒い毛糸玉がパアッと目映い光を放った。
「ろいっ」
 スタッと両手を広げて着地したハボックの姿にロイは目を丸くする。慌ててポケットの中を見ると金色に光る小さな天使の飾りが入っているのが見えて、ロイはそれを摘みだして言った。
「いつの間に……」
「ろい」
 驚くロイにハボックが振り向いてにっこりと笑う。ロイが座るベンチによじ登ると並んで腰掛け桜を見上げた。
「ろーい」
 ハボックは笑って咲き誇る桜を指さす。にこにこと笑うハボックを見ているうち、ロイの顔にも笑みが浮かんだ。
「そうだな、こんな気持ちのいい日に図書館にこもって調べものなんかするべきじゃないな」
 ロイは言ってハボックの金髪をかき混ぜる。
「よし、今日はこれから公園に行ってお花見しよう。屋台でホットドッグとカフェオレとおいしい水を買って、きっと気持ちいいぞ」
「ろーいっ」
 言えばハボックが嬉しそうに笑って抱きついてくるのをロイはギュッと抱き締めた。そうして暫く桜を眺めた後、ハボックも手伝って本を戻して、二人は手を繋いで公園に出かけていった。


いつも遊びに来て下さってありがとうございます。拍手、いっつも励まされてますvv

お久しぶりの「暗獣」です。東京はもうとっくに桜は散ってしまいましたが、はぼっくとお花見vこの後はロイと公園行って、チューリップの中覗いたりチョウチョを追いかけまわしたりするかと思います。

以下、拍手お返事です。

なおさま

今回のエイプリールフールは中尉でしたよ!うふふvどんなの来るかなっと思っていて下さって、慌てて書いた甲斐がありました、いや危うく忘れてスルーしちゃうとこでしたよ(苦笑)やっぱりリザハボがすんなり形成されますよね!ハボリザ……うーん、お話浮かばないです(笑)

はたかぜさま

キャーッ!リザハボッッ!!リザ姐さんってばっ、ハボックってばッッvv……って、すみません、私も思い切り反応してしまいましたvvいやそれもうタマランですッ!!何度も読み返してニヤニヤしちゃいました、妄想膨らみまくり(笑)玄関、ありがとうございますv珍しい桜素材を見つけたのでお借りしてみました。毎度自分の頭の中の妄想を四行の中に必死に詰め込むのですが、そぞろ歩きする二人の姿を思い浮かべて頂けたのなら物凄く嬉しいですv今年の桜はなんだかあっという間に散ってしまいお花見をする間もなかった気がします。春気分、少しでもお届け出来たら嬉しいですーvv

こちらの小説を読んで、いつも元気もらってます!  の方

嬉しいお言葉、本当にありがとうございます!!正直稼働している鋼サイトさまも減ってモチベーションを持ち続けるのも大変な時もありますが、嬉しいお言葉頂いてまた頑張るぞな気持ちが湧いてきました。これからも楽しくハボックを書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いしますvv
2015年04月14日(火)   No.450 (カプなし)

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