幼愛  第三十二章


 ロイはハボックをベッドに押し倒すとジーンズに手をかける。熱で汚れたそれを下着ごと引き抜くと、ハボックが慌ててその長い脚を縮めた。
「う、わ…っ」
 紅い顔で縮こまるハボックの腕を掴んでベッドに縫い付けると、ロイは強引に脚の間に己の体を捻じ込む。シャツの裾を捲くり上げ現れた乳首に舌を絡めればハボックが喚いた。
「たいさ、たいさっ!」
「…なんだ」
 不満そうに下からハボックの顔を見上げれば困りきったような顔でロイを見ている。視線で促せばハボックが言った。
「これっ、すっげぇ恥ずかしいんスけどっ」
「ん?半端が恥ずかしいのか?どれ…」
 ロイはそう言ってハボックの上体をグイと引き起こすとシャツの裾に手をかけ、一気に脱がせてしまう。そうしてそのまま再びその体を押し倒すと改めて乳首に舌を這わせた。
「ヤッ…あんっ……ちょっ、と……ッ」
 ハボックは言い足りないと言葉を続けようとして自分の胸に舌を這わすロイを見下ろす。その途端、ロイの紅い舌先が己のぷくりと立ち上がった乳首を舐めるさまが目に入って、ハボックはギクリとして身を強張らせた。
 ロイの形の良い唇から差し出された舌がチロチロと胸の頂を舐めたかと思うと、舌全体でギュウと押しつぶすように押し付けられる。唾液を塗すようにそのままねっとりと舐める様子にハボックの顔が火を噴いたように紅くなるのと同時に、その中心からとろりと蜜が零れた。
「アッ……ア…やだぁッ」
 目から入ってくる刺激と、乳首そのものに加えられる刺激とが相まってハボックは今までになく感じてしまう。見たくないと思う気持ちとは裏腹に目を離せず、ハボックはロイが舌と指で己の胸を愛撫するさまを逐一目で追って見ていた。ロイの舌が触れるのを見るたびとろりと蜜が零れ、指が押しつぶすのを見ればむくりと中心の体積が増す。ロイの色素の薄い唇が紅く色づいた頂を含み、真珠色の歯が立てられるのを見て、そして感じた瞬間、ハボックは喉を仰け反らせて悲鳴をあげた。
「ヤアアアッ!!」
 びゅくびゅくと勢いよく熱を吐き出したハボックに、ロイは胸から顔を上げると紅く染まった頬を撫でる。
「なんだ、胸だけでイッたのか?」
 余裕の笑みでそう言うロイをハボックは睨んだ。
「だって…ッ」
 文句を言おうとして、ハボックは目の前のロイの唇が己の胸に絡み付いていたのだと思うとドキドキして目を伏せる。ロイはハボックの顎をすくい上げるとその顔を覗き込んだ。
「どうした?言いたいことがあるなら言いなさい」
 そう言うロイの声に伏せていた目を開けばまだしっかりと服を着込んだロイの姿が目に入る。ハボックは唇を尖らせると言った。
「オレばっか脱がせて、ずるい…ッ、大佐、服着てんのにオレだけ素っ裸で……恥ずかしいじゃないっスか…ッ」
 今までも、はやる男どもに自分だけが脱がされてセックスした事など何度もあった。だがその時は恥ずかしいと思ったことは一度もなかったのに、何でだろうと思ったものの、流石に今回は懸命にも口には出さず、ハボックは恥ずかしいのだという事実だけをロイに伝える。ロイはそんなハボックを見つめていたがくすりと笑うと言った。
「じゃあ、お前が脱がせてくれないか?」
「えっ、オレが?」
「お前のは私が脱がせてやっただろう?」
「そりゃそうっスけど…」
 自分で脱ぐ間もなく、さっさと脱がせたくせにと思いはしたが、ハボックは起き上がると言われたとおりロイの服に手を伸ばす。シャツのボタンを外し、するりと肩から落とせば現れたロイの体にハボックの心臓がどきりと跳ねた。
「たいさ、着やせするタイプ…?」
 上目遣いに聞けばロイがうっそりと笑う。何だか急に恥ずかしさが増して、ハボックは視線を落としてロイのボトムに手をかけた。ボタンを外しファスナーを下ろして腰を浮かしたロイの体から下着ごとボトムを抜き去れば、勢いよく立ち上がる牡にハボックは目を瞠った。
「すげ……」
 猛々しくそそり立つそれから目を離せないハボックにロイは苦笑するとその顎をすくい上げる。軽く口付けると言った。
「せっかくだがそれは観賞用じゃないんでな」
 言って押し倒そうとするロイの胸を押し返すとハボックが言う。
「さ、触っちゃダメっスか?…大佐の、触りたい。コレ、オレん中、挿れるんでしょ?触って確かめちゃ、ダメ?」
 上目遣いで熱い吐息と共に言葉を吐き出すハボックにロイの中心がググッと嵩を増した。ロイは悔しそうに顔を歪めると呻く。
「…今、一瞬イくかと思ったぞ」
 クソ、と呟けば不安そうな顔をするハボックにロイは慌てて微笑むとその手を取る。向かい合ってベッドに座り込む己の中心に導くとそっと握りこませた。
「あ……」
 ピクンと肩を揺らせてハボックは手の中のロイを見つめる。えらの張ったそれの大きさを確かめるようにそっと握ると呟いた。
「でけぇ……んなの入んないかも」
「それは困る」
 苦笑交じりに言うロイをハボックはじっと見つめる。それからフッと笑った。
「オレ、壊れてもいいからちゃんと挿れてくださいね。オレん中、たいさでいっぱいにして……」
「お前…ッ」
「たいさ、大好き」
 ハボックはそう言うと目を瞠るロイの唇にチュッとキスをする。それから体を屈めると手の中のロイに舌を這わせた。
「ハボ…ッ」
 突然の事に身をかわす暇もなく、ロイの中心はハボックの暖かい口内へと迎え入れられる。ハボックは懸命に口を開くと喉奥までロイ自身を咥え込んだ。
「ん……んんっ……ッ」
 ハボックはじゅぶじゅぶとロイを唇ですりあげながらロイの袋に指を絡める。優しく揉みしだきながら一心に奉仕を続けた。
「ぅんっ……んふ…んんっ」
 鼻から甘い息を零し、眉間を寄せて猛々しい牡を頬張るハボックをロイはじっと見下ろす。生理的な涙を浮かべるその白い顔を汚してしまいたい衝動に駆られたが、必死にそれを押し留めるとハボックの肩に手をかけた。
「も、う、いい、ハボック…離してくれ」
 ロイがそう言いながらハボックの肩を押せば、ハボックは顔を上げてロイを見つめる。気に障ったのだろうかと不安そうな顔をするハボックに優しく笑いかけると言った。
「そのまま続けられたらイってしまいそうだからな」
「いいっスよ?オレ、たいさのなら飲めるっスもん。平気」
「なっ…!」
 ギョッとするロイの股間に再び顔を埋めようとするハボックをロイは慌てて押し留める。ハボックは不満そうな顔をすると言った。
「たいさはオレにされんの、嫌なの?」
「そうじゃなくて!」
 泣きそうに唇を歪めるハボックにロイはひとつため息をつく。その肩を掴むと言った。
「有り体に言えばだな、ハボック」
「なんスか?」
 じっと見つめてくる空色の瞳を見返してロイは言う。
「私はお前の中に挿れたい、お前と一つになってお前の中に出したい」
 ハボックはロイの言葉に一瞬キョトンとしたが次の瞬間ふわりと笑った。ぎゅっとロイの体にしがみ付くと嬉しそうに言う。
「オレも大佐と一つになりたい。ひとつになって溶けちゃったらいい」
「そうだな、私もそう思うよ、ハボック」
 しがみ付いてくる体をロイは優しく抱き返して耳元にそう囁く。それから体を離すと言った。
「だが、その前にもう少しお前を見せてくれ。見て、もっと触れたいんだ」
「オレもっ、オレもたいさに触りたいっス!」
 子供のように目を輝かせて言うハボックにロイはクスクスと笑う。ベッドの上に向かい合って座りなおすと言った。
「では、互いに触りあう事にしよう」
 そう言ってロイはハボックの頬に手を伸ばす。そうすればハボックも同じようにロイの頬に手を伸ばした。ロイの指がハボックの頬を滑り、首筋を辿る。するとハボックの指も同じ道を辿って滑った。
「くすぐったいっス」
「そうか?」
 クスクスと笑うハボックにロイは笑い返すと指を肩へと滑らせていく。ハボックの綺麗に筋肉のついた腕を触ると今度は鎖骨をなぞった。同じように肩、腕、鎖骨と指を滑らせてハボックが言う。
「たいさって思ってたよりずっと筋肉質っスね。逞しい」
「そりゃ私だって軍人だからな」
「それなのに暑苦しくなくて涼しげって、なんで?」
 なんか、ズルイ、と唇を尖らせるハボックにロイは笑うと指を胸へと滑らせた。膨れ上がった乳首をキュッと摘めばハボックがビクリと体を震わせる。そのままこね回せばハボックが身を捩った。
「ヤッ、…あんっ……たいさ、ズルイっ」
 ハボックは身を捩ると「オレだって」とロイの胸に手を伸ばす。だが、弄ろうとするたびロイの指が強くハボックの胸の頂を嬲り、駆け抜ける快感にハボックは思うようには出来なかった。それでも何とかロイの胸を弄ろうとするハボックを、ロイは楽しげに見つめていたが、やがてハボックの手を取ると言う。
「触りっこはここまでだ。後は私の好きにやらせろ」
「え?……アッ!」
 ロイはそう言うとハボックをベッドに押し倒し圧し掛かっていった。


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