| 幼愛 第三章 |
| ミーティングを終え司令室に戻ってきたハボックはドサリと椅子に座り込む。はあ、と机に懐けばそれを見たフュリーがくすりと笑った。 「お疲れですね、演習、大変でした?」 「え?あー、まぁな…」 聞かれてハボックは曖昧に答える。演習がきつかったというより単に寝不足な体にこたえたというだけなのだが、流石にそう告げるわけにも行かずハボックは「うーん」と机に載せた体を伸ばすとゆっくりと起き上がった。 「あー、しんど…」 コキコキと首を回してそう呟く。さっき一発ヌいたのもいけなかったのかもしれない。あまりに熱っぽい瞳で見てくるゴルツがおかしくてつい遊んでしまったが、やはり仕事中はやめとこうなどとハボックが思った時、ガチャリと扉が開いてロイが司令室に入ってきた。 「お帰りなさい、大佐」 笑って言うフュリーに頷いたロイはそのまま執務室へと足を向ける。チラリとハボックを見た瞳が何か言いたげに細められたが、ロイは何も言わずに執務室の中へ姿を消した。そのロイの様子にハボックはなんだか面白くなくて眉を寄せる。 「なんだって言うんだよ…」 ボソリとそう呟けば、ロイの後に続いて司令室へ戻ってきたブレダが言った。 「おい、ハボ」 「ん? ああ、ブレダ、お帰り」 お疲れ、と言うハボックの言葉に軽く手を振ってブレダは聞く。 「なあ、お前、大佐に何言ったんだよ」 「はあ?」 「あんな機嫌の悪い大佐、初めて見たぜ」 ブレダはそう言うとドサリと椅子に腰を下ろす。煙草に火をつけるブレダにハボックが言った。 「なに、そんなに機嫌悪かったのか?」 「悪いなんてもんじゃねぇって。あの大佐が視察の間ニコリともしねぇんだぞ」 怖いの何のって、とブレダはブルリと大きな体を震わせる。それからハボックを睨んで言った。 「あれほど怒らせるって、お前一体何言ったんだよ」 「何って…」 そう聞かれてもハボック自身にもさっぱり訳が判らない。 「こっちが聞きたいよ。いきなり視察について来いだの言い出してさ」 朝、顔を合わせたときからあまり機嫌はよくはなかったようだが、それにしても一体自分の何が気に障ったのだろう。視察についていけない理由は真っ当なものだったし特にロイを怒らせるようなことを言ったつもりもない。 「オレの方が怒りたいくらいだ」 ハボックはそう言うとロイがいる執務室の扉を睨みつけたのだった。 「ちぇっ…」 ハボックはそうぼやくとカウンターに両肘をついた手で握り締めたグラスの酒を舐める。普段なら2日続けては来ない店に、ハボックは憂さ晴らしも兼ねて早々に仕事を終わらせると飲みに来ていたのだった。 「いくら大佐だからって横暴だよな」 いきなり機嫌が悪くたって演習を中止して視察について来いだの言い出したロイの態度にハボックはそう呟く。挙句、ブレダには機嫌の悪い大佐の護衛で神経磨り減っただのと文句を言われ、理不尽なことこの上ない。ハボックがムカムカとしながらグラスを煽った時、ハボックの両隣のスツールに男が腰を下ろした。 「よお」 親しげに話しかけてくる男に、だがハボックは面識がない。無視して酒を飲み続けていると男がハボックの顔を覗き込むようにして言った。 「なあ、アンタがヴィオレッタだろ?」 「はあ?なにそれ」 ハボックが眉を顰めてそう聞き返せば反対側のスツールに腰掛けた肌の黒い男が言う。 「知らないのか?この界隈じゃアンタのことみんなヴィオレッタって呼んでるんだぜ」 「知るかよ。大体それ、女の名前じゃん」 「仕方ないだろう、アンタ名乗んないからさ」 そう言う男から目を逸らして、ハボックはまた両肘をつくとだらしのない格好で酒を煽った。左右から見つめてくる男達の視線を感じながら黙ってグラスを傾けていたが、やがてグラスをカウンターに置くと口を開く。 「どうせ女の名前で呼ぶならジャクリーンって呼んでくれよ。その方がいいや」 そう言って薄く笑うハボックに最初に声をかけてきた茶色の髪をした男が言った。 「ジャクリーンか。いい名前だな」 男は偽名だと判っていてもハボックが名乗った事に気をよくして笑みを浮かべる。スツールに腰掛けるハボックの腿を撫でると言った。 「なあ、どうだ? 今夜俺達と一緒に…」 「悪いけど、今日はそういう気分じゃない」 男の誘いにハボックは素っ気なく言う。あっさりとそう言われて目を見開いた男はハボックの脚を撫でる手に力を込めると言った。 「んなこと言わなくてもいいだろ? アンタ、誰とでもヤるって話じゃないか」 「誰とでも? 冗談。オレは気に入ったヤツとしかやんないの」 言外にお前なんて気に入らないと言われて、男はムッとして顔を歪める。 「んだとっ、誰にでも脚開いてるようなヤツが偉そうな事言うんじゃねぇよ」 男はそう言うとハボックの腕を掴んだ。カッとなったハボックが男の手を振り払って立ち上がる。険悪なムードで睨み合う二人に、肌の黒い男が言った。 「やめろよ、二人とも。そうカッカするなって」 男はそう言うと宥めるようにハボックの腕を取る。怒りを湛える空色の瞳を見上げると言った。 「なあ、上で3人で飲まないか? で、もしそういう気になったらヤればいいだろ? その気にならなきゃ酒を飲んでるだけでいい。勿論酒代は俺達が払うよ、な?」 ハボックはそう言って見上げてくる男を見下ろしていたが、小さく息を吐くと肩を竦める。男はそれを了承の仕草と取ると立ち上がってハボックの肩を抱いた。 「上、借りるぜ」 そうバーテンに告げると茶色の髪の男に合図する。3人は混みあう店内を抜けると2階へと上がっていったのだった。 カラン、とハボックが手にしたグラスの中で氷がぶつかる音がする。ベッドに座り込んで酒を煽るハボックの脚の間で茶色の髪が見え隠れしていた。酒臭い息を吐き出すハボックの手から肌の黒い男がグラスを取り上げる。ベッドサイドのテーブルに置くと言った。 「その辺にしておけよ。あんまり飲むと勃たなくなるぜ」 「…今日は、そういう気分じゃないって、言った、ろ…っ」 息を荒げて言うハボックに肌の黒い男が苦笑する。酒の所為だけでなく紅く染まったハボックの頬を撫でると言った。 「やせ我慢するなよ。もう、欲しくて仕方ないんだろう?」 「んなこと…ンンッ」 男は言うとハボックの唇を塞ぐ。そのままハボックをベッドに押し倒すと毟り取るようにシャツを脱がせた。男の濡れた舌や指が肌を這い回り、ハボックの唇から熱い吐息が零れる。下肢を茶色の髪の男に嬲られ、ハボックは徐々に乱れていった。 「アッ…はあん…」 男の色の黒い指がハボックの白い肌を弄り胸の突起を弄る。くりくりとこね回されてそこから湧き上がる快感にハボックは身を捩った。 「ンゥッ…アッ…」 舌と指でこね回されれば立ち上がったハボックの中心からとろりと蜜が零れる。ハボックの股間に顔を埋めていた茶色の髪の男が零れる蜜を舌先で舐め上げた。 「アッ…フッ…アアッ」 ビクビクと震えるハボックの体を二人の男が思うままに嬲る。弄る四つの手が、這い回る二つの舌が、ハボックの理性を蕩かしていった。 「う、んっ…アッアッ」 脚を大きく開き、その中心も奥まった蕾も惜しげなく曝け出すハボックに男達は喉を鳴らす。茶色の髪の男がテーブルに置かれたグラスを取るとハボックの蕾へととろりと零した。 「ヒアッ…ヒャアッ」 冷たい液体をかけられてハボックの体が跳ねる。男は指で蕾を割り開くとその中へ酒を注ぎ込んだ。 「ヒッ…や、め…っ」 「じっとしてろって…」 ピリとアルコールに敏感な粘膜を焼かれて、ハボックは身悶える。男は遠慮もなく蕾に指を差し入れるとグチグチとかき回した。 「アアッ…んっんっ!」 かき回す指に身悶えながら、ハボックは大きく下肢を開く。蜜を零す自身に手を添えると扱きながら言った。 「も、いいから…来いよ…挿れたいんだろ…?」 そう言って薄く笑うハボックに男は指を引き抜くとズボンの前をくつろげる。ハボックの足を高く抱え上げると一気に突き入れた。 「アアアアアッッ!!」 仰け反るハボックの体を引き戻してガツガツと突き上げる。夢中で突き上げてくる男を少し押し返すとハボックは息を弾ませながら言った。 「ま、てって…バックから…挿れて、よ」 そう言うと身を引くようにして差し込まれた熱を引き抜くと四つに這う。尻を高く掲げて肩越しに振り向くと笑った。 「いいぜ…挿れて…」 そう囁くように言えば茶色の髪の男が飛びつくようにハボックの腰を掴む。そそり立った自身をずぶずぶとハボックの中へと埋めた。 「ンンンンンッッ」 ハボックは衝撃に背を仰け反らせたがシーツを掴むとそっと目を開く。二人を食い入るように見ていた黒い肌の男を見ると言った。 「あ、んたも…来なよ…」 その言葉に男は目をギラギラとさせて服を脱ぎ捨てる。ベッドに上がるとハボックの顔の前に膝立ちになった。ハボックは両手をついて顔を上げると目の前の赤黒くいきり立った熱に舌を這わせる。チロチロと舌先で先端を舐めれば、焦れた男がハボックの髪を掴んでその口中へと捻じ込んだ。 「ゥンッ…ンッ…ンンッ!!」 ハボックは上下の口を男達に犯されながら快楽に身を任せていったのだった。 |
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