| 曼珠沙華 第九章 |
| 「ん…ふ、ぅん…」 深く合わさってくる唇。大佐の舌がオレの口内に入り込み、怯えて縮こまるオレのそれを絡め取った。きゅぅときつく絡めたかと思うと、唇を離してぴちゃと音を立てて舐める。まだキスしかしてないのにオレの体からはすっかり力が抜け落ちてとろとろに蕩けてしまっていた。 「あ…」 唇が離れてオレはくたりとベッドに沈み込む。心臓が破裂しそうなほどバクバクと音を立ててその音が煩いほどだった。 「まだキスしかしてないだろう…」 紅い顔をして力なく見上げるオレに大佐はくすりと笑う。だって、大佐、キス上手いんだもん。なんで口の中、舐め回されただけでこんなになっちゃうんだろう。大佐は力の入らないオレの体を抱き起こすと中途半端に脱げていた上着を取り去りTシャツも脱がせてしまう。それから改めてオレをベッドに横たえるとチュッと軽いキスをした。大佐の唇が首を滑りきつく吸い上げる。 「アッ!」 チクリとした痛みと共にゾクッと背筋に来て、オレは思わず声を上げてしまった。それに気を良くしたのか大佐が何度も舌を這わせては吸い上げる。 「ふ…んあぁっ」 なんて甘ったるい声。自分が出してるなんて信じられない。恥ずかしくて死にそうで、オレは手のひらで口元を覆った。 「ハボック…手を離すんだ」 大佐がそう言ったけど、離せるわけない。こんな声、恥ずかしくて聞かれたくない。ふるふると首を振れば大佐がフッと笑う気配がした。 「素直じゃないな」 それならこうしてやろう、と大佐は手を滑らせるとオレの乳首をキュッと摘み上げる。 「ヒッ」 思わず上がった声を必死に手のひらで押さえ込んだ。人差し指と親指とでくりくりと捏ねたかと思うと指先で潰すようにしてこね回す。そこからジンと痺れるように伝わってくる快感にオレが力なく首を振れば大佐は体をずらしてもう片方を唇に含んだ。 「ひゃあんっ」 濡れた舌先が膨れ上がった乳首を押しつぶし、舐めまわし、唇が甘く噛む。オレはそんなところから湧き上がってくる快感が信じられず、口を覆っていた手を離すと大佐の髪を掴んだ。 「やっ…離し…っ、あっ…んああっ」 快感に翻弄されて手には全く力が入らない。再び口を覆うことすら出来なくて、オレは甘ったるい声を零し続けた。 「やあっ…んあっ…ぅふ…はあん…」 ヤダヤダヤダ!こんな声、恥ずかしい。聞かないで欲しい 「どうして?可愛いよ、ハボック…もっと聞かせてくれ…」 何が可愛いもんか、たいさ、絶対どうかしてる。恥ずかしくて、でも、大佐に弄られるソコから溢れる快感は物凄くてオレはどうしても声を止めることが出来なかった。散々弄られたソコはもう、すっかり敏感になっていて、ほんの少しの刺激でも体が跳ね上がってしまう。痛いのか気持ちいいのか、それすらも判らなくて、オレは涙を零していやいやと首を振った。大佐はそんなオレを楽しそうに見下ろしていたが、ようやく乳首から手を離してくれる。ようやく解放されたそこにホッと息を吐いたオレは、次の瞬間ズボンに大佐の手がかかった事に気づいてギョッとした。 「たっ、たいさっ」 「なんだ、素っ頓狂な声を出して」 「だっ、だってっっ」 ズボンのウエストを押さえているオレの様子に大佐は呆れたように言う。 「脱がなかったらセックスできないだろう?」 「そうっスけどっっ」 そんなの判ってるけどそれでもやっぱり恥ずかしい。だってオレの中心はキスと胸を弄られたことでもうすっかり勃ち上がってしまっていて、ズボンを脱いだらそれがモロに判ってしまうじゃないか。こんな浅ましい、と消えそうな声で言えば、大佐は僅かに目を瞠ってそれからふわりと微笑むと言った。 「ハボック、私が好きか?」 そう聞かれてオレは伏せていた目をあげて大佐を見る。綺麗な黒い瞳に見つめられて自然と言葉が零れた。 「スキ…好きっス…」 「好きな相手とこういう事をしていて、感じない方がおかしいだろう。私だってほら…」 そう言って押し付けてきた大佐の下肢は服ごしでも物凄く熱くて、大佐も興奮していることを知らせている。大佐がオレに興奮してる?うそ。 「たいさ、嫌じゃないんスか…?」 恐る恐るそう聞けば大佐がきょとんとして見返してくる。 「たいさ、女の人が好きだったでしょ?男のオレがこんなにしてんの」 気持ち悪くないのか、と聞けば大佐はくすくすと笑った。 「他の男だったら気持ち悪いし絶対に願い下げだが、ハボック、お前だと思うと可愛くて仕方ないんだ…」 「か、かわいいって…っ、なんスか、それっっ」 可愛いって言うのは女の子や子供に言う言葉だろう。少なくてもオレみたいなゴツイ男に言う言葉じゃない。そう言ってやれば大佐はオレの頬に口付けて言った。 「私にとっては可愛いんだよ」 だからいいだろう、耳元で甘く囁かれてゾクリと背筋を快感が走り抜ける。ぬめりと舌が耳に入り込んで、ズボンを掴むオレの指から力が抜けていった。大佐はそんなオレに低く笑うとズボンを下着ごと脱がせてしまう。押さえるものがなくなって弾かれるように立ち上がった自身に、オレは恥ずかしくて腕で顔を覆った。 「ふふ…もう、こんなにして…」 大佐はそう言うと、立ち上がった自身から零れる蜜を辿るようにして棹に指を滑らせる。 「アッ!」 触れられた途端、とろりと蜜が零れて恥ずかしくて覆った腕を顔に押し付けた。 「可愛いな、ハボック…」 大佐はそう囁いてオレの棹をねっとりと舐めあげる。裏筋に沿って舌を這わせくれをなぞると先端にチュッと口付けた。オレ自身が大佐の口中に含まれ、その生暖かい粘膜に包まれたと思った瞬間。 「アッアアアッッ!!」 オレは背筋を仰け反らせると熱を吐き出してしまう。大佐がこくりと飲み干す音と、立ったあれっぽっちの刺激でイってしまったショックとで、オレは恥ずかしいやら情けないやらでぼろぼろと泣き出してしまった。 「ハボック」 大佐は体をずらして泣きじゃくるオレの髪を撫でる。頬に手を滑らせて合わせてきた唇が酷く苦くて、オレは思わず大佐を押しやってしまった。 「にが…っ」 苦くて青臭くてオレが無意識に手の甲で唇を擦ると大差がくすりと笑う。 「お前の味だな」 そう言われて大佐がオレの吐き出したものを飲んでしまったことを思い出した。 「そんなもん、飲まないでくださいよ…っ」 恥ずかしくてそう言えば大佐は平然と言ってのける。 「どうして?お前のすべては私のものだからな。一滴だってムダにできない」 真面目な顔してそんなことを言うから、言葉を返せずにぱくぱくと口を動かすオレに大佐がウットリと笑った。 「ハボック…いいか?」 そう言った大佐の指がオレの奥まった場所へと当てられる。ビクリと体を震わせるオレをじっと見つめて大佐が言った。 「お前がイヤだというなら――」 皆まで言わせず大佐の体をギュッと抱きしめる。 「イヤじゃないっス…」 だってずっと欲しかった。そう願ってた。絶対叶う筈なんてないと思ってたのに。 「シテ…たいさ…」 囁くように言えば噛み付くように口付けられた。 |
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