| 近くて遠いあなた 第四章 |
| 「んっ…ん―――ッッ!!」 深く合わさる唇にロイは逃れようとハボックの筋肉に覆われた厚い胸を叩く。だが、そうすれば益々強く抱き締められ、ロイはまともに呼吸が出来ず気が遠くなっていった。フッと意識が飛ぶかと思った瞬間、漸く離れた唇から空気が大量に流れ込む。ガクッと膝が折れるのと同時にゲホゲホと咳き込んだロイはふわりと浮いた体に思わず目の前の胸に縋りついた。半ば混濁した意識のまま逞しい腕に抱えられてロイは奥へと運ばれていく。階段を上がり扉を開け閉めする気配がしたと思うと、柔らかいベッドの上に投げ出された。 「え…?」 軽く弾んだ体を起こす間もなく誰かが圧し掛かってくる。咳が収まり漸く焦点のあった瞳で見上げれば薄闇の中、薄いグレーに見えるハボックの瞳があった。 「ハボック…?」 訳も判らぬまま部下の名を呼ぶ。そのまるで警戒心のない様子にハボックは苦く笑った。 「アンタがいけないんスよ、オレを信頼してるなんて言うから」 ハボックはそう言うとロイの上着に手を掛ける。引き千切らんばかりの勢いでボタンを外すと、中のシャツの前立てを掴み力任せに左右へ開いた。乱暴な所業にシャツが悲鳴をあげて千切れる。ボタンが幾つか弾け飛んだがハボックは構わず現れた白い肌にむしゃぶりついた。 「…ッ?!ハボ…ッ?!」 いきなり肌をきつく吸い上げられてロイはビクリと震える。反射的に手を出してハボックを押し返そうとすれば、両手ごとその手首を掴まれ頭上へと押さえつけられた。 「ハボ…アッ?!」 乳首を吸われてロイは声を上げる。そんなところを弄られたことなどなくて、痛いほどに吸い付いてくる唇に身を捩ってもがけば、敏感なそれに思い切り歯を立てられて悲鳴をあげた。 「いたっ…ッ!あ…やめっ」 食いちぎられるかとゾッと背筋を震わせれば生暖かい舌がねっとりと絡みついてくる。ハボックはロイの乳首を散々に噛んだり舐めたりして楽しむと漸く顔を上げた。 「ハボ……」 まだ事態が理解出来ないという眼差しを向けるロイにハボックは苦笑する。この期に及んでも本気で抵抗しないのはきっとハボックが何をしようとしているのか、本当に理解できていないのだろう。 (それほどオレの気持ちってアンタには届いてねぇの…?) そう考えてハボックは顔を歪める。だが言葉に出すことはせず、押さえつけていた腕を離すとロイのズボンを剥ぎ取ってしまった。そうしてロイの脚の間に己の体を捻じ込むと、下着の上からロイ自身を握り込む。ビクンと大きく体を震わせて、ロイはハボックの腕を掴むと漸く抵抗らしい抵抗を見せた。 「ヤダッ、やめろッ、ハボック!!……アッ…アアッ!!」 下着の上から揉みしだかれてロイの中心が硬さを増していく。ロイは息を弾ませてハボックの腕を握り締めると言った。 「どうして……どうしてこんな事をするんだ…ッ」 「そんなの、アンタの胸に聞いてみてくださいよ」 低く呟くように言うハボックの声に、ロイはハッとしてハボックを見つめる。その顔が辛そうに歪められているのを見てロイは目を見開いた。 「ハボック…?」 尋ねるようにその名を呼べば、ハボックは唇を歪める。腕を掴んでいるロイの手を振り払うと、厭らしい染みを浮かび上がらせていた下着を剥ぎ取った。 「ヤッ…イヤだッ」 下肢を晒されロイは脚を縮こまらせて隠そうとする。だが両脚の間に男の体があってはままならず、むしろハボックはロイの両脚を掴むと大きく広げてその中心を曝け出した。 「ヤダァッ!!」 羞恥に顔を真っ赤に染めてロイはハボックの腕から逃れようとする。だがもがけばもがくほどその体は逞しい体の下に組み敷かれて身動きが出来なくなっていった。 「ねぇ…今まで一体どれだけの野郎がアンタのここに触れたんです?」 ハボックはそう言うと大きく両脚を広げたその中心で頭をもたげている楔に息を吹きかける。ロイはピクンと体を震わせるとふるふると首を振った。 「誰も…ッ、誰にも触らせたことなんてない…ッ!」 そう叫んでもがくロイにハボックは昏く笑う。 「へぇ、それじゃオレが最初ってことっスか?だったら少しでもアンタの中にオレを刻みつけられますかね」 そう言ってハボックはロイの楔に舌を這わせた。裏筋を舐め上げるとカリの部分を唇でこすり、先端を押しつぶすようにして舐める。ねっとりと這い回る濡れた感触にロイは悲鳴をあげた。 「嫌だっ、ハボック!やめろッ、やめてくれッ!!」 そう叫んでも這い回る舌の動きは止まるどころか激しくなっていく。ロイは制止の言葉を紡ぐ事も出来なくなり、荒い息を零しながら腰を揺らめかせた。 「ああ……ふあっ……はあっ…ぅんっ…っ」 押し開かれた白い内腿がピクピクと震え、ロイはシーツを握り締める。込み上げてくる射精感をロイは短い呼吸を繰り返してなんとかやり過ごそうとした。だが、ねっとりと絡みつく舌が、纏わりつく唇がそれを赦さず、ロイは高みへと追い上げられていく。 「アアッ……ぃやだっ……ッ」 ふるふると首を振っていたロイは動きを止めると目を大きく見開き歯を食いしばった。 「イ、く……ッッ!!」 食いしばった歯の間から呻くように言うとロイは体を仰け反らせる。強く吸い上げる唇に促されるように、ロイはハボックの口内へびゅくびゅくと熱を吐き出した。 「アッ、ア――――ッッ!!」 ハボックの口内へ吐き出してしまうと、ロイはハアハアと荒い息をつく。ハボックはゴクリと喉を鳴らして青臭い液体を飲み干してしまうと体をずりあげ荒い息を零す唇を己のそれで塞いだ。 「ぅんっ…んんっ」 舌を絡め取られて青臭い匂いが鼻をつく。思わず首を振って唇を離すと眉を顰めた。 「そんな顔することないっしょ?アンタの味なのに」 楽しそうに言うハボックにロイは顔を顰める。ハボックは鼻を鳴らすとロイの脚を胸につくほど押し上げ、その白い双丘の狭間で息づく蕾を目の前に晒した。 「や、やだ…ッ」 体の最奥を覗き込まれてロイは羞恥に身を捩る。だが、ハボックはそれに構わず両手の親指で双丘を割り開くと戦慄く蕾へと舌を這わせた。 「ヒアッ!!」 ぬめぬめと這い回る舌に、ロイは悲鳴をあげて逃げようとする。だが、ガッチリと押さえ込まれた体はびくともせず、ハボックは舌を尖らせて中へ唾液を送り込みながら言った。 「さっきはオレがアンタの飲んであげたんスから、今度はアンタがこっちの口でオレの飲んでよ」 「アヒ…ッ、アアッ」 敏感な箇所で囁かれて、ロイはビクビクと体を震わせる。ハボックは唾液をたっぷりと送り込んだ蕾に指をつぷりと差し入れた。 「アアッ!!イヤアッ!!」 差し込まれた指がグチグチと動き回って、ロイは嫌悪感に顔を歪める。差し込まれる指が2本、3本と増えれば圧迫感が増し、ロイは低く呻いた。ハボックはロイの美しい顔が嫌悪に歪むのを見て昏く笑う。ゆっくりと指を引き抜くと言った。 「挿れますよ、大佐。……アンタの中にオレを刻み付けてやる」 「…や、め…」 更に脚を押し開かれ胸に押し付けられる。唾液で濡れそぼった蕾に滾る楔が押し当てられてロイは息を飲んだ。 「たいさ……好き…」 そう囁く声が聞こえてロイはハッとしてハボックを見上げる。その泣きそうに歪んだ顔にロイが何か言おうとする前に熱い楔がロイの中へ押し入ってきて、ロイは言葉の代わりに悲鳴を迸らせた。 「ヒアアアアッッ!!」 みちみちと狭い器官を押し開いてハボック自身がロイの中へ埋め込まれていく。ロイは苦痛に見開いた瞳からポロポロと涙を零しながら呻いた。 「うあ……アアッ…」 グチュグチュという水音が響き、ロイは微かに首を振る。深く浅く出入りする楔に力なく体を揺さぶられながら、ロイは自分を犯す男をぼんやりと見上げた。 「たいさ……たいさ…」 「ハボ…」 ロイはシーツを握り締めていた手をハボックの頬に伸ばす。むりやり押し開かれる苦痛に息を荒げて言った。 「お前……泣いているのか?」 そう尋ねられてハボックは答える代わりにロイの脚を抱えなおし更にきつく突き上げる。 「ヒィッ!…アアッ……ヒアアッ…アッ、アアアッ!!」 そうすればたちまち意識は霧散しまともに考える事など出来なくなってしまう。 ロイはただハボックに突き上げられるままに体を震わせるしかなかった。 |
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