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| エフィアルテスの悪夢 第二章 |
| ハボックの身体を一度おろすとロイは部下達が待つ場所まで急いでとって返す。身体を包むための毛布を持ってこさせると一人でハボックのところへ戻った。 「ハボック」 下水溝の壁に背を預けてぼんやりと座り込むハボックの身体をロイは毛布で包み込む。そっと抱き上げ元来た道を戻ると部下達にキメラの処分を命じて外へと出た。部下に命じて車を回させハボックと共に乗り込む。迷った末病院へは行かず、そのまま自宅へ回すように命じた。 「く…そ…ッ」 ハボックの身体を抱き締めてロイはギリと歯を食いしばる。錬金術師の言葉を鵜呑みにして、逃げたキメラにさして危険はないと考えた自分の判断の甘さに腸が煮えくり返る思いだ。燃やしたキメラより自分自身を燃やしてしまいたい衝動にロイが駆られた時、ハボックの声が聞こえた。 「…?ハボック?」 よく聞き取れなくて悪いと思いつつ聞き返す。そうすればハボックがうっすらと目を開いて言った。 「腹がすげぇ痛いっス……気持ちも…悪くて……」 そう言ってハボックは苦しげな荒い息を零す。びっしょりと汗の浮かぶ顔を顔を手のひらでこすってロイは言った。 「もうすぐ家につく。そうしたらすぐ綺麗にしてやるから、あと少しだけ我慢してくれ…っ」 男の身体は元々受け入れるようには出来ていない。愛し合ってのセックスですら受け入れる側の負担は大きいというのに、得体の知れないキメラの精を注ぎ込まれた事を考えればハボックの負担は考えるまでもなかった。 「い、たあ…ッ!!」 「ハボック…ッ」 激痛に顔を歪めてハボックが呻く。今はどうしてやることも出来なくて、ロイはただハボックを抱き締める腕に力を込めるとハンドルを握る部下に言った。 「スピードをあげろッ!少しでも早く走ってくれッ!!」 「は、はいッ!!」 切羽詰まったロイの声とハボックの苦しげな呻き声に、部下も顔色をなくしてアクセルを踏み込む。 「隊長っ、しっかりして下さいっ!すぐ着きますからッッ!!」 泣き出しそうな声で叫びながら車を操り何とか事故を起こさずにロイの家へとたどり着いた。 「着きましたッッ!!」 叫んで部下は運転席から飛び降りると後部座席の扉を開ける。ロイがハボックを抱いて車から降りるのに手を貸した部下は、受け取った鍵で玄関の扉を開いた。 「マスタング大佐、自分に何か出来ることがありますでしょうかっ」 部下の脇をすり抜けるようにして玄関をくぐれば、聞こえた声にロイは振り向く。まだ年若い部下が顔を歪めて立っているのを見て、ロイは僅かに微笑んで言った。 「ここは私一人で大丈夫だ。貴官は司令部に戻って、ホークアイ中尉に事の次第を伝えてくれ」 「イエッサー!」 泣き出しそうな顔で敬礼をすると部下は外へと飛び出していく。車が走り去る音を背後に聞きながら、ロイはハボックを急いで浴室へと運んだ。 「んぐぅ…ッ」 ハボックの身体から巻き付けていたブランケットを剥ぎ取り、浴用の椅子に腰掛けさせた途端、ハボックが大きく体を震わせる。 「グッ……ッ、…ッッ!!」 グボと喉を鳴らしたと思うとハボックが戻したものがロイの軍服にかかった。 「ハボック!」 「ゲェッ……ッ、ぐ、は……ッ!!ごめ…ごめんなさ……大佐の…汚し……」 「そんなのいいからっ!全部吐いてしまうんだッ」 「……ッ、……ッッ」 ロイが言って背を撫でてやればハボックがゲェゲェときつい甘い匂いのするドロリとしたものを吐き出す。一通り吐いてしまったと見ると、ロイは緩く出したシャワーを口元に出してやった。口の中に僅かに残る吐いた物を流してしまうとロイはハボックの腿に手をかけて言う。 「ハボック、辛いかもしれんが中に吐き出されたものを始末しないといけないから」 そう言って脚を開かせようとすればハボックが僅かに抵抗した。 「嫌っス……大佐にされんのは…嫌、っス……」 「ハボック」 「大佐にだけは……見られたくな………ほっといて…」 好きな相手に陵辱の痕を見られるなど、死んでも嫌だった。涙を浮かべて拒絶の言葉を吐くハボックに、ロイは胸が痛くなったが殊更何の感情も表に出さずに言う。 「ハボック、イイコだから私の言うとおりにするんだ。始末しなければ体に毒なのは判っているだろう?現にさっきだって腹が痛いと───」 「ヤダ」 「ハボック!」 「腹が腐って死んだ方がましだ……っ」 涙の浮かんだ瞳でハボックはロイを見つめて訴える。ゼイゼイと息を弾ませるハボックの顔色はさっきよりずっと悪くなっていて、ロイは唇を噛むと何も言わずにハボックの脚を押し開いた。 「…ッッ!!大佐…ッ!!」 「赦せ、ハボック」 痛みと疲労とショックで身動きもままならないハボックの奥まった蕾を晒したロイは、その酷い有様に息を飲んだ。 「……ッ!!」 おそらく慣らしていない状況で無理矢理ねじ込んだのだろう。小さな蕾は真っ赤に腫れ上がり、血すら滲んでいる。散々に犯され弛んだ蕾からは、さっきハボックが吐き出した物と同じ黄色みを帯びた白濁がとろとろと零れていた。ハボックの楔には幾つも紅い筋が浮かび、その先端にも血が滲んでいる。下肢だけではない、全身に浮かび上がる無数の鬱血や紅い筋が、あのキメラがハボックに与えた暴虐の数々を伺わせてロイは目の前が真っ赤になった気がした。それでも何も言わずにロイはボディソープで指先を濡らすとハボックの蕾に指を沈める。 「……ィッ!!」 「痛いだろうが、少しだけ我慢してくれ」 途端に強張る身体を宥めるように撫でながらロイは沈めた指で注ぎ込まれたものを掻き出していく。ロイはなるべく性的な意味合いを感じさせないように手早くキメラの精を掻き出してしまうとシャワーを出して綺麗に洗い流した。 「…ッ、ア…ッ!」 シャワーの雫ですら辛いのだろう。ハボックの身体が大きく跳ねる。そんな様子に可哀想だと思いながらもロイはハボックの身体を清めると、自分も着ていた物を脱ぎ捨て身体を流した。バスローブを羽織り、ハボックの身体を柔らかいタオルで包んで抱き上げる。ぐったりとして目を閉じたまま一言も発しないハボックをロイは寝室へと運び込み、その身体をベッドにそっと横たえた。それから救急箱を持ってきてベッドサイドのテーブルに置き、ハボックの身体を包むバスタオルを開く。両脚を立たせるようにして開かせても、ハボックは何の抵抗もしなかった。ロイは腰の下にクッションを入れて突き出すようにさせると傷ついた蕾を消毒し、化膿止めの薬を塗る。その他にも傷が酷いところを手当して、下着を穿かせパジャマのシャツを着せてやったロイは、ブランケットを引き上げながら覗き込んで初めてハボックが声もなく泣いていることに気づいた。 「ハボック」 呼んでロイは涙に濡れたハボックの頬を撫でる。そうすればハボックがロイを見ずに言った。 「ごめんなさい、たいさ……」 「ハボック」 「オレ……あの化け物にヤられて何度もイったっス、数え切れないくらい…何度も……」 宙を見つめながらハボックは続ける。 「やめろって、口では叫んでたけど……触手、二本も三本も突っ込まれて…最初は痛かったけど……そのうち…」 「ハボック、もういいからやめるんだ」 「アイツのでっかいので犯されて中にいっぱい出されて…ッ、き、気持ちよくて…オレ……感じまくってッッ」 「ハボックっっ!!」 泣きながら告げるハボックをロイはたまらず掻き抱く。震える身体を抱き締めて、ロイはその耳元に囁いた。 「お前が悪いんじゃない。あのキメラは捕らえた獲物を食らう為に媚薬を注ぎ込んでた。お前が感じてしまったとしても、お前が悪いんじゃない。そもそもキメラを探すのに、あんな少人数のグループに分けた私の判断が甘かったんだ。そのせいでお前をこんな目に……ッッ」 ロイは呻くように言って抱き締める腕に力を込める。 「赦してくれ……ッ」 言ってロイはハボックに口づけた。唇を離してハボックの顔を見つめればハボックが見上げてくる。何か言おうと震えた唇は何も発せず、ハボックは目を閉じるとぐったりとベッドに沈み込んだ。 「ハボック?」 ハアハアと荒い息を零すハボックの額に触れれば猛烈に熱い。キメラに犯された精神的なショックと、身体に注ぎ込まれた精が毒素となってハボックを苦しめていることに気づいて、ロイは顔を歪めた。 「くそ…ッ」 ロイは寝室を出ると氷水とタオルを用意しそれを持って戻ってくる。絞ったタオルをハボックの額に当ててやると、電話をかけて主治医を呼んだ。二十分ほどでやってきた軍医あがりの主治医はハボックを診察して言った。 「大佐、出来れば入院させた方がいいと思う。そのキメラの持つ毒素がどういったものがよく判らないし、病院にいれば病状の変化にあわせて対応も出来る」 そう言って厳しい表情を浮かべる医師をロイはじっと見つめる。だが、彼の言葉には首を振って言った。 「ハボックを入院させるたくはない。周りに大勢人がいる状況に置きたくないんだ。多分、今のハボックには精神的に耐えられない」 身体のことを考えれば入院させるのがベストの選択だろう。だが、精神的に深く傷ついている現状で、たとえ個室であろうと周りに大勢の人がいる環境では休まらないだろうとロイは考えた。 「判った。では、何かあったら夜中でもいつでも呼んでくれ」 「ありがとう、ドクター」 そう言ってくれた医師にロイは顔を歪めて礼を言う。数時間おきに飲ませるよう、薬を処方して初老の医師は帰っていった。 |
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前後編のつもりが思ったより長くなってしまいました。前中後編でも終わりそうにありません。しかも益々ハボが可哀想になりそうな気配が……。こんなんばっかりだな、私(苦笑)そんなわけでもう少しお付き合い頂ければ嬉しいですv |
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