| 狂愛 第八章 |
| 「ヒィッ!……アアッ、…じ、自分で挿れろって……言ったのに……ッ!」 これ以上体に負担がかからぬよう、ゆっくりと迎え入れるつもりだったハボックは、一気に貫かれて全身を小刻みに震わせる。気がつけばそそり勃っていた自身の楔は、吐き出した熱に濡れてピクピクと震えていた。 「お前がぐずぐずしてるからだ。……なんだ、もうイったのか?我慢のきかない奴だな」 「……ッ」 嘲るように言われて、ハボックはギュッと唇を噛み締める。だが、緩く突き上げられれば噛み締めた唇はすぐに解けて、甘い吐息を吐き出した。 「あんっ……はっ、アアッ」 ロイの肩に手を置き、喉を仰け反らせてハボックは喘ぐ。その表情を見つめながら小刻みに突き上げていたロイは、仰け反る首筋をゾロリと舐め上げた。 「あっ、…ぅうん……」 その途端、ビクリと体を震わせたハボックの唇から甘い声が上がる。ロイは首筋を舐めた舌を耳元まで這わせるとくちゅくちゅと耳の入り口を舌先で嬲った。 「ふ…ぁんッ……ああ……やあ、んッ」 滾る楔で掻き回される蕾と濡れた舌先で嬲られる耳の両方からくちゅくちゅとイヤラシい音が響く。その音にすら興奮して甘ったるい声を上げ続けるハボックにロイは言った。 「お前……本当にその声、誰かに聞かせたことはないのか?」 「え…?」 「お前の隊の奴ら、異常なほどお前に惚れ込んでるだろう?アイツら全員の分、咥えてそのイヤラシい声を聞かせてやったことがあるんじゃないのか?」 快楽に霞んだ頭ではロイの言っている言葉の意味が咄嗟には判らない。 「ゴルツだったか?やたらとお前にまとわりついているデカイ男がいただろう?あの部下の男とヤった事があるんじゃないのか?」 熱い吐息を吐き出しながら突き上げられる動きに合わせて腰を揺らしていたハボックの脳味噌が、漸くロイの言わんとしていることを理解する。ハボックは目を見開いてロイを見ると顔を歪めて言った。 「そんなこと、してないっス!……オレっ、ほんとに、アンタしか……ッ!!」 そう言った途端きつく突き上げられて、ハボックは言葉を続けられずに嬌声を上げる。ガツガツと激しく掻き回され突き上げられて、ハボックは言葉を紡ぐ事が出来ない。唇から零れるのは熱い喘ぎばかりで、ロイはそんなハボックをじっと見つめながら言った。 「試してみるか?ハボック……」 「な…に……?」 昏い瞳で見つめながら低く囁くロイの言葉は、イヤラシい水音とハボックの乱れた呼吸の音でかき消されよく聞こえない。不思議そうに見つめてくる濡れた空色の瞳に、ロイはうっとりと笑うとソファーの傍に置いてあった電話の子機に手を伸ばした。 「番号は何番だ?」 ロイはそう尋ねたがハボックに答える余裕がないのを見て取ると、番号案内をダイヤルする。そこで番号を知りたい男の名前を言えば、程なくしてゴルツの部屋の番号が判った。 「独身寮に住んでるのか」 その番号の並びから見当をつけたロイが呟く。ロイは番号をダイヤルしてゴルツが出るのを待った。 『もしもし?』 数回のコール音の後、太い男の声がする。ロイはニヤリと笑うと低い声で言った。 「ゴルツか?」 『……そうだが、誰だ?アンタ』 当然のごとく警戒心むき出しの声にロイは薄く笑う。 「この声に聞き覚えがあるか?」 ロイはそう言うと子機の通話口をハボックの口元に当てた。それと同時にガツンと思い切り突き上げる。 「ヒャアアッッ!!」 そうすればハボックの唇から高い悲鳴が迸った。 『な……ッ?!』 受話器の向こうでゴルツが息を飲む気配がする。ロイはハボックの白い尻に片手を添えると、きつく突き上げ掻き回した。 「アッ、や、やだ…ッ!ヒィッ、……アアッ!!やああんっ!!」 「……どうだ?誰だか判るか?」 ハボックの嬌声を相手に聞かせながらロイは尋ねる。ゴルツは突然の事に暫く呆然としていたようだったが、少しすると怒りに震えた声が聞こえてきた。 『判るわけねぇだろッ!!そんな気色の悪りぃ野郎の声、聞かせんじゃねぇッッ!!』 怒鳴り声の次にガチャンッと受話器を叩きつける音がして電話が切れる。ロイはクツクツと笑いながら言った。 「せっかく大好きな隊長の声を聞かせてやったのにな。気色悪い、だと」 「ひどい……ッ」 楽しそうに笑うロイをハボックは涙の滲む瞳で睨む。判らなかったとはいえ、セックスの最中のあられもない声を聞かれてしまって、ハボックは羞恥のあまり消えてしまいたかった。 「ゴルツとはヤった事はないようだな」 「だから……っ、アンタとしか、シてな…って…ッ!」 ハボックは荒い息の合間にそう訴える。だが、ロイは暫く考えて言った。 「せっかくだ。この際他の奴も確かめてみるか」 「え?」 ギクリと身を強張らせるハボックに構わず、ロイは空で番号をダイヤルする。そうすれば少しして元気な曹長の声がした。 『はい!』 受話器から飛び出してきたフュリーの声にハボックは息を飲んだ。慌ててハボックが手のひらで口を覆う前に、ロイはハボックの体を揺すり上げる。押さえ切れぬ声がハボックの唇から零れた。 「イやあッッ!!」 『え、ええッッ?!』 受話器から驚きに裏返ったフュリーの声が聞こえる。ロイがニヤリと笑って更にきつく貫く体を揺さぶれば、ハボックが甘い悲鳴を上げ続けた。 「やあっ!……アアッ、アッ、んんっ!!」 『ちょ……っ、な、なにやってるんですかっ、あなた…ッ』 すっかりうろたえたフュリーが「どうしようっ」だの「誰これっ」だの騒ぐ声が聞こえたかと思うと、ガチャリといきなり電話が切れる。ロイはフムと頷いて言った。 「フュリー曹長も判らなかったか。それにしても随分慌てていたな」 「たいさ……ヤだっ、こんなの……ッッ」 泣きじゃくりながらハボックが言う。だがロイはそれに構わず次の番号を回した。 「次はファルマン准尉だ。たっぷり聞かせてやれ」 「やだやだっ、たいさっ、やめて…ッ」 ハボックは必死に首を振ったが、相手が受話器を取り上げる音が聞こえて口を閉じる。ギュッと唇を噛み締めるハボックにロイはクスリと笑うとハボックの鼻を摘んだ。 「……ッッ?……、〜〜ッッ!!……ハアッ!!」 息苦しさに耐えかねてハボックが唇を開く。それを逃さずにハボックを突き上げれば、ハボックは泣きながら喘いだ。 「────」 数秒間、ウンともスンとも声のしなかった電話は、何の前触れもなくガチャリと切れる。ロイはクククッッと笑って言った。 「准尉には刺激が強すぎたか」 「………たいさ…ッ」 ぼろぼろと涙を零すハボックをロイはじっと見つめる。 「とりあえず今のところお前のイヤラシい声を聞いたことがある奴はいないようだな」 「……だから、大佐だけだって、言って………」 ハボックはしゃくりあげながら訴えた。もうやめてくれと首を振るハボックにロイは低く囁く。 「もう一人、確かめなきゃいけない男がいるだろう?」 ロイはそう言ってハボックの顔を覗き込んだ。 「もうひとり…?」 呟くように繰り返したハボックは次の瞬間ハッとする。ふるふると首を振って言った。 「イヤだっ、それだけは絶対ヤだっ!!」 ハボックは叫ぶように言ってロイの腕から逃れようともがく。だが、ロイはハボックの体を抱え込むと激しく突き上げ始めた。 「ヒイッ!!……アッ、やめ……っっ!!」 さっきまでのが単なる戯れだと判るほどの激しい突き上げに、ハボックは逃れることも声を抑えることも出来なくなる。ロイはそんなハボックを見つめながら片手でダイヤルすると子機をハボックに近づけた。 「いやっ!!やめてッ、お願い…ッッ!!」 ハボックが泣きながら何とか受話器から離れようとする。だが、その時フックの上がる音がして、聞き慣れた声が受話器から聞こえた。 『はい』 「……ッッ!!」 ヒュッと息を吸い込んでハボックは声を飲む。訝しげにこちらの返答を待っているらしいブレダの声を聞きながら必死に耐えていたハボックだったが、ついに耐えきれずに高い悲鳴を上げた。 「アアアッッ」 『…ッッ?!』 「ヒゥッ!!……アアッ、イヤアッッ!!」 容赦なく突き上げられれば快楽が脳天を突き抜け、声を抑えられない。 「アッ、ヒャアアッッ!!……アッ、ヤアアアッッ!!」 あられもない声を上げ続けるハボックを見つめてロイはうっとりと笑う。その耳元にそっと囁いた。 「ほら、もっと聞かせてやれ。お前のイヤラシい声をたっっぷりとな……」 耳に吹き込まれる声にハボックはゾクリと身を震わせる。それと同時にグリリとねじ込まれた楔でガツンと奥を突かれて、背を仰け反らせたハボックは嬌声と共に熱を吐き出してしまった。 「ヒアアアアアッッ!!」 びゅくびゅくと熱を吐き出しながらハボックは泣きじゃくる。例えこちらが誰だか判っていないとしても、こんな声をブレダに聞かれているのはたまらなかった。ハアハアと荒く息を弾ませるハボックをロイは更に攻め立てる。 「ヒィィッッ!!」 たまらずハボックが悲鳴を上げた瞬間、受話器からブレダの声がした。 『お前……ハボックか?』 「……ッッ!!」 そう聞かれてハボックが大きく体を震わせる。信じられないと涙に濡れた空色の瞳を大きく見開くハボックを、やはり驚きに一瞬息を飲んだロイが思い切り突き上げた。 「ヒャアアアッッ!!」 『ハボっ?!おいっ、どう言うことだよッ!!』 受話器から聞こえる怒鳴り声にハボックは激しく首を振る。 「ヤだっ、聞かないで…ッ!!イヤだぁッッ!!」 『ハボっ?!ちきしょっ、誰だっ、こんな事しやがるのはっ!!』 焦りと怒りに声を震わせて怒鳴るブレダの声を聞きながらハボックは喘ぐ。グチュグチュとかき混ぜたかと思うとガンッと奥を突かれてハボックは堪らず熱を吐き出してしまった。 「イヤアアアアッッ!!」 『……ッッ!!ハボっ?!おい、ハボっっ!!』 必死に呼びかけてくる声に、ハボックは答えられずに震えながら泣きじゃくる。ロイはそんなハボックをじっと見つめていたが、やがて叫び続ける声に眉を顰めるとブツリと電話を切った。 |
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