| いつか帰る場所であるように 第二十二章 |
| 「入れてくれないのか、ハボック」 空色の瞳を見開いて呆然と立ち竦むハボックにロイが言う。その声にハッとしてハボックは体をずらすとロイを中へ通した。 「パーティはどうしたんスか?まだ終わる時間じゃねぇでしょ?」 勝手知ったるという様子で中へと入っていくロイの背にハボックは尋ねる。ロイはソファーにドサリと腰を下ろして答えた。 「あまりにくだらんから途中でフケてきた」 「またそんな事して……中尉に叱られるっスよ」 想像通りの答えにハボックは苦笑する。グラスに水を注いでロイに差し出した。 「メシは?食えたんスか?」 「いや、飲んでばかりいたからな」 渡されたグラスの水をクーッと飲み干してロイが答える。ハボックはキッチンに行くと冷蔵庫を開けて中を覗き込んだ。 「生憎ここんとこ買い物に行ってないんでろくなものないっスよ。オリーブオイルとガーリックと鷹の爪があるからパスタくらいなら作れますけど」 そう言う間にロイがグラスを手にキッチンに入ってくる。おかわりが欲しいのかとグラスを受け取ろうとしたハボックは、ロイの言葉に伸ばしかけた手を止めた。 「何か私に聞きたいことがあるんじゃないのか、ハボック」 「…ッ?!」 まっすぐに見つめてくる黒い瞳にハボックは息を飲む。そのまま互いに見つめあっていたが、何度も短い呼吸を繰り返したハボックは逃げるように目を逸らした。 「オレは……別に………」 「本当に?それでいいのか?お前は」 確かめるように尋ねるロイをハボックは弾かれたように見る。泣き出しそうな瞳でロイを睨んで言った。 「いいのかって……っ!オレに何を言わせたいんだよ、アンタはッ!!」 「ずっと探してたんじゃないのか?お前の両親を───」 「言うなッッ!!」 ロイの言葉を遮ってハボックが叫ぶ。ロイを押しやってキッチンから出ていこうとするハボックの腕を、ロイは乱暴に掴んだ。そうしてグイと引き寄せると噛みつくように口づける。重なる唇に目を見開いてもがくハボックの抵抗がやむまで差し入れた舌でハボックの口内を嬲り、蹂躙し続けた。 「ふ………ぁ……た…さ……」 眦を染めてハボックが温度の上がった息を吐き出す。ロイは潤んだ空色の瞳を見つめて低い声で言った。 「聞く気がないならお前を抱かせろ」 ロイはそう言ってハボックを寝室へ引きずっていく。ベッドの上に突き飛ばすとハボックに起きあがる暇も与えずにのし掛かった。 「や…だっ、離し……っ」 「何故?ついこの間も私に抱かれたばかりだろう?自分から脚を開いてその身の奥深くに私を咥え込んで、イヤラシく尻を振りたてて善がり狂っていたじゃないか。何を今更嫌がるんだ?」 「な……ッ」 酷い言いようにハボックはカッとなってロイを睨む。猛然と暴れ出す体をロイは易々とベッドに押さえつけ、ハボックの首筋をきつく吸い上げた。 「…ッ、離せッ!!」 「断る。嫌なら抵抗しろ。私を殴って逃げればいい」 「こ、この…ッ!!」 ロイの言葉にハボックは全身の力を振り絞ってロイを振り払おうとする。だが、ハボックよりずっと経験も技量も上の軍人であるロイを振り払うことは出来なかった。それどころか、ズボンから引き抜いたベルトで右腕をベッドヘッドに括られてしまう。ロイは抵抗する力を殺がれたハボックのシャツに手をかけると一気に引き裂いた。 「……ッッ!!たいさッ!!」 ビリビリと布の裂ける音が室内に響き、ハボックは信じられないという目でロイを見上げる。ロイはハボックのズボンに手をかけ、下着ごと引きずり下ろした。 「やめろッ!!」 「嫌なら振り払え。それが出来ないなら弱いお前が悪い」 平坦な声でそう告げるとロイは剥き出しにしたハボックの脚を大きく開く。息を飲むハボックに構わず、まだ潤いのない蕾に指をねじ込んだ。 「ヒィィッ!!」 強引に割り入ってくる指にハボックは悲鳴を上げる。乾いた蕾は引き攣れて酷い痛みをハボックに与えた。身を強張らせるハボックの蕾を、ロイは沈めた指でグチグチと掻き回す。 「ヒ……あ……い、たあっ…ッ」 涙を滲ませてハボックはゆるゆると首を振った。そんなハボックを見下ろしてロイは沈める指を増やしていった。 「んっ……くぅ…ッ、………ああ…やめて………」 白い腿をピクピクと震わせてハボックが呻く。だが、その言葉とは裏腹に抱かれる喜びを知っている体は、3本目の指がスムーズに動くようになる頃には快感を感じ始めていた。萎えていた楔が徐々に立ち上がり硬度を増していく。その快感の度合いを示すように、立ち上がった楔からはとろとろと蜜が溢れ出てきた。 「淫乱だな…。こんな風にされても感じるのか、お前は」 「ちっ、違…っ」 「ならこれはなんだ?」 顔を赤らめて否定するハボックの楔をロイは指で弾く。そうすれば短い悲鳴をあげて仰け反るハボックを見つめながらロイは続けた。 「こんな風に涎を垂れ流して…。それでも感じてないというのか?」 「か、感じてないッ、感じてなんか……ッ!!」 睨んでくる空色の視線を受け止めてロイは無表情にハボックを見返す。そうして快感を感じ始めている事を認めようとしないハボックの楔を力任せに握り締めた。 「…ッ!!ヒ……イッ!!」 目を剥き身を仰け反らせてハボックは悲鳴を上げる。ロイはベッドサイドの棚の抽斗から細い紐を取り出し、震えるハボックの楔の根元をギチギチと巻いてしまった。 「感じてないなら射精することもないだろう。だったらこうしておいて構わないな」 「な………」 驚いてロイを見上げるハボックの蕾に沈めた指を、わざとグリリと抉るようにして、ロイは指を引き抜く。嬌声を上げるハボックの両脚を胸につくほど押し上げ、取り出した自身を突き入れた。 「ヒアアアアッッ!!」 ハボックの体がロイを拒んで強張り、ビクビクと震える。それに構わずロイは沈めた楔を入口ぎりぎりまで引き抜き、思い切り突き上げた。 「ヒィッ!!アアッ、……あひぃッ!!やめ…ッ!!」 ガツガツと突き上げられ、ハボックの唇から絶え間なく悲鳴が上がる。だが、それは苦痛を訴えるというよりハボックが感じている快感を伝えるばかりで、ロイはうっすらと笑った。 「やめて?もっと、の間違いだろう?イヤラシく絡みついてくるぞ、お前のここは」 ロイはそう言って容赦なく突き上げる。今ではハボックの楔は腹につくほどそそり立ち、膨れ上がって蜜を垂れ流していた。竿を伝って零れた蜜がロイに押し広げられた蕾を濡らし、ぐちゅぐちゅとイヤラシい音を立てる。耳から聞こえるその音と熱い内壁を擦り上げる直接的な刺激に、ハボックは泣きながら喘いだ。 「ああんッ、アアッ!!……ヒッ、ハアッ!…あっあっ!!」 「くく……きゅうきゅうと締め付けてくる。…そんなに犯されるのがいいのか?ハボック」 「アッ……ち、きしょ…ッ!」 揶揄するような言葉にハボックは悔しそうに唇を歪める。だが、きつく突き上げられるうち追い上げられた体は射精を求めてヒクヒクと震えだした。 「い……あ………ぅっ、んあ…っ」 ロイの楔を咥えた腰をイヤラシく蠢かせ、ハボックは喘ぐ。その切羽詰まった表情にハボックの限界が近いとみると、ロイはいっそう激しくハボックを突き上げた。 「ヒィッ、ヒィィッッ!!」 熱く熟れきった内壁をこすられる度快楽が脳天を突き抜ける。解放を求めて楔の先端がヒクヒクと震えたが、実際には戒められたそれが熱を吐き出すことは出来なかった。 「……ぁ………イ、く…ッ、……や、あ……ッ」 ハボックが目が見開き胸を仰け反らせた。ビクンと大きく震えると、びくびくと小刻みに体を揺らす。仰け反った喉がヒクリと鳴って、ハボックが熱を吐き出せぬまま達したのが判った。身の内を焼く熱に震えるハボックをじっと見つめていたロイは繋がったままのハボックの体を強引に反す。ヒュッと息を飲むのに構わず、ロイは俯せたハボックの腰を抱え上げると容赦なく突き上げ始めた。 「イッ………アアッ、やめ…ッ!!アッ!!ヤだアッ!!」 達したばかりの敏感な体を攻め立てられてハボックが喘ぐ。ぼろぼろと泣きながら悶える体をきつく突き上げてロイは笑った。 「嫌だじゃないだろう?こんなにきゅうきゅう締め付けておいて。素直に強請ったらどうだ?」 「この……サイテーだ、アンタ…ッ!!」 嘲るように言うロイをハボックは肩越しに睨み上げる。だが、ガツンと突き上げられて喉を仰け反らせ悲鳴を上げた。ロイはハボックの片脚を持ち上げると肩に乗せるように大きく開く。戒められて真っ赤に膨れ上がった楔と猛る牡を咥え込んで戦慄く恥部を晒すようにして喘ぐハボックにロイは低く笑った。 「イヤラシい眺めだな。こんなにヒクつかせて……。そんなにイイのか、ハボック」 ロイはそう言って膨れ上がった楔を撫で、その先端を指でこねる。しばらくそうして楽しんだ後、大きく開いた脚を下ろし、正面からハボックを抱き締めるときつく口づけた。 「ん………ん……」 甘く鼻を鳴らしたハボックは、瞬く間に追い上げられた体が再び解放を訴えるのを感じる。ハアハアと弾む息の合間に必死に言葉を紡いで訴えた。 「イきたい……っ、イかせてッ!」 「おかしいな、感じてないんじゃなかったのか?」 意地悪く言うロイをハボックは涙に濡れた目で見上げる。ポロポロと涙を零して言った。 「お願い……イかせてっ、……も、壊れる…ッ」 「………壊れるまで抱くのもいいかもしれんな」 「…ッッ!!」 ボ ソリと囁く言葉にハボックが目を見開いた瞬間きつく突き上げられる。 「ヒィッ、ヒィィッッ!!」 悲鳴を上げてハボックは、括られた腕をがむしゃらに引っ張った。ベッドヘッドが軋んだ音を立て、ベルトに擦られてハボックの手首が赤く色づく。それを見ていたロイは眉を顰めるとハボックの腕を押さえつけた。 「馬鹿、手首を痛めるだろう?」 「嫌アッ、イかせて……ッッ!!」 がむしゃらに暴れるハボックの腕を戒めるベルトをロイは外す。そうすればハボックの腕が伸びてロイに縋りついてきた。 「たいさっ、……たいさぁ…ッ!」 「……ハボック」 泣きながらしがみついてくる体を抱き返してロイは激しく腰を打ちつける。激しい突き上げに喘ぎながらハボックはロイを見つめた。 「違うっスよね……?大佐がオレの両親……殺すわけ、な、い…ッ!」 熱に浮かされたような声でハボックはロイに尋ねる。だがロイは僅かに眉を寄せたままで答えなかった。 「なんで…っ、なんで答えてくれないんスか……ッ?!」 縋る手に力を込めてハボックはもう一度聞く。だが、ガツンときつく突き上げられてハボックは悲鳴を上げて身を仰け反らせた。 「ヒィッ!アアッ!!た…さぁッ!!」 もう、それ以上は尋ねる言葉を紡ぐ事も出来ず、ハボックはロイの動きに翻弄される。ロイは涙に濡れたハボックの顔を見つめていたが、そっと唇を寄せるとその涙を受け止めた。 「……ッ!……ック!」 次の瞬間ロイはぶるりと震えてハボックの中に吐き出すと同時に、ハボックの楔を戒める紐を解く。 「ッ!────ッッ!!」 突然訪れた解放にハボックは声もなく熱を吐き出した。 「……いしてる、ハボック」 遠くにロイの声を聞いたような気がしてハボックはロイの体をかき抱く。内壁を焼く熱い飛沫を感じながら、ハボックの意識は薄れていった。 |
| → 第二十三章 |
| 第二十一章 ← |