| いつか帰る場所であるように 第十六章 |
| 「大佐、メシ出来ましたよ」 ソファーに座って本を読んでいるロイにそう声をかければ、いそいそとやってくるその様子にハボックの顔に笑みが浮かぶ。ロイは湯気を上げる料理に嬉しそうに目を細めた。「いただきます」と声をかけあい料理を口にする。二口三口と食べるとロイはしみじみと言った。 「やはりお前の料理が一番美味いな。高いばかりで味気ない高級とは名ばかりのレストランの食事とは全然違う」 「へへ、ありがとうございます」 ロイの言葉にハボックははにかむように笑う。だが、ハボックは内心ロイが気に入っても不思議はないと思っていた。 (だって、大佐の好みに合わせてレシピの分量変えてんだもん) ロイは意外と甘口好みだ。何度も料理を作るうち、いつしか覚えたロイの好みに、ハボックは昔から作りなれた料理のレシピすら変えて作るようになっていた。 (やっぱ大佐が美味いって言ってくれるのが一番嬉しい) そう思えば、気づかぬうちに目尻が下がってニヤけた顔になっていたらしい。 「ハボック、顔がにやついてるぞ」 「えっ?」 そう言われてハボックはロイが面白そうに自分を見ていることに気づく。ハボックは顔を赤らめてロイを睨むと言った。 「別ににやついてなんていないっスよ」 「そうか?」 「大佐の顔こそにやついてるっス」 何となく悔しくてそう言えばロイは平気な顔で言う。 「そりゃそうだろう、久しぶりにお前とゆっくり過ごせるんだ。にやついてもくるさ」 「たっ、たいさっ」 言いながらロイが伸ばしてきた手にテーブルの上に置いていた手をキュッと握られて、ハボックは益々顔を赤くした。ロイの手の中から自分のそれを抜き出すことも出来ずに俯くハボックに、ロイはクスリと笑うと握った手を己の口元に運んだ。気障な仕草でハボックの手の甲に口づけるとニッと笑う。 「ちゅっ、中佐は結局誰とメシ食ってるんスかねっ」 「さぁな」 「やっぱ呼んで一緒に食った方がよかったんじゃねっスかっ?」 ドキドキと高鳴る鼓動をごまかしたくてそう言えばロイが眉間に皺を寄せる。 「お前、それ本気で言ってるのか?」 「えっ、いや、だって中佐かわいそうかなって」 「妬くぞ」 「へ?」 「あんまりヒューズの事を気にすると嫉妬する」 「な……」 本気で言っているらしい男をハボックは呆気にとられたように見つめる。目を見開いて見つめてくる空色の瞳をじっと見返しながら、ロイは口づけた手の甲にゆっくりと舌を這わせ始めた。 「美味いメシもいいが………お前を早く喰いたい、ハボック…」 「バッ、バカ言ってねぇでさっさと食ってくださいよっ」 「お前を?」 「違っ…!!」 真っ赤になって怒鳴るとハボックはガタンと音を立てて立ち上がる。だが、ロイに手を握られているので逃げることも出来ず、結局は赤い顔でロイを睨むしかなかった。それも握られた手を這い回る悪戯な舌のせいで睨むことすらままならなくなる。ギュッと目を閉じれば唾液に塗れた手の肌を震わせるようにしてロイが言った。 「お前を食わせろ、ハボック……」 低く囁く声に、ハボックの中心が熱をはらんでどくりと震える。そこから全身に広がっていく欲望にハボックはガクガクと頷くしかなかった。 引きずるようにして寝室に連れ込まれたかと思うとベッドに突き飛ばされる。そのまま覆い被さってくるのかと思えば寝室の灯りに手を伸ばす男にハボックは目を見開いた。 「なっ、なんで灯り点けるんスかっ!」 「点けた方がよく見えるだろう?」 「見えなくていいっス!!」 ハボックは平気な顔でとんでもない事を言って圧し掛かってくるロイを押し返す。 「灯り消してくださいッ」 「消したいなら自分で消せ」 ロイはそう言ってハボックの首に口づける。キュッと吸い上げればビクリと体を震わせながらも、ハボックはロイを押し退けるようにして起き上がった。ベッドから足を下ろして立ち上がろうとする体をロイが背後から抱き締める。抱き締める腕をハボックが振り解こうとするより前に、ロイの指がシャツの上からハボックの乳首をキュッと摘んだ。 「あっ?」 思わず身を引くように体を前に倒せばシャツの裾から手が忍び込んでくる。抱き締めた鍛えられた体に手を這わせながらロイは耳元に囁いた。 「どうした?灯りを消すんじゃなかったのか?」 「消、しますよ…っ、離してっ」 「振り解けばいいだろう?」 そう言いながらロイは言葉と共に舌を耳に差し入れる。ぬちゃ、と音をたてて舌を這わせれば面白いようにハボックの体がビクビクと震えた。 「やっ、あっ」 体をまさぐられ弱い耳を攻められて、ハボックの中心が堅いジーンズの布地を押し上げる。キチキチと狭い布の下で苦しそうな股間をロイはそっと撫で上げた。 「ずいぶんと苦しそうだな、ハボック」 「んっ、触んなッ」 首を振って言うハボックに構わず、ロイはジーンズの上から股間を揉みしだく。ドクドクと血流が流れ込んで更に嵩を増す中心にハボックは悶えた。 「たいさっ、やめ……っ」 いつになく急激に迫りくる絶頂とハボックは必死に戦う。だが、抵抗出来たのはほんの数十秒で、体を這い回るロイの指が思い切り乳首を捻った瞬間、ハボックは喉を仰け反らせて高い嬌声を上げた。 「ヤアアアアアッッ!!」 堅い布地に押し潰されたままハボックの中心が弾ける。びゅくびゅくと吐き出された熱はぴっちりとしたボクサーパンツをしとどに濡らし、ジーンズの厚い布地さえしっとりと濡らした。 「すごいな、ぐしょぐしょだ」 背後から楽しそうな声が聞こえて、ハボックは視線を落とす。ロイがそっと手を外せばじっとりと濡れて色の変わったジーンズが見えて、ハボックは情けなさと恥ずかしさで泣きそうだった。 「ひど……たいさっ」 相変わらず背後から抱き締める男をハボックは小さな声で詰る。だが、それを気にする風もなくくすくすと笑いを零すと、ロイはハボックのベルトに手をかけた。 「濡れてて気持ちが悪いだろう?脱がせてやるから立ちなさい」 そう言われてハボックは唇を噛み締めてベッドサイドに立つ。背後から伸びてきた手が器用にベルトとボタンを外すと、濡れそぼったジーンズと下着を引き下ろした。 「あ……」 べっとりと粘性のある液体に汚れた下肢を灯りの下に晒されて、ハボックは顔を赤くする。 「足、抜いて」 言われるまま、ハボックは下ろされたジーンズと下着から足を引き抜いた。その拍子にハボックの白い脚をもったりとした液体が流れていく。その淫猥な様子を見つめながらロイが楽しそうに言った。 「後ろまでべったりだぞ。よっぽど大量に出たんだな」 「……ッ、い、言わないでッ」 羞恥に震えるハボックの背をロイはそっと押す。 「灯りを消すんだろう?ほら」 そう言って背を押されても、明るい部屋の中を白濁に汚れた下肢を晒してスイッチのところまで歩く事ができない。小さく首を振るハボックにロイはにんまりと笑うと、ハボックの長身をグイと引き寄せベッドに押し倒した。 「なら、このままでいいと言っているんだと思うからな」 「ッ、たいさッ」 真っ赤な顔で見上げてくる空色を見下ろして、ロイは噛みつくように口づけた。 「クッ……あぅッ!」 高々と掲げ上げた脚を胸につくほど折り曲げられてハボックは低く呻く。もう何度も追い上げられては熱を吐き出させられたせいで、ハボックの下肢はべたべたになっていた。 「ヒッ、ウアッ…!た、いさ…ッッ」 最奥を犯す楔にハボックは力なく首を振る。散々に嬲られた体はもう自分では動かすこともできないと思うのに、ロイを咥え込んだ蕾はまるでそこだけが違う生き物のようにロイに絡み付き、奥へ奥へと誘い込もうとしているようだった。 「も……くるし…っ」 涙に濡れた瞳で自分を犯す男を見上げ、離してくれと懇願する。だが、ロイはそんなハボックの様子にすら煽られるように、抽送の勢いを速めた。 「アアッ!!……ヒィッ、ヒアアッッ!!」 ロイが突き上げる度、ハボックの身体がビクビクと震え、繋がった箇所から注ぎ込んだものが白い泡となって溢れる。擦り過ぎて紅くなった蕾が、赤黒い楔に絡み付きながら白い泡を吐き出す淫靡なさまに、ロイはにんまりと笑った。 「イヤラシイ眺めだな、ハボック。こんなに紅く腫れて辛そうなのに私のものに絡みついて離そうとしないぞ」 「…ッッ、バカっ!見るなっっ!!」 食い入るように見つめる視線にハボックは真っ赤になってロイを睨み上げる。それと同時に咥えたロイをキュウと締め付けてしまい、ハボックは背を仰け反らせて喘いだ。 「……いさっ、たいさ…ッッ」 強すぎる快楽とぐずぐずに溶けてしまいそうなそんな錯覚に、ハボックは腕を伸ばしてロイにしがみつく。啼きながらしがみついてくるハボックに愛しさが込み上げて、ロイはハボックを抱き返すと深く唇を合わせた。 「んっ……ぅふ……た…さァ…っ」 必死に口づけに答えながらハボックは舌足らずにロイを呼ぶ。答えるように口づけを繰り返す男を見つめながらハボックは言った。 「たいさ……オレのこと離さな…で…ずっと、傍にいて…」 「……ああ、離さない……一生私に、縛り付けてやる…っ」 低く囁くと同時にロイはハボックを深く穿ちその最奥に熱を叩きつける。 「ア……、─────ッッ!!」 身体の奥深くを焼かれて、ハボックも追うように熱を吐き出すと優しい闇の中へと落ちていった。 |
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