| 菫青石の恋 〜 second season 〜 第五十章 |
| 袖を通せば触れる布の感触に肌が粟立つ。まだ若干薬の影響が残るせいでふらつく足を踏ん張って立ち上がったハボックだったが、後孔に押し込まれたローターの感触にヘナヘナと座り込んでしまった。 「何をしている、さっさと立て」 苛々とした口調で言う男をハボックは泣き出しそうになりながら見上げる。ふるふると首を振って訴えた。 「無理……ッ、こんなの挿れたまま動けないっス……!」 まだ何も知らない頃ならばただの違和感でしかなかった後孔から沸き上がる感触も、今のハボックには明らかな快感となってその細い躯を苦しめる。ハアと湿った吐息を吐き出して蹲る少年の金色の髪を、ロバートは乱暴に掴んで引っ張った。 「立てと言ってるんだ。立てないなら置いていく。その代わりマリアになにがあろうと知らんがな」 「ッッ!!待ってッ!立つからッ!!待って、ロバートッ!!」 立てないのは男が挿れたローターのせいだがそんな言い訳などロバートの前では何の意味も持たず、ハボックが立てないと言えばロバートは躊躇いなくマリアに危害を加えるだろう。ハボックは力の入らない足を懸命に踏ん張って、ヨロヨロと立ち上がった。 「ごめんなさい、ロバート……お待たせ、しました……」 小刻みに震えながらハボックが謝罪の言葉を口にするのを聞いて、ロバートはフンと鼻を鳴らす。クルリと背を向け先に立って部屋を出ていく男の背を、ハボックは壁に縋るように歩いて追った。階段を一段降りる度ローターが柔肉を抉りガクガクと躯が震える。気を抜けばヘタリ込んでしまいそうな躯を叱咤して、ハボックは何とか階段を下りきると玄関から外へ出た。 「遅い!」 「ご、ごめんなさい……ッ」 既に正面に回した車の運転席に座ったロバートから叱責の声が飛んで、ハボックは慌てて助手席に乗り込む。シートに腰を下ろした弾みにローターが前立腺を抉って、ハボックの唇から甘ったるい悲鳴が零れた。 「イヤラシい声だ。勃ってるんじゃないのか?ジャン」 ハボックの悲鳴にロバートはククッと喉奥で笑うとハボックの股間に手を伸ばす。ボトムの布越し、少年の性器が堅さを帯びていることを確かめて、男は言った。 「ズボンを下ろせ」 「えっ?で、でも……ッ」 住宅街で人通りは少ないとは言え人の目が全くないわけではない。そんなところで下肢を晒すなど、恥ずかしくて出来るはずもなかった。だが。 「ご、ごめんなさいっ、言う通りにします!」 灰色がかった緑の瞳で見つめられればハボックには拒むことなど出来ない。おずおずとボトムに手をかけるとボタンを外し下着ごとずり下げた。 「ロバート……ッ」 真っ赤な顔で己を呼ぶ少年の姿にロバートは満足げな笑みを浮かべる。ポケットの中からリングを取り出し頭をもたげ始めている幼い楔に填めた。 「あ……ッ」 「マリアの前でイきたくはないだろう?ありがたく思うんだな」 「は、はい……、ありがとう、ロバート……」 ピッタリと吸い着くような金属の感触に、ハボックは震えながら礼の言葉を口にする。服を整えればイヤラシいリングは視界から消えて、少年が施された無体の印を伺わせるものは何もなかった。 「行くぞ。病院に着くまでの間、少し愉しむといい」 「え……?────ンアッッ?!ヒィィッッ!!」 男の言葉の意味を確かめる間もなく動き出したローターに、ハボックはビクンと躯を跳ね上げる。低い振動音と共に後孔の中で動き回るローターに、ハボックは切れ切れの悲鳴を上げた。 「いやッ!!ああ……ッ!ああんッ!!」 座席のシートを握り締めて身悶える少年の姿に男は愉しそうに笑う。ハボックが高い悲鳴を上げるのを聞いて、ロバートは言った。 「あんまり大声を出すと外に聞こえるぞ、ジャン」 「ッッ!!」 男の指摘にハボックは慌てて唇を噛み締める。それでもともすれば零れそうになる声をこらえようと、ハボックは両手で唇を覆った。 「ンッ、んんッ!!んンンッッ!!」 後孔から沸き上がる快感が幼い楔に熱を溜めていく。徐々に食い込んでくるリングに、ハボックは目を見開いた。 「ロバート……ッ、リングが……ッッ」 「お前が子供のくせにイヤラシい躯をしているからだ。ちょっとローターを動かしたくらいでところ構わず勃たせるなんて、やはりお前は淫乱だな」 「そんな……ッ」 酷い言葉にハボックは声を詰まらせる。快楽と絶望にガタガタと躯を震わせる少年をチラリと見遣って、男は車を走らせた。 「マリアの前でイヤラシい顔を晒さんようにしろ、ジャン」 「……これ、外して……ッ、母さんの前でこんなの我慢できな……、アアッッ!!ヒィィッッ!!」」 懇願の言葉を口にした途端、ローターの動きが凶暴さを増してハボックは高い悲鳴を上げる。ローターに感じる部分を抉られて、ハボックは大きく目を見開いて躯を硬直させた。 「……ッッ!!……ァアッ!!」 ボトムの中でそそり立った楔の先端がじんわりと滲む。一瞬呼吸が止まった細い躯が弛緩して、ぐったりとシートに沈み込むのを横目で眺めながらロバートはクスクスと笑った。 「イったか。まったくお前は本当にイヤラシい子だ、ジャン。お前の淫乱ぶりをマリアに見せてやったらショックで流産するかもな」 「……やめて、……やめてください、お願い……」 母にだけは自分がされている酷い仕打ちを知られたくない。本来なら一番に助けを求められる筈の存在である母は、今のハボックには己とロバートの間の秘密を絶対に知られたくない存在だった。 「言うこときく……何でもロバートの言うとおりにするっス……だから母さんには知らせないで……母さんに酷いことしないで……」 必死にそう訴えるハボックの頬をロバートは手を伸ばして優しく撫でる。男が肌に触れるそのおぞましさに身を震わせるハボックに、ロバートは言った。 「だったら今のうちにたっぷりイっておけ。マリアの前でイきたくなければな」 「ヒィッ!!ヒアアアッッ!!」 男の言葉と同時に更に激しく暴れ出すローターに熱い内壁を抉られ前立腺を押し潰されて、ハボックは泣きながら身悶え続けた。 |
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