菫青石の恋 〜 second season 〜  第四十五章


「ッ!!───ッッ!!」
 ミチミチと狭い器官を押し開いて巨大な楔が押し入ってくる。強引に開かれる激痛に、ハボックは悲鳴を上げることすら出来なかった。目を剥き、男の腕を爪が刺さるほど握り締めてハボックは背を仰け反らせる。激痛で強張って震えることも出来ない細い体に、ロバートは思い切り舌打ちした。
「力を抜け、ジャン。これでは動かせん」
「……ッ、…ッッ」
 そう言われたところでハボックにはどうすることも出来ない。ただ浅い呼吸を繰り返して必死に痛みをやり過ごそうとするハボックを見下ろして、男はハボックの頬を思い切り張った。
「ヒ……ィッ」
「力を抜けと言ってるんだ」
 怒りのこもった声にハボックが微かに首を振る。苛々と顔を歪めたロバートは、痛みにすっかりと萎えてしまった幼い楔に手を伸ばした。そうして手にしたそれをゆっくりと扱き出す。ピクンと震えた細い体に男はうっすらと笑みを浮かべて手の動きを早めた。
「……ん……あっ」
 直接的な刺激で生まれる快感にハボックの体から僅かに力が抜ける。男はそれを見逃さず、狭い肉筒の中巨大な楔を動かし始めた。
「……ヒッ、アッ……アアッ!!」
 ガツガツと容赦なく突き上げられて、痛みと吐き気にハボックは弱々しくもがく。その仕草が男の嗜虐心を余計に煽って、ロバートは細い脚を抱え上げると抉るように突き入れた。
「ヒィィッッ!!」
 脳天を貫く痛みにハボックの唇から細い悲鳴が上がる。もうきっとこのまま死んでしまうのだと、ハボックの瞳から新たな涙が零れた。
「か、あさん……」
 男の動きのまま細い体を揺さぶられてハボックが呟く。病院のベッドの上で恐らくは息子の身を案じているであろう母を思えば、ハボックの瞳から涙が次から次へと溢れた。
「たすけて……」
 優しい母の面影に向かってハボックは弱々しく手を伸ばす。その時、一際深く抉った楔がググッと膨れ上がったと思うと、ハボックの中に熱い飛沫が叩きつけられた。
「ッッ!!ヒアアアアアッッ!!」
 体の奥深くを焼き付くす滾る熱にハボックは高い悲鳴を上げて体を硬直させる。ビクビクと震えた体がガクリとベッドに沈み込んで、ハボックの意識は闇に飲み込まれていった。


 高い悲鳴を上げてビクビクと震えたかと思うと、がっくりと力の抜けてしまった細い体をロバートは見下ろす。今度こそ本当に気を失ってしまったらしい少年を満足げに見つめて笑った。
「思っていた以上に楽しめる」
 セックスを知らない体はまだ快楽を受け止めきれずに辛いとばかり感じているようだが、敏感に反応する体は慣れれば快楽に溺れるようになるに違いない。
「ふふ……まだ始まったばかりだぞ、ジャン……」
 ロバートはそう囁くと一度ハボックの体から己を引き抜く。ピクンと震えたものの、まだ意識を取り戻さないハボックのしどけなく開いた狭間に目をやれば、強引な挿入に紅く腫れ上がった蕾が薄く口を開いて白濁を垂れ流しているのを見て、ロバートはクスクスと笑った。
 ハボックをそのままに一度ベッドを降り階下の仕事部屋へと向かう。たった一人の息子を慈しみ育ててきた、この家の守り手であった女性がいなくなった家は、新たな支配者となった暴虐な男の前に必死に息を潜めているかのようだった。ロバートは仕事部屋の棚の抽斗からアンプルを数本取り出す。そのラベルを確認した男は、その効き目を想像して楽しそうにクツクツと笑うと二階にとって返した。ロバートはマリアの部屋のクローゼットからキャスター付きの大きな姿見を取り出し、ハボックの部屋に運ぶ。ベッドが映る位置に据え付けると、机の上に放り出した注射器を取り上げアンプルを吸い上げた。
「さあ、これからもっともっと楽しもうか、ジャン」
 男は楽しそうにそう囁くと細い腕に針を突き立てた。


「……あ……」
 ぞわぞわと体中を蟲が這い回るような感触にハボックはゆっくりと目を開ける。ぼんやりと見やる視線の先にベッドに腰掛け見下ろしてくる男の姿が映って、ハボックはギクリと体を強張らせた。
「目が覚めたか、ジャン」
「……ロバート」
 ハボックは笑みを浮かべる男を震える声で呼ぶ。男が手を伸ばしてくるのを見て、ふるふると首を振った。
「嫌……ッ、これ以上やめて、ロバート…ッ」
 下肢に残る重い痛みが自分が受けた仕打ちを思い出させる。未だ脚が思うように動かせず、逃げることも出来ないまま弱々しく首を振る少年に、ロバートは楽しそうに笑った。
「嫌じゃないだろう?ジャン。気持ち悦くて散々善がり声を上げていたくせに」
「違うッ!」
「じゃあこれはなんだ?」
 ロバートは言ってハボックの脚に残る白濁を指で掬う。自分が吐き出したものを突きつけられて、ハボックはカアアと顔を赤らめた。
「悦かったんだろう?」
「違うッ!」
「尻に私のモノを突っ込まれて、たっぷり注ぎ込まれて、ヒィヒィ喘いでいたのは」
「違うってば!」
 男の言葉にハボックは叫んで己の体を抱き締める。ボロボロと泣きながら男を睨んだ。
「し、死んじゃうかと思った……痛くて…ッ、苦しくて…ッ」
「嘘つきめ」
「嘘なんかじゃ……ヒッ?!」
 男の言うことを必死に否定し続けていたハボックは不意に頬に伸びてきた男の手にビクリと体を震わせる。ロバートは細い体を引き寄せて抱き起こすと、少年の唇を塞いだ。
「んっ?!んんっ、んーーーーーッッ!!」
 歯列を割って押し入ってくる舌に、ハボックは逃れようとしてもがく。だが、口内を舌でまさぐられ急速にこみ上げてくる快感に、ハボックは目を見開いた。
「んっ……あ…ん……なん、で……ッ」
 ゾクゾクと全身を蟲が這い回るような快感にハボックはピクピクと白い内股を震わせた。
「はあ……ッ、ハッ!……ロバート…っ」
「どうした?」
 熱い吐息を零しながら腕の中で震える少年をロバートはじっと見下ろす。ハアハアと息を弾ませながら、ハボックはロバートの腕を握り締めた。
「変…ッ、体が……熱くて、溶けちゃいそう…っ」
 震えながら息を弾ませる少年をじっと見下ろしてロバートは言った。
「自分でこすってごらん……ほら、ジャン……」
 男は少年の手を取りすっかりと勃ち上がり密を零している幼い性器を握らせる。そとから自分の手で包み込み、少年の手ごとゆっくりと扱いてやった。
「アッ……ぅんっ……ッ、あん、アッ」
 クチュクチュと音を立てて数度扱くとロバートは手を離す。だが、手を離してもハボックの手は動きを止めるどころか激しく楔を扱き続けていた。
「アッ、ハアッ!あんっ、アアッ!!」
「イイのか?ジャン……」
 夢中で己の楔を扱く少年の耳元にロバートは囁く。ハボックはガクガクと頷きながら夢中で幼い性器を扱いた。
「あふ……やんっ、あっああんッ、んっ、アンッ!」
「いい子だ……そのまま正面を見るんだ、ジャン」
 伏せ目がちで己の楔を扱くハボックの耳元にロバートが囁く。言われるままぼんやりと快楽に霞んだ目を上げたハボックは、大きな姿見に映し出される姿にギクリと身を震わせた。
「あ……ヤダ…ッ、嫌ァ…ッ!!」
 しどけなく脚を開き己の楔を夢中で扱く少年。それが自分だと気づいたとき、ハボックの唇から悲鳴がついて出る。それでも手の動きを止めることなど出来ず、ハボックは嫌々と首を振った。
「嫌、ロバート……っ、ヤダ…ッ」
「恥ずかしがる事はない、ジャン」
「止まんないっ、……ヤなのに…ッ」
 恥ずかしくてはずかしくて消えてしまいたいくらい辛いのに、鏡から目を逸らす事も手を止めることも出来ない。羞恥に泣きじゃくるハボックに男は楽しそうに笑って言った。
「止める必要などない、続けるんだ。今もっと善くしてやる……」
 少年の耳元にそう囁いて、男は細い体を背後から抱き抱えるようにして持ち上げる。そうして猛る自身の上に少年の体を引き下ろした。
「ヒィッ?!ヒィィィッッ!!」
 ズブズブと貫かれてハボックが悲鳴を上げる。ロバートはハボックの手ごと少年の楔を握り締めると激しく扱いた。
「アアッ!!アアアッッ!!」
「イイだろう?ジャン……ほら、もっと手を動かせ…」
「ヤッ、んっ、アッアッ」
 耳元に囁かれる声に導かれるように、ハボックは自ら手を動かしてしまう。手を添えなくても大丈夫だと、ロバートはにんまりと笑うとハボックの楔に絡めていた手を離し、背後から細い脚を抱えなおした。
「行くぞ、しっかり手を動かしているんだぞ」
 男はそう言うなり激しく腰を突き上げる。
「ヒャウウウッ!!アアアッッ!!」
 そうすれば更に高い嬌声を上げて身悶えるハボックににんまりと笑った。
「アッ、んあっ!ヤアッ!嫌ァ…ッ!」
 心の奥底では嫌で嫌でたまらないのにどうすることも出来ず、ハボックは泣きながら手を動かし続ける。痛みばかりが先行していた筈の蕾も、今では熱い秘肉を抉られる度、蕩けそうな快感が沸き上がるようになっていた。
「ロバート……っ、助けてッ!変になる…ッ」
 自分の体なのに自分でどうすることも出来ない。ハボックはガクガクと体を震わせると握り締めた楔からビュクビュクと熱を放った。
「アアアアアッッ!!」
「くく……いいぞ、もっとだ、ジャン」
 達すると同時にきゅうきゅうと締め付けてくる蕾にロバートは満足そうに笑う。ピクピクと震える体を容赦なく突き上げればハボックが脚の上で身を仰け反らせて悶えた。
「アアッ、ああんっ」
「いいぞ、ほら、鏡を見てみろ。あんなに嫌らしくまとわりついてる……」
 耳元に吹き込まれる声にハボックは鏡に映る己を見る。無惨に割り開かれた蕾を凶悪な楔が出入りする度、赤い秘肉が見え隠れし、幼い楔から垂れる蜜がイヤらしく濡らしていた。
「あっ、あっ……嫌ッ」
「嫌じゃない、認めろ……気持ちイイんだろう?悦くて……ここが蕩けてしまいそうなんだろう?」
 感じやすい体から薬のせいで更に快感を引きずり出されていることなどハボックには判ろう筈もない。
「ほら……ジャン。気持ちイイな…、もっと突いて欲しい……?」
「あっ、ふあ…ッ、あ、くぅう…ッ!」
「ジャン……」
 ゴリゴリと巨大な楔で前立腺を押し潰されて、ハボックは目を見開き大きく背をしならせる。
「イイ……ッッ!!もっと、突いて……ッッ!!」
 遂に少年の唇からその言葉が吐き出された時、男はにんまりと笑って抉った最奥に熱を叩きつけた。


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