| 菫青石の恋 第三十九章 |
| ギュッとしがみ付いてくる体をロイもギュッと抱き返す。暫くの間ロイの胸に顔を埋めていたハボックは恐る恐るロイに聞いた。 「オ、オレも…しちゃ、ダメ…?オレもマスタングさんがオレにしてくれたみたいに…したいっス…」 こんなことを言ったら軽蔑されるかもしれない。そんなことが頭を掠めたものの、気がつけばハボックはそう口にしていた。これまでのように強要されての行為ではなく、好きな相手に触れたい、好きな相手を気持ちよくさせてあげたいという愛し合う行為としてのセックスの中でなら極自然に湧いてくる感情のままに、ハボックはそう告げる。だが、ロイの黒い瞳が驚いたように見開かれるのを見て、キュッと唇を噛み締めると視線を逸らした。 「ごめんなさい…やっぱ嫌っスよね…」 馬鹿なことを言ってしまったと目を閉じるハボックの頬をロイは両手で挟みこむと言う。 「シてくれるのか?私にも…」 その声に目を開ければ嬉しそうに笑うロイの顔。ほんの少し驚いて見つめればロイが言った。 「お前が嫌でないのなら」 そう言われてハボックはふるふると首を振る。ロイの胸から体を起こすとベッドの上に座りなおすロイの脚の間に顔を寄せた。隆々とそそり立つ熱にハボックはごくりと唾を飲み込む。そっと手を添えればピクリと震えるソレを見て、湧いてくるのは嫌悪ではなくひたすらに愛おしいと思う気持ちだけだった。ハボックは舌を伸ばすと先走りが零れる先端をぺろりと舐める。それから全体を口に含むと唇でじゅぶじゅぶと擦り上げた。 「ん…ぅふ…」 カリの部分に唇をかけるようにして擦り、空いた手で棹を扱く。眉を寄せて懸命に奉仕するハボックの蕩けた表情にロイの背をゾクリと快感が駆け上がりハボックの口を犯す自身が嵩を増した。 「んんっっ」 むくりと膨れ上がるそれにハボックは苦しげな息を漏らす。うっすらと涙を浮かべて、時折鼻から抜けるような甘い声を零す扇情的な姿にロイは慌てて自身をハボックの唇から引き抜いた。 「あ…っ」 「も、いいっ」 追おうとするハボックを押しやってロイは短く告げる。不安そうに見上げてくる空色の瞳にロイは苦笑すると言った。 「…出る。だから、もういい」 そう言えばハボックが目を見開く。ほんの少し不貞腐れたような表情を浮かべると言った。 「オレには出させたのに…。オレも…マスタングさんの…」 紅い顔で自分にも同じことをさせろと要求するハボックにロイは眩暈がする。思わず浮かんだハボックを汚してみたいという感情に慌てて蓋をするとロイはハボックに口付けた。深く唇を合わせてきつく舌を絡めればハボックが甘い吐息を零す。うっとりと蕩けた表情を浮かべるハボックの耳元にロイは囁いた。 「ひとつになりたい…お前の中に出したい…ダメか?」 そうはっきりと言われてハボックの顔がこれまでになく紅くなる。それでも小さく頷くハボックにロイは荒々しく口付けた。 「ん…ぅん…」 舌を絡め合い口内を探りあう。ハボックの肩を腕を胸を弄りながらロイはハボックの体をベッドに押さえつけた。熱く見上げてくる空色の視線に口付けるとロイはハボックの脚を抱え上げる。戦慄くそこに押し当てればハボックの喉がヒクリと震えた。グッと押し当てたそこに力を込めると蕾が花開くように広がっていく。みちみちと狭い器官にゆっくりと押し入っていけばロイの肩に置いたハボックの手に力が入った。 「や…ア…」 さっきこの手で、舌で触れた熱が自分の中に入ってきているのだと思うとゾクゾクとした快感がハボックの体を支配していく。急激にこみ上げてくるものにハボックは慌ててロイの胸を押しやった。 「ダ、メっ…ま、待って…ヤダっ…ヤッ…ア、ヤアアッッ…!!」 ハボックはロイがまだ半分も己を埋め込まぬうちに熱を放ってしまう。それでもすぐさまこみ上げて来る快感にハボックは大きく目を瞠った。 「う、そ…っ、なんで…っっ」 まだロイが入りきっていないうちからイってしまったことにハボックはショックを受ける。だが、繋がったそこから次々と湧き上がってくる感覚にハボックは怯えて首を振った。 「やだ…っ、な、に、これ…っ」 とろとろと全身を支配する快感にハボックは浅い呼吸を繰り返す。そうするうちに再びこみ上げて来た射精感にハボックは必死に身を捩った。 「ヤッ…ぬ、いてっ…ヤダァッ」 ボロボロと泣き出してしまうハボックにロイは慌ててハボックの顔にキスを降らす。落ち着かせようと何度も何度も口付けて、ロイはハボックに聞いた。 「辛いのか…?」 きちんと濡らして解して大事に扱ったつもりだったが足りなかったのだろうか。ハボックの涙を唇で拭いながら聞けばハボックが切れ切れに答えた。 「なん、でっ…こんな…気持ちイイ、の…?」 男を受け入れるという形は変わらないのに蕩けるようなこの快感は何故だろう。熱い吐息を零しながら「判らない」と呟くハボックにロイは笑った。 「愛し合っているんだからな…」 そう言って軽く揺すりあげればハボックが短い悲鳴と共に再び熱を放つ。ロイは熱を吐き出して震えるハボックの中心に指を絡めると言った。 「私達は愛し合っているんだ…悦くて当然だろう?」 「愛し合って…」 「そうだ」 ロイはそう言うと熱に濡れたハボック自身の先端をこねる。鈴口を押し開くようにして何度もこねればそのたびにロイを含んだそこがいやらしく蠢いた。 「っくぁっ…イヤッ…ダメ…っ」 ハボックはブルブルと震えるとロイにしがみ付く。耳元を掠める荒い息遣いにロイはうっとりと笑うと先端をきつく引っかいた。 「あっあっ」 ハボックはロイの肩に歯を立てると必死に耐えようとする。ツキンと走る痛みすら愛しくてロイは乱暴にハボック自身を扱いた。 「ヤアアアンッッ」 びゅくびゅくとロイの手の中に吐き出してハボックは息を弾ませる。ロイを睨むように見ると言った。 「ひどい、オレばっかり…っ」 自分ばかりが喘がされイかされる事に、ハボックが不貞腐れたように唇を尖らせる。ロイはそんなハボックに笑うとその唇に口付けた。チュッと何度も唇に触れるだけのキスをしてハボックを見下ろす。熱を灯す空色の瞳にロイはねっとりと舌を這わせた。 「う…くぅ…」 そんな行為すら感じるのだとハボックは身を震わせながら思う。ロイの頬を両手で包み込むとその黒い瞳をまっすぐに見つめて言った。 「好き…大好き…」 「私もだよ、ハボック」 ロイがそう返せばハボックが幸せそうに笑う。その綺麗な笑顔にロイは堪らず噛み付くように口付けた。ハボックの脚を抱えなおすとガツガツと突き入れ始める。 「ヒャッ…アッアアッ!」 突然始まった乱暴な抽送に、ハボックは縋りつくようにロイの背に手を回した。ガンと奥を突かれたと思うと、ズルとギリギリまで引き抜かれる。そのたび熱い粘膜が激しくこすられて、湧き上がる快感にハボックは身悶えた。 「アアッ…アッ…アアンッ」 自分の声とは思えぬような甘ったるい喘ぎが唇から零れて、ハボックは恥ずかしくてギュッと目を瞑る。その途端、ロイに呼ばれてうっすらと目を開けた。 「私を見ているんだ…」 そう言われてハボックは僅かに目を見開いたが、それでも必死にロイを見つめる。大きく開かれた下肢の間奥深くを犯す熱がロイなのだと伝えてくるようで、ハボックはうっとりと笑った。 「アッ…ぅふん…アッアッ…」 「ハボック…ハボック…ッ」 ガツンと奥を突かれるのと同時に身の内を焼く熱い飛沫にロイが達したのだと察する。中を熱く濡らされることで得る快感にハボックは甘い吐息を零した。もっともっとロイを感じたくてハボックはロイを抱き締める。 「もっと…欲し…」 そうハボックが甘く強請れば、ロイが嬉しそうに笑った。 |
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