グラプスヴィズの誘惑  第七章


「なにをグズグズしている?さっさと脱げ」
「や、でもっ」
「恥ずかしがる必要などないだろう、男同士なんだから」
 ロイはそう言いながらさっさと服を脱いでしまう。そうしてまだ服を着たままのハボックを見て言った。
「脱げないなら脱がせてやろうか?」
「けっ、結構っス!!」
 ハボックは裏返った声で叫ぶとロイに半身を向ける。やはりこのまま出てしまおうかと思ったが、クスリと笑うロイの気配を感じればなんだか悔しくなって、ハボックは乱暴に服を脱ぎ捨てた。
「よく脱げました」
 ロイはからかうように言うと扉を開けて奥に入る。もう湯が中程までたまった湯船からあがる湯気で浴室の中は煙っていて、後からついて入りながらハボックはほんの少しホッとした。だが。
(これなら大佐の事あんまりよく見えなくていいと思ったケドっ)
 かえって白い湯気に霞む肌が艶めかしく見える事に気づいてハボックは一緒に風呂に入ったことを激しく後悔する。交互にシャワーを使いながら、ハボックは己の中心が反応し始めている事に気づいて顔を赤らめた。
(なに興奮してんだ、オレっ)
 隣で髪を洗うロイに気づかれたらと思うと気が気でない。ハボックは太股をすり寄せるようにして半ば立ち上がり始めている楔を何とか隠そうとした。
「背中流してやろうか?」
「エッ?」
 不意にロイがそう言うのが聞こえてハボックはギョッとしてロイを見る。そうすればロイの黒い瞳がこちらを見ている事に気づいて、ハボックは腿を更に強く合わせた。
「やっ、大佐にそんなことして貰うなんて畏れ多いッ!ケッコウっスッ!!」
「別に遠慮する事はないだろう?今はプライベートなんだから」
 ロイはそう言って立ち上がる。前を隠しもしないロイのスラリとした白く滑らかな肢体に、ハボックは顔から火が噴き出そうなほど真っ赤になった。
「いやいやいや、マジケッコウっスからッ!!」
 顔の前で手を大きく振りながらもハボックはロイの躯から目が逸らせない。ロイはそんなハボックにクスリと笑うとスポンジを手に取りボディソープを振りかけた。
「ほら、向こうを向け。それとも前を洗って欲しいのか?」
「ッ!!」
 そう言われてハボックは慌ててロイに背中を向ける。そうすればロイが泡立てたスポンジでハボックの広い背中をこすった。
「大きな背中だな」
「そっ、そうっスかッ?」
「ああ、思わず縋りつきたくなる」
 ロイはそう言って背後からハボックの胸に腕を回して身を寄せる。滑らかな肌が押しつけられる感触にハボックは慌てて身を捩った。
「たっ、大佐ッ?!」
「ふふ、勃ってるな」
 身を捩った拍子に開いた脚の付け根で頭をもたげるものを見てロイが楽しそうに言う。慌てて隠そうとするハボックより早く股間に手を伸ばすと、ロイは息づくそれをやんわりと握り締めた。
「私に興奮してくれてるわけだ、嬉しいよ、ハボック」
「ちょ……ッ、大佐ッ」
 ロイは言いながらハボックの頬を舐める。背後から抱き締めてくるのは己より二周りも小さくほっそりとした躯であるにも関わらず、ハボックはロイを振り解けなかった。
「大佐ッ、マジヤバイっスからッ!!」
 背後からまとわりついてくる肢体に、ハボックは身を捩って言う。今ではハボックの中心は高々とそそり立って、ロイの手の中でビクビクと息づいていた。
「ほんッとにやめて下さいって!」
「何故?」
 風呂に大きな声を響かせて拒絶するハボックにロイは問いかける。手で楔を包み込んだままロイはハボックの正面に移動した。
「何故?私たちはつき合ってるんだろう?」
「それはそうっスけど……ムムッ」
 つき合っているとは言え今はまだお試し期間の筈だろう。そう言おうとしたハボックは押しつけられた唇に言葉を奪われて目を見開いた。
「んっ、んんんッ!!」
 ロイは唇を合わせたままハボックの楔を刺激する。今ではそそり立った先端からとろとろと蜜を垂れ流すそれをやわやわと擦れば、合わせた唇から入り込むハボックの吐息が温度を上げた。
「大佐っ、マジ……それ以上したらっ、ヤバイっスから!」
 ハボックはロイの躯を押しやって言う。そうすればロイがハボックを見つめて言った。
「何故だ?私たちはつき合ってるんだからなんの問題もないだろう?」
「でもっ、オレ、まだ大佐のことどう思ってるのか判ってねぇしッ」
「なら、抱いてみてから考えてみればいい」
 ロイはそう言うとハボックの前に屈み込み股間に顔を寄せる。ハボックが制止の言葉をかける前に、ロイは逞しい男根を口の中に迎え入れてしまった。
「たいっ、さッ」
 ロイの細い肩を掴んでハボックはロイを押し返そうとする。だが、熱い口内にハボックを咥え込んだロイに上目遣いに見つめられて、ハボックはロイの肩に手を添えたままゴクリと唾を飲み込んだ。
「ん……んふぅ」
 巨大な牡を口いっぱいに頬張ってロイは甘く鼻を鳴らす。楔を咥えた唇の端から飲みきれない唾液を垂れ流して、ロイはじゅぶじゅぶと楔をこすった。
「たいさ……ッ」
 うっとりと蕩けた表情で奉仕するロイを見ればハボックの楔が嵩を増す。ゾクゾクと背筋を快感が走り抜け、ハボックはロイの濡れた髪を鷲掴むとその喉奥に己を突き入れた。
「んぐぅッ」
 そうすれば苦しそうに顔を歪める様が堪らない。ハボックはロイの髪と肩を掴んでロイの唇を乱暴に犯した。
「んんっ、んふ……ッ、ふぐぅ……ッ!」
 突き入れる度ロイの綺麗な顔が苦痛に歪み、滑らかな背中が震えるのが見えてハボックは興奮する。ハボックはロイの顔を引き上げるように掴んだ黒髪を引っ張って囁いた。
「出しますよッ、大佐!」
 そう言うと同時にロイの口内を犯す楔がググッと膨れ上がる。次の瞬間、ハボックはロイの喉奥に白濁を叩きつけていた。


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