| サイゴまで 4 |
| グイと腕を引けばロイの身体が腕の中に飛び込んでくる。腕の中に閉じ込めた身体を見下ろしてハボックは言った。 「この間も思ったっスけど、アンタほんと細いっスね。腰なんて女の子より細そう」 「ッ、そんなわけないだろうっ!」 女の子より細いなどと言われてロイがムッとしてハボックの腕を振り解こうとする。自分を囲む逞しい腕から逃れようとして敵わないのが判ると、悔しそうにハボックを睨んだ。 「そんなに言うなら確かめさせて貰いますね」 「ッ!……いいとも」 にっこり笑って言うハボックに、一瞬ギョッとしながらもロイはツンとして頷く。その負けん気の強さに惚れ惚れしながらハボックは言った。 「じゃ、行きましょうか」 ハボックはそう言うなり腕の中のロイをヒョイと抱き上げる。驚きに零れ落ちそうなほど見開く黒曜石を見つめてハボックはニヤリと笑うとゆっくりと歩きだした。リビングを出て廊下の一番奥にある浴室に向かう。ロイを抱いたまま器用に扉を開けると脱衣所に入った。 「脱がせてあげましょうか?」 「子供じゃあるまいし…自分で脱ぐっ」 ロイの足をおろして尋ねれば、ロイは言ってボタンに手をかける。一つ二つとゆっくり外していれば聞こえてきたハボックの声にボタンを外す手が止まった。 「積極的なのはいいっスけど」 「な……ッ」 反射的に振り向けば途端に目に飛び込んできた逞しい身体に、ロイは目を見開いて凍り付いた。 「なんスか?」 ハボックは何でもないように言って小首を傾げる。だが、ロイがなにも答えないと判ると、さっさと着ているものを脱ぎ捨ててしまった。 「大佐、脱ぐの遅いっスね。やっぱ手伝ってあげましょうか?」 「いっ、いいッッ!!」 伸びてくる手をかわしてロイは叫ぶ。ギュッとボタンを握り締めるロイにハボックは肩を竦めて浴室の扉を開けた。 「じゃあ、先に入ってますけど、大佐も早く来てくださいね。ぐずぐずしてると風邪ひくっスよ」 「わ、判った」 ハボックは言ってさっさと湯気の向こうに行ってしまう。パタンと扉が閉まるのと同時にロイの肩から力が抜けた。 「……カッコいい」 ハボックが日々鍛錬に励んでいるのは知っているし、軍服の上からでもその身体が十分鍛えられたものであるのは判っていた。だが、こうして改めて見れば、その鍛えられた筋肉は一種芸術品と言えるほど美しくカッコよかった。 「…………」 ロイはキュッと唇を噛むと着ていた服を脱ぎ捨てる。一瞬躊躇ったものの扉を開いて中へと入った。 「大佐」 冷たい空気の流れにハボックが肩越しに振り向く。ロイはそれには答えずハボックの隣に腰を下ろした。スポンジを手に取りボディソープを泡立て身体を洗い出す。無言で身体を洗うロイをチラリと見て、ハボックはクスリと笑うと何も言わずに髪を洗い始めた。そのまま互いに口を開かず浴室の中には湯を使う音と湯気だけが立ち込める。それでも隅々まで洗ってしまえば互いの存在を意識せざるを得ず、無駄にシャワーの滴を浴びるロイにハボックが言った。 「シャワーじゃ体、あったまらないっスよ。湯船に浸かりましょ」 「う、うん」 頷くロイの手からハボックがシャワーヘッドを取り上げる。キュッと捻って湯を止めるとフックに引っかけて言った。 「入るっスよ?」 赤い顔で固まっているロイにハボックは声をかけて湯船に足を入れる。ザブンと湯が揺れる音にハボックが湯船に浸かったのを察したものの、ロイが動かずにいればハボックが湯船の中から言った。 「気持ちいいっスよ、大佐も早く入って」 言われてロイはぎくしゃくと立ち上がる。湯船の脇に立つとハボックを見ずに足を入れる。大きな湯船のハボックが寄りかかっているのとは反対の隅に、脚を抱えて蹲った。 「なんでそんなに小さくなってるんスか。せっかくデカい湯船なのに」 いかにもハボックに触らないようにしてます!といった風のロイの様子にハボックがおかしそうに言う。 「別にいいだろうっ、縮こまって入るのが好きなんだ、私はっ」 面白がるような声にロイは湯を睨みながら答える。頑なにこっちを見ようとしないロイに笑みを浮かべたハボックは不意に腕を伸ばした。 「ッ?うわっ?!」 腕を掴まれたと思った途端、湯の中にふわりと身体が浮く。気がついた時にはハボックに背を預けるようにして、ロイは長い脚の上に座らされていた。 「な…っ、おいっ」 「あんっ」 思わず脚の上で身を捩って振り向けばハボックがわざとらしい声を上げる。ギョッとして固まるロイにハボックが言った。 「そんなとこでグリグリされたら感じちゃう」 「…ッ、馬鹿ッ!!」 そんな風に言われれば自分の尻の下にあるものを嫌でも意識してしまう。心持ち硬さを増したような気がして、ロイはそろそろと体の向きを戻した。そんなロイにハボックがクククと笑う。ムッとしたものの再び振り向くわけにもいかず、脚の上でじっとしているロイの耳元にハボックが言った。 「やっぱ大佐、細いっスね。オレの腕ん中にすっぽり収まっちまうし」 「ッ、そ、そんなことッ」 耳元に吹き込まれる低い声に背筋をゾクリと何かが駆け上がる。振り向こうにも振り向けずにいれば、ハボックの手がロイの胸を抱き抱えるように回された。 「ほら、こんなに細い」 「アッ?」 ハボックは言って腕に力を込める。大きな両手に胸をすっぽり包まれて、ロイは思わず身を屈めた。 「ハボっ」 「なんスか?大佐がどんだけ細っこいか、確かめさせてくれるんでしょ?」 「ッ!」 そう言えばそんな会話をしたことをロイは思い出す。ハボックは抱え込んだロイの胸の頂に指を這わせると、色素の薄いそれを指先で押し潰した。押し潰した乳首をそのまま指の腹で捏ねる。そうすればロイの体がビクビクと震えた。 「ハボック!」 「なに…?大佐……」 「ッッ!!」 抗議するように名を呼べばハボックが耳元で答える。空気の流れになって耳に吹き込まれる声に、ロイはぞくんと大きく震えた。 「大佐……」 「…ッ、あっ、や…ッ!」 ハボックは息を吹き込むようにロイを呼びながら乳首を弄ぶ。押し潰した乳首を両手の人差し指と親指で摘むと、グリグリとすり合わせるようにしながら引っ張った。 「ヤアッ!」 引っ張る動きに合わせるようにロイは胸を突き出してしまう。もっとと強請るような動きにハボックがクスリと笑えば、ロイがハボックの腕を掴んだ。 「ほ、細いかどうかを確かめるのに、そんなところを弄る必要はないだろうッ」 「……言われてみりゃそうっスね」 すんません、と胸から指が外れてロイはホッと息を吐く。だが、次の瞬間ハボックの手が下へと滑っていくことに気づいてギョッとした。 「ハボック!」 「だって大佐が自分の腰は女の子より細くないっていうから」 確かめなくっちゃ、とハボックはロイの下腹の辺りをさする。 「どうかなぁ。細いような気もするし、細くないような気もするし……」 ハボックは言いながらロイの体を撫でさする。大きな掌はともすればロイの茂みを掠めて、さわさわと動くその刺激にロイは中心にじんわりと熱が溜まるのを感じた。 「も、もういいだろうっ」 これ以上触られたらどうにかなってしまいそうで、ロイは慌ててハボックの手を押さえる。だが、ハボックは片手でロイの両手首を持って自分の手から外させると言った。 「まだダメ。よく判んないし」 ハボックはそう言いながら手首を押さえていない方の手でロイの下腹を撫で回す。手の動きに合わせて柔らかく湯が動くのすら刺激になって、ロイはピクピクと体を震わせた。 「……ッ、ぅ、…ンッ」 そこから意識を逸らせようとすればするほど、ハボックの手の動きと押し寄せる湯の刺激を感じてしまう。ふぅ、と耳元に息を吹きかけられて、ロイはハボックの肩に頭を預けるようにして背を仰け反らせた。 「アッ、んっ」 「大佐?」 気がつけば湯の中で、勃ち上がったロイの楔がゆらゆらと揺れている。ハボックは腕の中でピクピクと震えるロイを抱き締めるとその耳元に囁いた。 「感じちゃいました?大佐」 「アッ、…違…ッ」 「もっと気持ちよくさせてあげるっスね」 「んあっ!」 囁くのと同時にカリと耳朶を噛まれてロイの体がピクンと震える。ハボックは下腹を撫でていた手を滑らせてロイの楔をそっと包み込んだ。ビクッと震えるのに構わずゆっくりと扱き出す。 「やっ、アッ!ハボ…ッ!!」 「大佐……」 直接的な刺激に体を大きく震わせてロイがもがく。バシャバシャと湯を跳ね上げてもがく細い体をしっかりと抱き締めて、ハボックは手の動きを早めた。 「あんっ、アッ……くぅ…ッ!」 柔らかい湯の中で施される淫靡な行為に、ロイの唇から零れる声が温度を上げる。一際高く湯を跳ね上げるのと同時に、ロイは背を仰け反らせた。 「アッ、アア───ッッ!!」 高い悲鳴を上げてロイが熱を迸らせる。ビクンビクンと大きく体を震わせたロイは、がっくりとその細い体をハボックの胸に預けた。 |
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