| 平行世界27 |
| 「今度はロイかよ…」 呆れたように呟くヒューズにハボックとジャンが顔を見合わせる。 「大丈夫かな、ロイ」 「きっとマスタング大佐殴ってるぜ」 そう言うハボックにジャンが目を瞠った。 「消える直前の言葉が“一度殴らないと気がすまない”だったから」 「うそ…」 そんな二人の会話を聞いていたブレダがホッと安心したようなため息をつく。 「あー、入れ替わりでこっち来たのが俺でよかった…」 「ブレダ」 眉をひそめるジャンにブレダは顔を顰めた。 「だって、お前がこっちに来てからというもの、すっげー大変だったんだぞ。クリスは怒りまくってるし、大佐は機嫌悪いし」 「クリス、いるの?」 「お前と入れ替わりに出てきたからな」 そう言われて「どうしよう」と呟くジャンを尻目にブレダはジャンのベッドに仰向けに身を投げ出すと言う。 「まあ、とにかく俺はちょっとのんびりさせてもらうわ。クリスにこき使われて大変だったんだ」 3キロは痩せた、と言うブレダの腹をヒューズが叩きながら言った。 「まあ、なるようにしかならんさ。それにこれで一気に解決と行くかも知れんしな」 「中佐…」 「ロイも直接そっちの大佐に言いたいこと言えればスッキリすんだろ」 な、と言ってウィンクするヒューズに、ハボックもジャンも仕方なしに頷く。 「それよりせっかく少尉が二人もいるんだ。何か上手いものでも食わせてくれよ」 「あ、それ、いいですねっ」 ガバッと起き上がったブレダが嬉しそうに言った。 「悩んでも仕方ないだろ、のんびりしようぜ」 酒のボトル、開けちゃおうぜとブレダを誘うヒューズに、ハボックとジャンは顔を見合わせ苦笑したのだった。 2008/06/09 → 28 26 ← |