平行世界14
 
 
ロイハボ風味

「大佐」
遠慮がちなハボックの声が聞こえてロイは読んでいた本から顔を上げる。リビングの入口に立っているハボックをチラリと見たが、すぐ視線を本へ戻した。
「どうした? ビリーのところにいなくていいのか?」
「もう寝たから」
ハボックはそう言うとロイの前に立つ。視線を上げてくれないロイに唇を噛むと言った。
「怒ってます?」
「何をだ?」
そんな風に言われては取り付く島がない。ハボックが小さくため息をつけばロイが漸く本から顔を上げてハボックを見た。
「私はいけ好かないエロオヤジだからお前に触っちゃいけないんだそうだ」
そう言えばハボックが眉を顰める。そんなハボックを見ながらロイは続けた。
「お前とビリーはキスした仲だそうだしな」
「キスなんて、子供の挨拶みたいなもんスよ」
「どうだかな」
ロイはそう言うとまた本へ視線を戻してしまう。ハボックはロイの手から本を奪い取ると言った。
「オレとアンタはキスをした仲どころじゃないでしょっ」
「そうか? もう随分お前に触ってないから忘れたな」
意地悪くそう言うと、ロイは本を奪い返そうとする。ハボックは本を後ろに放り投げると本を取ろうと伸びてきたロイの腕を掴んだ。
「おいっ、本を乱暴に扱うなんて――
本を放り投げた事にムッとして言いかけたロイの襟首をハボックは両手でむんずと掴む。ロイの膝に乗り上げるように体を預けると噛み付くように口付けた。
っ」
深く合わされた唇の間からハボックが舌を差し入れてくる。散々に口内を嬲って漸く唇を離したハボックをロイが驚いて見上げれば、ハボックは顔を歪めて言った。
「オレがアンタに惚れてんの、知ってるくせにっ」
ハボックはそう言うとロイの肩口に顔を埋める。目を見開くロイを見上げると言った。
「たいさオレのこと、抱いて?」
ハボックはそう言うと甘えるようにロイの肩に頭を擦り付ける。ロイは無表情にハボックを見下ろすと言った。
「いいのか? ビリーは――
「もう寝たって言ったでしょっ」
ハボックはそう言うと、ロイの膝に載ったままシャツを脱ぎ捨てる。ソファーに片膝をついてロイの頭を胸に抱え込むと言った。
「ね、シよたいさ
甘く強請る声にロイも流石にそれ以上意地の悪いことを言えるはずもなく。クスリと笑うとハボックの腰に手を添えて言った。
「お前から強請ったんだからな。やめて、はナシだぞ?」
そう言ってハボックの双丘をゾロリと撫でればハボックは熱い吐息を零す。
「勿論っスよ
そう言うとどちらからともなく口付けていった……

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2008/05/26


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