平行世界14  つづき
 
 
「ん…」
ぴちゃぴちゃと音を立てながら舌を絡めあう。お互いの口中をくまなく弄ってようやく唇を離したころには、ハボックの唇
はしっとりと濡れ、空色の瞳はうっとりと蕩けていた。ロイはソファーに膝立ちになっているハボックのズボンに手をかける
と下着ごと引き摺り下ろす。ハボックはロイを手助けするように一度ソファーから立ち上がると、ズボンを脱ぎ捨てた。
「ハボック…」
低く囁いてその手首を引けば、何の抵抗もなくハボックが胸の中に倒れこんでくる。その体を抱きしめるとロイはハボック
の乳首に舌を這わせた。
「アッ」
久しぶりの感触にハボックの背を快感が走り抜ける。ぴちゃぴちゃとわざと音を立てて舌を絡めるロイの頭を抱え込む
ように抱き締めると、ハボックは自分の方から胸をすり寄せて言った。ロイはそんなハボックにクスリと笑うと、片方を
舌と唇で、もう片方を指で愛撫してやる。
「んふ…んんっ」
瞬く間に硬く尖り色づく頂に、ハボックは甘い声を零した。
「ア…ンッ…たい、さ…っ」
ハボックはそう囁きながらもどかしげに腰を揺らめかす。ハボックの中心は既に腹につくほどいきり立ち、先端からとろとろ
と蜜を零していた。
「なんだ、もう欲しいのか?」
笑いを含んだ声でロイがそう聞けばハボックが悔しそうに答える。
「だって…久しぶり…っ、アッアッ」
甘く歯を立てられてハボックは胸を仰け反らせて喘いだ。それと同時にそそり立った先端から蜜が珠になって零れ落ちる。
「ア…はあん…っ」
僅かな愛撫にも感じてしまう体を持て余して、ハボックはロイの思うままにその身をくねらせるのだった。

「あ、れ?…ジャン?」
ふわりと浮き上がった意識にビリーは目を開けるときょろきょろとあたりを見回す。灯りの落とされた寝室は薄闇に沈んで
ビリーは広いベッドに一人きりでいる事に気付いた。
「どこ行ったんだろう、ジャン…」
眠る時には確かに傍についていてくれていた。いい年をして甘えているとは思ったが、それでもビリーはハボックと一緒
にいたかった。たった一人、それまでそんな世界が存在するとは考えてもみなかった場所に飛ばされて不安に押し潰され
そうなビリーにとって、ハボックはかけがえのない存在であり、ロイとは別の意味で惹かれた相手だった。
「ジャン?」
夜の闇の中、ほんの少しでも離れているのが切なくて辛くて、ビリーはベッドから下りると裸足のまま部屋を出て行く。音
を立てずに階段を下りると、灯りの漏れているリビングへと歩いていった。暗い廊下から明るいリビングへ入ろうと、僅かに
開いた扉に手をかけたビリーは、漏れ聞こえた声にハボックが中にいるのだと気付いて笑みを浮かべる。だが開けようと
扉にかけた手をそのままに、隙間から覗いた光景を見たビリーはその場で凍り付いてしまった。
「アッ…あふ…」
煌々と灯りに照らされたリビングのソファーに座ったロイの上に、圧し掛かるように跨った白い体。それがハボックのもの
だと気づいた時、ビリーは信じられないものを見るように目を見開いた。
「ア…たいさぁ…」
ハボックの唇から零れるのはビリーが聞いた事もないような甘く、熱を含んだ声。
「仕方のないヤツだ…」
強請るように名を呼ぶハボックにロイが苦笑するとその指をハボックの口元に差し出す。ハボックは差し出された指に舌
を絡ませるとぴちゃぴちゃと舐めた。楽しそうにをれを見つめていたロイは指がたっぷりと濡れたのを見ると、その指を
ハボックの双丘に回し、その間につぷりと差し入れる。
「アアッ」
その指にクチクチと蕾をかき回されて喘ぐハボックをビリーは呆然と見つめていた。目を離したくても離せないでいるうち、
ロイの指が2本、3本と増やされ、ハボックの喘ぐ声も大きくなる。ハボックはロイの頭を抱え込んで噛み付くように口付け
ると言った。
「も、はやくっ…たいさっ」
そう言って指を含んだ双丘をくねらすハボックをロイは楽しげに見上げる。その時、微かな音がしてロイが視線を向ければ、
扉の隙間から覗くビリーと目が合った。ロイは一瞬驚きに目を見張ったが、次の瞬間にんまりと笑うとハボックへと視線を
戻す。乱暴に指を引き抜くとハボックに言った。
「はやく、なんだ?ハボック」
「あ…」
「はっきり言いなさい。でなければ判らないぞ」
「い、挿れて…っ、お願い…っ」
そう強請るハボックの声にビリーの目が見開くのをロイは視線の端で捕らえる。ビリーが食い入るように見つめているのを
知りながら、ロイは自身を取り出すとハボックの蕾に押し当てた。
「自分で挿れてごらん、ハボック」
「あ…そ、んな…っ」
「欲しいんだろう?だったら自分で挿れるんだ」
そう言えばハボックがキュッと唇を噛み締める。だが、決定的な刺激を求める体はその誘惑に勝てるはずもなく、ハボック
はロイの熱に手を添えて自身の蕾に宛がうと、ゆっくりと腰を下ろしていった。
「あ、あ、あ」
ずぶずぶと滾るロイを飲み込みながらハボックが背を仰け反らせる。根元まで飲み込んでしまうと、ハアハアと胸を弾ませ
ロイの肩口に顔を寄せるハボックにロイが言った。
「動いて。全部自分でやるんだ…」
「あ…」
意地の悪いロイの言葉に、ハボックは泣きそうな顔をして、それでもゆっくりと腰を揺らし始める。最初は躊躇いがちだった
動きはだんだんと激しさを増し、それにつれてハボックの唇からも熱い喘ぎが零れた。
「アッ…アアッ…た、いさっ…ハッ、アアンッ」
じゅぶじゅぶといやらしい音を立ててハボックが腰をくねらす。ロイは扉の隙間からビリーがロイを咥え込んだハボックの
蕾を凝視していることを感じながら乱暴に突き上げた。
「ヒアッ?!アアッ…ヤアアッッ」
ガツガツと乱暴に突き上げられてハボックの唇から嬌声が上がる。ハボックは空色の瞳に涙を滲ませ、喉を仰け反らせる
とビクビクと体を震わせた。
「アッアッ…イくっ…たいさっ…も、でちゃうっ」
「ダメだ、ハボック。私がいいと言うまでイくな」
ロイはそう言うとハボックの手を取り、今にも弾けそうな中心を握らせる。その根元を押さえるように指を回させると言った。
「勝手にイくなよ、ハボック」
「あ…そ、んなっ…ヒアアッ!」
ロイはハボックの双丘を割り開くように掴むと入口まで引き抜いた自身を次の瞬間一気に根元まで突き入れる。
「ヒイイイッ!!…アアッ!アッ…たいさぁぁっっ!」
乱暴な抽送にハボックは啼きながら身悶えた。それでも言われるままにイってしまわぬよう自身を必死に縛める姿を
ロイはうっとりと見上げ、それから扉のところから覗き見るビリーを見た。ビリーは空色の瞳を見開き、口をポカンと開けて
ハボックの身悶える様を食い入るように見つめている。ロイはそんなビリーの様子に小さく笑うとハボックへと視線を戻した。
情け容赦なく引き抜き突き入れながらハボックに聞く。
「どうした、ハボック。言いたいことがあるなら言いなさい」
「アッアッ…も、ダメっ…イかせてっ」
「それだけ?」
突き入れた自身でハボックを揺さぶればハボックの唇から悲鳴が上がった。ハボックはロイの肩に置いた手に力を込める
と言う。
「たいさの…ちょうだい…オレん中、たいさで濡らして…っ」
最後は叫ぶように言ったハボックの言葉にビリーが小さく呻く声が聞こえた。ロイはハボックの頬に手を当てるとハボック
を呼ぶ。ハボックは腰をくねらせてロイを見つめると言った。
「たいさ…好きっ…だから、はやく…っ」
ちょうだい、と強請るハボックにロイはうっとりと笑うとハボックの腰に手を添える。数回きつく突き上げて、その最奥へ熱
を叩きつければハボックの唇から悲鳴が上がった。
「アッアアア―――――ッッ!!」
ロイの熱で身の内を焼かれながらハボックはびゅくびゅくと白濁を吐き出した。背を仰け反らせ涙に濡れた空色の瞳を
見開いて達すると、ハボックの体から力が抜ける。くたりともたれかかってくる体を抱きしめてロイは何度もハボックに
口付けた。暫く口付けを交わした後、ハボックを抱き締めながらロイは扉に視線を向ける。そうすれば逃げるように背を
向けるビリーの姿が目に入って、ロイは薄っすらと笑うとハボックを抱く腕に力を込めたのだった。

「ちっきしょおっ!あのオヤジ…っっ!!」
ビリーは2階に駆け上がって寝室へ飛び込むと、ベッドの上の枕を掴みバフバフとベッドを殴る。ひとしきり殴った後、ハア
ハアと息を弾ませながら、ビリーはガクッと床に膝をついた。
「ちきしょう…ちきしょうっ」
自分が見ているのに気付いていながらハボックを抱いていたロイに、ビリーは怒りと嫉妬で手にした枕を思い切り床に
叩きつける。乱暴な扱いにどこか生地が破けたのだろう、ふわりと舞い上がる羽根を見た途端、ビリーはこみ上げてくる
ものに顔を歪めた。どんなに優しくしてくれていてもハボックがロイのものである事は判っていた。ハボック自身もビリー
にはっきりとそう言ったし、ビリーも判っているつもりだった。それでもああもまざまざと見せ付けられると、胸が締め付け
られる様に苦しい。どの世界でもハボックはロイの物でロイはハボックの物なのだと思い知らされて、ビリーは悔しさで
胸がいっぱいになる。
「くそっ!!」
バフンともう一度枕を叩きつければ大量の羽根が宙に舞った。
「絶対ぶん殴ってやるっっ!!」
ビリーはやるせない気分でそう叫ぶと、枕の羽根をこれでもかと言う様に部屋中に撒き散らしたのだった。


2008/5/26
 
大佐にはオアズケ食らわせるつもりだったんですけど、Mさまに「ビリーが帰る前に一度ハボが強請ってラブラブでHを」
って言われたので(笑)「ビリーが覗いてるのをロイは気付いていたりすると尚イイ」って言うのに思わず萌えて書いちゃい
ましたが、こうなると可哀想なのはビリー君かしら。しかし、自分の兄と同じ顔したちょっと気になる相手が男に抱かれて
悶えてる姿を見るのって…。実は凄いショックなのではと思ったり。ごめん、ビリー(苦笑)