第二話 |
| 逃げられないようソファーの上に押さえ込まれたハボックは身動き出来ない中でも必死に身体を小さく丸めようとする。ロイは上から圧し掛かったままハボックを見下ろした目を大きく見開いた。 ロイとハボックは数ヶ月前から付き合うようになっていた。当然いい年をした大人なのだから体の関係もついてくる。だがハボックはどんなにロイがその身体を蕩かそうとその行為に溺れるということがなく、どこか淡々と身体を開いているようなところがあった。それは決してロイを拒んでいるのとは違ったがロイにしてみれば物足りない部分でもあった。 それが今、このハボックはどうだろう。 ロイの手でソファーに押さえつけられている、ただそれだけの事に興奮しきっている。長く伸びた前髪に隠れた空色の瞳は情欲の焔を灯し、白い頬は上気して桜色に染まっていた。薄く開いた唇から熱い吐息を零し、必死にロイの目から隠そうとしている淫靡な部分は恐らく既に硬くそそり立っているのだろう。 「…発情期、か?これは」 ロイが低い声で問いかければハボックの体がビクリと震える。普段ハボックがあれほどまでセックスに淡白なのは決まった時期に発情する体がロイとの行為についてこられなかっただけのことなのだとロイは悟った。 「牡犬は本来自分から発情する事はないはずだが、発情した好みの雌犬がいると発情するそうだよ。それともお前自身が発情した雌犬か?」 そう問われてハボックはソファーに伏せていた顔を上げてロイを見る。その揺れる空色の瞳にロイはハボックの頬に手を伸ばすと低い声で囁いた。 「本当のお前を私の前に全て晒せ、ジャン・ハボック」 「…ッ、…いさっ」 言って圧し掛かってくる体をハボックは必死に押し返そうとする。いくら発情しているとはいえここが昼間の執務室であり、こんな行為をする場所でない事を忘れずにいられる程度の理性は残っていた。 「たいさっ、ここ、執務室…ッ」 ハボックは小さな声でそう叫んでロイのモラルに訴える。だが、ロイは昏く笑むと言った。 「それがどうした。お前を抱くのに何の支障もない。それでも気になると言うならこうしておこう」 ロイはそう言って立ち上がると紙とペンを取り出し手早く錬成陣を描く。それを扉の下に置くと手を押しあて発動させた。 そうしておいてロイはソファーのところへ戻ってくると小さく身を縮めたハボックの上に圧し掛かり、その首筋に唇を押し当てる。前ボタンを留めていない上着の前を開くと黒いシャツを捲くり上げ白い胸の中央で色づく飾りにむしゃぶりついた。 「アアッ!!」 いつになく高い悲鳴を上げてハボックが胸を仰け反らす。ロイはぷくりと弾力のあるそれに執拗なほど舌を這わせ指でこね回した。 「アンッ…アッ……たい、さっ」 その甘い声に答えるようにロイはハボックのズボンに手を掛けると下着ごと引き摺り下ろしてしまう。邪魔な軍靴を毟り取り、ボトムを長い脚から抜いてしまえば思ったとおりハボックの楔は既に高々と立ち上がり蜜を零していた。 「ヤダッ、見ないでっ」 ハボックはそう叫んでロイの身体を押し返しながらふるふると首を振る。だが、ロイはそれに構わずハボックの脚を押し上げると奥まった蕾を灯りの下に晒した。 「やだぁ…ッ!!」 羞恥で真っ赤に染めた顔をハボックは腕で覆い隠す。ロイは晒した蕾に零れてくる蜜のぬめりを借りて指を差し入れた。 「…ッ、んっ!!」 大きく震える体に構わずロイは沈めた指をぐちぐちとかき回す。そうすれば普段は頑なに中々解けない唇が、まるで開花の時期を迎えていた蕾のように瞬く間に緩く花開いた。ロイは指を引き抜くとボトムの前を弛め自身を取り出す。震える唇に押し当てると一気に貫いた。 「アッ…!!―――――ッッ!!」 零れる悲鳴をロイの唇に飲み込まれてハボックは見開いた空色の瞳から涙を零す。ロイは一気に奥まで沈めた楔を入口まで引き戻すと再び勢いよく突き入れた。 「ヒィッ……アアッ…ッ、くぅッ……た、いさっ、たいさぁ…ッ」 激しく抽送を繰り返せばハボックの唇から甘い喘ぎが零れる。熱く熟れた内壁で咥えた楔をきゅうきゅうと締め付け、ハボックは自ら激しく尻を振りたてていた。 「ああ、いやあ…ッ、止まんない…ッ……いさっ、もっと、もっと突いてッ、オレのことメチャクチャにして…ッ!!」 「ハボック……ッ」 長い脚をロイの腰に絡ませ、己を犯す楔をもっと奥へと引き込もうとするハボックをロイは信じられない思いで見つめる。これまで何度ハボックと身体を重ねようと、二人のセックスは概ね穏やかで労わりあうような優しいものだった。それは確かに満たされるものではあったが、今の発情して尻を振りたてそそり立つ己をロイの腹に擦り付けるようにしてロイを求めるハボックの獣のような姿に、ロイは煽られ興奮してしまう。 「いいとも、好きなだけ喰らうといい」 金色の毛に覆われた桜色の耳に囁いてロイはその桜色に歯を立てた。いつもとは違い淫らに身悶えるハボックに発情したロイもまた、獣のようにハボックを貪っていった。 2009/02/27 |
| → 第三話 |
| 第一話 ← |