セレスタの涙、オニキスの誓い  第四十七章


 漸く会議が終わり、ブラッドレイが席を立つ。そうすれば会議室中の人間が立ち上がり気をつけの姿勢をとる中、ブラッドレイは部屋の中を見回して口を開いた。
「なかなか実のあるいい内容だった。これからも我がアメストリスのために尽力を尽くしてくれたまえ」
「「イエッサー!!」」
 言えば一斉に敬礼が返るのにブラッドレイは満足そうに頷く。ただ一人両腕を脇に垂らして鋭い視線を寄越すロイを見て言った。
「なにやら言いたいことがありそうだな、マスタング大佐。今すぐは無理だが……三十分したら来るといい。なに、入室の許可はいらんよ。待っているから真っ直ぐ私のところへ来たまえ」
 ブラッドレイはそれだけ言うとロイの答えを待たずにハボックを引き連れて部屋を出ていってしまう。会議の出席者達がロイの表情を伺うように見ていたが、ロイは怒りも露わにブラッドレイの後を追うように会議室を出た。だが、ロイが廊下に出たときにはもうブラッドレイもハボックも姿が見えず、ロイは唇を噛み締める。ほんの少しの間迷うようにその場に立ち尽くしていたが、結局二人の後を追うことはせず司令室へと戻っていった。


「もう少し感情をコントロール出来る男かと思っていたが」
 と、執務室の椅子に腰掛けながらブラッドレイが言う。パタンと閉じた扉に背を預けるようにして荒い息を零すハボックを見て言った。
「会議の間中、私のことを射殺さんばかりの目つきで睨んでいたな」
「……サー」
 ハボックはそれには答えず熱い湿度の高い息と共にブラッドレイを呼ぶ。ガタガタと小刻みに躯を震わせて言った。
「ぬ、抜いてください……もうっ」
 早口にそう言って、ハボックは震える己の躯を両腕で掻き抱く。うっすらと涙の滲む空色がもう限界だと訴えているのを見て、ブラッドレイが笑った。
「会議でイヤラシい声を上げても構わなかったんだが」
「……」
 そう言う男をハボックが悔しそうに睨む。だが、声に出しては恨み言も憎しみの言葉も口にせず、ただただ懇願した。
「サー……お願い、ですッ」
 本当に切羽詰まっているのだろう、今ではハボックはびっしりと汗をかいて時折大きく躯を震わせる。苦しげなその様子に、ブラッドレイはフムと鼻を鳴らしてハボックを手招いた。
「……」
 その仕草にハボックはキュッと唇を噛むとそろそろとブラッドレイに近づく。何とかブラッドレイの側まで来ると、ガクガクと震える脚で傍らに立った。
「脱げ。下だけで構わん」
 短くそう告げられハボックは目を見開く。それでも大人しく軍靴を脱ぎオーバースカートとボトムを取り、下着を脱ぎ捨てた。
「サー……っ」
 上半身はきっちりと着込んだまま、腰から下は剥き出しという格好にハボックは羞恥に震えながらブラッドレイを呼ぶ。後孔ではローターが鈍い音を響かせ、押さえるものをなくして勃ち上がった楔の根本をリングで戒められながら気をつけの姿勢をとる若い尉官をブラッドレイは楽しそうに眺めた。
「そういう格好もだいぶ板に付いてきたな、少尉」
 椅子に背を預けてジロジロと見つめてくるブラッドレイに、ハボックは頬を染める。そんなハボックにブラッドレイが言った。
「では、ローターを()り出したまえ」
「……え?」
「机に両手をついて尻を突き出し、手を使わずにローターを出せと言っている」
 そう言われて、ハボックは目を見開いてブラッドレイを見つめる。信じられないとばかりに見つめてくる空色を見返して、ブラッドレイは言った。
「それが出来たらそのリングを外してやろう。もうイきたくて堪らんのだろう?ああ、それともリングを填めたまま空イきしたいというなら今すぐにもイかせてやるが」
「やめてッ」
 ブラッドレイがリモコンに手を伸ばすのを見て、ハボックが悲鳴混じりの声を上げる。その声に伸ばした手を止めて見つめてくる隻眼を見返したハボックは、数度震える吐息を吐き出すと机に手をついた。
「ん……ッ、くぅ……ッ!」
 ハボックは脚を軽く開き尻を突き出して腹に力を込める。羞恥と苦痛に顔を歪めながら、ハボックは必死に埋め込まれたローターを放り出そうとした。
「アッ、くふぅ……ッ、んく……ゥッ!」
 力を込めるたび戒められた楔が震え、たらりと蜜が竿を伝う。ゆっくりと排泄されるローターに快感を煽られているのだろう、甘ったるい吐息を吐き出しながらローターを放り出すハボックに、ブラッドレイがクスクスと笑った。
「感じているのか?イヤラシいな、少尉」
「ッッ!!」
 揶揄する言葉に悔し涙を零しながらハボックは必死に行為を続ける。そうすれば、押し出されてきたローターが蕾を押し開いて顔を覗かせた。
「ア……、──── ア、くはァ……ッッ!!」
 ぬぷんと顔を出した体液塗れのローターがボタリと重たい湿った音と共に床に落ちる。ハボックは机にしがみつくように躯を伏せると、ハアハアと荒い息を零した。
「サー……ッ、はや、く……ッ!も、イきたい……ッ!!」
 机に突っ伏した顔を持ち上げて、ハボックはブラッドレイに強請る。リングで射精を阻まれ僅かに蜜を垂れ流す事しか出来ない楔を机の端にこすりつけ、脚を閉じる事すら忘れてローターに緩められた蕾を晒す姿に、ブラッドレイはクスクスと笑った。
「浅ましいな、少尉。物欲しげにヒクついてるぞ」
 ブラッドレイはそう言いながら手を伸ばし、緩んだ蕾に無造作に指をねじ込む。ぐちゅぐちゅと掻き回せばハボックが切なげに身を仰け反らせた。
「あああッ、サぁッ!いやッ、このままイくのはヤだァッ!」
 射精出来ないままの絶頂の辛さを思って、ハボックが指を抜こうと尻をくねらせる。だが、イヤラシく腰を振れば振るほど己を追い詰める結果になって、ハボックは喉を仰け反らせて喘いだ。
「あふゥ……ッ!サー、イかせてぇッ!」
「そんなにイきたいのかね?少尉」
「イきたいッ!イきたいっス!!」
 快感に身も心も支配されてハボックが強請る。涙に滲む空色が快感で紗がかかったように霞んでいるのを見て、ブラッドレイはにんまりと笑うと蕾を掻き混ぜていた指を引き抜いた。
「くふゥッ!」
 抜かれた衝撃にハボックが高い嬌声をあげる。息を弾ませてハボックがしがみつく大振りな机を、椅子から立ち上がったブラッドレイはグルリと周り丁度扉から正面に見えるところまで来ると、机の上の書類を手で払い落とし行儀悪くその上に腰掛け脚を組んだ。
「こっちへ来い、少尉。私を満足させたらリングを外してやる」
「サー……」
 肩越しに振り向いてそう言う隻眼をハボックは顔を上げて見つめていたが、やがてしがみついていた机から身を起こすとのろのろとブラッドレイの方へと歩きだした。


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