セレスタの涙、オニキスの誓い  第百三十六章


「ん……ん……」
 自分からロイに口づけて、ハボックは甘く鼻を鳴らす。ロイの躯を掻き抱き、再び頭を擡げ始めた楔をおずおずと押しつけた。
「たいさ……オレ……っ」
 こんな風に感じてしまっていいのだろうか。羞恥と困惑に怯えながらハボックはロイを見つめる。俯きがちになるハボックの顎を掬ってロイはハボックに優しく笑いかけた。
「感じてくれて嬉しい。まあ、私もお前に負けないくらい感じてるがな」
 ロイは言ってハボックの脚の間に己の脚を押し込むようにして腰を押しつける。堅く滾った楔の感触に顔を赤らめながらハボックは恐る恐るロイの楔に手を伸ばした。
「オレも……シていいっスか?もっと大佐を……」
「ああ」
 感じさせたいというハボックの言葉にロイは嬉しそうに笑ってベッドに座り直す。猛々しくそそり立つロイの楔に、ハボックはおずおずと顔を寄せた。
「ふ……ン……」
 ハボックは熱く脈打つ楔に手を添え、チュッと口づける。裏筋を舌でなぞりカリに歯を押し当て、鈴口に舌をぐりぐりと押し当てた。そうする間にやわやわと袋を揉みしだき竿をさする。ハボックによって性器に加えられる刺激にロイはハアハアと荒い吐息を零した。金色の頭を鷲掴めば、ハボックがじゅぶりと楔を深く咥え込んだ。
「ハボック……ッ」
 ジュブジュブと唇で激しく扱かれて、ロイは喉を仰け反らせて喘ぐ。巧みな口淫に忽ち高みへと追い上げられて、ロイは迷うように唇を噛み締めた。
「……ぃさっ」
「────ッッ!!」
 だが、促すようにきつく吸われればもう抗う事も出来ず、ロイは込み上がる快感のままにハボックの口中へと熱を吐き出した。
「────ック!!」
 口内に叩きつけられた熱をハボックは躊躇わずに飲み込む。かつて強要された時とは違い全く嫌悪の欠片も感じないその行為に、ハボックはポロリと涙を零した。
「ハボック……」
 ハアハアと息を弾ませて、ロイはハボックに手を伸ばす。伸ばした指先をペロペロと舐めるハボックをロイはグイと引き寄せた。
「たいさ……」
 ロイは座り込む己の脚の上にハボックの躯を跨がせる。唾液に濡れた指でハボックの蕾を撫でるとつぷりと押し込んだ。
「アッ」
 唾液に濡れているとはいえ潤いの足りないそこへ指を押し込まれて、ハボックは微かに顔を歪める。それでも自重をかけるようにして、自らロイの指を飲み込んでいった。
「ハボック……っ」
「シて……たいさ、お願い……」
 苦しげに囁きながらハボックは腰を揺らめかす。埋めた指に柔々と絡みついてくる熱い肉壁に、ロイはこらえきれずにグリグリと指を掻き回した。
「はあッ……アッ」
 引き攣るような痛みの中に快感を見出したハボックの躯が小刻みに震える。キュッと蕾を引き締め咥えた指を締め付けて、ハボックは喉を仰け反らせて喘いだ。
「たいさ……た…さァ……」
 腰を揺らめかせて喘ぐハボックの姿にロイは腰がズンと重くなるのを感じる。グチグチと掻き回す指に添えるようにして埋める指をもう一本増やした。
「あ……ふぁ……ァ」
 ロイの長い指が狭い肉筒を押し開き掻き回す。ハボックは腕を伸ばしてロイの髪に手を差し入れ、唇をロイのそれに寄せた。
「ください、大佐の……。好きです、オレを────大佐のものにして……ッ」
「ハボック」
 切なく囁くハボックにロイは目を見開く。見つめてくる黒曜石に、ハボックが泣きそうに顔を歪めた。
「────だめ?」
「────馬鹿ッ」
 不安そうに呟く声を塞ぐようにロイは荒々しく口づける。埋めていた指を引き抜きハボックの腰を抱え直した。
「挿れるぞ」
 低く囁くと同時にロイは抱えた腰を引き下ろす。痛い程に張りつめた楔をロイはハボックの躯にズブズブと突き入れた。
「ッッ!!アア────ッッ!!」
 固く滾る楔が熱く熟れた肉筒をズブズブと貫いていく。一気に根元まで突き挿れるとロイは、内壁を引きずり出すような勢いで引き抜いた楔でもう一度ガツンと突き上げた。
「ヒアアッ!アヒィッ!!」
 そのままの勢いでガツガツと突き上げられて、ハボックが仰け反らせた喉から嬌声を上げる。前立腺をゴリゴリと押し潰されて、ハボックは突き抜ける快感に大きく目を見開いた。
「────ッ!ッッ!!」
 突き抜けていくその感覚が快感だと思う間もなく、ハボックはビュクビュクと熱を吐き出す。腹を濡らす熱くもったりとした液体に、ロイは笑みを浮かべて更に激しく突き入れた。
「ヒィッ!や……ッ、ンアアッッ!!」
 達したばかりの躯を激しく攻め立てられて、ハボックは快感に身悶える。必死にロイに縋りつく指先がロイの背に紅い筋を何本も残して、ロイはその痛みに一層きつくハボックの躯を穿った。
「た……いさッ」
「ハボック────私のものだ……ッ」
 低く囁いて見つめてくる黒曜石に、ハボックはゾクリと震えて再び熱を吐き出した。


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