セレスタの涙、オニキスの誓い  第十二章


「ん……ぅ……っ」
 羞恥に涙を滲ませ小刻みに震えるハボックを、ブラッドレイは指の腹で蕾を撫でながら見つめる。ロイと体の関係がないというなら恐らくこの青年に男との経験はないだろう。互いに想いあっているのかそれとも彼の片恋か、そこまでは判らなかったが恋しい相手がいるという躯を無理矢理開き陵辱するのだと思うと、ブラッドレイの中に久しぶりにゾクゾクとした興奮が沸き起こった。
 ハボックの顔をじっと見つめたままブラッドレイは蕾をさすっていた指をグイと押し込む。そうすればハボックがビクッと震えて身を強張らせた。
「クゥ……ッ」
 まだ中に潜り込んだのは指先のほんの1センチばかりだ。それにもかかわらず大袈裟に身を強張らせるハボックに、ブラッドレイは片眉を跳ね上げた。
「まだ始めたばかりだぞ、最初からそんなでどうする?」
「……サー、ヒ……ッ」
 身を強張らせるハボックに構わずブラッドレイは容赦なく指をねじ込む。潤いのない狭い器官を強引にこじ開けられ、ハボックは痛みに目を剥いて悲鳴を上げた。
「ツゥッ!アァッ!!」
 ビクビクと震えながら悲鳴を上げる様にブラッドレイは目を細める。強引に潜り込もうとする指を拒む蕾にブラッドレイはフムとため息をついた。
「女のようにはいかんか」
 弄れば勝手に濡れてくる女の躯とは違うと、ブラッドレイは仕方なしに指を引き抜く。身を起こしてハボックから離れるとベッドから降り浴室へと消えた。
「……ハッ……ハァッ」
 強引にこじ開けようとする指が抜かれてハボックはホッと息を吐く。ほんの数分の事にもかかわらず全身びっしょりと汗をかき、無理矢理こじ開けられた蕾から力が抜けていくようで、ハボックは動くことが出来なかった。
「怖い……大佐、たすけて……」
 これから先の事を考えると怖くて怖くて堪らない。それでも、ロイを盾に取られれば抵抗など出来るはずもなかった。
「たいさ……」
 瞼に浮かぶ笑顔に助けを求めるように呼びかけた時、ブラッドレイの声が聞こえた。
「嫌なら私をマスタングと思えばいい。目を閉じていれば相手が誰かなど判らんだろう?」
 その声に視線を向ければ浴室から取ってきたローションのボトルを手にハボックを見下ろすブラッドレイの姿が目に入る。ハボックはキュッと唇を噛むとブラッドレイを睨んで言った。
「嫌です。貴方は大佐じゃない」
 好きでもない男の手をロイのそれと思うことなど出来るわけがない。ロイへの想いを秘めながらも睨み上げてくる空色にブラッドレイはクツクツと笑った。
「いいだろう、それなら私に犯されるがいい、ジャン・ハボック少尉」
「ッ!」
 屈辱を煽るようにそんな事を言うブラッドレイにハボックは目を見開く。ブラッドレイはベッドに片脚をかけ、ローションの蓋を開けた。
「しっかり脚を開け。ローションをかけやすいように自分で尻を広げるんだ」
 そう言う男をハボックは無言のまま見上げる。それから投げ出していた脚を胸に引き寄せるようにして開き、双丘に手をかけ蕾を割り開くようにして男の目に晒した。
「小さいな」
 改めてその蕾の小ささを目にしてブラッドレイは小首を傾げる。トロリとローションを垂らせば、その冷たさにハボックの躯がピクンと跳ねた。
 その様子にブラッドレイは薄く笑って蕾に指を押し当てる。そのままグーッと押し込めば、双丘に添えたハボックの指に力が入るのが判った。
「んっ、クゥッ!」
 それでもローションのぬめりを借りて、今度は指が潜っていく。根元まで沈めた中指をブラッドレイはグチグチと動かした。
「ンアッ、ヒッ!アッ!」
 ローションで多少湿り気を帯びているとはいえ、乱暴に掻き回され引き攣るような痛みが走る。ギュッと瞑った目尻に涙を滲ませるハボックを見下ろしながら、ブラッドレイは尋ねた。
「痛いか?」
「……いいえ、サー」
 聞かれてハボックはゆっくりと目を開き呻くように答える。恐らくは最後の意地なのだろう、必死に痛みをこらえながら睨んでくる瞳にブラッドレイは一瞬目を見開き、それからニィと笑った。
「それなら遠慮はいらんな」
 ブラッドレイは楽しそうに言って強引にもう一本指をねじ込む。捻るように掻き回せば、ハボックが唇を噛み締めて呻いた。
「クッ!ヒゥ……ッ!」
 身を強張らせてハボックは必死に痛みに耐えようとする。グチグチと掻き回す指が強引に蕾を開き、更にもう一本指が潜り込んできた。
「イ……ッ!」
 こんなところに指を突っ込まれ、掻き回されているなんて信じられない。ハッハッと短い呼吸を繰り返し、痛みに耐えていればブラッドレイの声が聞こえた。
「指が三本も入ったぞ。もしかしてマスタングに犯される想像をしながらここにバイブでも突っ込んでいるのかね?」
「ッ?!し、てませんッ!!」
 痛みに身を竦ませ、涙を零す様を見ればハボックに全く経験がないことははっきりと判る。それでもわざと嘲るように言って、ブラッドレイは楽しそうに笑った。
「そうか?なら確かめてみるとしよう」
「ッ?」
 ブラッドレイはそう言って沈めていた指を乱暴に引き抜く。ボトムの前を寛げればブルンと逞しい楔が飛び出した。
「本当に、経験はないのかね?」
 言いながらブラッドレイはハボックの脚を抱え直す。隆々とそそり立つ楔を戦慄く蕾に押し当てれば、ハボックの躯がビクリと震えた。
「あ……」
「まあ、マスタング大佐に抱かれる為の練習と思えばいい。ココで男に奉仕する方法をしっかりと身につけておけば、マスタング大佐も悦ぶだろう」
 その言葉にハボックが大きく目を見開く。ゆるゆると首を振り、震える唇を開いた。
「やだ……嫌……」
「やめるのか?まあ、私はそれでも構わんが。マスタングに何か起こるかは、判らんがね」
「ッ!!」
 犯される恐怖に恐らくは失念してるであろうことを思い出させるようにブラッドレイが言う。猛る楔をグニグニと蕾に押し当てながら言った。
「どうする?やめるかね、少尉?」
「…………や、めません」
 震える声で答えるハボックにブラッドレイが言う。
「マスタングを救い、将来奴を悦ばせる為の訓練にもなる。一石二鳥だ」
 そう言えばハボックの顔が歪むのを見て、ブラッドレイはニィと笑った。
「では、君の望み通り、犯すとしよう」
 低くそう告げると同時に、ブラッドレイは押し当てた楔をズンと蕾に突き入れた。


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