アフ・チュイ・カック  第三十六章


 風呂から上がると体を拭くのもそこそこにハボックはロイの体をバスタオルでくるむと、ロイの体を横抱きにして2階へと上がっていく。
「ハボっ、服…っ」
「どうせすぐ脱いじゃうでしょ」
「そういう問題じゃ…大体なんだコレはっ!おろせっっ!!」
 ジタバタと腕の中で暴れるロイに構わずハボックは2階に駆け上がると寝室の扉を開ける。ロイは目に飛び込んできたベッドにぎくりと体を強張らせたが、そのままハボックと一緒に倒れ込むようにベッドに放り出されて短い悲鳴を上げた。
「ロイ」
 見下ろしてくる空色の瞳が情欲に濡れて色を増している。その男くさい顔にロイは思わず「イヤだ」と呟いた。
「触ってもいいって言ったっスよね?」
 そう聞かれてもおいそれとは頷けず、ロイは目をまん丸に見開いてハボックを見上げる。その子供っぽい表情にハボックは優しく笑うとロイの頬にそっと触れた。
「好きっス…最初に会った時からずっと。アンタのことがずっと好きで好きで仕方なかった」
 ハボックはそう言うとロイの額にキスを落とす。
「でも、こんな想いは叶う筈ないと思ってたし、好きだと言ってからもホントはこれ以上一緒にいられないだろうと思ってたんスよ」
「お前…っ」
 そんなとんでもない事を打ち明けるハボックにロイは声を荒げた。睨みあげてくるロイに苦笑してハボックは言葉を続ける。
「でもこうやって生き延びることが出来て、こうしてアンタと暮らすことが出来て…。」
 そう言ってハボックはロイをじっと見つめる。
「オレ、もう諦めたくないっス。今までずっと、オレは自分は何も望んじゃいけないんだと思ってた。リンを死なせてしまって、必死にこの村を護ったばあちゃんに何もして上げられなくて、何かを望んだりしたらいけないんだとずっと思って生きてきた。だから望む前に何もかも諦めて、諦めるしかなくて…。でも今オレ、アンタを諦めたくないって思ってる。たった一度でいい、諦めないで望んだら駄目っスか?オレはアンタが欲しい」
 囁くように言うハボックをロイは黙ったまま見つめていた。その今は色を増しているその瞳が何よりも好きで、そのまっすぐな心が誰よりも愛しくて、自分こそハボックを欲しいのだとロイは思う。ロイはハボックの首に手を伸ばすとそっと引き寄せた。
「一度なんて言わずに何度でも望んでくれ。私もお前が欲しい。お前が好きだ、ハボック」
 そう言った途端、瞳を大きく見開いたハボックが泣きそうに顔を歪める。噛み付くように口付けられてロイはハボックの背に回した手にギュッと力を込めた。

 まるで大切な宝物の包みを開けるようにそっとタオルを開くとハボックはロイのことをじっと見つめる。その舐めるような視線にロイは耐え切れず目をギュッと瞑った。
「そ、んなに、見るな…っ」
 恥ずかしさに耐え切れず、そう言えばハボックが囁く。
「ロイ、綺麗…」
 そう言ってロイの首筋にそっと唇を押し当てた。チュッときつく吸い上げれば綺麗な紅い花びらが白い肌に浮んだ。ハボックはついた印を嬉しそうに指で触れると少し場所をずらしてもう一度吸い上げる。新たに浮んだ花びらをハボックはぺろりと舐めた。
「ひ…」
 思わず漏れた声にロイは顔を赤らめる。ハボックはロイの肌に舌を這わせながら言った。
「いっぱい印、つけてもいいっスか?」
「ばっ…そんなこと、聞くなっ!」
 つけたければ黙ってつければいいのだ。こちらにだって抗う気はないのだから。それなのにわざわざそんなことを聞いてくるハボックをロイは頬を染めて睨みあげた。
「だってロイ、すげぇ綺麗なんスもん。痕、つけたりしたら勿体無い気がして…。でもつけたいけど」
「言ってることがワケ判らないぞ、おまえっ」
 恥ずかしいことを並べ立てるハボックにロイはわざと乱暴に言う。するとハボックがくすくすと笑って答えた。
「オレ、今すげぇ浮かれてるかも。こんな綺麗なロイを抱きしめて自分のものにできるなんて…」
「…そう思うなら好きなだけ痕でもなんでもつけたらいいだろうっ」
 そう言われてハボックが目を瞠る。何も言わずに突然首筋に噛み付かれて、ロイは驚いて声を上げた。
「ハボっ」
「駄目、今ので完璧ぶっ飛びました。手加減できないっス」
「ちょ…ハボック!…アッ」
 ハボックの唇がむしゃぶりつくようにロイの乳首を吸い上げ、舌で転がすように愛撫する。もう片方を指でグリグリと押しつぶされてロイは思わずハボックを押し返そうとした。だが、そうしようとすればする程、ハボックの舌が、指がぷくりと立ち上がったそれに絡みついてロイを喘がせる。いつしかロイは抱え込むようにハボックの髪に指を差し込んでいた。
「アッ…あんっ…んふ…ああんっ」
 甘ったるい声がひっきりなしにロイの唇から零れる。押さえようにもハボックの舌がチロチロとロイの乳首を嬲る度そこからダイレクトに快感が下肢に響いて、ロイは耐え切れずに声を上げると腰を揺らめかせた。ハボックは散々にロイの乳首を弄ぶとようやくそこから顔を上げる。すっかりと唾液に濡れて紅く膨れ上がったそれは白い肌の上で一際目立って、熟れた果実のようだった。
「すげ…旨そう…」
 ハボックはそう呟くと再びぺろりと乳首を舐める。背を仰け反らせて喘いだロイはその黒い瞳からぽろりと涙を零すと言った。
「も、ヤダ…そこばっかり…っ」
 そう言って体を震わせるロイの中心はもうすっかりと立ち上がってとろとろと蜜を零している。ハボックはロイの涙を唇で拭うと言った。
「触って欲しいんスか?」
 そう聞けばロイが素直に頷く。ハボックはそんなロイに嬉しそうに笑うと勃ち上がって震えるそこに指を絡めた。
「ア…」
 ピクンと体を震わせるロイにハボックはうっとりと笑う。棹に沿って零れる蜜を舐めればロイの唇から喘ぎ声が上がった。くれを何度もなぞり先端の小さな穴を舌先で押し開くようにして舐める。チロチロと先端を舐めながら棹を手で扱いてやれば、ロイが下肢を突き出すようにして悶えた。
「ああんっっ…ああっ…うふぅぅっ…ハボォ…っ」
 下肢を揺らめかせて悶えるロイにハボックの息も荒くなる。唇で咥え込んでじゅぶじゅぶと擦り上げればロイが涙を零しながら身悶えた。
「アッ…ぅんっ…ダメっ…やんっ」
 腹につくほど育ちきったロイ自身はダラダラと蜜を零して押し開いた脚の奥深い場所をも濡らしている。ハボックはロイ自身を口の中に含んだままひくつくそこへ指を差し入れた。
「アアッ…ヤッ…いやぁっ」
 悶えるロイの脚を強引に押し開いてハボックは差し入れた指を根元まで捻じ込む。かき回すようにして動かせばロイ自身から新たな蜜が零れた。
「気持ちイイっスか?」
 そう聞かれても僅かに残った理性がうなずくことを拒む。だが、素直な体は喜びと快感に震えてロイが酷く感じている事をハボックに伝えていた。
「もっと気持ちよくさせてあげたい…」
 ハボックはそう呟くと沈める指の数を増やしていく。沈めた指でぐちゃぐちゃと蕾をかき回しながら、ハボックはロイ自身をじゅぶじゅぶと唇で擦りあげた。前と後ろを同時に攻め立てられてロイは快感に泣きじゃくる。指で後ろを突きながらきつく吸い上げれば下肢で快感が膨れ上がった。
「アッ…ダメぇ…イくっ…イくぅっ!!」
 そう叫んだロイが背筋を仰け反らせてビクビクと体を震わせる。ハボックはロイが口の中に吐き出したものを一滴残らず飲み干してしまうと舌で丁寧に舐めた。それから体をずらしてロイの顔を覗き込むと言う。
「カワイイっスよ、ロイ…」
「…バカっ」
 恥ずかしくて真っ赤になった顔で睨みつけてくるロイにハボックはチュッと口付けるとその耳元に囁いた。
「オレも一緒に気持ちよくなりたい…ダメっスか?」
そ う言って下肢を押し付けてくるハボックの中心が熱く滾っているのを感じてロイは息を飲む。それでもハボックの背に手を回してギュッとしがみ付くと言った。
「私もお前と一緒に気持ちよくなりたい…」
 そう恥ずかしそうに呟くロイにハボックは嬉しそうに笑うとギュッと抱きしめた。


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