真・偏愛  第七章


 ハボックは指示された会議室にやってくるとそっと扉を開いた。薄暗い室内をよろよろとテーブルに近づくと手をついて体を支える。だが支えきれずにずるずるとテーブルに縋るように座り込むと荒い息を吐いた。
「たいさ…たいさ…」
 呼べば早く来て貰えるとでも言うように、ハボックはロイを呼び続ける。永遠とも思える時間が過ぎてようやくかちゃりと扉が開いて待ち望んだ男が会議室に入ってきた。
「たいさ…っ」
 縋りつく視線にロイはうっすらと笑う。ロイはハボックに近づいていくとその顎を掴んでぐいと仰向かせた。
「辛いのか?」
 コクコクと頷くハボックにロイは言った。
「ではズボンを脱いでごらん」
 ハボックは一瞬目を瞠ったが立ち上がると軍靴を脱ぎ捨てる。震える手でベルトを外すと下着ごとズボンを脱ぎ捨てた。むき出しになった下肢の奥まった蕾に埋め込まれたものをロイは楽しそうに見つめる。
「たいさぁ…っ」
 見つめたきり何もしようとしないロイにハボックは焦れて腰を揺らめかせた。その蕾には小型の張型が深々と埋め込まれ、立ち上がったハボック自身はすっぽりと革製の拘束具が嵌められている。ロイは荒い息を零すハボックの頬を撫でると言った。
「イヤらしいな、ハボック。もうこんなにして…」
「あ…だってっ」
 埋め込まれた淫具は、これまでハボックに使われてきたものの中では小ぶりな方だ。だが、強い刺激を与えない代わりにじわじわとハボックを攻め立て、拘束具に包まれたハボック自身を苛んでいた。ロイは張型を乱暴に引き抜くとハボックの手を取りその指を蕾へと埋めさせる。己の指でぐちぐちとかき回されてハボックは恥辱に唇を噛み締めた。
「あっ…ふうっ…」
 それでも駆け上ってくる快感から逃れることは出来ず、ハボックはロイにすがりついて荒い息を吐いた。
「あっ…ひっ…た、いさっ」
「どうした、もう限界か?」
 必死に頷くハボックにロイはテーブルに腰かけて、ハボックを引き寄せる。指を外させるとハボックを自分に背を向ける形で貫いていった。
「アア―――ッッ!!」
 ロイの肩に頭を預けるようにして仰け反るとハボックは悲鳴を上げる。ガンガンと突き上げながらロイはまだきちんと来たままだったハボックの上着のボタンを外すとシャツをめくり上げ、硬く尖った乳首を弄り始めた。
「あっああっ…あひぃっ!」
 自重で深く貫かれてハボックは身悶える。快楽に張り詰めた自身を拘束するそれを外して欲しくて、ハボックはロイに強請った。
「あっ…たい、さっ…もう、とって…とってくださ…」
 吐息と共に吐き出す言葉をロイは楽しげに聞くだけでそれに手を伸ばそうとはしない。辛くて辛くてハボックが再度ロイに強請ろうとしたその時。
「マスタング大佐、デイル・リンツ曹長以下6名、参りましたっ」
 会議室の外からハボックの小隊に所属する部下の声が聞こえてきた。

 びくんと体を大きく震わせるハボックをきつく突き上げると噛み締めたハボックの唇から呻き声が零れる。必死に声を抑えようとするハボックを愛しそうに見下ろすと、ロイは口を開いた。
「入れ」
「たいさっ」
 信じられないと目を見開いて、肩越しに振り向くハボックにロイは強引に口付ける。もがく体を押さえ込んで激しく突き上げた時、がちゃりと扉が開いた。
「失礼しま…っ?!」
 扉を開いて中へ入ろうとした大柄な男が目に飛び込んできた光景に硬直して立ち止まる。後から続いて入ってこようとした男たちが突然立ち止まった仲間をいぶかしみながらも中へと入って、次々と同じように息を飲んで立ち尽くすのを見つめてロイは楽しそうに言った。
「さっさと中へ入って扉を閉めたまえ」
 ロイにそう言われて男達の一人が慌てて扉を閉めたものの中へ入ってくるのを躊躇って扉付近で立ち尽くす。リンツが何度も唾を飲み込んでようやく掠れた声を出した。
「マ、スタング大佐…これはいったい…」
 リンツがそういうのと同時にきつく突き上げられてハボックの唇から嬌声が上がる。びくりと体を震わせる部下達にハボックが腕で顔を隠して囁いた。
「見るなっ…見ないでくれ…っ」
「嘘はいけないな、ハボック少尉」
 ロイはそう言うと背後からハボックの腕をひき下ろす。
「部下達に見てもらいたいと言ったのはお前だろう…?」
 言われて否定しようとした言葉はロイに攻め立てられて嬌声に変わった。ぎゅっと閉じた瞳から涙を零しながら、ハボックは男たちの視線が舐めるように自分を見ているのを感じていた。羞恥に気が狂いそうになりながらも感じる体をどうすることも出来ない。むしろ見られることが快感を煽り、ほんの少し触れられただけでハボックの唇から熱い吐息が零れる。そうやってロイに貫かれ攻め立てられながら悶えるハボックの姿に男たちの視線は釘付けになった。尊敬し、半ば恋心に近いものを抱いていた自分達の隊長が男にその身を貫かれて喘いでいるのだ。狭い蕾をいっぱいに開いて太い男根を咥え込み、そそり立った自身は熱を吐き出せぬよう拘束具で縛められている。硬く尖った乳首にはボディピアスが施され、突き上げられるたび男を締め上げ嬌声を上げるさまは、ハボックが抱かれる事に慣れていることを知らせていた。男達の目の前でロイはわざとハボックから一度自身を引き抜く。ぬぷんと口を閉じたソコはひくひくと蠢いて熱を強請っているようだ。ごくりと唾を飲み込む部下たちの前で、ロイは一息にハボックを貫いた。
「ひああああっっ!!」
 びくびくと体を震わせて悲鳴を上げると同時に、ハボックは熱を吐き出す。だが縛められたソコからは僅かに白濁が零れただけで、その熱は内側からハボックを焼き焦がした。
「あひぃっ…ひいっ…」
 辛くて苦しくて、ハボックはロイに言った。
「はずして…っ…くるし…」
 だがロイはハボックの必死の言葉に低く笑うと答える。
「この状態で私が外せるわけがなかろう」
「ああっ…で、も…もう…っ」
 ツライ、と啼くハボックにロイは言った。
「お前の部下にはずしてもらえばいいだろう?」
 言われてハボックはうっすらと閉じていた目を開いた。ハボックの痴態に男たちは身動きできないまま、しかしその中心を興奮に漲らせてハボックを見つめている。その視線の強さにハボックは耐え切れずに瞳を伏せたが、次の瞬間激しく揺さぶられて悲鳴を上げた。見る見る高まっていく快感に何度目かの絶頂が近いことを知りハボックは震える唇を開く。
「デイル…たのむ…はずして…っ」
 名指しで呼ばれてびくりと震えたリンツはロイの顔を見る。笑って頷くロイに、リンツは喘ぐハボックを見つめるとゆっくりと近づいていった。ハボックの足元にしゃがみ込むと、震える指でそそり立つハボック自身を縛める拘束具に手をかける。
「リンツ曹長」
 その途端、ロイに声を掛けられてリンツはびくっと体を震わせてロイを見上げた。
「しっかり根元を押さえてから外さないと顔に噴きかけられるぞ」
 言われてリンツは慌ててハボック自身の根元を指でぐっと押さえると、拘束具を留めている網上げになっている紐を解いていった。そうして拘束具を取り去ったものの、握り締めたハボック自身をどうすればよいか判らずロイに問いかける。
「ど、どうしたらいいんでしょう…?」
 今度は自分の指がハボックを戒めているのだ。苦しげに喘ぐハボックの顔を食い入るように見つめているリンツに、ロイは笑って答えた。
「お前の好きにしたらいい」
 ロイの言葉にリンツは目を見開く。
「さあ、どうしたい…?」
 低いロイの声にリンツはごくりと唾を飲み込むと、手にしたハボック自身にむしゃぶりついた。
「ひぃっっ!やめっ…デイルっ!!」
 ハボックの悲鳴にリンツは煽られてじゅぱじゅぱとハボックを激しくしゃぶる。ずっとせき止められていた熱を押さえる術もなく、ハボックはリンツの口中に熱を吐き出していた。
「やだああっっ!!」
 部下たちの目に狂態を曝され、更にその口中に熱を吐き出すことを強要されてハボックは嗚咽を零す。ごくりと吐き出されたものを飲み込んで、リンツは荒い息を吐きながら涙を零すハボックの顔を見つめた。
「満足したか、曹長?」
 ロイの声にその黒い瞳を見返したリンツはもぞ、と腰を揺らめかせる。他の男たちも前かがみになってもぞもぞと腰を揺らしているのを見て、ロイは楽しそうに言った。
「ヌきたければヌいても構わんぞ」
 そう言ってロイはガンガンとハボックを突き上げ始める。喘ぐハボックの姿に男たちは下肢を寛げて自身を慰め始めるのだった。


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