| 真・偏愛 第六章 |
| ずるりとハボックから己を引き抜くロイの耳にヒューズの楽しそうな声が聞こえた。 「可哀相になぁ、コイツ、ずっとお前のこと信じてついてきたんだろ。まさかこんな目に合わされるとは思ってもみなかったろうに」 そう言ってハボックの髪を撫でるヒューズをロイは軽く睨んだ。 「そう言うお前こそ人のこと言えるのか?」 「俺は相手の期待を裏切らないからな」 ロイはハボックの拘束を解きながら答える。 「裏切ったつもりはない」 「あくまで自分の気持ちに正直にって?」 「そうだ」 ロイはハボックの体を抱え上げるとベッドに横たえた。その左胸に光るピアスをそっと撫で上げると呟く。 「ずっと欲しかった。初めて会ったときからずっと。だから手に入れた」 「悪い相手に見初められたもんだ」 そう言った途端ロイに睨まれてヒューズは苦笑した。ロイは服を脱ぎ捨てるとハボックの体をかき抱く。 「まだ完全にはおちてないんだろう?」 そう言うヒューズにロイは不敵に笑った。 「すぐさ」 「やだねぇ、自信家は」 ワザとらしく顔を顰めるヒューズを放ってロイはハボックの体に舌を這わせ始めた。時折きゅっときつく吸い上げ所有の印を刻み付けていく。白い肌に散りばめられた朱色から湧き上がる快感がハボックの意識を揺り起こした。 「あ…はあっ…」 「ハボック…」 囁きと共に下りてきた唇に己のソレを塞がれてハボックはロイの体に縋りついた。 「ん…ふぅっ…」 舌をきつく絡め取られてぞくぞくと背筋を快感が駆け上がった。ロイの唇が飾りのついた胸を這い回り濡れた舌が絡む。もう片方を指でこね回されてハボックの瞳から涙が零れた。 「い、や…っ…も、やだ…っ」 いつになったらこの甘い責め苦から解放されるのだろう。はらはらと涙を零すハボックの脚を抱え上げるとロイはゆっくりと体を繋げていった。 「あああああっっ」 首を仰け反らせて喘ぐハボックをロイはぐちゅぐちゅと突き上げる。甘い吐息を零すハボックと嬉しそうにそのハボックを犯すロイを見つめていたヒューズは、徐に服を脱ぎ捨てると言った。 「俺も混ぜろよ。」 「壊す気か?」 「さっき広げてやったろ」 あれ位広がれば大丈夫さ、と笑うヒューズにロイは苦笑する。 「今回だけだからな」 そう言うとロイは繋がったまま体を入替えてハボックを斜め下から犯す体勢になった。ヒューズは喘ぐハボックの片脚を抱えると既にロイが埋まっているソコに自身を押し当てる。 「一緒に楽しもうぜ、少尉」 「ちゅうさ…?」 不安そうに見つめてくる空色の瞳に笑うとヒューズはハボックの蕾を指で押し開いた。ヒューズが何をしようとしているのかに気づいてハボックの顔が蒼褪める。震える息を吐いて小さく首を振るハボックにヒューズが笑いかけた。 「大丈夫。さっきどれだけ広がるか確かめただろ?」 「やめて…やめてくださ…」 「すぅぐ悦くなる…」 そう囁くとヒューズはゆっくりとハボックの蕾へと己を沈めていく。みしみしと押し入ってくる熱い塊にハボックの唇から悲鳴が上がった。 「ひいいいっっ」 狭い器官は強引に押し開かれて今にも引き裂かれそうだ。目を見開いてぴくぴくと震える体に指を這わせてロイが囁いた。 「力を抜け、ハボック」 「あ…ひ…っ」 「楽しめよ、少尉」 ロイの手がハボック自身をすき上げ、ヒューズの指がハボックの乳首を嬲る。2人の舌がハボックの体を這い回りハボックの体を快感が支配していった。 「あ…んふ…」 「悦くなってきたようだな…」 「堪んないカラダだな」 くすくすとヒューズは笑うとロイの顔を見た。お互いに頷くとゆっくりとハボックを突き上げ始める。身の内で違う角度から突き上げ、こね回す二つの塊にハボックの体を快感が貫いた。 「あっ…あひぃっ…ああっ…はあっ」 ぐちゃぐちゃと淫猥な水音が響き、男たちの荒い息使いとハボックの喘ぎが部屋の中を満たしていく。程なくびゅるんと熱を吐き出したハボックにヒューズが笑った。 「すげぇ…ぎゅうぎゅうしめつけてくるぜ」 楽しそうに突き上げるとハボックは身を仰け反らせて喘ぐ。身悶えるハボックを見つめながらヒューズは言った。 「なあ、俺にくれない?」 「…殺すぞ」 「冗談だって、睨むなよ」 ギロリと睨まれてヒューズは肩を竦める。そう言い合いながらもハボックを攻め立てる動きは続いていた。何度も熱を吐き出させられてハボックは力なく首を振った。 「も…ツラ、イ…赦して…っ」 呟く言葉にヒューズがロイに言う。 「だってさ、どうするよ」 「ゲストのお前に決めさせてやる」 低く笑うロイにヒューズが片眉を跳ね上げて笑った。 「そりゃどうも」 そう言ってハボックに口付けるとロイに言う。 「じゃ、そろそろたっぷり味あわせてやるか」 2人で笑い合うと激しく突き上げ始めた。 「ああっ…ああんっ…あ、ふぅ…っ」 喘ぐハボックを情け容赦なく突き上げるとほぼ同時に熱を迸らせる。 「アッアア―――――ッッ!!」 2人分の熱で焼かれてハボックの唇から絶叫が上がった。 「愛してるよ、ハボック…」 耳元に囁くロイの声を聞いたのを最後にハボックの意識は闇に飲みこまれていった。 10日ぶりに見たハボックの姿に妙な違和感を覚えてホークアイは首を傾げた。どこがどう違うと具体的に言えるわけではない。だが何かが違う気がしてホークアイはまじまじとハボックを見つめる。出張に行く前、ぎこちなくなっていたロイとの関係はどうやら修復されたように見受けられて、その事に関していえばホークアイはホッとしていた。司令室に入ってきたハボックに声を掛けようとしてその熱に浮かされたような視線にホークアイは言葉に詰まる。 「なんスか、中尉」 その空色の瞳に揺れるのがなんなのか判らないまでも、今自分を見つめる男がこれまで知っていた人物と同一人物ではないとホークアイは感じた。息を飲んだきり何も言わないホークアイをハボックは暫く見つめていたが、やがて一つ瞬くと何も言わずに執務室へと入っていってしまう。ハボックの姿が視界から消えて、ホークアイは全身から力が抜けるのを感じていた。 「たいさ…っ」 執務室に入ってくるなりロイの名を呼ぶハボックの体が小刻みに震えている。ロイは書類から目をあげるとそんなハボックを楽しそうに見上げた。 「どうした」 何でもないように聞いてくるロイにハボックは唇を噛み締める。「出張」と言う名の10日の間、ハボックは昼と言わず夜と言わずその身に男を受け入れることを覚え込まされた。ロイがいる間は勿論、司令部に出ている間ですらさまざまな道具を使って快楽を植えつけられた。今ではもう、ハボックにとって男に抱かれるという行為は日常であり、どんなに嫌だと思っていても体はそれを求め、それなしではいられなくなっていた。 執務室の扉に背を預けたハボックは必死に息を整え、言葉を吐き出す。 「も…くるしい…っ」 そう囁くように言うと、ハボックは腰を揺らめかせた。縋りつく瞳にロイは薄っすらと笑うと言った。 「第5会議室へ行っていろ。私も後から行く」 泣きそうな顔をするハボックに優しく笑いかけるとロイは言う。 「すぐだ、ハボック。だから先に行っていろ」 ロイの言葉に微かに頷くとハボックは執務室を出て行く。その背中をロイは愛しそうに見送っていた。 |
→ 第七章 |