真・偏愛  第四章


「ハボック、おい、ハボック」
 ロイは何度か呼び掛けた上、肩を揺する。その体がぴくりとも動かないのを確認すると、ハンドルの上に覆い被さったハボックの体を助手席の方へ押しやった。足下に落ちた煙草を拾い上げ、手袋をはめた手でぎゅっと握り潰す。運転席に滑り込んだロイは車を発進させるとゆっくりと自宅への道を走り出した。意識を失ったハボックを乗せた車はやがてロイの家の玄関の前にたどり着いた。ロイは玄関の扉を開けると車に戻りハボックを抱え上げる。家に入りハボックを二階の寝室へと運んだ。その体をベッドに下ろすと司令部に電話をかけ、車を取りに来てくれるよう告げる。少ししてやってきた警備兵に車のキーを渡すとロイは玄関の扉を閉めてカチャリと鍵をかけた。ロイは二階に上がるとベッドに横たわるハボックを見下ろす。金色に輝く髪をそっと撫で、軍服の上着に手をかけた。ひとつひとつボタンを外していき、腕を引き抜く。軍靴を脱がせベルトを緩めるとズボンを下着ごと引き剥がした。Tシャツの襟元に手を入れるとぐっと左右に引き裂いてしまう。そうしてハボックが身に纏っていた物を全て取り去ってしまうと、ロイはその左胸を飾るものに視線をおとした。
「ちゃんと消毒しておけと言ったのに」
 炎症を起こしているソコにロイは軽く舌打ちすると引出しから消毒液を取り出して手当てをする。そうしてハボックの体を抱え上げるとベッドの傍らに置いてあった椅子と呼ぶには奇妙な形をしたそれにそっと座らせた。その椅子はロッキングチェアのように少し背の方に傾いでおりその所為で下半身を突き出して座るようになっていた。椅子の上部には鎖の付いた手枷が付いており、ロイはハボックの両手をそれで拘束してしまう。椅子の座面はU字型にくびれていてむき出しになった下肢がよく見えるようになっていた。M字に開くように設置されている脚を置くスペースにはやはり足枷が付いていて、ハボックの長い脚は硬く留められてしまった。ロイは少し離れてハボックの姿をしげしげと見つめる。ハボックは両手を頭の少し上で手枷に拘束され、両脚はしどけなく開かされた格好で椅子に止められていた。全てを惜しげなく曝すその無防備な姿にロイは楽しげに笑うとハボックの頬に手を伸ばす。薄っすらと開かれた唇に舌を這わせるとねっとりと口付けていった。ぴちゃぴちゃと音を立ててハボックの口内を弄り、それと同時にゆっくりと手を滑らせていく。ボディピアスのついていない方の乳首に辿りつくとくりくりとこね回した。口内を嬲っていた舌を曝け出された首筋に滑らせ時折きつく吸い上げる。思うままにハボックの肌に朱を散らしながらロイはハボックの体を堪能していった。

 肌の上を這い回る異様な感触にハボックの意識がゆっくりと覚醒していく。ぴちゃりと音がして口内を弄るぬめぬめとしたものをなんだろうと不思議に思い、開いた瞳の先に焦点が合わないほど近づいた顔が誰のものであるか理解した瞬間、ハボックは必死に首を振りたて拘束された腕を引いた。突然暴れだしたハボックの体からゆっくりと身を起こすとロイはにんまりと笑いかける。
「目が覚めたか、ハボック」
「な…いったい…」
 ハボックはロイの顔を見つめ、次に全裸で椅子に拘束されている己の姿を見て言葉を失った。唇から荒い息を零しながら、なにをどう聞いたらよいのかパニックを起こした頭では何も考え付かなかった。ロイは呆然と自分を見つめる空色の瞳にくすりと笑うとハボックの胸を彩るボディピアスに触れる。
「消毒しておけと言ったろう、炎症をおこしているじゃないか」
 ロイに触れられて我に返ったハボックはガシャガシャと鎖を鳴らして必死にもがいた。
「なに考えてるんスかっ!?外してくださいっ!!」
 だが、ロイはそんなハボックを笑いながら見つめるだけで何も答えはしなかった。答える代わりにロイはハボックに歩み寄ると曝け出されたハボック自身をきゅっと掴む。
「ひぃっ!」
 びくっと震えて、だが拘束された身では逃れる術もなくハボックは自身をロイの手に委ねるしかなかった。ゆるゆると扱きあげられてゆっくりと頭をもたげ始めるソレに、ハボックはふるふると首を振った。
「や、だっ…やめてっ…やめてください…っ」
 だが、その声に動きが止まるどころかむしろ激しさを増すロイの手にハボックの瞳から涙が零れる。
「な、んでっ…なんでこんなことするんスか…っ」
 ハボックには自分にレイプ紛いのことをするロイの真意が判らない。嫌だと思いつつも激しさを増すロイの手の動きに今ではすっかりと立ち上がった自身に、ハボックは荒い息を零した。
「あっ…んあっ」
 ゆるゆると首を振って必死に快感を逃そうとするが、ロイの巧みな手つきは確実にハボックを追い詰めていく。脚を大きく開かれていることもあって、快感がダイレクトに頭に響いてくる。
「はあっ…あひ…っ」
 口を大きく開きびくびくと体を震わせていたハボックは、次の瞬間柔らかい先端をこね回されて、耐え切れずに熱を放った。
「アア―――ッッ」
 喉を仰け反らせてロイの手の中に熱を吐き出すとハボックはゼイゼイと荒い息をついた。情けない思いにハボックの瞳から涙が零れる。ふと目を上げれば手に吐き出されたハボックの熱をねっとりと舐め上げるロイと視線があった。
「あ…」
 欲望に燃える黒い瞳にハボックは息が詰まる。目を見開いて自分を見つめてくるハボックにロイはうっすらと笑うと、熱と唾液に濡れた指をハボックの蕾へと沈めていった。
「ひっ」
 ぬぷんと中に潜っていく指にハボックの呼吸が荒くなる。先日初めて男を迎え入れたソコはまだ硬く閉ざされロイの指1本をくわえ込むのが精一杯だった。ぐちぐちとかき回されて屈辱に涙が滲む。ひくっとしゃくりあげるハボックにロイが聞いた。
「嫌か?」
「嫌に決まってんでしょうっ!」
 涙を滲ませた瞳でキッと睨みつけてくるハボックにロイの背筋をゾクゾクと快感が駆け上がる。ロイは声を上げて笑うと沈めた指をぐっと突き入れた。
「ひぃっ!」
「すぐに嫌でなくなる…」
 そう言ってかき回していたロイの指がしこりのようなものを突き上げた途端、ハボックの唇から嬌声が零れた。
「あひいいっっ!!」
「…ここか」
 続けざまにその部分を弄られて瞬く間にそそり立った自身からハボックは白濁を迸らせた。指だけでイかされたショックにハボックは呆然と宙を見つめる。ロイはそんなハボックを楽しそうに見つめると指を引き抜いた。
「あっ…」
 その刺激にハボック自身からとろんと蜜が滴る。ロイは引出しから細い革のバンド状のものとリングがセットになったものを取り出した。革のバンドでハボック自身の根元をぎゅっと締め上げるとリングをパチンパチンとハボック自身に嵌めていく。半ば立ち上がった自身に食い込むように施されたそれは、ハボックが熱を吐き出すことを封じていた。
「い、やっ…」
 あまりのことにハボックは嫌々と首を振った。
「とってっ!とって下さい…っ!」
「躾だよ、ハボック。勝手にイってはいけないと言うことを覚えるんだ」
「…っ!」
 にんまりと笑うロイにハボックは息を飲む。次の瞬間声を限りに怒鳴っていた。
「狂ってるっ!!アンタ、狂ってるよっ!!」
 ガチャガチャとムダにもがくハボックの顎にロイは手を伸ばす。ハッとしてロイを見つめる空色の瞳を覗きこんでロイは囁いた。
「そうとも、私は狂ってるんだ、お前にな…」
 だから諦めろと笑ってロイはハボックの顎を離すとバイブと取り上げる。ハボックに見せ付けるようにぴちゃぴちゃとソレに舌を這わせると、ロイは大きく開かれたハボックの脚の間にソレを押し付けた。
「やめて…やめてください、たいさ…」
 怯える声でそう嘆願するハボックにロイは優しく笑いかける。
「大丈夫だ、すぐ悦くなる…」
 そう囁いてロイはゆっくりとバイブをハボックの蕾へと沈めていった。
「あっあっい、やぁ…っ」
 拘束されたハボックの脚が小刻みに震え、つま先に力が入ってびくびくと震える。淫具を根元まで埋めてしまうとロイはリモコンを手に取った。
「さあ、躾を始めようか…」
「ひ…やめ…っ」
 見開いた空色の瞳に浮ぶ恐怖の色がロイの心を歓喜で満たす。ロイはうっとりと笑うとリモコンのスイッチを入れた。
「ひああああっっ!!」
 背を仰け反らせて悲鳴を上げるハボックをロイはじっと見つめる。うねうねと蠕動する淫具を手に取るとぐいと突き入れてハボックの感じる部分に押し当てた。
「やああああっっ」
 ビクビクと体を震わせるハボックの中心は硬くそそり立っている。リングの一つ一つが膨れ上がった自身に食い込み、ハボックは苦痛のあまり涙を零した。ハボックの悲鳴が一番高くなる箇所に淫具を固定するとロイはハボックの体に指を這わせ始める。耳の中に舌を差し入れぴちゃぴちゃと嘗め回しながら乳首をこね回すとハボックの唇から熱い吐息が零れた。
「あんっ…あひ…ひいい…っ」
 ブゥゥゥンという低い振動音とぴちゃぴちゃと濡れた音が響くその上を、ハボックの喘ぎ声が流れていく。
「うううっ…あっ…イくぅ…っ」
 腰を突き出してそうハボックは呻いたが、実際には縛められた自身から熱が吐き出されることはなく、先端から僅かに白濁が零れただけだった。封じ込められた熱はハボックの内部で荒れ狂い、ハボックを苦しめる。
「ひいいっっ」
 悶えるハボックをロイは情け容赦なく追い上げる。全身を愛撫し、時に埋め込んだ淫具をねじ込み、何度となくハボックを絶頂に追い立てた。そのたびハボックは苦しげに呻きながら僅かな白濁を零す。中心から苛む痛みにハボックの理性は焼き切れていった。
「いたい…っ…い、やあっ…も、こわれる…っ」
 荒れ狂う熱で自身ははちきれそうだ。リングが食い込んだそれは真っ赤に腫れ上がって今にも爆発するように見えた。
「たいさぁ…っ…た、すけてっ…たすけてぇ…っっ」
 幼い子供のようにすすり泣きながらロイに助けを乞うハボックの耳元にロイは囁く。
「つらいのか…?」
 がくがくと頷くハボックをロイはじっと見つめた。
「嘘をつくな。悦いんだろう?こんなにして…」
 ロイはそう言うとぎちぎちに縛められたハボック自身を指で弾く。
「ひああっ」
 とろんと蜜をこぼして仰け反るハボックの頬をロイは撫でた。そんなロイにハボックは必死に言い募る。
「おねが…はずし、て…くるし…くるしいよぉ…っ」
 はらはらと涙を零すハボックの瞳を覗きこんでロイは言った。
「外してほしいか?」
「はずして…おねが…っ!」
「では、誓え。お前は一生私のものだ」
「ちかうっ…ちかうから…っ」
 髪を振りたてて叫ぶハボックをロイは黙ったまま見下ろす。ハボックは涙で濡れた顔を上げると呟くようにロイに言った。
「ちかう…一生アンタのものになる…だから…っ」
 たすけてくれと強請るハボックにロイは嬉しそうに笑うとハボックの頬を両手で包み込んだ。
「違えるなよ」
 そう囁くと誓いを交わすように唇を重ねる。差し込まれる舌に必死に答えるハボックの口中を散々に味わうとロイは唇を離した。そうしてハボック自身を戒めるリングに手をかける。手早く外していくと、ハボックの蕾に埋め込んだバイブを乱暴に突き上げた。
「アッアア――――――ッッ!!!」
 絶叫を上げてびゅるびゅるとハボックは熱を迸らせた。勢いよくびゅくびゅくと吐き出した後もダラダラと白濁を零し続け、長い長い絶頂にハボックはビクビクと全身を震わせる。ようやく熱を吐き出し終わるとぐったりと半ば意識を飛ばして宙を見つめるハボックにロイはゆっくりと口付けていった。
「あ…ふ…」
 もう、抵抗する気力もないハボックの手枷、足枷を外すとハボックの体をベッドに移す。ロイは服を脱ぎ捨てるとハボックの脚を大きく広げる。深く埋め込まれた淫具を乱暴に引き抜くと、ひくひくと蠢くソコに自身を押し当てた。散々に淫具で玩ばれたソコは殆んど抵抗なくずぶずぶとロイ自身を飲み込んでいく。
「んあああっ」
「ハボック…」
 腰をグラインドさせるように乱暴に突き入れるとハボックの唇から喘ぎ声が零れた。
「あ…んふっ…うふぅっ…」
 感じたくないと思っているのに熱い塊りがしこりを擦りあげるたび強烈な快感が駆け抜ける。しどけなく脚を開いてロイの熱を受け入れながら、ハボックははらはらと涙を零し続けた。


→ 第五章