この想いの行きつく果て 第六章
短いけれどロイにとっては夢のようなひと時が過ぎて、ロイはもう指1本動かすことも出来ないままハボックの
香りが残るベッドに顔を伏せていた。散々に酷い目に会わされて、それでも最後にはようやくハボックの腕に
抱かれて、ロイはうっとりと微笑む。ほんの僅かな、しかし例えようもなく甘い毒にロイは心も体も支配されて
ハボックのこと以外考えられない。ハボックから与えられる熱を得る為であれば、それがどれほど残酷で
理不尽な要求であろうと、ロイはハボックの言うままであろう自分が判っていた。一度その甘さを知って
しまった心はそれなしではいられず、ロイはただひたすらにハボックを求め続けていた。
ロイは執務室で書類にサインをしたためると、ため息をついた。あのあと2度ほどハボックと肌をあわせる
機会があったものの、なかなか自分を見てくれないハボックにロイは焦らされていた。きっとハボックはロイが
ハボックが欲しくて仕方ないことなどとっくに気がついているはずだ。それは時折あざけるような光を湛える
空色の瞳をみれば一目瞭然で、ロイの気持ちが判っていながらつれないハボックに、ロイの心は引き裂かれ
そうだった。
「ハボック…」
どうしたら自分だけをみてもらえるのだろう。今まで持ったことのない悩みにロイはため息をつく。体中が
ハボックという水分を求めてカラカラに乾ききっているのにそれを満たす術がわからない。瞬きと同時に
はたはたと涙が書類に落ちて、したためたばかりのサインを歪ませた。
「ハボ…」
微かな呟きがロイの唇から零れた時、ぐいと顎を掴まれて俯いていた顔を仰向かされる。驚いて見上げた
視線の先に空色の瞳を見つけてロイは息を飲んだ。
「呼びました?」
にやりと笑うハボックにロイの瞳からぽろぽろと涙が零れた。泣きじゃくるロイの涙を拭ってハボックが囁く。
「淋しかったんスか?」
こくこくと頷くロイの唇をハボックのそれが塞ぐ。久しぶりに触れた感触に、ロイは無我夢中で貪った。
「ハボック…っ」
腕を伸ばして縋りついてくるロイにハボックがくすくすと笑う。可愛いっスね、と言ってハボックは机を回ると
ロイの背後に立った。背後から抱き込んでロイの首筋に舌を這わせながら聞く。
「オレに抱かれたかった?」
夢中で頷くロイの首筋をきつく吸い上げながらハボックは囁いた。
「じゃあ、今抱いてあげますよ。」
ぎくりと身を強張らせるロイに構わず、ハボックはロイのベルトに手をかける。
「ま、待ってっ、ハボっ」
慌ててその手を押さえるロイにハボックが不思議そうに聞いた。
「どうして?抱いて欲しいんでしょ?」
「でも、ここじゃ…っ」
「じゃあやめます?」
聞かれてロイは目を瞠った。ここで拒んでしまったら二度と抱いてはもらえないかも知れない。ロイは震える
手をハボックの手から離すと小さな声で呟いた。
「や、やめないで…」
頬を染めて目を伏せるロイの姿にハボックはくすりと笑うと、ロイのズボンを引き摺り下ろした。軍靴を脱がせ
靴もズボンも取り去ってしまう。
「ハボックっ」
下肢をむき出しにされて、ロイは体を縮こまらせて叫ぶ。もし今ここで誰かが執務室に入ってきたら言い訳が
たたない。
「なんスか?」
「こ、こんなの…っ」
ヒドイと抗議するロイにハボックが言う。
「だって抱いて欲しいって言ったの、アンタじゃないっスか。」
「でも…っ」
「イヤならやめるけど、でも…」
もうこんなにしてるじゃないっスか、と中心をそろりと撫で上げられてハボックは息を詰める。ロイの中心は既に
期待に震えてそそり立ち蜜を零し始めていた。くちゅくちゅと緩くすき上げながらハボックはロイの耳元に囁いた。
「やめときますか…?」
掠れた声にぞくりと背筋を快感が走り抜ける。ふるふると首を振るロイを後ろから抱え込んでハボックはにんまりと
笑った。
「可愛いっスよ、たいさ…」
囁きながら舌を耳に差し入れてねぶる。シャツの裾から差し込んだ手で乳首を玩び、握ったロイ自身を乱暴に
扱いた。
「あっ…はあっ…あふ…」
ようやく触れてもらえた事にロイの心は喜びに震えている。いつにも増して感じやすい体にロイは我を忘れて
身悶えた。
「あっ…ああん…ハボ…っ」
「あんまりでかい声上げると、中尉が驚いて来ちまいますよ。」
ハボックが苦笑して言えばロイの中心からとろりと蜜が零れた。
「くくっ、なに、アンタってば中尉に見られるの想像して感じてるんスか?」
ロイの反応を面白がってハボックが言う。ロイは羞恥に駆られながらも興奮する気持ちをどうすることも出来な
かった。
「あっあっ…ハボっ…でちゃうっ…っ」
「いっスよ。ほら、イっちゃいなよ。」
先端の穴を擦られてロイは背を仰け反らせる。
「あっああっ」
びゅるりと熱を撒き散らしてロイはビクビクと震えた。ハボックは手の平に受けたロイの熱をロイの口元に持って
いく。
「舐めて。」
言われてロイはハボックの手を濡らした自身の熱に舌を伸ばした。
「ん…ぅん…」
こんなものを舐めさせられる事に嫌悪を覚えながら、興奮もしている。荒い息を零しながら懸命に舌を這わせる
ロイを見つめてハボックはニヤニヤと笑った。ロイの唾液に塗れた指をロイの双丘の狭間に這わせるとハボック
は囁く。
「挿れて欲しい?」
がくがくと頷くロイの首筋に舌を這わせながらハボックは指を蕾へと差し入れた。くちゅりと濡れた音を立てて
ハボックの指を飲み込むとイヤらしく蠢くソコにハボックが言った。
「相変わらずイヤらしいなぁ、アンタのココ…。物欲しそうにひくついて…」
「あ…言わないでっ」
そう呟きつつ、ロイは腰を揺らめかせる。早くハボックのもので貫いて欲しくてロイは肩越しにハボックを振り
仰いだ。
「ね…はやくちょうだい…っ」
欲に濡れた瞳で強請るロイにハボックは言った。
「淫乱大佐。」
あざけるように言われて、それでもハボックが欲しくて仕方ない。ロイはハボックの指を咥えこんだソコをぎゅっと
締め上げてハボックを誘った。
「ハボ…欲し…っ」
「仕方ないっスね…」
呆れたようなため息を零して、それでもハボックが取り出した熱でロイを突き上げようとした時。
「大佐。フュリーです。至急の書類にサインを頂きたいのですが。」
入室の許可を求めるフュリーの声がした。
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