この想いの行きつく果て  第五章


可愛がってやると言ったくせに覆いかぶさったきり何もしようとしないハボックをロイは不安そうに見つめる。
「ハボック…?」
恐る恐る呼んだ声にハボックはにんまりと笑った。
「どうして欲しいんです?」
「え?」
聞かれた意味が理解できずにロイはハボックを見つめる。
「アンタがして欲しいことをしてあげますよ。」
ハボックの言葉に驚いたように見開かれる黒い瞳を見つめてハボックは楽しそうに言った。
「言わないなら今夜はここまでに…」
「待ってっ!」
ロイは慌ててハボックの首に手を回すと縋り付く。ハボックの熱だけが欲しくてプライドを棄てて必死に言われる
ままにしてきたのに、それでもまだ足りないというようにそんなことを言う男にロイは涙が出そうになった。だが
それでもハボックが欲しくてロイは震える唇を噛み締めて言葉を紡いだ。
「ハボックが欲しい…お前のを…挿、れて…」
「オレの何をどこに挿れて欲しいんスか?」
はっきり言ってくれないと、と意地悪く言うハボックにロイは真っ赤になって答える。
「お前の…ペ、ニスを…私のココに…」
ロイはそう言って脚を開くと震える指で己の蕾を押し開いた。イヤらしいロイの仕草にハボックは低く笑う。
「そんなに欲しいんならオレのしゃぶってくれません?」
そう言われてロイはベッドの上に起き上がったハボックの股間に顔を寄せた。猛々しくそそり立つハボック自身
を目にしてロイの喉がごくりと鳴る。これでかき回されるのだと思うと背筋をぞくぞくと快感が走り抜けた。
ロイはゆっくりと舌を伸ばすと口いっぱいにハボックを咥え込んだ。必死に舌を絡ませ喉奥で締め上げながら
指でたっぷりとした重さを持った袋を揉みしだいた。
「ん…うふぅ…ん…んく…」
甘ったるい息を零しながら必死にハボック自身を咥えるロイをハボックは楽しそうに見つめる。それからロイの
蕾に手を伸ばすと、指を2本ぐいと沈めた。
「んんっっ」
突然のことに思わず唇を外そうとするロイの頭を押さえ込んでハボックは言う。
「誰がやめていいって言ったんスか。ちゃんと続けろって。」
「んんっっ…ん――っっ」
乱暴にぐちゃぐちゃとかき回されてロイは涙を零しながらも必死にハボックを慰め続けた。だが、後ろから駆け
上がる快感にどうしてもしゃぶる動きがおろそかになってしまう。ハボックはそんなロイにちっと舌打ちすると
ロイの髪を掴んでぐいと突き上げた。
「まどろっこしいっスね、やる気あんですか?」
「うぐっ!…ぐぅっ!!」
乱暴に喉奥を突き上げられてロイは苦しさのあまり顔を上げようとする。だがハボックはそれを赦さずぐいぐいと
自身を突き入れた。
「欲しいんだろ、オレの。だったらまずオレを満足させてくださいよ。」
男のアンタを抱いてやるんだから、と言われてロイの瞳から涙が零れる。ハボックが好きで好きでほんの少しでも
いいから自分を好きになって欲しい。ロイはそう思って必死にハボック自身をしゃぶり続けた。
「ぅんっ…くぅ…」
ロイの上と下の口からイヤらしい水音が響く。いつの間にかロイは無我夢中で尻を振りたてながらハボックを
しゃぶっていた。
「ヤらしい格好…。」
くすくすと笑うとハボックはぐっと自身を突き入れる。その途端、喉の奥で弾けたハボックの熱に、ロイは息が
詰まりそうになってびくびくと体を震わせた。ハボックは射精半ばで自身をロイの口から引き抜くとロイの顔に
熱を吐き出す。
「ごほっっ…はぁっ…あっあああっ」
顔に青臭い液体をぶちまけられながらロイは熱を迸らせていた。咥えたハボックの指を締め上げてぶるぶると
震えるロイの姿にハボックは呆れた声を上げる。
「アンタ、顔にぶちまけられてイっちまったんスか?淫乱にもほどがあるってもんでしょ。」
「あ…あ…」
詰る言葉すらロイの快感を煽っていく。ロイは背を仰け反らせると続けざまに熱を吐き出した。荒い息を零して
うずくまるロイにハボックは冷たく言った。
「オレの挿れる必要なんてないんじゃないんスか?そんだけイけば満足でしょ。」
言われてロイは慌ててハボックに縋り付く。
「やだっ…やっ…お、ねがいっ…挿れて…っ」
綺麗な顔をハボックの精液で汚してすがり付いてくるロイにハボックは低く笑った。
「しょうがないっスね、ホント淫乱なんだから。」
ハボックはそう言うとロイの体を引き寄せる。座り込んだ自分の上にロイを跨がせるとロイの体を一気に貫いた。
「ひああああっっ」
熱い塊に刺し貫かれてロイは背を仰け反らせて喘ぐ。漆黒の髪から銀色の汗を撒き散らして悶えるロイはその面
を白濁に汚していながら堪らなく綺麗だった。ハボックに乱暴に突き上げられながらもロイの心は喜びに満ちて
いた。ようやく一つになれて心も体も満たされていく。
「ああんっ…ハボ…すきっ…すき…っ」
「可愛いっスね、たいさ…。」
身悶えるロイを突き上げながらハボックはうっすらと笑う。目の前の乳首をぐりぐりと捏ね回せばロイの唇から
甘い吐息が零れた。
「あっ…ひぃ…っ」
もっともっとハボックが欲しい。ロイは無我夢中で腰をくねらせた。断続的に熱を吐き出しながらロイはハボック
の首に腕を回した。
「あんっ…ハボぉ…っ」
キスを強請るロイにハボックは苦笑して口付けてやる。必死に舌を絡ませてくるロイのそれをきつく吸い上げて
やればロイの体が快感に震えた。
「アンタ、こんなんで女とどうやってたんスか?」
女とのセックスじゃ満足できなかったでしょう、と嘲るように言われてロイは頬を染める。もう、今となっては
以前自分がどんなセックスをしていたかなど少しも思い出せなかった。今のハボックとのセックスだけがすべてで
ハボックの前に脚を開くことしか考えられない。
「ハボっ…もっと奥…突いて…っ」
「こうっスか?」
「あひいいっ」
自分の上であられもなく身悶えるロイを見てハボックはくすくすと笑った。
「こんなアンタ見たら将軍達も大騒ぎでしょうね。いくらでも出世させてくれるんじゃないっスか?」
「んああっ…アッアア――――ッ!!」
ガツンと突き上げられて目の前が白く弾ける。ロイが仰け反ってベッドに倒れこむのを追うような形で、ハボック
は体勢を入れ替えてロイをベッドに組み敷いた。
「あっ…ハボぉッ…ハボの…中に…」
腰を振って強請るロイにハボックは楽しそうに言う。
「ねぇ、今度みんなの前でセックスしましょうよ。きっと楽しいっスよ。」
ハボックの言葉にロイは僅かに目を見開いた。いやいやと首を振りながらそのことを想像して興奮する。ホークアイ
やブレダはきっと冷たい嫌悪の目で自分を見るのだろう。そう思うとぞっとするほど恐ろしいのと同時にぞくぞくと
快感が背筋を這い上がってロイはもう、何度目になるか判らない熱を吐き出していた。
「あああっっ」
「くくっ…想像してイっちまったんスか?」
ハボックはそう言って笑うとロイの脚を抱えあげてがんがんと突き上げる。
「ああっ…ひいっ…こわれる…っっ」
「アンタ、ホントにサイコー。」
ハボックに耳元で囁かれてびくびくとロイの体が震えた。荒々しく口付けられてロイの心が喜びに満ちていく。
「ハボォ…っ」
「ほら、たっぷり味わいな。」
ハボックはそう囁くとロイの最奥に熱を叩きつける。
「あああああっっ」
欲しかったものを漸く与えられて、ロイは歓喜に震えながら意識を手放した。ぐったりとベッドに沈み込むロイ
を見下ろしてハボックは笑う。
「ホント、最高。めちゃくちゃに壊してやりたくなりますよ。」
ハボックはそう囁いてロイからずるりと自身を抜き出すと、ベッドに横たわるロイをそのままにさっさと服を
身に着けて部屋を出て行ったのだった。


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