この想いの行きつく果て 第四章
ふわりと浮き上がった意識にロイはぼんやりと目を開いた。ぼうっと見上げた先が見慣れた自宅の天井だと
ロイが気づいた時、カチャリと扉が開く音がしてそれと同時にロイの中に埋め込まれた淫具が暴れだす。
「ひいいっっ!!」
背を仰け反らせて体をビクビクと震わせ、見開いた黒い瞳からは止めどなく涙を零してロイは喘いだ。震える
指がシーツを握り締めて口の端からはだらしなく唾液を零すロイをハボックの冷たい目が見下ろす。ハボック
の指が淫具のスイッチをオフにした途端、ロイの体ががくんとシーツに沈みこんだ。
「まったく、あんなところで伸びちまうなんて、オレがどれだけ言い訳に苦労したと思ってるんスか。」
「あ…」
詰るように言われてロイは必死に記憶を手繰った。パーティの席で体に入れられたローターに攻められて
どうにも立っていられなくなったロイを別室に連れ込んだハボックは、ローターをとってくれと懇願するロイの
願いを聞くどころか更に数を増やしてロイを攻め立てた。挙句、ロイは完璧に意識を飛ばしてしまい、ハボック
は意識のないロイを家までつれて帰ってきたのだった。
「アンタが退屈なパーティだっていうからおもちゃをあげたのに、せっかくのオレの好意を無駄にして。」
ハボックはそう言うと青い顔をしたロイを見つめる。
「アンタ、オレのこと好きらしいけど、ホントなんスか?オレのプレゼントだって嫌がるし、普通好きな相手から
なんか貰ったら嬉しがるだろうし、好きな相手の言うことなら何でも聞きたいもんじゃないんスか?」
「ハボック…」
ロイはのろのろとベッドに起き上がるとハボックを見上げた。
「ま、オレは別にいいんですけどね。男のアンタと付き合わなきゃならない程相手に不自由してないし。もともと
アンタみたいなスレンダーなタイプより、こう、バーンと出るトコでたタイプの方が好みだし、アンタがその気が
ないなら付き合うの、やめても――」
「イヤッ!!」
ハボックの言葉を遮ってロイが叫ぶ。ロイはハボックに縋りつくと必死に言い募った。
「好きっ!好きだっ!お前の言うこと、何でも聞くから、だから…っ」
捨てないでくれと縋ってくるロイを見下ろして、ハボックはにやりと笑う。ベッドに腰を下ろすと、ロイの顔を
見つめて言った。
「ホントにオレのいうこと、なんでも聞いてくれるんスか?」
「聞くっ、聞くからっ!!」
必死の形相のロイにハボックはポケットの中から、いまだにロイの中に埋め込まれている淫具と同じものを
取り出す。
「アンタの中にもっと入れてもいい?」
スッとロイの顔から血の気が引いてロイは濡れた目を大きく見開いた。今ですら限界なのだ。これ以上埋め
込まれたら気が狂ってしまうかも知れない。それでもロイはズボンと下着を落とすとベッドの上で四つに這い
ハボックに向けて尻を突き出した。
「お前が好きなだけ…入れて…」
そう言って首まで真っ赤になってうな垂れるロイの白い双丘をハボックはそろりと撫で上げる。びくりと震える
ロイの顔を覗き込むようにしてハボックは聞いた。
「こんなもん、入れてホシイんスか?」
指で球状のローターを玩びながらそう聞いてくるハボックにロイは唇を噛み締める。それでも微かに頷くと
ハボックはくすくすと笑った。
「イヤらしいなぁ、しかもたくさん入れてほしいなんて、淫乱にも程がありますよ。」
「でも、お前が…っ」
最初に入れてもいいかと聞いたのはハボックだと、ロイはそう言いかけて口を噤む。
「オレが、何?」
何でも言うことを聞くといったのだ。ロイはそれほどまでにハボックが好きだった。もう一度、ハボックの腕に
抱かれたくて、本当はこんな淫具ではなくハボックの熱で狂わされたいとも思っていたが、だからこそハボック
の機嫌を損ねるのが怖くて、ロイは首を振った。
「なんでもない…」
そうして震える声で言葉を続ける。
「はやく…いれて…。」
そう言って腰を揺らめかせればハボックが楽しそうに笑った。
「さっき幾つまでいれましたっけ?」
「ご、5こ…」
「ふぅん。じゃあ、その倍くらいはいけますね。」
息を飲むロイの蕾にハボックはローターを押し当てる。ゆっくりと押し込むと更に指で奥の方へグイと押し入れた。
「んくぅ…っ」
そして更にもう一個。
「あひ…ぃ」
更にもうひとつ。
「あ…あっ」
圧迫感に喘ぐロイを見つめてハボックは言った。
「あと2個、あるんスけど、いけますよね。」
正直もう、破裂してしまいそうなそんな気がしてとてもムリだと思ったが、ロイは微かに頷く。ハボックはそんなロイ
に満足そうに笑った。
「じゃああと二つ。いっぺんに入れましょうか。」
「…っっ!!」
ハボックはロイの蕾に淫具を押し当てるとぐいと押し込んだ。
「かはっ!」
背を仰け反らせてびくびくと体を震わせるロイにハボックは冷たく言う。
「ほら、しっかり締めないと、中から飛び出しちまうでしょ。」
「む、むり…っ、でちゃうっっ」
「いいって言うまで出しちゃダメっスよ。」
ハボックはそう言うとリモコンをロイに見せた。
「動かしてみましょうか。」
目を見開いて首を振るロイの尻をハボックはそろそろと撫でる。そうしてロイの耳元に囁いた。
「上手くできたら抱いてあげます…。」
期待と絶望の色を湛える瞳を見つめてハボックはリモコンのスイッチを入れる。
「ひいいいいっっ」
暴れる淫具同士が互いにぶつかって、更に大きなうねりとなってロイを攻めたてる。その振動で飛び出そうに
なったソレを、ロイは必死に手の平で押し戻した。
「あひいっ…ああっ」
悶えるロイを見下ろして、ハボックは呆れたように言う。
「イヤらしいなぁ、そこまでしてそんなもの咥え込みたいなんて。」
詰る声を聞きながらロイは熱を吐き出す。惨めな想いに涙がぽろぽろと零れでた。
「ひ…う…ハボぉ…っ」
泣きながら身悶えるロイをハボックは見下ろしていたが、やがてリモコンのスイッチを切った。がくんと力の抜けた
ロイの髪を撫でながらハボックが言う。
「じゃあ、次はそれを自分で出してくださいね。」
涙に濡れた目を向けてくるロイにハボックはにやりと笑った。
「オレの、欲しいんでしょ?そんなモン入ったトコに、いくらオレでも突っ込めませんよ。」
そう言うとハボックはロイの体を引き起こした。ベッドの淵に座らせると、自分は立ち上がって近くに椅子を引いて
そこに腰かける。
「ほら、早くしないと夜が明けちゃうでしょ。」
ロイは唇を震わせてシーツを握り締めたが、ゆっくりと脚を持ち上げると腿を抱え、M字に脚を開いてハボックへと
蕾を曝した。
「ん…んふっ」
力を込めると入り口に程近い所でもう出掛かっていたソレがずるりと顔を出す。
「あはあっ」
こつん、と床に落ちて転げたソレに続いて、もうひとつも難なく表へと出てきた。
「あっあっ」
次々と尻から淫具をひり出しながら、ロイは身悶え、断続的に熱を吐き出す。ずっとロイを苛んできたソレは
床に転がってロイの熱と体液にまみれていた。最後のひとつを熱と共に吐き出して、ロイはぐったりとベッドに
倒れこむ。ぜいぜいと荒い息をつくロイには目もくれず、ハボックは吐き出された淫具を取り上げると顔を
顰めた。
「あーあ、すげぇ汚れちまって…。」
ハボックは嫌そうな顔でそう言うと、ベッドに横たわるロイの口元にソレを突きつける。
「アンタの所為なんスから、舐めて綺麗にして下さいよ。」
青臭いにおいを放つソレにロイは眉を顰めたが、それでも唇を開いた。ぐいと口の中に押し込まれて、臭いに
嘔吐きそうになりながらもロイは必死にしゃぶり続ける。そうしてやっとの思いで全ての淫具を自らの口で
清め終わると、ハボックを見上げた。その期待に満ちた視線にハボックはくすくすと笑う。
「アンタのこんな姿、誰も想像したことないでしょうね。」
ハボックはそう言うとロイの顎を掴んだ。
「ヒューズ中佐とか、ホークアイ中尉とか、知ってるんスか?アンタがこんな淫乱だってこと。」
そうしてイイコトを思いついたと言うように瞳を輝かせて言う。
「そうだ、今度セントラルに行ったら、ヒューズ中佐と3人で楽しむってのはどうっスか?」
「やめてっ!!」
本気でそんなことをしかねないハボックの表情にロイは声を上げる。そんなロイにハボックは不愉快そうに
眉を跳ね上げたが、口ではこう言った。
「ま、それはお楽しみに取っておいてもいいっスけどね。」
ハボックはそう言うとロイの体をベッドに突き飛ばす。シャツの裾に手をかけて脱ぎ捨てるとベッドに倒れ伏す
ロイの上に圧し掛かった。
「じゃ、たっぷり可愛がってあげますよ。」
厚い胸板に抱かれて、ロイは初めて嬉しそうに笑った。
→ 第五章