この想いの行きつく果て  第三章



「大佐。車の用意、出来ましたよ。」
「今行く。」
執務室で最後の書類にサインをしたためると、ロイは立ち上がる。後ろ手に扉を閉めたまま立っているハボック
に気づいて、ロイは不安そうにその青い瞳を見つめた。
あの日、初めてハボックに抱かれて以来、ロイはハボックを避けていた。望んだこととはいえ、浅ましい自分の
姿を思い起こすにつけ居た堪れない思いに駆られたからだ。ハボックの方からもその後何か言ってくることも
なく、ロイはホッとすると同時にやはり相手にされなかったのだと、胸が押しつぶされそうになっていた。
「ハボック…?」
何も言わないハボックに、ロイはどうしてよいか判らず視線を彷徨わせた。そんなロイをハボックは暫く黙って
見つめていたが、ゆっくりとロイに近づくとその体に手を回す。
「ハボ…?」
間近に見つめられてロイの頬が紅く染まった。ハボックはそんなロイをやんわりと抱きしめると囁いた。
「今日は立食パーティでしたっけ?」
聞かれてロイは頷く。ハボックはロイの顔を覗き込むと言った。
「アンタ、前にこういうパーティは退屈でキライだって言ってましたよね。」
ハボックが何を言いたいのか判らないまま、ロイは小さく頷いた。ハボックはにんまりと笑うとロイの体を
引き寄せる。
「じゃあ、退屈しのぎをあげましょうか。」
そう言った途端、ハボックの唇がロイのそれを塞ぐ。驚いて逃れようとするロイを身動きできぬよう抱きしめた
まま、ハボックはロイのズボンをくつろげた。
「んっ、んんんっ」
突然の事にもがくロイの体を押さえつけて、ハボックはポケットからちいさな丸いものを取り出すと、ロイの蕾
へと押し当てる。
「っ?!」
びくりと震える体に構わず、ハボックはそれをぐいと押し込んだ。蕾は僅かに抵抗を見せたが、くちゅんとソレを
飲み込んでしまう。体に埋め込まれた異物に身を硬くするロイに構わず、ハボックは素早くロイの衣服を整えた。
それからもう一度ポケットに手を突っ込むと薄べったいカードのようなものを取り出す。ハボックがそのカード
にかかれたボタンのようなものを押した途端、ロイの体がびくんと跳ね上がった。
「ひうっ!」
ロイはハボックの体にしがみ付くとがくがくと体を震わせる。
「ひ…ひあっ」
目を見開いて悶えるロイを見つめて、ハボックは楽しそうに言った。
「いいでしょ、ソレ。アンタの為に取り寄せたんスよ。リモコン、半径10メートルですって。アンタが退屈してそう
 だったらスイッチ押してあげますから。」
ハボックはそう言うとスイッチを切る。がくんと力が抜けるロイの体を支えるとハボックは言った。
「じゃ、行きましょうか。」
そう言って執務室を出ようとするハボックをロイは必死に引き止める。
「いや、だっ…ハボっ…こんな…」
涙ぐんで訴えるロイをハボックはため息をついて見下ろした。
「せっかくオレがアンタの為に持って来てあげたのに、使ってくれないんスか?」
「そんな…」
「そういや、アレ以来オレのこと避けてるし、オレのこと誘っておいて一度ヤッたらもういいんだ。」
ワザとらしくため息をつくハボックに、だが、ロイはふるふると首を振った。
「そうじゃないっ」
「じゃあ、オレのこと好き?」
覗き込んでくる蒼い瞳にロイは必死に頷く。ハボックはそんなロイに薄っすらと笑うと言った。
「それじゃオレからのプレゼント、貰ってくれますよね?」
ハボックの言葉にロイは目を見開く。ロイが何か言おうとする前にハボックはロイの腰を引き寄せると荒々しく
口付けた。
「んっ…んん…っ」
貪るようなそれにロイの意識が霞んでいく。ハボックは唇を離すと力なくすがり付いているロイの髪をかき上げた。
「可愛いっスよ、たいさ。」
行きましょう、と腕を引かれるまま、ロイはふらふらと執務室を出たのだった。

目の前の男が言う事にロイはうっすらと笑うと頷く。焔の錬金術師を前に興奮して話す相手の言うことを、ロイ
は半分も理解できないでいた。いつ動き出すか判らない体に埋め込まれた異物にばかり気が行ってしまい、
それ以外のことはどこか遠い出来事のようだ。それに動かないまでも深く埋め込まれたソレはロイの体を刺激
し、中心は緩やかに熱を持ち始めていた。ロイはカラカラに渇いた喉に酒を流し込む。ゆっくりと視線を巡らせて
壁に寄りかかって自分を見つめるハボックを見やった。ポケットに突っ込んだその手がいつボタンを押すのだ
ろうと、ロイは怯えると同時に期待している自分に気づく。そんな自分を恥じてロイが唇を噛み締めたその時、
ロイの体に埋め込まれたそれが緩やかに動き出した。
「…っっ!」
びくんと震えるロイに、話しかけて来ていた男が怪訝そうな顔をすると言う。
「どうかされましたか、大佐。」
聞かれてだが、徐々に動きを激しくするそれにロイは口を開くことすら出来ない。震える手からグラスを取り落とす
ロイにびっくりした相手がその体に触れようとした瞬間、伸びてきた手がロイの体を支えた。
「すみません、ちょっと気分が悪くなったようです。どこかで休ませてもらえませんか。」
ロイの肩を抱いてそういうハボックを見上げた相手は、慌てて2人を別室へと案内する。医者を呼ぼうとする男に
ハボックは休んでいれば治ると告げて、男を部屋から追い出した。カチリと鍵を閉めるとハボックはソファーに縋り
つくロイに近づいていく。そうしてため息をつくとロイに向かって言った。
「何やってるんスか、アンタ。それじゃ退屈しのぎにならないでしょ。」
冷たく言うハボックを見上げると、ロイは囁くように言う。
「ハボ…っ、とってっ…はやくっ」
縋りついてくるロイを見下ろすと、ハボックはやれやれとため息をついた。
「せっかく入れてあげたのに。」
「おねがい…っ」
涙ながらに訴えるロイに肩を竦めるとハボックは言う。
「仕方ないっスね。じゃあズボン脱いで後ろ向いて下さい。」
ロイはハボックに言われるままにズボンを膝まで下ろすと後ろを向いてソファーに手をついた。ハボックに向けて
尻を突き出す格好は堪らなく恥ずかしかったが、早く取り出してほしい一心でロイは羞恥に耐えて異物を咥え
込んだ蕾をハボックの目に曝す。小刻みに震えるロイの姿にハボックはうっすらと笑うと蕾にぐっと指を差し入れた。
「いっ!」
乱暴な指の動きに、ロイは取り出してくれるのならと必死に耐える。だが、埋め込まれたローターは引き出される
どころかむしろ奥へと入り込んでいった。
「あーあ、中に入っちまいましたよ。」
「そ、んなっ」
ハボックは指を引き抜くと平然とロイを見下ろした。そうしてポケットからリモコンを取り出すとロイに言う。
「振動をきつくしたら出てくるかもしれませんね。」
ハボックの言葉にロイがやめてくれと言う間もなく、ハボックの指が強の方へとボタンをスライドさせた。
「ひいいいっっ」
体の奥で暴れるソレに、ロイは体を仰け反らせると熱を吐き出してしまう。がくがくと体を震わせてソファに縋り
つくと、ロイは必死の思いでハボックに言った。
「おねが…とって…っ、とってぇっ」
涙を零しながら訴えるロイに、だがハボックは冷たく言い放った。
「ムリっスよ。指じゃ取れないんですもん。」
「そんな…っ」
絶望に目を見開くロイにハボックはにんまりと笑う。
「ああ、そうだ。アンタが自分で出せばいいんスよ。」
ハボックの言うことが理解できずに見上げてくるロイにハボックは言った。
「尻に力入れてひり出せばいいんスよ。」
簡単でしょ、と言われてロイは目を見開く。
「そんなの、できない…っ」
「じゃあ、そのまま入れとくしかないっスね。」
それもいいんじゃないっスか、と笑うハボックにロイは目の前が暗くなるような気がした。それでもロイはハボック
の脚にすがりつくと必死に言い募る。
「おねがい…とって…たすけてっ」
ハボックはそんなロイにくすくすと笑うとロイの背後に回り、ロイの膝裏に手を入れると親が子供の用足しを
手伝ってやるように脚を抱えた。
「ほら、尻に力いれて。」
あまりにも情けない格好に、ロイの瞳からぽろぽろと涙が零れる。ハボックはロイの耳元に唇を寄せると囁いた。
「ヤらないと一生入ったままっスよ。」
言われてロイは仕方なしに必死に力を込めた。荒い息を零しながら懸命に力を込めている内、やがて小さく
振動する球がロイの蕾から顔を覗かせる。ハボックは背後から覗き込みながら楽しそうに言った。
「おもしれぇ…。卵産んでるみたいっスね。」
くすくすと笑う声にロイの目の前が羞恥で真っ赤に染まる。それでも最後の力を振り絞ってロイはようやくローター
をひり出した。
「ひいいっっ!!」
入り口をローターがすり抜けていく感触にロイは熱を吐き出してしまう。ぽとりと落ちた球体がロイの熱でしとどに
ぬれて震えていた。ハボックはリモコンのスイッチをオフにするとローターを拾い上げる。ぐったりと力の抜けた
ロイの蕾にソレを押し当てるとハボックは楽しそうに言った。
「自分で出せるって判ったし、また入れておきましょうか。」
「…っ?!」
そう言ってハボックはロイの蕾にもう一度ソレを押し込んでしまう。
「ひっ…いやあっ!」
身悶えるロイの耳元にハボックは囁いた。
「これね、まだたくさん持ってるんスよ。せっかくだからもう少し入れてあげますね。」
そう言うとポケットに手を突っ込み、同じ球体を取り出す。ハボックが手にしたソレにロイはふるふると首を振ると
ハボックに懇願した。
「やめて…お願い…やめて、ハボック…っ」
怯えるロイにハボックはにんまりと笑う。
「愛してますよ、たいさ…。」
そう囁いてハボックはロイの蕾にローターを埋め込んでいった。


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