ソファーで眠っている自分より少し若い青年を見詰める。
 しばらくそうした後、今晩かかる仕事の為に用意した道具達をトランクから取り出した。これは元々が仕事で 使う物だったりする。
 今回は私用で使う事になるが、使い慣れた器具の方が被験者の体にも安全だ。もちろん衛生には気をつけて、念入りに消毒してあるし、消毒が効かないものは新しく購入した。この後、仕事の方でも使えばいいだけの事だから。
 被験者用にあつらえたもある。適度に寸法を推測して、きっと良い具合だろうとあつらえた。
 道具の準備を済ませたら、大きな体から軍服を剥ぐ。重労働だったが、それすら楽しみの内だ。
 上着をとればつけすぎていない若い筋肉の素晴らしい肉体が現れ、ボトムを脱がせば女を泣かせただろう形の良い男性器のふくらみが見える。
 黒いTシャツを脱がせば、彼が泣く位にくすぐってみたい立派な胸板があらわれる。きっと刺激を受けた事が無いはずの乳首を指で転がしてみると、眠っているためか無反応だった。ある意味、やる気をそそる。
 ぴったりした下着を引き下ろせば、現在の青年と同じくったりとした性器が現れる。
 ガバッとハボックの股を大きく開かせると、ヒューズはバスルームに向った。お湯を用意して戻ってくるなり、ソファーであられの無い姿で眠り込む青年の性器を丁寧に拭き出した。
 ハボックの大きな肉茎の先端の、大きく張った丘の頂上を割り開き、丁寧にタオルで清拭する。さすがに敏感なそこを布が行き来すればビクビクと太股が痙攣した。そして男の手の中で徐々に大きくなり始める。
 もっともまだ、その時ではない。
 それから奥まった、今日攻略するつもりの未到達の穴を撫でる。ここはまだ、誰も未開のはずだ。
 ジェルを塗りつけて肛門鏡をそこに埋める。起きていれば絶対に悲鳴が上がる行為だが、それでも彼は僅かに体を揺らすだけだ。
 内壁に異常が無いのを注意深く確認するとニヤリと笑い器具を抜き取った。この後の為に必要な丸い異物を一つ穴に沈み込ませる。それから検分した痕跡を綺麗に消し去った。
 ここを責める時は必ず中を確認するのは鉄則だ。何か病変があったり、傷が合った場合に下手に攻め抜けば、失血死かショック死をしかねないからだ。
 欲しい情報をとった後どうなろうと知った事ではないが、それまでに死なせるわけには行かない。
 それに、この金髪の青年を仕事で責めるわけではない。
 仕事で培った技能で攻めるだけだ。ずーっと、機会を待って用意してきた。
 この機会を逃したら今度はいつ好機が訪れるかはわからない。
 金髪の青年の為にあつらえたそれを装着するために動き出した。
 この体をのたうたせるのはこの後だ。
 まだ、時間ではない。



悪魔の手管
                                     by 古賀恭也



「はあ、……っはあはあ」
 もぞりと腰が落ち着かない。
 いまだにハボックの身体には性技が続行中ではあるが、落ち着かないのは性衝動でなく、生理現象でだった。
 とにかく、小便がしたくて仕方ない……のだ。しかし、それを上官に許可してもらえるのかわからない。とはいえ、ホテルの窓際でいい大人が失禁なんて出来ない。
 我慢しようと意識すればますます、排尿感に敏感になっていく。
 小刻みに身体を揺らすハボックに書類に専念していたヒューズが気付いた。
「なんだ。そろそろ次の段階を進みたいのか?」
「……しょ…さ、トイレ……小便がしたい……」
 素直にそう言うとヒューズは窓の置物と化したハボックを抱えてトイレに向った。やはり室内でそれはまずいと思ったようだ。
 せめて拘束帯の脚の方だけでも自由にしてくれる物だと思ったら、思惑は違った。より最悪だったかもしれない。
 窓際と同じ格好で便座に下ろされたハボックに目の前の上官は言った。
「さ、存分にやってごらん」
「……っ! 出て行ってくれないんスか?! つか、尻の中の出して!」
「そこまでの格好していて、今更だろ。どうせ、後で白い方も存分に出す事になるんだ。今、濡れているのと違う方のな。後ろのはこっちで使わないんだろ、さ、脚を固定しててやるから」
 そう言うと便座の上のハボックの膝裏を肩で固定し抱え上げる。背中に腕を回すと、ヒューズはこれでもかというぐらいに窮屈な姿勢をさせたハボックの唇にキスをした。
「ん…いやっ、だ…しょーさ……」
 顔を背けようとしても後ろ頭をしっかり固定されている。窮屈で息苦しくて、とても酷い格好で、排泄感もことさら酷い。キスだけは上手だった。顔をかする痛い髭の感触がなければ満点に近いぐらい。しかし、男が性の対象で無い人間には点数の評価に値しない。
「う…ぐぅ……しょうさ……いやだ……て」
「お前、そればっか。実際、たまんねーだろ、今の身体の具合?」
 後は頭の中が真っ赤になるぐらいの羞恥の波。
 忍耐は切れた。
「…あ…ぁぁぁ…」
 堰を切った様に流れ出すそれに気を良くした様に囁いた。
「そう、可愛いぜ。そのギリギリの所がたまらねえんだ。お前を苛めているんじゃねえさ。そうだったら、そこも栓をして放置しておけばいい。そのうちおかしくなるんだぜ、人間て」
「……うぅう……」
「俺はちゃんと、お前がしたい時にさせてやっているだろう?」
 口腔を犯されるぴちゃぴちゃと言う音と、下から排出される水音と、ハボックは耳から音を消してしまいたかった。
 そしてさらにカチッと音がする。
 同時に異物を挿入されている穴の中でソレは暴れだした。
「ひっ……いっ……っっ、ぅああぁーっ!」
 声になりきれない悲鳴をあげ、身体の内を襲う衝撃にハボックは気を失った。


 気がついた時には、窓から入り込む明かりはなかった。ハボックはしびれた頭の中で自分の状況を思い返す。
 体は柔らかいベッドの上にあって、シーツがかけられているようだ。
 時間はわからないが、陽は沈んだらしい。ホテルの一室には、音楽が相変わらずラジオから流れている。現在流れているのが流行歌なのが違っていた。
 部屋の中は天井からの明かりが点けられていない。ほの暗い。室内がボンヤリとでも見えるのは、デスクスタンドの灯りがあるからだ。
 紙にペンを走らせる音が、他にもう一人の居るのをハボックに知らしめた。
「起きたのなら晩飯にしよう」
 身じろぎするのに気付いたようでヒューズが声をかけてきた。
「……この格好で、食えると思ってんですか?」
 寝起きのせいか悲鳴をあげすぎたのか。言い返す声は掠れている。
 トイレで気を失った後、ハボックの身体を綺麗に清拭するとヒューズはベッドにハボックをただ寝かせておいたようだった。眠っている間は張り型も外されていた。ただし、拘束帯はつけたまま。
 ハボックが目を覚ますのは自然任せ。
「食えるさ。上の口は塞がないんだから」
 ハボックが目を覚ませばいそいそとまたヒューズの手でソレは挿入される事になった。
 怯える青年に掛けられていたシーツをめくると、横向きに寝ていた体を仰向けにし、抵抗する脚を遠慮なく開かせる。そして大きくて下半身を裂きそうな痛みを与えたそれがハボックの目の前につきつけられた。
「さあ、二度目はどんな具合かな……少しはこなれたか?」
 また舐めさせられるのかと思えば、今度はジェルを使っての挿入となった。マッサージはされずに先程の要領でぐりぐりとちょっとづつ沈み込まされて行く。
「…は…あ……ぅう…」
 初めての時よりすんなりと、体が異物を飲み込むのには眩暈と屈辱を覚えたハボックだ。
「……あんたにこんな……ぅん…性癖があったなんて」
 ヒューズは異物の挿入具合を確かめるようにまた前後にくゆらし始めた。下腹を内から蠢く感触には慣れそうに思えなかった。相変わらず痛みが酷い。
「はあ…あぃっ…痛ぅ! 気付いてたら絶対、近づかなかったのに……!」
 ただ先程とは違い、今度は濡れた感覚と熱さも腔内に広がっていくのを強く感じられた。
「こいつは性癖じゃないぞ。職業技能の応用編」
 感触を確かめながら奥まで入れたそれを動かすのをヒューズはやめる。また洗面所に手洗いだ。
「………………こういう事……日常茶飯事なんですか…」
「んー。俺はこっち系で相手を苛める事は無い。痛めつける方だからな。つか、そこまでしなくったって、大抵口を割るし」
 洗面所から戻って、ヒューズは夕食を乗せたカートを押してきた。
「俺の個人的な感想だけど。こういうのが好きなのは、やっぱ元もとの性癖の奴が多いんだろうよ。それでも俺は、基本的に好きな人間とHをしたい方なんで区別はさせている」
 カートに乗せられたのは、自分の好物と上官の好物だった。
 この好物はきっと明日から、この世で一番嫌いな食べ物になる。そう思うととても残念な気持ちになった。
「ほら、アーン」
 ハボックはそっぽを向く。ヒューズはそれにおかしな顔をする。
 二人の間には揚げたポテトのフォークに串刺しにされた姿。
「お前好きだろ? 後で料金請求しねーって」
「あんた…本当に……」
 言いたい事は山ほどあったが、胸の内にはもやもや黒い物がありすぎて形を作りようが無い。
 普通の状態だって口でこの上官に勝てる事は出来ないのだ。
「なあ。こうやって食べさせてもらうの嫌か?」
 嫌に決まっていると食って掛かろうとしたハボックは出端をくじかれる。
「床に四つんばいにされて、皿に置かれた飯を犬食いさせられんのとどっちがいい? もちろん尻尾の変わりにバイブ生やした尻を突き上げてだぜ?」
 恐ろしい光景に、ハボックは真っ青になった。
「そんな事をさせられるぐらいなら、舌を噛んで死にます!」
 後ろ頭を掴まれて引き寄せられたかと思うと、ヒューズはそのままキスをした。体を引こうとしたが、彼の
腕力は思ったよりも強かった。
「…あ…んっ……しょ…さ…やめ…」
 ねっとりと、纏わりつくように舌が舌を犯す。きっとこの舌に噛み付く事は出来たかもしれない。が、それをした後に。四つんばいの犬プレイが待っていないとも限らない。
 抵抗をするまもなくヒューズのなすがままに口腔は蹂躙されていく。
「噛まないでいいよ。俺はちゃんと人間として扱っているだろう?」
 舌が絡むのに息が上がる。呼吸の合間に淡々とヒューズは囁いた。頭の中も背筋も腰の内側もハボックをざわざわという不思議な感覚が苛んでいく。
「食べ……るから…もうやめ…っ」
 いつまで抱擁する相手に翻弄されるのかもわからない。とてもとても苦しかった。
「そりゃ、いい子だ。冷えちまってるが、それでもいけるぜ。熱いのが欲しければ後でコーヒーを入れてやる」
 コーヒーまで嫌いな飲み物になるのはゴメンだと心の中で瞬間にハボックは毒づいた。

「ひい……ああっあ…あぁっつ」
 またハボックの中に居座る異物が振動を始めた。
 その衝撃から逃げようと必死でハボックは腰を揺らす。攻められる事なく愛撫される事も無く、ハボックの男性の証は内側の刺激だけで勃ち上がっている。
 そう反応するまでに何度責められたかもう覚えてない。
「ん…ぐううぅ……っ。嫌……いや…ヤダ…」
 椅子に腰掛けて、バイブが動くさまと結合口を真正面から眺めているヒューズは笑った。声をあげず、ただ見世物を鑑賞するように。
 そしてスイッチを切った。
「はあ…はあ…はあ……。何で、こんな……。俺が、あんたに何か……したんですか?」
 ハボックの目からは涙が零れている。
「お前のおかげで、仕事がはかどっているぞ」
 結構あったはずの書類はあらかた片付いてしまったようだった。こんな事をしながらでも。
 真面目腐って仕事をする上官は、ベッドの上で仰向けで咥え込んだままの局部が見えるようにハボックを寝かせていて。応答はしやすいようにハボックの背中にはクッションを敷いて。
「お仕事が終わった後のお楽しみが、そこで涎をたらして控えているんだからな」
 拘束されている脚は閉じられないようにさらにベッド下で固定されてしまっていた。その際に念押しで「痕が残るから暴れないように」とも言われてる。もうそれで、すっかりハボックは抵抗できなくなった。
 痕の残った体を万が一でも見られて理由を聞かれても、絶対に答えられないのだ。
「すっかり弛んでるぜ、そこ。いい具合じゃないか?」
 局部からはじっとりとぬめりが伝っている。その事実はハボックの羞恥を助長した。
「……少佐……もうやめて…ください。こんなの、やっぱり変だ」
 大柄な身体を屈して、涙目で下官は訴える。
「さて、それはどうかな?」
「あっ…あっあっ! ううー」
 こうやって時々、気紛れに短時間だけスイッチを入れられるのが繰り返される。勃起して汁で濡れだした頃には刺激は途絶え、また自然に衝動が治まるまで静観だ。
 うつ伏せにも横向けにもされずこの姿勢なのは勝手に自慰をさせない為が一番だろう。
 これだけ煽られて、まだ一度もイって無い。
 トイレで射精したのかわからない。放出感は目覚めた時にも残っていたが、それがどっちかはわからないからだ。
「男はやっぱりバージンはダメだな。だけど、お前のソレを他の奴にくれてやるつもりはサラサラ無い。全く入れた事の無い奴が、失う時の恐怖感、焦燥感、それから恥じらいとを見せるのはこの時だけだ」
 この上官は最大限にそれを引き出す手管を持っている男だった。

 書類を点検し作業終了を宣言したヒューズが眼鏡を外して書類机から離れた。こちらに向ってくる彼の手にはポットとグラスとがある。ベッドサイドでグラスに水を注ぎいれた。
 ただグラスを見るハボックに聞く。
 「これ欲しい?」
「……欲しい、水っ」
 それほど叫んだわけではなかったが、喉が酷く乾いていた。食事を取った時にスープも飲んだが、それは食事する際の口の中を潤すのみで消えた。
 ヒューズは結局、水もコーヒーも与えようとはしなかった。
 とにかくハボックはこの部屋で紅茶を飲んでからそれ以降、水は口にしていない。そしてあの紅茶には、軍特製の即効性の睡眠薬が入っていたというのをさっき聞かされたばかりだった。
 捕獲対象者を誘拐する時に使う物。
 そういう物を持っているのなら、ハボックでもよがる程の催淫剤なども自由に使えるのだろう。
 遊ぶつもりなら何故使わなかったのだろう。
 それこそ、見ものだっただろうに。
「じゃ、やる。少しづつ飲めよ」
 ヒューズはハボックの背中を抱えてゆっくりと口の中に水を注いでいく。むさぼるように水を欲するその仕草を見詰めた。
 体に触られる事に嫌悪感は感じない。むしろ、彼が近くに居る時は人工的な振動で翻弄される事は無いのだ、今の所は。それにとても水が欲しい。晒されて一人で置いておかれるのも嫌だった。
 空になったグラスをヘッドボードに置くと、ヒューズは机には戻ろうとしなかった。
 無言であるのに落ち着かない様子のハボックの乳首を抱き起こした格好のまま弄り始めた。触れるか触れないかのきわどい所で、突起と輪と指先で撫でくすぐる。
 ハボックは緊張して息を止めていたのを吐き出した。
 異様な空間に心が飲み込まれている気がしている。そういえば、これがやっとヒューズの“体への接触”ではなかったか。抱え上げたりする以外の。キスは宥める為に使っているだけだった。
 昼のあの時から、全く愛撫もされずに淡々と道具だけで今に至る。この一連の状態が性的な意味合いでなければ、本当にこれは立場の弱い者を虐げて遊ぶだけの行いなのか?
 お楽しみがあると言ったが、それは性交か? それともさらに何かで虐げられるのか?
 ゆったりとした時間が流れれば、今度は頭の中があらゆるマイナス状況をハボックの頭は考え出した。
「そして……だんだん開発されてきて、頭の中では拒否しても芽生えてくる快楽の波に戸惑うのもこの時だな」
 しばらくしてヒューズが語りかける。優しい声をしていた。猫なで声とも違う。
「……この時?」
「初めて男と寝る時。……男も女もな」
 ハボックは眉を寄せた。
 開発って何? 快楽とはどこにあるというのか? ずっと苦しいだけだった。情けなく悲鳴をあげ、「やめて」と言葉を繰り返すだけ。それだって聞いてもらえないのをわかっていてだ。
 まだ一度も射精すら出来てないのだ。
 自由に撫でる彼の左の指がハボックのたくましい首筋を何度も撫でた。
「この指は感じるよな? 触らないで欲しいか? それとも、触って欲しいか? 触って欲しいならどこだ?」
「触らないでっつっても、聞いてくれないんでしょう?」
 できる事といえば、不貞腐れるぐらいだ。
「くくく。触らなくてもいい物突っ込んでるだろう? 夜は長いから、もっと仲良くしたいなら協力するぞ」
 手の中には駆動スイッチがある。
 この人は、やめては絶対に聞かない。
 プロだった。
 若くして佐官位にのし上がるくらいに。
 堕とす事に関しては、プロだったのだ。
「さあ、この指はどこにいけばいい、少尉?」
 そうしなければならないように追い込みながら、選択は己がしたのだと錯覚させる。
 やめてといえば、明日の朝まで生殺しの状態が続く。
 どこをどうして欲しいか、希望を言えば地獄から天国へと誘われるかもしれないが、屈辱と羞恥と敗北感で赤く染まった絨毯の上を歩いてそこに向うのだ。
 選択肢は結局は“される事を望む”ようにしか向っていない。
 どちらとも言いがたくてハボックは口をつぐんだ。そうするとヒューズはスイッチをハボックに見せ付ける。
 びくりと身体を縮こまらせると、くっと喉を鳴らして髭を摺り寄せた。
「こいつが嫌? だったら、どう言うんだ、俺に。指を選びたいんだろうが?」
「……あ……」
「触って欲しい所がわからないんだったら、適当に触ってやろう。わかったら、そこだと言え」
 そう言ったものの、ヒューズが指を向けた先はまっすぐ、ハボックの性器へだった。
 膨張しては萎えてを繰り返し、欲求不満に苛まれている敏感な所。幹を一本の指が下から上へつうっと撫で上がる。
「ひ……っ!」
 それだけでハボックの肉は反応を見せた。ぐっと力が篭る。上から下に折り返せば、もう硬度をもって、頭をもたげた。硬く引き締まった腹筋の奥が鈍痛がするぐらい重い。
「少…佐、や……だ」
「なんだ、ここは違うのか、もっと先かな」
 幹の先の大きな膨らみに指が這う。それから頭の部分の二つの丘に。穴にグリグリと指を押し付けて離せば、白い糸がついてきた。
「う…っ あ」
 鈍痛が酷くハボックを苛み、体の中も頭の中もざわざわして何がなんだかもうわからなくなった。
「おや、ここも違うのか?」
 男の指が刺激をやめるのに、ハボックの目尻から涙が伝う。一筋流れたかと思うと後から後から沸いて出た。
「やだ、……足りない、指なんかじゃ……少佐、もうイかせて!!」
「やっと言ったな、この野郎。散々焦らせやがって」

 ヒューズは部屋着を脱ぎ捨てると、ベッドに縫いとめられている体の上に覆いかぶさった。
「とうとう俺の仕事が終わるまで頑張りやがった。強情がすぎるぞ。本当はもっともっとして欲しくって堪らないって思っていたくせに?」
 ハボックの額に自分の額をくっつけて覗き込むように眼をあわす。
「別に、捕虜の尋問でも無いのによ」
「俺は上官の理不尽なオモチャなんて、ヤです」 
 覗きこまれるのは嫌だが、これでは視線も逸らせない。
「完璧に自分でオモチャになってただけだろ。さっさと降参してりゃあ、それこそたっぷり、いい思い出来てたのに」
 丁寧にまるで恋人にするかのように、その手がハボックの体を愛撫しだした。普通に、だ。
「俺は今日ここで起った事は一生知りたくなかった……!」
「そりゃ、今更無理な相談だ。それにもう今は、お前の体はそう言ってないぜ」
 チラリと視線をやった先には、さっきからこの先に進める予感に興奮して震えているそれがある。
「ちゃんと未知の領域まで連れて行ってやるから。もう少し待て。…オモチャにするんだったら、お前が眠っている間にぶち込んで、起きたお前の横で煙草でもふかしながら「ご馳走さん」言ってりゃあいい事だ」
「……あんた、さらに最悪です」
「最高と言わせて見たいな、覚悟しやがれ」
 男同士の“普通”の愛撫は、何もかもが初めてで混乱しまくっているハボックには本当はどういうものか
わからなかった。昼間から受けている行為に較べれば愛撫が至極普通だ。少なくとも安心する。
 真っ先にあのピンクの張り型は体内から抜き取られていた。濡れたままの状態で邪魔だからヘッドボードに転がしてある。今後、彼女とセックスする時にでもこういう物を使う事はないと思うハボックだ。
 拘束帯も脚の部分だけは外された。脚を閉じられないようにベッド下では固定されているが、窮屈に体を折り曲げたあの体勢からはやっとの事で解放だ。
 最後の選択をしてからはハボックは、箍が外れたように相手の容赦ないキスを受け入れる。
 少なくとも普通の体位でヒューズに覆いかぶさられて普通に愛撫されている。
 受け取らされるのなら、苦痛でなく快楽がいい。明日になって、今日の事を地面にめり込むくらいに凹みそうな気もしたが、それも一瞬だけだった。
 丁寧にされる愛撫がとても心地良かった。女とのセックスでは愛撫される事は無い。そういう玄人裸足の女はハボックの好みじゃないからだ。
「あ……そこ……っ、やっぱりヤダ」
 泣きそうになるほどのくすぐったさに息が上がる。自分の性感帯なんだろうか。攻められるたびに喘ぎ声が上がった。
「嘘だな。もっと、その先が欲しいんだよ、お前」
「ひ……もう、ホント……だめ……っ」
 ヒューズが組み敷いているのは、自分よりも大きな筋肉の張り詰めた男の身体で、触ったって面白く無い筈なのに彼は熱心に撫で回す。
 もうハボックにも制御が利かないほど、感覚だけを散々に高ぶらせた身体は反応して相手の笑いを誘う。
 嘲笑われているのではない。でも、面白そうにヒューズは笑った。
 身体を引こうとハボックが身をよじらせると力強い腕で引き戻される。二人のやり取りの合間に揺れる分身は、心と同じぐらいに高まっていた。
 ただ。ハボックの方はダラダラと濡れそぼっていて余裕など欠片も無い。
「しょ…さ、イきたい……っ、もう痛いっ」
「手の方がいいか? しゃぶって欲しいか?」
 理性という物はもう湧き出る余地はない。羞恥を考えるまでもなく言葉が出る。
「…しゃぶってっ」
「そのかわり、中にいっぱい入ってぶちまけるぞ」
「それでもいいからっ」
 男の性器に覆いかぶさるようにしてヒューズはハボックの幹を舐め上げる。拒絶する事なく喜び脈打つ肉を大きく頬張って上下に扱き始めた。
 ハボックもヒューズの口に大きいそれを咥え込ませて、イく為に夢中で腰を突き上げる。
「しょ…さ、はぁ……あ、すげ……上手」
 早く動く塊にも丹念に舌を這わせる彼は他にもこういう行為をした事があったのだろうか。
 ハボックの熟れきった穴の中に指が挿入されて、その指が入口を丹念に押し広げる。それから中の、男性を支配できるポイントを探り当てにかかった。
「ハア…あ……ん、や…しょーさ、指……気持ち悪…」
 あくまでこの部屋での全ての主導権は上官のものだ。ハボックが自分のリズムで絶頂を迎える事をヒューズは許さなかった。見つけたポイントを強く刺激し、ハボックの先端を力強くすすり上げた。
「ひいっ!!!」
 喉を引きつらせる悲鳴と一緒に、勢いよく白濁を吹き上げる。もちろん、男の口の中へ。待ち焦がれた絶頂の衝撃にハボックは尻肉をわななかせて悶絶する。
 荒い息遣い以外は部屋には静寂が訪れた。
 全身に走る快楽の余韻にハボックはほとんど呆然と横たわっている。
「…やっぱ、お前のはデケエな、顎が疲れた……」
 口の中に広がる液を飲み込んだ後にヒューズが言った。
「……飲んだ……?」
 ハボックの顔が真っ赤に染まる。
「吐きに行ってる間も、猶予もねえ。見ろよ、ノンストップでこれが突撃したがってる」
 上官の中心は赤く充血して戦意満々なそれがそそり立っていた。
 それに突かれたらどうなってしまうのだろうという恐怖が背筋を這い上がる。そして、それを凌駕するように、もどかしくて敵わなかった張り型の衝撃のあの続きを期待する興奮も這い上がってきた。
 体温と同じくらいに馴染んでしまったあの異物。
 それよりももっと、熱そうだと思った。
「気持ち悪いわりには、大量に吹いたな。マジに、女日照か」
 人の悪い笑みで上官は笑う。
 真っ赤な顔で半泣きで下官は言い返す。
「……あんたの方がっ 日照ってんでしょが! 親友の部下に!! こんな事してーっっ!!!」
「おやおや、待ちきれないのはこっちもだな」
 ハボックの下の口の、赤く熟れたヒダがひくひくと動くのを両の親指で広げられる所まで広げて見る。
「嫌…だっ…開くなーっ!」
「フン。さっきまでもっと大きく開いてたじゃないか? さあ、少尉。言う事は?」
 一々言葉を聞きたがるのは助平だからだろうか。会った時からオヤジ属性が入っていたからだろうか。
 “その言葉”が興奮する燃料になるのは男だからこそわかるものの、その言葉を男が男に口にするのは……どれだけの……恥ずかしさを伴うのか。ここまで酷くされてもなお。
 だが、上官はその言葉をハボックが言うのを確信を持って期待している。
「………………………………………………あんたのを……入…れて」
「その間も初心者ならでは、か?」
 ヒューズはくっくっと喉を鳴らしたかと思うと、待ってましたとばかりにハボックの中に進入を開始したのだった。
 愛されているのだとは感じられなかった。苛められているというより、征服されている方が近いのだろうか。
 むしろ、侵食されているのだろうか。
 ヒューズの欲の塊を、時間をかけて慣らされた入口は拒む気配はなかった。ずっと居座っていたものが無くなって、それに変る新しい物が与えられて、その空間が埋まるのを望んでいる様にくぷくぷと肉を咥え込んで行く。門をずるりと滑る肉の感触が、ハボックの下腹部に熱い感覚を沸き立たせる。
「いいぜ。やっぱり、ちゃんとこなれてやがる……」
「あぅん、あ…たたかい……、変になる…あ」
 嫌悪と恐怖を感じなくなっていた。何より少しでも快楽にしてしまおうと浅ましい動きを腰が勝手にくねりだす。
「おいおい、がっつくなよ」
 ヒューズは中の感触をじっくり楽しむように抽送を繰り返すが、ハボックにはそれでは足りなかった。
「純情なボウヤでもあるまいし、そんなに欲しかったんなら何でさっさと言わねえかなあ」
 ハボックが欲しがるのにあわせて腰を打ちつける。とはいえ初心者なので、彼がしたい通りにすると明日は立てなくなってしまう可能性もある。
 激しく打ち付けるより、足らないぐらいで足掻かせて、焦燥に駆られた体を一気に突き崩す。
 ヒューズはそちらの方が好みだ。
 くわえ込ませた最初、茎の先端の出っ張りで泣きじゃくっていたが、今やそこを離したくなくて少しでも抜き取ろうとすれば追いかけてくる。仕込んでおいた固形のジェルでなく、ヒューズから零れた液に腔内を満たされて容赦なく嬲られたがっている。
 上の口は啼いていた。
「あ……少佐っ……少佐っ。足らない」
「…それぐらいがいいんだ、こんだけ手間掛けさせて、ちょっと突っ込んだだけで出てけって言うかよ?」
 根比べの最後の方は、あんまりに強情を張るので手を変えたのだ。ヒューズの方だって、いつまでも見物だけで我慢できるものではない。
 ハボックの頭は下を支配する快楽信号に支配されていた。声を出す事とついでに息をする事ぐらいしか機能していなさそうだった。男に揺さぶられて、体を貫かれている事さえもうわかっているのか怪しい。
 それでも男ならではの入口はヒューズを食らって、中を満たすようにねだり続ける。
「欲しがらなくってもオモチャは入れてやるけど! 俺自身のはお前が欲しがらなかったら入れてやらない」 
「もっと……もっと、あああ」
「いきなり強欲になったなあ」
 苦笑したヒューズはヘッドボードに並べてある必要な物の中からタオルを取ると、ハボックの口に突っ込む。揺れるハボックの欲肉を余った手で擦り上げて追い込みだした。
「ホラよ、イきたいならイけ…」
 弱点だと把握した所に先端を打ち付け、ぐりぐりとしこりを弄りあげた。
「んっ…ひいいいっ!」
 おそらくタオルが無ければ室外に漏れる絶叫だったろう。その全てを殺せはしないが、部屋のドアを誰かに叩かれる事は避けないといけなかったのだ。
 ハボックの胸と顔に勢い良く精液が飛び散る。そして、ハボックの絶頂にあわせてヒューズも彼の体内に思う存分、同じものをぶちまけた。

「おめでとう。お前、俺のをくわえ込んでぶっ飛べる躯になったぜ」
 放った白い液を上官が指で伸ばすのにハボックは嫌な顔をする。
「そして中に俺のをぶちまけられて喜ぶ躯だ」
 腔はたっぷりと濡れた感触でいっぱいだ。硬直した物で揺さぶられ始めた今現在。
「……気持ち悪いです……っ」
 繋がれたままでの二度目の開始。熱に満ちた中が余韻が冷めないまま、さらにその欲を強く刺激される。肉の引き抜く動作では中に放たれた液体が尻から零れ出した。尻を伝うそれの感触は特に気持ち悪かった。
 それでももう制御は利かない。
 そのままでなお、イかせて欲しいと頭が思う。
 たった半日。好き者の上官に委ねられただけで、こんなに硬い男の代物の突き上げが欲しくて仕方がなくなるなど。あのグラスの水にまた薬が混入されていたのだろうか。
「しょーさ、これ外して。ベルト外して。俺逃げないから。この姿勢ばっかり疲れた……」
 逃げたりしたら、突いてもらえない。
「……続きは風呂に行くか……」
 一旦、ハボックの中から猛ったままの物が抜き出された。それからまたピンクの張り型を取り上げ、ハボックの中に埋められる。ヒューズは忘れず駆動させた。
「や……これもう嫌だ……っ」
「中のが零れるし、体が褪めるだろ。突っ込んどけ」
 脚のベルトを外すと歩きにくそうなハボックの手を繋ぎヒューズは風呂に連れて行く。
 風呂の灯りの下で自分の体に飛び散る液体の惨状にハボックはさすがに目を回した。しかしそれでも体は今も蠢く欲の方を満たしたがるのだ。
 ヒューズは口を漱いだ。さっき飲み込んだ物の後味が悪いし、キスをするには邪魔な味だ。
「ここなら存分に汚せるぞ。出したいんだろう、いっぱい?」
 体の汚れを流す事なく、立ったまま向き合って口付けを交わす。二人の猛ったそれをどちらからともなく擦り合わせる。ヒューズがハボックの腰に腕を回し、ハボックが性器を相手の物に擦り付け、もう一本のヒューズの手が張り型を弄って角度を変える。
「それ…抜いて、少佐のを」
 キスの合間に訴えるのはそれだ。ハボックの腕はまだ首とベルトで繋がっていた。これさえなかったら自分で引き抜いている。
「なら、バスタブに手をついて尻を俺に向けな」
 ハボックは言われたとおりにする。正気だったら本当に耐えられない格好だ。だが自分でも見る事の無いここを、 散々観察していたのは上官の方だ。
「は……ああ…んー」
 重量感が中から去っていく。その感覚にハボックの欲肉の先からダラダラ液が滴たる。引き抜いた張り型は、白濁に塗れてゴロリとハボックの下に転がった。
 光の下でハボックの尻の双丘をヒューズは問答無用で割り開く。中心の赤い入口から白濁がゴボリと零れ落ちた。
 ヒューズが眠る彼の、初めて見た時の、あのつつましさはなかった。
「さ、なんて言う?」
「少佐の……それ………でイきたい」
 真っ赤になってタドタドと。こちらはしばらくはまだまだつつましそうだ。
「だったら自分で食いついてみな。俺のは持っていてやるから」
 つんと先端でつついてみると、迷いもせず自分から入口を近づけ、望むものを誘い込もうとする。しきりに腰を動かせて弾力のある太い物を入れようと試みるのだ。
「んん…うん」
「……要領を得てきたな。だが、誰にでも「それでイかして」なんて事を言うなよ」
「……っ! あんたに取り繕ったってもう無駄じゃないか!」
 カッとなって言い返すハボックの腰を掴み、入りきれない物をねじ込む。
「そりゃそうだ」
 驚いてあげるハボックの声は、喜びの色が滲んでいた。
 自分で入れろと言ってみたって、どだい初心者では無理な行為だ。いずれそう出来るように仕込むのも面白そうだが、と思いながら腰を打ち付けるヒューズではある。
「ああ、少佐のが……いいから……早くっ」
「お前のも…最初にしてはいい具合だぜ」
 風呂で強請るハボックは体を支配する熱に浮かされているようであった。
 部下に手をつけて、こうなった途端に足蹴にする上官もいる。だが、元々ヒューズはこのハボックが可愛い。親友の可愛がっている部下と言うのもあるが、なんとなく気に入っていた。
 だからこそ、ある日気付いてしまったのだ。
 ヒューズの特性とハボックの特性とが合う事を。
 持ち合わせているものがぴったりと。

 そしてとうとう、合わせる事が出来た……ハボックにはとても不本意なプロセスで。

 男がセックスの対象でなく、そのままで至極男性らしく、性的に奔放でも無い。
 それが一日で快楽に身悶えるようになったのだから上出来にも程がある。
「ううう。マジに下半身が別人の物のようっス……」
「俺が加減してやんなきゃ、激痛とともに泣いてたよ、お前」
 煙草を咥えながら軍用車を運転しているのはヒューズ少佐で、後部座席にはシートに大きな体を横たえた下官のハボックが居る。表情からして具合が悪いのは明白だ。
 運転手は車体を揺れさせないように安全運転に勤めている。
 向う先はハボック少尉の住むアパート。
「慣れない筋肉使って、使った事の無い器官使って、本能のままに励んだんだから」
 朝、目覚めたハボックが口に出来たのは不具合だけだ。
「昨日の事は忘れてください……くそ、あんたはすっきりした顔してるよなぁ……」
 昨晩の、それこそ“ハボック少尉の痴態”を思い出し、ハボックはますます赤くなる。不具合の熱の熱さと羞恥による熱の熱さともう一つ……知ってしまった夜の熱さと。
「おう。連続三発やれたからな。女相手じゃあ、なかなかあんなにやりたいようにやれん。忘れないぞ、可愛いくオネダリしたあの姿」
 地面にめり込む事は無いが、シートとお友達になるくらいハボックは落ち込んでいた。
「ほんっと、もう忘れて……少佐。で、俺、このまま家で休んでいいんすか?」
「俺がこき使ってダウンしたと。もう、ロイには怒られたからな。元々具合が悪かったらしいと言っておいたから安心して部屋で寝てろ」
「あああ、有給がこんな事で飛んで行く……」
 よりにもよって腰痛と尻痛じゃ、ベッドでおとなしく寝ているしか出来ない。
「お詫びに帰るまで部屋で世話していくから」
 ハボックが意外そうに頭を上げた。
「……来てくれるんすか、司令部に行った後?」
「今日一日分の食事買い入れて、部屋を少しぐらい片付けて、お前ん部屋で普段着に着替えて中央に帰る。家に待っている人間が居ないからちょっとくらい融通が利くな」
 ヒューズの妻子は実家に帰っている。結局、昨日の二人は妻が帰省中の浮気になるのだろうか。
 合意の上とも浮気と言われてもハボックには釈然としないが。
「そういやあ、奥さんへの旅先レターを書いた?」
「うん。お前が果てた後にな。さすがに、事の最中では書けん」
「……あんたに誠実さって…マジ無いんすかね?」
 と、マスタング中佐が何か言っていたような気がする。
「誠実さを無駄にアピールしない。不誠実さを絶対に相手に出さない。それが本当の誠実さだ」
 落とすためにハボックを苛めている最中でも、妻への手紙を書こうと思えば書けたのだ。
「……不誠実を強要されるし、そうでないとやっていけない職だから」
 同じ軍人であるハボックにもそういう経験はある。
 上官が下官で性の処理をする事も知っている。自分達の関係も恋人というよりそちらの方に当るのだろう。
「もっと色々道具があるんだけどな……まあ、この次があったらおいおい使っていくか」
「道具……て何の?」
「昨日の革のベルトとピンクの他。後で見せてやるな」
 しばらくぽかんとした後、ハボックが我に返って大声で叫ぶ。
「…あんた俺で何を目指す気だったっすか!!」
 悪びれ無い上官はニカッと笑った。
「犬の調教師」

 悪い男に捕まった気がしてならないハボックだった。



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  エロSSを書くつもりでした。
  エロの部分が中途半端に長くなって、見にくいから前後に分けようとしました。
  そしてできた物が。
  奥様が産後帰省中に、旦那様は若い男で、拘束・バイブ・放置・羞恥・ご奉仕プレイ中。
  もしくは、性癖普通の男性が上司に調教されて体を開くまでのその過程。
  ……迷走したように思います。
  絵茶で使った道具と、書いた台詞がでるようにしたんだがなあ。

  相変わらず、硬い文章です。ここまで硬いならもっと硬くして、ピカレスクとか耽美とか
 目指しても良かろうにというものですが、本人が肉弾戦が大好きなのでそっちにも行かれません。
  フフフ。
  実は、ヒュハボは読む事は読むんですが、好きカップリングではなく。(好きサイト様に
 あったら、そっちも読むほぼ雑食の人なのだ)
  ジョイハボをみつき様に書いてもらう事で等価交換と言った形です。
  お互い、書くのには難しい物を書こうねという事で。
  自分では、萌えないのに……渾身の力を振り絞って書こうとしたら、ハードSMになりそう
 だったので、肩の力を抜く事に専念しました。したはずです。
  萌えない場合、どこまで書いていいのかわからない……ただ、ヒュハボとしてでなく男女・
 男男の絡みでもちゃんと成立するように段階は踏んだつもりです。
  ゴメンね、萌えなかったら。
  でも、加減が本当にわからない。
  わかるのは、みつき様には20禁の称号はもらえることだけさ。それだけはわかる。

  正直……この小説書くのに……燃え尽きた……。



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ファイアーズ・プラン」の古賀恭也さまに書いていただきました。古賀さま、どうもお疲れ様でしたっ!そもそもこの小説を書いていただくきっかけになったのは遊んでいただいた折、無理言って描いて頂いたヒュハボ絵がきっかけでした。「萌えないから描けない」と仰られていたのを「激しくないのなら」ってことで描いて頂いたのが挿絵のヒュハボ。いつも描き終えた後、「セリフセリフv」と強請って絵にセリフを付けて頂くのですが例によってそのセリフに萌えまくり、強請りに強請ってヒュハボ小説を書いて頂いたのでした。もっとも交換条件でジョイハボを捧げさせて頂きましたけども(苦笑)そんなで互いに書いたことのないものに挑戦したのですが、古賀さまってば「悩む、書けない」と仰ってたけどお道具使う黒いヒュさまといい、啼かされるハボと言い、激ツボなんですがっ!特にガタイがよくてカッコイイハボが啼かされて落とされる様って…!!無理矢理系大好きな私にはもうタマリマセンッッ!!無理言ってイラスト描いて頂いて、小説もつくって頂いて、私的には本当によかった…ッッ!!
古賀さま、本当に本当に萌え〜〜vなヒュハボをありがとうございましたッ!!


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