「バレちゃいましたね。大佐」
恥ずかしそうにロイの家のリビングに資料を運びながら言うハボックに子供らしかぬ顔で微笑んだ。
「そうだな。だが私は隠し事がなくなって逆に安心出来た」
「へ?どういう意味っスか??」
「──わからななければそれでいい」
「え〜〜。教えて下さいよ〜」
クスクス笑うだけでソファに座って元に戻る方法を調べるロイはどういう意味で言ったのかをハボックには
教えなかった。
この真実が広がれば、ハボックを狙う男共を牽制出来るからだ。勿論、女性も。
「可愛いからだよ。ハボック」
「・・・・んん・・・・応えになってないっスよ。大佐ぁ」
ロイは、資料をテーブルに置いたハボックの腕を掴み引き寄せ口吻た。
真っ赤になってムクれるハボックにロイはまたクスクスと笑った。
そんな中。
向かいのソファに座ってコーヒーならぬジュースを飲みながら呆れた顔をしている男唯一人。
「・・・・・お前ら。俺の存在を忘れてねぇだろうな」
「そういや、居たんだだったな。ヒューズ」
「っ!!」
完全に忘れてたハボックは真っ赤になって台所へ逃げてしまった。
そんなハボックを可愛いと思いながらも平然とヒューズを見遣る。
「お前がそんな事を言うからハボックが逃げてしまったではないか」
「俺は別に悪くねぇぞ?ロイ。お前さん達が勝手にやってただけだろうが」
「まぁ、そうだがな」
ニヤリと笑うロイの顔は子供の表情(かお)ではない。
そんなロイにヒューズは苦笑いしながら愛妻を想い出し内心舌打ちしてたりするが。
「で?ロイ。なんか、わかったか?」
「ああ。先程、地下の研究室であのボトルに数滴残っていた酒を分析しただろ?」
「おう」
「それと似たようなレシピが見つかった」
「お。やったじゃねーか」
「まぁ、待て。『似たような』と言っただろう?それにな。私の専門外なんだぞ。そう簡単にいくか」
「・・・まぁ、そうだな。生態に得意なエド達が居りゃ話は簡単なんだろうが」
「そうだ」
大体の基礎は知っているものの空気錬成を専門とするロイ。
だがエドワードとアルフォンスに生態系の本を渡す前にサラリと目を通しているのだ。
だから少しは詳しくなった。
「ヒューズ。お前も飲んでばっかりいないで少しは手伝え」
「アホな事いうなよ。ロイ。俺が一番専門外だっつーの!わかるかっ」
ヒューズもハボックも錬金術師ではない。勿論、その知識もある訳がない。
それにその資料だって料理本だったり恋愛小説だったり。一般人にわからないようになっているのだ。
そうは言ってもこのままでは愛しい妻と娘に逢えない。仕方ない・・・とヒューズは探すコツをロイに聞くと
資料に今は小さくなった手を伸ばした。
「ハボック。お前も手伝えよ」
「中佐、何言ってんですか。俺に判断出来る訳ないっしょ」
「お前さん、事務処理苦手だもんなぁ」
「ヒューズ。ハボックは苦手ではないぞ。嫌いなだけだ」
「はいはい。事務処理嫌いね。お前さんとご一緒って事ですね。はいはい」
「・・・バカにしているのか?ヒューズ」
「うんにゃ、お前さんの惚れっぷりに呆れてるだけ」
ニシシと笑いロイを茶化しながら目を通す。
目を通し始めてからたった1時間。突然ヒューズが素っ頓狂な声を出した。
「なんだこりゃあ?」
next
|