小さくなったロイとヒューズ。
訂正しよう。子供の姿の上官二人だ。外見は10歳位だが中身はそのままオッサンだ。
取り敢えず、書類にサイン出来るというリザの判断で嫌がる子供になった上官2人を連れて司令部に戻
る事にした。
否、嫌がっているのはロイだけでヒューズは面白がっている。
子供服と下着を何着か揃える為にハボックにロイの財布を渡し買ってこさせ、上官達に着替えて貰い、
車に押し込み司令部へと向かった。
「せっかく休みが取れると思ったのに・・・」
「諦めろよ。ロイ。リザちゃんがそんな事だけで許してくれる訳ねぇだろ」
「煩い。ヒューズ」
わかっちゃいる事なのにロイはムスっとむくれていて。
運転するハボックも苦笑いするしかなかった。
「取り敢えず、仕事は通常通り行って下さい。会食等は理由をつけてお断り致しますので」
助手席に座るリザは淡々とこれからの事をロイに言い聞かす。
子供の姿になってしまったロイはなんだかリザが母親に見えた。
「兎に角大佐は、書類と体を戻す事を考えて頂ければよろしいですから」
「・・・・・・はい」
キツく言われたロイは頷く事しか出来なかった。
だって考えてみればそうだろう。子供の姿のままは嫌だ。
このままではハボックを抱けないからだ。
そう、ハボックとロイはそういう関係。所謂、『恋人』なのだ。
ヒューズには知らせてあるが、リザ達にはまだ公にはしていない。
子供になったロイ達を連れてリザと一緒に大部屋に向かうとブレダ達が目を丸くした。
そして、わらわらと子供になったロイとヒューズの元へと集まるブレダ達はロイとヒューズを見下ろしなが
ら勝手な事を話した。
「大佐も小さいと可愛いもんですねぇ」
「可愛くなくて結構だ。ファルマン」
「ヒューズ中佐もですよ。全然今と印象が違いますぅ」
「うっせぇな。フュリー。子供は誰でも可愛いもんだ」
いつも憎まれ口を叩かれている所為か、嫌味も含まれている感じである。
それを横目に苦笑いしながらハボックは自席に座った。
リザはというと溜息を吐きながら早く仕事をして貰おうとロイ達を執務室に促そうとしたその時───。
「でもどうするんですか?これだけ小さいと何かあっても困りますよね」
「その辺は大丈夫だろう?『恋人のハボ』がいるんだから」
「「っっ!!!」」
ファルマンが困ったように話すとブレはあっけらかんと真実を暴露した。
それを聞いたロイとハボックは目を見開いてブレダの方へ振り向いた。
「な・・なんで知って・・・」
真っ赤な顔をして震えた声で言うハボックは言ってからしまったといった顔をして自分の口を塞いだ。
だが、それはもう遅い。
ハボックが公私混同をしたくないという意志を村長していたので一応吃驚はしたロイ。だが、隠す気はな
いのだから苦笑いだけだった。
ブレダはそんなハボックに呆れながら言った。
「アホか。何年お前の友達やってると思ってんだよ。見てりゃわかるって。でしょ?中尉」
「そうね」
流石、鷹の目。一番最初に気が付いてたりする。ロイもその事に驚いたが照れるだけで子供ら敷かぬ顔
でニヤリと笑うだけだった。
なーんにも気が付かなかったファルマンとフュリーだけが吃驚顔でロイとハボックを交互に何度も見た。
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