【caution】

この作品には多分に過激な性描写が含まれます。
二人の間に愛はありますが、サイト中でも特にきつい表現が含まれますのでそういったものが苦手と仰る方はお避けください。また20歳に満たないお若いお嬢様方の閲覧もご遠慮下さい。
閲覧後の苦情は一切受け付けませんので、ご理解の上お進み下さい。





























偏愛  第一章



 ずっと憧れていた。その側に行きたいと思っていた。護衛官として抜擢された時は舞い上がるほど嬉しくて、絶対役に立てるような男になるんだと誓った。そう思ってずっと頑張ってきたのに。


「なんで…なんでこんなことするんスか…?オレ…アンタの気に触るようなこと…何か…しましたか…?」
 いつものようにロイを家に送り届けたハボックは、ちょっとコーヒーでも飲んでいかないかと誘われ、時折そうしていたように今日も何か楽しい話を聞かせてもらえるのだとばかり思って、ロイの家の玄関をくぐった。だが、出されたコーヒーを一口飲んだ途端、体を支配した痺れと倦怠感に指1本うごかせなくなり。そうして。
 今、ハボックはロイの手によって一糸纏わぬ姿にされた上、ベッドに横たえられていた。
「どうして…っ」
 一言口を聞くのも必死の状態で、だが、黙ったままでいるのは耐えられなくて、ハボックはロイに問いかける。しかしロイは口元にうっすらと笑みを浮かべたままハボックを見下ろしていた。
「たいさ…答えて…」
 搾り出すように言ったハボックの頬を、ロイはそっと撫でる。びくりと震えるハボックにロイは小さく笑うとようやく口を開いた。
「可愛いハボック。私がお前にこんなことをする理由、お前には判らないのか?」
 ロイは頬を撫でていた指を首筋へと滑らせていく。首筋から肩、そして胸の飾りへ。くりっと押しつぶすように指を這わせればびくりとふるえる体にくすりと笑うと、ロイは更に指を滑らせていく。へその周りをくるりとまわり、更にその下の繁みへ。髪の色より僅かに色の濃い繁みの中でまだ息を潜めているハボック自身に指を這わせると、ハボックの体が大きく震えた。
「た、いさっ」
 悲鳴のような声を上げるハボックの耳元に唇を寄せるとロイは囁いた。
「私が好きだろう、ハボック…」
 言われてハボックは微かに首を振った。確かに憧れていた。側にいたかった。認めて欲しかった。でも。
「お前を私のものにしてやろう。その心も体も全て…」
 ロイはそう囁くとゆっくりと手の中のハボック自身を擦り上げる。たちまち熱を持ち始めるそこに、ハボックは悲鳴を零した。
「や…ヤダッ」
 だが、どんなに嫌だと拒んだ所でソコを刺激されれば牡である以上、反応してしまう。浅い呼吸を繰り返してなんとか熱をやり過ごそうとしていたハボックだったが、激しく擦り上げられて耐え切れずに白濁を迸らせた。
「あっああっっ」
 ロイの手の中に熱を吐き出したハボックは、その空色の瞳にうっすらと涙を浮かべてはあはあと息を弾ませた。羞恥と混乱でどうしていいか判らず、ハボックはロイを呼ぶ。
「たいさ…」
 まるで小さな子供のような頼りない様子に、ロイは笑うと手を濡らすハボックの熱を舐めた。そうして震えるハボックの目元に口付けると囁く。
「これからお前が私のものだという印を刻んでやる…」
 ロイはそう言うと一度ハボックの体から身を離し発火布をその手にはめた。そうしてハボックの左胸、丁度心臓の下辺りに指先を当てる。次の瞬間、肉の焼ける匂いがして、ハボックの唇から絶叫が迸った。
「ぐああああっっ!!」
 ロイの指が辿る箇所から白い煙が上がり、鼻をつく臭いが部屋に立ち込める。胸を焼く痛みに喉が裂けんばかりに叫び声を上げていたハボックはぷつりと意識が途絶え、昏い闇の中へ引きずり込まれていった。


 一体どれほどの時間がたったのだろう。左胸と右脚の太腿の内側を苛む痛みにハボックは目を覚ました。自分の身に何が起きたのか判らぬままハボックはゆっくりと体を起こした。薄暗い闇に沈んだ部屋の中にはハボック以外誰の姿もない。ズキズキと疼く痛みにハボックは自分の左胸と右脚に目をやった。はたしてそこには。
 白い肌を這うように刻み付けられた火蜥蜴の姿。一匹はハボックの心臓に片脚を掛け、もう一匹は今にもハボックの中心へ駆け上がりそうに舌なめずりをして。
「あっ…ああっ」
 ハボックはかきむしる様にその印に手をやったが、体を走る痛みに慌てて手を離した。
「や、だ…っなんで…っ」
 吐き出すようにそう呟くとベッドから滑り落ちる。壁に手をついて立ち上がると必死に扉へ向かった。途中、打ち捨てられたシャツとズボンを痛みを堪えて身につけると、寝室の外へ出る。何度も倒れそうになりながらようやく玄関にたどり着いたハボックの背に、今一番聞きたくない人物の声がかかった。
「出て行くのか?」
 びくんと震えて振り返ったハボックの目にロイの姿が映る。ロイは無表情のままハボックを見つめていたが、やがてゆっくりと言った。
「好きにすればいい」
 そうして背を向けるロイにハボックは無言のまま玄関の扉を開けて外へ出た。暗い夜道を彷徨うように歩いていく。
 ずっと憧れていた。側にいたかった。それだけが自分にとっての全てだったから。
 ハボックは夜闇の中で足を止めるとそっと自分の胸を見た。白い肌にくっきりと浮かび上がるサラマンダー。心臓にかけたその脚の尖った爪がぐっと食い込むように見えて。
 ハボックはそれから目を上げると、再びゆっくりと歩き出した。彷徨うように覚束なかった足取りは遅いながらも迷うことのないものに変わり、ハボックはひたすらに歩いていく。そうしてたどり着いた扉を叩く手に躊躇いはなかった。
 ガチャリ。
 ハボックのノックに答えて開かれた扉の向こうで微笑む黒曜石の瞳。
「おかえり、ハボック」
 そう言って差し出される手を。
「ただ今戻りました、たいさ…」
 ハボックはぎゅっと握り締めた。


「はあ…ああ…」
 ぐちゅぐちゅと濡れた音が響く。ハボックはベッドの上でロイに背後から抱え込まれて、その熱を追い上げられていた。片手で硬く猛った棹を扱かれ、もう一方の手を双丘の狭間にさしこまれ、その指で自分ですらまともに弄ったことのない部分をかき回されていた。ロイの長い指がハボックの狭い穴を穿ち、その襞を撫でさすっていく。とろとろと蜜を垂れ流す自身を扱かれ、穴をかき乱されて、ハボックはこれまで感じたことのない感覚に体を支配されていた。
「う…くぅん…」
 目元を染めて半開きに開いた唇の端からだらしなく涎を垂れ流すハボックの姿にロイは低く笑う。
「随分気持ちよさそうだな、ハボック…」
「あ…たいさ…」
「今までにも誰かにこうしてここをかき回してもらったのか…?」
 意地悪く聞かれてハボックはふるふると首を振った。
「初めてとも思えない善がりようだが」
「し、てませ…っひあっ」
 くん、と奥を突かれてハボックの体が跳ねる。とろんと立ち上がった先端から玉が零れるように蜜が溢れて、ロイの手をさらに濡らした。
「あっ…はあっ…も、やめ…」
 散々に弄られて、だが決定的な刺激も与えられないままとろとろと焙られて、ハボックは耐え切れずに背後から自分を抱え込むロイの頬に手を伸ばした。必死にその頬を撫で擦り、ロイの唇を指で辿る。
「あ…もうっ…なんとかして…っ」
 熱く滾る熱が出口を捜して体の中で渦巻いていた。苦しくて辛くて、ハボックは涙ながらにロイに訴えた。
「仕方のないヤツ…」
 くくっとロイが笑う。ハボックは必死に顔を振り向けると、ロイの首筋を舐めた。
「たいさぁ…っ」
 ロイはハボックの後ろから指を引き抜くと、びくびくと震えるそこに滾る自身を押し当てた。くち、と音がしてロイの先端がハボックの蕾を割り開いていく。
「あ、あ、あ」
 ハボックが目をいっぱいに見開き、背を仰け反らせた。ロイの肩にその頭を預けるようにしてびくびくと震えるハボックの体を、ロイは一気に突き上げた。
「あっアア―――ッッ!!」
 ロイの形のままに開かれて、ハボックは荒い息を零した。天を突くほどにそそり立った自身からびくびくと白濁を垂れ流し、見開いた瞳からぽろぽろと涙を零す。初めて男を受け入れた体は違和感にそそけ立っていながら、内側から湧き上がる快感に支配されつつあった。
「や…な、に…?」
 ハボックは涙に霞んでよく見えない目を瞬いて呟いた。ぴくぴくと震える脚を、ロイはそっと撫で擦っていたが、突然勢いよく突き上げた。ガツンと突かれてハボックの目の前に火花が散る。情け容赦なく打ち込まれて、ハボックは悲鳴を上げながら熱を放った。
「ひああああっっ」
 びゅるりと吐き出すと同時にロイを含んだ部分がきゅうっと窄まる。ハボックを貫くロイ自身を食いちぎらんばかりの締め付けに、ロイは楽しそうに笑った。
「こら、そんなに締め付けるな」
「うあっ…ひ…んああっっ」
 ロイに突き上げられるまま体を揺すってハボックは身悶える。ロイはそんなハボックの様子に満足そうに呟いた。
「まったく…とても初めてとは思えんな…」
 淫らに悶え善がるハボックは、ただもう、ロイから与えられる快感に狂わされていった。


→ 第二章