| 偏愛2 第三章 |
| 身動きできずに見つめるバートンの前で、散々にハボックを犯したロイはハボックを抱え上げるとバートンを冷たく見つめる。 「今夜のことは忘れることだ。自分の身が大切ならな」 氷のような黒い瞳に見つめられてがくがくと頷くバートンをそのままにロイは部屋を出た。人気のない廊下を通り建物の外へ出ると、使用人を呼んで車を回させる。ロイがハボックと共に後部座席に入ると、車は静かに走り出した。ぐったりと意識を失ったままロイに体を預けるハボックをロイはぎゅっと抱きしめる。自分でそう仕向けたとはいえ、ロイの心は嫉妬に荒れ狂っていた。ハボックはただロイに命じられるままにしただけだ。ハボックに拒否することは出来なかっただろう。ロイが抱いているのは理不尽な怒りだ。そうはわかっていても、ロイは自分の気持ちを抑えることが出来なかった。ハボックは自分のものだ。ハボック自身のものですらない。ロイはさっきバートンに組み敷かれたハボックの姿を見たときのことを思い出した。無防備に自分以外の男に肌を曝す姿に目の前が真っ赤になった。本当はバートンでなく、ハボックを燃やしてやりたかったのだ。ロイはハボックを見つめるとその体をかき抱く。そうして近づく家の影を見つめ続けた。 家の中に入ると、ロイはハボックをリビングのソファーに横たえた。そうして浴室へ行くと湯船に湯を張る。シャワーのコックを捻ると頭に冷たい水をかけた。顔を上げれば黒髪からぽたぽたと滴を垂らして黒い瞳に嫉妬と欲望の焔を燃え上がらせた己の顔が鏡に映る。ロイはシャワーを止めて濡れた髪をかき上げると服を脱ぎ捨てた。浴室を出てリビングに行くとハボックの体を起こす。ぽたりと顔に垂れた冷たい滴にハボックの睫が震えた。 「たいさ…」 ゆっくりと開いた空色の瞳にロイを映し出してハボックが呟く。ロイはハボックの体を抱き上げると浴室へ連れて行き、申し訳程度に着せていた服を引き裂くように剥ぎ取った。ロイはハボックの体を浴槽に持たせかけシャワーのコックを捻る。冷たい水をいきなり浴びせかけられて、まだ朦朧としていた意識を強引に引き戻されてハボックは叫び声を上げた。 「ひあっ…やっ…つめた…っ」 逃れるように腕を交差させるハボックの腕を掴むと、ロイはハボックの口にシャワーのヘッドを押し当てた。 「がっ…ぐほっ」 流れ込んでくる水に呼吸を遮られてハボックがもがく。だが、ロイはハボックの口と言わず鼻といわず、シャワーの水を浴びせ続けた。呼吸が出来ずにハボックがびくびくと体を痙攣させるに至ってようやくロイはハボックの顔からシャワーを離した。 「ぐはっ…ごほっごほっっ」 水を吐き出して咳き込むハボックの髪を鷲掴むとロイはその空色の瞳を覗きこむ。 「あの男のモノは旨かったか?」 「…え?」 「答えろっ」 意識が朦朧として何を言われているのか理解できないハボックの体を、ロイは苛々と揺さぶった。 「答えられないのか…っ」 「な、に…?わからな…。」 微かに首を振って答えるハボックの体を引き上げると、ロイはいきなりハボックの頭を湯船に沈めた。 「…っっ?!」 バシャバシャと音を立てて暴れる体を押さえつけて湯船に沈め続ける。ハボックの顔の辺りから大量の泡が浮き上がり、その体が強張ってビクビクと震えた。もうそのまま沈めていたら死んでしまうだろうと言う段になってロイはハボックの髪を掴み、ざばあと湯船から引き上げる。突然なだれ込んできた空気にまともに息もつけずハボックの喉がひゅうっと嫌な音を立てた。次の瞬間がはっと大量の湯を吐き出して浴槽に縋って咳き込むハボックの腰を上げさせると、ロイはハボックの蕾に己をつきたてる。 「ひううっっ」 先程まで散々に含まされていたソコはまだ柔らかく解けていて、ロイの熱を難なく飲み込んでいった。ガンガンと容赦なく突き上げ、熱を持って立ち上がったハボック自身をグイと捻りあげる。 「いったあっっ!」 胸を仰け反らせて悲鳴を上げるのに構わず先端を引っ掻けば、白濁が迸った。ロイは手を滑らせてぷくりと立ち上がった乳首に手をかける。思い切り爪を立てて抓り、こね回した。 「ひぃっっ…いたっ…やっ…あああっっ」 痛がるハボックは、だが、乱暴に扱われるたび含んだロイを締め上げる。その熱いうねりに持っていかれそうになりながらもロイはハボックの耳元に囁いた。 「痛いのがいいんだろう、お前は…淫乱め…」 「ひぅっ…ちが…っ」 その時ガツンと感じる部分を突き上げられてびゅるりと熱を吐き出したハボックにロイは言った。 「ほらみろ…いいんじゃないか…」 「あひっ…ああっやああっ」 爪を立てられ血が滲む乳首を散々にこね回されてハボックが啼く。だが、その中心は萎えることなく高々とそそり立っていた。ガンと打ち付けるようにハボックの最奥を犯してロイは熱を叩きつける。 「あっあっ…あ、つい…っ」 身のうちを焼く熱にハボックの体がぴくぴくと震えた。熱を吐き出してなお、一向に萎える気配のない自身でロイはハボックを突き上げる。赦してくれと啼くハボックを見下ろしながらロイは昏い思考に支配されていた。ハボックを喰らい尽くしてしまいたい。その体も魂も何もかも。一体いつからこんな風になってしまったのか。初めてハボックを見たときからその金色に輝く存在に惹かれていた。外見だけでない、ハボックはその魂までもが明るく輝いていた。自分とは真逆の存在。惹かれて、どんどん加速度を増す想いに歯止めがかからなくなっていった。ハボックが自分以外の誰かにその笑みを見せるのが赦せなかった。ハボックが自分以外の誰かにその空色の視線を投げるのが耐えられなかった。その一方でハボックが自分に対して強い敬愛の念を抱いていることを 知っていた。尊敬し、命すら投げ出す覚悟でいることにも気づいていた。 だから、その気持ちに付け込んだ。 無邪気に懐いてくるハボックを陥れ、所有の印を刻み込んだ。優しくしてやるのは簡単だったがロイはそうはしなかった。むしろ、散々にいたぶり傷つけ、ハボックの心にも体にも自分という存在を刻み込んだ。そうしてハボックの中に自分を深く植えつけなければ逃げてしまいそうな気がして。徹底的に痛めつけロイの心と体の形を覚え込ませた。他の誰の形も入る隙間などない程、ロイ自身で染め上げてロイという存在に縛り付けて。 だが。 自分の存在に縛り付けたと思ったのも束の間、実際に縛られているのは自分の方だとロイは気づいた。ハボックの一挙手一投足に、その心の動きにロイは縛り付けられてそれ以外何も自分の下へは届いてこない。こんなにも焦がれて愛してこの気持ちを埋める為にハボックを傷つけずにはいられない。こんな自分を最早ハボックは愛してなどいないだろう。いや、そもそも愛してなどいなかったのかもしれない。だがそうだとしてハボックを手放すことなど出来るわけもなく。 「アッアアア――――――ッ!!」 ロイは力任せにハボックを突き上げるとその最奥に熱を叩きつけていた。 |
→ 第四章 |